東北大学 2014年度 過去問・解答

藤原進之介です。このページでは東北大学2014年度の数学過去問の問題資料と学習情報を無料公開しています。掲載している問題・解答・解説の範囲は、ページ内の各見出しでご確認ください。

今日の一問
次の問いに答えなさい。
曲線 上の点 における接線を 、点 における接線を とする。ただし、 とする。 の交点を とし、線分 、線分 および曲線 で囲まれる図形の面積を とする。
(1)  の座標を を用いて表せ。
——さて、どこから手をつける?
続きの小問と、答え・考え方は本文で解説します。

問題

解答

📑 この年度の大問インデックス(全9問)

解説が長いので、解きたい大問へ直接移動できるようにしています。解けなかった問題は、解説を読んだあとに同じ型の問題で当て直すと定着が速くなります。

型から探したいときは解法パターン事典、他の年度は過去問解説の総索引から。

🧭 東北大学 2014年度|大問ごとに「使う型」を対応させた表

解けなかった大問がどの型に属するのかを一覧にしました。解説を読んだあと、型のページで同じ判断を使う問題を数問当てると定着が速くなります。この年度は難易度と目標時間を掲載していないため、それらは載せていません。

大問出題テーマ使う型(解法パターン事典)
【1】放物線の2接線と面積接線と法線
【2】玉の取り出しと確率確率
【3】三角形とベクトルベクトルの図形への応用
【4】三角関数の最大・最小三角関数
【5】2次方程式の解の存在範囲存在と一意性の証明
【7】1次変換と領域図形と方程式(座標)
【8】積分の漸化式積分法(数II)
【9】対数の極値と相加相乗平均指数・対数

型の全体像は解法パターン事典、他の年度・他大学は過去問解説の総索引から。東北大学の年度一覧は各ページ末尾のナビでも確認できます。

東北大学 2014年度(平成26年度)前期日程 数学の全問解説です。文系4題・理系6題ですが、文系第2問と理系第3問がまったく同じ問題なので、重複を1つにまとめると全9題21小問です。
掲載しているすべての数値は、当塾で独立に解いたうえで Pythonによる検算(積分の数式処理・玉の取り出し方15万通りの全列挙・4万8千点の領域走査・空間座標での立体の再構成・300通りの三角形での1次変換の確認・数値積分・不等式の全数確認) を行い、本ページで配布している解答PDFも数強塾が独自に作成したもので、この解説と同じ答え・同じ道筋です。
ただし理系第6問(2小問)の解答は、外部の解答例が入手できませんでした。そのため本ページの【9】だけは外部の解答例との突き合わせは行っていません。この点は【9】の中に明記したうえで、独立に2通りの方法で確かめた結果を載せています。

本ページ出題分野答え
【1】文系 第1問放物線の2接線と面積/最小値
【2】文系2 = 理系3玉の取り出しと確率
【3】文系 第3問三角形とベクトル
【4】文系 第4問三角関数の最大・最小 の最大 、最小
【5】理系 第1問2次方程式の解の存在範囲 の領域
【6】理系 第2問平行六面体の切り口
【7】理系 第4問1次変換と領域
【8】理系 第5問積分の漸化式
【9】理系 第6問対数の極値と相加相乗平均極小値 /不等式の証明

この年度の傾向(3行)

  • 「前の小問が次の道具」という作りが徹底しています。【8】は (1)(2) から (3) が機械的に出ますし、【9】は (1) で示した「極小値が 」がそのまま (2) の不等式の本体になります。前問の結論をそのまま代入できないかを、まず疑ってください。
  • 【9】(1) の正体は相加・相乗平均の一般形です。 を書き直すと となり、これは「 個の と1個の 」に対する相加相乗平均そのもの。(2) はこれを 個の数に育てて使います。
  • 【2】(3) と【6】が計算量の山です。【2】(3) は「残った4個の積が平方数」という言い換えができるかどうか、【6】は座標を丁寧に置けるかどうか。どちらも方針が立てば単純作業なので、手を止めずに書ききる練習の題材として最適です。

【1】放物線の2接線と面積(文系 第1問)

【問題】
曲線 上の点 における接線を 、点 における接線を とする。ただし、 とする。 の交点を とし、線分 、線分 および曲線 で囲まれる図形の面積を とする。
(1)  の座標を を用いて表せ。
(2)  を用いて表せ。
(3)  が垂直であるときの の最小値を求めよ。
【解答】 (1)   (2)   (3)

