早稲田中学校 2024年度(第1回)算数の傾向と解答・解説【数強塾オリジナル】
早稲田中学校が公式サイトで公開している2024年度第1回入学試験問題「算数」をもとに、数強塾のプロ講師が独自に解き、プログラムによる全数検証を含む二重検算を行ったうえで解法の要点をまとめたものです。早稲田中学校は模範解答を公表していないため、本記事の解答は数強塾による独自解答です。問題文そのものは著作権に配慮して転載していません。実際の問題は
早稲田中学校 公式サイトの過去問ページでご確認ください(出典:早稲田中学校)。
出題の全体像
大問5題。大問1が小問3問(分数計算・読書のページ数・道順)、大問2が図形(角度の比・ひし形・回転体)、大問3が通過算、大問4が3人の対戦ゲーム、大問5が立方体の切断という構成です。2024年度第1回は、比を使って条件を整理する力とルールを正確に運用する力が問われました。とくに大問4は、勝ち負けと交代のルールから「対戦回数」と「勝ち数」の関係を導く良問です。
大問1 小問集合
(1) 分数計算:5/(2×3)+11/(3×4)+19/(4×5)+29/(5×6) を通分して計算すると、5/6+11/12+19/20+29/30。分母の最小公倍数60でそろえると 50/60+55/60+57/60+58/60=220/60。約分して 11/3。
(2) 読書のページ数:最初の5日間を1日 x ページ、次の3日間は x−6 ページ、その後は 4(x−6) ページ。
「旅行から帰って4日目にはじめて200ページを超え、その日に読み終えた」という条件から、x=14。
5日間で70ページ、旅行中3日で24ページ、帰宅後は1日32ページ。3日目までで190ページ(200以下)、4日目で222ページに到達。よって全部で 222ページ。
二重検算:(1)11/3(通分と部分分数の2通り)/(2)222ページ(xを7〜200まで全数調査し、条件を満たすのはx=14のみと確認)。
※ 大問1(3)(道順の数え上げ)と大問2(2)(ひし形の分割)は、図中のスタート・ゴール位置や分割の頂点の読み取りに複数の解釈が生じ、独自解答の確度を担保できないため、本記事では解説を掲載していません。確認がとれ次第あらためて追記します。
大問2 図形(角度の比)
(1) 角ア:イ:ウ=1:2:3、角エ:オ=3:5。アの大きさを求めます。
三角形の外角の性質がポイントです。アを a とすると イ=2a、ウ=3a。
エは「ア+イ」にあたる外角なので エ=a+2a=3a。オは「イ+ウ」にあたる外角なので オ=2a+3a=5a。
これでエ:オ=3a:5a=3:5 となり、条件と自動的に一致します。
さらに、ア・オ・エでできる三角形の内角の和から a+5a+3a=180、9a=180。よって ア=20度。
(このとき イ=40°、ウ=60°、エ=60°、オ=100° となり、エ:オ=60:100=3:5 が確かに成り立ちます。)
二重検算:20度(外角の性質から比を導く方法と、実際に各角の値を求めてエ:オ=3:5を確認する方法の2通り)。
大問3 通過算
列車Aは列車Bより42m短い、という条件から始まります。
(1) Aが時速21.6km(=秒速6m)で、停車中のBを完全に追いぬくのに33秒。
追いぬきに必要な距離は「Aの長さ+Bの長さ」なので 6×33=198m。
A=B−42 より B+(B−42)=198、2B=240。よってBの長さは 120m(Aは78m)。
(2) 342mのトンネルを完全にぬけるのに、AはBの2倍の時間がかかります。
Aの走行距離は 342+78=420m、Bは 342+120=462m。
420÷(Aの速さ)=2×462÷(Bの速さ) より、Bの速さはAの 2.2倍(=11/5倍)。
