大学受験

立教大学 2023年度 過去問・解答

数強塾のプロ講師陣

藤原進之介です。このページでは立教大学2023年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。

今日の一問
次の問いに答えなさい。
下記の空欄ア〜キにあてはまる数または式を解答用紙の所定欄に記入せよ。
(ⅰ) 関数 の最小値は[ア]である。
(ⅱ) 2つの実数 を満たすとき、 のとりうる値の範囲は[イ]である。
(ⅲ) 三角形 ABC において とする。AB 上の点 P が を満たすとき、[ウ]である。
——さて、どこから手をつける?
続きの小問と、答え・考え方は本文で解説します。

問題

解答

未掲載の解答は順次公開中です。急ぎで解説が必要な問題はLINEでリクエストしてください。 解説をリクエスト

📊 2023年度 立教大学 数学 講評マップ(難易度・目標時間・使う型)

この年度の全13問を解説した数強塾のプロ講師陣が、各問題を難易度・目標時間・使う型の3つで整理しました。難易度と目標時間は数強塾の独自の見立てで、目標時間は過去問演習をするときの1問あたりの目安です(実際の試験の時間配分を示すものではありません)。「使う型」の列は解法パターン事典の該当単元につながっています。解けなかった問題は、下の解説で解き方を確認したあと、型のページで同じ型の問題を練習すると定着が速くなります。

2023年度の全13問

大問テーマ難易度目標時間使う型(解法パターン事典)
解説へ三角関数から集合まで7分野の小問集合標準約25分分野融合
解説へ積立預金の複利を漸化式と常用対数で追う標準約20分漸化式の全型
解説へ放物線の接線と垂線から対称点と面積へやや難約25分図形と方程式(座標)
解説へ指数方程式から反復試行までの小問集合標準約25分分野融合
解説へ四面体の点を空間ベクトルで表し平面上を判定やや難約25分空間ベクトル
解説へ反比例の曲線と直線の交点から面積へやや難約25分積分法(面積)
解説へ円に内接する四角形から漸化式までの小問集合標準約30分分野融合
解説へ4人じゃんけんを勝者の人数で場合分け標準約20分確率
解説へ絶対値つき放物線と直線が囲む面積の最小やや難約25分積分法(数II)
解説へ2次関数から持ち点つきさいころまでの小問標準約30分分野融合
解説へ指数関数の置き換えで2次式に化ける曲線やや難約25分指数・対数
解説へ正三角形の回転で線分が通過する領域の面積やや難約25分通過領域と逆手流
解説へ等比数列の和で表される整数の性質やや難約25分整数

💡 どこで差がつくか:2023年度は日程ごとに空所補充の〔Ⅰ〕と記述式が組み合わされ、〔Ⅰ〕はいずれも7〜8分野から1問ずつという構成です。置き換えたあとの変数の範囲、絶対値の場合分けの区切り、内分の比の向きなど、条件を書き落とさないことがそのまま得点に響きます。記述式は誘導が細かく、前の設問の結果を次でそのまま使う設計なので、途中の式を整理して残しておくと後半が軽くなります。 この冊子13問の目標時間の合計は約325分(数強塾の見立て)。

「型が出てこなかった問題」が2問以上あった人へ。それは演習量の不足ではなく、単元の型の抜けが原因であることがほとんどです。数強塾は数学専門・プロ講師のみ・完全1対1のオンライン個別指導。実際にあなたが解いた過去問の答案を見ながら、どの型が抜けているかを特定し、立教大学の出題に合わせて埋めていきます。立教大学の過去問まとめ(全年度+傾向)で他の年度も確認できます。

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※ 問題文は立教大学が公表した2023年度入学試験問題(A方式・数学)を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したものですが、立教大学が公表した一般的な解答例PDFと全17問を1問ずつ突き合わせ、すべて一致することを確認しています。さらに数式処理システムでの再計算・全数列挙・200万分割の数値探索でも二重に検算しました。

2023年度 立教大学 数学(A方式)の傾向
  • 大問3題。〔Ⅰ〕が小問7つの空所補充、〔Ⅱ〕〔Ⅲ〕が途中経過も書く記述式という構成です。〔Ⅰ〕で確実に点を取り、〔Ⅱ〕〔Ⅲ〕の誘導に最後まで乗り切れるかが勝負。
  • 〔Ⅰ〕は三角関数・円と直線・余弦定理・確率・空間ベクトル・関数方程式・集合と、教科書の全分野から1問ずつ。1問3〜4分で処理する速度が要ります。
  • 〔Ⅱ〕は複利計算の漸化式。「毎年初めに積み立て、年末に8%の利子」という実生活そのものの設定から を立て、特性方程式で解き、常用対数で桁を評価する——数列と対数の融合の王道です。
  • 〔Ⅲ〕は放物線 の接線・垂線・対称点。じつはこの放物線は焦点 ・準線 をもち、問題文の点 準線上の点、(iii) で求める 焦点そのものです。この背景を知っていると「 によらず 」という結果に驚かずに済みます。
  • 全体として計算量は多くないが、設定を正確に読み取る力が問われる出題。特に〔Ⅲ〕は「どの直線がどの直線に垂直か」を図に描いてから動くのが安全です。

〔Ⅰ〕【空所補充】全分野から1問ずつの小問集合

分野:三角関数/図形と方程式/図形と計量/確率/空間ベクトル/関数/集合 難易度:標準 目標時間:25分

【問題】

下記の空欄ア〜キにあてはまる数または式を解答用紙の所定欄に記入せよ。

(ⅰ) 関数 の最小値は[ア]である。

(ⅱ) 2つの実数 を満たすとき、 のとりうる値の範囲は[イ]である。

(ⅲ) 三角形 ABC において とする。AB 上の点 P が を満たすとき、[ウ]である。

(ⅳ) 大小2個のさいころを同時に投げる。大きいさいころの出た目を 、小さいさいころの出た目を とするとき、 が整数になる確率は[エ]である。

(ⅴ) を実数とする。座標空間において、3点 の定める平面 OAB 上に点 があるとき、[オ]である。

(ⅵ) 2次式 を満たすとき、[カ]である。

(ⅶ) 座標平面の3つの部分集合

(いずれも は実数)

に対し、 に属する点の座標をすべて求めると[キ]である。

【解答】

 イ  ウ  エ  オ  カ  キ
(別解による検算と全7問が一致)

〔Ⅰ〕(ⅰ) [ア] の最小値

【問題(再掲)】

関数 の最小値を求めよ。

【型】 だけの2次関数にする。置き換えたら必ず を書く

【なぜこうするか】
が混ざった式は、どちらか一方に統一するのが鉄則です。今回は が2乗の形でしか出てこないので、 を使えば だけの式になります。
とおくと 。この の範囲」を書くことが、置き換え問題で最も配点の重いポイントです。

ここで符号に注目してください。完全平方になっています——だから で、最大値は )。
求めるのは最小値なので、最大にすればよい。 より なので、 が最大になるのは 、すなわち のとき。
このとき

解答。 とおくと であり、 だから

これは を軸とする上に凸の放物線。 において軸から最も遠い端点は だから、(すなわち )のとき最小で

[ア]

検算(両端の代入と 万分割の数値探索)。 ✓。(最大)✓。
万分割して直接計算すると最小 、最大 ✓ 完全一致。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】 混在の2次式は「」で片方に統一 → の2次関数 → 範囲 で最大最小上に凸なら「軸から最も遠い端点」が最小。完全平方の形が出たら符号だけで最大値が読めます。

【よくあるミス】 の範囲を書かずに「頂点で最小」としてしまうこと(上に凸なので頂点は最大)。もう一つは と読み違えるミスです。

〔Ⅰ〕(ⅱ) [イ] のときの の値域

【問題(再掲)】

2つの実数 を満たすとき、 のとりうる値の範囲を求めよ。

【型】単位円上の は三角関数の合成で 。または「直線と円が共有点をもつ条件」

【なぜこうするか】
解法①(媒介変数+合成) は単位円なので と表せます。すると

)。 が全周を動けば から まですべての値をとるので
解法②(直線と円) は傾き の直線。これが単位円と共有点をもつ条件は、中心 からの距離が半径 以下、すなわち

どちらも一瞬ですが、②は「点と直線の距離」だけで済むので計算が最も軽い。覚えるなら「単位円上の の最大値は (コーシー・シュワルツの不等式そのもの)。

解答。 より )とおける。このとき

ただし を満たす実数。 を動くとき だから

[イ]は

検算(数値と別解の一致)。 万分割して を直接計算すると、最小 、最大 ✓ 完全一致。
別解(点と直線の距離)でも ✓ 一致。
最大を与える点も確認: のとき ✓、しかも ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】 上での の値域は 。導き方は①媒介変数+合成 ②直線と円の共有点条件(点と直線の距離)のどちらでもよい。答えは不等式の形で書くこと(「最大値 」だけでは不十分)。

【よくあるミス】 の最大値だけ答えて範囲を書かないこと。もう一つは合成の振幅を ではなく としてしまうミスです。

〔Ⅰ〕(ⅲ) [ウ]二等辺三角形の辺上の点までの距離

【問題(再掲)】

三角形 ABC において とする。AB 上の点 P が を満たすとき、 を求めよ。

【型】余弦定理を2回。まず を出し、次に三角形 APC に適用して の2次方程式を作る

【なぜこうするか】
求めたい を含む三角形は 。この三角形では が分かっていて、 と同じ(P は辺 AB 上にあるので)。だから2段階で進みます。
第1段: を求める。 で余弦定理を使って

負になる——つまり は鈍角です( が2辺 に比べて長いので当然)。
第2段: で余弦定理。 とおくと

マイナス×マイナスで になるのがポイント。整理して 、解の公式より
なので正の解だけを採る。 なので ——たしかに 以下で、P が辺 AB 上にあることとも矛盾しません ✓。

解答。 について余弦定理より

とおくと、 について余弦定理より

より

[ウ]

検算(座標に置いて直接計算)。 ✓、 ✓、 ✓)と置き、A から B へ向かう単位ベクトル方向に 進んだ点を P として を解くと、 ✓ 余弦定理の結果と完全一致。
数値でも 、このとき ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】「辺上の点までの距離」は、共有する角に注目して余弦定理を2回。第1段で (の値)を確定し、第2段で求めたい長さを文字において2次方程式を作る。 が負なら符号の反転に注意。最後に「長さは正」「辺の長さ以下」で解を吟味する。

【よくあるミス】 の符号を落として としてしまうこと。もう一つは負の解 を捨て忘れることです。

〔Ⅰ〕(ⅳ) [エ] が整数になる確率

【問題(再掲)】

大小2個のさいころを同時に投げ、大きいさいころの出た目を 、小さいさいころの出た目を とする。 が整数になる確率を求めよ。

【型】 の約数」—— を固定して の候補を数える(倍数を数える)

【なぜこうするか】
が整数 の倍数。だから を先に固定して、 から までにある の倍数を数えるのが最短です。

条件をみたす 個数
11, 2, 3, 4, 5, 66
22, 4, 63
33, 62
441
551
661
合計14

と減っていくのは、 が大きいほど 以下の倍数が少ないから。自分自身しかないのが見どころです。
全事象は 通りだから

解答。目の出方は 通りで、これらは同様に確からしい。 が整数になるのは の倍数のときで、

通り。よって

[エ]

検算( 通りの全数列挙)。プログラムで 組すべてについて を判定するとちょうど 通り ✓。
別の数え方でも確認:「 を固定して の約数である を数える」と の約数の個数は で合計 ✓ 一致。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】 が整数」は「 の倍数」に読み替える。数えるときは割る数(分母)を固定するほうが、倍数が等間隔に並ぶので数えやすい。検算は「分子を固定して約数を数える」逆向きの数え方で。

【よくあるミス】 のケース( 通り)を数え忘れること。また「大小2個」なので 区別される——分母は であって ではありません。

〔Ⅰ〕(ⅴ) [オ]点 C が平面 OAB 上にある条件

【問題(再掲)】

を実数とする。座標空間において、3点 の定める平面 OAB 上に点 があるとき、 を求めよ。

【型】 と表せる(成分3本の連立方程式)。または法線ベクトルとの内積

【なぜこうするか】
解法①(一般的な解答例のルート):原点 O を通る平面上の点は、平面を張る2つのベクトルの線形結合で書けます。

これが と一致するので、成分ごとに3本の式・3つの未知数

第2式・第3式から 。第1式に代入して

解法②(法線ベクトル):平面 OAB の法線は 。成分計算すると

平面は O を通るので 。C を代入して

②のほうが圧倒的に速いので、外積を習っていれば迷わずこちら。習っていなくても とおいて を解けば同じ結果です。

解答。点 C が平面 OAB 上にあるので、実数 を用いて

と表せる。 だから

第2式より 、第3式より 。これらを第1式に代入して

よって

[オ]

(このとき 。)

検算(法線ベクトルと、実際の座標)。外積で法線 を求め、平面 を代入した C を入れると

✓ たしかに平面上。
また A, B も平面上: ✓、 ✓。
の値でも確認: ✓ C と一致。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】「原点を通る平面上にある」=2つのベクトルの線形結合で書ける(成分3本の連立)。速さを求めるなら法線ベクトル(外積)を求めて平面の方程式 に代入検算は「A も B も平面をみたすか」を確認すれば法線の計算ミスが即座に分かります。

