藤原進之介です。このページでは関西学院大学2010年度の数学過去問の問題資料と学習情報を無料公開しています。掲載している問題・解答・解説の範囲は、ページ内の各見出しでご確認ください。
問題
解答
関西学院大学2010年度の数学について、解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している全問を独立に検算しています。
〔1〕(1) 半角の公式と三角関数の合成
y = √3 sin2x + 4cos²x − 2sin²x を考えます。
アイウ 1つの sin にまとめる
半角の公式 cos²x = (1 + cos2x)/2、sin²x = (1 − cos2x)/2 を使って、すべて 2x の式にそろえます。
y = √3 sin2x + 2(1 + cos2x) − (1 − cos2x) = √3 sin2x + 3cos2x + 1
合成します。√{(√3)² + 3²} = √12 = 2√3 なので
√3 sin2x + 3cos2x = 2√3{ (1/2)sin2x + (√3/2)cos2x } = 2√3 sin(2x + π/3)
4cos²x − 2sin²x のように2乗が混ざった式は、まず半角で次数を下げて 2x にそろえるのが定石です。そろえてから合成すれば、必ず1つの三角関数にまとまります。
エオ 0 ≦ x ≦ π/2 における最大・最小
0 ≦ x ≦ π/2 のとき π/3 ≦ 2x + π/3 ≦ 4π/3。
この区間で sin が最大 1 になるのは 2x + π/3 = π/2、すなわち x = π/12。最大値は 2√3 + 1。
最小は区間の右端 4π/3 で sin = −√3/2(3π/2 は区間外なので −1 には届きません)。x = π/2 のとき
y = 2√3 × (−√3/2) + 1 = −3 + 1 = −2
合成後の角の範囲 [π/3, 4π/3] に 3π/2 が含まれないため、最小値は端点で決まります。範囲を書き出さずに「最小は −1 のとき」と決めつけると誤答になります。
カ〜コ 最短経路の数え上げ
格子状の道を最短で進む経路の総数を数えます。
| 設問 | 計算 | 答 |
|---|---|---|
| カ(全経路) | ₉C₄ | 126 |
| キ | ₃C₁ × ₆C₃ | 60 |
| ク | ₃C₁ × ₃C₁ × ₃C₁ | 27 |
| ケ | キ − ク = 60 − 27 | 33 |
| コ | カ − (ケ + 60) = 126 − 93 | 33 |
最短経路の総数は「右へ進む回数と上へ進む回数の並べ方」なので組合せで数えます。特定の点を通る経路は、区間ごとの経路数の積で求め、通らない経路は全体から引くのが基本です。
〔2〕群数列
自然数を、第 n 群に 2n 個ずつ入るように区切ります(第1群に2個、第2群に4個、第3群に6個…)。
(1) 第10群・第 n 群の最後の数
第 n 群までに並ぶ個数の合計が、第 n 群の最後の数です。
Σk=1n 2k = 2 × n(n+1)/2 = n(n + 1)
n = 10 のとき 10 × 11 = 110。
(2) 2010 が第 p 群の q 番目
2010 が第 n 群に入る条件は「第 (n−1) 群の最後 < 2010 ≦ 第 n 群の最後」、すなわち n(n+1) ≧ 2010 を満たす最小の n。
44 × 45 = 1980 < 2010、45 × 46 = 2070 ≧ 2010 なので p = 45。
第44群の最後が 1980 なので、2010 はそこから数えて
q = 2010 − 1980 = 30(番目)
(3) 第 n 群に含まれる数の和 Sn
第 n 群の最初の数は、第 (n−1) 群の最後の次なので (n−1)n + 1 = n² − n + 1。最後の数は n(n+1) = n² + n。項数は 2n。
連続する自然数なので等差数列の和の公式が使えます。
Sn = 2n{(n² − n + 1) + (n² + n)}/2 = n(2n² + 1)
検算:n = 1 なら第1群は {1, 2} で和は3。公式は 1 × (2 + 1) = 3 ✓ n = 2 なら第2群は {3, 4, 5, 6} で和は18。公式は 2 × (8 + 1) = 18 ✓
(4) 第 n 群の奇数の和 Tn と、Sn/Tn の極限
まず第 n 群の最初の数が奇数であることを示します。第 (n−1) 群の最後の数 (n−1)n は連続2整数の積なので必ず偶数。その次の数だから奇数です。
(同様に第 n 群の最後の数 n(n+1) も偶数です。)
したがって第 n 群では、奇数と偶数が交互に 2n 個並び、奇数はちょうど n 個。初項 n² − n + 1、公差 2、項数 n なので末項は
(n² − n + 1) + 2(n − 1) = n² + n − 1
Tn = n{(n² − n + 1) + (n² + n − 1)}/2 = n × 2n²/2 = n³
最後に極限を計算します。
Sn/Tn = n(2n² + 1)/n³ = 2 + 1/n² → 2(n → ∞)
Tn = n³ という美しい結果になります。群内の数の約半分が奇数なので、和も約半分。Sn ≒ 2n³ に対して Tn = n³ で比が 2 に収束するのは自然な結果です。
この年の学習ポイント
〔2〕の群数列は、「第 n 群の最後の数」を先に求めることがすべての出発点です。そこから最初の数(前の群の最後 + 1)、項数、和が芋づる式に出ます。
(4) では「最初の数が奇数」という偶奇の議論が必要でした。n(n−1) が連続2整数の積だから偶数、という一言を書けるかどうかで論証の完成度が変わります。
関西学院大学2010年度は複数日程が実施されています。当塾で解答PDFを公開できている範囲から順に解説を掲載しており、裏づけのない問題について推測で解説を作ることはしていません。
関西学院大学は数学だけでは決まりません。他科目の対策ページも用意しています。
- 関西学院大学 英語の対策——出題形式から逆算した解き方とオリジナル演習
- 関西学院大学 国語の対策——現代文・古文を型で崩す手順
関西学院大学 数学 過去問|他の年度を見る
関西学院大学の数学の過去問は30年度ぶんを公開しています。そのうち2年度は全問の解答解説つきです(「解説」の印がついた年度)。志望校の傾向は1年だけでは見えないので、最低でも3年ぶんを続けて解くことをおすすめします。
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