大学受験

関西大学 2021年度 過去問・解答

数強塾のプロ講師陣

藤原進之介です。このページでは関西大学2021年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。

今日の一問
次の条件によって定まる各項が正の数列 を考える。
次の問いに答えよ。
(1) 数列 で定められている。 を求めよ。
(2)  とおく。 で表せ。
——さて、どこから手をつける?
続きの小問と、答え・考え方は本文で解説します。

問題

解答

関西大学 2021年度 数学 全問解説【数強塾オリジナル】

この年度の全体像 〔Ⅰ〕は漸化式と対数、〔Ⅱ〕は絶対値つき放物線と接線の共有点、〔Ⅲ〕は三角関数の合成と2次関数の合成関数です。3題とも「見慣れない形を、既習の型に持ち込む」のが主題。特に〔Ⅰ〕は対数をとって漸化式に、〔Ⅲ〕は合成で1つの sin にまとめます。

〔Ⅰ〕漸化式と対数による変換

(1) 特性方程式による一般項

bn+1 = 3bn + 1 は等比数列に持ち込むのが定石です。特性方程式 α = 3α + 1 より α = −1/2。両辺に 1/2 を足すと

bn+1 + 1/2 = 3(bn + 1/2)

数列 {bn + 1/2} は公比3の等比数列。b1 = 1 なら初項は 3/2 なので

bn + 1/2 = 3n−1 · (3/2) = 3n/2

 bn = (1/2)(3n − 1)

(2) 対数をとって漸化式に変換する

与式は 3√(an+1/5) = an。指数の形のままでは扱えないので、両辺に log5 をとります

(1/3)(log5 an+1 − 1) = log5 an

整理すると log5 an+1 = 3 log5 an + 1。cn = log5 an とおけば

 cn+1 = 3cn + 1

これは(1)とまったく同じ形です。累乗の漸化式は対数をとると線形漸化式になる——この一手が本問の全てです。

(3) 一般項と、奇数であることの証明

a1 = 5 より c1 = log55 = 1。(1)の b1 と一致するので bn = cn。よって

log5 an = (1/2)(3n − 1) すなわち an = 5(3n−1)/2

奇数の証明:3n はつねに奇数なので 3n − 1 は偶数、したがって指数 (3n−1)/2 は自然数です。5の自然数乗は必ず奇数なので、an はすべての自然数 n で奇数となります。

 an = 5(3n−1)/2(すべての n で奇数)

〔Ⅱ〕絶対値つき放物線と接線

曲線 C : y = |2−x|(1−2x) と、原点を通る直線 ℓ : y = ax を考えます。

①② 接するときの a

まず絶対値を外さずに、放物線 D : y = (2−x)(1−2x) = 2x² − 5x + 2 で考えます。y′ = 4x − 5 なので、接点の x 座標を t とすると

2t² − 5t + 2 = at かつ 4t − 5 = a

下を上に代入すると 2t² − 5t + 2 = 4t² − 5t、すなわち 2t² = 2 で t = ±1

  • t = 1 のとき a = −1
  • t = −1 のとき a = −9
 ① −9 ② −1

③④⑤ 共有点の個数

C は絶対値により x = 2 で折れ曲がります。

  • x < 2:y = (2−x)(1−2x)(下に凸の放物線)
  • x ≧ 2:y = (x−2)(1−2x)(上に凸の放物線)

グラフを描いて、原点を通る直線を回転させながら交点を数えます。

a の値共有点の個数
a = 0, −1, −92個
a > 0、−9 < a < −11個
−1 < a < 0、a < −93個
 ③ 0 ④ −9 < a < −1 ⑤ a < −9

接する2つの a(−1 と −9)と、a = 0 が境目になります。接点は「2個と3個の境界」で、そこを跨ぐと個数が変わる構造です。

〔Ⅲ〕三角関数の合成と合成関数

f(x) = π(x² − (2/√3)x)、g(x) = −sin f(x) − √3 cos f(x) を考えます。

①②③ 合成

係数が (−1, −√3) なので合成の振幅は √(1+3) = 2。加法定理の形に整えると

g(x) = 2{sin f(x) cos(4π/3) + cos f(x) sin(4π/3)} = 2 sin(f(x) + 4π/3)

