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関西学院大学 2025年度 過去問・解答

数強塾のプロ講師陣

藤原進之介です。このページでは関西学院大学2025年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。

問題

解答

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※ 問題文は関西学院大学が公表した2025年度入学試験問題を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、大学が公表した公式解答ではありません(解答の数値は大学公表の解答と全問突き合わせて一致を確認済み)。

2025年度 関西学院大学 全学部日程A方式(文系)数学の傾向
  • 大問3題・60分。〔1〕〔2〕は答えのみを書く空所補充、〔3〕だけが記述式という構成です。
  • 分野は2次関数の解の配置・確率(最大値)・円と直線と領域の面積・等差数列・放物線と面積の最小化。教科書の主要単元をまんべんなく問う標準的なセットです。
  • 60分で3題なので、1題あたり20分。空所補充は途中計算を書かなくてよい分、方針即断が要求されます
  • 〔1〕(1)の「すべての象限を通る」は、 切片が負」の一言に翻訳できるかがすべて。ここで手が止まると時間を失います。
  • 〔3〕は面積の 公式・ 公式を知っていれば計算が一瞬。知らないと展開・積分で時間を溶かします。
  • 全体として典型問題の速度勝負。「型」を持っているかどうかが直接得点差になるセットです。

〔1〕2次関数の解の配置と、さいころの最大値の確率

分野:2次関数/確率 難易度:標準 目標時間:20分

【問題】

(1) を実数とし、座標平面上の放物線 とする。放物線 軸と異なる2点 A、B で交わっているとする。

(i) の取りうる値の範囲は[ア]である。また、放物線 がすべての象限を通るような の値の範囲の中で、最小となる整数 の値は[イ]である。

(ii) 2点 A、B の 座標がともに 以上であるとき、 の取りうる値の範囲は[ウ]である。このとき、 となるような の値は、[エ]である。

(2) 3個のさいころを同時に投げて、出た目の数の最大値を とする。なお、解答は既約分数にすること。

(i) である確率は[オ]である。また、 である確率は[カ]である。

(ii) であったとき、少なくとも1個のさいころに の目が出る条件付き確率は[キ]である。

【解答】

ア: イ: ウ: エ:
オ: カ: キ:

〔1〕(1)(i) [ア][イ]

【問題(再掲)】

放物線 軸と異なる2点で交わるような の範囲[ア]と、 がすべての象限を通るような の範囲の中で最小の整数[イ]を求めよ。

【型】「 軸と異なる2点で交わる」=判別式 /「すべての象限を通る」= 切片が負

【なぜこうするか】
前半は判別式そのもの。後半の「すべての象限を通る」を言い換えるのが本問の勝負どころです。
下に凸なので、。したがって第1象限と第2象限は必ず通ります。残るのは第3象限()と第4象限()。
となる の範囲は2つの解の間の区間ですから、そこに正の と負の の両方が含まれればよい。つまり が2解の間にある」——これは 、すなわち 切片が負という一言で済みます。
なお なら判別式が正であることは自動的に従うので、条件を重ねる必要はありません。

[ア] 軸と異なる2点で交わる条件は、 の判別式について

の解は だから

[イ] とおく。 は下に凸だから、 が十分大きいとき・十分小さいときいずれも となり、第1象限と第2象限は必ず通る。第3象限と第4象限を通る条件は、 となる区間(2解の間)が の部分と の部分をともに含むこと、すなわち

より 。この範囲に含まれる整数は だから、最小のものは

【定石】下に凸の放物線が4象限すべてを通る条件は「 切片が負」だけ。上に凸なら「 切片が正」。図をイメージすれば当たり前ですが、試験場でこの一言に到達できるかが分かれ目です。

【よくあるミス】「すべての象限を通る」を「2解の符号が異なる」と正しく言い換えたあと、解と係数の関係で を書くのは正解ですが( なので同じこと)、そこにさらに判別式の条件を付け足して範囲を狭めてしまうミスが起きます。 なら 自動的に成り立ちます

〔1〕(1)(ii) [ウ][エ]

【問題(再掲)】

2点 A、B の 座標がともに 以上であるときの の範囲[ウ]と、そのとき となる の値[エ]を求めよ。

【型】解の配置は「判別式・軸・端点の値」の3点セット で表す

【なぜこうするか】
「2解がともに 以上」は解の配置の典型。下に凸の放物線が の範囲だけで 軸を2回横切る条件は、次の3つが同時に成り立つことです。
[1] では 軸より下でない)
[2] 軸が にある(2解の中央が より右)
[3] (2解が実際に存在して異なる)
どれか1つでも欠けると反例が作れます。この3点セットを機械的に書き出すのが最も安全。
後半の は2解の差なので、 の係数が のとき)。ここでも を再利用できます。

[ウ] だから軸は 。2解がともに 以上である条件は次の3つが同時に成り立つこと。

  • [1] の解は だから または
  • [2] 軸 すなわち
  • [3] (i) より

であり、。3つの共通部分をとると

[エ] の係数が だから、2解の差 に等しい。 だから

よって 。[ウ]の範囲 に入るのは のみだから

検算。 のとき 。2解は でともに 以上、差は 条件をすべて満たす。

【定石】2次方程式 の2解の差は の係数が なら 。解を求めずに差だけ出せるので、この形の問題では必須の道具です。

【よくあるミス】解の配置で「軸の条件」を忘れること。 だけでは「2解がともに 以下」という反対のケースも通ってしまいます。また[エ]で を範囲外と気づかず両方答えてしまうミスも頻出。

