数学単元ガイド / 高校数学

数列とは|等差・等比・Σ・漸化式の解き方10問

数強塾のプロ講師陣

数列は、一定の規則に従って並ぶ数の列です。数学Bでは、各項を表す一般項、初項からの合計、隣り合う項の関係を表す漸化式、命題を証明する数学的帰納法を学びます。このページでは、等差・等比数列、Σ、階差数列、漸化式、数学的帰納法を例題10問で整理します。

数列・一般項・和とは

数列をa1, a2, …と表し、n番目の項anを一般項といいます。初項から第n項までの和はSnで表します。

数列 一般項 初項から第n項までの和
等差数列 ana+(n-1)d Snn{2a+(n-1)d}/2
等比数列 anarn-1 Sna(1-rn)/(1-r)(r≠1)

等差数列は隣り合う項のが一定、等比数列は隣り合う0でない項のが一定です。等比数列でr=1なら、和はnaです。

最重要:一般項は「第n項の値」、和は「第n項までの合計」です。問題文がどちらを求めているか最初に区別します。

等差数列:例題1〜2

例題1:一般項と和

初項3、公差4の等差数列について、第10項と初項から第10項までの和を求めてください。

解答と解説
a10=3+(10-1)·4=39

和は「項数×(初項+末項)÷2」で求めます。

S10=10(3+39)/2=210

したがって、第10項は39、和は210です。

例題2:2つの項から一般項を決める

等差数列でa3=7、a8=22のとき、一般項を求めてください。

解答と解説

初項をa、公差をdとします。

a+2d=7, a+7d=22

2式の差から5d=15、d=3です。a=1となるので、

an=1+3(n-1)=3n-2

です。

等比数列:例題3〜4

例題3:一般項と和

初項3、公比2の等比数列について、第6項と初項から第6項までの和を求めてください。

解答と解説
a6=3·25=96
S6=3(26-1)/(2-1)=3·63=189

したがって、第6項は96、和は189です。

例題4:第何項かを求める

初項5、公比3の等比数列で405は第何項ですか。

解答と解説
5·3n-1=405

両辺を5で割ると3n-1=81=34です。よってn-1=4なので、第5項です。

Σの基本公式

Σは、決められた範囲の和をまとめて表す記号です。次の3つを基本として、定数を外へ出し、和ごとに分けます。

公式
Σ1 Σk=1n1=n
Σk Σk=1nkn(n+1)/2
Σk2 Σk=1nk2n(n+1)(2n+1)/6

Σと階差数列:例題5〜7

例題5:一次式の和

Σk=110(3k-2)を求めてください。

解答と解説

和を分けます。

k=110k-2Σk=1101
=3·{10·11/2}-2·10=165-20=145

答えは145です。

例題6:積を展開してから和を求める

Σk=110k(k+1)を求めてください。

解答と解説

k(k+1)=k2kと展開します。

Σk2+Σk=10·11·21/6+10·11/2
=385+55=440

答えは440です。

例題7:階差から一般項を求める

a1=2、an+1an=3nで定まる数列の一般項を求めてください。

解答と解説

n≧2のとき、初項に第1階差から第n-1階差までを足します。

an=2+Σk=1n-13k
=2+3(n-1)n/2

n=1でも2になるため、

an=2+3n(n-1)/2

です。

漸化式の基本

漸化式は、前の項を使って次の項を表す式です。最初の数項を書き出して規則を確認し、等差型・等比型・一次の線形漸化式などの型を判断します。

処理
an+1and 公差dの等差数列
an+1ran 公比rの等比数列
an+1panq 定数を足し引きして等比型へ変形

漸化式:例題8〜9

例題8:一次の線形漸化式

a1=2、an+1=3an+2で定まる数列の一般項を求めてください。

解答と解説

定数解αα=3α+2よりα=-1です。両辺に1を加えると、

an+1+1=3(an+1)

a1+1=3なので、

an+1=3·3n-1=3n

したがって、an=3n-1です。

例題9:3項間漸化式

a1=1、a2=3、an+2=3an+1-2anで定まる数列の一般項を求めてください。

解答と解説

特性方程式r2-3r+2=0の解は1、2です。一般項をAB·2n-1とおきます。

AB=1, A+2B=3

よってA=-1、B=2なので、

an=2n-1

です。n=1、2で初期条件と一致します。

数学的帰納法:例題10

数学的帰納法では、(1)最初の値で成立すること、(2)nkで成立すると仮定してnk+1でも成立すること、の2段階を示します。

例題10:奇数の和を証明する

1+3+5+…+(2n-1)=n2を数学的帰納法で証明してください。

解答と解説

1. n=1のとき、左辺=1、右辺=1で成り立ちます。
2. nkで1+3+…+(2k-1)=k2が成り立つと仮定します。次の奇数2k+1を加えると、

k2+(2k+1)=(k+1)2

よってnk+1でも成り立ちます。以上より、すべての自然数nで成立します。

10問の答えと判断ポイント

番号 答え 判断ポイント
1 39、210 一般項で末項を求めてから和
2 an=3n-2 2式の差で公差を求める
3 96、189 指数はn-1
4 第5項 同じ底の指数へ直す
5 145 和を分ける
6 440 積を展開する
7 2+3n(n-1)/2 上端はn-1
8 3n-1 1を加えて等比型
9 2n-1 特性方程式の2解
10 すべての自然数で成立 初期確認とkk+1

よくある誤りと直し方

誤り 直し方
一般項と和の公式を混同する 「第n項」か「第n項まで」かを確認する
等差・等比の指数をnにする 初項はn=1なので指数はn-1
階差の和を第n項まで足す 第1項から第n項までの移動はn-1回
漸化式を変形した後、初項を変えない 新しい数列の初項を計算し直す
帰納法でn=1だけ確認する kで成立する仮定を使い、k+1を必ず示す

学習順と関連ページ

  1. 本記事の例題1〜7で、一般項と和、Σ、階差を固めます。
  2. 例題8〜10で漸化式と数学的帰納法を確認します。
  3. 漸化式12パターン完全分類で、分数型・連立型など入試の発展パターンへ進みます。
  4. 数学Bの総復習15題の問題1〜6で定着を確認します。
  5. 無限数列・無限級数は、数学III「極限」で学びます。

よくある質問

等差数列と等比数列はどう見分けますか。

隣り合う項の差が一定なら等差数列、0でない隣り合う項の比が一定なら等比数列です。まず差を調べ、次に比を確認します。

一般項と和を区別するコツはありますか。

一般項は第n項そのもの、和は初項から第n項までの合計です。問題文の「第n項」と「第n項まで」に注目します。

漸化式は何から練習すればよいですか。

最初の数項を書き出した後、等差型、等比型、一次の線形漸化式の順で型を練習します。基本が固まったら分数型や3項間漸化式へ進みます。

数学的帰納法で仮定を使う場所が分かりません。

nkで成り立つと仮定した式を、k+1の場合の左辺へ代入します。仮定を使った箇所を明示すると証明の流れが明確になります。

学習指導要領との対応

本記事は、文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編」の数学B「数列」に沿い、等差・等比数列、いろいろな数列、漸化式、数学的帰納法を中心に構成しています。

文部科学省:高等学校学習指導要領解説 数学編 理数編(PDF)

数列では、まず求めるものが一般項か和かを区別します。等差は差、等比は比、Σは分解、階差は第n-1項までの和、漸化式は型の変形が中心です。答えを得たら、n=1、2、3を代入して元の並びや漸化式と一致するか検算しましょう。

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