中1数学:空間図形 / 数学単元ガイド

中1数学|空間図形とは?直線と平面・展開図・投影図を解説【中1数学】(無料問題PDF)

今日の一問
例1:ねじれの位置
問題:
上の立方体で、辺ABとねじれの位置にある辺をすべて答えましょう。

ABと交わるAD、AE、BC、BFを除きます。ABと平行なCD、EF、GHも除きます。

答え:
FG、EH、CG、DH。
例2:面の位置関係
問題:
立方体で、面ABCDと平行な面、垂直な面を答えましょう。
平行:
面EFGH。
垂直:
面ABFE、面BCGF、面CDHG、面ADHE。
例3:投影図から立体を考える
問題:
立面図が長方形、平面図が円になる代表的な立体を答えましょう。

円の面を水平にして置いた円柱です。ただし、投影図だけでは別の立体の可能性を完全には除けないため、「代表的な立体」として答えます。

答え:
円柱。
——さて、どこから手をつける?
答えと考え方は、この記事の中で順を追って解説します。

空間図形では、平面上の図だけから立体の位置関係や形を読み取ります。見えている辺だけで判断せず、「どの面に含まれるか」「交わるか、平行か、ねじれの位置か」を立体全体で確認することが大切です。

立方体の頂点・辺・面

立方体には頂点が8個、辺が12本、面が6枚あります。下の図では、前の面をABCD、奥の面をEFGHとし、AとE、BとF、CとG、DとHを結んでいます。

立方体ABCD-EFGH。破線は奥に隠れる辺を表します。
数え方:一つの面に4本の辺があり6面なので4×6=24ですが、各辺は二つの面に共有されます。したがって辺は24÷2=12本です。

空間内の二直線の位置関係

異なる二直線の位置関係は、次の三つです。

位置関係 意味 立方体の例
交わる 一つの共有点をもつ 辺ABと辺BC
平行 同じ平面上にあり、どこまで延ばしても交わらない 辺ABと辺CD
ねじれの位置 交わらず、平行でもない。二直線を同じ平面に含められない 辺ABと辺CG
図の上で平行に見えなくても、実際の立体で平行なことがあります。反対に、紙面上で交差して見えても、奥行きが異なり実際には交わらないことがあります。

立方体で辺ABとの位置関係を整理する

  • 交わる辺:AD、AE、BC、BF。
  • 平行な辺:CD、EF、GH。
  • ねじれの位置にある辺:FG、EH、CG、DH。

自分自身のABを除く11本が、4+3+4=11本に分類されます。

直線と平面の位置関係

直線ℓと平面αの位置関係は、主に次の三つです。

  • 直線が平面上にある:直線上のすべての点が平面αに含まれる。
  • 一点で交わる:直線と平面がただ一つの共有点をもつ。
  • 平行:直線と平面が共有点をもたない。

直線と平面の垂直

直線ℓが平面αと点Pで交わり、Pを通る平面α上のすべての直線に垂直であるとき、ℓはαに垂直であるといいます。実際の判定では、Pを通る平面上の交わる二直線の両方に垂直であれば、ℓは平面αに垂直です。

ℓ、mnはPを通り、mnは平面α上で交わる
ℓ⊥m、ℓ⊥n ⇒ ℓ⊥α

点と平面の距離は、その点から平面へ引いた垂線の長さです。

平面外の点から引いた斜線と、平面上の直線の垂直は、高校数学Aの三垂線の定理の例題10問で発展的に確認できます。

二平面の位置関係

異なる二平面α、βは、直線で交わるか、平行になります。

  • 交わる:共有部分は直線になります。この直線を交線といいます。
  • 平行:共有点がありません。

立方体では、向かい合う面ABCDとEFGHは平行です。隣り合う面ABCDとABFEは辺ABを交線として交わり、互いに垂直です。

多面体・角柱・角錐

平面だけで囲まれた立体を多面体といいます。面の数に応じて四面体、五面体、六面体などと呼びます。

立体 底面 側面 主な特徴
角柱 合同で平行な二つの多角形 平行四辺形。直角柱では長方形 二つの底面を同じ向きに重ねた形
角錐 一つの多角形 共通の頂点をもつ三角形 底面の各頂点と一つの頂点を結ぶ
正多面体 すべての面が合同な正多角形で、各頂点に集まる面の数も同じ 正四面体・正六面体・正八面体・正十二面体・正二十面体の5種類

