安田学園中学校 算数の傾向と対策【数強塾オリジナル】
安田学園中学校(東京都墨田区横網)は、両国国技館のほど近くに校舎をかまえる共学の中高一貫校です。中学入試は複数回・複数方式で実施され、算数(教科型入試)は合否を左右する重要な教科のひとつです。この記事では、学校が公式サイトで公開している中学入試情報をもとに算数の枠組みを整理したうえで、オンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したオリジナル類題5問を、考え方・解答・検算つきで掲載します。実在の過去問を書き写したものは一切なく、公開情報から知られる一般的な傾向をふまえて数強塾が新しく作った問題です。答えはすべて、正攻法とは別のもう一つの方法による二重検算で一致を確認しています。
公開情報からわかる算数のポイント
- 安田学園中学校の入試は、学校公式サイトの案内によれば2月上旬に複数回実施されます。方式には、国語・算数などの教科型入試と、複数の課題を横断して考える適性検査型入試があり、回によって出題方式が異なります。
- このうち教科型の回で算数が出題されます。国語・算数を中心に理科・社会を加える形や、英語をふくむ選択などが案内されており、算数は合否に大きく関わる主要教科と位置づけられています。
- 適性検査型の回では、算数の知識を直接問うというより、身近な題材や資料を読み取って筋道立てて考える力・説明する力が問われる傾向があります。算数で身につけた「順序立てて考える力」がここでも生きてきます。
- 複数回・複数方式のため、受験する回によって求められる力の重心が変わります。志望の回の方式を早めに確認し、それに合わせて準備を進めることが大切です。
※入試の回数・方式・科目は年度により変更される場合があります。試験時間や配点をふくむ最新の正確な情報は、出願前に必ず学校公式の募集要項でご確認ください。入試情報の原文は 安田学園中学校 入試情報(公式) をご覧ください。本ページでは、公式に明記が確認できなかった試験時間・配点は記載していません。
※本ページは公開情報にもとづく傾向分析と、数強塾オリジナルの自作類題による対策です。実際の問題文・図は学校公式サイトでご確認ください。
出題分野の傾向
ここでの記述は、特定年度の問題の転載や解説ではなく、公開情報や共学中堅一貫校の一般的な出題像から読み取れる方向づけの整理です。断定は避け、学習の道しるべとしてお読みください。
- 計算力と正確さが得点の土台:多くの中学入試と同様、算数の前半には計算や小問が置かれる構成が一般的です。ここを速く、正確に取り切る力が全体の得点を支えます。毎日の計算練習で、ケアレスミスを減らし処理速度を上げておきましょう。分数・小数の混じった計算や、逆算(□を求める計算)にも慣れておきたいところです。
- 文章題(速さ・割合)を図に整理する力:受験算数の王道である速さ(旅人算・出会い・追いかけ・往復)や、割合・比の文章題(相当算・食塩水の濃度・売買損益など)は、標準的な出題が中心と考えて対策しやすい分野です。問題文が長めのこともあるので、線分図や表に情報を整理しながら読む習慣をつけておくと安定します。
- 平面図形は基本技術を確実に:面積・角度・長さを求める平面図形は、中学入試の頻出テーマです。三角形や台形の面積、相似・面積比といった基本技術を確実に定着させることが、得点を安定させる近道です。同じタイプの問題を繰り返し解いて手を動かしましょう。
- 数の性質・規則性も穴なく:整数の倍数・余り、公倍数・公約数、数や図形を規則的に並べる問題など、数の性質・規則性の分野も頻出です。特定分野に偏らず、主要分野を穴なく仕上げておくのが安全です。
- 「読んで考える」力が適性検査型でも生きる:適性検査型の回では、資料や身近な場面を題材に、条件を整理して筋道立てて考え、理由を説明する力が問われます。算数の文章題で「なぜそうなるか」を言葉にする練習を重ねておくと、方式が違っても対応しやすくなります。
