信州大学 2019年度 過去問・解答

藤原進之介です。このページでは信州大学2019年度の数学過去問の問題資料と学習情報を無料公開しています。掲載している問題・解答・解説の範囲は、ページ内の各見出しでご確認ください。

今日の一問
四角形ABCDにおいて、 であるとする。
(1) 対角線ACの長さを求めなさい。 (2) 四角形ABCDの面積を求めなさい。
——さて、どこから手をつける?
答えと考え方は、この記事の中で順を追って解説します。

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問題

解答

📑 この年度の大問インデックス(全11問)

解説が長いので、解きたい大問へ直接移動できるようにしています。解けなかった問題は、解説を読んだあとに同じ型の問題で当て直すと定着が速くなります。

型から探したいときは解法パターン事典、他の年度は過去問解説の総索引から。

🧭 信州大学 2019年度|大問ごとに「使う型」を対応させた表

解けなかった大問がどの型に属するのかを一覧にしました。解説を読んだあと、型のページで同じ判断を使う問題を数問当てると定着が速くなります。この年度は難易度と目標時間を掲載していないため、それらは載せていません。

大問出題テーマ使う型(解法パターン事典)
【1】図形と計量|台形の対角線と面積図形と計量
【2】空間ベクトル|四面体の切断面空間ベクトル
【3】面積と不等式|長方形を覆う数と式
【4】極限|対数の評価と無限積極限
【5】データの分析|等差数列の平均と分散数列・漸化式
【6】ベクトルと最小値| の最小値ベクトルの図形への応用
【7】場合の数| となる3数の組場合の数
【8】積分方程式と接線|面積定積分で表された関数
【9】不等式と積分の評価積分法(数II)
【10】整数|3で割り切れる条件整数
【11】三角関数|3項間漸化式と漸化式の全型

型の全体像は解法パターン事典、他の年度・他大学は過去問解説の総索引から。信州大学の年度一覧は各ページ末尾のナビでも確認できます。

信州大学 2019年度(平成31年度)前期日程 数学の全問解説です。教育学部の冊子(数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B/数学Ⅰ・Ⅱ・A・B)と、経法・理・医・工の共通冊子(第1問〜第7問・志望学科ごとに解く問題が指定される方式)が出題されました。重複を除くと全11題・全22小問です。
掲載しているすべての数値は、当塾で独立に解いたうえで Pythonによる全列挙・数値積分での再検算 を行い、本ページで配布している解答PDFも数強塾が独自に作成したもので、この解説と同じ答え・同じ道筋です。

冊子と解答すべき問題の対応

冊子対象問題
教育学部(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B)教育学部第1問〜第4問(本ページの【1】〜【4】)
教育学部(Ⅰ・Ⅱ・A・B)教育学部第1問・第2問(Ⅲ版の第1問・第2問と同一)
共通冊子経法学部 全学科/医学部 保健学科1,2,3,4(【5】【6】【7】【8】)
理学部 数学科2,3,4,5,6,7(【6】〜【11】)
医学部 医学科3,4,5,6,7(【7】〜【11】)
工学部 全学科2,3,4,5(【6】〜【9】)

この年度の傾向(3行)

  • 誘導が丁寧で、前問を使えるかどうかで差がつく。【4】は(1)の不等式を(3)でそのまま使い、【9】は(1)の最小値 を(2)の積分評価に代入するだけ。前問は「使え」という指示だと読むこと。
  • 「図形の言葉」に戻せると一気に楽になる問題がある。【3】(2)の不等式は、実は「2つの面積の和が長方形を覆う」という一行の事実です。計算で殴ると解けません。
  • 整数と三角関数は基本の反復。【10】は 、【11】は3項間漸化式。典型の型をどれだけ正確に運用できるかを見にきています。

【1】図形と計量|台形の対角線と面積(教育 第1問)

【問題】
四角形ABCDにおいて、 であるとする。
(1) 対角線ACの長さを求めなさい。 (2) 四角形ABCDの面積を求めなさい。
【解答】 (1)   (2)

