藤原進之介です。このページでは北海道大学2017年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
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北海道大学 2017年度 文系数学|全4問の解答・解説
問題の条件、解法の入口、途中式、最終答案、確認事項を大問ごとに整理しています。
第1問|連続する整数の積と平方数
問題文
自然数の2乗となる数を平方数という。
- 自然数 \(a,n,k\) に対して \(n(n+1)+a=(n+k)^2\) が成り立つとき、 \[ a\ge k^2+2k-1 \] を示せ。
- \(n(n+1)+7\) が平方数となる自然数 \(n\) をすべて求めよ。
方針
等式から \(a\) を求め、示すべき下限との差を因数分解します。(2)では(1)に \(a=7\) を入れることで、未知数 \(k\) の候補を2つに絞れます。
解答・解説
\[ a=(n+k)^2-n(n+1) \] なので \[ a-(k^2+2k-1) =(2k-1)(n-1)\ge0. \] \(n,k\) は自然数だから両因子は非負です。よって \[ \boxed{a\ge k^2+2k-1}. \]
\(n(n+1)+7=(n+k)^2\) と置きます。(1)より \[ 7\ge k^2+2k-1 \quad\Longleftrightarrow\quad (k+4)(k-2)\le0. \] \(k\) は自然数なので \(k=1,2\) です。元の等式へ戻ると、 \[ k=1\Rightarrow n=6,\qquad k=2\Rightarrow n=1. \] いずれも条件を満たすため \[ \boxed{n=1,\ 6}. \]
第2問|円周上の2点と中点ベクトル
問題文
原点 \(O\) を中心とする半径1の円 \(C\) の内部に点 \(A\) がある。円周上の点 \(P,Q\) は
\(\overrightarrow{AP}\perp\overrightarrow{AQ}\) を満たしながら動く。線分 \(PQ\) の中点を \(R\) とする。
\[
\overrightarrow{OA}=\vec a,\quad|\vec a|=r,\quad
\overrightarrow{OP}=\vec p,\quad\overrightarrow{OQ}=\vec q
\]
とし、\(0
方針
直交条件を内積で表し、中点の位置ベクトル \(\overrightarrow{OR}=(\vec p+\vec q)/2\) と組み合わせます。(2)では \(\overrightarrow{OB}=k\vec a\) と置き、変動する \(\vec p\cdot\vec q\) の係数を0にします。
解答・解説
直交条件より \[ (\vec p-\vec a)\cdot(\vec q-\vec a)=0 \] だから \[ \vec a\cdot(\vec p+\vec q)=\vec p\cdot\vec q+r^2. \tag{1} \] また \[ \overrightarrow{OR}=\frac12(\vec p+\vec q). \] \(|\vec p|=|\vec q|=1\) と(1)を使うと \[ |\overrightarrow{AR}|^2 =\left|\frac12(\vec p+\vec q)-\vec a\right|^2 =\boxed{\frac12(1-\vec p\cdot\vec q)}. \]
\(\overrightarrow{OB}=k\vec a\) と置くと \[ |\overrightarrow{BR}|^2 =\frac12+\left(\frac12-k\right)\vec p\cdot\vec q+(k^2-k)r^2. \] \(P,Q\) によらず一定にするには \[ \frac12-k=0, \] すなわち \(k=1/2\) です。したがって \(B\) は線分 \(OA\) の中点で、 \[ \boxed{|\overrightarrow{BR}|^2=\frac14(2-r^2)}. \]
第3問|正四面体上のランダムウォーク
問題文
正四面体 \(ABCD\) の頂点を移動する点 \(P\) がある。1秒ごとに、隣の3頂点のいずれかへ確率 \(a/3\) で移るか、もとの頂点に確率 \(1-a\) で留まる。初め頂点 \(A\) にいた点が、\(n\) 秒後に頂点 \(A\) にいる確率を \(p_n\) とする。\(0
方針
\(n+1\) 秒後に \(A\) にいる経路を、「\(n\) 秒後も \(A\) にいて留まる」「\(A\) 以外にいて \(A\) へ移る」の2つに分けます。
解答・解説
\[ p_{n+1}=p_n(1-a)+(1-p_n)\frac a3 =\boxed{\left(1-\frac{4a}{3}\right)p_n+\frac a3}. \]