(3) PQ間16.5km、途中の5駅でAは1分ずつ停車(計5分)、Bは通過。AがPを出発してから15分後にBが出発し、同時にQに到着。
Aの所要時間は 16.5÷(Aの速さ)+5分、Bは 16.5÷(Bの速さ)。この差が15分になることと、速さの比2.2倍から連立して解くと、Aは時速54km、Bは 時速118.8km。
二重検算:(1)120m/(2)2.2倍/(3)時速118.8km ── 各段階の値を元の条件式に代入し、所要時間の差がちょうど15分になることを確認。
大問4 3人の対戦ゲーム
A・B・Cの3人が2人で対戦し、負けた人が待機中の人と交代。最初はAとBが対戦(Cが待機)。36回対戦して、対戦回数の比は7:6:5でした。
(1) 1回の対戦に2人が出るので、のべ出場数は 36×2=72。比7:6:5で分けると 72÷18=4 より、Aは 7×4=28回(Bは24回、Cは20回)。
(2) 休んだ回数は 36−28=8回(A)。負けた直後に必ず1回休むので、休みの回数=負けの回数です。36回目でAが勝ったなら、Aは最後に負けていないので負けは8回。
よってAの勝ちは 28−8=20回。
(3) Cは最初から1回休んでいる点に注意します。Cの休みは 36−20=16回ですが、そのうち1回は開始時の待機なので、負けは 16−1=15回。
36回目でCが勝ったなら、Cの勝ちは 20−15=5回。
(4) 31回目はBとCの対戦。31〜36回目の6戦でAが3勝1敗、Bが2勝2敗、Cが1勝3敗。
6戦すべての勝敗パターンを、交代ルールに従って全通り試すと、この成績になる進行は限られ、36回目の結果として考えられるのは
「Aが勝ちCが負け」と「Bが勝ちCが負け」の2通りです。
二重検算:(1)28回/(2)20勝/(3)5勝/(4)2通り ── (4)は6戦分の勝敗(2⁶通り)をすべてシミュレーションし、交代ルールと成績条件を同時に満たす進行だけを抽出して確認。
大問5 立方体の切断
1辺6cmの立方体で、Pは辺FGの中点、Qは辺GHの中点。3点A・P・Qを通る平面で切断します。
(2) 頂点Eを含む側の立体アの体積を求めます。
切断面は、底面ではP・Qを通る直線(頂点Gの角を切り落とす向き)、上面では頂点Aをちょうど通ります。
切り取られる側(頂点C・Gを含む側)の体積を、高さごとの断面積を積み上げて求めると141cm³。
よって立体アは 216−141=75cm³。
(3) 立体アを、さらに3点B・F・Hを通る平面で切断します。できた2つのうち小さい方の体積は 15cm³。
二重検算:(2)75cm³・(3)15cm³ ── 切断面を式で表して断面積を高さ方向に積み上げる厳密計算と、立方体内に大量の点をとって判定する数値シミュレーションの2通りで一致を確認。
早稲田中(2024年度第1回)で問われた力
この年度の第1回は、比と条件整理が主役でした。大問2(1)は外角の性質を使えば「エ:オ=3:5」が自動的に成り立つことに気づけるかが勝負。大問4は、「負けた回数=休んだ回数」という言い換えができれば一気に見通しが立ちます(Cだけは開始時の待機を差し引く点が落とし穴です)。
早稲田の算数は、こうしたルールの言い換えと比の運用が得点を左右します。数強塾では、条件を図や表に置き換える手順を一対一で指導しています。
よくある質問(FAQ)
大問4のような交代ルールの問題はどう考えますか?
「負けた人が休む」=「休んだ回数は負けた回数と等しい」と言い換えるのが基本です。最初に待機している人だけ、その1回分を差し引いて考えます。
立体の切断はどう練習すればよいですか?
切断面が各面とどこで交わるかを、面ごとに順に書き込む練習が有効です。体積は「元の立体から切り取る側を引く」と考えると計算が楽になることが多いです。
模範解答は公表されていますか?
