藤原進之介です。このページでは東京理科大学2016年度の理科過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
東京理科大学 2016年度 数学 全問解説【数強塾オリジナル】
(1) 正四面体の塗り分け
(a) 4色で塗る場合
正四面体の4面を4色で塗り分けます。回転して一致するものを同一視するのが要点です。
緑の面が隣り合わないとき:4色すべてを使う塗り方は 4!/(4·2) = 3通り。分母の 4·2 は正四面体の回転対称性による重複です。
緑の面が隣り合うとき:緑と2辺で接する面を4色から2色選び、残り2色の塗り方が2通りなので
₄C₂ · 2 = 12通り
合計 3 + 12 = 15通り
(b) 6面体を6色で塗る場合
各面を区別すれば 6! 通り。回転で一致するものが1つの塗り方に対して4通りあるので
6!/4 = 180通り
立体の塗り分けは「全パターン ÷ 回転で移り合う個数」が基本。ただし対称性の高い配置では重複度が変わるため、場合分けが必要になります。
(2) 2つの正四面体の共通部分の体積
正四面体 PACB と、それを点対称に配置した ODEF の共通部分を求めます。
(a) 相似縮小による頂点の決定
点 P から各頂点へ向かうベクトルを実数倍して A′, B′, C′ を求めます。
OA′→ = OP→ + kPA→ = (2k, 0, 2−2k)
A′ の z 座標が 4/3 という条件から 2−2k = 4/3、すなわち k = 1/3。
同様に l = m = 1/3 となり、A′(2/3, 0, 4/3)、B′(−1/3, √3/3, 4/3)、C′(−1/3, −√3/3, 4/3) が定まります。
(b)(c) 断面積を積分する
ここが本問の核心です。z = 1+w 平面での断面を考えると、2つの正四面体の断面は互いに逆向きの正三角形で、その共通部分は六角形になります。
大きい正三角形から、はみ出した小さい正三角形3つを引く形で断面積を求めます。
S(w) = (1/2){(2/√3)·(3/2)(1−w)}² sin60° − 3·(1/2){(2/√3)·(1−3w)/2}² sin60°
= (3√3/4)(1−w)² − (√3/4)(1−3w)² = (√3/4)(−6w² + 2)
0 ≦ w ≦ 1/3 で積分すると
∫₀^(1/3) S(w) dw = (√3/4)[−2w³ + 2w]₀^(1/3) = 4√3/27
z > 4/3 の部分は (b) で求めた 2√3/27 に等しく、この立体は z=1, x=0 を満たす直線を軸に180°回転させた対称形なので、全体の体積は
2(4√3/27 + 2√3/27) = 4√3/9
立体の共通部分は「切って、断面積を関数にして、積分する」のが唯一の道筋。ここでは対称性を使って計算量を半減させています。
(3) 三角関数の合成と面積
(a) 共有点をもつ t の範囲
a = 2√3+3 のとき、2曲線の共有点の x 座標は
2 sin x + 3 = 2√3 + 3 − 2cos(x−t) → sin x + cos(x−t) = √3
加法定理で展開して x について合成すると
√{(1+sin t)² + cos² t} · sin(x+α) = √3
実数解をもつ条件は「合成の振幅 ≧ √3」です。両辺正なので2乗して
sin² t + 2sin t + 1 + cos² t ≧ 3 → 2 + 2sin t ≧ 3 → sin t ≧ 1/2
(b) 面積
t = 7π/6 のとき、共有点の条件式を整理すると
2 sin(x − π/3) = a − 3
これは曲線 y = 2sin(x−π/3) と水平線 y = a−3 の交点と読み替えられます。
グラフより、a > 3 かつ 3π/2 ≦ x ≦ 7π/2 の範囲で共有点がただ1つになるのは、直線が山の頂点に接するとき。すなわち
a − 3 = 2 → a = 5(このとき θ = 17π/6)
求める面積は
∫2π17π/6 {2 − 2sin(x−π/3)} dx = [2x + 2cos(x−π/3)]2π17π/6 = (5/3)π − 1
この年度の総評と対策
3題の難易度差が大きい年でした。
- (1) 塗り分け ── 回転による重複を正しく割るだけ。確実に取りたい
- (2) 共通部分の体積 ── 断面積の関数化と積分。時間がかかる最難問
- (3) 三角関数 ── 合成の振幅と実数解の条件を結びつける
特に(3)(a)の「合成した振幅が定数以上」という条件は、sin(x+α) の値域が [−1, 1] であることから導かれる典型論法です。東京理科大学ではこの「振幅による解の存在条件」が繰り返し出題されるため、合成後に必ず振幅を書き出す習慣が有効です。
(2)のような空間の共通部分は、まず断面を描くことから始めてください。立体のまま考えると手が止まります。
※本記事の解答・解説は数強塾が独自に作成したものです。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。掲載内容について権利者の方からご連絡がある場合は、お問い合わせより速やかに対応いたします。
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