藤原進之介です。このページでは関西大学2011年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
関西大学2011年度の数学について、解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している全問を独立に検算しています。
〔I〕加法定理で15度の三角比を作り、無理数の性質で係数を決める
(1) cos(π/12) の値
π/12 は 15°。よく知っている角の差で表します。π/12 = π/3 − π/4 なので、余弦の加法定理より
cos(π/12) = cos(π/3)cos(π/4) + sin(π/3)sin(π/4) = (1/2)(1/√2) + (√3/2)(1/√2)
π/12 = π/4 − π/6 と分けても同じ値になります。どちらでも構いませんが、知っている角の和や差に分解するという発想が要点です。
(2) cosθ = (√2 − √6)/4 のときの θ(0 < θ < π)
sinθ > 0 なので
sinθ = √{1 − (√2−√6)²/16} = √{1 − (8 − 4√3)/16} = (√2/4)√(4 + 2√3)
4 + 2√3 = (1 + √3)² と二重根号がはずれるので
sinθ = (√2/4)(1 + √3) = (√2 + √6)/4 = cos(π/12)
cosθ < 0 なので θ は第2象限、すなわち π/2 < θ < π。sinθ = cos(π/12) = sin(π/2 − π/12) の関係と合わせて
θ = π/2 + π/12
検算:cos(7π/12) = cos(π/3 + π/4) = (1/2)(1/√2) − (√3/2)(1/√2) = (√2 − √6)/4。確かに一致します。
(3) a·x⁴ + b·x² + 1 = 0(x = cos(π/12)、a, b は整数)
x = (√2+√6)/4 の2乗・4乗を計算します。
x² = (2 + 2√12 + 6)/16 = (8 + 4√3)/16 = (2 + √3)/4
x⁴ = (2 + √3)²/16 = (4 + 4√3 + 3)/16 = (7 + 4√3)/16
代入して √3 の有無で整理すると
(7a/16 + b/2 + 1) + √3(a/4 + b/4) = 0
a, b は整数なので括弧の中はどちらも有理数です。√3 は無理数なので、この等式が成り立つには両方の括弧が同時に 0 でなければなりません。
a/4 + b/4 = 0 より b = −a。これを 7a/16 + b/2 + 1 = 0 に代入すると
7a/16 − 8a/16 + 1 = 0 ⇔ −a/16 = −1 ⇔ a = 16、b = −16
「有理数 + 無理数×有理数 = 0 ならば両方 0」という論法は、√3 が無理数であることを根拠にしています。この一言を書けるかどうかが記述の完成度を分けます。実際 16x⁴ − 16x² + 1 = 0 は cos15°の最小多項式です。
〔II〕3次関数の増減と、傾きが等しい2本の接線
f(x) = x³ + 3x² − 9x − 2 を考えます。
(1) 極値とグラフ
f'(x) = 3x² + 6x − 9 = 3(x² + 2x − 3) = 3(x − 1)(x + 3)
| x | … | −3 | … | 1 | … |
|---|---|---|---|---|---|
| f'(x) | + | 0 | − | 0 | + |
| f(x) | 増加 | 極大 25 | 減少 | 極小 −7 | 増加 |
f(−3) = −27 + 27 + 27 − 2 = 25、f(1) = 1 + 3 − 9 − 2 = −7。
(2) 2本の接線が平行になる a と、その接線の方程式
点 (a, f(a)) と 点 (a+2, f(a+2)) における接線が平行 ⇔ 傾きが等しい ⇔ f'(a) = f'(a+2)。
3a² + 6a − 9 = 3(a+2)² + 6(a+2) − 9
右辺を展開すると 3a² + 12a + 12 + 6a + 12 − 9 = 3a² + 18a + 15。したがって
6a − 9 = 18a + 15 ⇔ 12a + 24 = 0 ⇔ a = −2
f(−2) = −8 + 12 + 18 − 2 = 20、f'(−2) = 12 − 12 − 9 = −9 なので、点 (−2, 20) における接線は
y = −9(x + 2) + 20 = −9x + 2
f’ は2次関数なので、f'(a) = f'(a+2) は「軸から左右に等距離」を意味します。f’ の軸は x = −1 なので、a と a+2 の中点が −1、つまり a = −2。この見方なら計算せずに答えが出ます。
この年の学習ポイント
〔I〕(3) の「無理数だから係数がそれぞれ 0」という論法は、大学入試で繰り返し問われる型です。a + b√3 = 0(a, b は有理数)ならば a = b = 0 を、証明つきで説明できるようにしておいてください(b ≠ 0 なら √3 = −a/b となり、無理数が有理数に等しくなって矛盾)。
〔II〕は標準的な微分の問題ですが、(2) を「f’ の軸に関して対称」と読み替えられるかどうかで、所要時間が大きく変わります。導関数のグラフを想像する習慣が計算量を減らします。
関西大学2011年度は複数日程が実施されています。当塾で解答PDFを公開できている範囲から順に解説を掲載しており、裏づけのない問題について推測で解説を作ることはしていません。
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関西大学の数学の過去問は30年度ぶんを公開しています。そのうち3年度は全問の解答解説つきです(「解説」の印がついた年度)。志望校の傾向は1年だけでは見えないので、最低でも3年ぶんを続けて解くことをおすすめします。
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