早稲田中学校 2025年度(第2回)算数の傾向と解答・解説【数強塾オリジナル】
早稲田中学校が公式サイトで公開している2025年度第2回入学試験問題「算数」をもとに、数強塾のプロ講師が独自に解き、プログラムによる全数検証を含む二重検算を行ったうえで解法の要点をまとめたものです。早稲田中学校は模範解答を公表していないため、本記事の解答は数強塾による独自解答です。問題文そのものは著作権に配慮して転載していません。実際の問題は
早稲田中学校 公式サイトの過去問ページでご確認ください(出典:早稲田中学校)。
出題の全体像
大問5題。大問1が小問3問(計算の工夫・論理推理・つるかめ算)、大問2が図形(角度・折り紙・水そう)、大問3が往復する旅人算、大問4が分数の数列、大問5が図形の移動とグラフという構成です。2025年度第2回は「うそつき問題」や分数列など、規則と論理を読み解く出題が目を引きます。とくに大問4は、一見複雑な分数の並びにきれいな規則が隠れており、それを見抜けるかで大きく差がつきました。
大問1 小問集合
(1) 計算の工夫:2つの□には同じ数が入ります。133×6.3、53.2×□、1.33×(102−□) はいずれも133を共通の材料にしています。133×6.3=837.9、1.33×102=135.66 を先に処理し、□の係数をまとめると 53.2−1.33=51.87。
よって 51.87×□=1596−837.9−135.66=622.44 となり、□=12。
(2) うそつき問題:Aから見えるのはB=4、C=2、D=7、E=5。残りのカードは1・3・6・8なので、Aの数はこの4つのどれかです。
B「A>2」、C「A<5」、D「A>4」、E「Aは奇数」のうち1人だけがうそ。
A=1なら3人がうそ、A=6なら2人、A=8なら2人がうそになり条件に合いません。A=3のとき、B(3>2、正しい)・C(3<5、正しい)・E(奇数、正しい)で、Dだけがうそとなり条件に合います。
答え:Aのカードは 3、うそをついたのは D。
(3) つるかめ算:AとBは合わせて100枚、重さの合計418g。Aの重さの合計はBより38g軽いので、A合計=(418−38)÷2=190g、B合計=228g。
A1枚がB1枚の1.25倍であることから枚数を調べると、A40枚・B60枚。よってA1枚は 190÷40=4.75g(B1枚は3.8gで、4.75÷3.8=1.25と確認できます)。
二重検算:(1)12(共通因数でまとめる方法と直接代入の2通り)/(2)A=3・うそはD(4つの候補すべてで真偽の数を数え上げ、条件を満たすのは1通りだけと確認)/(3)4.75g(枚数を全通り調べ、1.25倍になるのは40枚・60枚のみと確認)。
大問2 図形(折り紙・水そう)
(2) 円形の紙を2回折る:半径6cmの円を2回折ると、中心角90°のおうぎ形(4枚重ね)になります。OQ=PQ で、角Qが直角なので、三角形OQPは直角二等辺三角形。
OP=6(半径)なので OQ×OQ+QP×QP=36、OQ×OQ=18。よって三角形OQPの面積は 18÷2=9cm²。
切り落とす影の部分は「中心角45°のおうぎ形−三角形OQP」=6×6×3.14×45/360−9=14.13−9=5.13cm²。
残った紙は、おうぎ形(6×6×3.14÷4=28.26cm²)から影を除いたものが4枚分なので、(28.26−5.13)×4=92.52cm²。
(3) 水そうとおもり:水そうは18×12×15cm、水深6cm。水の量は 18×12×6=1296cm³、満水は 18×12×15=3240cm³。
水面が水そうの高さ(15cm)と同じになるには、おもりが 3240−1296=1944cm³ 分の水を押しのける必要があります。
おもり(4×3×16cm)は底面積12cm²。水そうの高さ15cmまで完全に沈むと 12×15=180cm³ を押しのけます。
1944÷180=10.8 より、10本は完全に沈み(1800cm³)、残り 144cm³ を11本目が担当。144÷12=12cm。
よって ア=11、イ=12。
二重検算:(2)92.52cm²(おうぎ形と三角形の分解、および全体から切り落とし分を引く方法の2通り)/(3)ア=11・イ=12(押しのけ体積の合計が満水との差1944cm³にちょうど一致することを確認)。