 ① 2 ② 4π/3

次に中身の範囲を調べます。平方完成すると

f(x) + 4π/3 = π{(x − 1/√3)² + 1}

0 ≦ x ≦ √3 において、x = 1/√3 で最小値 πx = √3 で最大値 7π/3

 ③ 7π/3 ④ π

⑤⑥ 最大値・最小値

π ≦ f(x) + 4π/3 ≦ 7π/3 の範囲で sin の値域を調べます。この区間は 2π を跨ぐので、単位円で丁寧に追う必要があります

sin は 3π/2 で最小 −1 をとり、区間の右端 7π/3 では sin(7π/3) = sin(π/3) = √3/2。よって

−1 ≦ sin(f(x) + 4π/3) ≦ √3/2 → −2 ≦ g(x) ≦ √3

 ⑤ √3 ⑥ −2

g(x) = −√3 を解く

2 sin(f(x)+4π/3) = −√3 より sin(f(x)+4π/3) = −√3/2。範囲 π ≦ θ ≦ 7π/3 で該当するのは θ = 4π/3, 5π/3。

それぞれ f(x) = 0, π/3 となり、x² − (2/√3)x = 0, 1/3 を解きます。

  • x² − (2/√3)x = 0 → x = 0, 2/√3
  • x² − (2/√3)x − 1/3 = 0 → 0 ≦ x ≦ √3 の範囲で x = (1+√2)/√3
 ⑦ 1+√2(x = (1+√2)/√3 の分子)

この年度の総評と対策

3題に共通するのは「与えられた形のままでは解けない。既習の型へ変換する」という要求です。

  • 〔Ⅰ〕累乗の漸化式 → 対数をとって線形漸化式へ
  • 〔Ⅱ〕絶対値つき曲線 → 場合分けして2つの放物線へ
  • 〔Ⅲ〕2つの三角関数 → 合成して1つの sin へ

とくに〔Ⅲ〕は、合成したあとの角の範囲が π 〜 7π/3 と2π を跨ぐため、単位円を描かずに端点だけで最大最小を決めると誤ります。関西大学は例年この「範囲の丁寧な追跡」を要求するので、合成したら必ず新しい角の範囲を書き出す習慣が有効です。

※本記事の解答・解説は数強塾が独自に作成したものです。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。掲載内容について権利者の方からご連絡がある場合は、お問い合わせより速やかに対応いたします。

📑 この年度の大問インデックス(全7問)

解説が長いので、解きたい大問へ直接移動できるようにしています。解けなかった問題は、解説を読んだあとに同じ型の問題で当て直すと定着が速くなります。

型から探したいときは解法パターン事典、他の年度は過去問解説の総索引から。

🧭 関西大学 2021年度|大問ごとに「使う型」を対応させた表

解けなかった大問がどの型に属するのかを一覧にしました。解説を読んだあと、型のページで同じ判断を使う問題を数問当てると定着が速くなります。この年度は難易度と目標時間を掲載していないため、それらは載せていません。

大問出題テーマ使う型(解法パターン事典)
【1】3乗根で結ばれた漸化式(数W問〔I〕)漸化式の全型
【2】絶対値つきの曲線と原点を通る直線(数W問〔II〕)数と式
【3】三角関数の合成と最大最小(数W問〔III〕)三角関数
【4】漸化式と桁数の評価(数C問〔I〕)漸化式の全型
【5】無理関数と直線・中点の軌跡(数C問〔II〕)軌跡
【6】対数曲線の接線と面積(数C問〔III〕)指数・対数
【7】小問集合(数C問〔IV〕)集合と論理