【よくあるミス】外積の成分を1つ符号違いにすること( 成分は 順番が入れ替わる)。もう一つは連立方程式を2本だけ使って を決めてしまい、残り1本の確認を怠ることです。

〔Ⅰ〕(ⅵ) [カ]関数方程式

【問題(再掲)】

2次式 を満たすとき、 を求めよ。

【型】 とおいて係数比較。あるいは「 とおくと 」と見抜く

【なぜこうするか】
一瞬で終わる見方から紹介します。 とおくと、条件は

は2次式なので 無限個の値をとる(放物線の値域は半直線)。2つの多項式が無限個の点で一致すれば、多項式として同一です。したがって 、つまり
答案としては係数比較で書くのが確実です(一般的な解答例もこのルート)。)とおくと

  • 左辺
  • 右辺

の係数を比べると左辺 、右辺 。よって より
を入れると左辺は 、右辺は 2乗の項が消えるので

左辺の の係数は 、これが でなければならないので 。すると
よって

解答。)とおく。 と略記すると

これらが について恒等的に等しい。 の係数を比較すると であり、 より
のとき すなわち が恒等的に成り立つ。 の2次式だから、 の係数を比較して 、このとき 。よって

[カ]

検算(代入して両辺一致)。 とすると

✓ 恒等的に一致。数式処理システムで差を展開すると厳密に ✓。
具体値でも: なら ✓。
ほかに解がないことも確認済み: は係数比較から一意に決まります ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】関数方程式は「文字でおいて係数比較」が万能。次数の高い項(今回は )から順に比較すると、未知数が1つずつ確定していきます。 の最高次は という形になることを覚えておくと立式が速い。

【よくあるミス】 から と出したあと、「2次式だから 」の断りを書かないこと。もう一つは を「 に何を代入しても」ではなく「ある で」と誤解し、 の可能性を残してしまうミスです。

〔Ⅰ〕(ⅶ) [キ] に属する点

【問題(再掲)】

座標平面の3つの部分集合 (いずれも は実数)に対し、 に属する点の座標をすべて求めよ。

【型】分配法則 で2つの交点計算に分解。各集合の の制限を最後に必ず確認

【なぜこうするか】
はいずれも直線(の一部)です。左半分)、右半分)——2つ合わせると頂点 の V 字——じつは のグラフになります。 は直線 の全体。
集合の分配法則より

なので2本の交点を別々に求めて、範囲の条件をチェックするだけ。

  • より 。条件 をみたす ✓。点は
  • より 。条件 をみたす ✓。点は

この「範囲チェック」こそが本問の急所です。もし交点の が条件を外れていたら、その点は答えに入りません(今回は2つとも通過)。

解答。 である。

:直線 の交点は

これは を満たすので、点 に属する。

:直線 の交点は

これは を満たすので、点 に属する。よって

[キ]

検算(3本の式に代入)。 の式 ✓、 の式 ✓、 ✓。
の式 ✓、 の式 ✓、 ✓。
ほかに交点がないこと のグラフで、 は傾き の直線。V 字の2辺の傾きは でどちらも と異なるので、交点はちょうど2個 ✓ 過不足なし。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】集合の共通部分は分配法則で分解してから、それぞれ連立方程式を解く。直線の一部で定義された集合では「求めた交点が定義域に入っているか」の確認が必須——ここを書かない答案は減点されます。 が絶対値のグラフになることに気づくと、交点の個数も一目で分かります。

【よくあるミス】 の条件()を無視して、両方の直線と の交点を4個すべて答えてしまうこと。もう一つは 座標の計算ミス——2本の式のどちらに代入しても同じ値になるかで必ず確かめましょう。

〔Ⅱ〕【記述式】積立預金の複利——漸化式と常用対数

分野:数列(漸化式)/指数・対数 難易度:標準 目標時間:20分

【問題】

1年目の初めに新規に100万円を預金し、2年目以降の毎年初めに12万円を追加で預金する。ただし、毎年の終わりに、その時点での預金額の8%が利子として預金に加算される。自然数 に対して、 年目の終わりに利子が加算された後の預金額を 万円とする。このとき、次の問 (ⅰ)〜(ⅴ) に答えよ。ただし、 とする。

(ⅰ) をそれぞれ求めよ。

(ⅱ) を用いて表せ。

(ⅲ) を用いて表せ。

(ⅳ) を求めよ。

(ⅴ) を満たす最小の自然数 を求めよ。

【解答】

(ⅰ)  (ⅱ)  (ⅲ)
(ⅳ)  (ⅴ)
(別解による検算と全5問が一致。さらに漸化式から第14項まで直接生成して一般項と照合)

〔Ⅱ〕(ⅰ)  を求める

【問題(再掲)】

1年目の初めに100万円を預金し、2年目以降は毎年初めに12万円を追加する。毎年の終わりに、その時点での預金額の8%が利子として加算される。 年目の終わりに利子が加算された後の預金額を 万円とするとき、 をそれぞれ求めよ。

【型】「初めに入金 → 年末に 倍」を1年ぶんずつ手で追う。8%加算は

【なぜこうするか】
漸化式の問題はまず具体的に2〜3年ぶんを手で追うのが鉄則。ここで時間の流れを正しくつかんでおけば、(ⅱ) の漸化式は「今やった計算を文字で書くだけ」になります。
1年目:初めに 万円 → 年末に8%加算されるので

2年目初め 万円を追加するので、この時点の残高は 。年末に8%加算されて

「8%が加算」は を足す=。ここを としてしまうと激減してしまうので注意。
また追加の12万円にも、その年の利子がつく(年初に入れているので年末までまるまる預けている)——この読み取りが本問の核心です。

解答。1年目は初めに 万円を預け、終わりに8%の利子が加算されるから

2年目は初めに 万円を追加するので、その時点の預金額は 万円。終わりに8%の利子が加算されるから

よって (単位は万円)。

検算(内訳を分けて計算)。2年目終了時の内訳を「最初の100万円ぶん」と「2年目に足した12万円ぶん」に分けると

  • 最初の :2年ぶんの利子がついて
  • 2年目の :1年ぶんの利子がついて

合計 ✓ 一致。この「入金ごとに分けて数える」見方は (ⅲ) の一般項の別解にもなります。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】複利は「%加算 。積立の問題では「入金は年初か年末か」=その年の利子がつくかどうかを必ず確認する。具体的に2年ぶん手で追ってから漸化式を立てると、式の意味を取り違えません。

【よくあるミス】 と、12万円を利子のあとに足してしまうこと(年初の入金なので利子がつきます)。もう一つは と書き間違えるミスです。

〔Ⅱ〕(ⅱ)  で表す

【問題(再掲)】

を用いて表せ。

【型】(ⅰ) でやった1年ぶんの操作を、そのまま文字にする

【なぜこうするか】
年目に起こることは、毎年まったく同じ2ステップです。

  • 年初:前年末の残高 万円を追加 →
  • 年末:その額の8%が加算 →

よって

どちらの形で書いてもよいのですが、 の形のまま残しておくと (ⅲ) の特性方程式がきれいに立ちます(一般的な解答例もこの形)。
検算: とすると ✓ (ⅰ) と一致。

解答。 年目の初めに 万円を追加するので、その時点での預金額は 万円。 年目の終わりにその8%が利子として加算されるから

検算(第3項まで直接計算)。 から漸化式を回すと ✓、
内訳による確認: ✓ 一致。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】漸化式は「1期間で何が起きるか」を日本語で書いてから式にする。積立+複利は必ず (年初入金)または (年末入金)のどちらか。立てた漸化式に を入れて が合うかを必ず確認。

【よくあるミス】 と、追加ぶんに利子をつけ忘れること(正しくは )。この1問のミスが (ⅲ)(ⅴ) まで波及するので、 での検算は必須です。

〔Ⅱ〕(ⅲ)  で表す

【問題(再掲)】

を用いて表せ。

【型】 型は特性方程式 を等比数列にする

【なぜこうするか】
「等比×等差」ではなく「1次式の反復」。この形は不動点(特性方程式の解)を引くと等比数列になります。
特性方程式は、漸化式の を両方 に置き換えたもの:

この を使うと、漸化式は

と変形できます(実際に右辺を展開すると ✓)。つまり数列 は公比 の等比数列。初項は なので

よって
なぜ が出るのか:もし残高がずっと 万円なら、 万円足して 、8%加算で 元に戻る。この「動かない点」からのズレだけが等比的に増えていく——これが特性方程式の意味です。

解答。特性方程式 を解くと 。よって (ⅱ) の漸化式は

と変形できる。数列 は初項 、公比 の等比数列だから

したがって

検算(漸化式から第14項まで直接生成して照合)。 から漸化式を 回まわして得た値と、一般項に を代入した値を有理数のまま厳密に比較すると、14項すべて完全一致 ✓。

123101213
108129.6152.928377.73467.54517.91

別解でも確認:入金ごとに分けると 。整理すると ✓ 一致。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】)は特性方程式 の解 を引いて等比数列に特性方程式の解は「そこに来たら動かない値」という意味をもちます。検算は実際に漸化式を数回まわして一般項と比べるのが確実。

【よくあるミス】初項を と勘違いして としてしまうこと( を代入して になるか確認)。もう一つは特性方程式を と、追加ぶんの利子を落として立てるミスです。

〔Ⅱ〕(ⅳ)  の値

【問題(再掲)】

を求めよ。ただし とする。

【型】小数は分数に直し、分子を素因数分解して に分解する

【なぜこうするか】
与えられているのは だけ。だから だけで書き直すのが方針です。

という素因数分解が急所。これさえ見えれば

値を入れて
値の妥当性——たしかに にほぼ等しい ✓。「利率8%なら は約 は覚えておくと (ⅴ) の見積もりが速くなります。

解答。

だから

検算(逆算と分数計算)。厳密に分数で計算すると ✓ ぴったり(丸め誤差なしで割り切れる)。
逆算:、真の 。与えられた近似値から得た 小数第4位まで妥当 ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】常用対数の値を求めるときは「与えられた だけで表せる形」に分解する。 あたりは頻出なので即答できるように。

【よくあるミス】 までで止まって素因数分解を誤ること。もう一つは 割り算にしてしまうミス(正しくは引き算)。

〔Ⅱ〕(ⅴ)  を満たす最小の自然数

【問題(再掲)】

を満たす最小の自然数 を求めよ。

【型】指数不等式は両辺の常用対数をとる。底が なので不等号の向きはそのまま

【なぜこうするか】
(ⅲ) の一般項を代入して整理します。

ときれいな値になるのは、 という一見中途半端な数がそう設計されているから。約分してきれいになったら方針が正しい合図です。
両辺の常用対数をとると(底 なので不等号の向きは変わらない)

ここで 。(ⅳ) の を使って

なので 、すなわち 。求める最小の自然数は
と分数で書くと、 の間であることが確実に示せます。)

解答。(ⅲ) より

両辺の常用対数をとると、底 より不等号の向きは変わらず

だから

だから、これを満たす最小の自然数 。よって求める最小の自然数は

検算(実際の値を直接計算)。一般項に代入すると

  •  → 以下 ✓
  •  → を超える ✓

ちょうど12年目と13年目の間で境界をまたぐことが数値でも確認できました ✓。
また ✓ 対数を使わずとも同じ結論。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】 型は両辺の常用対数をとって 底が より大きければ不等号はそのまま、小さければ反転。最後は「その値が何と何の間の整数か」を明示してから最小の自然数を答える。求めた の両方で元の不等式を確かめると確実です。

【よくあるミス】 から の切り上げを誤って としてしまうこと( なので )。もう一つは の指数を と読み違えるミスです。

〔Ⅲ〕【記述式】放物線の接線・垂線・対称点——じつは焦点と準線の話

分野:微分積分(数学II)/図形と方程式 難易度:やや難 目標時間:25分

【問題】

を正の実数とする。O を原点とする座標平面上の放物線 上の点 における接線を 、P を通り 軸に垂直な直線を とする。また、 上の点 を通り、 に垂直な直線を とし、 の交点を R とする。さらに、 に関して Q と対称な点を S とする。このとき、次の問 (ⅰ)〜(ⅴ) に答えよ。

(ⅰ) の方程式を を用いて表せ。

(ⅱ) の方程式および R の座標をそれぞれ を用いて表せ。

(ⅲ) S の座標を求めよ。

(ⅳ) を対称軸として、 に関して と対称な直線 の方程式を を用いて表せ。また、 の交点のうち P と異なる点を T とするとき、T の 座標を を用いて表せ。

(ⅴ) (ⅳ) の T に対して、線分 ST、線分 OS および で囲まれた部分の面積を を用いて表せ。

【解答】

(ⅰ)  (ⅱ)  (ⅲ)
(ⅳ) 、T の 座標は  (ⅴ)
(別解による検算と全5問が一致。さらに面積は の4通りで200万分割の数値積分と照合)

〔Ⅲ〕(ⅰ) 接線 の方程式

【問題(再掲)】

放物線 上の点 における接線 の方程式を を用いて表せ。

【型】接線は「微分して傾き → 点を通る直線の式」。

【なぜこうするか】
を微分すると での傾きは 。点 を通るので

定数項が ——これは接点の 座標の符号を変えたものです。放物線 の接線は必ず の形になり、 切片が (接点の 座標)になる、という性質があります。検算に使えます。

解答。 の両辺を で微分すると だから、点 P における接線の傾きは 。よって

検算(重解条件と具体値)。 を連立すると 、すなわち が重解——たしかに接している ✓。
なら 。傾き ✓、 ✓ P を通る。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】接線は 。放物線なら「連立して重解になるか」で必ず検算できます。 の接線の 切片は (接点の 座標のマイナス)。

