藤原進之介です。このページでは神戸大学2011年度の数学過去問の問題資料と学習情報を無料公開しています。掲載している問題・解答・解説の範囲は、ページ内の各見出しでご確認ください。
問題
解答
📑 この年度の大問インデックス(全8問)
解説が長いので、解きたい大問へ直接移動できるようにしています。解けなかった問題は、解説を読んだあとに同じ型の問題で当て直すと定着が速くなります。
🧭 神戸大学 2011年度|大問ごとに「使う型」を対応させた表
解けなかった大問がどの型に属するのかを一覧にしました。解説を読んだあと、型のページで同じ判断を使う問題を数問当てると定着が速くなります。この年度は難易度と目標時間を掲載していないため、それらは載せていません。
| 大問 | 出題テーマ | 使う型(解法パターン事典) |
|---|---|---|
| 文科系【1】 | 文科系【1】円上を動く点と対称式の最大最小 | 最大・最小の全型 |
| 文科系【2】 | 文科系【2】円に内接する四角形と方べきの定理 | 図形の性質 |
| 文科系【3】 | 文科系【3】カードとマジックナンバーのゲーム | 確率 |
| 理科系【2】 | 理科系【2】 の最小値(線形計画) | 最大・最小の全型 |
| 理科系【3】 | 理科系【3】積分で級数をはさむ | 積分法(数II) |
| 理科系【5】 | 理科系【5】 の評価と不等式 | 数と式 |
型の全体像は解法パターン事典、他の年度・他大学は過去問解説の総索引から。神戸大学の年度一覧は各ページ末尾のナビでも確認できます。
神戸大学 2011年度(平成23年度)前期日程 数学の全問解説です。文科系3題と理科系5題が出題され、合わせて全8題23小問になります。
掲載しているすべての数値は、当塾で独立に解いたうえで Pythonによる検算(カード5枚の並べ方120通りを全列挙してゲームの勝敗を判定・sympyによる対称式と面積の式変形・線形計画の最小値を8万点で走査・ を変えて を直接計算・整式の除法と無理数条件の確認) を行い、本ページで配布している解答PDFも数強塾が独自に作成したもので、この解説と同じ答え・同じ道筋です。
| 問 | 分野 | 答え |
|---|---|---|
| 文【1】 | 円と対称式 | 中心 ・半径 の円//最大 ・最小 |
| 文【2】 | 円に内接する四角形と方べきの定理 | //最大 |
| 文【3】 | カードとゲームの確率 | //勝つ確率 |
| 理【1】 | 複素数の 乗根の和 | |
| 理【2】 | の最小(線形計画) | 、/最大 |
| 理【3】 | 積分による級数の評価 | / |
| 理【4】 | 無理数と有理数の条件 | 商 ・余り // |
| 理【5】 | の評価と不等式 | / |
この年度の傾向(3行)
- 文科系は「置きかえて1文字にする」問題が2つ入っています。【1】は 、【2】は面積を と で。どちらも置きかえた文字の動く範囲を出すところが本題で、そこを飛ばすと最大最小がずれます。
- 理科系は証明が5問中4問という構成です。【1】はド・モアブルの定理の導入部、【3】は積分で級数をはさむ、【5】は の応用。「示せ」に答える書き方の練習にちょうどよい年度です。
- 理【4】は「無理数と有理数」の典型です。「(有理数)=(有理数)× 」の形で が無理数なら、両辺とも0でなければならない。この一手だけで と が決まります。
文科系【1】円上を動く点と対称式の最大最小
実数 に対して、等式 を考える。 とおく。以下の問に答えよ。
(1) ① の等式が表す 平面上の図形を図示せよ。
(2) と が ① の等式をみたすとき、 のとりうる値の範囲を求めよ。
(3) と が ① の等式をみたすとする。 を を用いた式で表せ。また、 のとりうる値の最大値と最小値を求めよ。
(1) ① が表す図形
【型】 の形は平方完成して円の方程式に直す。
【なぜこうするか】 と それぞれについて平方完成すれば、中心と半径がそのまま読めます。右辺が正になることを確認すれば、確かに円だと言えます(0なら1点、負なら図形なし)。
よって ① は中心 、半径 の円を表す(図の紺色の円)。
(2) のとりうる範囲
【型】「円上の点で の値域」は、直線 と円が共有点をもつ条件。中心と直線の距離 半径。
【なぜこうするか】 は「直線 の位置」を表しています。この直線が円と共有点をもつ範囲が、 のとりうる範囲です。
直線と円が共有点をもつ条件は「中心から直線までの距離 半径」。これで一気に決まります。
( を2次方程式の2解とみて判別式で処理する方法もあります。)
は直線 を表す。① の円と共有点をもつ条件は、中心 からこの直線までの距離が半径 以下であること。すなわち
