中2|平行線と角・図形の性質解き方がわからないときは 中2数学|平行線と角 対頂角・同位角・錯角を基礎から解説【中2数学】(無料問題PDF) を先に読むと、この問題で何を問われているかが分かります。
三角形と四角形の性質は、図形の定義、合同、平行線の角から導かれます。「この図形なら何が成り立つか」という性質と、「この条件ならその図形と判断できるか」という逆向きの条件を区別すると、角度計算・辺の長さ・証明を正確に扱えます。
定義・性質・条件を区別する
| 種類 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| 定義 | 言葉の意味を定める | 二つの辺が等しい三角形を二等辺三角形という |
| 性質 | その図形なら成り立つこと | 二等辺三角形の底角は等しい |
| 図形になるための条件 | その図形だと判断するために十分なこと | 二つの角が等しい三角形は二等辺三角形 |
二等辺三角形の定義と用語
二つの辺が等しい三角形を二等辺三角形といいます。△ABCでAB=ACなら、Aを頂角、辺BCを底辺、∠Bと∠Cを底角といいます。
→ △ABCは、頂角A、底辺BCの二等辺三角形
どの角が図の上にあるかではなく、等しい二辺が交わる頂点を頂角、その向かい側の辺を底辺として判断します。
二等辺三角形の性質
- 二等辺三角形の二つの底角は等しい。
- 頂角の二等分線は、底辺を垂直に二等分する。
例1:底角を求める
AB=ACで、頂角∠A=40°とします。底角をx°とすると、∠B=∠C=x°です。
2x=140
x=70
答え:∠B=∠C=70°。
二等辺三角形の性質を証明する
AB=ACである△ABCの頂角Aの二等分線と底辺BCの交点をDとします。
△ABDと△ACDにおいて、
仮定より、AB=AC ……①
ADは∠Aの二等分線なので、∠BAD=∠CAD ……②
共通な辺なので、AD=AD ……③
①、②、③より、二組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、
△ABD≡△ACD
したがって、対応する角より∠B=∠C、対応する辺よりBD=CDです。
さらに∠ADB=∠ADCで、この二角は一直線上にあるため、どちらも90°です。よってADは底辺BCの垂直二等分線です。
二等辺三角形になるための条件
二つの角が等しい三角形は、二等辺三角形です。これは「二等辺三角形の底角は等しい」の逆で、この場合は逆も成り立ちます。
例2:等しい角から辺を求める
△ABCで∠B=∠Cなら、それぞれの角に向かい合う辺が等しく、AB=ACです。したがって△ABCは二等辺三角形です。
例えば∠B=∠C=52°なら、頂角は180°-52°-52°=76°です。
正三角形
三つの辺が全て等しい三角形を正三角形といいます。正三角形の三つの角は全て60°です。逆に、三つの角が全て60°の三角形は、三辺が等しい正三角形です。
正三角形は、どの二辺を選んでも等しい二等辺三角形と見られるため、三角が全て等しくなります。三角の和180°を3等分して60°です。
直角三角形の合同条件
直角三角形では、二つの三角形に直角が一組あることが既に分かっています。そのため、一般の三角形の合同条件に加えて、次の二条件を使えます。
- 斜辺と一つの鋭角がそれぞれ等しい。
- 斜辺と他の一辺がそれぞれ等しい。
斜辺は直角の向かい側にある、直角三角形で最も長い辺です。「他の一辺」は直角をはさむ二辺のどちらかです。
例3:直角三角形の合同を判断する
直角三角形ABCとDEFで、∠C=∠F=90°、斜辺AB=DE、辺AC=DFとします。
斜辺と他の一辺がそれぞれ等しいので、対応順を確認して△ABC≡△DEFといえます。
平行四辺形の定義
二組の対辺がそれぞれ平行な四角形を平行四辺形といいます。四角形ABCDなら、
が定義です。「対辺」は向かい合う辺、「対角」は向かい合う角を指します。
平行四辺形の三つの性質
- 二組の対辺はそれぞれ等しい:AB=CD、BC=AD。
- 二組の対角はそれぞれ等しい:∠A=∠C、∠B=∠D。
- 二本の対角線は、それぞれの中点で交わる。
隣り合う二角の和は180°です。これは平行線の同側内角から分かります。
例4:角と周の長さ
平行四辺形ABCDで、∠A=68°、AB=8 cm、BC=5 cmとします。
- 対角より、∠C=68°。
- 隣り合う角より、∠B=∠D=180°-68°=112°。
- 対辺より、CD=8 cm、AD=5 cm。
- 周の長さは2×(8+5)=26 cm。
平行四辺形の性質を合同で証明する
平行四辺形ABCDに対角線ACを引き、△BACと△DCAを比べます。
AB∥CDより、錯角は等しいので∠BAC=∠DCA。
BC∥ADより、錯角は等しいので∠BCA=∠DAC。
AC=CAは共通辺です。
一組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、△BAC≡△DCA。
この合同からAB=CD、BC=AD、∠B=∠Dが分かります。残る∠A=∠Cも、隣り合う角との関係から示せます。
平行四辺形になるための五つの条件
四角形が次のいずれか一つを満たせば、その四角形は平行四辺形です。
- 二組の対辺がそれぞれ平行である。
- 二組の対辺がそれぞれ等しい。
- 二組の対角がそれぞれ等しい。
- 二本の対角線が、それぞれの中点で交わる。
- 一組の対辺が平行で、その長さが等しい。