角柱・角錐・正多面体の頂点・辺・面の個数は、オイラーの多面体定理の例題10問で公式とともに確認できます。

円柱・円錐・球

  • 円柱:合同で平行な二つの円を底面とし、曲面で囲まれた立体。
  • 円錐:一つの円を底面とし、底面の円周上の点と一つの頂点を結んでできる立体。
  • 球:空間内の一点Oから等しい距離にある点の集合でできる面と、その内部。Oを球の中心といいます。

円柱や円錐は多面体ではありません。曲面を含むためです。

展開図とは

立体の辺を切り開いて、一つの平面上に広げた図を展開図といいます。展開図を組み立てるときは、どの辺とどの辺が重なるか、どの面が向かい合うかを確認します。

立方体の展開図の一例。組み立てると「前」と「後」、「上」と「下」、「左」と「右」が向かい合います。

展開図を読む手順

  1. 基準にする面を一つ決める。
  2. 基準面と辺を共有する面を、90°起こすと考える。
  3. さらに隣の面を順に起こし、重なる辺・頂点を記号で対応させる。
  4. 面どうしが重ならないか、閉じた立体になるか確認する。
頭の中だけで難しい場合は、紙へ展開図を写して切り取り、実際に折ると対応が確認できます。切る前に面と頂点へ記号を付けると、組み立て後も追跡できます。

円柱・円錐の展開図

  • 円柱:二つの合同な円と、一つの長方形。長方形の横の長さは底面の円周と等しい。
  • 円錐:一つの円と、一つのおうぎ形。おうぎ形の弧の長さは底面の円周と等しい。

表面積や体積の計算は、次の立体の表面積と体積で詳しく扱います。

投影図とは

立体を正面と真上から見た図を組にして表したものを投影図といいます。

  • 立面図:正面から見た図。
  • 平面図:真上から見た図。
置き方 立面図 平面図
立方体を一面を下にして置く 正方形 正方形
円柱を円の面を下にして置く 長方形
円錐を円の面を下にして置く 二等辺三角形
同じ投影図をもつ異なる立体が存在することがあります。投影図だけで立体が一つに決まるとは限りません。寸法や見えない部分の情報も確認します。

