桐光学園中学校 2025年度(第1回)算数の傾向と解答・解説【数強塾オリジナル】
桐光学園中 2025年度 第1回 算数の傾向(公式公開PDFにもとづくまとめ)
- 形式:試験時間50分・150点満点で、大問は5問構成です(公式PDFの表紙・解答用紙で確認できます)。大問1が計算・逆算・場合の数・速さの小問5問、大問2が仕事算・平均・食塩水・図形の回転・立体のくりぬきなどの小問6問、大問3以降が数の配置の規則性、文章題(消去算の考え方)、立体と水量のグラフという並びでした。
- 頻出分野:分数と小数がまじった計算・逆算、場合の数(さいころ)、速さ、仕事算、平均算、食塩水の混合、割合の条件整理、平面図形の回転移動、立方体のくりぬき、数の大小を条件で並べる整理、和差と倍数をあつかう文章題、容器と水量の変化が柱です。2025年度第1回も、この柱がほぼそのまま出題されています。
- 合否を分ける一問:大問3(数の配置の場合の数)と大問5(水量のグラフ)と考えられます。大問3は「大きい数から順に、どこに入れられるか」を落ち着いて数えられるか、大問5は「立体を入れた分だけ水がへる」「棒や立体の高さで水面のさがり方が変わる」という2点を図と対応づけられるかが分かれ目です。
- 時間配分の目安:大問1・2の11問を合わせて25分前後で仕上げ、大問3〜5に各8分弱を残す配分が現実的と考えられます。大問2の(5)(6)の図形・立体は手が止まりやすいので、いったん後回しにして計算問題を確保する判断も有効だと考えられます。
問題・解答例の原本は桐光学園中学校の公式サイトで公開されています → 桐光学園 過去問題(公式)
※以下の解説はオンライン数学専門塾「数強塾」による独自作成です(全問、受験算数の正攻法と独立した別解による二重検算を行い、さらに公式の解答例PDFとも全問一致を確認しています)。問題文・図版は桐光学園中学校公式サイト掲載のPDFをご参照ください。
大問1(計算・場合の数・速さ) 答:(1) 2/3 (2) 1/6 (3) 5/4 (4) 5 (5) 42
分数と小数がまじった計算、約分が効く積、逆算、さいころの場合の数、速さという基本5問です。ここを確実に取り切ることが、150点満点をねらううえでの土台になります。
【📖大切な考え方】計算は「かっこの中 → かけ算・わり算 → たし算・ひき算」の順で進め、小数と分数のどちらにそろえるかを最初に決めると安定します。(2)のような積は、約分できる形に書きかえてから計算するのがコツです。
【👀ここに注目】(2)は各かっこが 1/2、2/3、3/4、4/5、5/6 と「1つ前の分母=次の分子」の形にそろい、次々に約分できます。(4)のさいころは「和が6」だけを、もれなく重複なく書き出す姿勢が有効です。
解答:
(1) 0.5−1/3=1/2−1/3=1/6、2×1/6=1/3。1/4+1/3+1/12=3/12+4/12+1/12=8/12=2/3。
(2) 1/2×2/3×3/4×4/5×5/6。分子と分母が次々に打ち消し合い、残るのは 1/6。よって1/6。
(3) 1と1/2=3/2。3/2×(4/5×□+1/3)=2 より 4/5×□+1/3=2÷3/2=4/3。4/5×□=4/3−1/3=1。□=1÷4/5=5/4。
(4) 和が6になる目は (1,5)(2,4)(3,3)(4,2)(5,1) の5通り。
(5) 50分=50/60時間。35÷(50/60)=35×60/50=42(km/時)。
【✅検算】(2)は 1×2×3×4×5=120、2×3×4×5×6=720、120/720=1/6 と直接約分しても一致します。(3)は□=5/4のとき 4/5×5/4=1、1+1/3=4/3、3/2×4/3=2 で条件どおり。(5)は42km/時なら1分で0.7km進み、50分で35kmとなり一致します。公式の解答例(2/3/1/6/5/4/5/42)ともすべて同じでした。
【💡ポイントコラム】(2)のように「約分がつながる積」は、答えが最初と最後の分数だけで決まる形になっていることが多く、途中を大きな数で計算する必要がありません。式の形をながめて「打ち消し合い」に気づけると、時間も計算ミスも大きく減らせます。
大問2(小問集合) 答:(1) 18 (2) 62 (3) 8 (4) 60 (5) 25.12 (6) 42
仕事算、平均、食塩水、割合の条件整理、図形の回転、立体のくりぬきと、受験算数の主要テーマが並んだ小問集合です。
