学校別対策 / 数学単元ガイド

横浜共立学園 高1の夏休み課題|2次関数の最大・最小を本質から理解する

数強塾グループの一流講師陣 一流のライブ授業×最高品質の映像授業×サボれないコーチング

今日の一問
2次関数 \(y = x^2 + 2ax + 2a + 1\) について、
(1) 最小値 \(m\) を \(a\) で表せ。
(2) \(a\) の値が変化するとき、(1)の \(m\) のとりうる値の範囲を求めよ。
——さて、どこから手をつける?
答えと考え方は、この記事の中で順を追って解説します。

横浜共立学園中学校・高等学校では、夏休みの宿題として冊子(問題集)が配られることが多くあります。高校1年生に配られるその冊子には、「ただの計算練習」ではなく、そのまま大学入試につながる内容が含まれています。この記事で扱う2次関数の最大・最小は、まさにその代表格です。

ここで大切なのは、答えが合っていたかどうかではありません。「なぜその計算をするのか」「いま、頭の中でグラフはどう動いているのか」を言葉にできるかどうかです。9月の実力テスト、そして2年半後の大学入試で差がつくのは、そこだけです。この記事では、横浜共立の高1で出題される典型2問を、1ステップずつ、絵が見えるところまでほどいていきます。

この記事でできるようになること

  • 平方完成が「何のための操作なのか」を自分の言葉で説明できる
  • 「\(a\) が変化するとき」という文の意味が、グラフの動きとして見える
  • 定義域つきの最大・最小で、なぜ場合分けが必要になるのかがわかる
  • 上に凸のとき「軸から遠い端が最小」になる理由を、暗記ではなく理屈で言える

1.この記事で解く2問

まず、今回扱う問題を確認しておきましょう。横浜共立学園をはじめ、中高一貫校の高1の夏課題では、この2題とほぼ同じ形の問題が繰り返し出題されます。

【例題1】2次関数の最大・最小(文字係数)

2次関数 \(y = x^2 + 2ax + 2a + 1\) について、

(1) 最小値 \(m\) を \(a\) で表せ。

(2) \(a\) の値が変化するとき、(1)の \(m\) のとりうる値の範囲を求めよ。

【例題2】頂点の条件と、定義域つきの最小値

2次関数 \(y = ax^2 + bx + c\) …① のグラフの頂点の座標が \((1,\ 1)\) であるとき、

(1) \(b, c\) を \(a\) で表せ。

(2) ①の \(-1 \leqq x \leqq 2\) における最小値が \(-3\) であるとき、定数 \(a,\ b,\ c\) の値を求めよ。

【答えだけ先に】

例題1:(1) \(m = -a^2 + 2a + 1\) (2) \(m \leqq 2\)

例題2:(1) \(b = -2a, c = a + 1\) (2) \(a = -1, b = 2, c = 0\)

※ここで丸をつけて終わりにすると、この課題の価値の9割を捨てることになります。以下、なぜそうなるのかを見ていきましょう。

2.平方完成の正体は「軸からの距離」への翻訳

いきなり結論から言います。この単元でいちばん大事な一文はこれです。

この記事の核心

平方完成とは、2次関数を「軸からの距離だけで値が決まる形」に書き直す作業である。

どういうことか、順に説明します。2次関数には2つの書き方があります。

書き方 そこから読み取れること
一般形(展開した形) \(y = ax^2 + bx + c\) \(y\) 切片が \(c\) であることくらい
標準形(平方完成した形) \(y = a(x-p)^2 + q\) 頂点 \((p, q)\)、軸 \(x = p\)、凸の向きすべて

一般形は、いわば「材料をバラバラに並べた状態」です。ここからグラフの一番低い場所を探すのは、部品の山を見て完成品の形を当てるようなもので、ふつうは無理です。

ところが標準形 \(y = a(x-p)^2 + q\) には、決定的な情報が入っています。\((x-p)^2\) は「\(x\) が軸 \(p\) からどれだけ離れているか」の2乗だからです。つまり標準形は、こう読めます。