※ 大問2の(1)(正五角形2つの重なりと角度)、および大問5(図形の移動と面積のグラフ)は、図の寸法・点の位置の読み取りに複数の解釈が生じ、独自解答の確度を担保できないため、本記事では解説を掲載していません。正確を期すため、確認がとれ次第あらためて追記します。
大問3 往復する旅人算
兄は分速360mでAB間を往復し続け、弟は同時にAを出発してBへ歩きます。
(1)①② 弟がBに着くまでにすれちがい2回・追いこし1回という条件から、この間に兄が進む距離はABの5倍とわかります(A→B→A→B→A→B)。
2人が同時にBに着くので、360×(所要時間)=5×AB、つまり弟の速さは兄の1/5で 360÷5=分速72m。
初めてすれちがうのは、兄がBで折り返して弟と出会うときなので 360×20+72×20=2×AB。よって AB=4320m。
(2) 兄はA・Bに着くたびに4分48秒(4.8分)休みます。片道は 4320÷360=12分。
兄は0〜12分でB到着、12〜16.8分は休憩、16.8分からB→Aへ。弟と初めてすれちがうのは、4320−360×(t−16.8)=72t を解いて 24分後、地点は1728m。
そこから弟は残り 4320−1728=2592m を走ります。兄が次にBに着くのは45.6分後なので、2592÷(45.6−24)=2592÷21.6=分速120m。
二重検算:(1)①72m/分・②4320m(兄の往復回数を3倍・5倍・7倍で場合分けし、すれちがい2回・追いこし1回になるのは5倍のときだけと数値シミュレーションで確認)/(2)120m/分(兄の休憩を含む時刻表を作り、B到着時刻と一致することを確認)。
大問4 分数の数列
1/2, 1/3, 1/2, 1/3, 1/4, 1/6, 1/2, 1/3, 1/4, 1/6, 1/8, 1/12, … と並ぶ分数列です。
規則の見抜き方:この数列は「かたまり」ごとに区切ると規則が見えます。
第kのかたまりは 1/2, 1/3, 1/4, 1/6, 1/8, 1/12, … と2k個の分数が並び、j番目のペアは 1/2ᴶ と 1/(3×2^(j−1))。
かたまりの項数は 2, 4, 6, 8, … なので、第kのかたまりまでの合計項数は k×(k+1) です。
(1) k×(k+1)=72 となるのは k=8。つまり72番目は第8のかたまりの最後の項で、1/(3×2⁷)=1/384。
(2) 1/2025 より小さくなる最初の分数を探します。2ᴶ>2025 となるのは j=11(2048)。
これは第11のかたまり以降に登場し、その中では21番目の項。第10のかたまりまでで 10×11=110 項なので、110+21=131番目(値は1/2048)。
(3) 各かたまりの和を考えると、第kのかたまりの和は (1/2+1/3)×(1+1/2+1/4+…+1/2^(k−1)) の形になり、きれいに整理できます。
180項までの和を計算すると、ちょうど 20 になります。
二重検算:(1)1/384/(2)131番目/(3)20 ── 数列を実際に生成して項を数え上げる方法と、かたまりごとの一般式で求める方法の2通りで一致を確認。(3)がちょうど整数20になることが、規則の読み取りが正しい何よりの裏づけです。
早稲田中(2025年度第2回)で問われた力
この年度の第2回は、規則を自分で発見する力が主役でした。大問4は、分数の並びを「かたまり」に区切れるかどうかがすべてで、区切りさえ見えれば(1)〜(3)は一本道です(問題文にも区切りのヒントが与えられています)。大問1(2)のうそつき問題も、候補を書き出して真偽を数えるという素直な作業で解けます。
早稲田の算数は、ひらめきよりも手を動かして構造を見つける習慣が得点に直結します。数強塾では、こうした「まず書き出す→規則を見つける→検算する」という型を一対一で指導しています。
よくある質問(FAQ)
大問4のような分数列はどう攻略しますか?
まず数列を書き出し、「どこで同じパターンが繰り返されるか」を探して区切りを入れます。この問題では2個・4個・6個…と増えるかたまりが見つかり、以降の設問はすべてその規則で処理できます。
うそつき問題のコツはありますか?
「だれがうそか」を場合分けするより、答えの候補を先に決めて、各発言の真偽を数える方が速いことが多いです。この問題も候補は4通りしかなく、確実に絞り込めます。
模範解答は公表されていますか?
