横浜女学院中学校 算数の傾向と対策【数強塾オリジナル】
横浜女学院中学校(横浜市中区)は、キリスト教にもとづく人間教育と、国際教養クラスに代表される英語・国際教育に力を入れる女子校として知られています。JR根岸線「石川町」駅から徒歩圏にあり、神奈川・横浜エリアを中心に多くの受験生が志望する学校です。本ページでは、学校が公式に公開している入試情報の範囲で算数の傾向を整理したうえで、オンライン数学専門塾「数強塾」が作成したオリジナルの自作類題を、方針・解答・二重検算つきで掲載します。
公式情報でわかる入試のかたち
横浜女学院中学校の一般入試の募集要項(公式)によると、入試は2月に複数回(A・B・C・D・E入試)行われ、国際教養クラス・サイエンスクラス・アカデミークラスの区分があります。受験科目は、4科目(国語・算数・理科・社会)や2科目(国語・算数/算数・理科)、英語資格を用いる方式、1科目入試など、複数の型から選べます。
算数の試験時間・配点は、公式募集要項で50分・100点満点と案内されています(国語も各50分・100点、社会・理科は各30分・60点)。多くの受験パターンに算数が含まれており、算数の出来が合否に直結しやすい入試といえます。
※本ページは公開情報にもとづく傾向分析と、数強塾オリジナルの自作類題による対策です。実際の問題文・図は学校公式サイトでご確認ください。
出題分野の傾向
ここでは特定年度の問題を引き写すことはせず、公開情報から知られる一般的な傾向を、数強塾の言葉で整理します(断定は避け、あくまで傾向としてお読みください)。
- 大問構成:前半に計算問題や一行問題(小問集合)、後半に応用的な文章題・図形題が置かれる構成が一般的だといわれます。前半の基礎問題を取りこぼさないことが、合格点の土台になります。
- 基礎・標準を正確に:難問奇問よりも、受験算数の基礎から標準レベルの問題を、正確に・ていねいに処理する力が問われる傾向がみられます。式や図をきちんとかき、確実に得点する姿勢が評価されやすい入試です。
- 幅広い分野からバランスよく:計算・数の性質のほか、割合と比、速さ、平面図形・立体図形、規則性、場合の数など、主要分野からまんべんなく出題される傾向があります。特定の1分野に偏らず、苦手をつくらないことが大切です。
- 身近な題材の文章題:日常生活や社会的なテーマを題材にした文章題が出されることもあるといわれます。長めの問題文から必要な数量を読み取り、式に落とす「読解+立式」の力を養っておくと安心です。
※以下の類題は、上記の傾向をふまえて数強塾が独自に作成したオリジナル問題です。実在の過去問の複製や数値替えではありません。全問、正攻法の解答に加えて、独立した別の方法による二重検算で答えの一致を確認しています。
オリジナル類題で対策
類題1(割合と比・相当算)
【問題】(オリジナル) ある物語の本を読みます。1日目に全体の を読み、2日目に残りの を読んだところ、まだ90ページ残っていました。
(1) この本は全部で何ページですか。
(2) 2日目に読んだのは何ページですか。
(3) 3日目に、残っている90ページの を読みました。読み終わっていないページは何ページですか。
【方針】 「残りの 」のように、そのつど基準が変わる割合は、全体を1とおいて分数で追いかけるのが急所です。1日目に を読むと残りは 。その を2日目に読むので、2日目に読んだ量は にあたります。こうして「90ページが全体のどれだけにあたるか」を求めます。
【解答】 (1) 2日目に読んだのは全体の 。1日目と合わせて を読み終えています。残り90ページは全体の にあたるので、全体は ページ。よって180ページ。
(2) 2日目は全体の なので 。よって45ページ。
(3) 3日目は残り90ページの を読むので ページ。まだ読んでいないのは 。よって54ページ。
【検算(別解)】 実際のページ数を順に追って確かめます。全体180ページとして、1日目は ページ、残り135ページ。2日目はその で ページ、残り ページ。問題文の「90ページ残る」と一致します。3日目は ページ読み、残り54ページで(3)と一致。すべての場面で数がぴったり合いました。
類題2(数の性質・規則性)
【問題】(オリジナル) ある規則で数が次のように並んでいます。
2、5、8、11、14、17、…
(1) 20番目の数を求めなさい。
(2) 初めて3けたになるのは何番目で、その数はいくつですか。
(3) 1番目から30番目までの数をすべてたすといくつになりますか。
【方針】 最初の数が2で、3ずつ増える等差数列です。□番目の数は「はじめの数+3×(□−1)」で表せます。式にすると (= )。この一般の式を作ってしまえば、何番目でも・どんな大きさでも見通しよく求められます。和は「(最初+最後)×個数÷2」を使います。
【解答】 (1) □番目の数は 。20番目は 。よって59。
(2) 3けた、つまり100以上になる最初の番号を探します。 より 、。整数では□=34が最初。そのとき 。よって34番目・101。
(3) 30番目は 。1番目(2)から30番目(89)までの和は 。よって1365。