(1) 仕事算:1人で45日かかる人と30日かかる人が、2人で働くと何日かかるかを求めます。
解答:全体の仕事を45と30の最小公倍数90とすると、1日にできる量は 90÷45=2 と 90÷30=3。2人で1日 2+3=5 だから、90÷5=18(日)。
【✅検算】18日で 5×18=90 となり、全体をちょうど終えられるので一致します。
(2) 平均:4教科の平均が53点、算数以外の3教科の平均が50点のとき、算数の点数を求めます。
【👀ここに注目】平均は「合計÷個数」なので、まず合計にもどすのが近道です。
解答:4教科の合計=53×4=212点、算数以外の3教科の合計=50×3=150点。算数=212−150=62(点)。
【✅検算】62点なら4教科の合計は 150+62=212、平均は 212÷4=53点で条件に一致します。
(3) 食塩水の混合:容器A・Bの食塩水を、A:B=1:2で混ぜると10%、2:1で混ぜると12%になります。Bの濃度を求めます。
【📖大切な考え方】「混ぜた後の濃度×全体の量=ふくまれる食塩の重さ」を、混ぜる比の分だけで考えます。Aの濃度を(ア)%、Bの濃度を(イ)%として、食塩の重さの関係を2本つくります。
解答:1:2で混ぜて10%なので、(ア)×1+(イ)×2=10×3=30。2:1で混ぜて12%なので、(ア)×2+(イ)×1=12×3=36。上の式を2倍すると (ア)×2+(イ)×4=60。ここから下の式を引くと (イ)×3=24、(イ)=8(%)。
【✅検算】(イ)=8のとき(ア)=30−16=14。1:2の混合は (14+16)÷3=10%、2:1の混合は (28+8)÷3=12%となり、どちらも条件に合います。
(4) 割合の条件整理:1Lで15km・20km・25km走る3台A・B・Cが、合計280kmを走り、合計14Lを使いました。BがAの2倍の距離を走ったとき、Aの走った距離を求めます。
解答:Aの距離を(ア)km、Bはその2倍で(イ)=2×(ア)km、Cは残りで 280−3×(ア) km。ガソリンは (ア)/15+(2×(ア))/20+(280−3×(ア))/25=14。分母を150にそろえると (10×(ア)+15×(ア)+1680−18×(ア))÷150=14、すなわち 7×(ア)+1680=2100。7×(ア)=420、(ア)=60(km)。
【✅検算】A=60、B=120、C=100で合計280km。ガソリンは 60/15+120/20+100/25=4+6+4=14Lとなり、両方の条件を満たします。
(5) 図形の回転移動:1辺8cmの正方形の内側を、縦5cm・横3cmの長方形が、すべらずに90度ずつ4回たおれて1周し、もとにもどります。ある頂点Aが動いた道のりの合計を求めます。
【📖大切な考え方】3+5=8 が正方形の一辺と等しいので、長方形は1回たおれるごとに、正方形のかどからとなりのかどへちょうど移ります。だから4回のたおれで内側を1周します。頂点Aは1回ごとに、回転の中心(=そのとき床や壁につくかど)を中心とした四分円をえがきます。
【👀ここに注目】回転の中心になるかどは、長方形の「向かい合う2つのかど」が交互に使われます。したがって、そこから見て頂点Aまでの長さは、長方形の辺の長さ5cmと3cmが交互になり、対角線の長さは一度も出てきません。
解答:Aがえがくのは、半径5cm・3cm・5cm・3cmの四分円が1つずつです。道のりの合計は
(2×3.14×5)÷4+(2×3.14×3)÷4+(2×3.14×5)÷4+(2×3.14×3)÷4
=3.14÷2×(5+3+5+3)=1.57×16=25.12(cm)。
【✅検算】半径5と3の四分円が2つずつなので、まとめると半径5の半円と半径3の半円の弧の和と同じで、3.14×5+3.14×3=15.7+9.42=25.12cm。同じ値になり一致します。
【💡ポイントコラム】「たおれる図形が動いたかどの道のり」は、半径(=そのときの回転の中心からその点までの長さ)だけで決まります。長さがいくつになるかを1回ごとに書き出すと、複雑に見える動きも四分円のたし算に整理できます。
(6) 立方体のくりぬき:1辺1cmの立方体64個でできた1辺4cmの立方体の、3つの面にある合計7個の正方形を反対側までまっすぐくりぬきます。残った立体の体積を求めます。