- 取れる問題を確実に、難しい問題も途中まで:大問は前半の設問ほど取り組みやすいことが多いものです。解ける部分を確実に得点し、解き切れない問題にも途中式を残す姿勢が、安定した合格点につながります。
オリジナル類題で対策
※以下の類題5問は、上記の傾向をふまえて数強塾が独自に作成したオリジナル問題です。実在の過去問の複製ではありません。全問、受験算数の正攻法で解いたうえで、独立した別の方法による二重検算を行い、答えの一致を確認しています。図がなくても読み解けるよう、状況は文章で説明しています。
類題1(数の性質・過不足算)
【問題】 何人かの子どもにあめを配ります。1人に4個ずつ配ると9個余り、1人に6個ずつ配ると7個足りません。
(1) 子どもの人数を求めなさい。
(2) あめは全部で何個ありますか。
(3) 同じあめを1人に5個ずつ配ると、何個余りますか。
【方針】 配る個数を1人あたり4個から6個へ2個増やすと、必要なあめの数が増えます。「余り」が「不足」に変わったぶんの合計が、増やした個数の合計に等しいという関係を使うのが過不足算の急所です。1人あたり2個増やすと全体で何個多く必要になるかを、余りと不足の差から求めます。
【解答】 (1) 4個ずつだと9個余り、6個ずつだと7個足りないので、6個ずつにすると 9+7=16(個)だけ多くあめが必要になります。これは1人あたり 6−4=2(個)増やしたことによるので、人数は 16÷2=8人です。
(2) 4個ずつ配って9個余るので、あめは 4×8+9=41個です。(確認:6×8−7=48−7=41 で一致。)
(3) 5個ずつ配ると 5×8=40(個)必要で、あめは41個あるので、41−40=1個余ります。
【別解による検算】 あめの個数を先に文字で置いて確かめます。人数を□人とすると、あめは「4×□+9」とも「6×□−7」とも表せます。この2つが等しいので、6×□−7=4×□+9。両辺から4×□を引くと 2×□−7=9、2×□=16、□=8。人数は8人、あめは 4×8+9=41個となり、最初の答えと一致しました。(3)も 41÷5=8余り1 で、余り1個が確認できます。
類題2(速さ・出会い算)
【問題】 A地点とB地点は1800mはなれています。兄はAから分速90mで、弟はBから分速60mで、同時に相手に向かって歩き出しました。
(1) 2人が出会うのは出発してから何分後で、その地点はAから何mですか。
(2) 2人が出会ったあとも歩き続けるとして、兄がB地点に着くのは、出会ってから何分後ですか。
【方針】 向かい合って進む2人の「出会い」は、2人合わせて1分間に進む道のり(速さの和)で、はなれた距離が縮まっていくと考えるのが急所です。まず速さの和で出会うまでの時間を求め、それぞれが進んだ道のりを計算します。
【解答】 (1) 2人の速さの和は 90+60=150(m/分)。1800mをこの速さで縮めるので、出会うまでの時間は 1800÷150=12分後。出会った地点は、兄が進んだ道のりなので 90×12=Aから1080mの地点です。(弟は 60×12=720m 進み、1080+720=1800 で一致。)
(2) 兄は出会いまでに1080m進んでいるので、Bまでの残りは 1800−1080=720(m)。兄の速さは分速90mだから、720÷90=8分後に着きます。
【別解による検算】 (2)を「兄がBに着くまでの全体の時間」から確かめます。兄はAからBまで1800mを分速90mで進むので、全体では 1800÷90=20(分)かかります。出会いは出発から12分後なので、出会ってからBまでは 20−12=8分。最初の答えと一致しました。(1)も、弟が進んだ720mを使ってAからの距離を 1800−720=1080mと確かめられます。
類題3(割合・相当算)