平面図形の回転でできる立体

平面図形を、同じ平面上の直線のまわりに一回転してできる立体を回転体といいます。回転の中心となる直線を回転の軸といいます。

  • 長方形を一辺のまわりに回転:円柱。
  • 直角三角形を直角をはさむ一辺のまわりに回転:円錐。
  • 半円を直径のまわりに回転:球。

例題

例1:ねじれの位置

問題:上の立方体で、辺ABとねじれの位置にある辺をすべて答えましょう。

ABと交わるAD、AE、BC、BFを除きます。ABと平行なCD、EF、GHも除きます。

答え:FG、EH、CG、DH。

例2:面の位置関係

問題:立方体で、面ABCDと平行な面、垂直な面を答えましょう。

平行:面EFGH。

垂直:面ABFE、面BCGF、面CDHG、面ADHE。

例3:投影図から立体を考える

問題:立面図が長方形、平面図が円になる代表的な立体を答えましょう。

円の面を水平にして置いた円柱です。ただし、投影図だけでは別の立体の可能性を完全には除けないため、「代表的な立体」として答えます。

答え:円柱。

よくある間違い

1. 交わらない二直線をすべて平行とする

空間では、交わらず平行でもない「ねじれの位置」があります。同じ平面に含まれるかを確認します。

2. 見取り図の長さや角度をそのまま信じる

見取り図は立体を斜めから表すため、実際の直角が直角に見えないことがあります。頂点・辺・面の関係から判断します。

3. 展開図で辺の対応を見た目だけで決める

基準面から一面ずつ起こし、重なる頂点と辺へ同じ記号を書きます。

4. 立面図と平面図を逆にする

立面図は正面、平面図は真上から見た図です。

確認問題

  1. 空間内で、交わらず平行でもない二直線の位置関係を何といいますか。
  2. 立方体で、一つの辺と交わる辺、平行な辺、ねじれの位置にある辺はそれぞれ何本ですか。
  3. 円柱の展開図をつくる図形を答え、長方形の横の長さが何に等しいか説明してください。
  4. 円錐を底面の円を下にして置くとき、立面図と平面図はそれぞれ何ですか。
  5. 半円を直径のまわりに一回転すると何ができますか。
解答と解説を開く
  1. ねじれの位置。
  2. 交わる辺4本、平行な辺3本、ねじれの位置にある辺4本。自分自身を除く11本を4+3+4に分類できます。
  3. 合同な二つの円と長方形。長方形の横は底面の円周に等しく、半径をrとすると2πrです。
  4. 立面図は二等辺三角形、平面図は円。
  5. 球。

まとめ

  • 空間の二直線は、交わる・平行・ねじれの位置に分類する。
  • 直線と平面、二平面の共有点・交線・垂直を立体全体で判断する。
  • 展開図は面を順に起こし、重なる辺と頂点を追跡する。
  • 投影図は立面図と平面図を組にして読む。
  • 見取り図の見た目ではなく、頂点・辺・面の関係を根拠にする。

学習範囲の根拠

この記事は、文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」の第1学年「空間図形」を基準に構成しています。正式な内容は、文部科学省の解説PDFで確認できます。

前後の単元

全体像へ戻る中学数学の全単元一覧で、図形領域の学習順を確認できます。

次に学ぶ次は、柱体・錐体・球の計算を扱う立体の表面積と体積へ進みます。

図でつかむ 21問ドリル(問題→答え→解説)

ここから下は、上の解説を手を動かして定着させるためのドリルです。やさしい順に4つのステップへ並べた21問を、問題のすぐ下に答えと解説をつけて置いています。図はすべて数強塾が3次元の座標を計算し、斜投影で描き起こしたオリジナルです。辺の位置関係もベクトルで判定しているので、本数の内訳が図と一致しています。上から順に、1問ずつ自分で解いてから答えを見てください。

こんな間違いをした 本当の原因 戻る場所
交わらない=平行と考えてしまう 同じ平面上にあるかを見ていない 問2
ねじれの位置を数えもらす 12本すべてを分類しきっていない 問3
頂点・辺・面を数えまちがえる 式で出さずに目で数えている 問7
数えた結果が合っているか不安 オイラーの定理で検算していない 問8
展開図で向かい合う面がわからない 1つとばしの規則を使っていない 問11
円錐の展開図の中心角が出せない 弧=底面の円周を押さえていない 問14
投影図から立体が読めない 平面図で底面、立面図で高さ方向と分けていない 問17
空間のまま考えて詰まる 平面に落としていない 問21

STEP1 空間での位置関係

平面では2直線は「交わる」か「平行」の2つでした。空間ではもう1つ、ねじれの位置が加わります。ここがこの単元の最初の関門です。

このステップのゴール:3つの位置関係を、立体の上で見分けられる

問 1空間内の2直線の位置関係

空間内にある2つの直線の位置関係を、すべて挙げなさい。

答え交わる/平行である/ねじれの位置にある の3つ

解説

平面のときは2つでしたが、空間では3つになります。

交わる共有点が1つある
平行同じ平面上にあって、共有点がない
ねじれの位置同じ平面上になく、共有点もない

平行とねじれのちがいは「同じ平面上にあるかどうか」だけです。どちらも交わらないので、そこだけで見分けようとすると混乱します。

問 2ねじれの位置とは

2直線が「ねじれの位置にある」とは、どういうことですか。

答え同じ平面上になく、交わりもしない位置関係

解説

空間だからこそ起きる関係です。

たとえば道路の上を高架橋が横切っているとき、道路と高架橋はぶつからないし、平行でもありません。これがねじれの位置です。

見分け方のコツは「1枚の紙にのせられるか」。2直線を同時にのせられる平面がなければ、ねじれの位置です。

平面図形の感覚のままだと「交わらない=平行」と考えてしまいます。空間ではそうならない、というのがこの単元の出発点です。

問 3立方体でねじれの位置を数える

立方体 ABCD-EFGH で、辺 AB とねじれの位置にある辺は何本ありますか。

立方体の辺ABと、ほかの辺の位置関係ABCDEFGH辺AB(オレンジ)に対して平行3本(青)・交わる4本(灰)・ねじれ4本(赤)
オレンジが辺AB。青が平行、灰が交わる、赤がねじれ