【よくあるミス】 の展開で などと誤ること。分数の引き算は通分してから

〔Ⅲ〕(ⅱ)  の方程式と R の座標

【問題(再掲)】

上の点 を通り に垂直な直線を とし、 の交点を R とする。 の方程式および R の座標をそれぞれ を用いて表せ。

【型】垂直な直線の傾きは「元の傾きの逆数の符号違い」。交点は連立

【なぜこうするか】
の傾きは より なので、垂直な直線 の傾きは (積が )。Q を通るから

切片がちょうど になる——しかも に依存しません。この が (ⅲ) の答え S と同じ点であることに、ここで気づけると先が読めます(じつは この放物線の焦点)。
交点 R は を連立して

両辺に を掛けると 、整理して 。左辺は なので

が約分で消えるのが気持ちいいところ。 座標は に代入して ——R は 軸上です。

解答。 の傾きは だから、 に垂直な直線 の傾きは を通るので

R は の交点だから

このとき だから

検算(垂直条件と具体値)。傾きの積 ✓ 垂直。
、交点は より すなわち 。公式の ✓。
、交点 より ✓、 ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】垂直 傾きの積が 。交点は連立してから分母をはらう(今回は )。共通因数()が現れたら約分できる合図——きれいに消えたら計算が正しい証拠です。

【よくあるミス】 の傾きを としてしまうこと(逆数にするのを忘れる)。もう一つは Q の 座標 と読み違えるミスです。

〔Ⅲ〕(ⅲ) S の座標

【問題(再掲)】

に関して Q と対称な点を S とする。S の座標を求めよ。

【型】「対称点」=「垂線の足が中点」。R がすでに垂線の足なので

【なぜこうするか】
点 Q の直線 に関する対称点 S とは、「線分 QS の中点が 上にあり、かつ QS が に垂直」な点のこと。
ここで(ⅱ) が完璧な下ごしらえになっています。 は Q を通り に垂直な直線、R は の交点——つまりR は Q から に下ろした垂線の足。したがってR は線分 QS の中点です。
とおくと

よって S に依存しない——ここが本問の山場です。
なぜ によらないのか、つまり より の標準形で、焦点 ・準線 をもつ放物線です。問題の Q準線上の点。放物線には「準線上の点を接線で折り返すと焦点に来る」という美しい性質(=反射の法則)があり、S はまさにその焦点。パラボラアンテナが平行光線を1点に集めるのと同じ原理です。

解答。 は Q を通り に垂直な直線で、R は の交点だから、R は Q から に下ろした垂線の足。S は に関して Q と対称な点だから、線分 QS の中点が R である。 とおくと

より 。よって

の値によらず一定。)

検算(対称性の2条件を直接確認)。 のとき
① 中点 上: ✓。
の方向ベクトル の内積は ✓ 垂直。
。中点は ✓、 と方向 の内積 ✓。
どの でも S が であることが確認できました ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】直線に関する対称点は「垂線の足が中点」。垂線の足がすでに求まっていれば 1行で出ます。 は焦点 ・準線 ——この背景を知っていると答えの形を予測できます。

【よくあるミス】中点の式を と符号を誤ること。もう一つは「対称点」を「 軸に関する対称点」と混同するミスです。

〔Ⅲ〕(ⅳ)  の方程式と T の 座標

【問題(再掲)】

を対称軸として、 に関して と対称な直線 の方程式を を用いて表せ。また、 の交点のうち P と異なる点を T とするとき、T の 座標を を用いて表せ。

【型】直線の対称移動は「その直線上の2点の像」で決まる。 上の点は動かない

【なぜこうするか】
直線 を折り返した像 を求めるのに、すべての点を写す必要はありません 上の2点の像を求めれば、それを結んだ直線が です。
うまい2点の選び方:

  • 点 P:P は 上にあり、同時に(接点なので)。対称軸上の点は動かないので、像も P。
  • 点 Q:Q は 上( の縦線で、Q はその上)。像は (ⅲ) で求めた S

よって は P と S を通る直線。傾きは

S を通るので 切片は 。したがって
次に T。 の交点は

ここで解と係数の関係を使うのが最短です。2解の積は 。1つの解が (P の 座標)と分かっているので、もう一方は

因数分解の形でも確認できます: ✓ 一致。
が一定——これは「焦点を通る弦(焦点弦)では2つの接点の 座標の積が一定」という放物線の有名な性質です。

解答。P は 上にあるので に関する対称移動で動かず、像は P 自身。また Q は 上の点で、その像は (ⅲ) より S。よって は2点 P、S を通る直線であり

の交点の 座標は

より 。P の 座標が だから、T の 座標は

検算(具体値と、T が 上にあること)。 の傾きは 、すなわち 水平線)。 との交点は より 。P の だから T の ✓。
より 。T の ✓。
数式処理システムでも交点は ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】直線の対称移動は「その上の2点の像」で決める対称軸上の点は動かないので、直線が対称軸と交わる点は最優先で使う。交点の一方が分かっているときは解と係数の関係(2解の積・和)でもう一方を出すのが最速です。

【よくあるミス】(縦線 )を折り返したものも縦線だと思い込むこと(対称軸が傾いているので像は傾きます)。もう一つは2次方程式を解の公式で解こうとして計算が破綻すること—— が解だと分かっているので因数分解できます。

〔Ⅲ〕(ⅴ) 線分 ST、線分 OS、および で囲まれた部分の面積

【問題(再掲)】

(ⅳ) の T に対して、線分 ST、線分 OS および で囲まれた部分の面積を を用いて表せ。

【型】「上の線 下の線」を交点から交点まで積分。積分区間の端は

【なぜこうするか】
まず領域の形を押さえるのが先決です。3つの境界線は

  • 線分 OS を結ぶ—— 軸上の縦線分
  • 線分 ST を結ぶ——直線 の一部
  • 曲線 :O から T までの放物線の弧

より T の 座標 。つまり領域は 軸の左側にあります。この範囲では上が直線 、下が放物線 。したがって

ここでの工夫:被積分関数は (ⅳ) の因数分解を使って

と書けます(2つの交点が だから)。ただし積分区間は から までで、もう一方の交点 までではないので、 公式はそのままでは使えません。素直に展開して積分します。

原始関数は では

よって
なので、中かっこは 。したがって

解答。 より T の 座標 は負であり、 において直線 は放物線 の上側にある。求める面積は

図( の場合)。 では がちょうど水平線 になり、領域の形がいちばん見やすくなります。青の曲線が 、赤が接線 、緑が 、紫の太線が線分 OS と線分 ST、水色の部分が求める面積です。

PQRSTOCmm′ln

検算( を4通り変えて 万分割の数値積分)。公式 と、実際に数値積分した値を比べました。

公式の値数値積分
25.333333325.3333333
4.66666674.6666667
1.33333331.3333333
0.76543210.7654321

4通りすべて小数第7位まで一致 ✓。
手計算でも確認: のとき なので面積は 。公式は ✓ 一致。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】囲まれた面積は「上 下」を交点から交点まで積分まず領域の位置( 軸の左か右か)を確認してから積分区間を決める。 公式は「2つの交点を端とする区間」でしか使えない——今回のように片端が交点でないときは素直に展開して積分します。

【よくあるミス】積分区間を から までとしてしまうこと(それは が囲む領域全体で、本問の領域ではありません)。もう一つは の符号ミスです。

この冊子で身につけたい「型」一覧
  • 混在の2次式は片方に統一 → 置き換えたら範囲 を必ず書く
  • 単位円上の の値域は (合成でも点と直線の距離でも)
  • 辺上の点までの距離は余弦定理を2回 の符号に注意)
  • が整数」は「 の倍数」——分母を固定して数える
  • 平面上の点は2ベクトルの線形結合、または法線ベクトルとの内積
  • 関数方程式は係数を文字でおいて最高次から比較
  • 集合の共通部分は分配法則で分解し、定義域のチェックを忘れない
  • 複利は 、年初入金なら
  • は特性方程式の解を引いて等比数列に
  • 常用対数は与えられた だけで表せる形に素因数分解
  • 指数不等式は両辺の常用対数(底 なら不等号そのまま)
  • 接線は微分して傾き、検算は「連立して重解」
  • 直線に関する対称点は「垂線の足が中点」
  • 直線の対称移動は「2点の像」で決める(対称軸上の点は動かない)
  • 交点の一方が既知なら解と係数の関係でもう一方を出す
  • 面積は「上 下」を積分。 公式は両端が交点のときだけ

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〔Ⅰ〕【空所補充】指数方程式・極値・格子点・整数解・反復試行

分野:指数関数/微分/整数/2次方程式/確率 難易度:標準〜やや難 目標時間:25分

【問題】

下記の空欄ア〜オにあてはまる数を解答用紙の所定欄に記入せよ。

(ⅰ) 方程式 を解くと [ア]である。

(ⅱ) 関数 で極値をとるとき、[イ]である。

(ⅲ) 座標平面上の2点 について、線分 OP 上にある点 が共に整数であるものの個数は[ウ]である。ただし、線分 OP は両端点を含むものとする。

(ⅳ) とする。 に関する方程式

が整数解を持つとき、 の値は[エ]である。

(ⅴ) 表の出る確率が 、裏の出る確率が のコインを投げて、表が出たら 点を加え、裏が出たら 点を加える、というルールのゲームを行う。0点から始めて5回コインを投げ終わったとき、得点が3点以上となる確率は[オ]である。

【解答】

 イ  ウ  エ  オ
(立教大学はこの日程の解答を公表していないため、数式処理システムでの再計算・ 点の直接数え上げ・ 通りの全数列挙で二重検算しています)

〔Ⅰ〕(ⅰ) [ア]指数方程式

【問題(再掲)】

方程式 を解け。

【型】 と置いて2次方程式に。指数法則で

【なぜこうするか】
指数方程式は をひとかたまりと見るのが基本。ポイントは指数法則で「係数」と「 の次数」を正しく分離することです。

ではない)——ここが最大の落とし穴です。代入すると

なので 不適 より 、すなわち
の断り」を書かないと減点されます。置き換えたら必ず範囲を書く、というのは前の冊子でも繰り返した鉄則です。

解答。 とおくと であり、 だから

より 。よって であり

[ア]

検算(元の式に代入)。 を代入すると

✓ 成立。数式処理システムでこの方程式を解いても実数解は のみ ✓。
念のため ✓ 他に解はありません。

【定石】指数方程式は と置換して代数方程式に。指数法則 紙に書いてから代入する。 による解の吟味は必須。

【よくあるミス】 などと誤ること(正しくは )。もう一つは を捨て忘れ、「解なし」の場合まで書いてしまうことです。

〔Ⅰ〕(ⅱ) [イ] で極値

【問題(再掲)】

関数 で極値をとるとき、 を求めよ。

【型】極値をとる 。合成関数の微分ののち因数分解して、どの因子が になるかを見極める

【なぜこうするか】
を内側の関数として合成関数の微分をします。

共通因数 でくくるのが決定的です。

では なので、 となるには残る因子が

有理化を忘れずに:
なお は極値の必要条件にすぎない」ので、本来は前後で符号が変わることの確認が要ります。この のとき因子 の前後で符号が変わるので、たしかに極値(極大)です。

解答。

で極値をとるので だから

[イ]

検算(実際に値を並べて極大を確認)。 として の前後で動かすと

0.148790.161890.1666670.161560.14626

で山になっている ✓ たしかに極大値をとります。値も ✓ ぴったり一致。
数式処理システムでも と同じ因数分解が得られました ✓。

【定石】 の多項式の微分は「共通因数 でくくる」と、どの条件が効くかが一目で分かる。極値の条件は 、ただし十分性(符号変化)の確認まで書けると満点。最後は分母の有理化を忘れずに。

【よくあるミス】内側の微分 を掛け忘れること。もう一つは のまま答えて有理化しないことです。

〔Ⅰ〕(ⅲ) [ウ]線分 OP 上の格子点の個数

【問題(再掲)】

座標平面上の2点 について、線分 OP 上にある点 が共に整数であるものの個数を求めよ(線分 OP は両端点を含む)。

【型】原点から までの線分上の格子点は

【なぜこうするか】
線分 OP 上の点は )と表せます。両方が整数になる を数えればよい。
とおき、 は互いに素)とすると、格子点は の整数倍、すなわち

。「 番目から 番目まで」なので を忘れないこと。
あとは の計算です。素因数分解してみると

共通部分は に気づけるかがすべて( 年の入試らしい仕掛けです)。ユークリッドの互除法でも

と3行で が出ます。よって格子点は 個。

解答。ユークリッドの互除法により

であり 。線分 OP 上の点は )と表され、両座標が整数になるのは )のとき、すなわち点

のときに限る。よって個数は

[ウ]

検算( 点を直接数え上げ)。 のすべてについて が整数かどうかを機械的に判定すると、ちょうど ✓。
素因数分解でも確認: より ✓ 互除法と一致。
両端の確認: が O、 P ✓ 両端点も含まれています。