【📖大切な考え方】1か所くりぬくと、1×1×4=4cm³の細長い棒が抜けます。7か所ぶんの棒の体積は 4×7=28cm³ですが、たてに抜く穴と横に抜く穴が交わる小立方体は「二重に数えている」ので、そのぶんを引いて調整するのがポイントです。
解答:3方向の穴を座標で整理すると、抜けた小立方体を二度数えてしまう場所(別方向の2本の穴が交わる小立方体)はちょうど6個ありました。よって実際に抜けた小立方体の個数は 28−6=22個。残った体積は 64−22=42(cm³)。
【✅検算】7本の棒がすべて交わらなければ 64−28=36cm³ですが、交わる小立方体1個につき体積が1cm³ぶん「引きすぎ」を戻すことになり、36に交わり6個ぶんを足して 36+6=42cm³。別の数え方でも同じ42cm³となり一致します。公式の解答例(18/62/8/60/25.12/42)ともすべて同じでした。
大問3(数の配置・場合の数) 答:(1) 2通り (2) 7通り (3) 16通り
1〜9の数字を3×3のマスに1個ずつ入れます。各行は左から右へ小さくなり(A>B>C、D>E>F、G>H>I)、左の列ではAが最大、まん中の列ではEが最大、右の列ではIが最大、という条件が付いています。
【📖大切な考え方】このような「大小の条件で数を配る」問題は、決まった数を先に置いて、残りの数が入れる場所を「大きい数から順に」考えると、数え落としが起きにくくなります。
(1) A=9, B=6, D=8, E=7 のとき:残る1・2・3・4・5をC・F・G・H・Iに入れます。条件を整理すると、G>H>I で、しかも I はC・Fより大きい(右の列でIが最大)ので、G・H・Iが大きいほうの3つ、C・Fが小さいほうの2つに決まります。よって G=5、H=4、I=3 で固定され、C・Fに1と2を入れる並べ方が2通り。答えは2通り。
【✅検算】C・Fは1と2のどちらでもよく、他の位置はすべて1通りに定まるので、全体でちょうど2通り。条件(右の列でIが最大、各行が左から減少)もすべて満たされます。
(2) A=9, D=8, G=7 のとき:残る1〜6をB・C・E・F・H・Iに入れます。まん中の列ではEが最大なので、6はEに入るしかありません(6がB・H・Fに入るとEがそれより大きくできません)。E=6と決まった後、残る1〜5をB・C・F・H・Iに、B>C、H>I、I>C、I>F の条件で入れます。Iに入る数で場合分けすると、I=3のときC・Fが1と2(2通り)でB・Hが4と5(2通り)の計4通り、I=4のときH=5でB・C・FがB>Cをみたす3通り、合わせて7通り。
【✅検算】I=3の4通りとI=4の3通りはたがいに重ならず、I=5以上はH>Iを満たせないため起こりません。合計7通りで数え落としも重複もありません。
(3) A=9, D=8 のとき:残る1〜7をB・C・E・F・G・H・Iに入れます。いちばん大きい7が入れるのは、まん中の列で最大になれるEか、左の列の下段Gのどちらかです。
・7がGのとき:これは(2)と同じ状況なので7通り。
・7がEのとき:残る1〜6を配り、こんどは6がGかBのどちらかに入ります。6がGなら(2)と同じ形で7通り、6がBなら(1)と同じ形で2通りとなり、合わせて9通り。
したがって 7+9=16通り。
【✅検算】「7の入る場所」で場合を分け、さらに「次に大きい6の入る場所」で分けると、7通り・7通り・2通りの3つに分かれ、たがいに重なりません。合計16通りとなり、(2)の7通りを含む形になっていることとも整合します。公式の解答例(2通り/7通り/16通り)ともすべて一致しました。
【💡ポイントコラム】場合の数は「大きい数から順に、入れられる場所を数える」と見通しがよくなります。この問題のように条件がいくつも重なるときは、最大の数の居場所で場合分けをすると、(3)が(1)(2)の答えを組み合わせた形になっていることが見え、検算にもなります。
大問4(所持金とお小遣いの文章題) 答:(1) 8倍 (2) 3:5 (3) 3000円
兄と弟がお小遣いをもらいます。兄のお小遣いは弟のお小遣いの3倍です。もらう前の兄の所持金は「弟の所持金の8倍より120円多い」金額で、同時に「弟のお小遣いのちょうど5倍」でもありました。もらった後、兄の所持金は弟の所持金の5倍になりました。
【📖大切な考え方】弟のお小遣いを「1」とおくと、いろいろな量をその何倍かで表せます。兄のお小遣いは3、もらう前の兄の所持金は5と、条件がそのまま倍数で書けるのが手がかりです。
