漸近線の求め方|縦・横・斜めを19図と45問で理解

問い:面積6m²の長方形で、横をx m、高さをy m、x>0とします。横を長くすると高さは0になりますか。高さを0.01m未満にするには?

答え:有限の正のxでは0になりません。\(y=6/x\) なので、0.01m未満にするにはx>600です。x=600ではちょうど0.01mとなります。

横を6m、60m、600mにすると、高さは1m、0.1m、0.01m。高さは0へ近づきますが、面積6のまま高さ0にはできません。この例の横の漸近線はy=0です。

漸近線は、グラフの端でどの直線へ近づくかを調べる道具です。途中で交わるかどうかだけでは決まりません。反比例から始め、分数関数・無理関数・指数対数・三角関数・媒介変数表示へ進みます。

まずは、縦・横・斜めの違いを確認

  • 縦x=a:少なくとも片側から近づくと、関数値が正または負の無限大へ発散する。
  • 横y=b:右端または左端で関数値が有限のbへ近づく。
  • 斜めy=mx+n:m≠0で、その直線との高さの差が右端または左端で0へ近づく。

右端と左端は別々に判定します。本文では差の極限を定義に採用するので、直線と一致して差が常に0の例も条件を満たすとします。一致する場合を除く慣例を使う授業では、その追加条件を区別してください。\(\log\) は自然対数、三角関数の角度はラジアンです。

1.反比例で「近づく」を見る

\(y=6/x\) で|x|が大きくなると、|y|=6/|x|は小さくなります。一方、xを0へ近づけると、右からはyが正に、左からは負に際限なく大きくなります。大きな分母で割ることと、小さな分母で割ることを分けて見ましょう。

xyOy=6/x
反比例の2枝。面積の導入ではx>0の枝だけを使います。負の枝は式を実数x≠0へ広げたものです。 座標図の縦横は、それぞれの目盛りに従って読みます。

「どれほど近く」を、数で指定する

任意のε>0に対して、|x|>6/εなら|6/x|<εです。「0.01より近く」「0.0001より近く」と要求されても、その要求に合うxの範囲を示せます。これが、有限個の表だけを見る説明を一般の理由へ進める方法です。

縦の発散なら、任意のM>0に対して0<x<6/Mなら6/x>Mです。グラフがx=0の近くにあるだけでは不十分で、関数値がどんな大きさも超えることが必要です。

2.反比例の符号と漸近線

\(y=a/x\)、a≠0、x≠0なら、縦はx=0、横はy=0です。a>0とa<0では枝の位置が入れ替わります。a=0ならx≠0上でy=0となり、縦の発散はありません。分子が0でないという条件を省かないようにします。

例題・確認1 反比例の大きさと極限

関数 \(y=\frac{12}{x}\) の漸近線を調べてください。また \(x=1000,\ 0.001\) のときの値を求めてください。

条件:\(x\ne0\)

答え:縦は \(x=0\)、横は \(y=0\)。\(x=1000\) で \(y=0.012\)、\(x=0.001\) で \(y=12000\)。

ヒント:分母を大きくするときと、0へ近づけるときを分けます。

問1の途中式と理由

\(x\to0+\) では \(12/x\to+\infty\)、\(x\to0-\) では \(-\infty\) です。一方、\(x\to\pm\infty\) では \(12/x\to0\)。数値は \(12/1000=0.012\)、\(12/0.001=12000\) で、どちらも \(xy=12\) に戻せます。

例題・確認2 分子が負の反比例

関数 \(y=-\frac4x\) の漸近線を調べてください。また \(x=100,-100\) のときの値を求めてください。

条件:\(x\ne0\)

答え:\(x=0,\ y=0\)。\(x=100\) で \(-0.04\)、\(x=-100\) で \(0.04\)。

ヒント:負の数を正・負の小さい数で割ったときの符号を確認します。

問2の途中式と理由

0の右側からは \(-4/x\to-\infty\)、左側からは \(+\infty\) なので、縦は \(x=0\) です。無限遠では絶対値 \(4/\lvert x\rvert\to0\) より、左右とも横は \(y=0\)。\(-4/100=-0.04\)、\(-4/(-100)=0.04\) です。

例題・確認3 分母に係数がある場合

関数 \(y=\frac1{2x}\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\ne0\)