【問題】 ある本を読みます。1日目に全体の 1/4 を読み、2日目に残りの 2/3 を読んだところ、まだ40ページ残っていました。
(1) この本は全部で何ページありますか。
(2) 2日目に読んだのは何ページですか。
(3) 3日目に、残っている40ページの 3/4 を読むと、残りは何ページになりますか。
【方針】 相当算は、「全体を1とみて、残りが全体のどれだけにあたるか」を分数で追いかけるのが基本です。1日目のあとの残りは全体の何分の何か、2日目のあとの残りは全体の何分の何かを順に求め、その残りが40ページにあたる、という関係から全体を逆算します。
【解答】 全体を1とします。1日目に 1/4 を読むので、残りは 1−1/4=3/4。2日目にはその残りの 2/3 を読むので、2日目に読むのは 3/4×2/3=1/2。2日目のあとの残りは 3/4−1/2=1/4 です。
(1) この 1/4 が40ページにあたるので、全体は 40÷1/4=160ページです。
(2) 2日目に読んだのは全体の 1/2 なので、160×1/2=80ページです。
(3) 3日目に40ページの 3/4 を読むと、読むのは 40×3/4=30(ページ)。残りは 40−30=10ページです。
【別解による検算】 残りの側から逆算して確かめます。2日目に「残りの 2/3」を読むと、読まずに残るのは「残りの 1/3」。これが40ページなので、2日目を始める前の残り(=1日目のあとの残り)は 40×3=120(ページ)。この120ページは全体の 3/4 にあたるので、全体は 120÷3/4=160ページで一致。2日目に読んだのは 120−40=80ページで、これも一致しました。
類題4(平面図形・台形と面積比)
【問題】 上底ADが6cm、下底BCが10cm、高さが8cmの台形ABCDがあります(ADとBCは平行)。
(1) この台形の面積を求めなさい。
(2) 対角線BDによって台形は三角形ABDと三角形BCDに分かれます。この2つの三角形の面積の比を、もっとも簡単な整数の比で答えなさい。
(3) 2本の対角線ACとBDの交わる点をPとします。三角形APDの面積を求めなさい。
【方針】 (2)は、三角形ABDと三角形BCDがそれぞれAD、BCを底辺とみると高さが等しい(台形の高さ8cm)ことに気づくと、面積比が底辺の比に一致します。(3)は、ADとBCが平行なので三角形PADと三角形PCBが相似になり、相似比がAD:BC=6:10になることを使います。この相似比から、点Pが台形の高さを何対何に分けるかを求めます。
【解答】 (1) 台形の面積は(上底+下底)×高さ÷2 なので、(6+10)×8÷2=64cm²です。
(2) 三角形ABD(底辺AD=6cm)と三角形BCD(底辺BC=10cm)は、どちらも高さが台形の高さ8cmです。よって面積比は底辺の比に等しく 6:10=3:5。(実際、三角形ABD=6×8÷2=24cm²、三角形BCD=10×8÷2=40cm²で、24:40=3:5。)
(3) ADとBCが平行なので三角形PADと三角形PCBは相似で、相似比はAD:BC=6:10=3:5。この比は、点Pから上底ADまでの高さと、点Pから下底BCまでの高さの比にもなります。台形の高さ8cmをこの3:5に分けるので、点Pから上底ADまでの高さは 8×3/(3+5)=3(cm)。三角形APDは底辺AD=6cm、高さ3cmなので、面積は 6×3÷2=9cm²です。
【別解による検算】 相似な三角形の面積比は相似比の2乗になることを使います。三角形PAD と三角形PCB は相似比 3:5 なので、面積比は 3×3 : 5×5=9:25。点Pから下底BCまでの高さは 8×5/8=5(cm)だから、三角形PCB=10×5÷2=25cm²。すると三角形PAD=25×9/25=9cm²となり、最初の答えと一致しました。(念のため:台形64cm²のうち、三角形PADが9cm²、三角形PCBが25cm²、残る2つの三角形の合計が 64−9−25=30cm² と、つじつまが合います。)