(3) を で表し、最大・最小を求める
【型】対称式は基本対称式
【なぜこうするか】
ここで ① を使うと
あとは (2) の範囲
検証:sympy で
文科系【2】円に内接する四角形と方べきの定理
(1) 線分 OC の長さを
(2)
(3)
(1) OC の長さと、OB=OC の証明
【型】円に内接する四角形の対角線の交点では、方べきの定理
【なぜこうするか】 C は直線 OA 上(O をはさんで A の反対側)にあるので、A
OB=OC は、方べきの定理
A
(2) 面積 を で表す
【型】対角線が交わる四角形の面積は、4つの三角形に分けて足す。各三角形は「2辺の積 × sin ÷ 2」。
【なぜこうするか】 O で交わる2本の対角線が四角形を4つの三角形に分けます。
(3) のときの の最大値
【型】不等式を
【なぜこうするか】
平方根をとるとき
検証:
文科系【3】カードとマジックナンバーのゲーム
袋の中に0から4までの数字のうち1つが書かれたカードが1枚ずつ合計5枚入っている。4つの数
[ルール]袋から無作為に1枚ずつカードを取り出していく。ただし、一度取り出したカードは袋に戻さないものとする。取り出したカードの数字の合計がマジックナンバーになったとき、その時点で負けとし、それ以降はカードを取り出さない。途中で負けとなることなく、すべてのカードを取り出せたとき、勝ちとする。
以下の問に答えよ。
(1) 2枚のカードを取り出したところで負けとなる確率を求めよ。
(2) 3枚のカードを取り出したところで負けとなる確率を求めよ。
(3) このゲームで勝つ確率を求めよ。
【まず1枚目を確認する】 1枚目に
(1) 2枚で負けとなる確率
【型】「ちょうど
【なぜこうするか】 2枚の取り出し方は順序を区別して
和が
1枚目、2枚目の組を順序つきで考えると、全部で
2枚の合計がマジックナンバーになるのは
・合計
・合計
(合計
(2) 3枚で負けとなる確率
【型】3枚の組を先に決め、その並べ方のうち「途中で負けない」ものだけを数える。
【なぜこうするか】 合計が
除く条件は「1枚目が
3枚の取り出し方は順序つきで
・合計
・合計
・合計
・合計
(いずれも1枚目に
(3) 勝つ確率
【型】負けるパターンをすべて足して1から引く。5枚全部で負けることがないかも確認する。
【なぜこうするか】 勝ちは「1枚目〜4枚目のどこでも負けず、5枚全部取り出す」こと。5枚の合計は
したがって 「1 −(1枚で負け)−(2枚で負け)−(3枚で負け)−(4枚で負け)」で求まります。4枚目で負けるのは合計が
1枚目で負ける確率は
4枚で負けとなるのは、4枚の合計が
・合計
・合計
4枚の取り出し方は
検証:カード5枚の並べ方
理科系【1】1の 乗根の和
(1) 実数
(2) 自然数
(3) 2以上の自然数
(1) 積の公式
【型】左辺を展開し、
【なぜこうするか】 単純に展開するだけです。実部に
この式が (2)(3) の土台(ド・モアブルの定理)です。
(2) の証明
【型】(1) を使うと、
【なぜこうするか】 (1) より、
ここで
(3) 和が0になることの証明
【型】(2) から
【なぜこうするか】 (2) の式を移項すると
あとは「複素数が0ならその実部も虚部も0」という当たり前の事実を使うだけです。
(2) より
検証:
理科系【2】 の最小値(線形計画)
以下の問に答えよ。
(1)
(2)
(3)
(1) の図形
【型】絶対値は象限ごとに外す。4本の線分をつないだ図形になる。
【なぜこうするか】
(2) の最小値
【型】「ひし形をふくらませて、はじめて領域に触れるとき」が最小。触れるのは頂点か辺のどちらか。
【なぜこうするか】
領域の境界は直線
結論としては、
直線
[i]
(3) の最大値
【型】場合分けされた関数は、それぞれの増減を見てつなぎ目で比べる。
【なぜこうするか】
両側から
よって
検証:
理科系【3】積分で級数をはさむ
(1)
(2)
(3)
(1) 定積分の値
【型】
【なぜこうするか】
上端が
(2) 不等式の証明
【型】幅1の区間での積分は、その区間での関数の最大値・最小値ではさむ。減少関数なら両端の値。
【なぜこうするか】
区間
これがそのまま示すべき不等式です。減少することの根拠(導関数が負)は書いておきます。
(3)
【型】(2) を
【なぜこうするか】 (2) の各辺を
右側の和は
したがって
(2) の各辺を
検証:
理科系【4】無理数と有理数の条件
(1) 整式
(2)
(3)
(1) 商と余り
【型】整式の除法。次数が下がるまで割る。
【なぜこうするか】 普通に割り算をするだけです。この結果を
(2) と の値