(1) 対角線ACの長さ

【問題(再掲)】 対角線ACの長さを求めなさい。

【型】台形は2辺を延長して三角形を作ると、相似が使えて一気に情報が増える型。

【なぜこうするか】台形のままだと、使える角がひとつも分かりません。しかし なので、辺BCと辺ADを延長して交点Eを作ると △EABと△EDCが相似になります。相似比は 。ここから EA、EB が具体的な数値で確定し、あとは余弦定理を2回使うだけになります。平行線を見たら「延長して相似を作れないか」を疑うのが第一手です。

EABCD4632AC
辺BCと辺ADを延長した交点をEとすると、 より △EAB ∽ △EDC(相似比 )。ここから が決まる。

△EAB と △EDC は相似で、相似比は 。よって すなわち となり、 から 。同様に から

△ABE に余弦定理を用いると

次に △ACE に余弦定理を用います。 なので

検証:座標で と置き、 を求めたところ がぴたりと成立し、 となりました。

【定石】台形は「平行でない2辺を延長して三角形にする」。相似比=平行な2辺の比。

(2) 四角形ABCDの面積

【問題(再掲)】 四角形ABCDの面積を求めなさい。

【型】(1)で作った大きい三角形から小さい三角形を引く型。

【なぜこうするか】台形の高さを直接求めることもできますが、(1)で がすでに出ています。同じ角を共有する2つの三角形の面積の差として書けば、 を2回使うだけで終わります。前問の副産物を捨てないのがコツです。

より 。四角形ABCDは △ECD から △EAB を除いたものなので

検証:座標から高さ を求めて台形の公式 で計算すると で一致しました。

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【2】空間ベクトル|四面体の切断面(教育 第2問)

【問題】
四面体OABCにおいて、辺ABを に内分する点をP、辺BCを に内分する点をQ、辺COを に内分する点をRとする。辺OA上に点Sを、4点P,Q,R,Sが同一平面上にあるようにとる。
(1) 比 を求めなさい。
(2) 四面体OABCが正四面体のとき、頂点Oから線分QSに下ろした垂線の足をHとする。 の面積比を求めなさい。
【解答】 (1)   (2)

(1) 

【問題(再掲)】 比 を求めなさい。

【型】「4点が同一平面上」は3点の係数の和を1にする型。

【なぜこうするか】Sは辺OA上なので と1文字で書けます。一方「平面PQR上」は 係数の和が1の形で書けます。この2つを の係数で比べれば、未知数3個・式3本の連立になります。

とおくと

として係数を比較すると

第2式から 。第3式に代入して 、よって

 すなわち 

検証:正四面体の座標を取って「直線OA」と「平面PQR」の交点を数値的に求めたところ となり に一致しました。

(2)  の面積比

【問題(再掲)】 正四面体のとき、Oから線分QSに下ろした垂線の足をHとする。 の面積比を求めなさい。

【型】共通の高さをもつ2つの三角形の面積比は底辺の比に等しい、という型。

【なぜこうするか】 は、頂点Oを共有し、底辺SHとHQが同一直線上にあります。だから高さ(Oから直線SQまでの距離=OH)が共通で、面積比はそのまま 。つまり面積を計算する必要はなく、Hの位置だけ求めればよいのです。

1辺の長さを とすると 。Hは線分QS上にあるので実数 を用いて と表せます。また

を計算すると 、すなわち 。したがって となり

検証:正四面体の座標で を数値計算すると 、かつ 未満で成立しました。

【定石】頂点を共有し底辺が一直線上にある三角形の面積比=底辺の比。垂線の足が出たら、まずこれを疑う。

【3】面積と不等式|長方形を覆う(教育 第3問)

【問題】
実数 を満たすとする。
(1) 曲線 軸、直線 で囲まれる部分の面積を とし、曲線 軸、直線 で囲まれる部分の面積を とする。 を求めなさい。
(2) 不等式 が成り立つことを示しなさい。
【解答】 (1)   (2) 下の図形的な議論による

(1) 

【問題(再掲)】  を定義に従って求め、その和を答えなさい。

【型】 軸側の面積は逆関数にして で積分する型。

【なぜこうするか】 は「曲線と 軸で挟まれた部分」なので、横向きに切って とするのが自然です。 について解くと 指数が逆数になるだけなので計算はまったく同じ形になります。