標準形の読み方

y = a ×(軸からの距離)2 + q

・\(a \gt 0\)(下に凸)なら、軸から離れるほど \(y\) は大きくなる。だから軸の真上(頂点)が最小。

・\(a \lt 0\)(上に凸)なら、軸から離れるほど \(y\) は小さくなる。だから軸の真上(頂点)が最大。

この一文さえ握っていれば、この単元の場合分けは全部そこから導けます。「軸に近い/遠い」で最大・最小が決まる、という感覚を、まずここで手に入れてください。

平方完成で頂点が見える放物線 y = x^2+2x+3 のグラフ。平方完成すると (x+1)^2+2 となり、頂点 (-1, 2) が最小値であることが読み取れる。xyO-4-3-2-1121234567頂点 (-1, 2)この高さが最小値y = x² + 2x + 3= (x + 1)² + 2軸 x = -1

図1:\(y = x^2 + 2x + 3\) は平方完成すると \(y = (x+1)^2 + 2\)。頂点 \((-1, 2)\) が見えた瞬間に、最小値が2だと確定する。

平方完成の手順を、意味とセットで

手順そのものは3ステップです。ただし「なぜそうするか」を横に書きながら覚えてください。

STEP 1 \(x\) を含む部分だけに注目する。

【なぜ】定数項は上下の平行移動を担当するだけで、軸の位置には関係しないから。先に切り離しておくと計算が軽くなる。

STEP 2 \(x\) の係数の半分を \(\square\) にして \((x + \square)^2\) を作る。

【なぜ】\((x+k)^2 = x^2 + 2kx + k^2\) を逆から見ているだけ。\(x\) の係数 \(2k\) の半分が \(k\) なので、「半分」が出てくる。

STEP 3 勝手に足した \(\square^2\) を、すぐ引いて帳尻を合わせる。

【なぜ】式を変形しているだけで、値を変えてはいけないから。足したら引く。これは等式の一人二役。

この3ステップを、例題1でそのまま使います。

3.例題1(1)|まず頂点を出す

【問題(再掲)】

2次関数 \(y = x^2 + 2ax + 2a + 1\) の最小値 \(m\) を \(a\) で表せ。

文字 \(a\) が入っていますが、恐れる必要はありません。\(a\) はただの数だと思って、いつも通り平方完成するだけです。\(x\) の係数は \(2a\)、その半分は \(a\) ですね。

\[y = x^2 + 2ax + 2a + 1\]

\[y = (x^2 + 2ax + a^2) – a^2 + 2a + 1\]

\[y = (x + a)^2 – a^2 + 2a + 1\]

これで頂点が \(\left(-a, -a^2 + 2a + 1\right)\) だと読み取れました。

次に凸の向きを確認します。\(x^2\) の係数は \(1\) で正なので、グラフは下に凸(お椀の形)。第2章の原則より、軸の真上、つまり頂点が最小です。定義域の指定がない(\(x\) はどんな実数でもよい)ので、場合分けも不要です。

【答】

\[m = -a^2 + 2a + 1\]

【型】文字係数の2次関数でも、平方完成の手順は一切変わらない。文字を「まだ値が決まっていない数」として、そのまま計算に混ぜる。これが高1で越えるべき最初のハードルです。

4.例題1(2)|「\(a\) が変化する」を絵にする

【問題(再掲)】

\(a\) の値が変化するとき、\(m = -a^2 + 2a + 1\) のとりうる値の範囲を求めよ。

ここが、この問題のいちばん面白いところであり、いちばんつまずくところです。多くの人が「(1)で終わったはずなのに、また平方完成するの?」と混乱します。

まず、頭の中で何が起きているのか

(1)で、頂点は \(\left(-a, -a^2+2a+1\right)\) とわかりました。つまり\(a\) の値を1つ決めるたびに、放物線が1本決まる。\(a\) を動かすと、放物線が形を保ったままスーッと動いていきます。実際に代入してみましょう。

\(a\) 関数 頂点 \((-a, m)\) 最小値 \(m\)
\(-1\) \(y = x^2 – 2x – 1\) \((1, -2)\) \(-2\)
\(0\) \(y = x^2 + 1\) \((0,\ 1)\) \(1\)
\(1\) \(y = x^2 + 2x + 3\) \((-1, 2)\) \(2\)
\(2\) \(y = x^2 + 4x + 5\) \((-2, 1)\) \(1\)