(1):弟のお小遣いを1とすると、兄のお小遣いは3、もらう前の兄の所持金は5です。もらった後の兄の所持金は 5+3=8(倍)。
【✅検算】兄はもとの所持金5に、お小遣い3を加えるだけなので 5+3=8。弟のお小遣いを基準にした8倍で確かに正しいと分かります。
(2):もらった後、兄の所持金は弟の所持金の5倍です。(1)より兄のもらった後は8なので、弟のもらった後は 8÷5=8/5。弟のもらった後は「もらう前の弟の所持金+お小遣い1」だから、もらう前の弟の所持金は 8/5−1=3/5。よって「もらう前の弟の所持金:弟のお小遣い」=3/5:1=3:5。
【✅検算】弟のもらう前を3/5、お小遣いを1とすると、もらった後は 3/5+1=8/5。兄の8はその5倍(8/5×5=8)となり、条件に一致します。
(3):もらう前の兄の所持金は「弟の所持金の8倍より120円多い」と「弟のお小遣いの5倍」の両方です。(2)より弟のもらう前の所持金は 3/5、お小遣いは1なので、5=8×(3/5)+120にあたる関係、すなわち 5−24/5=1/5 が120円分。1/5が120円なので、お小遣い1は600円、もらう前の兄の所持金5は 600×5=3000(円)。
【✅検算】弟のお小遣い600円、もらう前の弟の所持金は600×3/5=360円、兄の所持金は3000円。3000=360×8+120(=2880+120)で条件どおり。もらった後は兄3000+1800=4800円、弟360+600=960円で、4800=960×5となり最後の条件にも一致します。公式の解答例(8倍/3:5/3000円)ともすべて同じでした。
【💡ポイントコラム】「〜の何倍」「〜より○円多い」という文章題は、いちばん基準にしやすい量を1とおくのが定石です。この問題では弟のお小遣いを1とおくだけで、(1)(2)がほとんど計算せずに求まり、最後に「120円」という具体的な金額を使って全体の大きさを決められます。
大問5(立体と容器の水量) 答:(1) 1784 cm³ (2) 116 cm² (3) 580
1辺10cmの立方体から小さい立方体Aを切り取り、残りをBとします。同じ大きさの容器2つにA・Bをそれぞれ入れ、どちらも深さ12cmまで水を入れ、底から毎秒2cm³で水を抜きます。Bの容器は200秒で空になり、Aの容器は水面のさがり方が途中で変わるグラフ(692秒で空)になりました。
【📖大切な考え方】抜いた水の量は「毎秒2cm³×かかった時間」で求められます。また、容器に立体を入れると、その立体のぶんだけ水は少なくなります。水面のさがり方が途中で変わるのは、水面が小立方体Aの高さを通過して、水面の広さが変わるためです。
(1):Bの容器は200秒で空なので 2×200=400cm³、Aの容器は692秒で空なので 2×692=1384cm³。合わせて 400+1384=1784(cm³)。
【✅検算】2つの容器から抜いた水は、はじめに入っていた水の合計と同じです。400+1384=1784cm³で一致します。
(2):容器の底面積を(ア)cm²とします。深さ12cmまで入れたときの「水+立体」の高さ12cmぶんの体積は (ア)×12。ここから立体の体積を引いたものが水の量です。A・B2つの立体を合わせると、もとの1辺10cmの立方体(体積10×10×10=1000cm³)にもどるので、2つの容器の水の合計は (ア)×12×2−1000=24×(ア)−1000。これが(1)の1784cm³に等しいので、24×(ア)=1784+1000=2784、(ア)=116(cm²)。
【✅検算】底面積116cm²なら、1つの容器の高さ12cmぶんは 116×12=1392cm³。ここから立体を引くと水の量になり、A・B合わせて 1392×2−1000=1784cm³で(1)と一致します。
(3):Aの容器では、小立方体Aの1辺を(イ)cmとします。水面がAの上(深さ(イ)cmより上)にある間は、水面の広さは底面積116cm²のままです。水面がAの高さより下になると、Aが底の一部をふさぐぶん水面がせまくなり、水のへる速さ(=水面のさがる速さ)が急になります。これがグラフの折れ目です。Aの容器の水の量は 116×12−(イ)×(イ)×(イ)=1384((1)より)なので、(イ)×(イ)×(イ)=1392−1384=8、よって(イ)=2cm。折れ目までに抜く水は「深さ12cmから2cmまで」の 116×(12−2)=1160cm³で、かかる時間は 1160÷2=580(秒)。