(1)  の座標

【問題(再掲)】  の交点 の座標を で表せ。

【型】2接線を書いて連立。接点の 座標の中点になる。

連立して 、すなわち より

座標が中点、 座標が積。覚えておくと検算にも使えます

(2) 面積

【問題(再掲)】  で表せ。

【型】「曲線 − 接線」は必ず完全平方になる。積分は の形。

【なぜこうするか】。接線は「接点で重解をもつ」ので、差は必ず は接点の 座標) になります。展開せずにこの形のまま積分するのが速さの決め手です。

OPQRabSC : y = x²R の x 座標は a と b の中点。S = (b−a)³ ⁄ 12 で差だけで決まる
水色が求める図形。左半分は との差、右半分は との差で、境目は 座標

の位置ではなく差だけで決まります。放物線を平行移動しても面積が変わらないことに対応しています。

(3)  のときの の最小値

【問題(再掲)】  のときの の最小値を求めよ。

【型】垂直 ⟺ 傾きの積が 。そのあと 相加・相乗平均で評価。

の傾きは なので

より 。したがって と書けて

等号は 、すなわち )のとき。このとき について増加なので

  の最小値は  ( のとき)

検証:(2) の を数式処理で厳密に積分し と一致することを確認。(3) は から まで30万点走査して の最小が 、そのときの となることも確かめました。

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【2】玉の取り出しと確率(文系 第2問 = 理系 第3問)

【問題】
1、2、3、4、5 のそれぞれの数字が書かれた玉が2個ずつ、合計10個ある。
(1) 10個の玉を袋に入れ、よくかき混ぜて2個の玉を取り出す。書かれている2つの数字の積が10となる確率を求めよ。
(2) 10個の玉を袋に入れ、よくかき混ぜて4個の玉を取り出す。書かれている4つの数字の積が100となる確率を求めよ。
(3) 10個の玉を袋に入れ、よくかき混ぜて6個の玉を順に取り出す。1個目から3個目の玉に書かれている3つの数字の積と、4個目から6個目の玉に書かれている3つの数字の積が等しい確率を求めよ。
【解答】 (1)   (2)   (3)

(1) 積が10になる確率

【問題(再掲)】 2個の玉の数字の積が10となる確率を求めよ。

【型】同じ数字の玉もすべて区別して数える。

【なぜこうするか】「1が書かれた玉が2個」のように同じ数字が複数あるとき、玉を区別しないと同様に確からしくなくなります。10個すべてに名前をつけて数えるのが原則です。

2個の取り出し方は 通り。積が となる数字の組は だけ( は10がないので不可)。2の玉が2個、5の玉が2個なので 通り。

(2) 積が100になる確率

【問題(再掲)】 4個の玉の数字の積が100となる確率を求めよ。

【型】素因数分解して形を絞る

【なぜこうするか】 を割り切らないので3の玉は使えません。また を作るには5がちょうど2個必要(5は2個しかないので、5を2個とも使う)。残り2個の積が になればよく、 です。

4数の組取り出し方
1が2通り × 4が2通り × 5は2個とも使う → 通り
2も5も2個とも使う → 通り

4個の取り出し方は 通りなので

(3) 前半3個と後半3個の積が等しい確率

【問題(再掲)】 6個を順に取り出したとき、1〜3個目の積と4〜6個目の積が等しい確率を求めよ。

【型】「6個の積が平方数」=「残った4個の積が平方数」に言い換える。

【なぜこうするか】前半の積と後半の積が等しいなら、その共通の値を として6個の積は 、つまり平方数。10個全部の積は で平方数なので、残った4個の積も平方数でなければなりません。4個のほうが調べやすいので、こちらから攻めます。

残る4個の数字は、同じ数字が最大2個までなので、平方数になるのは次の2型です。

(i) の形) 積は で平方数。 の選び方は 通り。
このとき取り出した6個の数字は、残った2種類以外の3種類が2個ずつ、つまり 。前半と後半の積が等しくなる分け方は「前半が 、後半も 」だけです。順番も込めて数えると

