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三平方の定理|証明・辺の長さ・平面と空間【中3】

三平方の定理は面積の話だった|証明・辺の長さ・平面と空間|オンライン数学専門塾 数強塾

三平方の定理は、直角三角形の3辺を結ぶ関係です。直角をはさむ2辺をab、斜辺をcとすると、a2b2c2です。直角と斜辺を正しく見分け、平面や空間の長さへ活用しましょう。

三平方の定理とは

直角三角形で、直角をはさむ2辺の長さをab、直角の向かい側にある斜辺の長さをcとします。このとき、次の関係が成り立ちます。

a2b2c2

これが三平方の定理です。ピタゴラスの定理とも呼ばれます。斜辺cは直角の向かい側にあり、直角三角形の3辺のうち最も長い辺です。

位置 式での役割
ab 直角をはさむ2辺 それぞれの平方を足す
c 直角の向かい側にある斜辺 斜辺の平方になる
三平方の定理をそのまま使えるのは直角三角形だけです。また、cは図で斜めに見える辺ではなく、直角の向かい側の辺です。図の向きが変わっても定義は変わりません。

面積で見る定理の意味

各辺を1辺とする正方形を考えると、三平方の定理は面積の関係を表します。辺a上の正方形の面積はa2、辺b上はb2、斜辺c上はc2です。

直角をはさむ2辺上の正方形の面積の和
=斜辺上の正方形の面積

例えば、直角をはさむ2辺が3cmと4cmなら、それぞれの正方形の面積は9cm2と16cm2です。和は25cm2なので、斜辺上の正方形の1辺、すなわち斜辺は5cmです。

三平方の定理の証明

直角をはさむ2辺がab、斜辺がcの合同な直角三角形を4枚用意し、1辺が(ab)の大きな正方形の四隅に並べます。中央には、4辺がすべてcの四角形ができます。

直角三角形の二つの鋭角の和は90°なので、中央の四角形の各角も90°です。したがって、中央は1辺cの正方形です。

大きな正方形の面積を、二通りに表します。

大きな正方形: (ab2
4枚の三角形と中央の正方形:4×(ab/2)+c2

二つは同じ面積なので、

ab2=2abc2
a2+2abb2=2abc2
a2b2c2

よって、三平方の定理が成り立ちます。図形の面積と式の展開が、同じ関係を別の方法で表している証明です。

斜辺を求める

直角をはさむ2辺abが分かっているときは、平方を足してから、長さなので正の平方根を取ります。

c=√(a2b2

例1:直角をはさむ2辺が6cmと8cm

斜辺をccmとします。

c2=62+82=36+64=100
c=10

答え:10cm

確かめ:62+82=100=102です。

斜辺以外の辺を求める

斜辺cと一方の辺aが分かっているときは、斜辺の平方から分かっている辺の平方を引きます。

b2c2a2
b=√(c2a2

例2:斜辺が13cm、他の一辺が5cm

求める辺をbcmとします。

52b2=132
b2=169-25=144
b=12

答え:12cm

確かめ:52+122=25+144=169=132です。

b2=144からは方程式としてb=±12が得られますが、bは辺の長さなので正の値12だけを答えます。

答えが平方根になる場合

平方して整数になる長さだけが答えになるとは限りません。根号を使うと、丸めずに正確な長さを表せます。

例3:直角をはさむ2辺がともに1cm

c2=12+12=2
c=√2

答え:√2cm

√2≈1.414ですが、近似値を求める指定がなければ√2cmが正確な答えです。

例えば√72は、そのままにせず、平方数36を根号の外へ出します。

√72=√(36×2)=6√2

平方根の計算で、根号を簡単にする方法を確認できます。

三平方の定理の逆

3辺の長さが分かっている三角形で、最も長い辺をc、他の2辺をabとします。

a2b2c2

が成り立つなら、その三角形は、辺cを斜辺とする直角三角形です。これが三平方の定理の逆です。

理由を確かめます。直角をはさむ2辺がabの直角三角形を別に作ると、その斜辺をdとしてd2a2b2c2です。長さは正なのでdcとなり、二つの三角形は3辺がそれぞれ等しく合同です。したがって、もとの三角形にも90°の角があります。

例4:7cm、24cm、25cmの三角形

最も長い辺は25cmです。

72+242=49+576=625
252=625

二つが等しいので、三平方の定理の逆から、この三角形は直角三角形です。25cmの辺が斜辺です。

3辺のうち、必ず最も長い辺を右辺のc2に置きます。また、辺の長さとして与えられた正の数が三角形を作れるという条件のもとで逆を使います。

覚えておくと便利な辺の比

次のように、3辺が整数になる直角三角形があります。これらはピタゴラス数の例です。

直角をはさむ2辺 斜辺 平方の確認
3、4 5 9+16=25
5、12 13 25+144=169
7、24 25 49+576=625
8、15 17 64+225=289

3:4:5を2倍した6:8:10、3倍した9:12:15も同じ形の直角三角形です。比を知っていると計算を確かめやすくなりますが、条件を確認せずに当てはめるのではなく、三平方の定理で関係を説明できることが大切です。