より 。また なので です。よって

同様に なので

検証: の3通りで積分を数値計算し、 が9桁まで一致することを確認しました。

(2)  の証明

【問題(再掲)】 不等式 が成り立つことを示しなさい。

【型】不等式を「面積の大小」に読み替える型。

【なぜこうするか】ここが本問の急所です。この不等式を微分や相加相乗で処理しようとすると、指数に文字が乗っているため手が出ません。しかし(1)を見れば、左辺はちょうど 。そして (曲線の下・)と (曲線の左・)を重ねると、4点 を頂点とする長方形が完全に覆われます。長方形の面積は 。だから和は6以上——それだけです。(1)は(2)のための誘導だったと気づけるかがすべてでした。

23OxyS₁S₂y=x^(a/b)
青が 、橙が 。2つを合わせると赤い破線の長方形(面積 )を完全に覆う。したがって

(1)より です。いま を満たす任意の点 を取ると

  • ならば、その点は の領域に入る
  • ならば なので、その点は の領域に入る

つまり長方形の内部の点はすべて のどちらかに含まれます。したがって

(長方形の面積)

検証: から まで4000点動かして の最小値を調べたところ 約6.5009 の端で最小)となり、確かにつねに6以上でした。

【定石】指数に文字が乗った不等式は、面積・体積など「量」の言葉に翻訳できないかを疑う。直前の小問がその翻訳装置になっていることが多い。

【4】極限|対数の評価と無限積(教育 第4問)

【問題】
(1)  において、 が成り立つことを示しなさい。
(2) 極限 を求めなさい。
(3) 自然数 に対して とおく。極限 を求めなさい。
【解答】 (2)   (3)

(1) 

【問題(再掲)】  において を示しなさい。

【型】不等式は差を1つの関数にして、 から増えることを示す型。

左側は と置くと

よって で単調増加、 より 。右側は と置くと より 。以上で示されました。

【定石】不等式の証明は「差をとる → 微分 → 端点の値」。分子がきれいにまとまるかどうかで、置き方が正しいか判断できる。

(2) 

【問題(再掲)】 極限 を求めなさい。

【型】区分求積。 を無理やり作り出す型。

【なぜこうするか】和の前に がついていないので、一見すると区分求積の形ではありません。しかし根号の中から をくくり出せば となり、 が自然に現れます。 の形に揃える」ことを目標に式変形すると、必ずこの形になります。

と置くと のとき なので

検証: で和を直接計算すると で、 を増やすほど近づくことを確認しました。

【定石】 を含む積分は 。根号が になって消える。

(3) 

【問題(再掲)】  の極限を求めなさい。

【型】無限積は対数をとって和に直す型。誤差の評価に(1)を使う。

【なぜこうするか】積のままでは扱えないので をとって和にします。すると が現れますが、この は(2)の形とは違います。そこで(1)の不等式で で挟む——(1)(2)(3)がこの順に並んでいる理由がここで分かります。誘導の並び自体が解法の設計図です。

と置くと、(1)より

から まで加えて

ここで誤差項は、 のとき より

(2)より なので、はさみうちの原理より 。したがって

検証: を計算すると に収束していました。

【定石】無限積の極限は「 をとって和 → 区分求積 → 最後に を戻す」。 のズレは2乗の和で押さえる。

【5】データの分析|等差数列の平均と分散(共通 第1問)

【問題】
初項 で公差 の等差数列の第1項から第 項で与えられるデータの平均と分散を求めよ。
【解答】 平均   分散

平均と分散

【問題(再掲)】 初項 ・公差 の等差数列の第1項から第 項のデータの平均と分散を求めよ。

【型】分散は (2乗の平均 − 平均の2乗)で計算する型。

【なぜこうするか】定義どおり を展開すると、 が中に入っていて式が重くなります。 ならΣの公式()を機械的に当てるだけで済みます。

一般項は 。平均は

2乗の平均は を使って

したがって分散は

検証: の3通りで、実際にデータを並べて定義どおりに平均と分散を計算し、上の式と一致することを確認しました(例: で平均 、分散 )。

この結果の意味:分散が を含まないのは当然です。全部のデータを平行移動しても散らばりは変わらないからです。逆に が2倍になれば分散は4倍——散らばりを「2乗の量」で測っているためです。