定常値 \(1/4\) を引くと \[ p_{n+1}-\frac14 =\left(1-\frac{4a}{3}\right)\left(p_n-\frac14\right). \] \(p_0=1\) より \[ p_n-\frac14=\frac34\left(1-\frac{4a}{3}\right)^n. \] したがって \[ \boxed{p_n=\frac34\left(1-\frac{4a}{3}\right)^n+\frac14}. \]
\(n=0\) を代入すると \(p_0=1\)。また長時間後には4頂点に均等に分布し、\(p_n\to1/4\) となります。
第4問|積分を含む関数方程式と極大条件
問題文
実数 \(a,b\) と関数 \(f(x)\) が \[ f(x)=\frac13x^3-ax^2+(a^2-b)x+\int_{-1}^{1}f(t)\,dt \] を満たす。
- \(f(0)\) を \(a\) で表せ。
- \(f(x)\) が \(x>1\) の範囲で極大値をもつための \(a,b\) の条件を求め、点 \(P(a,b)\) の存在範囲を図示せよ。
方針
積分値を定数 \(A\) と置き、両辺を \([-1,1]\) で積分します。(2)は導関数が上に開く2次式なので、\(x>1\) に異なる2実根をもち、左側の根で極大となる条件を調べます。
解答・解説
\[ A=\int_{-1}^{1}f(t)\,dt \] と置くと、奇関数部分の積分は0だから \[ A=2\int_0^1(-at^2+A)\,dt =-\frac{2a}{3}+2A. \] よって \(A=2a/3\)。\(f(0)=A\) なので \[ \boxed{f(0)=\frac{2a}{3}}. \]
導関数は \[ f'(x)=x^2-2ax+a^2-b=(x-a)^2-b. \] \(x>1\) に異なる2つの零点があり、左の零点で符号が正から負へ変わるための条件は \[ a>1,\qquad b>0,\qquad f'(1)>0. \] \(f'(1)=(a-1)^2-b\) なので \[ \boxed{a>1,\qquad01\) において \(b=0\) と放物線 \(b=(a-1)^2\) に挟まれた部分です。境界線はいずれも含みません。
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北海道大学 2017年度 理系数学|全5問の解答・解説
問題文・解法方針・主要な途中式・最終答案を大問ごとに整理しました。
第1問|平方数となる自然数の決定
問題文
- 自然数 \(a,n,k\) に対し \(n(n+1)+a=(n+k)^2\) ならば \(a\ge k^2+2k-1\) を示せ。
- \(n(n+1)+14\) が平方数となる自然数 \(n\) をすべて求めよ。
方針
等式から \(a\) を求め、下限との差を因数分解します。その不等式を使うと(2)の \(k\) は3候補まで絞れます。
解答・解説
\[ a-(k^2+2k-1) =\{(n+k)^2-n(n+1)\}-(k^2+2k-1) =(2k-1)(n-1)\ge0. \] よって \(\boxed{a\ge k^2+2k-1}\) です。
\(n(n+1)+14=(n+k)^2\) と置くと \[ 14\ge k^2+2k-1 \quad\Longleftrightarrow\quad (k+5)(k-3)\le0. \] 自然数 \(k\) は \(1,2,3\)。元の等式を解くと \[ k=1\Rightarrow n=13,\quad k=2\Rightarrow n=\frac{10}{3}\ (\text{不適}),\quad k=3\Rightarrow n=1. \] したがって \(\boxed{n=1,\ 13}\) です。
第2問|三角関数を含む関数の増減と絶対値積分
問題文
\[ f(x)=1+\sin x-x\cos x \]
- \(0\le x\le2\pi\) における増減、最大値、最小値を求めよ。
- \(f(x)\) の不定積分を求めよ。
- \(\int_0^{2\pi}|f(x)|\,dx\) を求めよ。
解答・解説
\[
f'(x)=x\sin x.
\]
よって \(0 部分積分より
\[
\int x\cos x\,dx=x\sin x+\cos x.
\]
したがって
\[
\boxed{\int f(x)\,dx=x-2\cos x-x\sin x+C}.
\] 増減と \(f(3\pi/2)=0\) から、符号が変わるのは \(x=3\pi/2\) です。原始関数を
\[
F(x)=x-2\cos x-x\sin x
\]
とすると
\[
\int_0^{2\pi}|f(x)|\,dx
=\{F(3\pi/2)-F(0)\}+\{F(3\pi/2)-F(2\pi)\}
=\boxed{4\pi+4}.