平面図形への活用

図の中に直角三角形を見つける、または補助線を引いて作ると、直接測りにくい長さを求められます。

例5:長方形の対角線

縦6cm、横8cmの長方形の対角線をdcmとします。対角線で分けると、縦と横を直角をはさむ2辺とする直角三角形ができます。

d2=62+82=100
d=10

答え:10cm

例6:正三角形の高さ

1辺10cmの正三角形で、一つの頂点から向かい側の辺へ垂線を下ろします。正三角形は二等辺三角形なので、この垂線は底辺を5cmずつに分けます。高さをhcmとします。

h2+52=102
h2=75
h=5√3

答え:5√3cm

確かめ:(5√3)2+52=75+25=100です。

座標平面の2点間の距離

Ax1, y1)と点Bx2, y2)の横方向の長さは|x2x1|、縦方向の長さは|y2y1|です。この2辺を直角をはさむ辺と考えます。

AB=√((x2x12+(y2y12

例7:点A(1, 2)と点B(7, 10)の距離

横の差は7-1=6、縦の差は10-2=8です。

AB=√(62+82)=√100=10

答え:10

差の向きを逆にしても、平方するので距離は同じです。ただし、「座標の差」そのものと「長さ」を区別し、長さは負にならないことを確認します。

空間図形への活用

空間では、一度に3方向を式へ入れたように見えても、実際には三平方の定理を二回使います。直方体の縦をa、横をb、高さをcとすると、まず底面の対角線を求め、次にその対角線と高さでできる直角三角形を考えます。

底面の対角線の平方=a2b2
空間対角線dの平方=a2b2c2

例8:3cm、4cm、12cmの直方体の空間対角線

底面の対角線は、32+42=25より5cmです。空間対角線をdcmとすると、

d2=52+122=25+144=169
d=13

答え:13cm

確かめ:32+42+122=169=132です。

例9:円錐の母線

底面の半径が5cm、高さが12cmの直円錐で、頂点と底面の中心と底面の円周上の一点を結ぶと、直角をはさむ2辺が5cmと12cmの直角三角形ができます。母線をlcmとします。

l2=52+122=169
l=13

答え:13cm

問題を解く手順

  1. 直角を確認する:直角の印、長方形、垂線、円の直径など、根拠を探します。
  2. 斜辺を確認する:直角の向かい側にある最も長い辺をcとします。
  3. 分かる長さを式へ入れる:a2b2c2に対応させます。
  4. 平方を計算する:斜辺なら足し、他の辺なら斜辺の平方から引きます。
  5. 正の平方根を取る:根号を簡単にし、単位を付けます。
  6. 確かめる:斜辺が最も長いか、元の式に戻して成り立つかを確認します。

よくある誤りと直し方

誤り 直し方
どの三角形にも公式を使う 直角が条件として示されているか確認する
斜めに見える辺を斜辺とする 直角の向かい側の辺を選ぶ
abcとする 辺ではなく、各辺の平方の関係であることを確認する
他の辺を求めるときも平方を足す b2c2a2と移項する
√72を36√2とする √36=6なので、√72=6√2
長さに負の解も含める 辺の長さには正の平方根を採用する
逆で最も長い辺を確認しない 最大の辺をcとして、他の2辺の平方和と比べる
空間対角線を底面の対角線と混同する 底面で一回、底面対角線と高さでもう一回使う

確認問題

  1. 直角をはさむ2辺が9cmと12cmの直角三角形の斜辺を求めましょう。
  2. 斜辺が17cm、他の一辺が8cmの直角三角形で、残りの一辺を求めましょう。
  3. 直角をはさむ2辺がともに6cmの直角三角形の斜辺を、根号を簡単にして求めましょう。
  4. 3辺が5cm、12cm、13cmの三角形は直角三角形ですか。根拠も答えましょう。
  5. 3辺が6cm、7cm、10cmの三角形は直角三角形ですか。
  6. 縦5cm、横12cmの長方形の対角線を求めましょう。
  7. 1辺6cmの正三角形の高さを求めましょう。
  8. 1辺7cmの正方形の対角線を求めましょう。
  9. P(-2, 1)と点Q(4, 9)の距離を求めましょう。
  10. 縦6cm、横8cm、高さ24cmの直方体の空間対角線を求めましょう。
確認問題の解答と考え方
  1. √(92+122)=√225=15より、15cmです。
  2. √(172-82)=√225=15より、15cmです。
  3. √(62+62)=√72=6√2より、6√2cmです。
  4. 52+122=25+144=169=132なので、三平方の定理の逆から直角三角形です。
  5. 最長辺は10cmですが、62+72=85、102=100で等しくないので、直角三角形ではありません。
  6. √(52+122)=√169=13より、13cmです。
  7. 高さで底辺が3cmずつに分かれるので、√(62-32)=√27=3√3より、3√3cmです。
  8. √(72+72)=√98=7√2より、7√2cmです。
  9. 横の差は6、縦の差は8なので、√(62+82)=10より、距離は10です。
  10. √(62+82+242)=√676=26より、26cmです。

まとめ

  • 直角三角形では、直角をはさむ2辺をab、斜辺をcとして、a2b2c2
  • 斜辺は直角の向かい側にあり、3辺のうち最も長い。
  • 斜辺は平方を足し、他の辺は斜辺の平方から分かっている辺の平方を引く。
  • 長さには正の平方根を採用し、近似の指定がなければ根号で正確に表す。
  • 最長辺をcとして平方の関係が成り立てば、定理の逆から直角三角形と分かる。
  • 平面・座標・空間でも、根拠のある直角三角形を見つけることが出発点。

学習範囲の根拠

本記事は、文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」の第3学年「図形」にある、三平方の定理の意味、証明できること、定理を見いだすこと、具体的な場面で活用することに沿って構成しています。

前後の単元

前に学ぶ円周角の定理で、直径に対する円周角が90°になることを確認できます。

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次に学ぶ次は標本調査です。全体の一部を調べて、母集団の傾向を推測する考え方を学びます。

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