【定石】原点と を結ぶ線分上の格子点は (両端含む)。一般に なら は互除法か素因数分解—— は覚えておくと得です。

【よくあるミス】 を忘れて と答えること(端点が2つとも入る)。もう一つは だけにしてしまうミスです。

〔Ⅰ〕(ⅳ) [エ]2次方程式が整数解をもつ

【問題(再掲)】

とする。 に関する方程式 が整数解を持つとき、 の値を求めよ。

【型】整数解を とおいて について解き、 をみたす を絞り込む

【なぜこうするか】
「整数解をもつ」型の定番は「その整数解を とおいて代入し、パラメータについて解く」。すると

これは について上に凸の2次関数。頂点は で最大値 が頂点から離れるほど急激に小さくなるので、 をみたす ごく少数のはず——実際に並べてみます。

に入るのは のときの だけ では となり、さらに離れるほど小さくなるので候補はありません。

解答。整数解を とすると 、すなわち

これは について上に凸で、頂点は が整数のとき の値は上の表のとおりで、 または では 。よって をみたすのは のときのみで

[エ]

検算(実際に方程式を解く)。 のとき方程式は

解は が整数解 ✓。
の範囲をすべて調べても、 をみたすのは の1組だけ ✓。
念のため わずかに範囲外——ここが引っかけです ✓。

【定石】「整数解をもつ」はその解を とおいてパラメータについて解く。得られた式が の2次関数なら頂点からの距離で急減するので、候補は数個に絞れます。表を書いて範囲の内外を機械的に判定するのが確実。

【よくあるミス】 を「 に近いからよい」と入れてしまうこと( を満たさない)。もう一つは判別式が平方数になる条件で攻めて計算が煩雑になることです。

〔Ⅰ〕(ⅴ) [オ]5回で得点が3点以上となる確率

【問題(再掲)】

表の出る確率が 、裏の出る確率が のコインを投げて、表なら 点、裏なら 点を加える。0点から始めて5回投げ終わったとき、得点が3点以上となる確率を求めよ。

【型】「表の回数 」だけで得点が決まる。得点 を作ってから反復試行の確率

【なぜこうするか】
5回のうち表が 回なら裏は 回。得点は

得点は の1次式なので、条件「得点 」は

単純な の条件に化けます。 から の整数なので の2通りだけ。あとは反復試行の確率

を足すだけです。

合計
得点の偶奇にも注目 は必ず奇数なので、得点は しかとりません。「3点以上」は実質「 点または 点」です。

解答。5回のうち表が 回出たとすると裏は 回で、得点は 。得点が3点以上となるのは

すなわち のとき。反復試行の確率より

[オ]

検算( 通りの全数列挙)。表裏の並び方 通りすべてについて得点を計算し、3点以上のものの確率を足し合わせると厳密に ✓ 一致()。
全体の合計も確認 の確率は で、合計 ✓。
値の妥当性:表が出やすいコイン()なので、表が4回以上出る確率が約 というのは自然です ✓。

【定石】「得点」型の反復試行は、まず得点を回数の式で表す(今回は )。条件が の不等式に化ければ、あとは反復試行の確率 の和。検算はすべての の確率を足して になるかで。

【よくあるミス】得点を (表の回数)そのものと勘違いして としてしまうこと(裏で 点されるので )。もう一つは と誤ることです。

〔Ⅱ〕【記述式】四面体と空間ベクトル——係数の和で「平面上」を判定する

分野:空間ベクトル 難易度:やや難 目標時間:25分

【問題】

および とする。座標空間内の四面体 OABC において、線分 AC の中点を D、線分 BC の中点を E とし、線分 DE を に内分する点を P とする。また、線分 OP を に内分する点を Q とし、R を を満たす点とする。 とおいたとき、次の問 (ⅰ)〜(ⅳ) に答えよ。

必要ならば、空間におけるどのようなベクトル も3つの実数 を用いて の形にただ1通りに書けることは、証明せずに用いて良い。

(ⅰ) を用いて表せ。

(ⅱ) を用いて表せ。

(ⅲ) R が平面 OAB 上にあるとき、 を用いて表せ。

(ⅳ) 線分 OA の中点を F、線分 OB の中点を G とする。R が線分 FG 上にあるときの の値を求めよ。

【解答】

(ⅰ)
(ⅱ)  (ⅲ)  (ⅳ)
を基本ベクトルに置いた成分計算で全式を再現し、数式処理システムで一致を確認)

〔Ⅱ〕(ⅰ) 

【問題(再掲)】

線分 AC の中点を D、線分 BC の中点を E、線分 DE を に内分する点を P とする。 を用いて表せ。

【型】内分点の公式 に内分)。比の「どちらが分子か」に注意

【なぜこうするか】
中点は平均なので即座に

P は線分 DE を に内分——つまりD 側に近い(DP : PE = 1 : 2)。内分点の公式は「向こう側の比を掛ける」ので

D の係数が (P が D に近いほど D の重みが大きい)——ここを逆にするミスが非常に多い。代入すると

係数の和が ——これは P が平面 ABC 上にあることを意味します(D も E も平面 ABC 上だから当然)。係数の和が かどうかは、この先ずっと使う強力な検算道具です。

解答。D は AC の中点、E は BC の中点だから

P は線分 DE を に内分する点だから

検算(成分計算と係数の和)。 と置いて計算すると ✓ 完全一致。
係数の和 ✓ P は平面 ABC 上——D、E がともに平面 ABC 上にあることと整合 ✓。
比の確認。たしかに ✓。

【定石】内分点は「反対側の比を重みにした加重平均」 に内分する点は 係数の和が なら、その点は3点が張る平面上——空間ベクトルではこの判定を常に意識する。

【よくあるミス】 の内分で 重みを逆にすること。「 なら D 寄り、だから D の係数が大きい」と図で確かめる習慣をつけましょう。

〔Ⅱ〕(ⅱ)  で表す

【問題(再掲)】

線分 OP を に内分する点を Q とし、R を を満たす点とする。 を用いて表せ。

【型】 は「和が 」なので 。C 起点のベクトル関係は に直す

【なぜこうするか】
まず Q。線分 OP を に内分するので

比の和がちょうど になるように与えられている——出題者の親切で、単に 倍すればよいのです。よって

次に R。条件 「C を起点にして Q の方向へ 倍伸ばした点が R」という意味。 を使って O 起点に直すと

この形は「C と Q を通る直線上の点」の一般形(係数の和が )。代入して

解答。Q は線分 OP を に内分する点だから

すなわち より

検算(成分計算と特別な値)。基本ベクトルに置いた成分計算でも ✓ 一致。
のとき(R と Q が一致): ✓。
のとき(R が C に一致): ✓。2つの特別値で正しく退化するので式は正しい ✓。
係数の和も確認:(Q が P と一致)なら和は となり、R は平面 ABC 上 ✓ 妥当です。

【定石】 に内分」=そのまま (比の和が のとき)。始点が O 以外のベクトル条件は で O 起点に直す。得られた式は特別な値( など)で退化を確認すると検算になります。

【よくあるミス】 と、始点の付け替えを忘れて変形すること。 の項が落ちると (ⅲ) 以降が全滅します。

〔Ⅱ〕(ⅲ) R が平面 OAB 上にあるときの

【問題(再掲)】

R が平面 OAB 上にあるとき、 を用いて表せ。

【型】平面 OAB 上 の係数が だけで書ける)

【なぜこうするか】
平面 OAB は原点 O を通り が張る平面。その上の点は の形に書けます。問題文が保証している の表し方はただ1通り」 が一次独立)という事実から、

R が平面 OAB 上にある の係数が

(この一意性の断りを書くことが、記述式では重要な得点源です。)したがって

より なので割れて

条件 との整合も確認しておきましょう。 のとき なので ——たしかに ✓ 問題の設定と矛盾しません。

解答。 を用いた表し方はただ1通りだから、R が平面 OAB 上にあることは の係数が であることと同値。よって

より すなわち だから

(このとき より で、条件 を満たす。)

検算(具体値と成分計算)。 のとき 。このとき の係数は ✓。
のとき の係数は ✓。
数式処理システムでも ✓ 一致。
このとき と、たしかに だけで書けます ✓。

【定石】「平面 OAB 上」= の係数が 「平面 ABC 上」= 係数の和が 。この2つは空間ベクトルの二枚看板です。一次独立(表し方の一意性)を根拠として明記すること。

【よくあるミス】「平面 OAB 上」を「係数の和が 」と混同すること(それは平面 ABC の条件)。もう一つは について解くときに符号を誤って としてしまうミスです( にならないのですぐ気づけます)。

〔Ⅱ〕(ⅳ) R が線分 FG 上にあるときの

【問題(再掲)】

線分 OA の中点を F、線分 OB の中点を G とする。R が線分 FG 上にあるときの の値を求めよ。

【型】直線 FG 上 の係数の和に注目すると一発

【なぜこうするか】
(ⅲ) より R は平面 OAB 上にあり

ここで とおくと
一方、 なので、直線 FG 上の点は

ここで係数の和を見るのが最短ルートです。右辺の係数の和は によらず一定。左辺(R)の係数の和は 。よって

なぜ係数の和が効くのか:直線 FG は「 の係数の和が である点の集合」——これは平面 OAB の中での「係数の和が一定」の判定、つまり(ⅰ) で使った「平面 ABC 上なら和が 」と同じ原理です。
最後に「線分」FG 上(端点も含む区間内)であることの確認: のとき 。これを と比べると なのでたしかに線分上 ✓。また をみたす ✓。

解答。(ⅲ) より で、このとき

R が線分 FG 上にあるとき、実数 を用いて

の表し方は一意だから、係数を比較して

辺々加えると 、すなわち 。よって

このとき を満たし、 を満たす。

検算(成分で完全再現)。 を基本ベクトルに置いて とすると

として ✓ 完全一致()。
数式処理システムで の連立を解くと解は のただ1組 ✓。
さらに の係数も ✓ 平面 OAB 上であることも保たれています。

【定石】直線 FG 上の点は (係数の和が )。F、G が O から見て 倍の位置なら、 の係数の和が で一定——係数の和を取るだけで未知数 が消えるのが最速ルートです。最後に「線分上」なので の確認を忘れずに。

【よくあるミス】 を消さずに2本の式を連立して計算を複雑にすること(足すだけで消えます)。もう一つは「直線 FG 上」で止めて を確認しないことです。

〔Ⅲ〕【記述式】反比例のグラフ と直線

分野:微分積分(数学III)/2次方程式の解の配置 難易度:やや難 目標時間:25分

【問題】

座標平面上の曲線

で定める。また、 を正の数とし、点 における の接線を とする。さらに、 を実数とし、直線 とする。このとき、次の問 (ⅰ)〜(ⅴ) に答えよ。

(ⅰ) の方程式を求めよ。

(ⅱ) が原点を通るとき、 の値を求めよ。

(ⅲ) が異なる2点 P、Q を共有するとき、 の値の範囲を求めよ。

(ⅳ) (ⅲ) のとき、Q の 座標 は P の 座標 よりも大きいとする。 であるときの の値を求めよ。

(ⅴ) (ⅳ) のとき、 と直線 で囲まれる図形の面積 を求めよ。

【解答】

(ⅰ)  (ⅱ)  (ⅲ)  (ⅳ)  (ⅴ)
(数式処理システムでの再計算と、 万分割の数値積分で二重検算。 の範囲は境界値を含めた7通りで解の個数を実測)

〔Ⅲ〕(ⅰ) 接線 の方程式

【問題(再掲)】

曲線 上の点 における接線 の方程式を求めよ。

【型】 と直して微分。

【なぜこうするか】
分数関数の微分は指数を負にして の形に直すのが基本。

での傾きは 。接点 を通るので

となって、もとの と合わさり 。よって

反比例のグラフの接線は 切片が「接点の 座標の2倍+定数のずれ」になる、という覚え方もできます( 単体なら 切片は接点の 座標のちょうど2倍)。

解答。 より 。よって点 における接線の傾きは であり

検算(接点を代入・具体値)。 を代入すると ✓ 接点を通る。
。接点は ✓、傾きは ✓。
。接点 ✓。
数式処理システムでも同じ式 ✓。

【定石】分数関数は負の指数に直して微分。接線は 検算は を代入して接点の 座標に戻るかを見るのが最速です。

【よくあるミス】マイナスを落とすこと。もう一つは定数 を微分に残してしまうミスです。

〔Ⅲ〕(ⅱ)  が原点を通るときの

【問題(再掲)】

が原点を通るとき、 の値を求めよ。

【型】「原点を通る」= 切片が 。(ⅰ) の式の定数項を とおくだけ

【なぜこうするか】
(ⅰ) より を代入した値( 切片)が になればよいので

という条件もみたしています ✓。
この のとき接線の傾きは この が (ⅲ) の答えの境界値として再登場します——原点を通る直線 接するときの傾きだからです。(ⅱ) は (ⅲ) への伏線だったわけです。

解答。 が原点を通るのは 切片が のとき、すなわち

これは を満たす。よって

検算(接線を書き出して原点を確認)。 のとき接点は 、傾きは 。接線は

✓ たしかに原点を通る( 切片 )。
また接点で と接することの確認: を整理すると 、すなわち の重解 ✓ たしかに接しています。

【定石】「原点を通る」は定数項 直前の小問の答えが次の小問の境界値になるのは入試の頻出パターン——(ⅱ) で得た傾き を覚えておくと (ⅲ) が一瞬で終わります。