通り

(前半で をどの玉から選ぶかが 通り、並べ方が 。後半は残った玉で決まるので並べ方 のみ。)よって 通り。

(ii) の形 は相異なり が平方数)  が平方数となるのは のみ。 以外の の3通り。

残った4数取り出した6数等しく分けられるか
3数で が作れず不可
の1通り
の1通り

可能な2つの場合は、それぞれ

通り

(前半にどちらの組を置くかで2通り。)全事象は 通りなので

よくあるミス (2) で 以外を探しきれずに数え落とす。「3は使えない」「5はちょうど2個」と先に決め打ちすると、残りは2個の積が4になる組だけになって一瞬で尽くせます。素因数を先に見るのが定石です。

検証:(1)(2) は をすべて列挙して を確認。(3) は6個を順に取り出す15万1200通りをすべて列挙し、条件をみたすものが 通り、確率が となることを確かめました( の重複を除いた 通りの数え方でも 通りで同じ確率)。

【3】三角形とベクトル(文系 第3問)

【問題】
を正の実数とする。三角形 の辺 に内分する点を 、辺 に内分する点を とする。線分 と線分 の交点を とする。
(1)  および を用いて表せ。
(2) 直線 は線分 と直交し、かつ の二等分線であるとする。このとき、辺 と辺 の長さの比と の値を求めよ。
【解答】 (1)   (2)

(1) 

【問題(再掲)】  で表せ。

【型】交点は一方の線分上に置いて、もう一方に乗る条件(係数の和が1)で決める。

は線分 上なので、実数 を用いて

ここで なので

は線分 上でもあるので、 の係数の和が

代入すると なので

(2) 

【問題(再掲)】  かつ の二等分線のとき、 を求めよ。

【型】「頂角の二等分線が対辺と直交する三角形は二等辺三角形」——これを に使う。

【なぜこうするか】 は辺 上にあるので 。つまり 三角形 の頂点 の内角の二等分線です。それが対辺 と直交するなら、 の二等辺三角形で、しかも の中点になります。

OABMNPOA : OB = 3 : 2、t = 3 のときOP ⊥ BM かつ OP は ∠AOB の二等分線。このとき OM = OBM は OA を 2 : 1 に、N は OB を t : 1 に内分する点
の頂点 の二等分線でもある。それが と直交する ⟺

第1段: を決める  の中点なので、(1) の途中式で の係数がともに

なので 、すなわち

第2段:長さの比を決める  で、 に内分するので 。したがって

内積で押す道もあります。 と書くと

となり、 を入れると内積の項が消えて 、すなわち 「角によらず成り立つ」ことが式の上でも見えるのが面白いところです。

検証:(1) は連立方程式を数式処理で解いて上の式と一致することを確認。(2) は の3通りに取り、 として実際に座標を作り、(誤差 台)、かつ が二等分線方向と平行(外積 )であることを確かめました。

【4】三角関数の最大・最小(文系 第4問)

【問題】
実数 に対して とおく。
(1)  を用いて表せ。
(2)  を満たしながら変化するとき、 の最大値と最小値、およびそのときの の値を求めよ。
【解答】 (1)   (2) 最大値 )、最小値

(1) 

【問題(再掲)】  で表せ。

【型】 の組が出たら を作る。

【なぜこうするか】2乗して足すと で定数がまとまり、残った交差項がちょうど加法定理の形 になります。

(2)  の最大・最小

【問題(再掲)】  のとき の最大値・最小値と、そのときの を求めよ。

【型】(1) の式に を入れ、 を使う。

【なぜこうするか】(1) は「 の関係」なので、 を固定すれば の値は と1対1に対応します。あとは の値域が範囲を与えます。

等号が実現できるかを確かめます。 のとき 、すなわち は整数)。このとき なので

(複号同順)

なので、確かにそのような が存在します。

  の最大値  (

の最小値  (

よくあるミス  を出しただけで終わってしまう。不等式を出したあと「その値を実際に取れるか」を確かめるのが最大・最小問題の後半です。ここでは から の関係が決まり、そこから が具体的に出るので、問題が「そのときの 」まで聞いているのは親切な誘導だといえます。

検証: から まで4001点に区切り、各 について をみたす の2通り)を求めて を計算しました。最大 、最小 と一致。そのときの も確認しました。

【5】2次方程式の解の存在範囲(理系 第1問)