答え:\(x=0,\ y=0\)。

ヒント:分母が0になる方程式は \(2x=0\) です。

問3の途中式と理由

\(1/(2x)=(1/2)/x\) と書くと、係数 \(a=1/2\) の反比例です。0の右で \(+\infty\)、左で \(-\infty\) となり、無限遠では0へ近づきます。係数が変わっても、この式の縦・横の漸近線は変わりません。

3.平行移動すると、漸近線も動く

\(y=a/(x-p)+q\)、a≠0は、反比例を右へp、上へq動かした式です。pやqが負なら、それぞれ左・下へ動かします。分母が0になるx=pが縦、分数が0へ近づいた後に残るy=qが横の漸近線です。

xyO26-438-4y=6/(x−2)+3y=6/x(もとの形)x=2y=3
元の曲線と漸近線を、同じだけ右へ2・上へ3動かします。 座標図の縦横は、それぞれの目盛りに従って読みます。

例えば \(y=6/(x-2)+3\) ならx=2、y=3。式の中がx−2なので右へ2です。分母を0にする値を解けば、移動方向の暗記だけに頼らず確かめられます。

例題・確認4 左と下への平行移動

関数 \(y=\frac1{x+1}-2\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\ne-1\)

答え:\(x=-1,\ y=-2\)。

ヒント:\(x+1=x-(-1)\) と読みます。

問4の途中式と理由

\(x\to-1\) で分数の分母だけが0へ近づき、少なくとも片側で発散します。したがって縦は \(x=-1\)。また \(f(x)-(-2)=1/(x+1)\to0\) より横は \(y=-2\)。\(y=1/x\) を左へ1、下へ2動かした図とも一致します。

例題・確認5 右への平行移動

関数 \(y=-\frac3{x-4}\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\ne4\)

答え:\(x=4,\ y=0\)。

ヒント:分子の負号は枝の上下に関係します。

問5の途中式と理由

\(x\to4+\) で \(-\infty\)、\(x\to4-\) で \(+\infty\) となるため、縦は \(x=4\)。左右の無限遠では分数が0へ近づきます。例えば \(x=4.1\) で \(-30\)、\(x=3.9\) で30となり、枝の向きも確かめられます。

例題・確認6 定数項が前にある式

関数 \(y=2+\frac5x\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\ne0\)

答え:\(x=0,\ y=2\)。

ヒント:\(f(x)-2\) を作ってみます。

問6の途中式と理由

\(f(x)-2=5/x\) なので、無限遠での差は0です。縦は \(x=0\) で、\(x\to0+\) なら \(+\infty\)、\(x\to0-\) なら \(-\infty\)。\(x=100\) で2.05、\(x=-100\) で1.95と、横の直線を上下から近づきます。

4.分数関数は、割り算と約分で調べる

分子・分母を多項式とする有理関数では、まず元の分母が0になる点を定義域から除きます。その点で分子が0でなければ発散します。分子も0なら、因数を約分して残った式の極限を調べます。約分しても、元の定義域の除外は残ります。

分子を分母で割り、商Qと余りRに分けると、\(P/D=Q+R/D\) です。余りの次数が分母より低ければ、無限遠でR/Dは0へ近づきます。

\[\frac{2x+1}{x-3}=2+\frac7{x-3}\]
xyO3826y=(2x+1)/(x−3)x=3y=2
商2が横の漸近線を表し、余りの項が曲線と直線の差を表します。 座標図の縦横は、それぞれの目盛りに従って読みます。

商が定数なら横、一次式なら斜めの漸近線を読めます。商が二次以上なら、近づく多項式曲線が分かっても、それを直線の漸近線とは呼びません。

例題・確認7 割り算で商と余りを分ける

関数 \(y=\frac{3x-1}{x+2}\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\ne-2\)

答え:\(x=-2,\ y=3\)。

ヒント:\(3x-1\) と \(3(x+2)\) の差を求めます。

問7の途中式と理由

\(3x-1=3(x+2)-7\) より、

\[f(x)=3-\frac7{x+2}.\]

余りの項が0へ近づくので、横は \(y=3\)。\(x=-2\) では元の分子が \(-7\ne0\) であり、左右で発散するため縦は \(x=-2\)。展開して \(3(x+2)-7=3x-1\) を確認できます。