\]
第3問|外心条件と複素数の存在範囲
問題文
複素数平面上の三角形 \(OAB\) の外心を \(P\) とし、\(A,B,P\) を表す複素数を \(\alpha,\beta,z\) とする。 \[ \alpha\beta=z \] が成り立つ。
- \(\alpha\) の条件と点 \(A\) の軌跡を求めよ。
- 点 \(P(z)\) の存在範囲を求めよ。
方針
外心なので \(P\) は3頂点から等距離です。まず \(|z|=|z-\beta|\) と \(z=\alpha\beta\) を組み合わせます。
解答・解説
\[ |z|=|z-\beta| \] に \(z=\alpha\beta\) を代入すると \[ |\alpha||\beta|=|\alpha-1||\beta|. \] \(\beta\ne0\) より \[ |\alpha|=|\alpha-1|. \] したがって点 \(A\) は \(0\) と \(1\) から等距離であり、 \[ \boxed{\operatorname{Re}\alpha=\frac12} \] という直線上を動きます。
同様に \(\operatorname{Re}\beta=1/2\)。実数 \(u\ne v\) を用いて \[ \alpha=\frac12+ui,\qquad \beta=\frac12+vi \] と置きます。\(z=X+Yi=\alpha\beta\) から \[ uv=\frac14-X,\qquad u+v=2Y. \] \(u,v\) が異なる実数である条件は、2次方程式 \[ t^2-2Yt+\left(\frac14-X\right)=0 \] の判別式が正であることです。よって \[ 4Y^2-4\left(\frac14-X\right)>0 \quad\Longleftrightarrow\quad \boxed{X>-Y^2+\frac14}. \] 境界の放物線は含みません。
第4問|サイコロの和が初めて10以上になる確率
問題文
サイコロを続けて投げ、出た目の分だけ点を正方向へ移す。位置が10以上になった時点で終了する。\(n\) 回目で終了する確率を \(p_n\) とする。
- \(p_{10}=(1/6)^9\) を示せ。
- \(p_9\) を求めよ。
- \(p_3\) を求めよ。
解答・解説
10回目まで続くには最初の9回がすべて1で、10回目は何が出ても終了します。したがって \[ \boxed{p_{10}=\left(\frac16\right)^9}. \]
9回目で終了するのは、最初の8回がすべて1で最後に2以上が出る場合、または最初の8回に2が1回・1が7回出て9回目に任意の目が出る場合です。 \[ p_9=\left(\frac16\right)^8\frac56 +\binom87\left(\frac16\right)^8 =\boxed{\frac{53}{6^9}}. \]
3回目に初めて10以上となる組を、最初の2回の和ごとに数えます。和が4,5,6,7,8,9の組数は順に \(3,4,5,6,5,4\)、必要な3回目の目の個数は順に \(1,2,3,4,5,6\) です。よって \[ p_3=\frac{3\cdot1+4\cdot2+5\cdot3+6\cdot4+5\cdot5+4\cdot6}{6^3} =\boxed{\frac{11}{24}}. \]
第5問|3点までの距離平方和が定める円
問題文
\(A(1,0),B(3,1),C(2,2)\) を頂点とする三角形の内部と境界を \(T\) とする。 \[ AP^2+BP^2+CP^2\le a \] を満たす点 \(P\) 全体を \(D\) とする。
- \(D\) が空でないための \(a\) の範囲を求めよ。
- \(D\) が \(T\) を含むための \(a\) の範囲を求めよ。
- \(D\) が \(T\) に含まれるための \(a\) の範囲を求めよ。
方針
距離平方和を平方完成すると、\(D\) は中心が固定された円板になります。包含関係は中心から頂点・辺までの距離で判定します。
解答・解説
\(P=(x,y)\) として展開すると \[ AP^2+BP^2+CP^2 =3\{(x-2)^2+(y-1)^2\}+4. \] よって \[ D:\quad (x-2)^2+(y-1)^2\le\frac{a-4}{3}. \] したがって \(D\) が空でない条件は \[ \boxed{a\ge4}. \]
中心 \(E=(2,1)\) から頂点までの距離は \[ EA=\sqrt2,\qquad EB=EC=1. \] 円板が三角形全体を含むには半径が最大の \(\sqrt2\) 以上であればよいので \[ \sqrt{\frac{a-4}{3}}\ge\sqrt2 \quad\Longleftrightarrow\quad \boxed{a\ge10}. \]