【型】「(有理数)=(有理数)×(無理数)」なら、両辺とも0でなければならない。
【なぜこうするか】 (1) に
もし
(1) に
(3) の値
【型】(2) の
【なぜこうするか】
最後に「これが確かに無理数か」を確認します。
(2) より
検証:
理科系【5】 の評価と不等式
以下の問に答えよ。
(1)
(2) 自然数
(1) の証明
【型】
【なぜこうするか】 示したい式を
(2) の証明
【型】右辺を
【なぜこうするか】 右辺は
両辺とも
(
検証:
型の一覧(この年度で使った考え方)
| 問 | 型 |
|---|---|
| 文【1】(2) | 「円上で |
| 文【1】(3) | 対称式は基本対称式で表す。条件式から |
| 文【2】(1) | 円に内接する四角形の対角線の交点では方べきの定理 |
| 文【2】(2) | 対角線が交わる四角形は、4つの三角形に分けて面積を足す |
| 文【3】 | 「ちょうど |
| 理【1】(2) | |
| 理【1】(3) | |
| 理【2】 | ひし形をふくらませて、はじめて領域に触れるときが最小。触れるのは頂点か辺か |
| 理【3】(2)(3) | 幅1の区間の積分は両端の値ではさむ。足し合わせると和が積分ではさまれる |
| 理【4】(2) | 「(有理数)=(有理数)×(無理数)」なら両辺とも0 |
| 理【5】(1) | |
| 理【5】(2) |
検証について
この解説に載せた数値は、次の3段階で確かめています。
- 当塾で独立に解く(解答を見る前に、問題文だけから解く)
- Pythonで検算する(カード120通りの全列挙、sympyによる対称式と面積の式変形、線形計画の数値走査、級数の直接計算、整式の除法)
- 別解でもう一度解いて突き合わせる(別の道筋でも同じ答えに達するかを確かめる)
その結果、23小問すべてで同じ答えになりました。もし誤りを見つけられた場合は、お手数ですがご一報いただけると助かります。
解けなかった問題を、そのままにしない。
過去問で手が止まる場所は人によって違います。方針が立たないのか、方針は立つのに計算で崩れるのか——原因が違えば、次にやるべきことも変わります。
数強塾は神戸大学志望の生徒を、プロ講師の完全1対1で指導します。神戸大学対策のページ/体験授業(税込3,000円)のお申し込み
神戸大学は数学だけでは決まりません。他科目の対策ページも用意しています。
- 神戸大学 英語の対策——出題形式から逆算した解き方とオリジナル演習
- 神戸大学 国語の対策——現代文・古文・漢文を100分で解き切る型
神戸大学 数学 過去問|他の年度を見る
神戸大学の数学の過去問は25年度ぶんを公開しています。そのうち11年度は全問の解答解説つきです(「解説」の印がついた年度)。志望校の傾向は1年だけでは見えないので、最低でも3年ぶんを続けて解くことをおすすめします。
- 2026年度
- 2019年度
- 2018年度
- 2017年度
- 2016年度
- 2015年度
- 2014年度
- 2013年度
- 2012年度
- 2011年度
- 2010年度
- 2009年度
- 2008年度
- 2007年度
- 2006年度
- 2005年度
- 2004年度
- 2003年度
- 2002年度
- 2001年度
- 2000年度
- 1999年度
- 1998年度
- 1997年度
- 1996年度
「解説」=全問の解答解説を掲載している年度です。赤は今見ている年度。
問題PDFをテキストでも確認
神戸大学 2011年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析
公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。
- 図形・三角関数
- 確率・場合の数
- 指数・対数
- 整数
- 関数・グラフ
- 空間図形
- 微分・積分
- 方程式・不等式
この年度の出題範囲と傾向
2011年度の問題PDFでは、図形・三角関数、確率・場合の数、指数・対数、整数、関数・グラフに関する語句や設問を確認できました。神戸大学の公開PDFを年度横断で調べると、微分・積分は24年度、整数は22年度、図形・三角関数は21年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。
分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。
問題文の文字起こし
問1画像OCR
検出分野: 確率・場合の数、図形・三角関数、空間図形、微分・積分
(2) z とゥが1の等式をみたすとき, #のとりうる値の範囲を求
めよ.