答え4本

解説

立方体の辺は全部で12本です。辺AB 自身をのぞいた11本を分類します。

平行3本(DC、EF、HG)
交わる4本(AD、AE、BC、BF)
ねじれ4本(CG、DH、EH、FG)

1 + 3 + 4 + 4 = 12

よって 4本 です。

数えもれを防ぐコツは、12本すべてを分類しきることです。「ねじれだけ探す」と抜けます。平行と交わるを先に消していけば、残ったものが自動的にねじれになります。

問 4直線と平面の位置関係

直線と平面の位置関係を、すべて挙げなさい。

答え直線が平面上にある/1点で交わる/平行である の3つ

解説

ふくまれる直線が平面の上にある
交わる共有点が1つだけ
平行共有点がない

とくに直線と平面が垂直とは、その直線が、平面上のすべての直線と垂直になっていることをいいます。

実際に確かめるときは、交わる2直線と垂直であることを示せば十分です。すべてを調べる必要はありません。

問 52平面の位置関係

2つの平面の位置関係を、すべて挙げなさい。

答え交わる/平行である の2つ

解説

平面どうしは、交わるか平行かの2つだけです。ねじれの位置はありません。

2平面が交わってできる線を交線といいます。

部屋の壁と天井が交わってできる線をイメージしてください。それが交線です。

2平面が交わるとき、その交わり方の角度を二面角といいます。二面角が90°のとき、2平面は垂直です。

STEP2 立体の分類と数え方

角柱・角錐・円柱・円錐・球。名前だけでなく、頂点・辺・面がいくつあるかを数えられるようにします。

このステップのゴール:立体の名前から、頂点・辺・面の数を出せる

問 6角柱と角錐のちがい

角柱と角錐は、どこがちがいますか。

角柱と角錐三角柱四角錐
底面が2つなら角柱、1つで頂点に集まるなら角錐

答え角柱は合同な2つの底面が向かい合い、角錐は底面が1つで頂点に集まる

解説

角柱底面が2つ(合同で平行)。側面は長方形
角錐底面が1つ。側面は三角形で、1点(頂点)に集まる

底面の形で名前が決まります。底面が三角形なら三角柱・三角錐、四角形なら四角柱・四角錐です。

角柱の側面をすべて合わせた面積を側面積、側面積に底面積を加えたものを表面積といいます。

問 7頂点・辺・面の数を数える

五角柱の頂点・辺・面の数をそれぞれ答えなさい。

答え頂点10個、辺15本、面7つ

解説

n角柱で考えると規則が見えます。

頂点 = n × 2辺 = n × 3 (上の底面 n + 下の底面 n + 縦 n)面 = n + 2 (側面 n + 底面 2)