【よくあるミス】 から 逆数にしてしまうこと。もう一つは接線の式ではなく曲線 に原点を代入してしまうミスです。

〔Ⅲ〕(ⅲ)  が異なる2点を共有する の範囲

【問題(再掲)】

が異なる2点 P、Q を共有するとき、 の値の範囲を求めよ。

【型】連立して2次方程式に。 の制限つきなので「異なる2つの正の解」=判別式・和・積の3条件

【なぜこうするか】
連立すると

なので両辺に を掛けてよい。) の定義域が なので、「異なる2つの正の解をもつ」が条件です。
まず のとき で解は1つだけ。よって で、2次方程式として3条件を課します。

  • 判別式
  • 2解の積
  • 2解の和(積の条件と同じ)

まとめると
境界の意味 はまさに (ⅱ) で求めた原点を通る接線の傾き——接するので共有点は1つになり除外。 軸で、共有点は1つ。グラフで見ると、 を原点まわりに回転させたとき、接線 軸の間の傾きでだけ2点で交わるのです。

解答。 の共有点の 座標は、 のもとで

を満たす。 のときは の1個だけなので不適。 のとき、この2次方程式が異なる2つの正の解をもてばよいから、2解を として

(判別式)

第1式より 、第2式・第3式よりいずれも 。よって

検算(境界をまたぐ7通りで解を実測)。 を変えて実際に の正の解を求めました。

正の解個数
なし(実数解なし)0
(重解)1
2
2
2
1
1

ちょうど の内側だけが2個 ✓ 境界の は重解(接する)、 は1個 ✓ 求めた範囲は正しい。

【定石】定義域つきの共有点問題は「その範囲での解の個数」に翻訳異なる2つの正の解=〈判別式 〉かつ〈和 \〉かつ〈積 〉の3点セット。2次の係数が になる場合を別扱いするのを忘れない。

【よくあるミス】判別式だけで と答えてしまうこと( では正の解が1個しかない)。もう一つは の場合分けを飛ばすことです。

〔Ⅲ〕(ⅳ)  となる

【問題(再掲)】

(ⅲ) のとき、Q の 座標 は P の 座標 よりも大きいとする。 であるときの の値を求めよ。

【型】差は直接出せないので と解と係数の関係に持ち込む

【なぜこうするか】
解の公式で2解を書き下してもよいのですが、差の2乗の恒等式を使うほうが圧倒的に速い。

解と係数の関係より だから

両辺に を掛けて

よって または (ⅲ) の範囲 をみたすのは だけ ✓)。 は不適。
この「範囲による選別」が (ⅲ) を解かせた理由です。

解答。 の2解だから、解と係数の関係より

より

両辺に を掛けて整理すると

(ⅲ) より だから

検算(実際に解いて差を確認)。 のとき方程式は 、すなわち

解は ともに正で、差はちょうど ✓()。
のとき: より 、解は 。差は だが負の解を含むので 上の点にならない——たしかに不適 ✓。
共有点の座標も確認: 上: ✓、 ✓。 上: ✓、 ✓。

【定石】2解の差は で解と係数の関係へ。解の公式で書き下すよりずっと計算が軽い。得られた候補は前問で求めた範囲でふるいにかけるのを忘れずに。

【よくあるミス】 を「差が だから」と採用してしまうこと((ⅲ) の範囲外=共有点が2つにならない)。もう一つは の分母をはらうときに ではなく を掛けてしまうミスです。

〔Ⅲ〕(ⅴ)  と直線 で囲まれる図形の面積

【問題(再掲)】

(ⅳ) のとき、 と直線 で囲まれる図形の面積 を求めよ。

【型】「上 下」を2交点の間で積分。 の積分は

【なぜこうするか】
(ⅳ) より 、交点の 座標は どちらが上かを代表点で判定します。 のとき

  • 直線
  • 曲線

直線のほうが上)。よって

原始関数は なので絶対値は不要)。値を入れると

差をとると

と一気にまとまるのが気持ちいいところ。答えは 正の値になっていることも確認しておきましょう(面積なので当然)。

解答。(ⅳ) より 、共有点の 座標は では(たとえば だから)直線 が曲線 の上側にある。よって

検算( 万分割の数値積分と桁の確認)。区間 万分割して被積分関数 を数値積分すると 。理論値 小数第10位まで一致
数式処理システムでも ✓ 一致()。
面積の大きさの妥当性:領域の横幅は 、縦の最大の隔たりは 付近で 。おおよそ「幅 、高さ最大 の弓形」なので 程度は自然 ✓。

【定石】面積は「上 下」を交点から交点まで積分。上下の判定は区間内の代表点1つを代入すれば十分。(定義域が なら絶対値不要)。最後は対数を1つにまとめると答えがきれいになります。

【よくあるミス】上下を逆にして と負の値を答えること。もう一つは の符号処理を誤って などとしてしまうミスです。

この冊子で身につけたい「型」一覧
  • 指数方程式は と置換 に注意し、 で吟味)
  • の多項式の微分は共通因数 でくくる/極値は +符号変化
  • 原点と を結ぶ線分上の格子点は
  • 「整数解をもつ」は解を とおいてパラメータについて解き、表で絞る
  • 「得点」型の反復試行は、得点を回数の1次式で表してから条件を の不等式に
  • 内分点は「反対側の比を重みにした加重平均」
  • 係数の和が =平面 ABC 上/ の係数が =平面 OAB 上
  • 始点が O 以外のベクトル条件は で O 起点に直す
  • 直線 FG 上は「係数の和が一定」——足すだけで媒介変数が消える
  • 分数関数は負の指数に直して微分
  • 定義域つきの共有点は「異なる2つの正の解」=判別式・和・積の3条件
  • 2解の差は /候補は前問の範囲でふるう
  • )、最後に対数を1つにまとめる

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〔Ⅰ〕【空所補充】円に内接する四角形・剰余・対数・外心・複素数・ベクトル・漸化式

分野:図形と計量/整式/対数/図形と方程式/複素数/ベクトル/数列 難易度:標準 目標時間:30分

【問題】

下記の空欄ア〜クにあてはまる数または式を解答用紙の所定欄に記入せよ。

(ⅰ) 円に内接する である四角形 ABCD において、[ア]である。

(ⅱ) 整式 で割った余りは[イ]である。

(ⅲ) に対して、 は整数であり、その値は[ウ]である。

(ⅳ) 座標平面上の3点 を頂点とする三角形 OAB の外心の座標は[エ]である。

(ⅴ) に対して、 とする。このとき、[オ]、[カ]である。ただし、 は虚数単位とし、 は実数とする。

(ⅵ) を満たす2つのベクトル が作る平行四辺形の面積は[キ]である。

(ⅶ) 数列 を満たすとする。自然数 を2で割った商を としたとき、 を用いて表すと[ク]である。

【解答】

 イ  ウ  エ  オ  カ  キ  ク
(別解による検算と全8問が一致)

〔Ⅰ〕(ⅰ) [ア]円に内接する四角形の

【問題(再掲)】

円に内接する である四角形 ABCD において、 を求めよ。

【型】対角線を「2通りの余弦定理」で表す。円に内接

【なぜこうするか】
円に内接する四角形の鉄板ルートは「対角線 BD を2通りに表して等式を作る」です。BD は の共通の辺なので、両方で余弦定理を使えます。

ここで円に内接する四角形の対角の和は (円周角の定理から)。よって

この置き換えで未知数が 一つになります。第2式は 。等式を作って

負の値—— は鈍角です。A のまわりの辺()が短く、対辺側()が長いので納得できます。

解答。 に余弦定理を適用すると

四角形 ABCD は円に内接するから すなわち 。よって に余弦定理を適用すると

したがって

[ア]

検算(BD の値と四角形の成立)。 を代入すると 、もう一方でも ✓ 一致。
三角不等式の確認 ✓、 ✓ どちらも成立。
となり で和は ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】円に内接する四角形は「対角線を2通りの余弦定理で表す」対角の和が なので は符号反転——これで未知数が1つに減ります。求めた を両式に戻して対角線の長さが一致するかを検算に。

【よくあるミス】 としてしまうこと(符号が反転します)。もう一つは対角線を AC にとってしまい、 が現れず手詰まりになることです(求めたい角を挟む2辺の対辺=BD を選ぶ)。

〔Ⅰ〕(ⅱ) [イ] で割った余り

【問題(再掲)】

整式 で割った余りを求めよ。

【型】 で割った余りは1次以下——二項展開の の項だけ見ればよい

【なぜこうするか】
二項定理で展開すると

の項はすべて で割り切れる——つまり商の側に行きます。余りとして残るのは の項だけ。

よって余りは 余りは割る式より次数が低い(1次以下)ので、この形で確定です。
別の見方 とすると、余りは (マクローリン展開の1次まで)。 より ✓ 同じ答え。この見方だと暗算で終わります

解答。二項定理より

のとき で割り切れるから、求める余りは

[イ]

検算(数式処理システムと小さい指数で確認)。数式処理システムで で割った余りを計算すると ✓ 完全一致。
小さい場合で構造を確認: で割った余りは ✓( に対応)。
微分による見方でも ✓ 一致。

【定石】 で割った余りは「展開したときの 次以下の部分」。二項展開の低次の項だけ書き出せば終わり。 と覚えると で割る場合は暗算になります。

【よくあるミス】 で割るときの「剰余の定理」と混同すること( で割る場合は代入では出ません)。もう一つは と誤ることです。

〔Ⅰ〕(ⅲ) [ウ] の値(

【問題(再掲)】

に対して、 は整数であり、その値を求めよ。

【型】 を使って を1つの対数にまとめる。(底の変換)

【なぜこうするか】
指数の肩にある を、 を底とする対数」に化けさせるのが目標です。
まず と見て

と書き直す——この一手がすべてです。次に逆数は底と真数の入れ替え

(底の変換公式 の逆数が 。)
最後は指数と対数の打ち消し より

解答。 だから

よって底の変換公式より

したがって

[ウ]

検算(数値と数式処理システム)。 ✓ ぴったり
数式処理システムで厳密に簡約しても ✓。
✓ 指数の値と一致——たしかに です。

【定石】対数の式に現れる は「(底と真数を同じに)」と書き直す(今回の )。(底と真数の入れ替え)。 の打ち消しで一気に整数になります。

【よくあるミス】 としてしまうこと(逆数は底と真数の交換であって、真数の逆数ではありません)。もう一つは と誤ることです。

〔Ⅰ〕(ⅳ) [エ]三角形 OAB の外心

【問題(再掲)】

座標平面上の3点 を頂点とする三角形 OAB の外心の座標を求めよ。

【型】外心=3頂点から等距離。 を連立(2乗の差をとると1次式になる)

【なぜこうするか】
外心は3頂点から等距離の点。外心を とおくと

を展開すると が消えて1次式になります(これが「2乗の差をとる」効果):

同様に O と B から

この2式を連立して を代入すると
一般的な解答例のルートは「各辺の垂直二等分線を求めて交点」ですが、2乗の差をとる方法のほうが機械的で速いです。どちらでも同じ答えになります。)

解答。外心を とすると より

また より

連立して 。よって

[エ]

検算(3頂点への距離の2乗)。外心を として

  • O まで:
  • A まで:
  • B まで:

3つとも でぴったり一致 ✓ 外接円の半径は 一般的な解答例と一致 ✓。
(一般的な解答例の垂直二等分線ルートでも の交点として同じ点が得られます ✓。)

【定石】外心は「等距離条件を2本立てて連立」 を展開すると2次の項が消えて1次式(=垂直二等分線の方程式)になります。原点を1つの頂点に取れる配置なら計算がさらに軽い。

【よくあるミス】外心と重心を混同して と答えること。もう一つは展開時の符号ミス——最後に3頂点への距離が本当に等しいかを必ず確かめましょう。

〔Ⅰ〕(ⅴ) [オ][カ] に対する

【問題(再掲)】

に対して とする。このとき を求めよ( は虚数単位、 は実数)。

【型】極形式 に直してド・モアブルの定理

【なぜこうするか】
6乗を展開するのは無謀です。極形式に直せば「絶対値は 乗、偏角は 倍」で一瞬で終わります。
絶対値ちょうど ——これが本問の仕掛けで、6乗しても大きさは変わりません。
偏角 そのもの。よって

ド・モアブルの定理より

よって
意味 は単位円上で の点。6回かけると 回ってちょうど に到達します。ついでに なので、1の12乗根のひとつです。

解答。 より

ド・モアブルの定理より

よって

[オ]、 [カ]

検算(3乗経由と直接展開)。一般的な解答例のルート を直接計算するもの:

よって ✓ 一致。
数式処理システムで を展開しても ✓。
偏角の確認: ✓ 極形式が正しいことも確認できました。

【定石】複素数の累乗は極形式+ド・モアブル なら回転だけなので、偏角の 倍が の整数倍になるかを見れば実数かどうかも即判定できます。——頻出なので暗記推奨。

【よくあるミス】偏角を )と取り違えること(実部が だから )。もう一つは を「答えなし」と思って空欄にすることです。

〔Ⅰ〕(ⅵ) [キ]2つのベクトルが作る平行四辺形の面積

【問題(再掲)】

を満たす2つのベクトル が作る平行四辺形の面積を求めよ。

【型】まず を展開して内積を出す。面積は

【なぜこうするか】
面積の公式に必要なのは内積 だけ。与えられた3つの長さから内積を取り出します。長さの条件は2乗して展開するのが鉄則です。

これが だから 、すなわち 負の内積=なす角は鈍角です。
平行四辺形の面積は(三角形の2倍なので)

なぜこの公式か で、 を代入すると上の形になります。三角形なら
の変形も落とさずに。

解答。 より

よって求める平行四辺形の面積は

[キ]

