数学単元ガイド / 高校数学

三角関数とは|弧度法・グラフ・方程式の解き方10問

数強塾のプロ講師陣

今日の一問
例題1:度数法と弧度法の変換
150度を弧度法で、7π/4ラジアンを度数法で表してください。
例題2:扇形の弧の長さと面積
半径6、中心角2π/3の扇形の弧の長さと面積を求めてください。
例題3:一般角の三角関数
θ
=5π/6のsin
θ
、cos
θ
、tan
θ
を求めてください。
——さて、どこから手をつける?
答えと考え方は、この記事の中で順を追って解説します。

三角関数は、数学Iの三角比を一般角へ広げ、角度を実数として扱う関数です。単位円と弧度法を土台にすると、周期的なグラフ、方程式、加法定理、2倍角、合成、最大・最小が一本につながります。このページでは、公式を使う理由と解く手順を例題10問で整理します。

三角比から三角関数へ

単位円上の点Pの座標を(cosθ, sinθ)と定めると、負の角や360度を超える角でも値が決まります。tanθはcosθ≠0のときsinθ/cosθです。

関数 周期 値の範囲 対称性
sinx -1≦sinx≦1 奇関数
cosx -1≦cosx≦1 偶関数
tanx π すべての実数 奇関数・x=π/2+kπで未定義
最重要:三角関数の符号・方程式の解・周期は、公式だけで決めず単位円で確認します。

弧度法と扇形

180度=πラジアンを基準に角度を表す方法が弧度法です。度からラジアンへはπ/180を、ラジアンから度へは180/πを掛けます。

度数法 30° 45° 60° 90° 180° 360°
弧度法 π/6 π/4 π/3 π/2 π

半径r、中心角θラジアンの扇形では、弧の長さlと面積Sは次のとおりです。

l, S=(1/2)r2θ

弧度法と一般角:例題1〜3

例題1:度数法と弧度法の変換

150度を弧度法で、7π/4ラジアンを度数法で表してください。

解答と解説
150°=150·π/180=5π/6
7π/4=(7π/4)·180/π=315°

したがって、5π/6ラジアン、315度です。

例題2:扇形の弧の長さと面積

半径6、中心角2π/3の扇形の弧の長さと面積を求めてください。

解答と解説
l=6·2π/3=4π
S=(1/2)·62·2π/3=12π

したがって、弧の長さは4π、面積は12πです。

例題3:一般角の三角関数

θ=5π/6のsinθ、cosθ、tanθを求めてください。

解答と解説

5π/6は第2象限で、基準角はπ/6です。第2象限ではsinが正、cosとtanが負です。

sinθ=1/2, cosθ=-√3/2, tanθ=-1/√3

tanは-√3/3と書いても同じです。

グラフの振幅・周期・平行移動

yasinb(xc)では、振幅は|a|、周期は2π/|b|、横方向の移動はcです。cosでも同じように読みます。

式の部分 グラフへの影響
係数a 縦方向の拡大・縮小、負なら上下反転
係数b 周期を2π/|b|にする
xc 右へcだけ平行移動

例題4:グラフの振幅・周期・移動

y=2sin{3(x-π/6)}の振幅、周期、横方向の移動を答えてください。

解答と解説

係数を順に読みます。

振幅=|2|=2, 周期=2π/3

振幅2、周期2π/3、y=2sin3xを右へπ/6だけ平行移動したグラフです。

三角方程式:例題5〜6

三角方程式は、(1)1種類の三角関数へ整理し、(2)単位円で基本角を求め、(3)指定範囲にある解をすべて列挙します。

例題5:sinの方程式

0≦x<2πで、sinx=√3/2を解いてください。

解答と解説

基準角はπ/3で、sinが正になるのは第1・第2象限です。

x=π/3, 2π/3

範囲内に2つの解があることを単位円で確認します。

例題6:二次方程式型

0≦x<2πで、2cos2x-3cosx+1=0を解いてください。

解答と解説

t=cosxとおくと、

2t2-3t+1=(2t-1)(t-1)=0

よってcosx=1/2または1です。指定範囲で、

x=0, π/3, 5π/3

です。2πは範囲に含まれません。

加法定理と派生公式

公式 内容
sin(α±β) sinαcosβ±cosαsinβ
cos(α±β) cosαcosβ∓sinαsinβ
sin2θ 2sinθcosθ
cos2θ cos2θ-sin2θ=1-2sin2θ=2cos2θ-1

