山脇学園中学校 算数の傾向と対策【数強塾オリジナル】
山脇学園中学校(東京都港区赤坂)は、サイエンスや英語・国際教育に力を入れる、東京の女子校のひとつです。入学試験には一般入試のほか、算数1教科入試や理数探究入試など複数の方式があり、いずれの方式でも算数は合否を左右する重要教科になります。この記事では、学校が公式サイトで公開している募集要項の範囲で入試の枠組みを整理したうえで、オンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したオリジナル類題5問を、方針・解答・検算つきで掲載します。実在の過去問を書き写したものは一切なく、公開情報から知られる一般的な傾向をふまえて数強塾が新しく作った問題です。答えはすべて、正攻法とは別のもう一つの方法による二重検算で一致を確認しています。
入試の枠組み(公式・2027年度募集要項簡易版より)
山脇学園中学校の入試は、公式サイトで公開されている募集要項によると、一般入試A(2月1日・募集70名)、一般入試B(2月2日午後・募集50名)、一般入試C(2月4日・募集40名)のほか、国語1科・算数1科入試(2月1日午後・国算1科あわせて募集50名)、理数探究入試(2月3日午後・募集20名)、英語入試、帰国生入試といった複数の方式で構成されています。算数の枠組みは方式ごとに異なり、一般入試A・B・Cの算数は50分・100点、算数1科入試は算数のみ60分・100点、理数探究入試の算数は40分・50点(算数的思考力をはかる問題)と案内されています。算数を得意にした受験生が、その強みを活かせる方式が複数用意されている点が大きな特徴です。募集人員・日程・配点や出願要件など最新情報は、必ず 山脇学園 募集要項(公式) と 入試問題(公式) でご確認ください。募集人員や日程・配点は年度によって変わることがあります。
※本ページは公開情報にもとづく傾向分析と、数強塾オリジナルの自作類題による対策です。実際の問題文・図は学校公式サイトでご確認ください。
出題分野の傾向
本記事は特定年度の問題の転載・解説ではなく、公式に公開されている入試の枠組みと、女子校の受験算数一般に見られる特徴をふまえた整理です。一般入試の算数が50分・100点、算数1科入試が60分・100点、理数探究入試の算数が40分・50点という設定から、次のような姿勢が対策の中心になると考えられます。
- 正確でスピーディな処理力:一般入試の算数は50分・100点です。難問を1問だけ時間をかけて解くよりも、基本から標準の問題を、読みまちがい・計算まちがいなく最後まで解ききる力が得点に直結します。計算練習を毎日、時間を計って積むことが土台になります。
- 分野をかたよりなく:計算・数の性質、割合と比(食塩水・売買・仕事算)、速さ(旅人算・流水算)、平面図形(面積比・相似・角度・求積)、規則性・場合の数など、受験算数の定番分野を広くていねいに問う出題が一般的です。特定の一分野だけを深追いするより、全分野を穴なく仕上げる方が効きます。
- 算数1科入試を見すえた深さ:算数のみ60分・100点という方式が用意されているのは、算数を得意にした受験生にとって大きなチャンスです。1科入試を視野に入れるなら、標準問題の完成度に加えて、やや思考力を要する問題を時間内にねばり強く解ききる力まで伸ばしておきたいところです。
- 思考力・条件の読み取り:理数探究入試では「算数的思考力をはかる問題」と案内されています。一般入試でも、やや長めの文章題や規則性の問題では、条件を順に整理して立式する読解力・思考力が問われます。図や表・線分図を自分でかき直しながら、条件を落とさず拾う練習が有効です。
- 途中式・考え方:答えの数値だけでなく、どう考えたかを簡潔に示す習慣をつけておくと、見直しや部分点の面で有利になります。
オリジナル類題で対策
以下の5問は、上記の傾向をふまえて数強塾が独自に作成したオリジナル問題です。実在の過去問の複製ではありません。全問、正攻法の解答に加えて独立した別の方法による二重検算を行い、答えの一致を確認しています。
類題1(数の性質)