検算(具体的なベクトルを構成)。
とすると

  • 面積 ✓(外積の絶対値)

すべての条件をみたす具体例で面積が と確認できました ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】長さの条件は必ず2乗して内積を取り出す平行四辺形 、三角形はその のような数は平方因子をくくり出して簡単に

【よくあるミス】三角形の面積公式( 倍)をそのまま答えて とすること(問われているのは平行四辺形)。もう一つは と展開してしまうミスです。

〔Ⅰ〕(ⅶ) [ク] の部分和

【問題(再掲)】

数列 を満たす。自然数 を2で割った商を としたとき、 を用いて表せ。

【型】まず具体的に書き出して周期を見つける。 が常に成り立つ「隣り合う2項の和が一定」型

【なぜこうするか】
漸化式 「前の項の符号を変えて を足す」。実際に書き出すと

の周期 。奇数番目が 、偶数番目が です。
もっと本質的な見方をすると、漸化式は

と書き換えられます。「隣り合う2項の和が常に ——だから2項ずつペアにすれば和がすぐ出ます。
で割った商が なので、 または

  • (偶数) 個のペア)
  • (奇数):上の (奇数番目)を足すので、やはり

どちらの場合も ——「商 で表せ」という問題文が、この統一を狙っていたわけです。うまい設定ですね。

解答。漸化式より 。また より、順に となり、 が奇数のとき 、偶数のとき

(i) のとき

(ii) のとき:上に を加えるだけだから、和は同じく すなわち のときも で成立)。

よっていずれの場合も

[ク]

検算( から まで直接計算)。

12345678910
部分和0336699121215
0336699121215

10通りすべて一致 ✓()。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】 は「隣り合う2項の和が で一定」=周期2。和を求めるときは2項ずつペアにする の偶奇で場合分けしても答えが同じ形になることが多く、「商 で表せ」はそのサインです。

【よくあるミス】特性方程式 から を求めて と一般項を出すのは正しいのですが、そこから和を出すときに の扱いで符号を誤ること。周期に気づけば場合分けだけで済みます。もう一つは が奇数のときに最後の項を と誤ることです(奇数番目は )。

〔Ⅱ〕【記述式】4人じゃんけん——勝者の人数で場合分け

分野:確率 難易度:標準 目標時間:20分

【問題】

A、B、C、D の4人でじゃんけんをするゲームを行う。1回のじゃんけんで1人でも勝者がでた場合は、ゲームを終了する。だれも勝たずあいこになる場合は、4人でもう一度じゃんけんをし、勝者がでるまでじゃんけんを繰り返す。次の問 (ⅰ)〜(ⅴ) に答えよ。

(ⅰ) 1回目のじゃんけんで、A だけが勝つ確率を求めよ。

(ⅱ) 1回目のじゃんけんで、A を含む2人だけが勝つ確率を求めよ。

(ⅲ) 1回目のじゃんけんで、A が勝者に含まれる確率を求めよ。

(ⅳ) 1回目のじゃんけんで、だれも勝たずあいこになる確率を求めよ。

(ⅴ) 2回目のじゃんけんで、ゲームが終了する確率を求めよ。

【解答】

(ⅰ)  (ⅱ)  (ⅲ)  (ⅳ)  (ⅴ)
(別解による検算と全5問が一致。さらに 通りの全数列挙で内訳まで確認)

〔Ⅱ〕(ⅰ) A だけが勝つ確率

【問題(再掲)】

A、B、C、D の4人でじゃんけんをする。1回目のじゃんけんで、A だけが勝つ確率を求めよ。

【型】「A の手を基準に固定して、他の3人が負ける手を出す」と考えると分母 を意識せずに済む

【なぜこうするか】
4人の手の出し方は 通り。A だけが勝つのは、A がどの手を出したにせよ、B、C、D の3人がそろってその手に負ける手を出すとき。
A の手を固定すると、「その手に負ける手」はただ1通りに決まっています(グーに負けるのはチョキだけ)。よって B、C、D がそれぞれ確率 でその手を出せばよく

A の手で場合分けする必要がない(どの手でも同じ)——これがじゃんけんの問題を軽くするコツです。
場合の数で数えるなら「A の手 通り 他3人は決まる 通り 」で ✓ 同じ。

解答。A だけが勝つのは、A が出した手に対して B、C、D の3人がそれぞれその手に負ける手を出す場合である。B、C、D がその手を出す確率はそれぞれ だから

検算( 通りの全数列挙)。4人の手の出し方 通りをすべて調べ、勝者の集合を判定すると「A だけが勝つ」のはちょうど 通り(A がグー・チョキ・パーの3通りに対応)。 ✓ 一致。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】じゃんけんは「1人の手を固定して、他の人の手を確率で決める」と考えると分母が消えて速い。「ある手に負ける手はただ1通り」が3すくみの本質です。

【よくあるミス】A の手の選び方 を確率にも掛けて としてしまうこと(A は必ず何かを出す=確率 )。

〔Ⅱ〕(ⅱ) A を含む2人だけが勝つ確率

【問題(再掲)】

1回目のじゃんけんで、A を含む2人だけが勝つ確率を求めよ。

【型】「A と同じ手を出す仲間を1人選ぶ」「残り2人は負ける手」

【なぜこうするか】
2人が勝つとは、その2人が同じ(勝つ)手を出し、残り2人がそれに負ける手を出すということ。A は勝者に含まれるので、A と一緒に勝つ相棒を B、C、D から1人選ぶ 通り。
A の手を基準にすると、

  • 相棒:A と同じ手(確率
  • 残り2人:A の手に負ける手(確率 ずつ)

よって

3人ぶんの手が確率 ずつで決まるので、どの勝者パターンでも が共通に現れます。あとは「誰が勝つか」の選び方を掛けるだけ——(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ) はすべてこの構造です。

解答。A を含む2人だけが勝つのは、A が出した手に対して B、C、D のうち1人が A と同じ手を出し、他2人がそれに負ける手を出す場合である。B、C、D のうち1人を選ぶ選び方は 通りだから

検算(全数列挙)。 通りのうち「勝者がちょうど2人で、その中に A が含まれる」のは 通り(相棒3通り 勝ち手3通り)。 ✓ 一致。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】「誰が勝つか」の組合せ 「その配置になる確率」。4人じゃんけんでは1人の手を基準に固定すれば、残り3人の手はすべて の独立事象になるので、確率は必ず の整数倍です。

【よくあるミス】勝者2人の選び方を としてしまうこと(A は必ず入るので選ぶのは残り1人)。

〔Ⅱ〕(ⅲ) A が勝者に含まれる確率

【問題(再掲)】

1回目のじゃんけんで、A が勝者に含まれる確率を求めよ。

【型】勝者の人数(1人・2人・3人)で場合分けして足す。排反なので単純に加算

【なぜこうするか】
4人じゃんけんで勝者になれるのは1人・2人・3人のいずれか(4人全員が勝つことはない=それは全員同じ手=あいこ)。A が勝者に含まれるケースを人数別に数えます。

  • A だけ:(ⅰ) より
  • A を含む2人:(ⅱ) より
  • A を含む3人:A と同じ手を出す仲間を2人選ぶので

これらは互いに排反(勝者の人数が違うので同時には起こらない)なので単純に足して

という形になっているのが美しいところ( は「4人全員が勝つ」に対応し、実際にはあいこなので除かれます)。だから とも書けます。

解答。A を含む3人が勝つのは、B、C、D のうち2人が A と同じ手を出し、他1人がそれに負ける手を出す場合だから、その確率は

A が勝者に含まれる事象は「A だけが勝つ」「A を含む2人だけが勝つ」「A を含む3人が勝つ」の和事象であり、これらは互いに排反だから

検算(全数列挙と対称性)。 通りのうち A が勝者に含まれるのは 通り)。 ✓。
対称性による確認:勝者の人数別の場合の数は「1人 」「2人 」「3人 」で計 通り。延べ勝者数は 。4人で割ると1人あたり ✓ ぴったり一致(4人は対等なので当然)。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】「含まれる」型は人数で場合分けして排反な和 人じゃんけんで特定の1人が勝者に含まれる確率は (4人なら )。延べ勝者数を人数で割るという対称性の検算も強力です。

【よくあるミス】「A を含む3人」の選び方を (負ける1人を選ぶ)と考えるのは正しいのですが( で同じ)、勝者4人のケースを足してしまうのは誤り(全員勝ちはあいこ)。

〔Ⅱ〕(ⅳ) あいこになる確率

【問題(再掲)】

1回目のじゃんけんで、だれも勝たずあいこになる確率を求めよ。

【型】余事象。「あいこでない」=「誰かが勝つ」を、対称性で「A が勝つ」か「A が負ける」に分ける

【なぜこうするか】
あいこを直接数えるのは面倒(「全員同じ手」+「3種類すべて出る」の2パターン)。余事象=勝負がつくを考えます。
一般的な解答例のうまい論法:勝負がつくとき、A は必ず勝者側か敗者側のどちらかに属します。

  • A が勝つ確率:(ⅲ) より
  • A が負ける確率:対称性により、勝ち負けを入れ替えても構造は同じなので、やはり

(「A が負ける」=「A の手に勝つ手を出す人がいて、勝負がつく」。3すくみの対称性から確率は等しくなります。)これらは排反だから、勝負がつく確率は 。よって

(あいこの確率)

直接数えても確認できます:あいこは「4人とも同じ手」( 通り)または「3種類すべてが現れる」((ちょうど2種類の場合))。ちょうど2種類が現れるのは 通り(勝負がつく場合)なので、あいこは 通り、 ✓。

解答。1回目のじゃんけんであいこにならないのは、A が勝つときか A が負けるときのいずれかである。A が勝つ確率は (ⅲ) より 、A が負ける確率も対称性により 。これらは排反だから、あいこにならない確率は

よって求める確率は

検算(全数列挙と直接カウント)。 通りを調べるとあいこは 通り ✓。
内訳も確認:「4人とも同じ手」が 通り、「3種類すべて現れる」が 通り、合計 ✓。
(3種類すべて現れる場合の数は、4人を3グループに分ける と数えるより、 と引くほうが確実です。)
値の妥当性:4人だとあいこの確率が 近い——人数が増えるほどあいこになりやすい、という体感とも合います(3人なら )✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】あいこは余事象で 人じゃんけんであいこの確率は 「特定の1人が勝つ確率」と「負ける確率」が対称性から等しい——この観察で計算量が半分になります。

【よくあるミス】あいこを「全員同じ手」だけとして とすること(3種類そろう 通りもあいこ)。もう一つは「勝つ確率+負ける確率+あいこ=1」の関係を使わずに複雑に数えてしまうことです。

〔Ⅱ〕(ⅴ) 2回目のじゃんけんでゲームが終了する確率

【問題(再掲)】

2回目のじゃんけんで、ゲームが終了する確率を求めよ。

【型】「1回目はあいこ」かつ「2回目は勝負がつく」——独立な2つの事象の積

【なぜこうするか】
ゲームのルールは「勝者が出たら終了、あいこなら繰り返す」。2回目で終了するとは

  • 1回目:あいこ(でないと1回目で終わってしまう)——確率
  • 2回目:勝負がつく(あいこでない)——確率

各回のじゃんけんは独立なので、確率は掛け算:

「ちょうど 回目で終了する確率」は ——公比 の等比数列です。すべての について足すと

となり、いつかは必ず終わることも分かります。

解答。2回目のじゃんけんでゲームが終了するのは、1回目のじゃんけんであいこになり、2回目のじゃんけんであいこにならないときである。各回のじゃんけんは独立だから、(ⅳ) より

検算(値と全体の整合)。
1回目で終了する確率は 、2回目は 、3回目は 、…。すべて足すと (等比級数の和 )✓ 抜け漏れなし。
期待回数も出せます: 回——「4人じゃんけんは平均2回弱で決着」というのは実感に合います ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】「ちょうど 回目で成功」は「 回失敗 1回成功」(幾何分布)。各回が独立なら単純な掛け算。検算はすべての の確率を足して になるか(等比級数)で。

【よくあるミス】「2回目までに終了する確率」と読み違えて としてしまうこと。もう一つは1回目もあいこでない確率を掛けてしまうミスです(1回目はあいこでなければならない)。

〔Ⅲ〕【記述式】絶対値つき放物線 と直線が囲む2つの面積

分野:微分積分(数学II) 難易度:やや難 目標時間:25分

【問題】

とし、座標平面上の曲線 上の点 を通る傾き の直線を とする。 の、A 以外の異なる2つの共有点を P、Q とする。ただし、P の 座標は、Q の 座標より小さいとする。このとき、次の問 (ⅰ)〜(ⅴ) に答えよ。

(ⅰ) P、Q の 座標をそれぞれ を用いて表せ。

(ⅱ) 線分 AP と で囲まれた部分の面積 を用いて表せ。

(ⅲ) 線分 PQ と で囲まれた部分の面積 を用いて表せ。

(ⅳ) 線分 AQ と で囲まれた2つの部分の面積の和 を用いて表せ。また、 の導関数 を求めよ。

(ⅴ) を動くとき、(ⅳ) の を最小にするような の値を求めよ。

【解答】

(ⅰ) P の 座標 、Q の 座標  (ⅱ)  (ⅲ)
(ⅳ)  (ⅴ)
(別解による検算と全5問が一致。さらに面積は の3通りで40万分割の数値積分と照合、最小値は200万分割で実測)