加法定理・2倍角:例題7〜8

例題7:加法定理でcos15度を求める

cos15度を求めてください。

解答と解説

15°=45°-30°として加法定理を使います。

cos(45°-30°)=cos45°cos30°+sin45°sin30°
=(√2/2)(√3/2)+(√2/2)(1/2)

したがって、

cos15°=(√6+√2)/4

です。

例題8:2倍角

0<θ<π/2で、sinθ=3/5、cosθ=4/5のとき、sin2θとcos2θを求めてください。

解答と解説
sin2θ=2·(3/5)·(4/5)=24/25
cos2θ=(4/5)2-(3/5)2=7/25

したがって、sin2θ=24/25、cos2θ=7/25です。

合成と最大・最小:例題9〜10

asinxbcosxは、√(a2b2)sin(xα)の形へ合成できます。振幅から最大・最小を読み取ります。

例題9:三角関数の合成

sinx+√3cosxを合成し、最大値と最小値を求めてください。

解答と解説

振幅は√(12+(√3)2)=2です。

sinx+√3cosx=2sin(x+π/3)

sinの値域は-1以上1以下なので、最大値2、最小値-2です。

例題10:2倍角を使う最大・最小

y=cos2x+2sinxの最大値と最小値を求めてください。

解答と解説

cos2x=1-2sin2xを使い、t=sinx(-1≦t≦1)とおきます。

y=1-2t2+2t=-2(t-1/2)2+3/2

頂点t=1/2で最大値3/2です。最小値は端点を比較し、t=-1で-3です。したがって、最大値3/2、最小値-3です。

10問の答えと判断ポイント

番号 答え 判断ポイント
1 5π/6、315° 180°=π
2 4π、12π lSr2θ/2
3 1/2、-√3/2、-1/√3 第2象限の符号
4 振幅2、周期2π/3、右へπ/6 括弧の形で移動を読む
5 π/3、2π/3 sinが正の2象限
6 0、π/3、5π/3 cosを文字で置換
7 (√6+√2)/4 45°-30°
8 24/25、7/25 2倍角公式
9 2sin(x+π/3)、最大2・最小-2 振幅は係数の平方和の平方根
10 最大3/2・最小-3 sinxの範囲を付ける

よくある誤りと直し方

誤り 直し方
度とラジアンを混在させる 計算前にすべて同じ単位へ統一する
方程式の解を1つだけ答える 単位円を描き、指定範囲を一周確認する
cosの加法定理の符号を間違える cos(αβ)では中央がマイナスと確認する
周期を2πbとする xの係数で割り、2π/|b|とする
文字置換後の範囲を忘れる t=sinxなら-1≦t≦1を併記する

学習順と関連ページ

  1. 数学I「三角比」で、単位円・相互関係・正弦定理・余弦定理を確認します。
  2. 本記事の例題1〜10で、弧度法から最大最小までを整理します。
  3. 数学IIの総復習15題の問題10〜11で定着を確認します。
  4. 数学III「微分法」へ進み、三角関数の微分や合成関数を学びます。

よくある質問

三角比と三角関数の違いは何ですか。

三角比は主に三角形の辺と角の関係を扱います。三角関数は角を一般角へ広げ、弧度法で実数として表し、周期的な関数として扱います。

弧度法を度に直さず考えるコツはありますか。

π/6、π/4、π/3、π/2を単位円の位置と一緒に覚えます。180度=πを基準に、何周分・半周分・四分の一周分かで考えます。

三角方程式で解を漏らさない方法はありますか。

基本角を1つ求めた後、単位円上で同じ値になる象限を確認します。最後に指定範囲の端点を含むか確認します。

2倍角や合成は丸暗記する必要がありますか。

加法定理は覚え、2倍角は加法定理から導けるようにします。合成は係数から振幅と角を決める手順を理解すると、最大最小にも使えます。

学習指導要領との対応

本記事は、文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編」の数学II「三角関数」に沿い、角の概念、三角関数の値・グラフ・相互関係、加法定理とその応用を中心に構成しています。

文部科学省:高等学校学習指導要領解説 数学編 理数編(PDF)

三角関数では、単位円と弧度法を土台にします。グラフは振幅・周期・移動を分けて読み、方程式は指定範囲の解を単位円ですべて拾います。加法定理から2倍角や合成へ進み、最大最小では1種類の三角関数または1つの文字へ整理して範囲を確認しましょう。