五角柱なので n=5 を入れて、

頂点 = 10、辺 = 15、面 = 7

よって 頂点10個、辺15本、面7つ です。

数えるのではなく式で出すと、数えもれがなくなります。

問 8オイラーの多面体定理

五角柱について、(頂点の数)−(辺の数)+(面の数)を計算しなさい。また、この値はほかの多面体でもどうなりますか。

答え2。へこみのない多面体では、いつも 2 になる

解説

10 − 15 + 7 = 2

この 2 という値は、へこみのない多面体ならいつも同じになります。

確かめてみましょう。

三角柱:6 − 9 + 5 = 2四角錐:5 − 8 + 5 = 2正八面体:6 − 12 + 8 = 2

これをオイラーの多面体定理といいます。

数えた結果が 2 にならなければ、どこかで数えまちがえています。検算に使えるのがこの定理の便利なところです。

問 9正多面体

正多面体は何種類ありますか。すべての名前を挙げなさい。

答え5種類。正四面体・正六面体(立方体)・正八面体・正十二面体・正二十面体

解説

すべての面が合同な正多角形で、どの頂点にも同じ数の面が集まる立体を正多面体といいます。

正四面体正三角形4つ
正六面体正方形6つ(立方体)
正八面体正三角形8つ
正十二面体正五角形12個
正二十面体正三角形20個

この5種類しかありません。6種類目は作れない、ということが証明されています。

問 10曲面をもつ立体

円柱・円錐・球について、それぞれ平面と曲面がどうなっているか説明しなさい。

答え円柱は平面2つ+曲面、円錐は平面1つ+曲面、球は曲面だけ

解説

円柱底面の円2つ(平面)+側面(曲面)
円錐底面の円1つ(平面)+側面(曲面)
曲面だけ。頂点も辺もない

曲面をもつので、これらは多面体ではありません。オイラーの定理も使えません。

角柱と円柱、角錐と円錐は底面が多角形か円かのちがいだけで、考え方は同じです。

STEP3 展開図

立体を切り開いて平面にしたものが展開図です。組み立てたときどこがくっつくかを追えるかが勝負になります。

このステップのゴール:展開図から、組み立てたあとの位置関係を読める

問 11立方体の展開図

図は立方体の展開図です。組み立てたとき、面1と向かい合う面はどれですか。

立方体の展開図1234566つの正方形。組み立てると立方体になる
縦の3つならびは、両端が向かい合う

答え面6

解説

立方体の展開図では、1つ間をあけた面どうしが向かい合います。

十字形の縦のならびを見ると、1・3・6 と3つ並んでいます。両端の 1 と 6 が向かい合う面です。

横のならび 2・3・4・5 では、2 と 4、3 と 5 が向かい合います。

コツは「1つとばし」。となりの面は必ずくっつくので、向かい合うことはありません。

問 12展開図で重なる頂点

立方体の展開図を組み立てるとき、どの頂点とどの頂点が重なるかを調べる方法を説明しなさい。

答えとなり合う面の共有する辺をたどり、辺の長さが等しいことを使って対応させる

解説

となり合う面は、共有する辺でつながったまま折り曲げられます。だから共有する辺の両端は動かないと考えられます。

遠い面どうしは、間の面を1つずつたどっていけば追えます。

実際に手を動かすなら、展開図を紙にかいて折ってみるのがいちばん速いです。頭の中だけでやろうとすると、たいてい途中で迷子になります。

試験では折れないので、近い面から順に印をつけていくのが現実的な方法です。

問 13円柱の展開図

底面の半径が 5cm の円柱の展開図で、側面の長方形の横の長さを求めなさい。

答え10π cm

解説

円柱の側面を切り開くと長方形になります。

その横の長さは、底面の円周と同じです。側面はぐるっと底面に沿って巻きついているからです。

横の長さ = 底面の円周 = 2π × 5 = 10π

よって 10π cm です。

たての長さは円柱の高さになります。

問 14円錐の展開図の中心角

底面の半径が 2cm、母線が 6cm の円錐の展開図で、側面のおうぎ形の中心角を求めなさい。

円錐の展開図と中心角底面120°母線 6側面のおうぎ形の弧=底面の円周
おうぎ形の弧が、底面の円周とぴったり合う

答え120°

解説

側面のおうぎ形は、半径が母線の長さになります。

そしておうぎ形の弧の長さ=底面の円周です。巻きつけたときにぴったり合わなければならないからです。

底面の円周 = 2π × 2 = 4π

半径6のおうぎ形で弧が 4π になる中心角を x とすると、

2π × 6 × x/360 = 4π12π × x/360 = 4πx = 120

よって 120° です。

公式にすると、

中心角 = 360° × 半径 ÷ 母線

です。ただし丸暗記より「弧=底面の円周」を覚えておくほうが応用がききます。

問 15展開図で最短距離を考える

立体の表面を通ってA地点からB地点へ行く最短の道すじは、どうやって求めますか。

答え展開図にひらいて、AとBを直線で結ぶ

解説

立体のまま考えると、道すじが曲がっていて比べられません。

そこで展開図にひらいて平面にします。平面上では、2点を結ぶ最短の道は直線です。

その直線を、もう一度立体に巻きもどしたものが求める道すじになります。

注意点はひらき方が何通りもあることです。どの面を通るかで長さが変わるので、考えられるひらき方をいくつか試して、いちばん短いものを選びます。

STEP4 投影図と回転体

立体を平面で表す方法と、平面から立体を作る方法。3次元と2次元を行き来する練習です。

このステップのゴール:投影図から立体を、平面図形から回転体を言い当てられる

問 16投影図とは

投影図とは何ですか。立面図と平面図についても説明しなさい。

投影図から立体を読む立面図(正面)平面図(真上)長方形と円 → 円柱
立面図が長方形、平面図が円なら円柱

答え立体を正面と真上から見た図で表したもの。正面から見たのが立面図、真上から見たのが平面図

解説

立体を2方向から見た形で表すのが投影図です。

立面図正面から見た形(上に描く)
平面図真上から見た形(下に描く)