【✅検算】折れ目の後は、水面の広さが 116−2×2=112cm²になり、深さ2cmぶんの水 112×2=224cm³を 224÷2=112秒で抜きます。580+112=692秒でちょうど空になり、グラフの終わりと一致します。公式の解答例(1784cm³/116cm²/580)ともすべて同じでした。
【💡ポイントコラム】水を抜く問題では「毎秒の体積は一定でも、水面の広さが変わると水面のさがる速さが変わる」ことがカギになります。グラフの折れ目は、水面がちょうど中の立体の高さを通過する瞬間だと見抜けると、立体の大きさまで求められます。
2025年度 第1回から学ぶ教訓
今年のセットは、前半の計算・小問で確実に得点し、後半3問で「大きい数から順に数える(大問3)」「基準の量を1とおく(大問4)」「体積の増減と水面の広さを対応づける(大問5)」という定番の道具を落ち着いて使えるかを問う構成でした。いずれも受験算数の王道です。過去問演習では、答え合わせで終わらせず「どの数から場合分けを始めたか」「何を1とおいたか」「グラフのどこで水面の広さが変わったか」を1行で言葉にしておくと、桐光学園対策として効果的だと考えられます。
▶ 関連:桐光学園 2026年度 算数|神奈川大学附属 2026年度 算数|過去問解説・数学問題集
📚 代表・藤原進之介は「書店で会える講師」です
代表の藤原進之介の著書は全国の書店に並んでおり、有隣堂 横浜駅西口エキニア店では直筆サイン色紙を掲出いただいています。横浜エリアの書店で実際に手に取ってご確認いただけることが、私たちの指導品質の何よりの証明だと考えています。
本ページが扱う入試問題の著作権は 桐光学園中学校 に帰属します。出典:桐光学園中学校 2025年度 入学試験問題「算数」。
掲載しているのは、受験生の学習支援を目的として数強塾が独自に作成した解答・解説です。学校が公表した公式解答ではありません(一般的な解答例と照合した場合は本文中にその旨を明記しています)。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。
掲載内容について権利者の方からご連絡がある場合は、お問い合わせより速やかに対応いたします。
数え上げは「決める順番」で決まる——いちばん窮屈なところから置く
上の合否を分ける一問のところで、大問3について「大きい数から順に、どこに入れられるかを落ち着いて数えられるか」と書きました。ここで書かれているのは、実は数え上げ全体をつらぬく1つの原則です。
場合の数の問題で、もれと重複が起きるのは注意力の問題だと思われがちですが、多くは決める順番をまちがえたせいです。順番さえ正しければ、注意力を使わずに数えきれます。上の解説にはこの練習の場所がないので、ここに自作の類題を4問置きます。すべて数強塾のオリジナルで、実際の入試問題ではありません。
原則は1行です。いちばん窮屈なところ(選べる数が少ないところ)から決める。「大きい数から」も「0が使えない位から」も、すべてこの1行の言いかえです。
類題1(条件のついている人から決める)
問題 A、B、C、D、E の5人が1列に並びます。AとBは必ずとなり合うとき、並び方は何通りありますか。
解答
条件がついているのはAとBだけです。この2人から決めます。
AとBをひとかたまり(1人ぶん)とみなすと、並べるのは「ABのかたまり・C・D・E」の4つ。並べ方は \(4\times3\times2\times1=24\)(通り)。かたまりの中身は「AB」と「BA」の2通りあるので、
\(24\times2=\mathbf{48}\)(通り)。
検算(全部書き出したらどうなるか)
5人の並び方は全部で \(5\times4\times3\times2\times1=120\)(通り)。そのうちAとBがとなり合うものを数えると、たしかに48通りになります。120通りを1つずつ調べるのと、48通りを式2本で出すのとでは、手間が20倍以上ちがいます。
条件のついていないC・D・Eから決めはじめると、あとでAとBを入れる場所を場合分けすることになります。「両端に入れる場合」「まん中に入れる場合」——手間が増えるだけでなく、数え落としが出ます。条件のあるものが、いちばん窮屈な場所です。