数強塾オリジナル 追加演習4題——範囲がついた瞬間に、公式では読めなくなる

「よくある誤りと直し方」の表に、2つの重い注意があります。

方程式の解を1つだけ答える → 単位円を描き、指定範囲を一周確認する
文字置換後の範囲を忘れる → \(t=\sin x\) なら \(-1 \leqq t \leqq 1\) を併記する

どちらも正しい注意ですが、例題10問には三角不等式が1問もありません。方程式(例題5・6)は答えが「点」なので、単位円で拾い忘れても気づきやすい。ところが不等式は答えが「範囲」で、端をどちらに取るかで答えが丸ごと変わります

もう1つ。例題9の合成と例題10の最大最小は、どちらも\(x\) の範囲が指定されていません。だから例題9は「振幅がそのまま最大値」で終わります。ところが\(0 \leqq x \leqq \dfrac{\pi}{2}\) のような制限がつくと、振幅では読めなくなります。この4題は、前半が不等式、後半が範囲つきの最大最小です。

追加第1問 等式の解は「境界」、不等式の解は「その間」

\(0 \leqq x \lt 2\pi\) のとき、\(\sin x \geqq \dfrac{\sqrt3}{2}\) を解け。

解答

まず等号の場合を解きます。これは例題5そのもので、\(x = \dfrac{\pi}{3},\ \dfrac{2\pi}{3}\)。

次に単位円を描きます。\(\sin x\) は単位円上の点の \(y\) 座標なので(なぜ単位円を使うと鈍角まで三角比を拡張できるのか)、\(\sin x \geqq \dfrac{\sqrt3}{2}\) は「\(y\) 座標が \(\dfrac{\sqrt3}{2}\) 以上の部分」——円の上のほうの弧です。

その弧は \(\dfrac{\pi}{3}\) から \(\dfrac{2\pi}{3}\) までのあいだ

\[ \frac{\pi}{3} \leqq x \leqq \frac{2\pi}{3} \]

よくある誤答は \(x \geqq \dfrac{\pi}{3}\) だけを答えることです。等式の解を1つ見つけて、そこから「以上」だと思い込むと、上限が抜けます。\(\sin\) は増え続ける関数ではありません——\(\dfrac{\pi}{2}\) を過ぎたら減るので、条件を満たすのは有限の範囲です。

検算

4点で確かめます。\(x = \dfrac{\pi}{2}\)(範囲内):\(\sin = 1 \geqq 0.866\)。○ \(x = 0\):\(\sin = 0\) で不成立。○ \(x = \pi\):\(\sin = 0\) で不成立。○ 両端の \(\dfrac{\pi}{3},\ \dfrac{2\pi}{3}\):どちらも \(\dfrac{\sqrt3}{2}\) ちょうどで、等号があるので含む。○

不等式の答えは、範囲の内・外・両端を1点ずつ入れる。「一周確認する」の中身はこれです。

追加第2問 置換したら、まず \(t\) の範囲を書く

\(0 \leqq x \lt 2\pi\) のとき、\(2\cos^2 x-3\cos x+1 \leqq 0\) を解け。

解答

例題6の不等式版です。\(t = \cos x\) と置きます。ここで先に \(t\) の範囲を書きます——表の5行目のとおり。

\[ -1 \leqq t \leqq 1 \]

式は例題6と同じく因数分解できます。

\[ 2t^2-3t+1 = (2t-1)(t-1) \leqq 0 \ \Longrightarrow\ \frac12 \leqq t \leqq 1 \]

これは \(-1 \leqq t \leqq 1\) の中に完全に収まっているので、そのまま使えます。あとは \(\dfrac12 \leqq \cos x \leqq 1\) を単位円で読むだけです。

\(\cos x\) は\(x\) 座標。\(\cos x = \dfrac12\) となるのは \(x = \dfrac{\pi}{3},\ \dfrac{5\pi}{3}\) で、\(x\) 座標が \(\dfrac12\) 以上なのは円の右のほう。\(0\) から一周する順に見ると、その弧は始まりと終わりに分かれます

\[ 0 \leqq x \leqq \frac{\pi}{3}\ \ \text{または}\ \ \frac{5\pi}{3} \leqq x \lt 2\pi \]

\(\cos x \leqq 1\) のほうはすべての \(x\) で成り立つので、条件になっていません。追加第1問の \(\sin\) が「上下」で切ったのに対し、\(\cos\) は「左右」で切ります。同じ「間」でも、円のどこを切るかが違うので、答えが2つに割れることがあります。