【検算(別解)】 和を別の式変形で確かめます。1番目から30番目までの和は 。 なので 。「(最初+最後)×個数÷2」で求めた1365と一致します。(2)も、33番目 (2けた)、34番目101(3けた)で、34番目が初めて3けたになることを確認できました。
類題3(速さ・出会いの旅人算)
【問題】(オリジナル) A地点とB地点は1500mはなれています。姉は分速60mでAからBへ、妹は分速40mでBからAへ、同時に向かい合って出発します。2人の速さは一定です。
(1) 2人が出会うのは出発してから何分後ですか。
(2) 出会う地点は、A地点から何mのところですか。
(3) 姉がB地点に着くのは出発してから何分後ですか。またそのとき、妹はA地点から何mのところにいますか。
【方針】 向かい合って進む出会いの旅人算では、「2人の速さの和×時間=2人の間の道のり」が基本の式です。出会うまでに2人が進んだ道のりの合計が、ちょうどAB間の1500mになります。(3)は、姉が先にゴールしたあとの妹の位置を、妹の進んだ道のりから求めます。
【解答】 (1) 2人の速さの和は (分速100m)。1500mを速さの和で進むので 。よって15分後。
(2) 出会うまでに姉が進んだ道のりは 。姉はAから出発したので、出会う地点はAから900m。
(3) 姉がB地点(1500m先)に着くのは 分後。そのとき妹はBから m進んでいるので、A地点からは m。よって25分後・Aから500m。
【検算(別解)】 (1)(2)を妹の側から確かめます。出会う15分後、妹はBから m進み、A地点からは m。姉の位置「Aから900m」と一致し、同じ場所で出会うことが確かめられます。2人の進んだ道のりの合計も mでAB間ぴったり。(3)も、25分後の姉1500m・妹1000mで、姉はB地点、妹はAから500m地点にいることが確認できます。
類題4(平面図形・おうぎ形と面積)
【問題】(オリジナル) 1辺が10cmの正方形があります。正方形の4つの頂点をそれぞれ中心として、半径5cmの四分円(円の )を正方形の内側に4つかきます。円周率は3.14とします。
(1) 4つの四分円の面積の合計を求めなさい。
(2) 正方形の中で、どの四分円にもふくまれない部分の面積を求めなさい。
【方針】 半径5cmの四分円は、円の です。4つ集めると 個分、つまり半径5cmの円1つ分の面積になります。各四分円は正方形の辺のまん中でとなり合う四分円とちょうど接し、重なりません。だから「正方形−四分円4つ分」で、すみに残る中央部分の面積が求められます。
【解答】 (1) 四分円1つの面積は 。4つ分はその4倍なので、結局半径5cmの円1つ分で 。よって78.5cm²。
(2) 正方形の面積は (cm²)。四分円は重ならずに正方形の内側におさまるので、どの四分円にもふくまれない部分は 。よって21.5cm²。
【検算(別解)】 (1)を1つずつ積み上げて確かめます。四分円1つは cm²。4つでは cm²で一致します。(2)も、正方形100cm²から78.5cm²を引いて21.5cm²。四分円どうしが辺の中点(頂点から5cmの点)で接し重なりがないことは、半径5cm+5cm=10cm=正方形の1辺と等しいことからも確かめられます。もれ・重なりのない分け方になっています。
学習アドバイス
【時期別の進め方】
- 6年生の夏まで:割合と比・速さ・平面図形・数の性質など、全分野の典型問題を穴なく仕上げることが最優先です。横浜女学院のように基礎・標準を正確に問う入試ほど、苦手分野を1つ残すだけで大きな失点につながります。計算力もこの時期にしっかり固めましょう。
- 秋(9〜11月):標準レベルの問題を時間を計って解く練習を増やします。本ページの類題のように「基準の変わる割合は全体を1とおく」「等差数列は□番目の式を作る」「出会いは速さの和」「四分円4つは円1つ分」といった考え方の型を、確実に使えるようにしていきましょう。過去問演習は、学校配布資料や公式に公開された情報を活用してください。
- 直前期(12月〜1月):50分の時間配分の練習が中心です。前半の計算・小問集合を速く正確に固めて確実に得点し、後半に時間を残す——この解く順番と時間の使い方を、本番と同じ形式でくり返し練習しましょう。答えを出したら必ず見直し・検算をする習慣を、最後まで大切にしてください。
【分野別のポイント】
- 割合と比:もとにする量が何かを毎回はっきりさせ、線分図や面積図で整理する習慣を(類題1)。「残りの◯分の1」のような表現に強くなりましょう。
- 数の性質・規則性:数の並びは「□番目の式」を作ることを目標に(類題2)。和は「(最初+最後)×個数÷2」を使いこなせるようにしておきましょう。
- 速さ:出会い・追いつきの旅人算は、線分図とセットで「速さの和・差」を意識(類題3)。出した答えで全員の動きを再現して確かめる姿勢を大切に。
- 図形:おうぎ形・円の面積は「全体のどれだけにあたるか」を分数でとらえる(類題4)。重なり・すき間のない分け方を、図に印を入れて確認しましょう。
横浜女学院の算数は、特別な難問対策よりも、基礎・標準を取りこぼさない正確さと幅広い分野をまんべんなく仕上げることが合格への近道だと考えられます。日々の学習で、式・図・検算をていねいに積み重ねていきましょう。