最小値 \(m\) が \(-2 \to 1 \to 2 \to 1\) と、上がってから下がっているのが見えますか。\(m\) は \(a\) にどこまでもついて動く量なのです。問題文の「\(a\) の値が変化するとき、\(m\) のとりうる値の範囲」は、この動きの上限と下限を聞いています。

読み替えの合言葉

「\(a\) が変化するとき \(m\) のとりうる値の範囲」=「横軸 \(a\)、縦軸 \(m\) の新しいグラフを描いて、その値域を答えよ」

2度目の平方完成

\(m = -a^2 + 2a + 1\) は、文字を \(a\) だと思えば立派な2次関数です。だから同じ道具=平方完成が使えます。今度は \(a^2\) の係数が \(-1\) なので、先にマイナスでくくります。

\[m = -(a^2 – 2a) + 1\]

ここで \(a\) の係数 \(-2\) の半分は \(-1\)。カッコの中で \((a-1)^2\) を作ります。

\[m = -\left\{(a – 1)^2 – 1\right\} + 1\]

外のマイナスを中カッコ全体に配ります。ここが最頻出のミスポイントです。

\[m = -(a – 1)^2 + 1 + 1 = -(a – 1)^2 + 2\]

頂点は \((1,\ 2)\)。\(a^2\) の係数が負なので上に凸(山の形)。山の頂上より上には行けませんが、下へは限りなく落ちていきます。したがって \(m\) は最大でも \(2\)、それ以下は何でもとれます。

【答】

\[m \leqq 2\]

もう一歩深く:頂点はどんな道を通るのか

せっかくなので、本質まで踏み込みます。頂点の座標は \((-a, -a^2+2a+1)\) でした。この点を \((X, Y)\) とおくと、

\[X = -a, \qquad Y = -a^2 + 2a + 1\]

1つ目の式から \(a = -X\)。これを2つ目に代入すると、

\[Y = -(-X)^2 + 2(-X) + 1 = -X^2 – 2X + 1\]

つまり頂点は \(y = -x^2 – 2x + 1\) という別の放物線の上を移動しているのです。これを平方完成すると \(y = -(x+1)^2 + 2\) で、最高点は \((-1, 2)\)。(2)で出した「\(m\) の最大値 \(2\)」は、この頂点の通り道の一番高い場所そのものでした。

a が変化すると頂点が動くa を変えたときの放物線 y = x^2+2ax+2a+1 の族。頂点は y = -x^2-2x+1 という上に凸の放物線の上を動き、a=1 のとき最高点 (m=2) をとる。xyO-4-3-2-112-3-2-1123最高点 (a = 1, m = 2)青:a を変えた y = x² + 2ax + 2a + 1赤破線:頂点の通り道 y = -x² – 2x + 1

図2:青い実線・細線が \(a\) を変えたときの \(y = x^2+2ax+2a+1\)。赤い点が各グラフの頂点で、それをつないだ赤い破線が「頂点の通り道」\(y = -x^2-2x+1\)。この道の最高点の高さが \(m \leqq 2\) の「2」の正体。

【本質】この「文字を消して \(X, Y\) の関係式にする」操作は、数学II・Cで軌跡という単元名で再登場します。高1の夏にこの絵を見ておいた人は、そこで初めて出会う人より2年分早くスタートを切れます。宿題の1問が入試につながるというのは、こういう意味です。

答えの検算(必ずやってください)

\(m = 2\) になるのは \(a = 1\) のとき。元の関数に \(a = 1\) を戻すと \(y = x^2 + 2x + 3 = (x+1)^2 + 2\) となり、確かに最小値は \(2\)。また \(a = 0\) なら \(y = x^2 + 1\) で最小値 \(1\)(\(\leqq 2\) を満たす)。文字で答えを出したら、具体的な数値を1つ戻して確かめる。これが数学を「わかったつもり」で終わらせないための最強の習慣です。

5.例題2(1)|ゴールから逆算して式を立てる

【問題(再掲)】

\(y = ax^2 + bx + c\) の頂点が \((1,\ 1)\) であるとき、\(b, c\) を \(a\) で表せ。

2次関数の式を決める問題では、与えられたヒントによってスタートする形を変えるのが鉄則です。

与えられた情報 スタートする形
頂点・軸がわかっている 標準形 \(y = a(x-p)^2 + q\)
通る3点がわかっている 一般形 \(y = ax^2+bx+c\)
\(x\) 軸との交点がわかっている 因数分解形 \(y = a(x-\alpha)(x-\beta)\)