例題・確認8 横の漸近線が分数になる

関数 \(y=\frac{x+5}{2x-1}\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\ne\frac12\)

答え:\(x=1/2,\ y=1/2\)。

ヒント:分母を1/2倍すると、分子の \(x\) の項が揃います。

問8の途中式と理由

\(x+5=\tfrac12(2x-1)+\tfrac{11}{2}\) なので、

\[f(x)=\frac12+\frac{11}{2(2x-1)}.\]

これより横は \(y=1/2\)。\(x=1/2\) で分子は \(11/2\ne0\) となり、縦の漸近線もあります。\(x=1\) を入れると両方の式が6になり、係数の取り違えを点検できます。

例題・確認9 約分で残る穴

関数 \(y=\frac{x^2-4}{x-2}\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\ne2\)

答え:縦はありません。本記事の差の極限による定義では、斜めの \(y=x+2\) が条件を満たします。

ヒント:約分しても、元の定義域の除外は残します。

問9の途中式と理由

\(x^2-4=(x-2)(x+2)\) より、定義域内では \(f(x)=x+2\)。\(x\to2\) の極限は4で、発散しないため \(x=2\) は縦の漸近線ではありません。グラフは点 \((2,4)\) が抜けた直線です。無限遠で \(f(x)-(x+2)=0\) なので、冒頭の定義には合います。直線との一致を除く慣例を用いる授業では、その追加条件と区別してください。

xyO2-242y=(x²−4)/(x−2)(2, 4) は「穴」約分すると y=x+2
約分しても、元の定義域で除外された点(2,4)は戻りません。 座標図の縦横は、それぞれの目盛りに従って読みます。

\((x^2-4)/(x-2)\) はx≠2でx+2に等しく、x→2では4に近づきます。x=2は縦の漸近線ではなく穴です。一方、直線y=x+2との差は常に0なので、本文で採用した無限遠の定義には合います。

穴と垂直漸近線を左右の極限で区別する分母が0でも、違うふるまい① 穴だけ:左右の極限は2-20124-4-2024xy穴 (1, 2)② 垂直漸近線:片側で発散-20124-4-2024xyx = 1上:x+1(x≠1) 下:1/(x−1)「点がない」だけでは判定できません。
同じ分母の零点でも、有限値へ近づく穴と、無限大へ発散する縦の漸近線は違います。

既存確認:横の漸近線と交わる関数

実数xで \(g(x)=2+(x-1)/(x^2+1)\)。横の漸近線と、その直線との交点を求めてください。

答え:左右ともy=2、交点は(1,2)。縦はありません。ヒント:g(x)−2の極限と零点を別々に調べます。

分母は常に正で、差をx²で割ると \((1/x-1/x^2)/(1+1/x^2)\to0\)。交点ではx−1=0なのでx=1、g(1)=2です。有限点で分母が0にならず連続なので、縦の発散もありません。

(1,2)y=2xyO
交点(1,2)があっても、無限遠で高さの差が0へ近づくことは変わりません。 座標図の縦横は、それぞれの目盛りに従って読みます。

|x|≧1では差の絶対値は2/|x|以下。|x|>max(1,2/ε)なら差はε未満です。途中で一度交わることと、端で近づくことは両立します。

既存確認:傾きの候補だけで決めてよい?

x≧0で \(f(x)=x+\sqrt{x}\) の右端に斜めの漸近線はありますか。

答え:ありません。ヒント:f(x)/xとf(x)−xの両方を調べます。

x>0では \(f(x)/x=1+1/\sqrt{x}\to1\) なので、存在するなら傾きは1です。しかし任意の有限のnに対し \(f(x)-(x+n)=\sqrt{x}-n\to+\infty\)。切片が決まらず、漸近線はありません。\(f'(x)\to1\) でも同じで、接線の傾きの極限だけでは高さの差は決まりません。

5.極限の定義で、判定を確定する

xyO縦 x=2横 y=−3斜め y=x+1
縦・横・斜めの直線の向きを並べた模式図です。同じ関数がこの3本を持つという主張ではありません。 座標図の縦横は、それぞれの目盛りに従って読みます。

縦x=aでは、定義域からaへ近づける側について調べます。少なくとも一方の片側極限が+∞または−∞なら縦の漸近線です。左右が異符号でも、同符号でもかまいません。「極限が存在しない」というだけでは、振動している可能性もあるため不十分です。

\[\lim_{x\to a+}f(x)=+\infty\quad\text{または}\quad-\infty\]