【問題】
とする。
(1)  のとり得る値の範囲を求めよ。
(2)  の方程式 が (1) の範囲に少なくとも1つの解をもつような点 の存在範囲を図示せよ。
【解答】 (1)   (2) では では (境界を含む)

(1)  の範囲

【問題(再掲)】  のとり得る値の範囲を求めよ。

【型】相加相乗平均で終わらせない。等号成立の が定義域に入るかを確かめる

【なぜこうするか】 は正しいのですが、等号は のとき。これは の外なのでこの評価は使えません。微分して増減を調べる必要があります。

では なので 、つまり 減少

なので

(2)  の存在範囲

【問題(再掲)】  に少なくとも1つ解をもつ の範囲を図示せよ。

【型】下に凸の2次関数が指定範囲に解をもつ条件は、軸が範囲の中か外かで場合分け。

【なぜこうするか】 の軸は 。軸が より右なら頂点が 軸以下であればよく、左なら 以下であればよい。範囲が右に無限に伸びているので、これだけで尽くせます。

(i) (すなわち )のとき  で増加なので、条件は

(ii) (すなわち )のとき 軸が範囲の中なので、条件は頂点の値が 以下:

abO−7/3(−7/3, 49/36)b = a²/4b = −(7/6)a − 49/36水色が (a, b) の存在範囲(境界を含む)
境界は、 では放物線 (判別式 の曲線)、 では直線 が解になる直線)。2つは でつながり、そこで接している。
よくあるミス (1) で相加相乗平均を使い としてしまう。正解の とわずかに違うので、値だけ見ると気づきにくい落とし穴です。等号成立の が定義域に入るかを毎回確かめる癖をつけてください。

検証: を4万8441点に区切り、各点で の解を実際に求めて 以上の解があるかを判定しました。上の答えとの不一致は0件。境界の接続も で両方の式が となることを確認しています。

【6】平行六面体の切り口(理系 第2問)

【問題】
平行六面体 空間内にあり、 とする。辺 の中点を とし、辺 上の点 かつ を満たすように定める。
(1)  の座標を求めよ。
(2) 3点 を通る平面と 軸との交点 を求めよ。
(3) 3点 を通る平面による平行六面体 の切り口の面積を求めよ。
【解答】 (1)   (2)   (3)

(1)  の座標

【問題(再掲)】  かつ をみたす の座標を求めよ。

【型】平行六面体は3本のベクトルの整数倍の和で全頂点が書ける。まず全部書き出す。

なので

の中点で 上なので と書けます。

より 、すなわち

なので 。よって

(2)  軸との交点

【問題(再掲)】 平面 軸の交点 を求めよ。

【型】平面上の点は 軸上 ⟺ 成分も 成分も

軸上なので 成分と 成分が

 ( 成分は

(3) 切り口の面積

【問題(再掲)】 平面 による切り口の面積を求めよ。

【型】切り口の形を確定してから面積。平行四辺形なら外積の大きさで一発。

【なぜこうするか】 は辺 上の点( 軸そのもので )。切り口の4頂点 はそれぞれ別の面の上にあり、四角形 が切り口です。

OABCDEFGMNPM は辺AB の中点、N は辺DG 上で MN = 4、P は y 軸との交点 (0, 2, 0)切り口 EMPN は平行四辺形(EM ∥ NP、EN ∥ MP)面積 = √151 ⁄ 2
切り口は四角形 は上面の頂点、 は辺 の中点、 は辺 上、 は辺 上。

2組の対辺がそれぞれ等しいので、四角形 平行四辺形。したがって面積は の2倍で

なので

検証:平行六面体の点を と表すと、平面 になります。8頂点での の値は で、値 をちょうど取る頂点が1つ()、残りの交点が辺上に3つ現れることを確認しました。座標から面積を外積で計算すると と一致します。 についても を300万点走査して となるのが の2つだけであることを確かめました。

【7】1次変換と領域(理系 第4問)

【問題】
不等式 が表す 平面内の領域を とする。 を円 上の点、 を円 上の異なる2点とし、三角形 は領域 に含まれているとする。 を実数とし、行列 の表す1次変換により に移されるとする。このとき、三角形 が領域 に含まれるための の必要十分条件を求めよ。ただし、三角形は内部も含めて考えるものとする。
【解答】 