円板が三角形内に収まるためには、半径が中心 \(E\) から3辺までの距離の最小値以下であることが必要十分です。各辺への距離は \[ \frac1{\sqrt5},\quad\frac1{\sqrt2},\quad\frac1{\sqrt5} \] なので最小値は \(1/\sqrt5\)。したがって \[ \sqrt{\frac{a-4}{3}}\le\frac1{\sqrt5}. \] (1)と合わせて \[ \boxed{4\le a\le\frac{23}{5}}. \]
問題PDFをテキストでも確認
北海道大学 2017年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析
公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。
- 整数
- 確率・場合の数
- 空間図形
- 関数・グラフ
- 微分・積分
- 図形・三角関数
- 複素数
- ベクトル
この年度の出題範囲と傾向
2017年度の問題PDFでは、整数、確率・場合の数、空間図形、関数・グラフ、微分・積分に関する語句や設問を確認できました。北海道大学の公開PDFを年度横断で調べると、図形・三角関数は24年度、関数・グラフは24年度、微分・積分は24年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。
分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。
問題文の文字起こし
問1画像OCR
検出分野: 確率・場合の数、整数、関数・グラフ、空間図形、ベクトル
azh+2h-1 る。初め頂点A にいた点Pが, ヶ秒後に頂点4 にいる確率をヵ。とする。ただ
が成り立つことを示せ。 し. 0 <g<1 とし, ヵは自然数とする。
QD みみ1)二7が平方数となるようか自然数 ヵ をすべて求めよ。 (1) 数列(ゆの滞化式を求めよ。
(2) 確率ぁ。 を求めよ。
平面上の点 O を中心とする半径1 の円をとする。円Cの内部に点Aがあ
る。円 Cの周上を2点P Qが条件AP1AQ を満たしながら動く。線分 PQ の [4] a, 5 を実数とし, 関数7(*)が
HRERETS, KR, 08 = 12|=ァ0OP = 06=7とする。ただ 7の=オターg + (ade + [sae
し, 0 <ヶく1 とする。 . を満たすとする。
(1) [ARP を内積カ・9 を用いて表せ。 (1) (0)の値をを用いて表せ。
(12 直線0A 上の点Bで, IBRドが2点P Qの位置によらず一定であるものを (2) 関数げ(*)が* > 1 の範囲で極大値を持つとする。このような。o, 5が満たす
求めよ。また, このときのIBRF OMS r を用いて表せ。 条件を求めよ。また, 点 P(2, 9)の存在範囲を座標平面上に図示せよ。
= 一 でM9(705一91) M9 (705—92)
問2PDF文字抽出
検出分野: 整数、確率・場合の数、空間図形、微分・積分、関数・グラフ
′≧■ 2+2カ ー 1
が成 り立 つ ことを示せ。
(2) ′′(′′ +1)+14が 平方数 となるよ うな 自然数 ′′をす べ て求めよ。
つこ
関数 /(′′ )=1+slll′′ ― ′′cos′′ について ,以 下の問 いに答えよ。
(1)/(′′ )の 0≦ ′′≦ 2π にお ける増減を調べ,最 大値 と最小値 を求めよ。
(2)ノ (χ )の 不定積分を求めよ。
(3)次 の定積分 の値を求めよ。
́2′′
光1/(′′ )│′′
ら0
複 素数平面上 に 3点 0,A,Bを 頂点 とす る △OABが ある。た だ し,0は 原
点 とす る。△OABの 外心 を Pと する。3点 A,B,Pが 表す複素数を,そ れぞれ
α.β ,zと するとき ,
β=2
α
が成 り立つ とする。
(1)複 素数 αの満たすべ き条件を求め,点 A(α )が 描 く図形を複素数平面上に図
示 せ よ。
(2)点 P(2)の 存在 範 囲 を求 め ,複 素数平 面 上 に図示せ よ。
2 ◇ M10(705‐94)
一 さいころを続けて投げて,数 直線上の点 Pを 移動させるゲームを行う。初め
点 Pは 原点 0に い る。 さいころを投 げるたび に,出 た 目の数 だ け,点 Pを 現在
の位置か ら正 の向き に移動 させ る。 この試行 を続けて行 い,点 Pが 10に 達する
か越えた時点でゲー ムを終了する。′′回 目の試行でゲー ムが終 了す る確率 を ,"
とする。
(1),1。 = となることを示せ。
(2)′ 。の値 を求めよ。
(3),3の 値を求めよ。
EO
上 の 3点 A(1.0),B(3,1),C(2,2)を 頂 点 とす る △ABCの
1座 標 平 面
内部およ び境界 を Tと お く。実数 αに対 して ,条 件
AP2+BP2+cP2≦ α
を満 たす 座 標 平 面 上 の 点 Pの 全体 を Dと す る。た だ し,APは 点 Aと 点 Pの
距離 を表す。
(1)Dが 少な くとも 1つ の点 Pを 含むよ うな この値 の範囲を求めよ。
(2)Dが Tを 含むような αの値 の範囲を求めよ。
(3)(1)の もとで ,Dが rに 含 まれるよ うな αの値 の範 囲を求めよ。
3 ◇ M10(705‐‐95)