【問題】 ある2けたの整数があります。この整数に 3 をたすと 5 の倍数になり、この整数から 2 をひくと 7 の倍数になります。このような 2 けたの整数のうち、もっとも大きいものを求めなさい。
【方針】 2 つの割り算の条件が同時に決まる数は、どちらの条件も満たす数を見つけ、あとは 2 つの割る数の最小公倍数ずつ増やしていくのが定石です。まず「3 をたすと 5 の倍数」=「5 で割ると 2 あまる」、「2 をひくと 7 の倍数」=「7 で割ると 2 あまる」と言いかえて考えます。
【解答】 求める整数を とすると、 が 5 の倍数なので は 5 で割ると 2 あまります。また が 7 の倍数なので は 7 で割ると 2 あまります。どちらも「あまり 2」で共通しているので、 は「5 でも 7 でも割ると 2 あまる数」、つまり が 5 と 7 の公倍数です。5 と 7 の最小公倍数は 35 なので、 と 35 ずつ増えます。この中で 2 けたのものは 37 と 72 で、もっとも大きいのは 。よって 72。
(確かめ:、。条件どおり。)
【検算(別解)】 「7 の倍数に 2 をたした数」を大きい方から調べて確かめます。2 けたで 7 の倍数は 98, 91, 84, 77, 70, … なので、それに 2 をたした は 100, 93, 86, 79, 72, … です(100 は 3 けたなので除く)。このうち「3 をたすと 5 の倍数」になる、すなわち一の位が 2 か 7 になるものを探すと、()が最初に見つかります。正攻法と一致しました。
類題2(割合と比・食塩水)
【問題】 濃度 8% の食塩水 300g と、濃度 3% の食塩水 200g を混ぜ合わせます。
(1) できた食塩水の濃度は何 % ですか。
(2) (1) でできた食塩水から水を何 g 蒸発させると、濃度が 10% になりますか。
【方針】 食塩水の問題は、ふくまれる食塩(の重さ)に注目するのが急所です。混ぜても水を蒸発させても、食塩の重さは変わらないことを利用します。
【解答】 (1) それぞれにふくまれる食塩は、 g と g。合わせて食塩は g、食塩水全体は g です。濃度は なので 6%。
(2) 水を蒸発させても食塩の 30g は変わりません。濃度が 10% になるとき、食塩水全体は g です。もとの 500g から 300g に減ればよいので、蒸発させる水は g。よって 200g。
【検算(別解)】 濃度の比から確かめます。食塩の重さが同じまま濃度を 6% から 10% にするので、食塩水全体の重さは濃度に反比例し、 の逆で になります。もとが 500g なので、蒸発後は g。蒸発させた水は g。正攻法と一致しました。
類題3(速さ・旅人算)
【問題】 A 地点と B 地点は 1800m 離れています。兄は A 地点から分速 80m で B 地点に向かい、弟は同時に B 地点から分速 70m で A 地点に向かって出発します。
(1) 2 人が出会うのは出発してから何分後ですか。
(2) 出会う地点は A 地点から何 m のところですか。
【方針】 向かい合って進む旅人算は、2 人の速さの和で、2 人の間の道のりを割るのが定石です。出会うまでの時間が分かれば、あとは片方の進んだ道のりを求めます。
【解答】 (1) 2 人は 1 分間に合わせて m ずつ近づきます。1800m 近づけば出会うので、。12 分後。
(2) 出会うまでに兄は分速 80m で 12 分進むので、 m。よって出会う地点は A 地点から 960m のところです。
【検算(別解)】 進んだ道のりの比で確かめます。同じ時間に進む道のりは速さの比に等しく、兄と弟は 。出会うまでに 2 人合わせて 1800m 進むので、A 地点からの距離(兄の進んだ道のり)は m。また弟は m 進み、 m でちょうど全体になります。正攻法と一致しました。
類題4(平面図形・面積比)
【問題】 三角形 ABC があります。辺 AB 上に となる点 D を、辺 AC 上に となる点 E をとります。
(1) 三角形 ADE と三角形 ABC の面積の比を、もっとも簡単な整数の比で求めなさい。