今回は頂点 \((1,\ 1)\) が最初から与えられているので、標準形から出発します。

\[y = a(x – 1)^2 + 1\]

問題文は一般形で書かれているので、形をそろえるために展開します。

\[y = a(x^2 – 2x + 1) + 1 = ax^2 – 2ax + a + 1\]

これと \(y = ax^2 + bx + c\) は同じ関数を別の顔で書いたものです。同じ関数なら、対応する係数は必ず一致します(係数比較)。

【答】

\(x\) の係数:\(b = -2a\) / 定数項:\(c = a + 1\)

【なぜ係数を比べてよいのか】2つの多項式がすべての \(x\) で同じ値をとるなら、係数は一致する(恒等式の考え方)。「たまたま数か所で一致した」のではなく「常に一致している」から比べられる、という理屈です。ここを説明できる高1は多くありません。

6.例題2(2)|場合分けは「わからないから」ではなく「決まらないから」する

【問題(再掲)】

\(y = a(x-1)^2 + 1\) の \(-1 \leqq x \leqq 2\) における最小値が \(-3\) であるとき、\(a,\ b,\ c\) を求めよ。

(1)から、この関数は \(y = a(x-1)^2 + 1\)、軸は \(x = 1\) と確定しています。しかし \(a\) の符号が不明なので、グラフが下に凸なのか上に凸なのかが決まりません。

グラフの向きが決まらなければ、「どこが一番低いか」も決まりません。だから場合分けをします。場合分けは、自信がないからする消極的な作業ではなく、「情報が足りず1つに決まらない」ことを論理的に処理する積極的な作業です。

パターンA:\(a \gt 0\)(下に凸)と仮定する

下に凸なら、軸から離れるほど \(y\) は大きくなるので、最小は軸に一番近い場所。軸 \(x = 1\) は定義域 \(-1 \leqq x \leqq 2\) の内側に入っているので、頂点そのものが最小です。

頂点の \(y\) 座標は \(1\) なので、最小値は \(1\)。ところが問題は「最小値は \(-3\)」と言っています。\(1 \neq -3\) で矛盾。よってこの仮定は成り立ちません(不適)

パターンB:\(a \lt 0\)(上に凸)と仮定する

上に凸なら、軸から離れるほど \(y\) は小さくなる。したがって最小値をとるのは、定義域の端のうち軸から遠いほうです。式で確かめると、\(y = a(x-1)^2 + 1\) の \((x-1)^2\) が最大になる点を探せばよい、ということになります。

端の点 軸 \(x=1\) からの距離 \((x-1)^2\) \(y = a(x-1)^2+1\)(\(a\lt 0\))
\(x = 2\) \(1\) \(1\) \(a + 1\)
\(x = -1\) \(2\) \(4\) \(4a + 1\) ← より小さい

\(a\) が負なので \(4a + 1 \lt a + 1\)。つまり\(x = -1\) で最小です。これを使って方程式を立てます。

\[-3 = a(-1-1)^2 + 1\]

\[-3 = 4a + 1\]

\[4a = -4, \qquad a = -1\]

ここで仮定の確認を必ずします。出てきた \(a = -1\) は、仮定した \(a \lt 0\) を満たしています。矛盾がないので採用できます。

あとは(1)の結果に代入するだけです。

\[b = -2a = -2 \times (-1) = 2\]

\[c = a + 1 = -1 + 1 = 0\]

パターンC:\(a = 0\) の確認

念のため \(a = 0\) も検討します。\(a = 0\) だと \(y = ax^2+bx+c\) から \(x^2\) の項が消え、1次関数になってしまいます。問題文に「2次関数」と書かれている以上、\(a \neq 0\) は最初から確定です。よって不適。

【答】

\[a = -1, \quad b = 2, \quad c = 0\]

上に凸のグラフでは軸から遠い端が最小y = -(x-1)^2+1 の -1<=x<=2 における様子。軸 x=1 から遠い端 x=-1 で最小値 -3、頂点 x=1 で最大値 1 をとる。xyO-2-1123-4-3-2-112x = -1 で最小値 -3頂点 (1, 1) ← ここは最大x = 2 では 0軸 x = 1定義域 -1 ≦ x ≦ 2