【6】ベクトルと最小値| の最小値(共通 第2問)

【問題】
座標平面上の でないベクトル は平行でないとする。 を位置ベクトルとする点をそれぞれA、Bとする。また、正の実数 に対して を位置ベクトルとする点をそれぞれP、Qとする。線分PQが線分ABを に内分する点を通るとき、 の最小値を求めよ。
【解答】  の最小値は のとき)

の最小値

【問題(再掲)】 線分PQが線分ABを に内分する点を通るとき、 の最小値を求めよ。

【型】「一直線上」を係数で書き、拘束条件を1本の式にしてから相加相乗する型。

【なぜこうするか】点Cが線分PQ上にあるという条件は、係数の和が1という形()で書けます。 が1次独立なので係数を比較でき、 の式で表せます。そこまで来れば だけの関数——1文字の最小値問題に落ちます。

線分ABを に内分する点をCとすると 。CはPQ上にあるので、 を満たす実数 を用いて

は1次独立なので係数を比較して より なので

相加平均・相乗平均の関係より 、すなわち (等号は )。よって

等号は 、すなわち のときに成立します。

検証:拘束条件 のもとで を2万点走査したところ、最小 )。 と一致しました。

よくあるミス  を許してしまう。そのとき という矛盾が出るので、端点は自動的に除かれます。ここを確認しておかないと、相加相乗の等号条件が範囲内かどうかも言えません。

【定石】 の最小は 。分母が2次式のときは平方完成でも相加相乗でも同じ結論になる。

【7】場合の数| となる3数の組(共通 第3問)

【問題】
を3以上の整数とする。 個の数から異なる3個を選んで、それらを小さい順に とするとき、次の問いに答えよ。
(1)  のとき、 となる3個の数の組 は何通りあるか。
(2) 一般の について、 となる3個の数の組 は何通りあるか。
【解答】 (1) 12通り  (2) が偶数のとき 通り、 が奇数のとき 通り

(1)  のとき

【問題(再掲)】  のとき、 となる組は何通りあるか。

【型】自由に動ける文字を絞り込んでから数え上げる型。

【なぜこうするか】3つの数を同時に数えようとすると混乱します。しかし なので、 から自動的に決まります。しかも なら が自動的に成り立つので、 の順序条件は「 かつ 」だけに縮みます。本当に自由な文字は の2つだけ——これが見えれば数えるだけです。

かつ を満たす組を数えます。

  • の6通り
  • の4通り
  • の2通り
  • かつ となり、該当なし

通り

検証: から の3個の組み合わせ 通りをすべて調べたところ、 となるのはちょうど12通りでした。

(2) 一般の のとき

【問題(再掲)】 一般の について、 となる組は何通りあるか。

【型】数えた結果が偶奇で分かれることを、最初から想定しておく型。

【なぜこうするか】 を固定すると を動くので、個数は 通り。この和 の上限が となり、 の偶奇で上限の整数部分が変わります。だから答えも2通りに分かれます。

を固定すると の個数は 通り( のときのみ正)。

[1] が偶数のとき):

[2] が奇数のとき):

検証: から までのすべてについて、 通りを全列挙した個数と上の公式が完全に一致することを確認しました。

【定石】(奇数の和は平方数)。この形が出たら、答えがきれいになる合図。

【8】積分方程式と接線|面積(共通 第4問)

【問題】
関数 をみたすとする。曲線 と直線 は、 座標が正の点で接しているとする。
(1)  の値と接点の座標を求めよ。 (2) 直線 、直線 、および曲線 で囲まれた領域の面積を求めよ。
【解答】 (1) 、接点   (2)

(1)  の値と接点の座標

【問題(再掲)】  の値と接点の座標を求めよ。

【型】定数なので文字で置く型。

【なぜこうするか】 について積分し終えたただの数で、 には依存しません。だから と置けば という普通の2次関数になり、その をもう一度積分して についての方程式を作れば決まります。「積分の中身に未知関数がある」形は、必ずこの一手です。