型の全体像は解法パターン事典、他の年度・他大学は過去問解説の総索引から。関西大学の年度一覧は各ページ末尾のナビでも確認できます。

関西大学 2021年度 数学の全問解説です。関西大学は日程ごとに問題冊子が分かれています。本ページでは、大学が問題と解答例の両方を公表している数W問(2月4日実施)と数C問(2月7日実施)の2冊子、全7題23小問を掲載しています。
掲載しているすべての数値は、当塾で独立に解いたうえで Pythonによる検算(sympyでの厳密計算・共有点の個数を8通りの で数え上げ・40万点の走査による最大最小・36通りの全数え上げ・2万通りの内分点で三角形の3辺を照合) を行い、さらに 大学が公表している解答例と全問照合 しました。23小問すべてが一致しています。

本ページ日程分野答え
【1】数W問3乗根の漸化式と対数
【2】数W問絶対値つき曲線と直線の共有点接するのは /個数は5つに場合分け
【3】数W問三角関数の合成と最大最小 の最大 、最小
【4】数C問漸化式と桁数の評価/最小の
【5】数C問無理関数と直線・中点の軌跡 上/
【6】数C問対数曲線の接線と面積/面積
【7】数C問小問集合(極限・複素数・確率ほか)

この年度の傾向(3行)

  • 「置きかえて別の数列にする」問題が両日程の第1問に置かれています。【1】は 、【4】は 。どちらも置きかえた先が誘導で与えられているので、その形になるよう元の式を変形するのが仕事です。
  • 空欄補充の問題は、答えの形が誘導になっています。【2】の「 の値が ② ③ のとき」という枠の形から、答えが不等式であることが分かります。枠の形を見てから解き始めると、何を求めればよいかを取り違えません。
  • 最後の小問集合【7】が最大の山場です。極限・複素数・確率・最小値・図形と分野が飛びますが、(5) の合同条件だけは「円周角から相似を見つけ、相似比を1にする」という筋道を立てないと手が出ません。ここを後回しにする判断も含めて時間配分の問題です。

数W問(2月4日実施)

【1】3乗根で結ばれた漸化式(数W問〔I〕)

【問題】
次の条件によって定まる各項が正の数列 を考える。

次の問いに答えよ。
(1) 数列 で定められている。 を求めよ。
(2)  とおく。 で表せ。
(3)  を求めよ。それを利用して、すべての自然数 に対して、 は奇数であることを示せ。

【解答】 (1)   (2)   (3) の自然数乗なので奇数)

(1)  を求める

【問題(再掲)】  で定まる を求めよ。

【型】不動点 を引いて等比数列にします。

より 。両辺に を足すと

なので、 は初項 、公比 の等比数列。

(2)  で表す

【問題(再掲)】  とおくとき、 で表せ。

【型】累乗や累乗根で結ばれた漸化式は両辺の対数をとると、掛け算が足し算に、累乗が定数倍に変わります。

【なぜこうするか】 が入ったままでは扱えませんが、対数をとると指数が前に出て1次式になります。しかも底を に選んであるので となり、定数項がきれいに になります。問題が を指定しているのは、この形を作るためです。

各項が正なので、両辺の をとれます。

(1) と同じ形:ここで の漸化式が (1) の とまったく同じになりました。あとは初項さえ一致すれば です。(1) は (3) のための下ごしらえだったことがここで分かります。

(3)  と、奇数であることの証明

【問題(再掲)】  を求め、すべての自然数 に対して が奇数であることを示せ。

【型】「奇数である」の証明は「奇数のもの(ここでは の累乗)で書けている」ことを言うのが最短です。

で、漸化式も (1) と同じなので

ここで、すべての自然数 に対して は奇数なので は偶数、したがって は自然数です。 の自然数乗は必ず奇数(奇数どうしの積は奇数)なので、 は奇数です。(証明終)

よくあるミス 整数であることを言わずに済ませてしまうこと。指数が整数でなければ「 の累乗だから奇数」という議論が使えません。 は奇数だから は偶数」の一行が証明の要です。

検証:漸化式 から を整数のまま計算し、 と比較しました。(28桁)まで完全一致。 と漸化式の結果に一致しています。

【2】絶対値つきの曲線と原点を通る直線(数W問〔II〕)

