藤原進之介です。このページでは関西学院大学2006年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
関西学院大学2006年度の数学について、解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している全問を独立に検算しています。
〔3〕2つの放物線・直線 x = 1 と、距離の和の最小化
C₁ : y = 1 − x²、C₂ : y = x² − 4x + 3、直線 ℓ : x = 1、点 A(1, 8) を考えます。C₁ と C₂ はどちらも点 (1, 0) を通り、A は ℓ 上の点です。
(1) C₁ 上の点 P について AR + PR を最小にする
P(x, y) を C₁ 上の x < 1 の点、R を P から ℓ に下ろした垂線の足(つまり R(1, y))とします。
AR = 8 − y、PR = 1 − x なので
AR + PR = (8 − y) + (1 − x) = 9 − x − y
P は C₁ 上にあるので y = 1 − x²。代入して
AR + PR = 9 − x − (1 − x²) = x² − x + 8 = (x − 1/2)² + 31/4
頂点 x = 1/2 は x < 1 の範囲に含まれるので、そこが最小です。y = 1 − 1/4 = 3/4。
距離の和という図形的な量が、放物線の式を代入するだけで x の2次関数になるのがこの問題の骨格です。ここで A が ℓ 上にあり、R も ℓ 上にあるので AR が縦の長さだけで書けることに注目してください。
(2) C₂ 上の点 Q について AT + QT を最小にする
Q(x, y) を C₂ 上の x > 1 の点、T を Q から ℓ に下ろした垂線の足(T(1, y))とします。
今度は y が 8 を超えることがあるので絶対値が必要です。
AT = |8 − y|、QT = x − 1
y = x² − 4x + 3 を代入すると
8 − y = 8 − (x² − 4x + 3) = −x² + 4x + 5 = −(x − 5)(x + 1)
x > 1 では x + 1 > 0 なので、符号は (5 − x) で決まります。
1 < x ≦ 5 のとき(8 − y ≧ 0)
AT + QT = (−x² + 4x + 5) + (x − 1) = −x² + 5x + 4 = −(x − 5/2)² + 41/4
上に凸なので、この区間での最小は端点。x = 5 で値 4(x → 1 では 8 に近づく)。
5 < x のとき(8 − y < 0)
AT + QT = (x² − 4x − 5) + (x − 1) = x² − 3x − 6 = (x − 3/2)² − 33/4
軸 x = 3/2 より右なので単調増加。x = 5 での値 4 が下限です。
両方合わせて x = 5 で最小。このとき y = 25 − 20 + 3 = 8。
(1) では絶対値が不要、(2) では必要 — この違いは C₂ が y = 8 を超えるかどうかにあります。「絶対値をつけるべきか」は式を眺めて決めるのではなく、中身の符号が変わりうるかを確認して決めてください。
(3) 囲まれた部分の面積 S
P₀(1/2, 3/4)、Q₀(5, 8) を用いて、直線 ℓ の左側の部分を S₁、右側の部分を S₂ とします。
S₁:直線 y = 8 と C₁ の間の面積(1/2 ≦ x ≦ 1)から、三角形の分を引きます。
∫_(1/2)^1 {8 − (1 − x²)}dx = ∫_(1/2)^1 (7 + x²)dx = [7x + x³/3]_(1/2)^1 = (7 + 1/3) − (7/2 + 1/24) = 91/24
引く三角形は底辺 1 − 1/2 = 1/2、高さ 8 − 3/4 = 29/4 なので (1/2)(1/2)(29/4) = 29/16。
S₁ = 91/24 − 29/16 = (182 − 87)/48 = 95/48
S₂:直線 y = 8 と C₂ の間の面積(1 ≦ x ≦ 5)。
∫₁⁵ {8 − (x² − 4x + 3)}dx = ∫₁⁵ (−x² + 4x + 5)dx = [−x³/3 + 2x² + 5x]₁⁵
= (−125/3 + 50 + 25) − (−1/3 + 2 + 5) = −124/3 + 68 = 80/3
分母をそろえる前に、80/3 = 1280/48 と大きい値であることを確認しておくと、最終値 1375/48 ≒ 28.6 が妥当かどうかの見当がつきます。おおよその値で答えの妥当性を確かめるのは、複雑な分数計算での有効な検算です。
この年の学習ポイント
この問題の主題は「図形的な量を座標の式に翻訳する」ことです。AR、PR、AT、QT はいずれも縦・横の長さなので、点の座標がわかれば引き算だけで書けます。そこに放物線の式を代入すれば、あとは2次関数の最大最小の問題になります。
(2) の絶対値の扱いが最大の分岐点でした。場合分けの境目 x = 5 で両方の式の値が一致する(どちらも 4)ことを確認すれば、計算ミスがないと判断できます。境界での一致確認を必ず行ってください。
〔1〕〔2〕については、当塾で公開している解答PDFから問題文と途中の考え方を十分に確認できないため、推測で解説を作ることはしていません。資料が確認でき次第、追加いたします。
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