〔1〕(2)(i) [オ][カ]

【問題(再掲)】

3個のさいころを同時に投げて出た目の最大値を とする。 である確率[オ]と である確率[カ]を求めよ。

【型】最大値の確率は 以下」から「 以下」を引く

【なぜこうするか】
「最大値がちょうど 」を直接数えようとすると、「 が1個・2個・3個」で場合分けが必要になり面倒です。
一方「最大値が 以下」=「3個ともすべて 以下」なので、確率は と一瞬で書けます。
そこで 引き算で処理する。これが最大値・最小値の確率を扱う際の絶対的な定石です。

3個のさいころの目がすべて 以下である確率は だから

[オ] のとき

[カ] のとき

検算。 について を全部足すと となり、確率の総和が になることが確認できる。個々の値も で、合計

【定石】最大値 なら「」の引き算、最小値 なら「」の引き算 個のさいころなら 。この形は個数 が増えても計算量が変わらないのが強みです。

【よくあるミス】 を「4が少なくとも1個出る」と混同すること。正しくは「4以下がすべて、かつ3以下ではない」です。また「3個のさいころ」を区別しないで数えてしまうミスも要注意(確率では区別して数えるのが原則)。

〔1〕(2)(ii) [キ]

【問題(再掲)】

であったとき、少なくとも1個のさいころに の目が出る条件付き確率[キ]を求めよ。

【型】条件付き確率は 「少なくとも1個」は余事象で数える

【なぜこうするか】
求めるのは「 という条件のもとで が出る確率」、すなわち 。分母は[カ]で済んでいるので、分子だけ数えればよい
分子を直接数えると「1が1個・2個」の場合分けが要りますが、余事象を使うのが速い 後者は「目がすべて で、少なくとも1個は4」なので 通り。
条件付き確率では分母・分子とも同じ 分母で数えるので、最後は場合の数の比になります。

[カ]より となる場合の数は 通り(全 通り中)。

このうち の目が1個も出ないものは、3個の目がすべて で、かつ最大値が (=少なくとも1個が )である場合だから

通りである。

よって かつ少なくとも1個に が出る場合の数は 通り。したがって求める条件付き確率は

検算(直接数え上げ)。 かつ を含む3個の目の組は、大きい順に並べると の4通り。さいころの区別を考えると

合計 通りで一致する。

【定石】条件付き確率は「分母の事象の中だけで数え直す」と考えると速い。本問なら「 となる 通りのうち、 を含むのは何通りか」を直接数えるだけ。「少なくとも1個」は余事象が鉄則です。

【よくあるミス】分母を (全事象)にしてしまうこと。条件付き確率の分母は条件の事象の確率です。また余事象を「すべて 以上」( 通り)としてしまうミス—— の条件下なので目は に制限され、かつ最大が でなければなりません。

〔2〕円と直線・領域の面積と等差数列

分野:図形と方程式/数列 難易度:標準 目標時間:20分

【問題】

(1) を正の実数とする。座標平面上の円 、点 を通る傾き の直線を とする。また、円 と直線 は点 B で接しているとする。

(i) [ア]である。また、点 B の座標は[イ]である。ただし、[イ]は の形で答えよ。

(ii) 連立不等式 の表す領域を とする。領域 の面積は[ウ]である。

(2) 等差数列 は、 を満たすとする。

(i) 数列 の一般項は [エ]であり、[オ]である。

(ii) [カ]であり、[キ]である。

【解答】

ア: イ: ウ:
エ: オ: カ: キ:

〔2〕(1)(i) [ア][イ]

【問題(再掲)】

と、点 を通る傾き の直線 が点 B で接するとき、[ア]と B の座標[イ]を求めよ。

【型】円と直線が接する条件は「中心と直線の距離=半径」。接点は円の式に代入して重解を出す

【なぜこうするか】
まず円の式を平方完成して中心と半径を出す より中心 、半径
接する条件は点と直線の距離=半径。直線を と「」の形に直してから距離の公式に入れるのがミスを防ぐコツです。
接点 B は、接するときの連立方程式の重解として求めます。 の式を円に代入すると の2次方程式になり、重解がそのまま接点の 座標。本問では となって が出るので、B は 軸上にあると分かります。

[ア]、すなわち中心 、半径 の円。直線 、すなわち 。接する条件は

両辺を2乗して 、すなわち より

[イ]このとき 。これを円の方程式に代入すると

より (重解)。 に代入して 。よって

検算。 は円の式に代入すると で確かに円上。中心 と B の距離は で半径に一致。さらに中心から B へのベクトル の方向ベクトル の内積は 直交しており、接点であることが確認できる。

【定石】円と直線が接する ⟹ 接点は「中心から直線に下ろした垂線の足」。距離の公式で を出したあと、接点は「代入して重解」でも「垂線の足」でもどちらでも求まります。重解が のようにきれいに出るときは代入が速い

