横浜雙葉中学校 2024年度(2期)算数の傾向と解答・解説【数強塾オリジナル】
横浜雙葉中 2024年度 2期 算数の傾向(公式公開PDFにもとづくまとめ)
- 形式:試験時間50分(公式PDF表紙の注意書きで確認)。大問3問構成で、大問1が計算2問をふくむ小問集合7問、大問2が規則にしたがって並ぶ100個の数の列(理由の説明と、式や考え方を書く記述をふくむ4問)、大問3がタイルばりの部屋で「柱のかげになって見えない範囲」を考える問題(ぬって答える図示が2問、後半は鏡の反射がからみます)です。
- 出題の特徴:前半は計算・割合・つるかめ算・流水算・場合の数と定番がそろう一方、大問2・3は「答えだけでなく理由や図で表現する」タイプです。特に大問3は、視線がまっすぐ進むことと鏡の反射(入る角度と出る角度が等しい)という理科的な題材で、初見の設定を読み取って手を動かせるかが試されたと考えられます。
- 差がつきやすい問題:大問1では場合の数の(5)と面積比の(7)、大問2では3の倍数をしぼりこむ(3)(4)、大問3では鏡ごしの見え方を処理する(3)(4)が、得点差につながりやすい内容といえるでしょう。
- 時間配分の考え方:大問1に20分前後、大問2に12分、大問3に15分ほどの配分が現実的でしょう。大問3は(1)(2)までなら定番の「かげの作図」なので、(3)(4)で詰まっても前半を確実に取りきる姿勢が有効と考えられます。
問題の原本は横浜雙葉中学校の公式サイトで公開されています → 横浜雙葉中学校 過去問題(公式)
※以下の解説と解答例はオンライン数学専門塾「数強塾」による独自作成です(全問、受験算数の正攻法と別解による二重検算済み。学校公表の模範解答ではありません)。問題は横浜雙葉中学校公式サイト掲載のPDFをご参照ください。
大問1(計算・小問集合) 答:(1)① 0.02(=1/50) ② 7 (2) 48人 (3) 8回 (4) 36km (5) 16通り (6) 10cm (7) 8:3
(1) 計算2問:①は分母に11・110・1100が並ぶ分数と小数のまじった計算、②は逆算です。
【📖大切な考え方】①は分母が11→110→1100と10倍ずつになっているのが最大のヒント。全部を「1100分の」にそろえると、たし算が一気に終わります。
解答:
① 0.04=4/100 なので 1/11×0.04=4/1100。1/110×3/2=3/220=15/1100。1/1100÷1/3=3/1100。
合わせて(4+15+3)/1100=22/1100=1/50=0.02。
② 1/5+1.2=1.4=7/5 だから、かっこの中全体は 2/3÷7/5=10/21。
一方、1と1/7=8/7、1.4×6と2/3=7/5×20/3=28/3 なので、8/7+28/3=24/21+196/21=220/21。
□÷0.7=220/21−10/21=210/21=10。よって □=10×0.7=7。
【✅検算】分数のままプログラムで計算し、①は1/50、②は□=7で元の式が成り立つことを確認しました。
(2) 割合:同じ人数の中学生と高校生がいるクラブで、アンケートに「はい」と答えた人が中学生の1/4、高校生の2/3にあたり、その差が10人という設定です。
【👀ここに注目】中学生と高校生は同じ人数なので、その人数を「1」とみれば、2つの割合をそのまま引き算できます。
解答:差は 2/3−1/4=8/12−3/12=5/12。これが10人にあたるので、1つの学年の人数は 10÷5/12=24人。クラブ全体は 24×2=48人です。
【✅検算】中学生24人の1/4は6人、高校生24人の2/3は16人で、差は10人。1〜2000人の全数チェックでも条件に合うのは48人だけでした。
(3) つるかめ算:グーで勝つと1点・チョキで勝つと2点・パーで勝つと5点。20回勝って52点、グーの勝ちとパーの勝ちが同数のとき、チョキの勝ちの回数を求めます。
【📖大切な考え方】「グーとパーが同数」なので、グー1回とパー1回をセットにすると「2回で6点」のかたまりになります。これで「チョキ(1回2点)」との2種類のつるかめ算に持ちこめます。
解答:もし20回全部チョキなら 2×20=40点で、実際より 52−40=12点足りません。チョキ2回(4点)をセット1組(6点)に置きかえるごとに2点ずつ増えるので、セットは 12÷2=6組。よってグー6回・パー6回で、チョキは 20−12=8回です。
【✅検算】1×6+2×8+5×6=6+16+30=52点。0〜20回の全組み合わせをプログラムで調べても、条件に合うのは(グー6・チョキ8・パー6)だけでした。