早稲田中学校の公式サイトでは問題は公開されていますが、模範解答は公表されていません。本記事の解答は数強塾が独自に解き、プログラムによる検証を含む複数の方法で確認したものです。
※本記事は早稲田中学校が公式に公開している入試問題(出典:早稲田中学校)をもとに、数強塾が独自に解説・検算したものです。問題文は転載していません。模範解答は非公表のため、解答は数強塾による独自解答であり、文責は数強塾にあります。
本ページが扱う入試問題の著作権は 早稲田中学校 に帰属します。出典:早稲田中学校 2024年度 入学試験問題「算数」。
掲載しているのは、受験生の学習支援を目的として数強塾が独自に作成した解答・解説です。学校が公表した公式解答ではありません(一般的な解答例と照合した場合は本文中にその旨を明記しています)。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。
掲載内容について権利者の方からご連絡がある場合は、お問い合わせより速やかに対応いたします。
「休んだ回数=負けた回数」の言い換えを、正確に作る
上の「問われた力」で、この年度の主役を「ルールの言い換え」と書きました。大問4の交代ゲームでは、「負けた人が休む」を「休んだ回数=負けた回数」と読みかえるのが要点で、FAQにも「最初に待機している人だけ、その1回分を差し引いて考えます」と添えました。
ただ、この言い換えにはもう1つ、差し引きが必要な場面があります。上の解説でも「36回目でAが勝ったなら、Aは最後に負けていないので負けは8回」と書いていますが、なぜその確認が要るのかは説明していません。調整が2か所あることを知らないと、片方だけ直して答えが1ずれます。
この言い換えを、4問かけて正確に組み立てます。すべて数強塾のオリジナルで、実際の入試問題ではありません。
類題1(まず「のべ」で数える)
問題 A・B・Cの3人が、2人ずつ対戦します。負けた人は次の回を休み、休んでいた人と交代します。最初はAとBが対戦し、Cが休みです。
全部で20回対戦し、3人の出場回数の比は 8:7:5 でした。
(1) のべ出場人数は何人ですか。
(2) 3人それぞれの出場回数を求めなさい。
(3) それぞれの休んだ回数を求めなさい。
解答
(1) 1回の対戦に2人が出るので \(20\times2=\mathbf{40}\)(人)。
(2) 比の合計は \(8+7+5=20\)。\(40\div20=2\) より、比の1あたりが2回。
| A | B | C | 合計 | |
|---|---|---|---|---|
| 比 | 8 | 7 | 5 | 20 |
| 出場回数 | 16 | 14 | 10 | 40 |
| 休んだ回数(\(20-\)出場) | 4 | 6 | 10 | 20 |
「のべ」で数えるのがこの型の入口です。1回の対戦に2人出るのだから、人ごとの出場回数を全部足すと対戦回数の2倍になる——これは誰がどう勝っても変わりません。
休んだ回数の合計が20(=対戦回数)になることも確かめておいてください。毎回ちょうど1人が休むので、当然こうなります。
類題2(休み → 負け に直す。調整は2か所)
問題 20回目の対戦はAとBで、Aが勝ちました。3人それぞれの負けた回数を求めなさい。
「休み」と「負け」がずれる2つの場面
| 場面 | どうずれるか | この問題で当てはまる人 |
|---|---|---|
| 最初に待機していた | 負けていないのに1回休んでいる → 負けは休みより1少ない | C |
| 最終回に負けた | 負けたのに、そのあと休む回がない → 負けは休みより1多い | B |
| どちらでもない | 負け=休み | A |
解答
| 休んだ回数 | 調整 | 負けた回数 | |
|---|---|---|---|
| A | 4 | なし | 4 |
| B | 6 | 最終回に負けた → \(+1\) | 7 |
| C | 10 | 最初に待機 → \(-1\) | 9 |
負けた回数の合計は \(4+7+9=\mathbf{20}\)。毎回ちょうど1人が負けるので、対戦回数20と一致します。ここが合わなければ、調整のどこかをまちがえています。
調整は2か所あり、しかも向きが逆です。最初の待機は「休みが1多い」、最終回の負けは「休みが1少ない」。片方だけを覚えていると、必ず1ずれます。
