指数関数と対数関数は、互いに逆関数の関係にあります。ap=Mとp=logaMは同じ関係を表し、指数法則を対数の言葉へ移すと対数法則になります。このページでは、指数の拡張、グラフ、方程式、対数法則、対数方程式・不等式、常用対数を例題10問で整理します。
指数の拡張と指数法則
a>0として、指数法則が保たれるように指数を整数から有理数・実数へ拡張します。
| 指数 | 定義 | 例 |
|---|---|---|
| 0 | a0=1 | 50=1 |
| 負の整数 | a-n=1/an | 2-3=1/8 |
| 分数 | am/n=n√(am) | 163/4=8 |
例題1:分数・負の指数
解答と解説
したがって、8、1/9です。
指数関数のグラフ
a>0、a≠1のとき、y=axを指数関数といいます。
| 底 | 増減 | 共通する性質 |
|---|---|---|
| a>1 | 増加 | 定義域は全実数、値域はy>0、点(0, 1)を通り、y=0が漸近線 |
| 0<a<1 | 減少 |
例題2:指数関数の平行移動
解答と解説
底2は1より大きいので増加関数です。xをx-1に置き換えると右へ1、最後に3を足すと上へ3移動します。
値域はy>3です。
指数方程式:例題3〜4
指数方程式は、まず両辺の底をそろえます。a2xとaxが混在するときは、t=ax(t>0)と置きます。
例題3:底をそろえる指数方程式
解答と解説
8=23なので、
底が同じため、x+1=3x-3です。よってx=2です。
例題4:文字で置く指数方程式
解答と解説
t=2x(t>0)とおくと、4x=t2です。
t=1、4より、2x=1、4です。したがって、x=0、2です。
対数の定義と条件
a>0、a≠1、M>0のとき、次の2式は同じ関係を表します。
aを底、Mを真数といいます。対数を含む式では、底は正で1以外、真数は正という条件を必ず確認します。
| 法則 | 式 |
|---|---|
| 積 | loga(MN)=logaM+logaN |
| 商 | loga(M/N)=logaM-logaN |
| 累乗 | logaMr=rlogaM |
| 底の変換 | logaM=logcM/logca |
対数の計算:例題5〜6
例題5:対数の定義と法則
解答と解説
25=32より、log232=5です。また27/√3=33/31/2=35/2なので、
です。
例題6:底の変換公式
解答と解説
底を2にそろえます。
途中の因子が約分され、log28=3です。したがって、答えは3です。
対数関数のグラフ
y=logaxは、y=axの逆関数です。2つのグラフは直線y=xに関して対称です。
| 底 | 増減 | 共通する性質 |
|---|---|---|
| a>1 | 増加 | 定義域はx>0、値域は全実数、点(1, 0)を通り、x=0が漸近線 |
| 0<a<1 | 減少 |
対数方程式・不等式:例題7〜8
例題7:真数条件のある対数方程式
解答と解説
真数条件はx>3です。対数をまとめると、
よって(x-1)(x-3)=8です。
候補は5、-1ですが、真数条件を満たすのはx=5だけです。
例題8:底が1未満の対数不等式
解答と解説
真数条件はx>-1です。底1/2は0と1の間なので、対数関数は減少します。不等号の向きを逆にして、
よってx≦3です。真数条件と合わせて、-1<x≦3です。
常用対数と応用:例題9〜10
底10の対数を常用対数といいます。正の整数Nの桁数は、log10Nの整数部分に1を加えて求めます。
例題9:整数の桁数
解答と解説
したがって1015≦250<1016なので、16桁です。
例題10:指数的な増加
解答と解説
n期間後の個体数は500·1.2nです。
常用対数をとると、
したがって、最小の整数は4で、4期間後です。実際に500·1.23=864、500·1.24=1036.8です。
10問の答えと判断ポイント
| 番号 | 答え | 判断ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 8、1/9 | 分数指数を根号へ、負なら逆数 |
| 2 | 増加、漸近線y=3、右1・上3 | 指数関数の平行移動 |
| 3 | x=2 | 8を2の累乗へ直す |
| 4 | x=0、2 | t=2x>0 |
| 5 | 5、5/2 | 累乗の指数を読む |
| 6 | 3 | 底をそろえて約分 |
| 7 | x=5 | 真数条件x>3 |
| 8 | -1<x≦3 | 底1未満で不等号を逆向き |
| 9 | 16桁 | 対数の整数部分+1 |
| 10 | 4期間後 | 不等式を対数で解き整数化 |
よくある誤りと直し方
| 誤り | 直し方 |
|---|---|
| ax+ay=ax+yとする | 指数を足せるのは掛け算だけ |
| log(M+N)を分ける | 分けられるのは積・商・累乗だけ |
| 対数方程式で候補をすべて採用する | 最初と最後に真数条件を確認する |
| 底が1未満でも不等号を変えない | グラフが減少するため向きを逆にする |
| 桁数を対数の整数部分だけにする | 整数部分に1を加える |
学習順と関連ページ
- 本記事の例題1〜4で、指数法則・グラフ・方程式を固めます。
- 例題5〜8で、対数法則・真数条件・不等式を確認します。
- 対数とは|数学用語辞典で、定義を短く復習します。
- 数学IIの総復習15題の問題12〜13で定着を確認します。
- 数学III「微分法」へ進み、指数・対数関数の微分を学びます。
よくある質問
指数と対数はどのような関係ですか。
ap=Mとp=logaMは同じ関係です。指数関数と対数関数は互いに逆関数で、グラフは直線y=xに関して対称です。
真数条件はなぜ必要ですか。
正の底の指数関数axの値は常に正なので、その逆関数である対数の真数も正に限られます。0や負の数の実数対数は定義されません。
対数法則で和を分けられないのはなぜですか。
対数法則は指数法則の積・商・累乗に対応します。掛け算は足し算へ変えられますが、真数の足し算には対応する法則がありません。
指数・対数関数はどこで使われますか。
複利、人口増加、放射性物質の減衰、地震のマグニチュード、音の大きさ、pHなど、急激な増減や広い範囲の数を扱う場面で使われます。
学習指導要領との対応
本記事は、文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編」の数学II「指数関数・対数関数」に沿い、指数の拡張、指数関数、対数と対数関数、常用対数を中心に構成しています。
指数関数と対数関数は逆関数です。指数方程式は底をそろえるか正の文字で置き、対数方程式・不等式は底と真数の条件を先に確認します。解を得た後は、元の式へ代入し、真数が正か、不等号の向きが底の大小と一致しているかを検算しましょう。
「この式、意味不明」から始める指数と対数|a^(log_a x)=x はなぜ成り立つのか
(1/49) の log_7(2/3) 乗が 9/4 になる理由を入口に、対数の定義・指数と対数が逆向きである理由・指数の拡張までを、対数を習っていない人にも分かる順番でたどります。
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高2「指数・対数」の演習教材です。各ページから問題PDFをダウンロードでき、解答PDFがある回はあわせて掲載しています。難易度の低い順に並べています。
公式と要点をまとめて確認する:数学II・B・Cの要点辞典:指数関数・対数関数 ── 公式一覧だけでなく、いつ使うか・どこで点を落とすかまで書いています。
この単元の関連解説:指数・対数を根本から理解する|「何回かけたか」を読む数学【高校1年生向け】