(4) 流水算:川ぞいのA町からB町への往復で、行き(A→B)が2時間、帰り(B→A)が3時間。流れの速さは毎時3kmで、A町からB町までの距離を求めます。
【👀ここに注目】同じ距離を2時間と3時間で進むのだから、下りと上りの速さの比は時間の逆比で3:2。そして下りと上りの速さの差は、いつでも「流れの速さ2つ分」です。
解答:速さの比3:2の「差の1」が、流れ2つ分=毎時6kmにあたります。よって下りは毎時 6×3=18km、上りは毎時12km。行きが下り(2時間で着く方)なので、距離は 18×2=36kmです。
【✅検算】静水時の速さは毎時15km。上り 15−3=12km/時 で 36÷12=3時間となり、帰りの条件とも合います。
(5) 場合の数:1〜5のカード5枚から何枚か選ぶとき、「選んだ枚数と同じ数字のカード」が選んだ中にふくまれるような選び方の数を数えます。
【📖大切な考え方】「何枚選ぶか」で場合分けするのが定石です。□枚選ぶなら、数字□のカードは必ず入れることになるので、残り(□−1)枚を他の4枚から選ぶだけになります。
解答:
・1枚:カード1のみ → 1通り
・2枚:カード2+残り4枚から1枚 → 4通り
・3枚:カード3+残り4枚から2枚 → 4×3÷2=6通り
・4枚:カード4+残り4枚から3枚 →(1枚残す選び方で)4通り
・5枚:全部選ぶ → 1通り
合計 1+4+6+4+1=16通りです。
【✅検算】5枚のカードの選び方31通りをすべてプログラムで調べ、条件に合うものはちょうど16通りでした。
(6) 立体の表面積:30cm×30cm・高さ10cmの直方体から、底面に垂直に円柱をくりぬいても表面積(水にぬれる部分の面積)が変わらなかったとき、円柱の底面の半径を求めます。
【👀ここに注目】くりぬくと「上下の面から円2枚分」が減り、かわりに「くりぬいた穴の内側のかべ(円柱の側面)」が新しく増えます。表面積が変わらない=減った分と増えた分が等しい、ということです。
解答:半径を□cmとすると、減る面積は □×□×3.14×2。増える面積は、側面(底面の円周×高さ)で □×2×3.14×10。等しいので
□×□×3.14×2=□×2×3.14×10。両側を「□×2×3.14」で割ると □=10cm。
直径20cmは一辺30cmの底面におさまるので、答えとして適しています。
【✅検算】減る分は 10×10×3.14×2=628cm²、増える分は 20×3.14×10=628cm²でぴったり一致します。
(7) 面積の比:大小2つの正方形が重なっていて、小さな正方形の左の辺の3等分点P(下の角から2/3の高さ)と下の辺の3等分点Q(左の角から1/3)を大きな正方形の辺が通り、小さな正方形の左下の角だけが外にはみ出しています。重なりが大きな正方形の1/8のとき、辺の長さの比を求めます。
【📖大切な考え方】重なった部分=「小さな正方形から、直線PQで切り取られる左下の三角形を除いた形」。3等分点が出てくるので、小さな正方形の1辺を③(=3cm)とおくと数がきれいになります。
解答:小さな正方形の1辺を3cmとすると面積は9cm²。切り取られる三角形は、直角をはさむ2辺が1cmと2cmなので 1×2÷2=1cm²。よって重なりは 9−1=8cm²。
これが大きな正方形の1/8だから、大きな正方形の面積は 8×8=64cm²。64=8×8 なので1辺は8cm。よって比は大:小=8:3です。
【✅検算】座標上に2つの正方形を再現し、乱数による面積測定(モンテカルロ法)で重なりを測ると8.00cm²となり、64cm²の1/8に一致しました。
【💡ポイントコラム】「重なりは大きい方の1/8」のように面積の割合から辺の長さへもどすときは、面積を9や64のような平方数の形にできるかがカギです。3等分点の設定を見たら「1辺を3とおく」——この“比の数のおき方”は、割合と図形が混ざった問題全般で使える型なので、しっかり身につけておくとよいでしょう。
大問2(数列の規則) 答:(1) 21番目は61・50番目は149 (2) 説明(本文参照) (3) 25個(考え方は本文参照) (4) 3825
1、5、9、11、13、17、21、23、25、29、33、35、37、…と、ある規則で100個の数が並んでいます。
【📖大切な考え方】まず「ふえ方」を調べると、+4、+4、+2、+2のくり返しです。つまりこの列は4個ずつのかたまり(1・5・9・11/13・17・21・23/…)に区切れて、次のかたまりはどれも前のかたまりより12ずつ大きくなっています。
(1) 21=4×5+1 なので、21番目は「第6かたまりの1番目」。かたまりの1番目は 1、13、25、…と12ずつふえるから、1+12×5=61。