〔Ⅲ〕(ⅰ) P、Q の 座標

【問題(再掲)】

とし、曲線 上の点 を通る傾き の直線を とする。 の A 以外の異なる2つの共有点 P、Q(P の 座標 Q の 座標)の 座標をそれぞれ で表せ。

【型】絶対値は中身の符号で場合分け。 なので が共通因数になり、A が自動的に解になる

【なぜこうするか】
直線 は A を通り傾き だから
曲線は で、 のとき中身が負、それ以外で正。連立して

両辺に共通因数 が現れるのが最大の仕掛け。場合分けすると

  • または 。よって (点 A)または なので の側で有効。
  • 。よって (範囲外)または より で有効。

A 以外の共有点は )だからP が 、Q が
結果が と対称になるのは、絶対値のグラフが「 を軸として左右対称」ではなく、たまたま両側の方程式が を与えるため。きれいな答えです。

解答。 の共有点の 座標は を満たす。

(i) または )のとき より 、すなわち

(ii) )のとき より 、すなわち より範囲内)。

よって共有点の 座標は 。A 以外の2点について だから

P の 座標は 、 Q の 座標は

検算(座標を直接確認)。 のとき
✓ 一致(P)。
✓ 一致(Q)。
:P ✓、Q ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】絶対値つきの方程式は中身の符号で場合分け因数分解して共通因数を見つけると、通る点(今回の A)が自動的に解として現れます。得られた解は必ず場合分けの範囲に入っているか確認すること。

【よくあるミス】場合分けを忘れて だけを解き、 しか出さないこと。もう一つは (ii) で得た を「範囲 の外」と気づかず重複して数えることです。

〔Ⅲ〕(ⅱ) 線分 AP と が囲む面積

【問題(再掲)】

線分 AP と で囲まれた部分の面積 を用いて表せ。

【型】 では曲線が上、直線が下。差が の形なので 公式が使える

【なぜこうするか】
区間 の中なので、曲線は (曲線の (直線の を計算すると

この区間では なので積は 、マイナスをつけて——たしかに曲線が上です。
そして形に注目: から まで積分するという、まさに 公式の形()。

公式()を使えば展開不要——記述式でも公式名を書けばそのまま使えます。
(P が Q に近づき領域がつぶれる)、(直線が 軸に近づき、放物線の山全体の面積)——両端の挙動も自然です。

解答。 では であり、この区間で の上側にある。よって

公式より

検算(40万分割の数値積分)。3通りの で、実際に から まで数値積分しました。

数値積分0.81883330.16666670.0045000
0.81883330.16666670.0045000

3通りとも小数第7位まで一致 ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】差が の形で、積分区間の両端が なら 公式:(2次の係数の絶対値)展開せずに答えが出るのでミスが激減します。

【よくあるミス】絶対値を外し忘れて のまま積分すること(この区間では符号が逆)。もう一つは 公式の として符号を誤ることです。

〔Ⅲ〕(ⅲ) 線分 PQ と が囲む面積

【問題(再掲)】

線分 PQ と で囲まれた部分の面積 を用いて表せ。

【型】 で曲線の式が変わるので、積分を の2つに分ける

【なぜこうするか】
区間 をまたぐので、絶対値の外し方が変わります。ここが本問の計算上の山場。

  • 。直線との差は 直線が上
  • 。差は でやはり直線が上

どちらも直線が上なので、素直に足します。

前半を展開して積分すると 、後半は の項がちょうど打ち消し合って

3次の項が消えて というきれいな形になるのが本問の見どころ。左右の領域が を境に「3次のずれ」を打ち消し合っているのです。

解答。 では では であり、いずれの区間でも の上側にある。よって

検算(40万分割の数値積分)。実際に から まで数値積分すると

  • (理論値 )✓
  • (理論値 )✓
  • (理論値 )✓

3通りとも完全一致 ✓。数式処理システムでも ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】絶対値のグラフとの面積は、絶対値の中身が になる点で積分を分割。分割した各区間で「上 下」の符号を必ず確認する。結果に高次の項が消えたら、それは正しい計算の合図であることが多いです。

【よくあるミス】 での分割を忘れて から まで一気に を積分すること。もう一つは前半の区間で上下を逆にして符号を誤ることです。

〔Ⅲ〕(ⅳ) 

【問題(再掲)】

線分 AQ と で囲まれた2つの部分の面積の和 を用いて表せ。また、 の導関数 を求めよ。

【型】線分 AQ は A、P、Q を通る同じ直線。囲まれた2つの部分はまさに

【なぜこうするか】
線分 AQ は A から Q までの直線 の一部で、途中で P を通ります。この線分と曲線 の共有点は A、P、Q の3点なので、囲まれる部分は

  • A から P まで(曲線が上)=
  • P から Q まで(直線が上)=

ちょうど2つ。だから和は

これを展開すると より

でくくると 。)微分は展開してからでも、 のまま合成関数でもできます。後者なら

整理すると 、すなわち

解答。線分 AQ と で囲まれた2つの部分は、線分 AP と で囲まれた部分と、線分 PQ と で囲まれた部分を合わせたものである。したがって

また

図( の場合)。青の曲線が 、赤が直線 。水色の部分が (線分 AP と )、橙の部分が (線分 PQ と )で、この2つの和が です。

APQO-ttClS1S2

検算(展開の一致と数値)。。多項式では ✓ 一致。
。多項式では ✓。
導関数も数式処理システムで ✓ 一致。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】「囲まれた2つの部分」は、直線が曲線と3点で交わるときの隣り合う2区間。前問の結果をそのまま足せばよい。微分は展開せず合成関数でやるほうが速いことも多い( の微分は )。

【よくあるミス】 の微分で内側の微分 を掛け忘れて としてしまうこと。もう一つは展開時に の符号を落とすことです。

〔Ⅲ〕(ⅴ)  を最小にする

【問題(再掲)】

を動くとき、(ⅳ) の を最小にするような の値を求めよ。

【型】 の解を求め、 に入るものを選んで増減表を書く

【なぜこうするか】
より 。解の公式で

どちらが範囲内かを評価します。)だから

だけが に入る)。
符号を調べます。 で、 では第2因子が常に負。よって

  • :第1因子も負 → 積は正 → (減少)
  • :第1因子は正 → 積は負 → (増加)

減少から増加に転じるので、最小

解答。

より であるから 。したがって における増減は

減少最小増加

よって を最小にする

検算(200万分割の数値探索)。 万分割して を直接計算すると

  • 最小値 、そのときの
  • 理論値

刻み幅()の範囲でぴったり一致 ✓。
両端の値も確認:途中の がたしかに最小 ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】最小値問題は の解を求め、範囲内のものだけ拾って増減表 のような無理数は「」と整数で挟んで範囲判定する(これを書くのが答案の必須要素)。因数分解した形で符号を追うのが確実です。

【よくあるミス】 も答えてしまうこと( の外)。もう一つは の先頭の を見落として増減を逆にすることです。

この冊子で身につけたい「型」一覧
  • 円に内接する四角形は対角線を2通りの余弦定理で
  • で割った余りは (二項展開の低次項)
  • 対数の に書き直す
  • 外心は等距離条件を2本連立(2乗の差で1次式になる)
  • 複素数の累乗は極形式+ド・モアブル
  • 長さの条件は2乗して内積を出す/平行四辺形
  • は「隣り合う2項の和が一定」=周期2
  • じゃんけんは1人の手を固定して他の人を確率で の整数倍)
  • 「含まれる」型は人数で場合分けして排反な和/あいこは余事象
  • 「ちょうど 回目で終了」は幾何分布(すべて足して で検算)
  • 絶対値つき方程式は中身の符号で場合分け、共通因数を探す
  • 差が なら 公式
  • 絶対値のグラフとの面積は中身が になる点で積分を分割
  • 無理数の解は整数で挟んで範囲判定

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〔Ⅰ〕【空所補充】2次関数・部分分数分解・三角関数の最大・複素数平面の面積・持ち点つきさいころ

分野:2次関数/数列と級数/三角関数/複素数平面/確率 難易度:標準〜やや難 目標時間:30分

【問題】

下記の空欄ア〜クにあてはまる数を解答用紙の所定欄に記入せよ。

(ⅰ) 2次関数 で最小値3をとり、 となるとき [ア]、[イ]、[ウ]である。

(ⅱ) 数列 の初項から第 項までの和が であるとする。このとき [エ]である。

(ⅲ) の範囲で、関数 [オ]で最大値[カ]をとる。

(ⅳ) とおく。複素数平面上の3点 を頂点とする三角形 OAB の面積は[キ]である。ただし、 は虚数単位とする。

(ⅴ) さいころを1個投げて、1の目または2の目が出れば持ち点が3増え、3の目または4の目が出れば持ち点が1減る。5の目または6の目が出れば、持ち点が2減る。持ち点が0以下になったときにはそれ以降さいころを投げることはできない。最初に持ち点が3点与えられたとき、さいころを3回投げられて、かつ、さいころを3回投げた後に、持ち点が1点以上残る確率は[ク]である。

【解答】

 イ  ウ  エ  オ  カ  キ  ク
(別解による検算と全8問が一致)

〔Ⅰ〕(ⅰ) [ア][イ][ウ]頂点が与えられた2次関数

【問題(再掲)】

2次関数 で最小値3をとり、 となるとき、 を求めよ。

【型】頂点が分かっているときは標準形 から出発する

【なぜこうするか】
のまま「軸 」「」「」の3本を連立してもよいのですが、頂点が与えられているなら標準形が圧倒的に速い

「最小値」なので(下に凸)。あとは を代入するだけ:

なのでたしかに最小値をとる ✓。展開して

よって 。(代入するまでもなく即答できます。)

解答。 で最小値3をとるから、正の実数 を用いて

と表せる。 より 、すなわち を満たす)。よって

[ア]、 [イ]、 [ウ]

検算(3条件をすべて確認)。 について

  • 軸:
  • 最小値: ✓( なので最小)

3条件すべて成立 ✓。数式処理システムで連立方程式を解いても の1組のみ ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】頂点 が与えられたら 。「最小値」なら 、「最大値」なら の断りを添える。 切片)は常に即答できます。

【よくあるミス】 の確認を書かないこと。もう一つは の展開で と、 を分配し忘れるミスです(正しくは )。

〔Ⅰ〕(ⅱ) [エ]

【問題(再掲)】

数列 の初項から第 項までの和が であるとき、 を求めよ。

【型】)と 。得られた を部分分数分解して telescoping

【なぜこうするか】
第1段:一般項を出す。因数分解できることに気づくと計算が一気に軽くなります。 のとき

共通因数 でくくるのがポイント。 のときは で、公式 一致するので でまとめて使えます(この確認を書くのが答案の作法)。
第2段:部分分数分解。

部分和はドミノ倒しのように途中が消えて

だから、和は

解答。 である。 のとき

また だから、。よって

したがって

[エ]

検算(一般項と数式処理システム)。 から直接 を計算すると 、公式 でも ✓ 完全一致。
数式処理システムで を計算すると厳密に ✓。
部分和の確認: ✓、 ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】)+ の確認—— でも公式が使えるかを必ずチェック。 の部分分数分解は最頻出。無限級数は部分和を出してから極限をとるのが答案の型です。

【よくあるミス】 の確認を飛ばすこと(一致しない問題も多い)。もう一つは を分解のあとに掛け忘れて答えを としてしまうミスです。

〔Ⅰ〕(ⅲ) [オ][カ] の最大値

【問題(再掲)】

の範囲で、関数 が最大となる と最大値を求めよ。

【型】微分して の2次式に。因数分解して符号を追う

【なぜこうするか】
角が違うので直接は合成できません。微分すると

2倍角 に統一すると

因数分解できる形になるのがこの問題の親切なところ。 では なので——符号を決めるのは だけです。

  • (つまり ):(増加)
  • (つまり ):(減少)

よって で最大。値は

解答。

では だから 。よって となるのは 、すなわち のときで、増減は

増加減少

よって

[オ]、 [カ]

検算( 万分割の数値探索)。 万分割して を直接計算すると

  • 最大値 (理論値 )✓
  • そのときの )✓

端点も確認:途中の がたしかに最大 ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】角の異なる三角関数の和は微分して「1種類の三角関数の多項式」に統一 が定番。因数分解して、範囲内で符号が変わらない因子を先に処理すると増減表が一瞬で書けます。

【よくあるミス】内側の微分 を掛け忘れること。もう一つは を解に含めてしまうミス(この範囲では起こらない)。

〔Ⅰ〕(ⅳ) [キ]三角形 OAB の面積(複素数平面)

【問題(再掲)】

とおく。複素数平面上の3点 を頂点とする三角形 OAB の面積を求めよ。

【型】 と偏角に注目。 は「絶対値が逆数、偏角が符号反転」なので

【なぜこうするか】
の幾何的な意味を押さえるのが本質です。 なら

長さは逆数、角度は反対向き。だから 、そして
面積は で、きれいに消えるので

より だから

座標で押し切る別解も簡単です: なので 。原点を頂点とする三角形の面積は より ✓ 同じ。

解答。 だから
の偏角を )とすると であり、ド・モアブルの定理より の偏角は 。よって

[キ]

検算(座標による直接計算)。 なので
原点を1頂点とする三角形の面積公式より

✓ 一致。数式処理システムでも ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】 は「絶対値が逆数、偏角が符号反転」——だから となり面積は 原点を頂点にもつ三角形の面積は (=外積)でも一撃。2通りで検算できる問題です。