類題2(0が使えない位から決める)
問題 \(0, 1, 2, 3\) と書かれた4枚のカードから3枚を選んで並べ、3けたの整数を作ります。何通りできますか。
解答——百の位から決める
| 決める順 | 位 | 選べるもの | 通り数 |
|---|---|---|---|
| 1番目 | 百の位 | 0以外の3枚 | 3通り |
| 2番目 | 十の位 | 残り3枚(0を含む) | 3通り |
| 3番目 | 一の位 | 残り2枚 | 2通り |
\(3\times3\times2=\mathbf{18}\)(通り)。
一の位から決めると、どうなるか
一の位に4通り、十の位に3通り、と進めると、最後の百の位で「残った2枚に0が入っているかどうか」で場合分けが必要になります。入っていれば1通り、入っていなければ2通り——ここで手が止まります。
| 決める順 | 最初の位 | あとで起きること |
|---|---|---|
| 百の位 → 十 → 一 | 制約あり(3通り) | 場合分けなし |
| 一の位 → 十 → 百 | 制約なし(4通り) | 最後に場合分けが発生 |
「制約のない場所から決めると、制約が最後に回ってくる」——これが順番をまちがえたときに起きることです。制約は消えません。先に処理するか、あとで場合分けとして払うかの違いだけ。だから先に処理します。順列・組合せの意味そのものは順列と組合せとは|意味・計算方法|数強塾 数学用語辞典にまとめてあります。
類題3(大きい数から決める)
問題 \(1\) から \(9\) までの整数から、異なる3つ \(A, B, C\) を選びます。\(A \lt B \lt C\) で、しかも \(C = A + B\) となる選び方は何通りありますか。
解答——いちばん大きい \(C\) から決める
\(C\) を決めると、\(A+B=C\) かつ \(A \lt B\) なので、\(A\) は \(C\) の半分より小さい数に限られます。候補が一気に狭まります。
| \(C\) | \(A+B\) の組 | 通り数 |
|---|---|---|
| 3 | \((1,2)\) | 1 |
| 4 | \((1,3)\) | 1 |
| 5 | \((1,4),(2,3)\) | 2 |
| 6 | \((1,5),(2,4)\) | 2 |
| 7 | \((1,6),(2,5),(3,4)\) | 3 |
| 8 | \((1,7),(2,6),(3,5)\) | 3 |
| 9 | \((1,8),(2,7),(3,6),(4,5)\) | 4 |
| 合計 | 16通り |
\(1+1+2+2+3+3+4=\mathbf{16}\)(通り)。
検算(すべて書き出す)
\((1,2,3)(1,3,4)(1,4,5)(1,5,6)(1,6,7)(1,7,8)(1,8,9)(2,3,5)(2,4,6)(2,5,7)(2,6,8)(2,7,9)(3,4,7)(3,5,8)(3,6,9)(4,5,9)\) の 16通り。一致しました。
注目してほしいのは、表の右端が 1,1,2,2,3,3,4 と規則正しく並んでいることです。\(C\) から決めると、通り数は \(C\) の半分(の切り捨て)になります。数え上げているうちに、規則のほうが見えてくる——順番が正しいと、こういうことが起きます。
もし \(A\) から決めていたら、\(A=1\) のとき \(B+C\) の組を \(B\) と \(C\) の両方を動かしながら探すことになり、表はこれほど整いません。
類題4(重複を防ぐのも、順番の仕事)
問題 \(1\) から \(5\) までの数から、異なる2つを選ぶ選び方は何通りありますか。選ぶだけで、順番は考えません(\(1\) と \(2\) を選ぶのと、\(2\) と \(1\) を選ぶのは同じとみなします)。
解答——「小さいほうを先に書く」と決める
書き方を1つに決めてしまえば、同じ組を二度書くことはありません。小さいほうを左に書くと決めて、左の数ごとに数えます。
| 左の数 | 右に来られる数 | 通り数 |
|---|---|---|
| 1 | 2, 3, 4, 5 | 4 |
| 2 | 3, 4, 5 | 3 |
| 3 | 4, 5 | 2 |
| 4 | 5 | 1 |
| 5 | なし | 0 |