【問題】
を定数とし、 平面において曲線 と直線 を考える。次の空欄をうめよ。
放物線 が接するのは、 の値が ① , ② のときである。ただし ① ② とする。このとき、各接点の 座標が より小さいことが確かめられる。
の共有点の個数を調べる。 の値が ① , ② , ③ のとき、 の共有点は2つである。 の値が ③ または ④ の範囲のとき、共有点は1つである。 の値が ② ③ または ⑤ の範囲のとき、共有点は3つである。
【解答】 ①  ②  ③  ④  ⑤

(1) 接する の値(①②)

【問題(再掲)】 放物線 が接する を求めよ。

【型】接する条件は「連立して判別式 「接点を とおいて、通ることと傾きが一致することの連立」。どちらでも構いません。

【なぜこうするか】ここでは接点の 座標も知りたい(「 より小さい」ことを確認する必要がある)ので、接点 を文字に置く方針が便利です。判別式で だけ出すと、接点は別途計算し直すことになります。

より 。接点の 座標を とすると

②を①に代入すると

②より のとき のとき 。接点の 座標はどちらも より小さいので、この2本は確かに の部分に接しています。

 ① 、②

(2) 共有点の個数(③④⑤)

【問題(再掲)】  の共有点が2つ・1つ・3つとなる の範囲を求めよ。

【型】絶対値つきのグラフは場合分けして描いてしまう。そのうえで原点を通る直線を回転させると考えます。

【なぜこうするか】 が変わっても必ず原点を通ります。つまり原点を中心に直線を回しているだけ。回しながら交点が何個かを見るには、 の形を正確に描くのが先決です。式で場合分けして解の個数を数える方法もありますが、グラフを描いたほうが「どこで個数が変わるか」が一目で分かります。

xyO21/2ℓ (a = −9)ℓ (a = −1)Cℓ (a = −0.5)C は x = 2 で折れる。原点を通る直線 ℓ を回すと共有点の個数が変わるa = −9, −1 では接する。接点の x 座標は −1, 1(a = −9 の接点は図の上の外)
で折れる。原点を通る直線 を回すと共有点の個数が変わり、境目は の3つ。

軸と交わり、 で折れ曲がります。ここで直線 を原点のまわりに回すと、境目になるのは次の3つです。

  • の放物線に接するとき
  • 軸に一致し、 で交わるとき

これらを境に個数が変わり、次のようにまとまります。

の範囲共有点
3つ
2つ
1つ
2つ
3つ
2つ
1つ

 ③ 、④ は 、⑤ は

よくあるミス  側の放物線 にも接線があると思って、 を答えに入れてしまうこと。この2本の接点は で、どちらも の範囲外なので には接しません。問題文が「各接点の 座標が より小さいことが確かめられる」とわざわざ書いているのは、この確認を促すためです。

検証: の8通りについて、2つの2次方程式を解いて範囲()の条件をみたす解だけを数えました。順に 個で、上の表と完全に一致しています。

【3】三角関数の合成と最大最小(数W問〔III〕)

【問題】
2つの関数 を考える。次の空欄を数値でうめよ。
三角関数の合成を行うことにより (ただし )を得る。 のとき、 ② の最大値、最小値は、それぞれ ③ , ④ である。したがって、このとき の最大値、最小値は、それぞれ ⑤ , ⑥ となり、 となる である。
【解答】 ①  ②  ③  ④  ⑤  ⑥  ⑦

(1) 三角関数の合成(①②)

【問題(再掲)】  の形にせよ。

【型】合成は 、角は の係数、 の係数) で決まります。

係数は なので

両方とも負なので は第3象限の角で、 の範囲では

(2)  の最大・最小(③④)

【問題(再掲)】  のとき、 ② の最大値・最小値を求めよ。

【型】2次関数の最大最小は平方完成。中身の角がどこからどこまで動くかを確定させます。

では、頂点 が範囲内にあるので最小、遠いほうの端 で最大です。

 ③ )、④

(3)  の最大・最小と となる (⑤⑥⑦)

