藤原進之介です。このページでは関西学院大学2008年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
関西学院大学2008年度の数学について、解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している全問を独立に検算しています。
〔1〕(1) 文字係数の2次関数の最大値と、整数の評価
y = 6 − ax(a > 0)のもとで、xy + 2x + b の最大値を考えます。
アイ 最大値を与える x と最大値
y を代入して x の2次式にします。
xy + 2x + b = x(6 − ax) + 2x + b = −ax² + 8x + b
a > 0 なので上に凸。平方完成すると
= −a(x − 4/a)² + b + 16/a
したがって x = 4/a のとき最大値 b + 16/a をとります。
ウエ 条件を満たす最小の整数
4/a < 3 という条件は a > 4/3 と同値です。
このとき 16/a = 4 × (4/a) < 4 × 3 = 12 なので、最大値は
b + 16/a < b + 12 < 3 + 12 = 15(b < 3 のもとで)
よって xy + 2x + b はつねに 15 未満であり、条件を満たす最小の整数は 15 です。
「つねに p 未満となる最小の整数 p」を求めるときは、最大値の上限を評価するのが手順です。等号が成立しない不等式を重ねていくので、最後に「15 より小さい整数では不十分」も確認できると完璧です。
〔1〕(2) 符号が交互に変わる数列の和
an = (−1)n−1n²(1, −4, 9, −16, …)の初項から第 n 項までの和 Sn を求めます。
オ 2項ずつ組にする
奇数番目と偶数番目をペアにすると
a2k−1 + a2k = (2k − 1)² − (2k)² = {(2k−1) + 2k}{(2k−1) − 2k} = (4k − 1)(−1) = 1 − 4k
因数分解 A² − B² = (A+B)(A−B) を使うと展開せずに済みます。
カ n が偶数(n = 2m)のとき
S2m = Σk=1m(1 − 4k) = m − 4·m(m+1)/2 = m − 2m² − 2m = −2m² − m = −m(2m + 1)
m = n/2 を代入すると Sn = −(n/2)(n + 1) = −n(n+1)/2。
キ n が奇数(n = 2m − 1)のとき
S2m−1 = S2m − a2m = −2m² − m − (−4m²) = 2m² − m = m(2m − 1)
m = (n+1)/2 を代入すると Sn = {(n+1)/2}·n = n(n+1)/2。
ク まとめる
偶数のとき −n(n+1)/2、奇数のとき +n(n+1)/2 なので、符号を (−1)n−1 でまとめられます。
検算:S₁ = 1 = 1·2/2 ✓ S₂ = 1 − 4 = −3 = −2·3/2 ✓ S₃ = 1 − 4 + 9 = 6 = 3·4/2 ✓
符号が交互に変わる数列は、2項ずつ組にするのが第一手です。組にした結果が等差数列になれば、あとは公式で終わります。
〔3〕放物線が線分と2点で交わる条件と、係数の存在範囲
放物線 y = 4(x − a)² + b が、O(0, 0) と A(1, 0) を結ぶ線分 OA と異なる2点で交わる条件を考えます。
(1) 基本となる4条件
線分(x 軸上の 0 ≦ x ≦ 1 の部分)と2点で交わるので、次の4つがすべて必要です。
| 条件 | 意味 | 式 |
|---|---|---|
| 軸が区間内 | 0 < a < 1 | 0 < a < 1 |
| x = 0 での値が 0 以上 | 4a² + b ≧ 0 | b ≧ −4a² |
| x = 1 での値が 0 以上 | 4(1−a)² + b ≧ 0 | b ≧ −4(1−a)² |
| 判別式 > 0 | 頂点が x 軸より下 | b < 0 |
これらを ab 平面で描くと、2本の放物線 b = −4a²、b = −4(1−a)² と直線 b = 0 で囲まれた領域になります。
交点が線分の両端 O, A と一致するのは、上の2式がともに等号のとき。
−4a² = b かつ −4(1−a)² = b ⇔ a² = (1−a)² ⇔ a = 1/2、このとき b = −1。
(2)(3) 端点で接する/接しない場合
片方の端点だけを通る場合は、2式のうち一方だけが等号。両方とも通らない場合は、両方とも真の不等号になります。
後者に対応する (a, b) の存在範囲は、2本の放物線と直線 b = 0 で囲まれた領域の内部(境界を含まない)です。
(4) その領域の面積
領域は 0 ≦ a ≦ 1/2 では b = −4a² が下側の境界、1/2 ≦ a ≦ 1 では b = −4(1−a)² が下側の境界です(2本は a = 1/2 で交わります)。上側の境界はどちらも b = 0。
S = ∫₀^(1/2) 4a² da + ∫_(1/2)^1 4(1 − a)² da
前半 = [4a³/3]₀^(1/2) = 4/3 × 1/8 = 1/6。後半も対称性から 1/6。
2本の放物線は a = 1/2 に関して対称なので、前半を計算して2倍するだけで済みます。対称性を見つけたら必ず使ってください。
この年の学習ポイント
〔3〕は「係数 (a, b) の存在範囲を ab 平面に描く」という、逆像法・存在範囲の典型問題です。x についての条件を、a と b の不等式に翻訳するという一手が本質で、翻訳さえできれば残りは領域の図示と面積計算になります。
〔1〕(2) の「交項数列は2項ずつ組にする」も含め、この年は「そのままでは扱いにくい対象を、扱いやすい形に組み替える」という主題で一貫していました。
〔2〕については、当塾で公開している解答PDFから問題文と途中の考え方を十分に確認できないため、推測で解説を作ることはしていません。資料が確認でき次第、追加いたします。
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関西学院大学の数学の過去問は30年度ぶんを公開しています。そのうち2年度は全問の解答解説つきです(「解説」の印がついた年度)。志望校の傾向は1年だけでは見えないので、最低でも3年ぶんを続けて解くことをおすすめします。
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