と置くと 。これを積分して

これを解くと 、したがって

が接するので 、すなわち が重解をもちます。判別式より なので 。接点の 座標は で、 のとき (不適)、 のとき (適)。

、接点は

(2) 囲まれた領域の面積

【問題(再掲)】 直線 、直線 、曲線 で囲まれた領域の面積を求めよ。

【型】接する2曲線の差は必ず完全平方になる、という型。

【なぜこうするか】接するということは差が重解をもつということ。したがって

と、展開する前から になると分かっています なので はつねに の上側(接点でのみ一致)です。

検証: を数値積分すると )、面積の数値積分も となりました。

【定石】「接する」と書かれたら、差が の形になることを先に書いてしまう。展開・因数分解の手間がゼロになる。

【9】不等式と積分の評価(共通 第5問)

【問題】
(1)  とする。不等式 がすべての に対して成り立つような実数 の最小値を求めよ。
(2)  を示せ。ただし であることを用いてよい。
【解答】 (1) の最小値は   (2) (1)を で使う

(1)  の最小値

【問題(再掲)】  がすべての で成り立つ の最小値を求めよ。

【型】「すべての で成り立つ 」は比の最大値を求める型。

【なぜこうするか】 なので、不等式は と同値です。これがすべての で成り立つということは、 が右辺の最大値以上ということ。つまり求める最小値は右辺の最大値そのものです。「すべての」を「最大値」に翻訳するのが定跡です。

を微分すると

分子の の中で がきれいに消えるのがポイントです。 なので となるのは のみ。 なので で最大となり

の最小値は

検証: について で40万点走査した最大値は、それぞれ の値 と一致しました。

(2) 積分の評価

【問題(再掲)】  を示せ。

【型】直接計算できない積分は、被積分関数を積分できる式で上から押さえる型。

【なぜこうするか】 は原始関数が書けません。しかし(1)で と取れば

となり、右辺は5乗根が消えてただの三角関数の2次式——これなら積分できます。(1)は(2)のために用意された道具で、しかも と根号が外れるように指数が設計されています。

右辺を積分すると、 を使って

より 。したがって

検証:左辺を数値積分すると 約 5343.6 で、確かに6080未満でした。評価式 の実際の値は なので、 で置き換えて にちょうど収まる設計になっています。

【定石】評価問題は「原始関数が書ける式まで落とす」。前問の不等式は、そのための道具として置かれていることが多い。

【10】整数|3で割り切れる条件(共通 第6問)

【問題】
(1)  が3で割り切れるような自然数 をすべて求めよ。
(2)  が3で割り切れるような自然数 をすべて求めよ。
【解答】 (1) が偶数()  (2) または )= を6で割った余りが のとき

(1)  が3で割り切れる

【問題(再掲)】  が3で割り切れるような自然数 をすべて求めよ。

【型】読み替えて符号だけ追う型。

【なぜこうするか】 を3で割った余りは ですが、 と思ってよいのが決め手です。すると となり、 の偶奇だけで かが決まります。 になるのは が偶数のときだけ。余りは「小さい方」で表すと計算が軽くなる——整数問題の基本です。

より

  • が偶数: なので3で割り切れる
  • が奇数: なので割り切れない

は自然数)

(2)  が3で割り切れる

【問題(再掲)】  が3で割り切れるような自然数 をすべて求めよ。

【型】 を3で割った余りで場合分けし、指数の偶奇と組み合わせる型。

【なぜこうするか】この問題では底も指数も同じ です。まずを3で割った余り(0,1,2)で分けます。余り2の場合だけ が出て指数の偶奇という第2の条件が必要になる——ここで(1)が効きます。底と指数を別々の条件として整理するのが道筋です。

  • なので 。割り切れない。
  • なので つねに割り切れる。
  • より 。割り切れるのは が偶数のときのみ。

3番目の場合、「 かつ が偶数」は と同値です。まとめると

または

検証: から まで を実際に計算して3で割り切れるものを列挙すると 。これらを6で割った余りは 1, 2, 4 の3種類だけで、上の結論と完全に一致しました。

よくあるミス  の場合に指数の偶奇を忘れる。たとえば ですが は奇数なので は3で割り切れません(各位の和が10)。底と指数の両方を見るのが本問の主眼です。

【11】三角関数|3項間漸化式と (共通 第7問)