検算

\(x = 0\):\(\cos = 1\)、式は \(2-3+1 = 0 \leqq 0\)。○(端点、等号で成立)

\(x = \dfrac{\pi}{2}\):\(\cos = 0\)、式は \(1\) で不成立。○(範囲の外)

\(x = \pi\):\(\cos = -1\)、式は \(2+3+1 = 6\) で不成立。○

\(x = \dfrac{11\pi}{6}\):\(\cos = \dfrac{\sqrt3}{2} \fallingdotseq 0.866\)、式は \(-0.098\) で成立。○(\(\dfrac{5\pi}{3}\) 以降の範囲に入っています)

答えが2つの区間に分かれたら、それぞれの中を1点ずつ試す。片方だけ確かめて安心すると、もう片方の端がずれていても気づけません。

追加第3問 範囲がつくと、振幅では読めない

\(0 \leqq x \leqq \dfrac{\pi}{2}\) のとき、\(y = \sin x+\sqrt3\cos x\) の最大値と最小値を求めよ。

解答

式は例題9と同じですが、範囲がついています。まず合成します。振幅は \(\sqrt{1^2+(\sqrt3)^2} = 2\)。角 \(\alpha\) は

\[ \cos\alpha = \frac{1}{2},\qquad \sin\alpha = \frac{\sqrt3}{2} \ \Longrightarrow\ \alpha = \frac{\pi}{3} \]

この \(\alpha\) の決め方が例題9には書かれていませんが、係数を振幅で割ったものが \(\cos\alpha\) と \(\sin\alpha\) です(なぜasinx+bcosxは1つのsinにまとまるのか)。

\[ y = 2\sin\left(x+\frac{\pi}{3}\right) \]

ここからが本題です。\(x\) ではなく \(x+\dfrac{\pi}{3}\) の範囲を作ります。

\[ 0 \leqq x \leqq \frac{\pi}{2} \ \Longrightarrow\ \frac{\pi}{3} \leqq x+\frac{\pi}{3} \leqq \frac{5\pi}{6} \]

この範囲で \(\sin\) がとる値を単位円で見ます。\(\dfrac{\pi}{2}\) は範囲の中にあるので \(\sin\) は最大値 \(1\) をとれます。一方、範囲の両端は \(\sin\dfrac{\pi}{3} = \dfrac{\sqrt3}{2}\) と \(\sin\dfrac{5\pi}{6} = \dfrac12\) で、小さいほうは \(\dfrac12\)

\[ \text{最大値 } 2\ \left(x = \frac{\pi}{6}\right),\qquad \text{最小値 } 1\ \left(x = \frac{\pi}{2}\right) \]

例題9は範囲がないので \(\sin\) が \(-1\) まで届き、最小値が \(-2\) でした。範囲がつくと \(\sin\) は \(-1\) に届きません。だから最小値は \(-2\) ではなく \(1\)。「振幅から最大・最小を読み取る」が使えるのは、範囲がないときだけです。

検算

もとの式に直接入れて確かめます。

\(x = \dfrac{\pi}{6}\):\(\dfrac12+\sqrt3 \cdot \dfrac{\sqrt3}{2} = \dfrac12+\dfrac32 = 2\)。○(最大)

\(x = \dfrac{\pi}{2}\):\(1+\sqrt3 \cdot 0 = 1\)。○(最小)

\(x = 0\):\(0+\sqrt3 = 1.732\)。最大と最小のあいだ。○

合成したあとは、必ずもとの式に戻して2〜3点で確かめる。\(\alpha\) の符号を取りちがえていると、ここで合いません。

追加第4問 置換後の範囲は、問題ごとに変わる

\(0 \leqq x \leqq \dfrac{\pi}{2}\) のとき、\(y = \cos 2x+2\sin x\) の最大値と最小値を求めよ。

解答

例題10と同じ式ですが、やはり範囲がついています。2倍角で \(\sin\) にそろえます(なぜ2倍角の公式が必要になるのか)。

\[ \cos 2x = 1-2\sin^2 x \ \Longrightarrow\ y = 1-2\sin^2 x+2\sin x \]

\(t = \sin x\) と置きます。ここで \(t\) の範囲を作り直します。例題10は \(-1 \leqq t \leqq 1\) でしたが、今回は \(0 \leqq x \leqq \dfrac{\pi}{2}\) なので

\[ 0 \leqq t \leqq 1 \]