【よくあるミス】距離の公式で直線を のまま使い、分母を と書けないこと。必ず の形に直してから。また2乗した後に の条件で符号を絞るのを忘れないように。

〔2〕(1)(ii) [ウ]

【問題(再掲)】

連立不等式 の表す領域 の面積[ウ]を求めよ。

【型】「三角形から扇形を引く」形に分解する。円の外側は「引き算」で処理

【なぜこうするか】
4つの不等式を1つずつ読みます。第4象限直線 の上側、最後の式は円の外側(周を含む)
前の3つが作るのは、 軸・ 軸・ で囲まれた三角形。頂点は ((i) より 切片がちょうど B)。
そこから円の内側にあたる部分を取り除けば 。取り除く部分は、円の中心 、B、そして円と 軸の交点 が作る扇形です( は B で円に接するので、円は三角形の内部にきれいに収まった扇形の形で顔を出します)。
扇形の中心角は から への傾きが なので、角は とすぐ分かります。

(i) より で、 は円 で接する。また 、すなわち の外部(周を含む)を表す。

(円の中心)、(円と 軸の正の側の交点)、 とおく。 が表すのは3点 を頂点とする三角形( 切片が B なので、 軸との交点はちょうど B)。

この三角形から、円 の内部にある部分(扇形 PBQ)を取り除いたものが である。

三角形 PBR の面積で計算する。 は底辺 、高さ だから

扇形 PBQ の中心角。直線 PB の傾きは だから、。よって扇形 PBQ(半径 、中心角 )の面積は

したがって領域 の面積は

検算(別の分解)。三角形 OBR の面積は 。ここから、円の内部でこの三角形に含まれる部分(円を 軸で切った右側の弓形のうち の半分)を引く。弓形の面積は だから 、その半分は 。よって

一致する。数値では なので面積は

【定石】「直線と円で囲まれた領域」は、多角形 扇形(または弓形)に分解する。分解の仕方は一通りではないので、2通りで計算して一致を確認できれば検算になります。

【よくあるミス】 を「円の内部」と読み違えること。 は外部です(中心を代入すると で確認できます)。また 切片が接点 B と一致していることに気づかず、余計な交点を探して混乱するミスも。

〔2〕(2)(i) [エ][オ]

【問題(再掲)】

等差数列 を満たすとき、一般項[エ]と [オ]を求めよ。

【型】等差数列は初項と公差の連立。絶対値の和は符号が変わる境目で分ける

【なぜこうするか】
等差数列は初項 と公差 の2文字で決まるので、条件が2つあれば連立で決まります。
の和は、 の符号が変わる を探すのが第一歩。 なら と境目がはっきりします。
あとは前半はそのまま、後半は符号を反転して足す。全体の和が と分かっているので、「前半の和」さえ出せば後半は引き算で出せるのが効率的です。

[エ]初項 、公差 とすると

第2式を で割ると 。第1式より を代入して

よって 、したがって

[オ]、すなわち
だから

よって

検算。後半を直接計算しても確かめられる:。前半 と合わせて 一致
また ✓、 ✓ と、与条件も満たしている。

【定石】等差数列の和は「(初項+末項)×項数÷2」 の和は「符号の境目で切って、負の部分は符号を反転」。境目は を解いて求めます。

【よくあるミス】 となる が存在するかの確認を怠ること(本問では の解 が整数でないので、 になる項はありません)。また の項数を ではなく としてしまうミスも頻出()。

〔2〕(2)(ii) [カ][キ]

【問題(再掲)】

[カ]と [キ]を求めよ。

【型】偶数番だけ・奇数番だけを取り出した数列も等差数列(公差は2倍)

【なぜこうするか】
が公差 の等差数列なら、 について公差 の等差数列。本問では と直接書けるので、そのまま等差数列の和の公式を使えます。
[キ]では、奇数番の和と偶数番の和を合わせると全体の和になる)という関係を使うと、片方を計算するだけで済みます。与えられた条件を最大限使い回すのが空所補充での時間短縮のコツです。

[カ] だから、 は初項 、末項 の等差数列(項数 )。よって

[キ] だから

よって

[カ]に を代入すると 。したがって

検算。奇数番の和を直接計算する。 だから

よって 一致。また となり、全体の和とも整合する。

【定石】等差数列 から等間隔に取り出した部分列も等差数列 の公差は なら 「奇数番の和+偶数番の和=全体の和」も、片方を省略できる強力な関係です。

【よくあるミス】 と書いてしまうこと(正しくは を代入して )。添字の置き換えは必ず元の一般項に代入して確認しましょう。

〔3〕放物線と直線・接線で囲まれた面積の最小化【記述式】

分野:微分積分 難易度:標準 目標時間:20分

【問題】

を満たす実数とする。O を原点とする座標平面上の放物線 とし、 上の点 P を とする。また、点 P における放物線 の接線を とする。このとき、次の問いに答えよ。

(1) 直線 OP および接線 の方程式を求めよ。

(2) 放物線 と直線 OP で囲まれた部分の面積を とする。 を用いて表せ。

(3) を (2) で求めたものとし、放物線 、接線 および直線 で囲まれた部分の面積を とする。 の範囲で変化するとき、 が最小となる の値を求めよ。

【解答】

(1)   (2)   (3)