2方向から見ることで、立体の形が1つに決まります。1方向だけでは、円柱と球の区別がつきません。

問 17投影図から立体を読む

立面図が長方形、平面図が円である立体は何ですか。また、立面図が三角形、平面図が円である立体は何ですか。

答え円柱/円錐

解説

長方形+円→ 円柱
三角形+円→ 円錐
円+円→ 球
長方形+長方形→ 直方体

読み方のコツは、平面図(真上から)で底面の形立面図(正面から)で高さ方向の形を見ることです。

平面図が円なら底面が円なので、円柱・円錐・球のどれか。そこから立面図で絞りこみます。

問 18回転体

平面図形を1つの直線のまわりに1回転させてできる立体を何といいますか。また、直角三角形を回転させると何ができますか。

回転体(直角三角形を1回転)直角三角形を1回転 → 円錐回転の軸
直角三角形を回すと円錐になる

答え回転体。直角三角形を直角をはさむ辺のまわりに回転させると円錐ができる

解説

1つの直線(回転の軸)のまわりに平面図形を1回転させてできる立体を回転体といいます。

直角三角形を、直角をはさむ1辺を軸にして回すと円錐ができます。

軸にした辺が円錐の高さ、もう1つの辺が底面の半径、斜辺が母線になります。

回転体の特徴は、軸に垂直な面で切ると必ず円になることです。

問 19いろいろな回転体

長方形・半円・直角三角形をそれぞれ1回転させると、どんな立体ができますか。

答え長方形→円柱、半円→球、直角三角形→円錐

解説

長方形1辺を軸に回す → 円柱
半円直径を軸に回す → 球
直角三角形直角をはさむ辺を軸に回す → 円錐

軸の取り方を変えると、できる立体も変わります。

たとえば長方形を、辺ではなく1辺から離れた直線のまわりに回すと、中心に穴のあいたドーナツのような立体になります。

「どの直線を軸にするか」を必ず確認してください。

問 20回転体の断面

回転体を、回転の軸に垂直な平面で切ったときの切り口はどんな形になりますか。また、軸をふくむ平面で切ったときはどうですか。

答え軸に垂直に切ると円。軸をふくむ平面で切ると、もとの図形を軸で対称にした形

解説

軸に垂直→ 必ず円になる
軸をふくむ→ もとの平面図形と、それを軸で折り返した図形を合わせた形

円錐を軸に垂直に切れば円、軸をふくむ面で切れば二等辺三角形です。

「切り口が必ず円になる」というのが回転体の見分け方にもなります。

問 21この単元の使いどころ

空間図形の問題で手が止まったとき、まず何をすればよいですか。

答え平面に落とす。展開図にひらくか、断面を取り出して平面図形の問題にする

解説

空間のまま考えようとすると、ほとんどの人が詰まります。

① 展開図にひらく表面の長さ・最短距離はこれ
② 断面を取り出す高さ・対角線はこれ
③ 位置関係は分類しきる数えもれを防ぐ

空間の問題を、平面の問題に翻訳する。これがこの単元でいちばん大事な発想です。

中3で三平方の定理を習うと、この「断面を取り出す」がそのまま長さの計算につながります。表面積と体積の求め方は別ページにまとめているので、公式の確認はそちらをどうぞ。

仕上げの追加演習

ここまでの解き方が身についたかを確かめる問題です。ドリルと同じ形で数だけ変えてあります。答えは下にまとめてあるので、手でかくして解いてから見てください。

追加演習 10問

解き方がわからなくなったら、上のドリルの同じステップに戻ってください。

  1. 立方体 ABCD-EFGH で、辺 AB と平行な辺は何本ありますか。
  2. 立方体 ABCD-EFGH で、辺 AB と交わる辺は何本ありますか。
  3. 六角柱の頂点・辺・面の数をそれぞれ答えなさい。
  4. 六角柱について(頂点)−(辺)+(面)を計算しなさい。
  5. 三角錐の頂点・辺・面の数をそれぞれ答えなさい。
  6. 正十二面体の面はどんな形ですか。
  7. 底面の半径が 4cm の円柱の展開図で、側面の長方形の横の長さを求めなさい。
  8. 底面の半径が 3cm、母線が 12cm の円錐の展開図の中心角を求めなさい。
  9. 立面図が三角形、平面図が円である立体は何ですか。
  10. 半円を直径のまわりに1回転させてできる立体は何ですか。