横y=bではf(x)−b→0、斜めy=mx+nではf(x)−(mx+n)→0を使います。斜めの直線までの垂直距離は \(|f(x)-(mx+n)|/\sqrt{1+m^2}\) で、分母は正の定数なので、この距離が0へ近づく条件と同値です。

斜めの候補は同じ方向の無限遠で、次の順に求めます。両方の極限が有限か確認してください。

\[m=\lim\frac{f(x)}x,\qquad n=\lim(f(x)-mx)\]

ここでm=0なら、得られた直線は横の漸近線です。mが出てもnが発散・振動すれば、直線の漸近線はありません。右端と左端で極限の向きを混ぜないようにします。

6.斜めの漸近線と、根号の左右差

例題・確認10 商が一次式になる分数関数

関数 \(y=\frac{x^2+1}{x}\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\ne0\)

答え:\(x=0,\ y=x\)。

ヒント:分子の各項を \(x\) で割れます。

問10の途中式と理由
\[f(x)=x+\frac1x.\]

無限遠で \(f(x)-x=1/x\to0\) なので、左右とも斜めは \(y=x\)。0の近くでは \(1/x\) が発散し、縦は \(x=0\) です。\(f(x)\) 自体は左右でそれぞれ \(+\infty,-\infty\) となるので、横の漸近線はありません。

例題・確認11 商の切片を確認する

関数 \(y=\frac{x^2-3x+4}{x-1}\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\ne1\)

答え:\(x=1,\ y=x-2\)。

ヒント:商を展開して余りまで元の分子へ戻します。

問11の途中式と理由

\(x^2-3x+4=(x-1)(x-2)+2\) より、

\[f(x)=x-2+\frac2{x-1}.\]

最後の項は無限遠で0となり、斜めは \(y=x-2\)。\(x=1\) では元の分子が2で、縦の漸近線があります。\(x=101\) では \(f(x)=99.02\) となり、商99との差は \(2/100\) です。

例題・確認12 縦の漸近線が2本ある

関数 \(y=\frac{x^3}{x^2-1}\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\ne\pm1\)

答え:\(x=-1,\ x=1,\ y=x\)。

ヒント:分母の方程式の解をすべて確認します。

問12の途中式と理由
\[f(x)=x+\frac{x}{x^2-1}.\]

余りの項は分母の次数が高いため無限遠で0へ近づきます。分母の零点 \(x=\pm1\) では、分子はそれぞれ \(\pm1\ne0\)。両方が縦の漸近線です。斜めは左右とも \(y=x\) で、\(x(x^2-1)+x=x^3\) と展開して検算できます。

例題・確認13 欠けた次数に0を補う

関数 \(y=\frac{2x^2+3}{x+1}\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\ne-1\)

答え:\(x=-1,\ y=2x-2\)。

ヒント:筆算では分子を \(2x^2+0x+3\) と並べます。

問13の途中式と理由

\(2x^2+3=(x+1)(2x-2)+5\) なので、

\[f(x)=2x-2+\frac5{x+1}.\]

差の項が0へ近づくことから斜めは \(y=2x-2\)。\(x=-1\) では分子5が残るので縦の漸近線です。余りを3にしてしまうと、展開した式に余分な \(2x\) が残ります。

xyO-22-22y=x+1/xy=xx=0
曲線と斜めの直線との差は1/x。左右とも差が0に近づきます。 座標図の縦横は、それぞれの目盛りに従って読みます。

\(f(x)=\sqrt{x^2+1}\) の右端ではx>0として有理化します。

\[\sqrt{x^2+1}-x=\frac1{\sqrt{x^2+1}+x}\to0\]

左端では \(\sqrt{x^2}=|x|=-x\) です。\(\sqrt{x^2+1}+x=1/(\sqrt{x^2+1}-x)\to0\) なので、左はy=−xに近づきます。

xyO-4414y=√(x²+1)y=xy=−x
右端ではy=x、左端ではy=−xへ近づきます。根号を外すときの絶対値が分かれ目になります。 座標図の縦横は、それぞれの目盛りに従って読みます。