〔3〕(1) 直線 OP と接線 の方程式

【問題(再掲)】

)のとき、直線 OP および P における接線 の方程式を求めよ。

【型】原点を通る直線は の形。接線は

【なぜこうするか】
OP は原点を通るので、傾きさえ出せば終わり。傾きは で、 なので約分できて というきれいな形になります。
接線は微分して を代入して傾き 。あとは点と傾きから直線の式を作るだけ。
このとき 切片が になるのがポイントで、(3) の計算で効いてきます。

直線 OP。 だから、2点 を通る直線の傾きは

よって

接線 より だから、点 P における接線の傾きは 。よって

整理して

(右辺の定数項は 。)

【定石】放物線 における接線の 切片は 。本問なら と暗算で確認できます。

【よくあるミス】OP の傾きを約分せずに のまま先へ進み、以降の計算が煩雑になること。 を確認したうえで約分するのが正解です。

〔3〕(2) 面積

【問題(再掲)】

放物線 と直線 OP で囲まれた部分の面積 を用いて表せ。

【型】放物線と直線で囲まれた面積は 公式

【なぜこうするか】
まず交点を求めます。 を整理すると 、つまり。原点と P で交わるのは当然(OP は P と O を通る直線)。
差の関数は 、すなわち の係数が で、 を解にもつ2次式
この形なら 公式が使えます: 展開して積分するより圧倒的に速く、符号ミスも起きません。

と直線 OP の交点の 座標は

より だから積分区間は で、この区間で かつ より積は 以上)。よって

公式より

だから で矛盾しない。)

検算。直接積分しても確かめられる。

一致。また とすると 。このとき OP は との交点は で、確かに小さな面積になる。

【定石】 公式:。放物線と直線、放物線どうしで囲まれた面積はこれで一発です。「差の2次式を因数分解した形のまま扱う」のが使いこなすコツ。

【よくあるミス】 なので であることを見落として、答えを (負)としてしまうこと。面積は必ず正——符号は最後に必ず確認しましょう。

〔3〕(3)  を最小にする

【問題(再掲)】

放物線 、接線 および直線 で囲まれた部分の面積を とする。 が最小となる を求めよ。

【型】接する2次曲線と直線の差は必ず 。積分は 公式で一発

【なぜこうするか】
で接しているので、 を重解にもつ2次式。実際に計算すると と、係数 のきれいな完全平方になります。展開せずこの形のまま を使えば一瞬。
あとは の3次関数として微分するだけ。因数分解して増減表を書けば終わりです。
出てくる解は なので範囲 に入るのは だけ——この絞り込みを忘れないこと。

の計算。 の差は

だから、 において の上側にある。よって

より 。展開すると 。)

の最小。(2) と合わせて

微分すると

の解は だから

ここで だから

よって では であり、 の符号は の符号に一致する。すなわち

したがって で極小かつ最小となる。

検算。 は確かに の内部にある。
の値を数値で比べる:
一方 どちらも より大きく、確かに で最小である。

【定石】 公式:接点を とすると 。放物線と接線が囲む面積は必ずこの形になります。 公式(放物線と直線が2点で交わる)とセットで覚えましょう。

【よくあるミス】 を求めるとき、上下関係を確認せずに符号を落とすこと。 なので が常に上——完全平方の形が出た時点で確定します。また最後の解の絞り込みで を範囲内と誤認しないこと( なので )。

この冊子で身につけたい「型」一覧
  • 下に凸の放物線が全象限を通る ⟺ 切片が負(判別式の条件は自動的に従う)
  • 解の配置は「判別式・軸・端点の値」の3点セット/2解の差は
  • 最大値の確率は /「少なくとも1個」は余事象
  • 円と直線が接する ⟺ 中心と直線の距離=半径/接点は代入して重解
  • 直線と円で囲まれた領域は「多角形 扇形」に分解し、2通りで検算
  • 等差数列の の和は符号の境目で分ける/偶数番・奇数番の部分列も等差数列
  • 公式(放物線と直線)と 公式(放物線と接線)——展開せず因数分解の形のまま積分

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※ 問題文は関西学院大学が公表した2025年度入学試験問題を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、大学が公表した公式解答ではありません(解答の数値は大学公表の解答と全問突き合わせて一致を確認済み)。

2025年度 関西学院大学 全学部日程A方式(理系)数学の傾向
  • 大問4題・90分。〔1〕〜〔3〕は答えのみの空所補充、〔4〕だけが記述式という構成です。
  • 分野は確率・指数方程式・部分分数分解・複素数平面・群数列・三角関数と積分・平面ベクトル。理系範囲を横断的に問う標準セットです。
  • 〔1〕は小問集合。1問あたり2〜3分で処理したい基礎問題ばかりですが、(2) の や (4) の への持ち込みで手が止まると痛い。
  • 〔2〕の群数列は「第 群の和が という美しい結果が全体を貫きます。(4) は の偶奇で場合分けが必要で、ここが最大の山場。
  • 〔3〕は の多項式になる(チェビシェフ多項式)という有名テーマ。誘導が丁寧なので完答を狙いたい。
  • 〔4〕は内積の計算だけで完結する典型的なベクトル問題。 の2次関数にすれば終わりです。

〔1〕小問集合(確率・指数・部分分数分解・複素数平面)