あとは2次関数です。

\[ y = -2t^2+2t+1 = -2\left(t-\frac12\right)^2+\frac32 \]

頂点 \(t = \dfrac12\) は範囲の中にあるので、最大値は \(\dfrac32\)(\(x = \dfrac{\pi}{6}\))。最小は端点で決まります(なぜ定義域があるときは頂点だけ見てはいけないのか)。

\(t=0\) のとき \(y=1\)、\(t=1\) のとき \(y = -2+2+1 = 1\)。両端とも \(1\) なので最小値は \(1\)。

例題10の最小値は \(-3\)(\(t=-1\) のとき)でした。今回は \(t=-1\) が範囲に入らないので、最小値が \(-3\) から \(1\) に変わります。「よくある誤り」の5行目「文字置換後の範囲を忘れる」の本当の怖さはここです——\(-1 \leqq t \leqq 1\) と機械的に書くのではなく、\(x\) の範囲から毎回作り直す

検算

もとの式で確かめます。\(x=0\):\(\cos 0+0 = 1\)。○ \(x = \dfrac{\pi}{6}\):\(\cos\dfrac{\pi}{3}+2 \cdot \dfrac12 = \dfrac12+1 = \dfrac32\)。○ \(x = \dfrac{\pi}{2}\):\(\cos\pi+2 = -1+2 = 1\)。○ \(x = \dfrac{\pi}{4}\):\(0+2 \cdot \dfrac{\sqrt2}{2} = \sqrt2 \fallingdotseq 1.414\)。最大と最小のあいだ。○

範囲がつくと、答えはこう変わる

範囲 最大 最小
例題9(範囲なし) \(y=\sin x+\sqrt3\cos x\) \(2\) \(-2\) 振幅がそのまま
追加第3問 \(y=\sin x+\sqrt3\cos x\) \(0 \leqq x \leqq \tfrac{\pi}{2}\) \(2\) \(1\) 最小は端点
例題10(範囲なし) \(y=\cos 2x+2\sin x\) \(-1 \leqq t \leqq 1\) \(\tfrac32\) \(-3\) 最小は \(t=-1\)
追加第4問 \(y=\cos 2x+2\sin x\) \(0 \leqq t \leqq 1\) \(\tfrac32\) \(1\) 最小が変わる

式は同じでも、範囲の行が変わるだけで答えが変わります。例題9・10は範囲なしなので公式どおりでしたが、入試で出るのはほぼ範囲つきです。

この4題で確認したこと

  • 等式の解は境界、不等式の解はその間か外。単位円で「弧」として読む(追加第1問)。
  • \(\sin\) は上下で切り、\(\cos\) は左右で切る。\(\cos\) では答えが2つの区間に分かれることがある(追加第2問)。
  • 置換したら先に \(t\) の範囲を書く。ただし \(-1 \leqq t \leqq 1\) と決め打たず、\(x\) の範囲から作り直す(追加第2問・第4問)。
  • 合成の角は \(\cos\alpha = \dfrac{a}{r}\)、\(\sin\alpha = \dfrac{b}{r}\) で決める(追加第3問)。
  • 範囲がついたら「振幅」では読めない。\(x+\alpha\) の範囲を作ってから、その中で \(\sin\) がとる値を見る。
  • 検算はもとの式に戻して2〜3点。合成や置換の符号ミスは、これで全部落ちます。

三角比からの土台は 数学I「三角比」、正弦・余弦定理の使い分けは 正弦定理・余弦定理|使い分け・証明・面積、角の変形を鍛えるなら 加法定理と和積・積和の特訓道場|角を分けて解く20題、次の段階は 数学III「微分法」 へ。

道具の「なぜ」は、なぜ単位円を使うと鈍角まで三角比を拡張できるのかなぜ加法定理が成り立つのかなぜ2倍角の公式が必要になるのかなぜasinx+bcosxは1つのsinにまとまるのかなぜ三角関数のグラフは波になるのかなぜsin²θ+cos²θ=1なのか にまとめてあります。

2次関数として処理する部分は 平方完成とは(範囲つき最大最小の追加演習つき)もあわせてどうぞ。用語の一覧は 数学用語辞典 にあります。

要点辞典この単元の公式・定石・つまずきやすい所は 数学II・B・Cの要点辞典:三角関数 にまとめてあります。

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