50=4×12+2 なので、50番目は「第13かたまりの2番目」。2番目は 5、17、29、…だから、5+12×12=149です。
【✅検算】プログラムで100個すべてを書き出し、21番目=61、50番目=149を確認しました。
(2) すべて奇数である理由(説明の例):最初の数1は奇数である。そのあとの数は、直前の数に4か2をたして作られるが、4も2も偶数であり、「奇数+偶数=奇数」だから、奇数に偶数をたしても奇数のままである。よって何番目の数も奇数になる。——という説明ができます。
【✅検算】100個の全数チェックでも偶数は1つもありませんでした。
(3) 3の倍数の個数(考え方つき):4個ずつのかたまりで考えます。となりのかたまりとは12ちがいで、12は3の倍数なので、「3で割った余り」のパターンはどのかたまりでも同じです。第1かたまり(1・5・9・11)の余りは順に1・2・0・2。つまり3の倍数になるのは各かたまりの3番目(1個だけ)です。100個は 100÷4=25かたまりだから、3の倍数は 1×25=25個。
【✅検算】全数チェックでも3の倍数はちょうど25個でした。
(4) その25個は 9、21、33、…と12ずつふえる等差数列で、最後は 9+12×24=297。よって和は
(9+297)×25÷2=306×25÷2=153×25=3825です。
【✅検算】プログラムで3の倍数だけを取り出してたし合わせても3825でした。
【💡ポイントコラム】ふえ方が「+4+4+2+2」のようにくり返す数列は、くり返しの1周期分(ここでは4個で+12)をひとかたまりにするのが鉄則です。かたまりに区切れば、「◯番目」はわり算の商と余りで即座に特定でき、倍数の個数も「1かたまりに何個」で数えられます。周期×わり算の発想は規則性の問題の万能ツールです。
大問3(柱のかげと鏡・見える範囲) 答:(1) 図示(本文参照) (2) 33600cm² (3) アとカ (4) 図示(本文参照)・11520cm²
1辺120cmの正方形タイルをしきつめた部屋(横4マス・縦3マス)を真上から見ます。左から2列目・下から2段目のタイル1マス分に柱が立っていて、部屋の右下の角の点Aから部屋を見わたします。視線はまっすぐ進み、柱のかげになる部分は見えません。後半は、上側の壁一面が鏡になります。
【📖大切な考え方】見える・見えないの境界線は、いつでも「Aから柱の角をかすめる視線」です。この問題では2本だけ考えれば足ります。
・視線①:Aから柱の右上の角へ。左へ240cm・上へ240cmなので45度の線で、そのままのばすと上の壁の「左から120cmの点」に届きます。
・視線②:Aから柱の左下の角へ。左へ360cm・上へ120cm、つまり「左へ3すすむと上へ1」の線で、のばすと左の壁の「下から160cmの点」に届きます(柱の左下の角から左の壁までさらに左へ120cmすすむ間に40cm上がるため、120+40=160cm)。
(1) 見えない部分の図示:この2本の視線にはさまれ、柱よりむこう側にある部分が見えません。ぬる場所は次の3か所です。
・左上の角のタイル1枚(上段の左はし)……全部。
・上段の左から2枚目のタイル……視線①がこのタイルを対角線のように横切るので、その線より左下側の半分(タイルの左下の角・右下の角・左上の角を結ぶ三角形)。
・中段の左はしのタイル……視線②がこのタイルの右下の角(=柱の左下の角)から左の壁の下から160cmの点へ横切るので、その線より上側の部分(タイルから、底辺120cm・高さ40cmの細い三角形を除いた形)。
(2) 面積:3か所を順にたします。
・左上のタイル:120×120=14400cm²
・上段2枚目の三角形:120×120÷2=7200cm²
・中段左はしのタイル:14400−(120×40÷2)=14400−2400=12000cm²
合計 14400+7200+12000=33600cm²です。
【✅検算】部屋を1cm方眼に区切り、すべての点について「Aと結ぶ線分が柱を通るか」を判定するシミュレーションを行ったところ、方眼を細かくするほど33600cm²に収束し、一致しました。
(3) 鏡があるとき見えない点:上の壁全体が鏡になり、点ア〜カが見えるかを調べます(柱の位置は(1)と同じです)。
【👀ここに注目】鏡ごしの見え方は、鏡のむこう側に「部屋の像」があると考えるのが決め手です。上の壁のむこうに部屋がもう1つ(柱の像もいっしょに)うつっていると考えると、「点Pが鏡ごしに見える」⇔「AからPの像へまっすぐ引いた線が、実物の柱にも柱の像にもぶつからない」と言いかえられます。