早稲田中学校の公式サイトでは問題は公開されていますが、模範解答は公表されていません。本記事の解答は数強塾が独自に解き、プログラムによる検証を含む複数の方法で確認したものです。
※本記事は早稲田中学校が公式に公開している入試問題(出典:早稲田中学校)をもとに、数強塾が独自に解説・検算したものです。問題文は転載していません。模範解答は非公表のため、解答は数強塾による独自解答であり、文責は数強塾にあります。
本ページが扱う入試問題の著作権は 早稲田中学校 に帰属します。出典:早稲田中学校 2025年度 入学試験問題「算数」。
掲載しているのは、受験生の学習支援を目的として数強塾が独自に作成した解答・解説です。学校が公表した公式解答ではありません(一般的な解答例と照合した場合は本文中にその旨を明記しています)。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。
掲載内容について権利者の方からご連絡がある場合は、お問い合わせより速やかに対応いたします。
「うそつき問題」は当てるものではない——候補を立てて数える
上の大問1(2)で、この年度の特徴としてうそつき問題を扱いました。解説では4つの候補を順に調べていますが、なぜその順で調べるのかは書いていません。検算の欄に「4つの候補すべてで真偽の数を数え上げ、条件を満たすのは1通りだけと確認」とあるとおり、実際にやっているのは総当たりです。
この型でいちばん多い失敗は、「誰がうそをついているか」を先に当てようとすることです。うそつきを当てるのが問題なのだから自然に思えますが、そこから始めると手が止まります。先に立てるのは、うそつきではなく「答えの候補」のほう。
この順序を4問で確かめます。すべて数強塾のオリジナルで、実際の入試問題ではありません。
類題1(うそが1人)
問題 ある整数 \(N\) は 1以上8以下です。4人が次のように言いました。
A「\(N\) は3より大きい」
B「\(N\) は偶数」
C「\(N\) は4の倍数」
D「\(N\) は、同じ数を2つかけてできる数」
このうちちょうど1人がうそをついています。\(N\) はいくつですか。
解答——\(N\) を1から順に立てる
| \(N\) | A(3より大) | B(偶数) | C(4の倍数) | D(2つかけた数) | うその人数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | うそ | うそ | うそ | 正しい(\(1\times1\)) | 3 |
| 2 | うそ | 正しい | うそ | うそ | 3 |
| 3 | うそ | うそ | うそ | うそ | 4 |
| 4 | 正しい | 正しい | 正しい | 正しい(\(2\times2\)) | 0 |
| 5 | 正しい | うそ | うそ | うそ | 3 |
| 6 | 正しい | 正しい | うそ | うそ | 2 |
| 7 | 正しい | うそ | うそ | うそ | 3 |
| 8 | 正しい | 正しい | 正しい | うそ(\(8\) は作れない) | 1 |
うそがちょうど1人になるのは \(N=8\) のときだけ。答えは 8(うそをついたのは D)。
表を作るのに使ったのは○×を32個つけただけで、推理らしいことは何もしていません。「うそつきを当てる」ではなく「候補ごとに、うその人数を数える」——これがこの型の正体です。
候補が8個しかないのだから、8回調べれば必ず終わります。終わりが見えている作業なので、試験中でも安心して始められます。
類題2(同じ表が、そのまま次の問題に使える)
問題 類題1と同じ4人の発言で、次の場合の \(N\) を答えなさい。
(1) うそがちょうど2人のとき
(2) 全員が正しいとき
解答
類題1の表の右端の列を見るだけです。
| うその人数 | あてはまる \(N\) |
|---|---|
| 0人(全員正しい) | 4 |
| 1人 | 8 |
| 2人 | 6 |
| 3人 | 1, 2, 5, 7(4つある) |
| 4人 | 3 |
(1) 6 (2) 4。
一度作った表は、条件が変わっても使い回せます。「うそが1人」を「2人」に変えられても、表を作り直す必要はありません。
ここが、うそつきを先に当てようとする解き方とのいちばんの違いです。「Dがうそだとすると…」から始めると、条件が変わるたびに全部やり直しになります。候補から立てた表は、問題文の条件がどう変わっても残ります。
類題3(どちらから立てるか、手数を比べる)
問題 類題1を、次の2つの方法で解くとき、それぞれ何回の判定が必要ですか。
(ア) \(N\) を1から8まで順に立て、4人の発言を確かめる
(イ) うそつきをA〜Dから順に決め、残り3人の発言を満たす \(N\) を探す
解答(ア)