【問題(再掲)】  の最大値・最小値と、 となる を求めよ。

【型】合成後は「角の動く範囲」を数直線に置いて の値域を読む。1周分に足りないときは端の値と比べます。

【なぜこうするか】 から まで、長さ だけ動きます。1周()に足りないので、 の値域は 全部にはなりません。 を通るので最小 は取れますが、最大は端の にとどまります。「範囲が1周に足りるか」を確かめるのがこの型の急所です。

最大 、最小

xyO√3√3−2最大値 √3g(x) = −√3 となる x は3つ0 ≦ x ≦ √3 で f(x)+4π/3 は π から 7π/3 まで動く(1周ぶんに足りない)
での 。角が1周ぶん動かないので、最大値は ではなく にとどまる。

次に を解きます。

角の範囲 でこれをみたすのは の2つ。すなわち

をみたすのは のほうだけです。

よくあるミス 角の範囲を確かめずに「 だから最大は 」として ⑤ を と答えてしまうこと。 になるのは角が のときで、今回の範囲 には が入っていません()。あと 足りないという際どい設定です。

検証: を40万点に分割して を直接計算しました。最大 と一致)、最小 となる点は の3つで、 と一致しています。合成の式も sympy で恒等的に等しいことを確認しました。

数C問(2月7日実施)

【4】漸化式と桁数の評価(数C問〔I〕)

【問題】
を定数とし、数列 により定められているとする。次の問いに答えよ。
(1)  とおく。 を用いた式で表せ。
(2)  のとき、 を用いた式で表せ。
(3)  のとき、 となる最小の を求めよ。ただし とする。
【解答】 (1)   (2)   (3)

(1)  で表す

【問題(再掲)】  とおくとき、 で表せ。

【型】 に指数関数が足された形は両辺を で割るのが定石。ここでは で割ります。

【なぜこうするか】 を消したいので、 で割ると左辺が 、右辺の第1項が になります。置きかえの形は問題文が指定してくれているので、そこに合わせて割る数を決めるだけです。

(2)  のときの

【問題(再掲)】  のとき、 を用いた式で表せ。

【型】 の式で書けたら階差数列 を使い、最後に でも成り立つか確かめます。

。階差は なので、 のとき

これは でも となり成り立ちます。よって

(3)  となる最小の

【問題(再掲)】  のとき、 となる最小の を求めよ。

【型】巨大な数の比較は常用対数をとって桁数で比べる

【なぜこうするか】 は底が違うので直接比べられませんが、 をとれば「 の比較」という1次不等式になります。 が与えられているのは、この計算をさせるためです。

(2) と同じ計算で、 より

なので

ここで はともに偶数で等しくなることはないので、この条件は と同じです。両辺の常用対数をとると

よくあるミス  と雑に置きかえて済ませること。今回は結果が同じですが、「両方偶数だから等号は起こらない」という理由づけがあって初めて言えます。もう一つ、 から と答えてしまう取り違え。不等号に等号が入っていないので、 では足りません

検証: の場合の を漸化式から直接計算すると で、 と一致。(3) は を多倍長で厳密に計算し、、すなわち を確認しました( を使う概算とも一致)。

【5】無理関数と直線・中点の軌跡(数C問〔II〕)

【問題】
を定数とし、直線 および曲線 を考える。次の空欄をうめよ。
が接するのは ① , ② のときである(① ②)。
が異なる2つの共有点をもつための必要十分条件は、③ ① または ② ④ である。
が異なる2つの共有点をもつとき、2つの共有点の中点を とおく。このとき 座標は を用いた式で ⑤ と表される。さらに の値によらず、曲線 ⑥ 上の点である(⑥ は を含まない のみの式)。
軸および直線 ⑤ で囲まれた図形の面積を とおく。 ④ のとき、 の値は ⑦ である。
【解答】 ①  ②  ③  ④  ⑤  ⑥  ⑦

(1) 接する (①②)