| 合計 | 10通り |
\(4+3+2+1=\mathbf{10}\)(通り)。
検算
\((1,2)(1,3)(1,4)(1,5)(2,3)(2,4)(2,5)(3,4)(3,5)(4,5)\) の 10通り。一致しました。
ならべ方として数えると
順番を区別すると \(5\times4=20\)(通り)。1つの組を2回ずつ数えているので \(20\div2=10\)(通り)。こちらでも同じ答えになりますが、\(\div2\) を忘れる誤りが起きます。上の表の数え方なら、そもそも二度数えていないので、わる作業自体がありません。
「もれなく、重複なく」は心がけではなく、書き方のルールで実現します。「小さいほうを左」と決めた瞬間に、重複は起こりえなくなる。注意力に頼る場面を、ルールで置きかえる——これが数え上げの技術です。条件を整理して数える練習は中学受験算数 推理・条件整理の特訓道場|オリジナル30題と全解説に30題あります。
まとめ:4問とも、やったことは1つ
| 類題 | 窮屈なところ | そこから決めた結果 |
|---|---|---|
| 1(5人の並び) | 条件のついたAとB | かたまりにして、あとは自由に並べるだけ |
| 2(3けたの整数) | 0が使えない百の位 | 場合分けが1つも出ない |
| 3(\(C=A+B\)) | いちばん大きい \(C\) | 候補が半分以下に狭まり、規則まで見える |
| 4(2つ選ぶ) | 小さいほうを左 | 重複が起こりえなくなる |
4問とも、計算そのものはかけ算とたし算だけです。ちがいを生んだのは、どこから手をつけたかだけでした。
数え上げが苦手だと感じている場合、原因は「注意力が足りない」ではなく「順番を決めずに書き始めている」ことが多いと考えています。書き始めてから気づいて戻る、また戻る——その往復が、もれと重複を生みます。1行でよいので、書き始める前に「何から決めるか」を紙に書く。それだけで、数え上げは別の作業になります。
「窮屈なところ」の見つけ方
では、どこがいちばん窮屈かをどう判断するか。次の順に探してください。
- 条件が名指しされているもの。「AとBは隣り合う」「Cは端」——名前が出ているものが最優先です(類題1)。
- 使えないものがある場所。「先頭に0は置けない」「同じ色は隣にできない」(類題2)。
- ほかを縛るもの。\(C=A+B\) の \(C\) のように、決めると残りが自動的に狭まるもの(類題3)。
- どれも無ければ、書き方のルールを自分で作る。「小さい順」「左から」など(類題4)。
上から順に探して、最初に見つかったものから決めます。1〜3が見つからない問題では、4を必ず自分で作ってください。ルールが無いまま書き出すのが、いちばん危ない状態です。
この原則は中学受験だけのものではありません。高校で場合の数と確率を学ぶときも、「まず何を固定するか」を決めるところから始まります。順番を決める習慣そのものが、そのまま持ち上がります。中学受験の樹形図から高校の確率までのつながりは場合の数と確率 学習ロードマップ|中学受験算数の樹形図から確率漸化式まで一本でつなぐ地図に地図としてまとめました。
この4問の使い方
- 類題2を、わざと一の位から決めて解いてみてください。最後に場合分けが出てくる感覚を一度味わっておくと、順番の大切さが身にしみます。
- 類題3は、表の右端(1,1,2,2,3,3,4)まで書き写してください。数え上げているうちに規則が見えるという体験が、この4問でいちばん価値があります。
- 類題4は、「小さいほうを左」のルールを使わずに解いてみてください。\(\div2\) を忘れる誤りが、なぜ起きるのかが分かります。
規則性そのものの練習は中学受験算数 規則性の特訓道場|周期算・日暦算・方陣算の30題と全解説、分野ごとの型の一覧は特訓道場 総索引|小学生から数学IIIまで全102回・2,085題【数強塾】にあります。
他校の傾向は中学受験 算数 過去問の傾向と解説 学校別まとめ|数強塾、何点取れば届くのかは中学受験は何割取れば受かるのか|24校の合格ラインは49.4〜78.0%、同じ学校でも19.6ポイント動くにまとめました。中学に入ってからの範囲は中1数学の要点辞典|全7単元の公式・定石・つまずきポイントと例題35問、学年をまたいだ全体像は数学の要点辞典|中1から数学IIIまで 全7ページ・57単元を無料公開にあります。

