藤原進之介です。このページでは東京学芸大学2012年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
東京学芸大学2012年度の数学について、解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している解答PDFと照合済みです。
[I] 対称式で4乗の和を求める
3次方程式 x³ + ax² + bx + c = 0 の3つの解を α, β, γ とします。
(1) 解と係数の関係の証明
3次の係数が1で、α, β, γ が解なので
x³ + ax² + bx + c = (x − α)(x − β)(x − γ)
右辺を展開すると
x³ − (α + β + γ)x² + (αβ + βγ + γα)x − αβγ
これが恒等式なので、各次数の係数を比較して
a = −(α + β + γ)、b = αβ + βγ + γα、c = −αβγ
すなわち
(2) α + β + γ = 1、α² + β² + γ² = 3、α³ + β³ + γ³ = 7 のとき α⁴ + β⁴ + γ⁴
基本対称式を順に求めていきます。以下、e₁ = α+β+γ、e₂ = αβ+βγ+γα、e₃ = αβγ と書きます。
ステップ1:e₂ を求める
(α + β + γ)² = (α² + β² + γ²) + 2(αβ + βγ + γα) なので
1² = 3 + 2e₂ ⇔ e₂ = −1
ステップ2:e₃ を求める
3乗の和の展開公式を使います。
(α + β + γ)³ = (α³ + β³ + γ³) + 3(α + β + γ)(αβ + βγ + γα) − 3αβγ
1³ = 7 + 3 · 1 · (−1) − 3e₃ ⇔ 1 = 7 − 3 − 3e₃ ⇔ e₃ = 1
ステップ3:α²β² + β²γ² + γ²α² を求める
(αβ + βγ + γα)² を展開します。
= (α²β² + β²γ² + γ²α²) + 2(α²βγ + αβ²γ + αβγ²)
後半は αβγ でくくれて 2αβγ(α + β + γ) = 2e₃e₁ となるので
(−1)² = (α²β² + β²γ² + γ²α²) + 2 · 1 · 1
α²β² + β²γ² + γ²α² = 1 − 2 = −1
ステップ4:4乗の和を求める
「2乗和の2乗」から「積の2乗の和」を引く、という2乗和の公式をもう一度使います。
α⁴ + β⁴ + γ⁴ = (α² + β² + γ²)² − 2(α²β² + β²γ² + γ²α²)
= 3² − 2 × (−1) = 9 + 2
検算:ニュートンの恒等式 p₄ = e₁p₃ − e₂p₂ + e₃p₁ を使うと
p₄ = 1 × 7 − (−1) × 3 + 1 × 1 = 7 + 3 + 1 = 11 ✓ まったく別の経路で同じ値が出ました。
この年の学習ポイント
べき乗の和 pn = αⁿ + βⁿ + γⁿ は、基本対称式 e₁, e₂, e₃ さえ分かればすべて計算できます。
手順は「2乗の関係式を繰り返し使う」だけです。
e₁² = p₂ + 2e₂(2乗和 ⇔ e₂)
e₁³ = p₃ + 3e₁e₂ − 3e₃(3乗和 ⇔ e₃)
e₂² = (α²β²の和) + 2e₃e₁(積の2乗和)
p₂² = p₄ + 2(α²β²の和)(4乗和)
ポイントは「α², β², γ² を新しい3数と見る」という視点です。そう見れば、その基本対称式は p₂(和)、α²β²の和(2つずつの積の和)、e₃²(積)となり、同じ公式が再利用できます。
この「入れ子構造」に気づくと、6乗・8乗と次数が上がっても同じ手順で処理できます。
東京学芸大学2012年度の全大問について、当塾で解答PDFを公開できている範囲から順に解説を掲載しています。裏づけのない問題について推測で解説を作ることはしていません。
問題PDFをテキストでも確認
東京学芸大学 2012年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析
公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。
- 確率・場合の数
- 微分・積分
- 図形・三角関数
- 方程式・不等式
- 関数・グラフ
- 空間図形
この年度の出題範囲と傾向
2012年度の問題PDFでは、確率・場合の数、微分・積分、図形・三角関数、方程式・不等式、関数・グラフに関する語句や設問を確認できました。東京学芸大学の公開PDFを年度横断で調べると、図形・三角関数は15年度、微分・積分は12年度、関数・グラフは12年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。
分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。
問題文の文字起こし
問1画像OCR
検出分野: 確率・場合の数、微分・積分、図形・三角関数、方程式・不等式、関数・グラフ
2) (1)で求めた範囲で7を動かすとき, 直線 PQが通る点全体の領域を求め, 図示
せよ。
ー5 一 ぐM3(563一70)
TW BK fi) =O? + ar + Be* について, 下の問いに答えよ。ただし, a, 8は
定数とする。
(1) ア (Gr) BE fx) を求めよ。
7 fe) Mx=1 で極値をとるためのc, の 条件を求めよ。
(3) fe) Mx 1 で極値をとり, さらに点 (4, 7(4)) が曲線 ヵー/(ヶ) OW
曲点となるようにo, 8の値を定め, 関数 yー/(x) の極値と, その曲線の変曲
点をすべて求めよ。
= 6 ェ=っ OMB (663-71)
TV 袋の中に赤玉と白玉が何個か入っている。 HODES 1 つ取り出して元に戻す試
行を繰り返す。 1 回の試行で赤玉が出る確率をぁとするとき, 下の問いに答えよ。
(1) 2回赤玉が出るまで試行を繰り返すとき, 試行の回数が 3 以下になる確率を求
めよ。
(2) 2 回連続して赤玉が出るまで試行を繰り返すとき, 試行の回数が4 以下になる
確率を求めよ。
(13) 赤玉を取り出した回数と白玉を取り出した回数の差が 2 になるまで試行を繰り
返す。このとき, 試行の回数がぁヵ以下で赤玉が 2 回多く出る確率を求めよ。
ーー (arr M3 (563-72)
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