解答:まず鏡を使わない直接の視線では、ウだけが見えます(ウは視線①〔45度線〕より上にあり、柱の右上の角の上をこえて見通せます)。ア・イ・エ・オ・カは直接には見えません。
次に鏡ごしを調べると——
・イ・エ・オ:Aから各点の像への線は、実物の柱の上を通りこし、柱の像にも当たらないので、鏡に反射して見えます。
・ア:Aからアの像へ向かう線は、鏡に届く前に実物の柱を通ってしまいます。アは部屋の左上すみに近く、そこを鏡でのぞくには鏡の左はし付近を使うしかありませんが、その方向はちょうど柱のかげです。
・カ:カは柱のすぐ左どなり。Aからカの像への線は柱の像を通ります。つまり、鏡で反射したあとの視線がどうしても柱にさえぎられ、見えません。
よって、見ることができない点はアとカです。
【✅検算】6点それぞれの座標を図から読み取り、「像への線分が2つの柱(実物・像)と交わるか」をプログラムで判定したところ、見えないのはアとカだけで一致しました。
(4) 鏡があるとき見えない部分の図示と面積:(2)で求めた「直接見えない33600cm²」のうち、鏡のおかげで見えるようになる部分を除いた残りが答えです。鏡を使っても見えないのは、次の2つの三角形だけです。
・部屋の左上のすみの三角形:Aから鏡を見ると、鏡の左はしから120cmの部分は柱のかげになっていて使えません(視線①が上の壁に届く点が「左から120cm」だからです)。使える鏡のいちばんはし(左から120cmの点)で反射する視線は、45度で入って45度で出るので、そこから左下45度に下りる線——左の壁の「下から240cmの点」へ向かう線——より上のすみは、鏡でものぞけません。この三角形は直角をはさむ2辺がどちらも120cmで、面積は 120×120÷2=7200cm²。
・柱のすぐ左の三角形:鏡で反射してもどってくる視線のうち、いちばん低いところを通るのは「柱の左上の角をかすめて下りてくる」ものです(上の壁の左から210cmの点で反射し、「左へ3すすむと下へ4」の傾きで下ります)。柱の左どなりでは、この反射視線より下は鏡でも見えず、直接の境界である視線②より上は直接も見えません。2本の線は、柱の左の辺(長さ120cm)から左へすすむと「3cmごとに上の線は4cm下がり、下の線は1cm上がる」ので、120cmあった開きは3cmごとに5cmずつ縮まり、左へ 72cm の地点でぶつかります。よってこの見えない部分は、柱の左の辺を底辺(120cm)、そこから左へ72cmの点を頂点とする三角形で、面積は 120×72÷2=4320cm²。
合計 7200+4320=11520cm²です。
【✅検算】鏡の反射をふくめたシミュレーション(各点について「直接」と「像経由」の両方の線分判定)でも、見えない部分は上記2つの三角形のみで、面積は方眼を細かくするほど11520cm²に収束しました。
【💡ポイントコラム】鏡の問題は「鏡のむこうにもう1つの世界をかく」が合言葉です。反射の折れ線をそのまま追うと混乱しますが、像の世界へまっすぐ線を引けば、ふつうの「かげの作図」と同じ道具(角をかすめる視線)だけで処理できます。図形の新傾向問題に見えても、境界線は結局「角をかすめる直線」——この原則を知っていれば、初見の設定でも手が止まりません。
2024年度 2期から学ぶ教訓
このセットの主役は、大問3の「見える・見えない」に代表される境界線を自分で引く力です。かげの範囲も鏡ごしの範囲も、決め手は「柱の角をかすめる視線」という1種類の直線だけでした。また大問2では、理由の説明や式・考え方の記述がそのまま得点になる出題が続いています。過去問演習では、答えを出して終わりにせず、「境界線を図に正確に引く」「理由を2〜3行で書く」練習までセットにしておくと、本番での対応力が大きく変わるでしょう。
▶ 関連:2025年度(2期)|横浜雙葉 算数過去問一覧|過去問解説・数学問題集
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本ページが扱う入試問題の著作権は 横浜雙葉中学校 に帰属します。出典:横浜雙葉中学校 2024年度 入学試験問題「算数」。
掲載しているのは、受験生の学習支援を目的として数強塾が独自に作成した解答・解説です。学校が公表した公式解答ではありません(公式解答と照合した場合は本文中にその旨を明記しています)。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。
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