分野:確率/指数関数/式と証明/複素数平面 難易度:基本〜標準 目標時間:20分

【問題】

(1) 11本のくじの中に当たりくじが3本ある。この中から同時に2本のくじを引くとき、2本とも当たりくじである確率は[ア]である。

(2) とおくとき、 の式で表すと[イ]となる。したがって、 を満たす の値は、[ウ]である。

(3) 等式 についての恒等式となるように定数 の値を定める。このとき、[エ]、[オ]、[カ]である。

(4) 複素数平面において、点 が原点を中心とする半径 の円上を動くとき、 は点[キ]を中心とする半径[ク]の円をえがく。

【解答】

ア: イ: ウ: エ: オ: カ: キ: ク:

〔1〕(1) [ア]くじ引きの確率

【問題(再掲)】

11本のくじの中に当たりくじが3本ある。同時に2本引くとき、2本とも当たりくじである確率[ア]を求めよ。

【型】「同時に引く」=組合せ で数える

【なぜこうするか】
「同時に2本」なので引く順序は無関係。全体は11本から2本を選ぶ 通りで、これらは同様に確からしい。
そのうち条件を満たすのは、当たり3本から2本を選ぶ 通り。分母・分子とも「組合せで数える」で統一すればミスが起きません。

2本の選び方は全部で 通りあり、これらは同様に確からしい。このうち2本とも当たりくじであるのは 通り。よって

検算(順に引くと考える)。1本目が当たりである確率は 、続けて2本目も当たりである確率は 。積は 一致する。

【定石】「同時に引く」も「順に引く」も確率は同じ。組合せで数えても、順に引く確率を掛けても、必ず一致します。両方で計算して一致を確認すれば検算になります。

【よくあるミス】 としてしまい、分母だけ組合せにすること。分母と分子で数え方をそろえるのが鉄則です。

〔1〕(2) [イ][ウ]指数方程式

【問題(再掲)】

とおくとき、 の式で表し[イ]、 を満たす [ウ]を求めよ。

【型】 と置いたら、 と機械的に書き換える。 を忘れない

【なぜこうするか】
指数方程式は底をそろえて置換するのが原則。 と、すべて だけで書けます。
方程式を解く段階では、分母を払って3次方程式にするのが決め手。 なので両辺に を掛けてよく、 2項ずつくくる(たすきがけならぬ「2項ずつ」)で因数分解できます。
最後に で解を絞るのを絶対に忘れないこと。指数関数の値は必ず正です。

[イ] より 。よって

[ウ] だから、 の両辺に を掛けて

すなわち より 。したがって

検算。 のとき 。よって

確かに成り立つ

【定石】 と置いたら必ず を書く。これが解の絞り込みに直結します。また4項の3次式は「2項ずつくくる」で因数分解できることが多い( がともに をもつ)。

【よくあるミス】 としてしまうこと。正しくは逆数 です。また も答えてしまうミス—— で必ず除外されます。

〔1〕(3) [エ][オ][カ]部分分数分解

【問題(再掲)】

が恒等式となるように を定めよ。

【型】分母を払って「特別な値を代入」+「係数比較」の合わせ技で一気に決める

【なぜこうするか】
両辺に を掛けると という多項式の恒等式になります。
ここで を代入すると の項が消えて だけ を代入すると の項が消えて だけが残ります。これで2文字が一瞬で決まる。
残る の係数比較)で即決。「代入で消せるものは代入、残りは係数比較」という使い分けが最速です。

両辺に を掛けると

これは恒等式だから、どんな を代入しても成り立つ。

を代入: より

を代入: より

の係数を比較:右辺の の係数は だから 、よって

検算(定数項の比較)。右辺の定数項は 。左辺の定数項 一致
の係数も: で左辺の 一致

【定石】部分分数分解は「分母の零点を代入」が最速 のような重複因子があるときは、 の代入で決まるのは (最高次の項)だけ。残りは係数比較か、別の値の代入で埋めます。

【よくあるミス】右辺を の2項だけと思い込むこと。重解の因子は と2段構えにする必要があります(本問では形が与えられているので迷いませんが、自分で立てるときは要注意)。

〔1〕(4) [キ][ク]複素数平面の像

【問題(再掲)】

が原点を中心とする半径 の円上を動くとき、 がえがく円の中心[キ]と半径[ク]を求めよ。

【型】 について解いて に代入する。または」の形に移項する

【なぜこうするか】
は「 倍して だけ平行移動」という1次変換(相似変換)。円は必ず円に移ります。
最短は と移項すること。両辺の絶対値をとれば となり、中心 、半径 の円だと一瞬で分かります。
について解いて代入」でも同じ結果になりますが、移項するだけのほうが速い
一般に )なら、 の円は中心 、半径 の円に移ります。

より 。両辺の絶対値をとると

したがって を中心とする半径 の円をえがく。

検算( について解く方法)。 より に代入すると

一致。具体例でも確認する: なら ✓。 なら ✓。 なら ✓。

【定石】 は「 倍の拡大+ の回転+ の平行移動」。円 は中心 、半径 の円に移ります。 を掛けるのは 回転ですが、円の中心と半径には回転の影響が出ません。

【よくあるミス】 としてしまうこと( は括弧の中の両方に掛かります)。また中心を と答えるミスも頻出。 と移項した形をそのまま読むのが安全です。

〔2〕群数列

分野:数列(群数列) 難易度:標準〜やや難 目標時間:25分

【問題】

次のような群に分けられた数列を考える。

(区切りの左から順に第1群、第2群、第3群、第4群、……)