【問題】
を自然数、 を実数とするとき、次の問いに答えよ。
(1)  を示せ。
(2)  とおくとき、 の式で表せ。
(3)  の値を求めよ。
【解答】 (2)   (3)

(1) 等式の証明

【問題(再掲)】  を示せ。

【型】積和の公式で真ん中の項を2つに割るだけの型。

積和の公式 より

これを左辺に代入すると となり、示されました。

この式が意味すること: と置くと という3項間漸化式です。つまり は、 から順に掛け算と引き算だけで の多項式として作れる。(2)はこれを回すだけの問題になります。

(2)  で表す

【問題(再掲)】  とおくとき、 の式で表せ。

【型】(1)の漸化式を下から順に回す型。

【なぜこうするか】5倍角の公式を暗記していなくても、漸化式 から4回回せば必ず到達します。加法定理を5回使うより速く、間違えにくいのが利点です。

検証: から まで500点動かして を比較したところ、誤差はすべて 未満でした。

(3)  の値

【問題(再掲)】  の値を求めよ。

【型】「5倍すると値が分かる角」を作って(2)に代入する型。

【なぜこうするか】 とすると これが という角が選ばれている理由です。(2)の5次式が0になる方程式を作れば、 の2次方程式に落ちます。

のとき なので、(2)より なので で割って

と置くと 、すなわち

2つの候補のどちらかを決める必要があります。 より なので 。ここで より

したがって適するのは のほうです。

検証: で12桁一致(もう一方の は明らかに不適)。

よくあるミス  の2つの解のうち、どちらが答えかを吟味せずに書く。角の大きさから の範囲を評価するという一手が、この問題の最後の関門です。

この年度で問われた「型」の一覧

  • 台形は2辺を延長して相似を作る(【1】)
  • 「平面上」=3点を基準にした係数の和が1(【2】(1))
  • 頂点を共有し底辺が一直線上の三角形は、面積比=底辺比(【2】(2))
  • 軸側の面積は逆関数にして で積分(【3】(1))
  • 指数に文字が乗った不等式は「面積の言葉」に翻訳する(【3】(2))
  • 不等式の証明は差をとって微分、端点の値で締める(【4】(1))
  • 区分求積は の形に揃えることを目標に変形する(【4】(2))
  • 無限積は をとって和に直し、誤差は2乗の和で押さえる(【4】(3))
  • 分散は「2乗の平均 − 平均の2乗」(【5】)
  • 拘束条件を1本の式にしてから相加相乗(【6】)
  • 自由に動ける文字がいくつかを見極めてから数える(【7】(1))
  • (【7】(2))
  • 定積分は定数なので文字で置く(【8】(1))
  • 接する2曲線の差は必ず完全平方(【8】(2))
  • 「すべての で成り立つ」は比の最大値に翻訳する(【9】(1))
  • 計算できない積分は、積分できる式で上から押さえる(【9】(2))
  • と読み替えて符号だけ追う(【10】(1))
  • 底と指数を別々の条件として整理する(【10】(2))
  • は3項間漸化式 で作れる(【11】(1)(2))
  • 複数の候補が出たら、角の範囲で絞り込む(【11】(3))

この解説の検証について

本ページの数値は、次の3段階で確認しています。

  1. 自力で解く(一般的な解答例を見る前に、当塾で独立に解答を作成)
  2. プログラムによる独立検算 【1】【2】は座標を取った数値計算、【3】【4】【8】【9】は数値積分と数値和、【7】は 通りの全列挙 から まで)、【10】は から までの直接計算、【11】は500点での恒等式チェック
  3. 答えの最終確認 全11題・全22小問について、答えが一致することを確認しました

3段階すべてで不一致はありませんでした。もし本文に誤りを見つけられた場合は、お問い合わせよりご指摘いただけますと幸いです。確認のうえ速やかに修正します。

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信州大学 2019年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析

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  • 微分・積分
  • 図形・三角関数
  • ベクトル
  • 空間図形
  • 数列
  • 方程式・不等式
  • データ・統計
  • 関数・グラフ