【問題(再掲)】  が接する を求めよ。

【型】無理関数と直線は2乗して2次方程式にする。ただし2乗すると同値性が崩れるので、あとで確認が要ります。

の両辺を2乗すると

のとき、接する条件は判別式

 ① 、②

xyO2−1a = (2−√3)/2 で接するa = (2+√3)/2 で接するC : y = √(x+1)ℓ は a によらず定点 (0, 2) を通る。この点のまわりで直線を回すと考える
によらず定点 を通る。この点のまわりで直線を回すと考えると場合分けが見える。

(2) 異なる2つの共有点をもつ条件(③④)

【問題(再掲)】 異なる2つの共有点をもつ必要十分条件を求めよ。

【型】直線 によらず定点 を通る。この点のまわりで直線を回すと考えます。

【なぜこうするか】 の解がそのまま共有点とは限りません(2乗したので の偽の解が混じります)。 の範囲を丁寧に場合分けするより、定点を通る直線を回して交わり方を見るほうが確実です。境目になるのは「接するとき」と「端点 を通るとき」の2種類だけです。

の左端 を通るのは 、すなわち のとき。上の図で直線を回すと、2つの共有点をもつのは次の場合です。

 または 

 ③ 、④

不等号の向きに注意:含みます(端点 を通り、もう1点でも交わるので共有点は2つ)。一方 は含みません( と1点でしか交わらない)。枠の形が「② ④」と等号つきになっていることが、 を含むという合図になっています。

(3) 中点 とその軌跡(⑤⑥)

【問題(再掲)】 2共有点の中点 座標と、 が乗る曲線 ⑥ を求めよ。

【型】中点は解と係数の関係で和を で割る。軌跡は媒介変数 を消去します。

の2解を とすると なので

 ⑤ は

は直線 上にあるので、その 座標は

【なぜこうするか】ここで というとても簡単な形が出ました。これを と解いて に代入すれば、 が消えて の関係式になります。軌跡の問題は「媒介変数を消す」ことが仕事で、消しやすいほうの式から攻めるのが早道です。

(4) 面積 (⑦)

【問題(再掲)】  のとき、 軸および直線 ⑤ で囲まれた図形の面積を求めよ。

【型】 の積分は。置換すら要りません。

のとき 軸と接するので

よくあるミス  を解いた解をそのまま共有点だと思い込むこと。たとえば では は2つの実数解をもちますが、片方は となり と等しくなりません(2乗したときに紛れ込んだ偽の解)。2乗したら必ず戻して確かめるのが無理関数の鉄則です。

検証: の各値について を数値的に解き、 を実際にみたす解だけを数えました。2つになるのは で、 および という結論と一致します。中点が 上にあることは sympy で恒等的に確認し、 と一致しました。

【6】対数曲線の接線と面積(数C問〔III〕)

【問題】
とし、曲線 上の点 における接線が、 軸と交わる点を とおく。次の問いに答えよ。
(1) 線分 に内分する点を とおく。 の座標を を用いて表せ。
(2)  を通り、直線 と直交する直線が 軸と交わる点を とおく。直線 軸と平行となるときの の値を求めよ。
(3) 直線 軸と平行となるとき、直線 軸および曲線 で囲まれた図形の面積を求めよ。
【解答】 (1)   (2)   (3)

(1) 点 の座標

【問題(再掲)】 線分 に内分する点 の座標を で表せ。

【型】接線を作って 切片を読み、内分点の公式に入れるだけ。 の内分点は (係数がたすき掛けになることに注意)。

より、 での接線は

とおくと に内分するので

(2)  軸と平行になる

【問題(再掲)】  を通り に直交する直線と 軸の交点を とするとき、 軸と平行になる を求めよ。

【型】 軸と平行」は2点の 座標が等しいという式1本に翻訳します。

【なぜこうするか】「平行」を傾きの条件()として書いてもよいのですが、 はどちらも座標が分かっているので、 と書くほうが式が短くなります。しかも が両辺に出て消えるので、残るのは有理式だけです。