答え(1) 3本 (2) 4本 (3) 頂点12個、辺18本、面8つ (4) 2 (5) 頂点4個、辺6本、面4つ (6) 正五角形 (7) 8π cm (8) 90° (9) 円錐 (10) 球

中高一貫校でこの単元に取り組む人へ

「空間図形」は、公立中学校では中学1年で学ぶ単元です。中高一貫校では中1のうちに三平方の定理まで進む学校もあり、空間図形と三平方を組み合わせた問題が早い時期に出てきます。ここで「空間を平面に落とす」感覚を作っておかないと、立体の長さを求める問題で手が出なくなります。

学校ごとの進度・教材・定期テストの傾向は次のページにまとめています。

よくある質問

ねじれの位置と平行は、どう見分けますか?

同じ平面上にあるかどうかで見分けます。どちらも交わりませんが、1枚の紙に2直線を同時にのせられるなら平行、のせられないならねじれの位置です。「交わらない=平行」は平面での話で、空間では成り立ちません。

ねじれの位置にある辺を数えもらしてしまいます。

ねじれだけを探すのではなく、全部の辺を分類しきってください。立方体の12本なら、自分自身1本・平行3本・交わる4本を先に消せば、残った4本が自動的にねじれの位置になります。引き算で出すほうが確実です。

頂点・辺・面の数を数えるコツはありますか?

n角柱なら頂点2n・辺3n・面n+2、n角錐なら頂点n+1・辺2n・面n+1 と、式で出すのが確実です。目で数えると必ずもれます。

数え方が合っているか確かめる方法はありますか?

オイラーの多面体定理を使います。へこみのない多面体では(頂点)−(辺)+(面)がいつも2になります。2にならなければ、どこかで数えまちがえています。検算に使えます。

立方体の展開図で、向かい合う面はどう見つけますか?

一列に並んだ面のうち、1つとばした面どうしが向かい合います。となり合う面は組み立てたときにくっつくので、向かい合うことはありません。

円錐の展開図の中心角の公式が覚えられません。

覚えなくても出せます。おうぎ形の弧の長さが底面の円周と等しくなる、という一点だけ押さえてください。半径2・母線6なら底面の円周は4π、半径6のおうぎ形で弧が4πになる中心角を求めて120°です。

立体の表面上の最短距離は、どう求めますか?

展開図にひらいて、2点を直線で結びます。平面では直線が最短だからです。ただしひらき方は何通りもあるので、どの面を通るかを変えて何通りか試し、いちばん短いものを選んでください。

表面積と体積の公式は、ここには出てきませんか?

別のページにまとめています。角柱・円柱・角錐・円錐・球の公式と例題はそちらにありますので、ページ下部の「次に進むページ」からどうぞ。

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ドリル部分の執筆・作図:藤原進之介(数強塾代表・数学参考書著者)
ドリル追加日:2026年8月14日
この21問と6点の図版は、数強塾が独自に作成したものです。図はすべて3次元の座標を計算し、斜投影で2次元に落として描いています。辺どうしの位置関係は外積と三重積で判定しており、立方体の辺ABに対して平行3本・交わる4本・ねじれ4本、合計が12本になることを機械的に確かめています。円錐の展開図も、おうぎ形の弧の長さが底面の円周と一致する中心角を計算して描いています。

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中1「空間図形」の演習教材です。各ページから問題PDFをダウンロードでき、解答PDFがある回はあわせて掲載しています。難易度の低い順に並べています。

公式と要点をまとめて確認する:中1数学の要点辞典:空間図形 ── 公式一覧だけでなく、いつ使うか・どこで点を落とすかまで書いています。

この単元の関連解説:中1数学|立体の表面積と体積 角柱・円柱・角錐・円錐・球【中1数学】(無料問題PDF)

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