すなわち第 群は、分母が で分子が から までの分数を、約分できるものも含めて小さい順に並べている。

(1) 第15項は[ア]であり、 は第[イ]項である。また、第6群に属するすべての項の和は[ウ]であり、第 群に属するすべての項の和は[エ]である。

(2) 初項 から第 群の最後の項までのすべての項の和を とすると [オ]である。

(3) 初項から第 項までの数列の和が初めて をこえるのは第 項が第[カ]群に属するときである。

(4) 第 群のうち値が 以下の項の和を とする。[キ]である。 となる の最大値は[ク]である。

【解答】

ア: イ: ウ: エ: オ: カ: キ: ク:

〔2〕(1) [ア][イ][ウ][エ]

【問題(再掲)】

第15項[ア]、 が第何項か[イ]、第6群の総和[ウ]、第 群の総和[エ]を求めよ。

【型】群数列は「第 群の末項が通算第 項」を最初に押さえる

【なぜこうするか】
群には 個の項があるので、第1群から第 群までの項数は 。群数列の問題はまずこれを書き出すところから始まります。
と並べると、第15項はちょうど第5群の末項だと一目で分かる。
逆向きの問い( が第何項か)は、分母から群番号を、分子から群内の位置を読む:分母 より第25群、分子 より群内7番目。あとは第24群までの項数に を足すだけ。
和については、第 群は分母が共通の なので、分子の和 で割るだけ。 が約分されて という驚くほど簡単な形になります。これが (2) 以降の鍵。

群には 個の項があるから、第1群から第 群までの項数は

[ア] だから、第15項は第5群の最後の項。第5群は分母 、分子 から だから

である。

[イ] は分母が だから第25群、分子が だから群内で7番目の項。第24群までの項数は だから

すなわち第307項である。

[ウ]第6群は だから

[エ] 群は だから

検算。[エ]に を代入すると で[ウ]と一致 なら で第1群の唯一の項 一致 なら で、一致

【定石】群数列は「各群の項数」と「第 群までの累計項数」を最初に式にする。本問のように群の項数が なら累計は三角数 「第 群の和が 」という簡潔さは、分母が共通であることの恩恵です。

【よくあるミス】第 群の分母を としてしまうこと(正しくは )。また[イ]で「第25群の7番目」まで正しく読んだあと、第25群までの項数 を足して としてしまうミス。足すのは第24群までの項数です。

〔2〕(2) [オ]

【問題(再掲)】

初項 から第 群の最後の項までのすべての項の和 [オ]を求めよ。

【型】「群ごとの和」を群番号について足す(二重和を外側から処理)

【なぜこうするか】
群までの総和とは、各群の和を から まで足したもの。(1)[エ]で第 群の和が と分かっているので、 というただの等差数列の和になります。
群数列で「第 群の末項までの和」を聞かれたら、個々の項ではなく群単位で足す——これが鉄則です。

(1)[エ]より第 群に属するすべての項の和は だから

検算。 で第1項そのもの ✓。
。実際 ✓。
。実際 ✓。

【定石】群数列の総和は「群の和」を数列とみて再度和をとる(二重和)。内側の和がきれいな形になっていれば、外側もたいてい簡単になります。

【よくあるミス】 を「第 項まで」の和と読み違えること。問題文は「第 群の最後の項まで」です。群数列では「項」と「群」の区別に細心の注意を。

〔2〕(3) [カ]和が初めて をこえる群

【問題(再掲)】

初項から第 項までの和が初めて をこえるのは、第 項が第[カ]群に属するときである。

【型】 が単調増加であることを使い、 となる を探す

【なぜこうするか】
数列の項はすべて正なので、部分和は単調に増加します。したがって「初めて をこえる」瞬間はただ1回。
群単位の和 について単調増加なので、 となる が答えの群番号です(第 群の終わりではまだ超えておらず、第 群の終わりでは超えている ⟹ その途中で初めて超える)。
すなわち を満たす最小の を探すだけ。 がヒントになっていて、 では では と、境目がはっきり出ます。

数列の各項は正だから部分和は単調増加。また について単調増加である。求める群番号を とすると

すなわち を満たす最小の自然数 に注意すると

よって第 項は第90群に属する。

検算(群内の何番目かまで確かめる)。。確かに はこの間にある。
さらに第90群の先頭から 項までの和は で、 すなわち より 。つまり第90群の64番目の項で初めて をこえる。第90群に属するという結論と整合する。