の傾きは なので、直交する直線の傾きは を通るこの直線の 切片が 座標です。

と等しいので

より 、すなわち

(3) 囲まれた図形の面積

【問題(再掲)】 直線 軸、曲線 で囲まれた図形の面積を求めよ。

【型】 の積分は部分積分で

のとき 、直線 。曲線は なので、囲まれた部分では直線が上にあります。

xyOADBCy = log(x+1)y = log√2a = √2−1 のとき AD が x 軸と平行になる。水色が求める面積
のとき 軸と平行になる。水色が求める面積。

よくあるミス (2) で も答えに入れてしまうこと。式の上では から も出ますが、問題文に と条件があります では点 が原点になり、図形ができません)。もう一つ、 に直し忘れて答えが揃わないこと。数値で と正の小さい値になることも確認しておくと安心です。

検証:sympy で の座標を記号のまま計算し、 を解くと が得られ、 の条件から が残ります。面積も厳密積分で と一致しました。

【7】小問集合(数C問〔IV〕)

【問題】
次の空欄をうめよ。
(1) 定数 に対して、等式 が成り立つとき、 ① である。
(2)  を虚数単位とし、 とおく。このとき の偏角は ② であり、 の偏角は ③ である。ただし複素数の偏角 の範囲で考える。
(3) 1個のさいころを2回投げ、1回目に出る目を 、2回目に出る目を とする。このとき、3次方程式 が虚数解をもたない確率は ④ である。
(4) 関数 の最小値は ⑤ である。
(5) 円 上に3点 をとり、 に対して、線分 に内分する点を とする。 とおくと、 の座標は を用いた式で ⑥ と表される。さらに、直線 の交点のうち とは異なるものを とする。 が合同となるとき、 の値は ⑦ である。
【解答】 ①  ②  ③  ④  ⑤  ⑥  ⑦

(1)  の極限(①)

【問題(再掲)】  となる を求めよ。

【型】(根号)(1次式)の形の極限は有理化。分子を「和と差の積」にします。

【なぜこうするか】差の形のままでは の不定形です。有理化すると分子が2次式の差になり、 の係数が消えるように を、 の係数が消えるように を決める、という流れが見えます。「消えてほしい項から順に係数を決める」のがこの型です。

分母は と同じ程度の速さで大きくなるので、極限が になるには分子が 次以下、すなわち の係数がともに であることが必要十分です。

(そうでないと分母が発散しない)より 、これから

(2) 複素数の偏角(②③)

【問題(再掲)】  のとき、 の偏角を求めよ。

【型】偏角は割り算すると引き算 を直接見るより、 を計算してから足し戻すほうが速い場合があります。

【なぜこうするか】 の実部 と虚部 の比から偏角を読むのは大変です。ところが で割ると、 というよく知った形になります。問題が ② を先に聞いているのは、この順で計算せよという誘導です。

なので

(3) 3次方程式が虚数解をもたない確率(④)

【問題(再掲)】 さいころ2回の目を とするとき、 が虚数解をもたない確率を求めよ。

【型】3次方程式が実数解を3つもつ(重解を含む)条件は「極大値と極小値の積が 以下」

【なぜこうするか】3次方程式の解は「実数3つ」か「実数1つと虚数2つ」のどちらかです。虚数解をもたない ⟺ 実数解を3つもつ(重解も込み)⟺ グラフが 軸を3回またぐ(または接する)。それは山と谷が 軸をまたぐことで、極大値 極小値 と書けます。

とすると より極大は 、極小は

はさいころの目なので、 をみたす組を数えます。

123456
182764125216
条件をみたす なしなしなし11,2,31〜5

該当は 通り。

(4) 三角関数を含む式の最小値(⑤)

【問題(再掲)】  の最小値を求めよ。

【型】展開して を1文字に置きかえる。相加相乗を各項に使うと等号が同時に成立せず、失敗します。

【なぜこうするか】展開すると が使えて定数がまとまり、残るのは だけ。ここで とおけば となり、1変数の関数の最小値になります。

を微分すると

では 、すなわち 。ここで は減少から増加に変わるので最小です。

 最小値は

よくあるミス 各括弧に相加相乗平均を使って のように評価すること。2つの括弧で等号が成立する が違うので、その下界には到達できません(実際 より小さい値が出てしまいます)。「等号が同時に成り立つか」を必ず確かめてください。