例題・確認14 傾きの極限だけでは足りない

関数 \(y=x+\sqrt{x}\) の漸近線を調べてください。右端での斜めの漸近線が存在するか調べてください。

条件:\(x\geqq0\)

答え:\(x\to+\infty\) での斜めの漸近線はありません。

ヒント:傾きの候補を求めた後、差が有限値になるか調べます。

問14の途中式と理由

\(f(x)/x=1+1/\sqrt{x}\to1\) なので、候補の傾きは1です。しかし \(f(x)-x=\sqrt{x}\to+\infty\) となり、有限の切片を選べません。\(m\ne1\) なら \(f(x)-mx=(1-m)x+\sqrt{x}\) の一次の項が支配するため、やはり有限値に近づきません。\(x=0\) の右側の極限は0で、そこに縦の漸近線もありません。

例題・確認15 根号の左右で符号を変える

関数 \(y=\sqrt{x^2-6x}\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\leqq0\ \text{または}\ x\geqq6\)

答え:右端で \(y=x-3\)、左端で \(y=-x+3\)。縦はありません。

ヒント:左端では \(\sqrt{x^2}=-x\) です。

問15の途中式と理由

定義域は \(x(x-6)\geqq0\) から求まります。端の0と6では関数値は0へ近づきます。右端では有理化して

\[f(x)-x=\frac{-6x}{\sqrt{x^2-6x}+x}\longrightarrow-3.\]

左端では

\[f(x)+x=\frac{-6x}{\sqrt{x^2-6x}-x}\longrightarrow3.\]

後者の分母を \(-x\) で割ると、極限の符号を確認できます。平方完成 \(x^2-6x=(x-3)^2-9\) とも一致します。

例題・確認16 根号の最高次係数が4の場合

関数 \(y=\sqrt{4x^2+x}\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\leqq-\frac14\ \text{または}\ x\geqq0\)

答え:右端で \(y=2x+1/4\)、左端で \(y=-2x-1/4\)。縦はありません。

ヒント:\(\sqrt{4x^2}=2\lvert x\rvert\) を先に確認します。

問16の途中式と理由

右端の傾きは2で、

\[f(x)-2x=\frac{x}{\sqrt{4x^2+x}+2x}\longrightarrow\frac14.\]

左端の傾きは \(-2\) で、

\[f(x)+2x=\frac{x}{\sqrt{4x^2+x}-2x}\longrightarrow-\frac14.\]

定義域の有限の端 \(-1/4,0\) では値が0へ近づくため、縦の漸近線ではありません。\(4x^2+x=4(x+1/8)^2-1/16\) と平方完成しても、同じ2直線が得られます。

7.複雑な関数でも、同じ判定を使う

双曲線:傾きは係数の平方根から読む

a,b>0で \(x^2/a^2-y^2/b^2=1\)。yについて解けば \(y=\pm(b/a)\sqrt{x^2-a^2}\) となります。左右の端で根号との差を有理化すると、2本の直線 \(y=\pm(b/a)x\) が得られます。a,bは分母のa²,b²の平方根です。

xyO-aab-bx²/a²−y²/b²=1y=(b/a)xy=−(b/a)x
a,b>0の双曲線の模式的な座標図。2本の直線は原点を通り、傾きが互いに逆です。 座標図の縦横は、それぞれの目盛りに従って読みます。

例題・確認17 双曲線と直線の高さの差

双曲線 \(x^2/9-y^2/16=1\) の漸近線を求めてください。また \(x=12,y>0\) の点と直線 \(y=(4/3)x\) の高さの差を求めてください。

条件:\(x,y\in\mathbb R\)

答え:漸近線は \(y=\pm(4/3)x\)。指定の高さの差は \(16-4\sqrt{15}\) です。

ヒント:正の枝を \(y\) について解き、直線の高さから引きます。

問17の途中式と理由

\(a=3,b=4\) より漸近線は \(y=\pm(4/3)x\)。\(x=12,y>0\) の点は \(y=(4/3)\sqrt{12^2-9}=4\sqrt{15}\) です。直線上では \(y=16\) なので、上にある直線から曲線を引いた差は

\[16-4\sqrt{15}=\frac4{4+\sqrt{15}}>0.\]

これは同じ \(x\) での高さの差で、点と直線の最短距離ではありません。

例題・確認18 漸近線と通る点から双曲線を定める

2直線 \(y=(3/2)x,\ y=-(3/2)x\) を漸近線とし、点 \((4,3\sqrt3)\) を通る双曲線の方程式を求めてください。

条件:\(x,y\in\mathbb R\)