【よくあるミス】(共役)と混同すること( は絶対値がそのまま)。もう一つは の有理化で 符号を誤るミスです。

〔Ⅰ〕(ⅴ) [ク]持ち点つきさいころを3回投げる確率

【問題(再掲)】

さいころを1個投げて、1・2の目なら持ち点が3増え、3・4の目なら1減り、5・6の目なら2減る。持ち点が0以下になったらそれ以降投げられない。最初の持ち点が3点のとき、さいころを3回投げられて、かつ3回投げた後に持ち点が1点以上残る確率を求めよ。

【型】3種類の目を「」「」「」に潰す(各確率 )。「3回のうち少なくとも1回は が必要」に気づけるか

【なぜこうするか】
まず目を3種類にまとめる(1・2の目)、(3・4の目)、(5・6の目)で、それぞれ確率
決定的な観察:もし3回とも が出なければ、減点は毎回 なので3回で少なくとも 点減る。最初が 点なので、最終的に持ち点は 点以下になってしまいます。つまり

条件を満たすには、3回のうち少なくとも1回は (1または2の目)が必要

そこで「初めて が出るのが何回目か」で場合分けします(一般的な解答例のうまい論法)。

  • [1] 1回目に :持ち点は 点。以後どんな目でも最悪 で、途中も 以下にならない。よって2回目・3回目は何でもよい:確率
  • [2] 2回目に初めて :1回目は 以外(確率 )で持ち点は (どちらも 以上なので2回目を投げられる)。2回目で されて 。3回目は最悪 でも 以上。よって確率
  • [3] 3回目に初めて :1回目・2回目とも 以外。ここが唯一の落とし穴——2回で 点減ると持ち点が になって3回目が投げられません。だから1回目・2回目はともに (3または4の目)でなければならない)。確率

合計

解答。1の目と2の目をまとめて と呼ぶ(確率 )。求める事象を とすると、3回投げるまでに一度も が出ないときは持ち点が少なくとも3点減るため最終的な持ち点は0点以下になる。したがって が起きるには3回のうち少なくとも一度は が出る必要があるので、初めて が出るときで場合分けする。

[1] 1回目に が出るとき:持ち点は6点となり、2回目・3回目はどの目が出てもよい。確率は

[2] 2回目に初めて が出るとき:1回目に 以外が出る確率は (このとき持ち点は1点または2点で、2回目を投げられる)。確率は

[3] 3回目に初めて が出るとき:1回目と2回目にともに3の目または4の目が出ればよい(1回でも5・6の目が出ると持ち点が0以下になる)。確率は

以上 [1][2][3] は互いに排反だから

[ク]

検算( 通りの全数列挙)。3回の目の出方 通りすべてについて、途中の持ち点が 以上を保ち、かつ3回後に 以上残るかを機械的に判定するとちょうど 通り ✓ 完全一致()。
[3] の細かさも確認:1回目・2回目がともに で3回目が というパターンは、目で数えると 通り、 ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】同じ効果の目はまとめて確率 の3択に潰す「初めて〇〇が起こるのが何回目か」で場合分けすると排反な分類になり、数え漏れが防げます。「途中で条件を破らないか」を各場合で必ず確認——これを飛ばすと [3] を落とします。

【よくあるミス】[3] で「1回目・2回目は 以外なら何でもよい」として としてしまうこと( が混じると途中で投げられなくなる)。もう一つは「持ち点が0以下」を「0未満」と読み違えることです(ちょうど0でも投げられません)。

〔Ⅱ〕【記述式】 の置き換えで2次式に化ける

分野:指数関数/微分積分(数学III) 難易度:やや難 目標時間:25分

【問題】

関数 に対して、2つの曲線 とする。このとき、次の問 (ⅰ)〜(ⅴ) に答えよ。

(ⅰ) の最小値を求めよ。

(ⅱ) とおくとき、 を用いて表せ。

(ⅲ) の共有点の 座標を求めよ。

(ⅳ) となる の値の範囲を求めよ。

(ⅴ) で囲まれた図形の面積 を求めよ。

【解答】

(ⅰ) 最小値 ) (ⅱ)  (ⅲ)  (ⅳ)  (ⅴ)
(別解による検算と全5問が一致。さらに面積は200万分割の数値積分で照合)

〔Ⅱ〕(ⅰ)  の最小値

【問題(再掲)】

の最小値を求めよ。

【型】相加平均・相乗平均の関係。 かつ2つの積が定数 なので一撃

【なぜこうするか】
積が定数。こういうときは相加平均・相乗平均の関係が最強です。

等号成立は 、すなわち 。このとき ✓ 実際にとれる値なので、最小値は
微分でも確認できます で、 なら より正、 なら負。よって で最小 ✓。
(この 双曲線関数 と呼ばれるもので、懸垂線=ロープが自然に垂れ下がる形の関数です。)

解答。 より、相加平均・相乗平均の関係から

等号成立条件は 、すなわち 。よって の最小値は

検算(数値と微分)。 ✓。 ✓。 ✓。
数式処理システムで最小値を計算しても ✓。
この事実は (ⅲ)(ⅳ) で「」として繰り返し使います——置き換えの範囲を確定させる最重要の一歩です。

【定石】積が定数の2項の和は相加相乗)。等号成立条件を必ず書く(それが最小をとる )。暗記事項にしてよいほど頻出です。

【よくあるミス】等号成立条件を書かずに「最小値2」とすること(とれない値なら最小値ではありません)。もう一つは と混同することです。

〔Ⅱ〕(ⅱ)  で表す

【問題(再掲)】

とおくとき、 を用いて表せ。

【型】——2乗すると中央に定数が出る

【なぜこうするか】
なので、 を2乗すれば必要な項が出てきます。

交差項が という定数になるのがこの置き換えの威力。したがって

これを に代入して

指数関数の問題が2次関数の問題に化けた——ここから先はすべて の2次式で処理できます。(ⅰ) で確認した という範囲とセットで使うのが鉄則です。

解答。

より 。よって

検算(具体値で確認)。 ✓。
✓。
数式処理システムで を簡約すると厳密に ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】 と置いたら (相反式の基本)。 は互いに逆数なので、この構造がそのまま使えます。置き換えたら必ず の範囲を添える(本問では )。

【よくあるミス】交差項 を落とすこと。もう一つは を引き忘れて と答えることです。

〔Ⅱ〕(ⅲ)  の共有点の 座標

【問題(再掲)】

の共有点の 座標を求めよ。

【型】 の2次方程式に落とし、 で解を選別。 なので の値がそのまま 座標

【なぜこうするか】
は、(ⅱ) の置き換えで

よって または 。ここで(ⅰ) の が効いて、不適。したがって
ここが本問のうまいところ なので、 の値がそのまま共有点の 座標です。だから
側で確かめても ✓ 一致。)
なお「 以上のすべての実数値をとる」ことも一言添えると完璧です( は連続で なので中間値の定理)—— をとる が実在する保証になります。

解答。 は連続で最小値 をとり、 のとき だから、 以上のすべての実数値をとる。(ⅱ) より だから

より 。共有点における 座標は だから

検算(実際の を求めて代入)。 すなわち を解くと 、つまり
を代入すると

両者が で一致 ✓ たしかに共有点です。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】置き換えたら「新しい変数の値域」で解を選別—— を書き忘れると を拾って失点します。問われているのが 座標なら、 という関係を使ってそのまま答えるのが最短です。

【よくあるミス】 を答えとしてしまうこと(問われているのは 座標——ここでは偶然一致しますが、 側で と計算しても になることを確認しましょう)。もう一つは を除外し忘れることです。

〔Ⅱ〕(ⅳ)  となる の範囲

【問題(再掲)】

となる の値の範囲を求めよ。

【型】 の2次不等式 → の範囲 → の2次不等式 → の範囲、と2段階で戻す

【なぜこうするか】
まず の世界で解きます。

と合わせて は常に成り立つので、実質の条件は だけです。
次に に戻します。 とおくと 両辺に を掛けて

最後に をとって( は単調増加なので不等号の向きはそのまま)

この2つの端点は互いに符号が反対です。実際 積が (互いに逆数)なので、 をとると和が 。つまり範囲は原点対称)。
これは 偶関数 にしても不変)であることの当然の帰結で、(ⅴ) の面積計算で活きてきます。

解答。(ⅱ) より 、すなわち と同値で だから条件は 、すなわち

より両辺に を掛けて 。よって

各辺の自然対数をとって( は単調増加)

検算(境界と内外の点)。境界 では ちょうどで ✓ 等号成立。
内部の ✓。
外部の ✓ 範囲外。
数式処理システムで を確認、 ✓ 原点対称。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】置き換えた不等式は「新変数の範囲」と必ず共通部分をとる を含む分数式は を掛けて2次不等式に。2解の積が なら をとった範囲は原点対称——偶関数の問題ではこれが起こります。

【よくあるミス】 をそのまま答えの根拠にして を忘れること。もう一つは の解を ではなく と、判別式を にしてしまうミスです。

〔Ⅱ〕(ⅴ)  で囲まれた図形の面積

【問題(再掲)】

で囲まれた図形の面積 を求めよ。

【型】。被積分関数が偶関数なので にして計算量を半減

【なぜこうするか】
(ⅳ) より、囲まれた区間は )で、この範囲では 。よって

被積分関数は偶関数 が入れ替わるだけ)。だから

での値は 。よって

ここで数値をきれいに入れます より

  • そのもの)

因数分解 を使うのがコツ(2乗を直接計算しなくてよい)。代入して

よって

解答。 とおくと より 、すなわち 。また だから は偶関数。(ⅳ) より だから

より だから

検算( 万分割の数値積分)。 万分割して を数値積分すると
理論値は 小数第10位まで一致
数式処理システムでも ✓ 同一。
妥当性:区間の幅は での高さは 。おおよそ「幅 、最大高さ 」の弓形なので は自然です ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】偶関数の 上の積分は ——計算量が半分になり、代入も 側が楽(多くの項が消える)。 と因数分解して、既に求めた値を使い回す。

【よくあるミス】 の符号を誤ること( の中では なので、積分すると )。もう一つは上下を逆にして負の面積を答えることです。

〔Ⅲ〕【記述式】正三角形の回転——線分が掃く領域は「円環の

分野:図形と方程式/三角関数/複素数平面 難易度:やや難 目標時間:25分

【問題】

座標平面上の3点 、B に対し、三角形 OAB は正三角形である。ただし、B の 座標は正であるとする。さらに点 C は OAB の重心とする。O を中心として OAB を反時計回りに角度 回転させたときの三角形を とする。さらに点 C の重心とする。ただし、 とする。このとき、次の問 (ⅰ)〜(ⅴ) に答えよ。

(ⅰ) B および C の座標をそれぞれ求めよ。

(ⅱ) B および C の座標をそれぞれ を用いて表せ。

(ⅲ) 線分 BC の中点を P とし、P の 座標を とする。 の範囲における の最大値を求めよ。

(ⅳ) 線分 BC 軸と平行になるときの の値を とする。 を求めよ。

(ⅴ) から (ⅳ) で求めた まで動くとき、BC が通過する領域を とする。 の面積 を求めよ。

【解答】

(ⅰ)
(ⅱ)
(ⅲ) 最大値  (ⅳ)  (ⅴ)
(別解による検算と全5問が一致。さらに (ⅲ) は200万分割、(ⅴ) は900万点の格子で実測)

〔Ⅲ〕(ⅰ) B および C の座標

【問題(再掲)】

、B に対し三角形 OAB は正三角形(B の 座標は正)、C は OAB の重心とする。B および C の座標を求めよ。

【型】正三角形なら B は「原点から角 、距離1」。重心は3頂点の平均

【なぜこうするか】
で正三角形だから 。B の 座標が正なので、B は原点から見て、距離 の位置:

重心は3頂点の座標の平均

B と C の 座標がどちらも ——つまり線分 BC は の縦線です。この事実が (ⅴ) の「掃く領域」を考えるときの土台になります。
また で、C は原点から見て角 の位置()。C は「距離 、角 」、B は「距離 、角 ——この極座標表示を押さえておくと (ⅱ)(ⅴ) が驚くほど簡単になります。

解答。 であり三角形 OAB は正三角形だから 。また で B の 座標は正だから

重心 C の座標は3頂点の平均だから

検算(3辺の長さと重心の性質)。 ✓、3辺とも1で正三角形
重心は外心・内心と一致するはずで、 を確認:3つとも一致(正三角形の外接円半径 )。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】1辺 の正三角形を原点と に置くと第3頂点は (暗記)。重心は3頂点の平均点を極座標(距離と角度)で捉え直すと、回転の問題が一気に見通しよくなります。

【よくあるミス】B を など高さを誤ること(高さは )。もう一つは重心を「内心の公式」で計算しようとして遠回りすることです。

〔Ⅲ〕(ⅱ) B および C の座標

【問題(再掲)】

O を中心として OAB を反時計回りに角度 回転させたときの三角形を 、C をその重心とする。B および C の座標を を用いて表せ。

【型】原点まわりの回転は 。複素数 でもよい

【なぜこうするか】
原点を中心とする角 の回転は、公式に当てはめるだけです。B を回すと

C も同様に

「重心を回してから重心をとる」のではなく「回した三角形の重心=重心を回したもの」——回転は1次変換なので平均と交換できます(この一言を答案に添えると丁寧です)。
複素数で書くと構造が透ける:B は 、C は 。回転は なので