【定石】「初めて〜をこえる」は単調性を確認してから、はさむ形の不等式で決める。整数解は「境目の2つを実際に代入して比べる」のが最も確実で速い。

【よくあるミス】 と近似して と答え、 の確認を省くこと。たまたま答えは合いますが、境目がずれる問題では致命傷になります。必ず両側を代入しましょう。

〔2〕(4) [キ][ク]値が 以下の項の和

【問題(再掲)】

群のうち値が 以下の項の和を とする。[キ]と、 となる の最大値[ク]を求めよ。

【型】 の偶奇で場合分け

【なぜこうするか】
群の項は 。値が 以下という条件は と、 の上限に翻訳できます。
ここで が整数かどうかで話が変わるのが本問の肝。 が奇数なら はちょうど整数で、その項(値がぴったり )まで含みます。 が偶数なら は半整数なので、 までしか取れない。
だから の偶奇で場合分けして、それぞれ の式で表す必要があります。ここを一つの式で済ませようとすると必ず間違えます。
は偶奇で交互に上下しますが全体としては増加するので、両方の場合で最大の を求め、大きいほうを答えるのが正しい手順です。

群の項は で、値が 以下となるのは のとき。

[キ] のとき だから 。第7群は分母 だから

[ク] の偶奇で場合分けする。

[1] が奇数のとき。 は自然数)とおくと で、。分母は だから

よって 。奇数の最大値は

[2] が偶数のとき。 とおくと だから 、すなわち 。よって

、すなわち 。解は
だから の間。よって偶数の最大値は

[1][2] を合わせて、 となる の最大値は

検算。
(奇数):
(偶数):
(奇数): で、これは を満たさない ✗
確かに より大きい はすべて条件を満たさない。また[キ]も公式で確認:(奇数)なので ✓。

【定石】 以下の整数 」のような条件は の偶奇で場合分け。ガウス記号を使えば1つの式で書けますが、答案では偶奇に分けたほうが確実です。最大値を答えるときは両方の場合を求めて大きいほうを選ぶ——片方だけで満足しないこと。

【よくあるミス】 が偶数のときに から としてしまうこと(正しくは )。また奇数の答え だけを見て「最大は19」としてしまうミス。 は単調増加ではなく偶奇で上下するので、両方を必ず調べます。

〔3〕 と積分

分野:三角関数/積分法 難易度:標準 目標時間:25分

【問題】

に対して、関数 を考える。また、 において、曲線 および曲線 を考える。

(1) の式で表すと、[ア][イ][ウ] である。

(2) [エ] は積分定数)である。曲線 軸の交点の座標は [オ] である。曲線 軸および直線 で囲まれた部分の面積は[カ]である。

(3) [キ] は積分定数)である。曲線 軸で囲まれた部分の面積は[ク]である。

【解答】

ア: イ: ウ: エ: オ: カ: キ: ク:

〔3〕(1) [ア][イ][ウ] の多項式で表す

【問題(再掲)】

[ア][イ][ウ] となるように[ア][イ][ウ]を定めよ。

【型】 でくくれる形に変形する(3倍角・2倍角の公式)

【なぜこうするか】
だけの式にするには、 から を因数として取り出す必要があります。
はそのまま。
でくくってから、 に統一。
2倍角を2回。ここで だけの形 を選ぶのがポイント。
このように は必ず の多項式になります(第2種チェビシェフ多項式)。

[ア] だから

[イ]3倍角の公式 より

よって 、すなわち[イ]

[ウ] より

検算。 を代入して確かめる。
:定義から 、公式から
:定義から 、公式から

【定石】 次多項式 の順に で、最高次の係数は 。この事実を知っていれば[ア][イ][ウ]は暗算です。

【よくあるミス】 の形で使ってしまい、 が残って行き詰まること。目標が「 の式」なら を選ぶ——公式の3つの形は目的に応じて使い分けるものです。

〔3〕(2) [エ][オ][カ] の積分と面積

【問題(再掲)】

[エ]、 軸の交点の 座標[オ]、 軸・直線 で囲まれた部分の面積[カ]を求めよ。

【型】半角(次数下げ) にしてから積分

【なぜこうするか】
はそのままでは積分できません。次数を下げるのが定石で、。すると という1次の三角関数の和になり、積分は と一瞬。
交点は 、つまり から 与えられた区間 では なので 、すなわち だけ。
面積は から まで積分するだけ。この区間では なので絶対値は不要です。

[エ] より 。よって

[オ] より では だから 、すなわち

[カ] では だから 。よって求める面積は

だから、 の項は打ち消し合って

検算。。区間の幅は 。もし直線的に減るなら面積は 。実際の答え 一致する( はこの区間でほぼ直線的に減少するため、偶然ではなくぴったり同じ値になる)。

【定石】 は半角で次数を下げてから積分三角関数の積分は「1次の形にすれば必ず積分できる」のが原則です。

【よくあるミス】)も交点として答えてしまうこと。定義域 の外です。定義域の確認は空所補充でも省略できません。

〔3〕(3) [キ][ク] の積分と面積

【問題(再掲)】

[キ]と、曲線 軸で囲まれた部分の面積[ク]を求めよ。

【型】 と分けて と置換(奇数乗は置換)

【なぜこうするか】
奇数乗は、1つだけ外に出して残りを に直すのが定石: こうすると なので、 の多項式の積分に化けます。半角を使うより圧倒的に速い。
面積のほうは、まず因数分解して符号を調べる 零点は )と )。この2点の間で なので、囲まれた部分は
軸より下なので積分値にマイナスをつけるのを忘れずに。