答え:\(x^2/4-y^2/9=1\)。

ヒント:2直線の積が一定となる形を考えます。

問18の途中式と理由

与えられた2直線の交点が双曲線の中心で、ここでは原点です。漸近線に対応する二次式を使って

\[\frac{x^2}{4}-\frac{y^2}{9}=k\quad(k\ne0)\]

と置きます。点を代入すると \(k=16/4-27/9=1\)。求めた式の漸近線の傾きは \(\pm\sqrt{9/4}=\pm3/2\) で、点の条件も満たします。\(k<0\) なら上下に開く双曲線ですが、今回の点では \(k=1\) に定まります。

指数・対数:左右を別々に計算

\((2^x+1)/(2^x-1)\) はx=0を除きます。右では2^xで割って1へ、左では2^x→0を入れて−1へ近づきます。x=0では分母だけが0へ近づき、縦の発散があります。

xyO-221-1y=(2ˣ+1)/(2ˣ−1)y=1y=−1x=0
指数関数では左右の極限が異なります。x=0の近くの発散も別に調べます。 座標図の縦横は、それぞれの目盛りに従って読みます。

例題・確認19 指数関数を含む分数の左右

関数 \(y=\frac{3^x-3}{3^x+1}\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\in\mathbb R\)

答え:右端で \(y=1\)、左端で \(y=-3\)。縦はありません。

ヒント:\(3^x\) は右端で無限大、左端で0へ近づきます。

問19の途中式と理由
\[f(x)=1-\frac4{3^x+1}.\]

右端では分数が0となり1へ、左端では分母が1となり \(-3\) へ近づきます。分母は常に正で、関数は実数全体で連続なので有限の点で発散しません。右端では1より下、左端では \(-3\) より上にあります。

例題・確認20 対数が残る差

関数 \(y=x+\log x\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x>0\)

答え:縦の \(x=0\) のみです。

ヒント:\(\log x/x\) と \(\log x\) の極限は異なります。

問20の途中式と理由

ここで \(\log\) は自然対数です。\(x\to0+\) で \(x+\log x\to-\infty\) より、縦は \(x=0\)。右端では \(f(x)/x=1+\log x/x\to1\) ですが、\(f(x)-x=\log x\to+\infty\) なので斜めの漸近線はありません。関数値自体も発散するため、横もありません。

例題・確認21 置き換えで基本の対数極限へ

関数 \(y=x\log\frac{x+1}{x}\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x<-1\ \text{または}\ x>0\)

答え:縦の \(x=-1\) と、左右の横の \(y=1\)。

ヒント:無限遠では \(t=1/x\) と置きます。有限の端は別に調べます。

問21の途中式と理由

対数の中が正である条件から定義域が求まります。無限遠では

\[x\log\left(1+\frac1x\right)=\frac{\log(1+t)}t\longrightarrow1.\]

左側の端 \(x\to-1-\) では対数が \(-\infty\)、係数が \(-1\) へ近づくため、積は \(+\infty\) です。\(x\to0+\) では \(x\log(x+1)-x\log x\to0\)。この分解は \(x>0\) の側で使っており、\(x<-1\) にそのまま適用することはできません。

振動:揺れの幅が縮むか

\(x+\sin x/x\) では、直線y=xとの差はsin x/x。絶対値が1/|x|以下なので、左右とも0へ近づきます。一方、x=0に元の式は定義されませんが、sin x/x→1より有限の穴です。

xyOπ4-4y=x+(sin x)/xy=x
振幅が1/|x|以下へ縮むため、振動していても差は0へ近づきます。x=0は元の式の定義域から除かれます。 座標図の縦横は、それぞれの目盛りに従って読みます。

\(e^{-x}\sin x\) は右端で絶対値がe^(−x)以下となり、横y=0へ近づきます。左端については別の判定が必要で、同じ包絡線が縮むわけではありません。

xyOπ1-1y=e⁻ˣ sin xy=0
右へ行くほど上下の包絡線が0へ縮みます。この図から左端の極限まで同じと推論しません。 座標図の縦横は、それぞれの目盛りに従って読みます。