類題5(規則性・碁石の正方形)
【問題】 碁石を等しい間かくで並べて、正方形の「外わく」(周だけ)を作ります。たとえば1辺に碁石を3個ずつ並べると、周にそって全部で8個の碁石が並びます。
(1) 1辺に碁石を10個ずつ並べると、周には全部で何個の碁石が並びますか。
(2) 碁石を60個ちょうど使い切って外わくを作るには、1辺を何個にすればよいですか。
(3) 1辺の碁石の数を1個増やすと、周の碁石の数は何個増えますか。
【方針】 正方形の周の碁石は、四すみを重ねて二度数えないように工夫して数えるのがポイントです。1辺にn個並べるとき、4辺ぶんを単純にたすと 4×n 個ですが、これでは四すみの4個をそれぞれ2回ずつ数えてしまいます。そこで重なり4個を引いて 4×n−4(個)とするのが基本の式です。
【解答】 1辺にn個並べるときの周の碁石は 4×n−4(個)です。(確かめ:1辺3個なら 4×3−4=8個で、問題文の8個と合います。)
(1) 1辺10個のとき、4×10−4=36個です。
(2) 4×n−4=60 となるnを求めます。4×n=64、n=16。よって1辺を16個にすればちょうど60個です。
(3) 1辺をn個から(n+1)個に増やすと、周は(4×(n+1)−4)−(4×n−4)=4(個)増えます。すなわち4個増えます(1辺の数がいくつでも、増える数はつねに4個です)。
【別解による検算】 数え方を変えて確かめます。四すみの碁石4個を先に置き、各辺の「すみを除いた内側」は 1辺あたり n−2 個です。辺は4つあるので、内側は 4×(n−2) 個。合計は 4×(n−2)+4=4×n−4 個となり、同じ式が得られます。(1)は 4×(10−2)+4=36個、(2)は 4×(16−2)+4=60個でどちらも一致。(3)も、1辺が10個で36個、11個で 4×11−4=40個なので、40−36=4個増えることが確認できます。
学習アドバイス
安田学園中学校の算数(教科型入試)に向けては、次のような順序で力を積み上げるのがおすすめです。いずれも一般的な受験算数の王道であり、方式が複数ある本校では、基礎の土台を広く固めておくことが特に効いてきます。
- まずは計算と一行問題を毎日:分数・小数の四則計算、逆算、割合・比の基本を、短時間でよいので毎日続けます。ここでの正確さとスピードが、本番で「取れる問題を確実に取る」力になります。
- 頻出分野を一巡し、穴を見つける:速さ(旅人算・出会い・追いかけ)、割合(相当算・食塩水・売買)、平面図形(面積・角度・相似と面積比)、数の性質・規則性を、標準レベルの問題集で一通り解きます。つまずいた単元を記録し、そこを重点的に復習しましょう。
- 図・表・線分図をかく習慣:文章題は、読みながら状況を図や表に落とすと、途中の勘違いが激減します。手を止めて「何を求めるのか」「わかっていることは何か」を書き出す練習を重ねてください。
- 「なぜそうなるか」を言葉にする:本校には適性検査型の回もあります。答えだけでなく考えた筋道を短い言葉で説明する練習をしておくと、教科型でも適性検査型でも通用する思考力が育ちます。上の類題の【方針】のように、自分の言葉で急所を言えるかを確かめましょう。
- 見直しと検算をセットに:この記事の類題のように、別のやり方でもう一度確かめる習慣は、ケアレスミスを減らす最良の方法です。時間内に見直す余裕を残せるよう、日ごろから時間を計って解く練習もしておきましょう。
受験する回・方式によって求められる力の重心が変わるため、志望する入試回の方式を早めに確認し、それに合わせて演習の配分を調整することが大切です。試験時間・配点・実施回数などの正確な情報は、必ず学校公式の最新募集要項でご確認ください。
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