この年度の出題範囲と傾向

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分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。

問題文の文字起こし

問1画像OCR

検出分野: 微分・積分、図形・三角関数、方程式・不等式、空間図形、指数・対数

(1) 対角線ACの長さを求めなさい。
(2) 四角形ABCD の面積を求めなさい。
(配点75点) .
四面体OABC において, 辺ABを1 :2に内分する点をP, 辺BOを2:3に内分する .
MEQ, 辺COを3:4に内分する点を R とする。辺OA ELAS を, 4点P, Q, R, 8
が同一平面上ににあるようにとる。次の問いに答えなさい。
(1) 比08 : 8A を求めなさい。
(2) 四面体 OABO が正四面体のとき, 頂点 O から線分 QB8 に下ろした垂線の足を
HESS, AOSH と AOHQ の面積比を求めなさい。

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2 |

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7 1
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: |

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」 |

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- |
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]

ae (I-0-M:A- B) 、
問題用紙 2枚中2枚目
平成31 年度信州大学教育学部入学者選抜試験
(配点75京)
実数x。.0は>5> 0,g十5=1を満たすとする。次の問いに答えなさい。
(1) 曲線ヵ=z#(zこ0), cit, 直線= 3 とで囲まれる部分の面積を 5」 とし, 曲
線ッーッィァ%(> 20), yh, 直線 9 = 2 とで囲まれる部分の面積を 5。 とする。
Spt 5 を求めなさい。
(2) 不等式 8上2 6 が成り立つことを示しなさい。
(配点 75.)
次の問いに答えなさい。
(1) z 20において, 次の不等式が成り立つことを示しなさい。
a— ta? Slog +2) Sa
(2) 次の極限を求めなさい。
lim ys)
neve Ly an =
(3) 自然数ヵに対して
= (な) (ーー) ~ (+a)
a > V4n? — 1? V4n? — 2? V4n? — n?
とおく。 極限 lim P, ERDREV,

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問2画像OCR

検出分野: 図形・三角関数、微分・積分、空間図形

(1) 対角線AOの長さを求めなさい。
(2) 四角形 ABCD の面積を求めなさい。
(配点75点) .
四面体OABCにおいて, 辺ABを1:2に内分する点をP, 辺BCを2:3に内
分する点を Q, 辺COを3:4に内分する点を R とする。辺 OA 上に点8を, 4
AP, Q,R,S が同一平面上にあるようにとる。次の問いに答えなさい。
」 (1) LOS: SA を求めなさい。
(2) 四面体 OABC が正四面体のとき, 頂点 O から線分 Q8 に下ろした垂線の
. 足をHHとする。ムへOSH と へOHQ の面積比を求めなさい。

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問3画像OCR

検出分野: ベクトル、数列、データ・統計、関数・グラフ、空間図形

前期日程
~
|
Si
平成 31 年度入学試験問題
- 注 意 事 項
L COMMIT REED aah & ECHUCA.
2. MASA EL BIC CHOC, MATA CHEMO SH
たところに記入すること。また, 解答用紙は問題ごとに別になっているので, 注意
すること。
3. 用秋呈を解符用紙の指定されたところへ必ず記入すること。雇して氏名を書い
てはいけない。
4 COMBAT CE.
解答にあたっての注意事項
受験者はの表にしたがって 志有学部学科の問是解答すること。
MSF る He
BRON ORGRGRGEE
医学部 回
保全学科| 1, [2], [3], [4Jocm
eee | 2], BI, [4]. [blosm

初項 a で公差 9 の等差数列の第 1 項から第 n 項で与えられるデータの平均
と分散を求めよ。
: mic

ep

雇標平面上の 0 でないベクトル a, ? は平行でないとする。 < と ? を
位置ベクトルとする点をそれぞれ A, BETS. また, ED a, y CHL
Coa Lyd を位置バタトルとする点をそれぞれP,Q とする。線分 PQ が
ME) AB を 2 : 1 に内分する点を通るとき, z の最小値を求めよ。ただし, 位
置ベクトルはすべて原点 O を基準に考える。

ーー

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ーォー

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