図3:\(a=-1\) のとき \(y = -(x-1)^2 + 1\)。軸 \(x=1\) から遠い端 \(x=-1\) で最小値 \(-3\)、頂点 \(x=1\) で最大値 \(1\)。青い帯が定義域 \(-1 \leqq x \leqq 2\)。

【検算】\(a=-1, b=2, c=0\) を①に戻すと \(y = -x^2 + 2x\)。\(x=-1\) のとき \(y = -1-2 = -3\)(○)、\(x=2\) のとき \(y = -4+4 = 0\)、\(x=1\) のとき \(y = 1\)。確かに \(-1 \leqq x \leqq 2\) での最小値は \(-3\) です。

7.すべての場合分けは、この1枚の絵に帰着する

定義域つき2次関数の最大・最小は、公式を6つ覚える単元ではありません。「軸が定義域のどこにあるか」を見るだけです。下に凸(\(a\gt 0\))の場合を図で確認しましょう。

軸が定義域の左の外下に凸の放物線 y=x^2 と定義域の位置関係。軸が定義域の左の外の場合、最小は左端になる。xyO軸が定義域の左の外最小は左端(●)
軸が定義域の中下に凸の放物線 y=x^2 と定義域の位置関係。軸が定義域の中の場合、最小は頂点になる。xyO軸が定義域の中最小は頂点(●)
軸が定義域の右の外下に凸の放物線 y=x^2 と定義域の位置関係。軸が定義域の右の外の場合、最小は右端になる。xyO軸が定義域の右の外最小は右端(●)

図4:下に凸のとき。●が最小、緑が最大。軸が定義域の外にあるときは、グラフの「片側の坂だけ」を切り取っている状態になり、頂点は使えない。

凸の向き 最小値をとる場所 最大値をとる場所
下に凸(\(a\gt 0\)) 軸が定義域内 → 頂点
軸が外 → 軸に近いほうの端
軸から遠いほうの端
上に凸(\(a\lt 0\)) 軸から遠いほうの端 軸が定義域内 → 頂点
軸が外 → 軸に近いほうの端

覚えるのはこれだけ

2次関数の値は「軸からの距離」だけで決まる。
下に凸なら近いほど小さい、上に凸なら近いほど大きい。あとは定義域の中でその距離が最小・最大になる点を選ぶだけ。

この見方を持っていれば、「軸が動く問題(\(y = x^2 – 2ax\) の \(0 \leqq x \leqq 1\) での最小値を \(a\) で場合分け)」も「定義域が動く問題」も、同じ発想で処理できます。逆に、パターンを丸暗記した人は、少し形を変えられただけで手が止まります。

8.横浜共立の高1がつまずきやすい5つのポイント

ミス1 平方完成で引く数を間違える

\((x+a)^2\) を作ったら \(a^2\) を引く。足した分をそのまま引く、と手順ではなく意味で覚える。

ミス2 マイナスでくくったあとの分配ミス

\(-{(a-1)^2 – 1} + 1\) の外側のマイナスを中の両方に配れず、\(-(a-1)^2 – 1 + 1\) としてしまう。例題1(2)の最頻出ミス。

ミス3 定義域を無視して「頂点=最小」と決めつける

定義域が書いてある問題では、まず軸が定義域の中か外かを確認する。ここを飛ばすと0点になる。

ミス4 上に凸のとき「軸に近い端が最小」と勘違いする

上に凸は山。頂上から遠いほど低い。図を描けば一瞬で防げる。

ミス5 場合分けのあと「仮定を満たすか」を確認しない

\(a\lt 0\) と仮定して \(a=3\) が出たら、それは捨てる答え。求めた値が仮定に合うかの確認まで書いて、はじめて論理が閉じる。

9.理解できたか確かめる3問(解答つき)

読んで納得することと、自力で解けることは別です。ノートを開いて、まずグラフの絵を描いてから解いてください。

【確認1】

\(y = x^2 – 4x + 5\) の \(0 \leqq x \leqq 3\) における最大値と最小値を求めよ。

【解答1】

平方完成すると \(y = (x-2)^2 + 1\)。下に凸で軸は \(x = 2\)、これは定義域の内側。よって最小値は頂点の \(1\)(\(x=2\))。最大は軸から遠い端で、\(|0-2| = 2 \gt |3-2| = 1\) だから \(x = 0\)。\(y = 5\)。