(5) 円上の三角形が合同になる (⑥⑦)

【問題(再掲)】  の座標を で表し、 が合同となる を求めよ。

【型】内分点は

 ⑥ は

【型】円に内接する図形で三角形どうしを比べるときはまず円周角の定理で相似を見つける。合同はその相似比が になる場合です。

【なぜこうするか】合同を3辺の長さの式で直接押し切ろうとすると、根号だらけの方程式になります。ところが はすべて同じ円周上にあるので、円周角の定理が使えます。 の交点なので、対頂角も合わせて2組の角が等しくなり、相似がただちに出ます。あとは「相似比 」という1本の式を解くだけです。

ABCPQ赤 △APQ / 緑 △BCP円周角の定理から △APQ ∽ △BCP。相似比が 1 になるのが合同の条件t = √3−1 のとき P(1, √3−2), Q(2, 0) で3辺がそれぞれ一致する
のとき。円周角から で、相似比が になるのが合同の条件。

は弦 と弦 の交点なので、対頂角より 。また弧 に対する円周角より 。よって

この2つが合同になるのは相似比が のとき、すなわち対応する辺 が等しいときです。

を代入すると

この2つが等しいので 、すなわち だったので

これは をみたしています()。

よくあるミス 問題文の「」という頂点の並びから、 が条件だと思ってしまうこと( の対応で読む誤り)。先に相似の対応()を確定させてから、その比を にするのが正しい順序です。実際 のとき3辺は で、 です。

検証: から まで2万通りに分け、各 について を直線 と円の交点として求め、 の3辺(昇順)を突き合わせました。差が最小になるのは )で、そのとき3辺はどちらも )。(3) は36通りを全数え上げして9通り、(4) は sympy の微分で と最小値 を確認しました。

型の一覧(この年度で使った考え方)

使った型どの問題でひとことで言うと
不動点を引いて等比数列【1】 の定石
累乗根の漸化式は対数をとる【1】指数が前に出て1次式になる
接点を と置いて連立【2】接点の位置も同時に手に入る
原点を通る直線を回す【2】共有点の個数はグラフで数える
三角関数の合成【3】角の動く範囲が1周に足りるかを確認
で割って階差数列【4】置きかえの形は問題文が教えてくれる
常用対数で桁を比べる【4】底の違う数は をとれば比べられる
無理関数は2乗して戻す【5】2乗で紛れ込む偽の解を必ず捨てる
定点を通る直線を回す【5】 を通る
媒介変数を消して軌跡【5】消しやすい式から攻める
軸と平行 = 座標が等しい【6】傾きより短い式になる
有理化して を解消【7】(1)消えてほしい項から係数を決める
偏角は割り算で引き算になる【7】(2)きれいな形に割ってから足し戻す
極大値 極小値 【7】(3)3次方程式が実数解3つをもつ条件
1文字に置きかえて微分【7】(4)相加相乗は等号の同時成立に注意
円周角で相似 → 相似比1で合同【7】(5)長さの式を立てる前に角を見る

検証について

本ページの解答は、次の3段階で確認しています。

  1. 当塾で独立に解く(解答例を見る前に解いています)
  2. Pythonによる検算(sympy による厳密計算と恒等式の確認、共有点の個数を8通りの で数え上げ、40万点の走査による最大最小、36通りの全数え上げ、2万通りの内分点で三角形の3辺を照合、多倍長整数での桁の評価)
  3. 大学が公表している解答例との照合

23小問すべてで、3つが一致しました。数値が食い違った箇所はありません。

本ページで扱っているのは、関西大学が問題と解答例の両方を公表している2つの日程(数W問・数C問)です。他の日程については、資料が揃いしだい追加していきます。掲載しているのは当塾が作成した解答・解説で、問題の全文をそのまま転載しているものではありません。誤りにお気づきの場合はご連絡ください。

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