藤原進之介です。このページでは関西大学2004年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
関西大学2004年度の数学について、解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している全問を独立に検算しています。
〔I〕文字を含む2次不等式
a を定数として x² − x + a(1 − a) < 0 を解きます。
因数分解する
定数項 a(1−a) = a − a²、x の係数は −1。2つの解の和が 1、積が a(1−a) になる組を探すと a と 1 − a が見つかります(和が a + (1−a) = 1 ✓)。
x² − x + a(1 − a) = {x − (1 − a)}(x − a) < 0 …①
2解の大小で場合分けする
因数分解できたので、あとは 1 − a と a のどちらが大きいかで解が決まります。境目は 1 − a = a、すなわち a = 1/2。
| a の範囲 | 2解の大小 | ①の解 |
|---|---|---|
| a > 1/2 | 1 − a < a | 1 − a < x < a |
| a = 1/2 | 1 − a = a(重解) | 解なし |
| a < 1/2 | a < 1 − a | a < x < 1 − a |
文字係数の2次不等式では、因数分解できたあとに2解の大小を場合分けするのが定石です。「小さいほうと大きいほうの間」という形は変わらないので、どちらが小さいかだけを決めればよいことになります。
a = 1/2 のケースを「解なし」と正しく書けるかが差になります。(x − 1/2)² は 0 以上なので、負にはなりません。
〔II〕(1) 連立不等式が表す領域
4本の直線 y = x + 2、y = x − 1、y = −x + 1、y = −x + 2 で囲まれた部分を図示する問題です。
y = x + 2 と y = x − 1 は傾き1の平行な2直線、y = −x + 1 と y = −x + 2 は傾き −1 の平行な2直線。この2組で挟まれた領域は平行四辺形になります。
頂点は各組の交点で、(0, 2)、(−1/2, 3/2)、(1, 0)、(3/2, 1/2) の4点。図では、y = −x + 1 と y = −x + 2 に挟まれた細い帯を、y = x + 2 と y = x − 1 で切り取った形として現れます(境界を含む)。
傾きが同じ直線の組を見つけたら、「帯(2本の平行線の間)」として捉えると図示が速くなります。帯と帯の重なりは必ず平行四辺形です。
〔III〕等比数列をなす3数
(1) a, b, c がこの順に等比数列 ⇒ b² = ac の証明
公比を r とすると b = ra、c = r²a と表せます。したがって
b² − ac = (ra)² − a·(r²a) = r²a² − r²a² = 0
よって b² = ac(証明終)
この b² = ac は等比中項の関係で、「真ん中の2乗=両端の積」と覚えます。逆に b² = ac かつ a, b, c ≠ 0 なら等比数列になるので、判定条件としても使えます。
(2) 6、x、2x − 6 が(順序を問わず)等比数列になる x
どれが真ん中の項かで3通りに場合分けし、それぞれ「真ん中の2乗=両端の積」を立てます。
(i) 6 が真ん中のとき
6² = x(2x − 6) ⇔ 2x² − 6x − 36 = 0 ⇔ x² − 3x − 18 = 0 ⇔ (x − 6)(x + 3) = 0
x = 6, −3
(ii) x が真ん中のとき
x² = 6(2x − 6) ⇔ x² − 12x + 36 = 0 ⇔ (x − 6)² = 0
x = 6
(iii) 2x − 6 が真ん中のとき
(2x − 6)² = 6x ⇔ 4x² − 30x + 36 = 0 ⇔ 2x² − 15x + 18 = 0 ⇔ (2x − 3)(x − 6) = 0
x = 3/2, 6
3数が「異なる」ことの確認
x = 6 のときは 3数がすべて 6 になり、異なる3数という条件に反するので不適です。
| x | 3数 | 並べ方(等比になる順) | 公比 |
|---|---|---|---|
| −3 | 6, −3, −12 | −3, 6, −12 | −2 |
| 3/2 | 6, 3/2, −3 | 6, −3, 3/2 | −1/2 |
検算:x = −3 のとき 6² = 36、(−3)(−12) = 36 ✓ x = 3/2 のとき (−3)² = 9、6 × (3/2) = 9 ✓
各ケースで x = 6 が繰り返し出てくるのは偶然ではありません。x = 6 のとき 2x − 6 = 6 なので3数がすべて等しくなり、「どの順でも等比数列(公比1)」になってしまうからです。問題文の「異なる3数」という条件を最後に使って除外するのが要点でした。
この年の学習ポイント
〔I〕と〔III〕はどちらも場合分けの網羅性が問われました。〔I〕は2解の大小(3通り)、〔III〕はどれが真ん中か(3通り)。「これで全部か」を確認してから計算に入る習慣をつけてください。
そして両方とも、最後に問題文の条件(解が存在するか/3数が異なるか)に戻って吟味する必要がありました。この吟味が答案の完成度を決めます。
関西大学2004年度は複数日程が実施されています。当塾で解答PDFを公開できている範囲から順に解説を掲載しており、裏づけのない問題について推測で解説を作ることはしていません。
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