の必要十分条件

【問題(再掲)】 三角形 に含まれるための の必要十分条件を求めよ。

【型】「回転 × 拡大」 倍に拡大して回すだけ。

【なぜこうするか】この形の行列は複素数 を掛けることに対応します。 とおけば と書けて

つまり原点からの距離がすべて 倍になり、向きだけが 回る変換です。

第1段:必要条件を絞る  は原点から距離 は距離 なので、像はそれぞれ距離 。これらが に含まれる(距離が 以上 以下)ためには

 かつ 

後者から 、前者から 。したがって 、すなわち

第2段:十分性  のとき 純粋な回転です。領域 は原点を中心とする円環なので、原点まわりの回転でそっくり自分自身に移ります。したがって に含まれる三角形 の像も に含まれます。

よくあるミス 「必要十分条件」なのに必要条件だけで止める、あるいは十分性を三角形の内部まで含めて言えていない。回転は図形をそのままの形で運ぶので、内部の点も自動的に の中に残ります——この一言があるかどうかが答案の完成度を分けます。

なお、条件が「 が内側の円上、 が外側の円上」となっているのが効いています。内側ぎりぎりの点と外側ぎりぎりの点の両方を持っているため、少しでも縮めば が内側の穴に落ち、少しでも伸びれば が外にはみ出す。だから しかありえないわけです。

検証:条件をみたす三角形 を内円上に、 を外円上に取り、内部の点をランダムに80点取って に入ることを確かめたもの)を300通り作り、それぞれについて の3通りの変換をかけて像が に入るかを判定しました。 のときだけ入り、それ以外は必ず外れるという結果で、不一致は0件です。

【8】積分の漸化式(理系 第5問)

【問題】
整数 に対して とする。
(1)  を求めよ。
(2)  を正の整数とするとき、 を求めよ。
(3)  を求めよ。
【解答】 (1)   (2)   (3)

(1) 

【問題(再掲)】  を求めよ。

【型】「分子が分母の微分」の形は (分母の絶対値)になる。

(2) 

【問題(再掲)】  を正の整数とするとき を求めよ。

【型】差を作ると和積の公式で が約分される

【なぜこうするか】 で、 とすると 出てくる が分母とちょうど打ち消し合います。これがこの問題の設計です。

(3) 

【問題(再掲)】  を求めよ。

【型】階差の和で途中が全部消える(telescoping)

検証: を数式処理で厳密に計算して を確認。(2) は から まで、 をそれぞれ数値積分して差を取り、公式の値と9桁一致することを確かめました( など)。(3) も を直接数値積分して と一致しました。

【9】対数の極値と相加相乗平均(理系 第6問)

【問題】
以下の問いに答えよ。
(1)  を自然数、 を正の定数として、

とおく。 における関数 の極値を求めよ。ただし、対数は自然対数とする。
(2)  が2以上の自然数のとき、次の不等式が成り立つことを示せ。
【解答】 (1) で極小値 (極大値はない)  (2) 証明(下記)
この大問だけ、外部の解答例との突き合わせは行っていません。本ページで公開している理系の解答PDFには第1問から第5問までしか収録されておらず、第6問の解答が含まれていません。そのため【9】は「当塾で解く → Python で検算」の2段階までしか通していません。検算の内容は各小問の末尾に具体的に書いています。もし誤りにお気づきの場合は、ご指摘いただけると助かります。

(1)  の極値

【問題(再掲)】  における の極値を求めよ。

【型】 だらけの式でも、微分すればただの分数関数

より分母は正なので、 の符号は分子 と同じ。

極小

極小値は を代入して求めます。 なので

 (極大値はない)

この結果の意味が (2) の鍵です。極小値が ということは、 のすべてで 。書き直すと

 …(★)

左辺は「 個の と1個の 」の相加平均の 乗、右辺はそれらの積。つまり (★) は相加・相乗平均の不等式そのもので、しかも等号成立が (全部等しいとき)というところまで一致しています。

(2) 不等式の証明

【問題(再掲)】  のとき を示せ。

【型】右辺の正体を見抜く。(途中が全部約分)

【なぜこうするか】 は隣どうしが打ち消し合って だけが残ります。したがって 個の数 の相乗平均。左辺はそれらの相加平均。示すべきは「相加平均 > 相乗平均」です。