最大値 \(5\)(\(x=0\))、最小値 \(1\)(\(x=2\))

【確認2】

\(a \gt 0\) とする。\(y = -x^2 + 2ax\) の \(0 \leqq x \leqq 2\) における最大値を \(a\) で場合分けして求めよ。

【解答2】

\(y = -(x-a)^2 + a^2\)。上に凸で軸は \(x = a\)。上に凸の最大は「軸が定義域内なら頂点」。

・\(0 \lt a \leqq 2\) のとき、軸が定義域内 → 最大値 \(a^2\)(\(x=a\))

・\(a \gt 2\) のとき、軸が右の外 → 軸に近い端 \(x=2\) → 最大値 \(-4 + 4a = 4a – 4\)

検算:\(a=2\) を両方に入れると \(a^2 = 4\)、\(4a-4 = 4\)。境目でつながっているので符合しています。

【確認3】

\(y = x^2 + 2ax + 3\) の \(-1 \leqq x \leqq 1\) における最小値を \(a\) で場合分けして求めよ。

【解答3】

\(y = (x+a)^2 + 3 – a^2\)。下に凸で軸は \(x = -a\)。下に凸の最小は「軸が定義域内なら頂点、外なら近いほうの端」。

・軸が左の外(\(-a \lt -1\)、すなわち \(a \gt 1\))→ 最小は \(x=-1\) → \(1 – 2a + 3 = 4 – 2a\)

・軸が定義域内(\(-1 \leqq -a \leqq 1\)、すなわち \(-1 \leqq a \leqq 1\))→ 最小は頂点 → \(3 – a^2\)

・軸が右の外(\(-a \gt 1\)、すなわち \(a \lt -1\))→ 最小は \(x=1\) → \(1 + 2a + 3 = 4 + 2a\)

検算:\(a = 2\)(1つめ)なら \(4-4 = 0\)。実際 \(y = x^2+4x+3\) の \(x=-1\) は \(1-4+3=0\)。合っています。

10.この宿題を「大学入試の得点」に変えるために

横浜共立学園のように中高一貫で数学を先取りしていく学校では、高1の夏に扱うこの内容が、そのまま大学入試の答案に直結します。実際、2次関数の最大・最小と場合分けは、共通テストでも私立大の個別試験でも繰り返し問われるテーマです。

だからこそ、宿題冊子への向き合い方を変えてほしいのです。

丸をつけて終わりにしない、3つの問い

  • なぜこの計算をしたのか、途中式ごとに理由を言えるか
  • いまグラフのどこを見て、何を比べているのか説明できるか
  • 数値を1つ具体的に入れて、自分で検算したか

この3つに答えられるなら、その問題はもう入試レベルで武器になっています。答えが合っていてもこの3つに詰まるなら、まだ「作業ができただけ」の状態です。

11.「わからない」と言えないまま夏が終わってしまう前に

ここまで読んで、「理屈はわかった。でも自分ひとりで冊子を最後まで進められる気がしない」と感じた人もいると思います。それは、あなたの能力の問題ではありません。質問できる相手が近くにいないだけです。

学校で友だちに聞くのは、正直はずかしい。塾に行けば同じ学校の子に会うかもしれない。夏休みは部活も予定もある。——そういう理由で、聞けないまま9月を迎えてしまう人を、私は毎年たくさん見てきました。

数強塾は、オンラインの完全1対1です

  • 誰にも会いません。校舎に通わないので、同じ学校の友だちや先輩に見られることはありません。
  • 恥ずかしくありません。1対1なので、他の生徒の前で間違える心配がない。「ここが全然わからない」と正直に言える場所です。
  • すぐ始められます。自宅のパソコン・タブレットから、その日の宿題の1問を持ち込むところから始められます。
  • 教えるのはプロ講師だけ。学生アルバイトは在籍していません。中高一貫校の進度・教材に合わせて指導します。
  • 「解けた」で終わらせません。なぜその式変形をするのか、答案にどう書くのかまで詰めます。この記事のような説明を、あなたの手が止まったところで、その場で受けられます。