上の解説で「36回目でAが勝ったなら、Aは最後に負けていない」とわざわざ確認したのは、この2つめの調整のためでした。問題文が「最後に誰が勝ったか」を教えてくるときは、この調整を使えという合図です。
類題3(勝った回数を出す)
問題 類題1・2の結果を使って、3人それぞれの勝った回数を求めなさい。
解答
出場した回は、勝つか負けるかのどちらかです。したがって 勝ち=出場−負け。
| 出場 | 負け | 勝ち | |
|---|---|---|---|
| A | 16 | 4 | 12 |
| B | 14 | 7 | 7 |
| C | 10 | 9 | 1 |
| 合計 | 40 | 20 | 20 |
勝ちの合計も 20。毎回ちょうど1人が勝つので、これも対戦回数と一致します。
Cの成績を見てください。10回出て1勝9敗です。出場回数がいちばん少ないのは、負け続けて休んでばかりだったからで、数字がそのまま試合の様子を語っています。
逆にAは16回出て12勝4敗。勝ち続けると出場回数が増える——このゲームでは、出場回数の比がそのまま強さの順になります。
類題4(4つの合計で検算する)
問題 類題1〜3の答えを、4つの合計で確かめなさい。また、次のまちがった答えは、どの合計で見つけられますか。
まちがい例:Cの「最初の待機」を忘れて、Cの負けを10回とした(勝ちは0回)。
4つの合計
| 数えるもの | 合計が何になるか | 理由 | この問題では |
|---|---|---|---|
| 出場 | 対戦回数 \(\times 2\) | 1回に2人出る | \(40\) ○ |
| 休み | 対戦回数 | 1回に1人休む | \(20\) ○ |
| 負け | 対戦回数 | 1回に1人負ける | \(20\) ○ |
| 勝ち | 対戦回数 | 1回に1人勝つ | \(20\) ○ |
まちがい例を、検算にかける
| A | B | C | 合計 | 判定 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 負け(正しい) | 4 | 7 | 9 | 20 | ○ |
| 負け(まちがい) | 4 | 7 | 10 | 21 | × 対戦回数20と合わない |
| 勝ち(まちがい) | 12 | 7 | 0 | 19 | × 対戦回数20と合わない |
負けの合計でも、勝ちの合計でも、どちらでも見つかります。1か所の取りちがえが、2つの合計を同時に狂わせるからです。
この検算のよいところは、どこがちがうかまで分かることです。合計が1多いなら、どこかで1回多く数えている——今回なら「最初の待機を負けに数えてしまった」1回ぶんです。ずれの大きさが、そのまま原因の大きさになります。
上の解説の検算欄では、大問4(4)について「6戦分の勝敗をすべてシミュレーションして確認」と書きました。そこまでしなくても、合計を4つ取るだけで大半のまちがいは捕まります。
まとめ:交代ゲームの言い換え表
| 問題文の言葉 | 言い換え | 注意 |
|---|---|---|
| 1回に2人が対戦 | 出場の合計=対戦回数×2 | — |
| 負けた人が休む | 休み=負け | 調整が2か所 |
| 最初に休んでいた人 | その1回は負けによる休みではない | 負け=休み\(-1\) |
| 最終回に負けた人 | そのあと休む回がない | 負け=休み\(+1\) |
| 出場したら勝つか負けるか | 勝ち=出場−負け | — |
この5行があれば、対戦回数と出場回数の比だけから、全員の勝敗が出せます。試合の中身を1回も追う必要がありません。
「言い換え」の力とは、試合を追わずに済ませる力のことです。36回や20回の対戦を1回ずつ追いかけたら、試験時間が足りません。数えにくいもの(勝敗の並び)を、数えやすいもの(出場回数)に置きかえる——上の解説で「ルールの言い換えと比の運用が得点を左右します」と書いたのは、この意味です。
この4問の使い方
- 類題2の調整2か所を、表に書き出してから使ってください。「最初の待機=\(-1\)」「最終回の負け=\(+1\)」を、毎回その場で書きます。覚えていても書く。
- 類題4の4つの合計は、答えを出すたびに全部取ってください。4つとも30秒で終わり、1か所のずれが必ず2つの合計に出ます。
- 最後に、Cの成績(10回出て1勝9敗)が試合の様子と合っているか考えてください。数字が現実として自然かを見るのも、立派な検算です。
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