例5:対角線が互いに二等分する
四角形ABCDの対角線ACとBDがOで交わり、AO=CO、BO=DOとします。
二本の対角線が、それぞれの中点Oで交わっています。したがって、平行四辺形になるための条件4より、四角形ABCDは平行四辺形です。
もしAC=14 cm、BD=10 cmなら、AO=CO=7 cm、BO=DO=5 cmです。
条件が不足する例
| 与えられたこと | 平行四辺形といえるか | 反例・不足 |
|---|---|---|
| 一組の対辺が平行 | いえない | 台形の場合がある |
| 一組の対辺が等しい | いえない | もう一組の関係が不明 |
| 対角線の長さが等しい | いえない | 二等辺台形の場合がある |
| 対角線が垂直 | いえない | たこ形の場合がある |
| 一組の対辺が平行かつ等しい | いえる | 五つの条件の5 |
長方形・ひし形・正方形
| 図形 | 定義 | 対角線の主な性質 |
|---|---|---|
| 長方形 | 四つの角が全て等しい四角形(全て90°) | 互いに二等分し、長さが等しい |
| ひし形 | 四つの辺が全て等しい四角形 | 互いに垂直に二等分し、各頂角を二等分する |
| 正方形 | 四つの角が全て等しく、四つの辺も全て等しい四角形 | 長さが等しく、垂直に交わり、互いと各頂角を二等分する |
長方形・ひし形・正方形は、いずれも平行四辺形の性質を持ちます。正方形は長方形でもあり、ひし形でもあります。
性質と条件を使う証明の方針
- 問題の図形が既に何と分かっているか確認する。
- その図形の定義・性質から使える辺、角、対角線の関係を書く。
- 結論が「平行四辺形である」なら、五条件のどれを示すか決める。
- 必要なら対角線や補助線を引き、三角形の合同を示す。
- 性質を使ったのか、図形になるための条件を使ったのか明記する。
よくある誤りと直し方
| 誤り | 直し方 |
|---|---|
| 二等辺三角形の頂角と底角を図の向きで決める | 等しい二辺が交わる頂点を頂角とする |
| 直角三角形で斜辺以外の一辺と一角だけを使う | 特別な二条件では斜辺が等しいことを確認する |
| 平行四辺形は対角線の長さが等しい | 一般の平行四辺形では、対角線は互いに二等分するが長さは等しいとは限らない |
| 一組の対辺が平行だから平行四辺形 | 平行だけでは台形の可能性がある。等しい条件もあれば判断できる |
| 長方形とひし形は平行四辺形ではない | どちらも二組の対辺が平行で、平行四辺形の特別な場合 |
| 性質が正しいから逆も正しい | 図形になるための条件として認められたものか、反例がないか確認する |
確認問題
- AB=ACの二等辺三角形ABCで、∠A=36°です。∠Bと∠Cを求めましょう。
- △ABCで∠B=∠C=58°です。等しい辺と∠Aを求めましょう。
- 直角三角形二つで、斜辺と他の一辺がそれぞれ等しいとき、合同といえますか。
- 平行四辺形ABCDで∠A=72°です。∠B、∠C、∠Dを求めましょう。
- 平行四辺形ABCDでAB=9 cm、BC=4 cmです。CD、DA、周の長さを求めましょう。
- 平行四辺形ABCDの対角線AC=18 cm、BD=12 cmがOで交わります。AO、CO、BO、DOを求めましょう。
- 四角形ABCDでAB∥CD、AB=CDです。どの条件から平行四辺形といえますか。
- 「対角線の長さが等しい四角形は平行四辺形である」が誤りであることを示す反例を答えましょう。
- 正方形の対角線について、長さ、交わり方、二等分に関する性質を答えましょう。
確認問題の解答と考え方
- 底角は等しいので、∠B=∠C=(180°-36°)÷2=72°です。
- 等しい角の向かい側の辺が等しいのでAB=AC。∠A=180°-58°-58°=64°です。
- いえます。直角三角形の「斜辺と他の一辺がそれぞれ等しい」という合同条件です。
- 対角より∠C=72°、隣り合う角の和は180°なので∠B=∠D=108°です。
- 対辺が等しいのでCD=9 cm、DA=4 cm。周は2×(9+4)=26 cmです。
- 対角線は互いに二等分するので、AO=CO=9 cm、BO=DO=6 cmです。
- 一組の対辺が平行で、その長さが等しいという条件です。
- 二等辺台形です。二等辺台形の対角線は等しいものの、一般には二組の対辺が平行ではありません。
- 二本の対角線は長さが等しく、垂直に交わり、互いを二等分します。また各頂角も二等分します。
まとめ
- 二等辺三角形の底角は等しく、頂角の二等分線は底辺を垂直に二等分する。
- 二角が等しい三角形は二等辺三角形である。
- 直角三角形では、斜辺と一鋭角、または斜辺と他の一辺で合同を示せる。
- 平行四辺形では、対辺・対角が等しく、対角線は互いに二等分する。
- 四角形が平行四辺形になるための五条件を、与えられた情報に合わせて選ぶ。
- 長方形・ひし形・正方形は平行四辺形の特別な場合で、対角線の性質が加わる。
学習範囲の根拠
この記事は、文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」の第2学年「三角形や平行四辺形の基本的な性質」「正方形、ひし形、長方形」を基準に構成しています。合同条件を用いた性質の証明と、図形の性質・図形になるための条件の区別を反映しています。正式な内容は、文部科学省の解説PDFで確認できます。