第1段:(1) から 個版の相加相乗平均を作る 正の数 に対し

 (等号は全部等しいときに限る)

についての数学的帰納法で示します。 は等号で成立。 で成り立つとして、 個の正の数 を取り、(★) で とおくと

(2つ目の不等号が帰納法の仮定。)両辺の 乗根を取れば 個でも成立します。

等号について 1つ目の等号は (1) より のとき、2つ目は仮定より のとき。両方成り立つのは のときに限ります。

第2段:あてはめる  とすると

のとき が異なるので、すべてが等しいことはありません。よって等号は成立せず

(証明終)

よくあるミス 相加相乗平均を「知っているもの」としていきなり使ってしまう。この問題は(1) がその 個版を作るための道具として置かれているので、(1) を使わずに書くと出題意図から外れます。また という条件は「等号が成立しない」ことを保証するためで、 だと両辺とも で等号になります。この確認を書き忘れないでください。

検証:(1) は を数式処理で計算して となること、厳密に に簡約されることを確認しました。(2) は から まで、左辺を分数のまま計算して右辺と比較し、反例0件。たとえば で左 ・右 で左 ・右 です。

解法の「型」の一覧

場面使った問題
放物線の2接線の交点 座標は接点の中点、 座標は積【1】(1)
曲線と接線の差必ず は接点の 座標)。展開せず積分【1】(2)
同じ数字の玉が複数すべて区別して数える【2】
積が指定の値素因数分解して使える数字を先に絞る【2】(2)
前半と後半の積が等しい全体の積が平方数 ⟹ 残りの積も平方数【2】(3)
頂角の二等分線 ⊥ 対辺その三角形は二等辺【3】(2)
を作る【4】(1)
相加相乗平均を使う前に等号成立の値が定義域に入るか確かめる【5】(1)
2次方程式が指定範囲に解軸が範囲の中か外かで場合分け【5】(2)
平行六面体の頂点3本のベクトルの 倍の和で全部書ける【6】
倍の拡大 × 回転【7】
の積分差を取って和積の公式( が約分される)【8】(2)
途中が約分されて 【9】(2)

検証について

本ページの数値は、次の3段階を通したものだけを掲載しています。

  1. 当塾で独立に解く。解答を見る前に、まず自分で最後まで解きます。
  2. Python で別方法から検算する。今回は、【1】を数式処理と30万点走査、【2】を6個を順に取り出す15万1200通りの全列挙、【3】を3通りの角での座標構成、【4】を4001点の走査、【5】を4万8441点の領域走査、【6】を空間座標での立体の再構成、【7】を300通りの三角形での1次変換の確認、【8】を数値積分、【9】を数式処理と から までの全数確認で確かめました。
  3. 解答PDFと本文をそろえる。本ページで配布している解答PDFは数強塾が独自に作成したもので、この解説と答え・道筋が一致しています。

理系第6問(本ページの【9】、2小問)については、外部の解答例が入手できませんでした。そのため3段階目の照合ができていません。この大問だけは1と2の段階までを通したものとして掲載しています。該当箇所にも同じ注意書きを置いています。

もし誤りを見つけられた場合は、お手数ですがご連絡ください。確認のうえ訂正し、訂正の記録もこのページに残します。

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東北大学の数学の過去問は24年度ぶんを公開しています。そのうち5年度は全問の解答解説つきです(「解説」の印がついた年度)。志望校の傾向は1年だけでは見えないので、最低でも3年ぶんを続けて解くことをおすすめします。

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問題PDFをテキストでも確認

東北大学 2014年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析

公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。

  • 図形・三角関数
  • 指数・対数
  • 確率・場合の数
  • 関数・グラフ
  • 微分・積分
  • 整数
  • 方程式・不等式

この年度の出題範囲と傾向

2014年度の問題PDFでは、図形・三角関数、指数・対数、確率・場合の数、関数・グラフ、微分・積分に関する語句や設問を確認できました。東北大学の公開PDFを年度横断で調べると、図形・三角関数は24年度、確率・場合の数は23年度、微分・積分は23年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。

