藤原進之介です。このページでは東京学芸大学2019年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
東京学芸大学2019年度の数学について、解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している解答PDFと照合済みです。
[I] 3次方程式が整数解と虚数解をともにもつ条件
a, b を整数とし、3次方程式
x³ + ax² + bx + 1 = 0
が整数解と虚数解をともにもつような (a, b) をすべて求めます。
整数解の候補を絞る
整数解を n とすると
n³ + an² + bn + 1 = 0 ⇔ n(n² + an + b) = −1
n も n² + an + b も整数です。積が −1 になる整数の組は2通りしかありません。
(n, n² + an + b) = (1, −1) または (−1, 1)
定数項が 1 であることを利用した、この絞り込みが出発点です。一般に整数係数のモニック多項式の整数解は定数項の約数に限られます(ここでは 1 の約数、つまり ±1)。
[1] n = 1 の場合
n² + an + b = −1 に n = 1 を代入して 1 + a + b = −1、すなわち b = −a − 2。
方程式は x³ + ax² + (−a−2)x + 1 = 0。x = 1 が解なので (x − 1) で割り切れて
(x − 1){x² + (a + 1)x − 1} = 0
残りの2次方程式の判別式は
D = (a + 1)² + 4 > 0
つねに正なので、2次方程式の解は必ず実数。したがって虚数解が現れず、この場合は条件を満たしません。
定数項が −1(負)であることに注目すると、D = (a+1)² + 4 > 0 は計算せずとも予想できます。2次の係数と定数項が異符号なら、必ず異なる2実数解をもつからです。
[2] n = −1 の場合
n² + an + b = 1 に n = −1 を代入して 1 − a + b = 1、すなわち b = a …①
方程式は x³ + ax² + ax + 1 = 0。x = −1 が解なので (x + 1) で割り切れて
(x + 1){x² + (a − 1)x + 1} = 0
虚数解をもつ条件は、この2次方程式の判別式が負であること。
D = (a − 1)² − 4 < 0 ⇔ (a − 1 + 2)(a − 1 − 2) < 0 ⇔ (a + 1)(a − 3) < 0
⇔ −1 < a < 3。a は整数なので a = 0, 1, 2。
①より b = a なので
検算
| (a, b) | 方程式 | 因数分解 | 解 |
|---|---|---|---|
| (0, 0) | x³ + 1 = 0 | (x + 1)(x² − x + 1) | −1、(1 ± √3 i)/2 |
| (1, 1) | x³ + x² + x + 1 = 0 | (x + 1)(x² + 1) | −1、± i |
| (2, 2) | x³ + 2x² + 2x + 1 = 0 | (x + 1)(x² + x + 1) | −1、(−1 ± √3 i)/2 |
いずれも整数解 −1 と虚数解をともにもち、条件を満たしています。
境界の a = −1 と a = 3 を確かめると、なぜ除外されるかが分かります。
a = −1:x² − 2x + 1 = (x − 1)² で重解 x = 1。実数解なので不適。
a = 3:x² + 2x + 1 = (x + 1)² で重解 x = −1。これも実数解なので不適。
D = 0 は「重解」であって「虚数解」ではない — 不等号に等号を含めない理由です。
この年の学習ポイント
整数解を扱う3次方程式の手順は次のとおりです。
(あ) 整数解 n を仮定して、定数項が n の倍数になることから n の候補を絞る(ここでは n(n²+an+b) = −1 という積の形が直接候補を与えました)
(い) 各候補について、n を解にもつことから係数の関係式を出す
(う) 因数定理で (x − n) をくくり出し、残った2次式の判別式で虚数解の有無を判定する
この3ステップは、整数条件と複素数条件が同時に問われる問題の標準的な流れです。「積が ±1」という強い制約を作れるかどうかが最初の関門になります。
東京学芸大学2019年度の全大問について、当塾で解答PDFを公開できている範囲から順に解説を掲載しています。裏づけのない問題について推測で解説を作ることはしていません。
問題PDFをテキストでも確認
東京学芸大学 2019年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析
公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。
- 図形・三角関数
- 微分・積分
- 関数・グラフ
- 空間図形
- 整数
- 複素数
- 方程式・不等式
この年度の出題範囲と傾向
2019年度の問題PDFでは、図形・三角関数、微分・積分、関数・グラフ、空間図形、整数に関する語句や設問を確認できました。東京学芸大学の公開PDFを年度横断で調べると、図形・三角関数は15年度、微分・積分は12年度、関数・グラフは12年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。
分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。
問題文の文字起こし
問1画像OCR
検出分野: 図形・三角関数、微分・積分、関数・グラフ、空間図形、整数
点から対辺またはその延長に下ろした 3 本の垂線は 1 点で交わり, その点を三角
形の垂心という。
(2) APO x MRS 一1 であるとき, 三角形 POEが正三角形となるような点
ROBRERD Lo
ー 5一
Tl 座標平面上の点ヵ OPO: + a1 (a>0, 5>0へ引いた2本
の接線 , が直交するとき, 下の問いに答えよ。ただし, カ> とする。
(1) あぁを2と6を用いて表せ。
(2) a=/3, 5=1のとき, MACLBRL, b で囲まれた図形の面積を求めよ。
= @
WV BRS) it, *=0で定義された(0) =0, f(x) > 2x? (x > 0)を満たす単調
増加な連続関数で, その逆関数も連続とする。曲線ッニャ ッー2z?。ァニア(<) を
それぞれCi, Cy C。 とする。正の実数を#に対し, 0 ミ*ミ7において, 曲線 Ci,
Cz および直線ヶーで囲まれた図形の面積を4(ひ, HRC, Caおよび直線
y= 2/で囲まれた図形の面積を ガ() とする。このとき, すべての『 > 0に対し,
A(t) = (のが成り立つような関数 (x) を求めよ。
ーァー
SUCCESS STORY
この過去問で合格した先輩がいます
【詳細掲載準備中】この大学の合格者事例は、イニシャル・出身高校・指導開始時期・成績の変化を個人情報に配慮して整理のうえ掲載します。
過去問は「解く」だけでは伸びません。どこで落としたか、なぜ落としたかをプロ講師が一対一で分析し、あなた専用の対策に変えます。
※成績の伸びは個人の学習状況により異なります。指導事例をもっと見る

