連立方程式は、二つの未知数を含む二つの方程式を同時に満たす数の組を求める方法です。中心となる考え方は、加減法でも代入法でも「未知数を一つ消し、中1で学んだ一元一次方程式にする」ことです。解の意味から、係数のそろえ方、小数・分数を含む式、特別な場合まで順に解説します。
二元一次方程式と連立方程式
2x+y=7のように、二つの文字を含み、それぞれの文字の次数が1である方程式を二元一次方程式といいます。
一つの二元一次方程式には、多くの解があります。例えば2x+y=7には、(x, y)=(0, 7)、(1, 5)、(2, 3)などが当てはまります。
二つ以上の方程式を組にしたものを連立方程式といいます。その全てを同時に満たす数の組が、連立方程式の解です。
x-y=2
この二つを同時に満たすのは(x, y)=(3, 1)です。第1式は2×3+1=7、第2式は3-1=2となります。
解法の共通点は「一文字を消す」
| 方法 | 一文字を消す仕組み | 使いやすい形 |
|---|---|---|
| 加減法 | 二式を加減し、係数が反対または同じ文字を消す | 係数がそろっている、または小さい整数倍でそろう |
| 代入法 | 一方の文字を表す式を、もう一方の式へ代入する | y=…、x=…の形、係数が1や-1 |
どちらを使っても、正しく計算すれば同じ解になります。式の形に応じて、計算が短くなる方法を選びます。
加減法1:係数が反対なら加える
例1:そのまま加える
x-y=1 ……②
①と②を加えると、+yと-yが打ち消し合います。
x=4
x=4を①へ代入すると、4+y=7よりy=3です。
答え:x=4、y=3。
加減法2:係数が同じなら引く
例2:二式を引く
2x-y=4 ……②
①-②を計算すると、2xが消えます。
4y=8
y=2
y=2を②へ代入すると、2x-2=4よりx=3です。
答え:x=3、y=2。
加減法3:係数をそろえる
消したい文字の係数がそろっていないときは、一方または両方の式の両辺に数を掛けます。
例3:両方の式を整数倍する
3x-2y=4 ……②
yを消すため、①を2倍、②を3倍します。
9x-6y=12 ……②×3
二式を加えると、13x=26よりx=2です。①へ代入すると4+3y=7よりy=1です。
答え:x=2、y=1。
- どちらの文字を消すか決める。
- 係数の最小公倍数を考え、各式の両辺を整数倍する。
- 係数が反対なら加え、同じなら引く。
- 一文字の方程式を解く。
- 得た値を元の式へ代入し、もう一方を求める。
- 両方の元の式で検算する。
代入法
一方の式がy=…やx=…の形なら、その右辺をもう一方の式の同じ文字へ代入します。
例4:yの式を代入する
3x+y=14 ……②
②のyへ、①の2x-1を代入します。
5x-1=14
x=3
①よりy=2×3-1=5です。
答え:x=3、y=5。
例5:代入しやすい形へ直す
2x+3y=13 ……②
①をx=8-2yと直し、②へ代入します。
16-4y+3y=13
y=3
x=8-2×3=2です。
答え:x=2、y=3。
小数を含む連立方程式
各式の両辺に10、100などを掛け、小数を整数に直してから解きます。
例6:小数を整数へ直す
0.4x-0.1y=0.5
各式の両辺を10倍します。
4x-y=5 ……②
②を3倍して①へ加えると、14x=28よりx=2です。②へ代入して8-y=5よりy=3です。
答え:x=2、y=3。
分数を含む連立方程式
各式の分母の最小公倍数を両辺に掛け、分母をなくします。
例7:分母をなくす
x-y=3 ……②
①の両辺を6倍すると、3x+2y=24です。②からx=y+3として代入します。
5y=15
y=3
x=3+3=6です。
答え:x=6、y=3。
解を必ず検算する
得たxとyを、変形後ではなく元の二式へ代入します。両方で左辺と右辺が一致して初めて検算完了です。
例8:例3の解を検算する
例3の解(2, 1)を代入します。
3×2-2×1=6-2=4
どちらも元の右辺と一致します。
解が一組とは限らない
通常の問題では解が一組に定まりますが、二式の関係によっては解がない場合や、無数にある場合があります。
| 連立方程式 | 計算結果 | 解 |
|---|---|---|
| x+y=3 2x+2y=7 |
第1式を2倍すると2x+2y=6で、第2式と矛盾 | 解なし |
| x+y=3 2x+2y=6 |
第2式は第1式の2倍で、同じ関係を表す | 無数にある |
後に一次関数のグラフを学ぶと、解が一組なら二直線の交点が一つ、解なしなら平行、無数の解なら同じ直線として理解できます。
よくある間違い
1. 一方の式だけを整数倍する
式を2倍するなら、左辺の全項と右辺を全て2倍します。
2. 二式を引くとき符号を一部しか変えない
引く式全体へ負号を分配します。縦に並べて各項の符号を書くと安全です。
3. 一文字を求めて終わる
連立方程式の解はxとyの組です。求めた値を元の式へ戻し、もう一方も求めます。
4. 変形後の式だけで検算する
計算途中に誤りがある可能性を調べるため、最初の二式へ代入します。
確認問題
- x+y=9、x-y=3を解いてください。
- 2x+y=7、3x-y=8を解いてください。
- 3x+2y=16、x-2y=0を解いてください。
- x+2y=8、2x+3y=13を解いてください。
- y=3x-4、2x+y=11を解いてください。
- 2x+3y=7、3x-2y=4を解いてください。
- 0.2x+0.3y=1.3、0.4x-0.1y=0.5を解いてください。
- x/2+y/3=4、x-y=3を解いてください。
- x+y=3、2x+2y=7の解の個数を答えてください。
- x+y=3、2x+2y=6の解の個数を答えてください。
解答と解説を開く
- 二式を加えて2x=12より、x=6、y=3。
- 二式を加えて5x=15より、x=3、y=1。
- 二式を加えて4x=16より、x=4、y=2。
- 第1式からx=8-2yを第2式へ代入し、y=3、x=2。
- 2x+3x-4=11より、x=3、y=5。
- 第1式を2倍、第2式を3倍して加え、13x=26より、x=2、y=1。
- 各式を10倍して2x+3y=13、4x-y=5。解はx=2、y=3。
- 第1式を6倍して3x+2y=24。解はx=6、y=3。
- 解なし。第1式を2倍した左辺は第2式と同じですが、右辺が6と7で矛盾します。
- 解は無数にあります。第2式は第1式の2倍で、同じ条件を表します。
まとめ
- 連立方程式の解は、全ての式を同時に満たす数の組。
- 加減法は係数をそろえて二式を加減し、代入法は一文字を表す式を代入する。
- 小数は10や100倍、分数は分母の最小公倍数を掛けて整数の式へ直す。
- 一文字を求めた後、もう一方も求め、元の二式で検算する。
- 二式の関係によって、解が一組、解なし、無数の解の場合がある。
学習範囲の根拠
この記事は、文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」の第2学年「連立二元一次方程式」を基準に構成しています。連立方程式の必要性と意味、解の意味を理解し、加減法・代入法で解く学習を反映しています。正式な内容は、文部科学省の解説PDFで確認できます。
保護者の方へ:見守りのポイント
速く消去できるかより、「なぜこの式を何倍したか」「どの文字を消したか」を説明できるかをご確認ください。一文字を求めて止まる場合は、答えが数の組であることと、元の二式での検算を習慣にすると安定します。
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