体験授業は有料3,000円(税込)です。無料ではありませんが、その1回で「宿題のわからない問題」を実際に一緒に解き、いまの状態と必要な手当てをお伝えします。

体験授業(3,000円)を申し込むまずは無料で相談する

保護者の方へ:横浜共立学園の数学の進度・定期テストの傾向、そして実際の指導事例は、以下のページにまとめています。夏の宿題が滞っているかどうかは、2学期以降の伸びを予測する重要なサインです。

12.よくある質問

Q. 平方完成は、結局なんのためにするのですか?

A. グラフの頂点と軸を見つけるためです。標準形 \(y=a(x-p)^2+q\) は「軸からの距離の2乗に \(a\) を掛けて \(q\) を足す」という意味なので、この形にした瞬間に、最大・最小がどこでとられるかが決まります。

Q. 場合分けはどんなときに必要ですか?

A. 「凸の向き」か「軸と定義域の位置関係」のどちらかが、文字のせいで1つに決まらないときです。逆に言えば、両方が決まっていれば場合分けは不要です。

Q. 「\(a\) の値が変化するとき」とは何を意味していますか?

A. \(a\) を1つ決めるごとに放物線が1本決まるので、\(a\) を動かすと放物線が動きます。その動きに合わせて最小値 \(m\) も動くので、「\(m\) を \(a\) の関数と見て値域を求めよ」という意味になります。

Q. 夏休みの宿題の答えだけ知りたいのですが。

A. 答えはこの記事にすべて書いてあります。ただし、答えを写して提出した人は、9月の実力テストで同じ問題が形を変えて出たときに必ず止まります。写す時間で解説を1回読むほうが、確実に速いというのが12年間指導してきた実感です。

Q. 夏休みの途中からでも間に合いますか?

A. 間に合います。むしろ、冊子が半分残っている段階のほうが立て直しやすいです。オンラインなので、申し込みからすぐに開始できます。

13.関連ページ

この記事を書いた人

藤原 進之介(ふじわら しんのすけ)/オンライン数学専門塾「数強塾」代表

中高一貫校生を中心に、累計3,500名以上を指導。東進ハイスクール・東進衛星予備校・代々木ゼミナールなど出講実績あり。自身も高校時代は数学が苦手で2浪を経験し、「なぜそうするのか」から積み上げ直した経験を指導の原点にしている。数強塾グループでは学生アルバイトを採用せず、プロ講師のみで完全1対1のオンライン指導を行っている。

数強塾の理念・指導方針を見る / 合格実績を見る

夏休みの宿題、ひとりで抱えないでください

「この1問だけ聞きたい」でも大丈夫です。オンラインなので、誰にも知られずに、今日わからなかったところをそのまま持ち込めます。

体験授業(3,000円)を申し込む無料で相談する

要点辞典この単元の公式・定石・つまずきやすい所は 数学I・Aの要点辞典:2次関数 にまとめてあります。

オンライン数学専門塾 数強塾|プロ講師のみ・完全1対1指導・中高一貫校対応

数強塾オンラインのご案内

体験授業に申し込む入塾受け入れ状況(残席)数学つまずき診断(無料)体験授業の事前案内保護者の方へ高1・高2の方へ医学部志望の方へ保護者様からの声料金・指導システム指導事例・合格実績大学受験 合格実績(集計ルール開示)数強塾グループの理念学校別の数学対策数学の勉強法(記事一覧)数強塾プレミアム(映像授業)獣医学部専門コース鉄緑会・SAPIX等との併用サポート過去問解説・数学問題集情報Ⅰ・情報Ⅱ専門「情報ラボ」情報の過去問アーカイブ(無料PDF)解法テクニック事典(公式・裏ワザ)入試数学の定石(解き方の型・全27章)数学の要点辞典まとめ(中1〜数学III)中1数学の要点辞典(全7単元)中2数学の要点辞典(全6単元)中3数学の要点辞典(全8単元)数学I・Aの要点辞典(全9単元)数学II・B・Cの要点辞典(全12単元)数学IIIの要点辞典(全7単元)論理と証明の要点辞典(全8章)2026年 夏期講習会2026年 冬期講習会代表・藤原進之介について