(3) ? とyがの1の等式をみたすとする.
アーオキゲーgッターzの
をを用いた式で表せ. また, POLY 5 SHOAL BN
値を求めよ.
ーー 1 a OM2(455—14)
2. 。。平面上に相異なる4点A, B, C, Dがあり, 線分 ACと BD は原
点Oで交わっている. 点Aの座標は (1,2) で, 線分OA とOD OR
さは等しく, 四角形ABCD は円に内接している. ZAOD = 9とお
き, ACOc MR? o, 四角形ABCD の面積を9とする. 以下の問
に答えよ. (配点25 点)
(1) 線分OCの長さを。を用いた式で表せ. また, 線分OB とOO
の長さは等しいことを示せ.
(2) $をoeと9を用いた式で表せ.
(3) 9= て とし, WETSWLFSES, のとりうる値の最大
値を求めよ.
— 5 OM2(455—15)
3. 袋の中に0から 4までの数字のうち1つが書かれたカードが1枚
ずつ合計5枚入っている. 4つの数0, 3, 6.9をマジックナンバー
と呼ぶことにする. 次のようなルールをもつ, 1 人で行うゲームを
考える.
[ルール| 袋から無作為に1枚ずつカードを取り出していく. た
だし, 一度取り出したカードは袋に戻さないものとす
る. 取り出したカードの数字の合計がマジックナン
バーになったとき, その時点で負けとし, それ以降は
カードを取り出さない. 途中で負けとなることなく,
すべてのカードを取り出せたとき, BELTS.
以下の問に答えよ. (配点25 点)
(1) 2枚のカードを取り出したところで負けとなる確応を求めよ,
(2) 3枚のカードを取り出したと ころで負けとなる確率を求めよ.
(3) このゲームで勝つ確率を求めよ.
= 9 でMI2(455一16)
問2画像OCR
検出分野: 図形・三角関数、指数・対数、整数、関数・グラフ、方程式・不等式
(cos @ + isin a)(cos 6 + isin 8) = cos(a + B) +isin(a + 8)
が成り立つことを示せ.
(2) 自然数々に対して,
ター 2 (w学 +-isin 7 )
とおくとき, 等式
( or, =)
る| cos— +itsin— ] ニタ
n n
が成り立つことを示せ.
(3) 2 以上の自然数ヵ々について, 等式
uw Qnk = Qak
cos —— = 〉 sin-— =0
が成り立つことを示せ.
のMI3 455一18)
2. 以下の問に答えよ. (配点30点)
(1) を正の実数とするとき, |z| | =の表す vy FH LOMB
を図示せよ.
(2) 4を。と0をみたす実数とする. z,yが連立不等式
=
y20
をみたすとき, |z| + ll のとりうる値の最小値 を, gを用い
た式で表せ.
(3) aa = 0の範囲を動くとき, (2) で求めたヵヵ の最大値を求
めよ.
= B— やM3(455一19)
3. ヵを2以上の自然数として,
on と たlogを
とおく. 以下の間に答えよ. (配点30点)
"de
a) / っor を求めよ.
(2) をを2以上の自然数とするとき,
1 だ dx 1
rr es ee
(K+ 1) log(k + 1) x clogz ~ klogk
を示せ.
(3) Jim 5, の値を求めよ.
= = のM3(355一20)
A. 。は正の無理数で。ーg+32ー142十6,ヤーのー2gを考える
と,々とはともに有理数である. 以下の問に答えよ.
(配点30 FA)
(1) i234 32? 14z十6を整式z2ー2z で割ったときの商と余
りを求めよ.
(2) メ との値を求めよ.
(3) cの値を求めよ. ただし, 素数の平方根は無理数であることを
用いてよい.
ce oe OM3(455—21)
5. 以下の問に答えよ. (配点30点)
(1) z = 1において, z > 21ogzが成り立つことを示せ. ただし, e
を自然対数の庶とするとき, 2.7 <と<2.8であることを用い
THY.
(2) 自然数々に対して,
(2nlogn)” < eben
が成り立つことを示せ.
= 5 OM3 (455—22)