\(x+\sin x\) の差はsin xのままです。\(x=\pi/2+2k\pi\) では1、\(x=3\pi/2+2k\pi\) では−1となるので収束しません。「直線に沿って見える」と「差が0になる」は別です。

xyO-2π4-4y=x+sin xy=x差 sin x は 0 に近づかない
直線と曲線の差sin xは、いつまでも−1から1まで振動し、0へ収束しません。 座標図の縦横は、それぞれの目盛りに従って読みます。

例題・確認22 小さくなる振動と無限個の交点

関数 \(y=2x+\frac{\cos x}{x}\) の漸近線を調べてください。また斜めの漸近線との交点の \(x\) 座標を求めてください。

条件:\(x\ne0\)

答え:\(x=0,\ y=2x\)。交点の \(x\) 座標は \(\pi/2+k\pi\)、\(k\in\mathbb Z\)。

ヒント:\(\lvert\cos x\rvert\leqq1\) と分母の0を両方使います。

問22の途中式と理由

0付近で \(\cos x\to1\) なので、右から \(+\infty\)、左から \(-\infty\) です。無限遠では

\[\lvert f(x)-2x\rvert=\frac{\lvert\cos x\rvert}{\lvert x\rvert}\leqq\frac1{\lvert x\rvert}\to0.\]

交点は \(\cos x=0\) から求まり、どの解も \(x\ne0\) を満たします。交点は無限個あります。

例題・確認23 分母が根号の振動

関数 \(y=x+\frac{\sin x}{\sqrt{x}}\) の漸近線を調べてください。また斜めの漸近線との交点が何個あるか答えてください。

条件:\(x>0\)

答え:\(y=x\) のみ。交点は \(x=k\pi\)、\(k=1,2,\ldots\) の無限個。

ヒント:無限遠だけでなく、定義域の端0でも極限を確認します。

問23の途中式と理由

右端で \(\lvert f(x)-x\rvert\leqq1/\sqrt{x}\to0\) なので斜めは \(y=x\)。0の右側では

\[\frac{\sin x}{\sqrt{x}}=\sqrt{x}\frac{\sin x}{x}\to0\]

となり、縦の漸近線はありません。\(\sin x=0\) の解から正のものだけ選ぶと \(k\pi\)、\(k=1,2,\ldots\) です。

例題・確認24 小さくならない振動

関数 \(y=2x+\cos x\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\in\mathbb R\)

答え:縦・横・斜めの漸近線はいずれもありません。

ヒント:\(\cos x\) が異なる値を取る2つの数列で調べます。

問24の途中式と理由

実数全体で連続なので有限の点で発散しません。無限遠では一次の項が支配するため横もありません。傾きの候補は \(m=2\) ですが、\(f(x)-2x=\cos x\) は、\(x=2k\pi\) で1、\(x=(2k+1)\pi\) で \(-1\)。どちらの数列も右端へ向かうのに値が揃わず、切片の極限は存在しません。左端も同じ理由です。

例題・確認25 媒介変数の近づけ方

\(x=t/(t-1),\ y=t^2/(t-1)\) で表される曲線の漸近線をすべて求めてください。

条件:\(t\in\mathbb R,\ t\ne1\)

答え:\(x=1,\ y=x+1\)。

ヒント:\(t o1\) と \(t o\pm\infty\) で点の動きが違います。

問25の途中式と理由

\(t\to\pm\infty\) では \(x=1+1/(t-1)\to1\)、\(y\to\pm\infty\) となり縦は \(x=1\)。一方、\(y-x=t\) なので \(t\to1\) で \(y-(x+1)=t-1\to0\) です。このとき \(x\) は無限遠へ向かうため、斜めは \(y=x+1\)。消去すると \(t=x/(x-1)\)、

\[y=\frac{x^2}{x-1}=x+1+\frac1{x-1}\]

となり、同じ答えを確認できます。

8.漸近線と増減表を合わせて描く

定義域、片側極限、右端と左端の漸近線を先に記録します。その後、必要に応じて導関数・増減・極値・凹凸を調べます。漸近線だけで途中の形を一意に決めることはできません。

① 定義域を書く② 漸近線(極限の計算)縦 → 横 → 斜め② 増減表(微分の計算)y′ の符号③ 2つを重ねて1枚の図にする漸近線と増減表は独立の作業。別々に出してから合わせる
漸近線と増減表を別々に調べ、最後に一枚のグラフへまとめます。 座標図の縦横は、それぞれの目盛りに従って読みます。