[キ] より

と置換すると だから

[ク]
では だから 。よって となるのは すなわち 、または すなわち

では より では 。したがって「曲線 軸で囲まれた部分」は の部分( 軸の下側)である。

より上端は より下端は 。よって

検算。
一方、 の最小値のあたりを見ると 、区間の幅は 。両端で になる山形なので、面積は の間の妥当な値。 は整合的
また被積分関数の原始関数を微分して確認:

【定石】三角関数の奇数乗は置換、偶数乗は半角 の奇数乗なら を1つ外に出して の奇数乗なら を1つ外に出して この使い分けだけで三角関数の積分の大半が処理できます

【よくあるミス】面積を求めるときに符号を確認せず、そのまま積分して負の値を答えてしまうこと。また「 軸で囲まれた部分」を 全体だと勘違いすること—— では曲線は 軸上になく、囲まれた図形はできません

〔4〕三角形とベクトル・内積の最小【記述式】

分野:平面ベクトル 難易度:標準 目標時間:20分

【問題】

三角形 OAB において、 であるとし、辺 AB を に内分する点を D とする。また、点 A から直線 OD に下ろした垂線を AH とし、線分 OD を に内分する点を P とする。 とするとき、次の問いに答えよ。

(1) の値を求めよ。また、線分 OD の長さを求めよ。

(2) を用いて表せ。

(3) を用いて表せ。

(4) が最小となるときの の値を求めよ。また、そのときの PH の長さを求めよ。

【解答】

(1)   (2)
(3)   (4)

〔4〕(1)  と OD

【問題(再掲)】

のとき の値と、AB を に内分する点 D について線分 OD の長さを求めよ。

【型】3辺の長さから内積を出すには を展開する

【なぜこうするか】
与えられているのは3辺の長さだけ。内積を出すには の2乗を展開するのが唯一の道です: 左辺は を代入すれば が出ます。余弦定理と実質同じ計算ですが、ベクトルで書いておくと以降の計算にそのまま使えます。
D は AB を に内分するので、。内分点の公式では「遠いほうの比が係数」——A に近いほど の係数が大きくなります。
長さは を展開して、さっき求めた内積を代入するだけ。

だから

よって

D は辺 AB を に内分するから

したがって

検算。余弦定理でも同じ結果になる: だから ✓(内積が負なので は鈍角、 と整合)。
より少し短く、D が A の近く()にあることと整合する。

【定石】3辺の長さが与えられたら、まず を出す。以降の計算はすべて の3つで書けます。この「3つの数値表」を最初に作るのがベクトル問題の作法。

【よくあるミス】内分点の公式で 係数を逆にすること。 なら D は A に近いので、 の係数のほうが大きいと覚えましょう。

〔4〕(2) 

【問題(再掲)】

点 A から直線 OD に下ろした垂線の足を H とするとき、 を用いて表せ。

【型】垂線の足は と置いて の2ステップ

【なぜこうするか】
H は直線 OD 上にあるので、実数 を用いて と書けます。未知数は ただ1つ。
そして H はA から下ろした垂線の足なので、、すなわち内積 。この式が を決めます。
「直線上にある」=1文字で表す、「垂直」=内積 ——この2つを組み合わせるのが垂線の足の標準手順です。
計算では として、(1) で作った を代入するだけ。

H は直線 OD 上にあるから、実数 を用いて

と書ける。このとき

AH OD より 。これは のとき同値)と同じで、計算すると

を代入すると

かつ より だから

したがって

検算。射影の公式 でも確かめられる。

一致 なので、H は線分 OD を D の側に少しはみ出した位置にある( が鈍角であることに対応)。

【定石】垂線の足(正射影)は )。答案では を置いて内積 から求めるのが標準ですが、この公式で検算すると計算ミスを潰せます。

【よくあるミス】 を立てて という解も出たときに、それを吟味せず残すこと。 は H が O に一致する場合で、A から下ろした垂線の足としては不適( でない限り)。必ず除外理由を書きましょう。

〔4〕(3) 

【問題(再掲)】

線分 OD を に内分する点を P とするとき、 を用いて表せ。

【型】 の内分は(比の和が なので単純な 倍)

【なぜこうするか】
「線分 OD を に内分」は、O から測って全体の の位置ということ。比の和がちょうど なので、単純な になります。ここで内分点の公式を持ち出すと遠回りです。
あとは と引き算するだけ。「始点をそろえて引く」のがベクトルの基本操作です。

P は線分 OD を に内分するから

よって

【定石】比の和が の内分()は「 倍」。逆に なら 倍。パラメータが の形で与えられているのは、あとで の関数として扱わせたいという出題者のサインです。

【よくあるミス】 の分母を と計算し損ねること。また を取り違えて符号を逆にするミス。

〔4〕(4)  の最小と PH

【問題(再掲)】

が最小となるときの の値と、そのときの PH の長さを求めよ。

【型】内積を 2次関数に整理して平方完成(または軸を読む)

【なぜこうするか】
はどちらも の1次式なので、内積は の2次式。しかも の係数は (下に凸)なので、軸の位置で最小値が決まる
軸が定義域 に入っているかの確認だけ忘れないこと。本問は でぎりぎり内側です。
PH は、H も P も直線 OD 上にあるので 、長さは なので差はちょうど 同一直線上の2点の距離は「係数の差 × もとの長さ」で一瞬です。

(3) より 。同様に

よって

を代入すると