(2) 三角形 ABC の面積が 60cm² のとき、四角形 DBCE の面積を求めなさい。
【方針】 1 つの角を共有する 2 つの三角形の面積比は、その角をはさむ 2 辺の長さの比の積になります。三角形 ADE と三角形 ABC は角 A を共有しているので、この性質が使えます。
【解答】 (1) 角 A を共有するので、三角形 ADE と三角形 ABC の面積比は です。、 だから、面積比は 。よって三角形 ADE : 三角形 ABC 1 : 5。
(2) 三角形 ABC が 60cm² なので、三角形 ADE は cm²。四角形 DBCE は三角形 ABC から三角形 ADE を除いた部分なので、。よって 48cm²。
【検算(別解)】 辺を分けて面積を積み上げて確かめます。三角形 ABE は、三角形 ABC と底辺 AC 上の から面積 cm²。その三角形 ABE の中で、点 D は AB を に分けるので、三角形 ADE の面積は cm²。したがって四角形 DBCE は cm²。正攻法と一致しました。
類題5(規則性)
【問題】 1 辺 1cm の正方形のタイルを、1 段目に 1 枚、2 段目に 3 枚、3 段目に 5 枚、… と、段が 1 つ増えるごとにならべる枚数が 2 枚ずつ多くなるようにならべていきます。
(1) 10 段目には何枚ならびますか。
(2) 1 段目から 10 段目までに使うタイルは全部で何枚ですか。
【方針】 各段のタイルの枚数は という奇数の列です。「 段目の枚数」を式で表し、合計は連続する奇数の和として求めます。
【解答】 (1) 段目の枚数は から始まり 2 ずつ増える奇数なので、 枚です。10 段目は 。よって 19 枚。
(2) 1 段目から 10 段目までの合計は 。両端から順にペアにすると 、、… と 20 が 5 組できるので、。よって全部で 100 枚。
【検算(別解)】 「連続する奇数を小さい方から 個たすと になる」という規則を使って確かめます(、、、…)。10 個の奇数の和は 枚。正攻法と一致しました。ならべたタイル全体が 1 辺 10cm の正方形になることからも、面積 cm²、すなわち 100 枚と確かめられます。
学習アドバイス
【時期別】
- 6年生の夏まで:計算・数の性質、割合と比、速さ、平面図形といった定番分野の典型問題を、穴なく仕上げるのが最優先です。50分で解ききる試験に向けて、計算は毎日、時間を計って「速く・正確に」を体にしみこませましょう。
- 秋(9〜11月):やや長めの文章題や規則性の問題を、条件を線分図や表に整理し直しながら正確に読み取る演習を積みます。算数1科入試や理数探究入試を視野に入れる場合は、標準問題の完成度を上げたうえで、思考力を要する問題をねばり強く解ききる練習も加えるとよいでしょう。まちがえた問題は「読み取りのミス」か「計算のミス」かを仕分け、原因を言葉でノートに残すと伸びが早まります。
- 直前期(12月〜1月):新しい教材を広げるより、使い慣れた問題集の反復で精度と速度を上げます。本記事の【検算(別解)】のように、別ルートで答えを確かめる習慣を身につけると、ケアレスミスによる失点を大きく減らせます。
【分野別】
- 数の性質:2 つの割り算の条件が同時に決まる数(類題1)は、「あまりをそろえて言いかえ、両方を満たす数を見つけ、最小公倍数ずつふやす」手順をすぐ引き出せるようにしましょう。
- 割合と比:食塩水(類題2)は「ふくまれる食塩の重さは混ぜても蒸発させても変わらない」を軸に、食塩の量を追いかける正攻法を徹底すると迷いません。
- 速さ:向かい合う旅人算(類題3)は、「速さの和で 2 人の間の道のりを割る」を定石として身につけ、進んだ道のりの比でも確かめられるようにしましょう。
- 平面図形:角を共有する三角形の面積比(類題4)は、「共有する角をはさむ 2 辺の比の積が面積比」を押さえると、相似がなくても素早く求められます。
- 規則性:奇数の列とその和(類題5)は、「 個の連続する奇数の和は 」を知っておくと、計算量を大きく減らせます。
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