分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。

問題文の文字起こし

問1画像OCR

検出分野: 図形・三角関数、確率・場合の数、関数・グラフ、微分・積分

(1) R の座標を。とヵを用いて表せ。
(22) $をgと》ヵを用いて表せ。
3) ヵとが垂直であるときの$の最小値を求めよ。
1, 2, 3, 4, 5のそれぞれの数字が書かれた玉が 2 個ずつ, 合計 10 個あ
る。
(1) 10 個の玉を袋に入れ, よくかき混ぜて 2 個の玉を取り出す。書かれている
2 つの数字の積が 10 となる確率を求めよ。
(12) 10 個の玉を袋に入れ, よくかき混ぜて4 個の玉を取り出す。書かれている
4 つの数字の積が 100 となる確率を求めよ。
(13) 10 個の玉を袋に入れ、よくかき混ぜて6 個の玉を順に取り出す。 1 個目か
ら 3 個目の玉に書かれている 3 つの数字の積と, 4 個目から 6 個目の玉に書か
れている 3 つの数字の積が等しい確率を求めよ。
一第デ OM2(518—19)

前期 ena
| 医学部保健学科看護学専攻
7を正の実数とする。三角形OABの辺OA を2 : 1に内分する点をM.辺
OB を 7 1に内分する点を N とする。線分 AN と線分 BM の交点をPとする。
() OPをOA. OB および7 を用いて表せ。
2) 直線 OP は線分 BM と直交し. かつンAOB の三等分株であるとする。この
とき, WOA と辺 OB の長さの比と7 の値を求めよ。
[4] 実数xyに対して
A= 2sinx + siny, B= 2cosx + cosy
とおく。
() cose —y)#A, おを用いて表せ。
2) 2, yが4ニ=1 を満たしながら変化するとき. おの最大値と最小値。および
そのときの sine, cosr の値を求めよ。
a § OM2(518—20)

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問2画像OCR

検出分野: 指数・対数、図形・三角関数、確率・場合の数、整数、方程式・不等式

(1) Nの座標を求めよ。
(2) 3点E, M, Nを通る平面とy 軸との交点 P を求めよ。
(3) 3点E, M. Nを通る平面による平行六面体 0ABC-DEFG の切り口の面積
を求めよ。
D G
A B
ーォ4一 M3 (518—24)

(0: EM ea EE Benin RRM |
SS-SS. Ta Se
1, 2, 3. 4. 5 のそれぞれの数字が書かれた玉が 2 個ずつ. 合計 10 個あ
Be
(1) 10個の玉を袋に入れ, よくかき混ぜて9 個の玉を取り出す。 書かれている
2 つの数字の積が 10 となる確率を求めよ。
(2 10個の玉を袋に入れ. よくかき混ぜて4個の玉を取り出す。 書かれている
4つの数字の穂が 100 となる確率を求めよ。
(3) 10個のを袋に入れ. よくかき混ぜて6個の玉を順に取り出す。 LINED
5 3 個目の玉に書かれている 3 つの数字の積と, 4 個目から 6 個目の玉に書か
れている 3 つの数字の積が等しい確率を求めよ。
不等式1 Sa? ty? 4が表す平面内の領域を の とする。Pを円9アー1
上の点、QとR を円 +y'=4 LOMB’ 2 点とし. 三角形PQR は領城のに
<p
FENTOSEFS, «, HEIKEL, 行列4 = 【 Jones 1に

よりPはP、QはQぐ. RはR'に移されるとする。このとき. 三角形PQR'が
領域に含まれるための. 5 の必要上分条件を求めよ。ただし. 三角形は内部
も含めて考えるものとする。
= 5 ぐM3(518一25)

(Rm : 理学部・医学部(医学科、 Bo RR Se REE EMDO)
歯学部・薬学部・工学部・農学部
$8 IHU,
_ f? cos((2n+1)x)
とする。
(1) Ip BRIDE.
(2) ヵを正の整数とするとき, 7。ー 7。-ュを求めよ。
(3) を求めよ。
[6] Fec和えよ。
(1) ヵを自然数、。 を正の定数として.
F(x) =(n + 1) {log (a + x) — log (n + 1)} — n (log a — log n) — log x
とおく。x > 0 における関数7x)の極値を求めよ。ただし, 対数は自然対数
とする。
(2) みが2 以上の自然数のとぎ, 次の不等式が成り立つことを示せ。
1 yt yaa
nimi k
—6— M3 (51826)

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