候補8個 × 発言4つ = 32回。ただし1回の判定は「その数が条件に合うか」だけで、迷う余地がありません。
解答(イ)
うそつきの候補は4人。それぞれについて「残り3人の発言をすべて満たす \(N\) を1〜8から探す」ので、\(4 \times 8 \times 3 = \mathbf{96}\)(回)。しかもそのあとで「うそつき本人の発言が本当にうそか」も確かめる必要があります。
| 方法 | 判定の回数 | 1回あたりの難しさ | 条件が変わったら |
|---|---|---|---|
| (ア) 候補から | 32回 | 単純 | 表を使い回せる |
| (イ) うそつきから | 96回+確認 | 条件を3つ同時に見る | やり直し |
3倍の手数がかかるうえに、1回あたりも難しい。それでも (イ) から始めてしまうのは、問題が「うそをついたのは誰ですか」と聞いてくるからです。聞かれている順番と、解く順番は別——先に \(N\) を決めれば、うそつきは自動的に決まります。
条件を整理して詰める練習は中学受験算数 推理・条件整理の特訓道場|オリジナル30題と全解説に30題あります。
類題4(おたがいのことを言い合う場合)
問題 A・B・Cの3人のうち、ちょうど1人がうそつきです(うそつきは必ずうそを言い、正直者は必ず本当のことを言います)。
A「うそつきはBだ」
B「うそつきはCだ」
C「うそつきはAではない」
うそつきは誰ですか。
解答——うそつきを1人ずつ立てる
この問題では、答えの候補が「うそつきが誰か」そのものなので、今度はうそつきから立てます。候補は3人だけです。
| 仮定 | Aの発言 | Bの発言 | Cの発言 | つじつま |
|---|---|---|---|---|
| うそつき=A | 「うそつきはB」→ うそ(正しい) | 「うそつきはC」→ うそ | 「うそつきはAでない」→ うそ | うそが3人になり矛盾 |
| うそつき=B | 「うそつきはB」→ 本当 | 「うそつきはC」→ うそ(正しい) | 「うそつきはAでない」→ 本当 | うそはBだけ ○ |
| うそつき=C | 「うそつきはB」→ うそ | 「うそつきはC」→ 本当 | 「うそつきはAでない」→ 本当 | Cが本当を言ってしまい矛盾 |
つじつまが合うのは1つだけ。答えは B。
なぜ、こちらは「うそつきから」でよいのか
類題1では \(N\) が答えの候補でしたが、この問題ではうそつきが答えの候補そのものだからです。どちらから立てるかの基準は「聞かれているもの」ではなく、「候補が少ないほう」です。
| 答えの候補 | 候補の数 | どちらから立てるか | |
|---|---|---|---|
| 類題1 | \(N\)(1〜8) | 8個 | \(N\) から |
| 類題4 | うそつき(A〜C) | 3人 | うそつきから |
うそつき=C のときに矛盾する理由は、少し丁寧に見る価値があります。Cは「うそつきはAではない」と言っています。もしCがうそつきなら、この発言はうそでなければなりません。ところが実際にうそつきはCなのだから「うそつきはAではない」は本当です。うそつきが本当のことを言ってしまうので、成り立ちません。
「〜ではない」という否定の発言は、こうしたねじれが起きやすいので、必ず声に出して確かめてください。
まとめ:うそつき問題の手順
| 順 | やること | 類題1では | 類題4では |
|---|---|---|---|
| ① | 答えの候補を数える | \(N\) は8個 | うそつきは3人 |
| ② | 候補の少ないほうから立てる | \(N\) を1つ仮定 | うそつきを1人仮定 |
| ③ | 全員の発言の真偽を書く | ○×を4つ | ○×を3つ |
| ④ | 条件(うその人数)に合うか数える | 1人か? | 1人か? |
| ⑤ | 合うものが1つだけであることを確かめる | \(N=8\) のみ | B のみ |
⑤を飛ばさないでください。1つ見つかった時点で止めると、実は2つあった場合に気づけません。候補が8個なら8個、3人なら3人、最後まで調べます。
上の解説の検算欄に「条件を満たすのは1通りだけと確認」と書いたのは、この⑤のことです。答えが1つに決まることまで確かめて、はじめて解けたことになります。候補が10個以下なら、全部調べても1〜2分で終わります。
この4問の使い方
- 類題1は、必ず表を全部埋めてください。\(N=8\) を見つけた時点で止めず、1から8まで全部です。⑤の練習になります。
- 類題2は、表を作り直さないで解いてください。一度作った表が何度も使えることを体験するのが目的です。
- 類題4のCの発言を、声に出して確かめてください。「うそつきはAではない」——否定の発言でねじれが起きる感覚をつかみます。
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