\(x^3/(x^2-1)=x+x/(x^2-1)\) なら、縦はx=±1、斜めはy=xです。定義域は3区間に分かれます。どの区間でも端の行き先と、途中の増減を組み合わせます。

xyO-112-2y=x³/(x²−1)y=xx=1x=−1
分母の零点±1と、無限遠での直線y=xを別々に調べます。 座標図の縦横は、それぞれの目盛りに従って読みます。

例題・確認26 漸近線と交点・極値

関数 \(y=\frac{x^3}{x^2+1}\) の漸近線を調べてください。また曲線と漸近線の共有点、および極値の有無を調べてください。

条件:\(x\in\mathbb R\)

答え:漸近線は \(y=x\)。共有点は \((0,0)\)、極値はありません。

ヒント:割り算と微分を別々に進めます。

問26の途中式と理由

\(f(x)=x-x/(x^2+1)\) なので、左右とも \(f(x)-x\to0\)。分母は常に正で、有限の点で発散しません。共有点は \(-x/(x^2+1)=0\) より原点です。

\[f\prime(x)=\frac{x^2(x^2+3)}{(x^2+1)^2}\geqq0\]

で、0以外では正、0を挟んでも符号が変わりません。関数は単調に増加し、0でも極値を取りません。導関数が0というだけで極値とは決められません。

例題・確認27 余りの零点が交点になる

関数 \(y=\frac{x^3-8x-1}{x^2-9}\) の漸近線を調べてください。また曲線と漸近線の交点を求めてください。

条件:\(x\ne\pm3\)

答え:\(x=-3,\ x=3,\ y=x\)。交点は \((1,1)\)。

ヒント:商と余りを求め、余りが0になる点も調べます。

問27の途中式と理由
\[f(x)=x+\frac{x-1}{x^2-9}.\]

余りの項は無限遠で0となり、斜めは \(y=x\)。元の分子は3で2、\(-3\) で \(-4\) なので、どちらも縦の漸近線です。両方の点で、左からは \(-\infty\)、右からは \(+\infty\) となります。交点は \(x-1=0\) より \(x=1\)。定義域を満たし、元の式にも代入すると \((-8)/(-8)=1\) です。

xyO3-311y=(x³−8x−1)/(x²−9)y=xx=3x=−3交点 (1, 1)
交点(1,1)の前後で直線との上下関係が変わります。x=±3は定義域の境目です。 座標図の縦横は、それぞれの目盛りに従って読みます。

例題・確認27では直線との差が \((x-1)/((x-3)(x+3))\)。区間x<−3、−3<x<1、1<x<3、x>3で順に負・正・負・正です。したがって曲線は直線の下・上・下・上に位置します。交点x=1は元の定義域にも含まれます。

この有理関数は各定義域区間で連続です。x<−3の区間は両端で−∞なので途中に最大値を持ち、x>3の区間は両端で+∞なので途中に最小値を持ちます。この存在の議論には連続性と両端の振る舞いを使っています。具体的な位置や個数は微分などでさらに調べます。

9.間違いやすい判定を点検

  1. 分母0は候補。約分後の発散を確かめる。
  2. 約分しても元の定義域を広げない。
  3. 右端と左端を別々に調べる。
  4. 傾きの候補だけでなく、切片の極限も調べる。
  5. m=0は横の直線の候補で、直ちに「なし」ではない。
  6. 商が二次以上の多項式を直線と呼ばない。
  7. 振動の有無だけで決めず、振幅が縮むか確認する。
  8. 途中の交点があっても漸近を否定しない。
  9. 根号からxを出すとき、|x|を確認する。
  10. 漸近線と増減表を別に作り、最後に整合を確かめる。
二次曲線への近づきと直線の漸近線の違い直線ではなく、二次曲線へ青:x²+1/x 緑の破線:x²12340481216xy差を別のグラフで確かめます123400.51差 1/x → 0x差は0へ。しかし近づく相手は二次曲線。直線の漸近線とは区別します。
二次曲線との差は縮みますが、どの直線との差も0には近づきません。

10.確認テスト12問と、条件を考える追加問題

次の確認28〜39は、既存の確認テスト12問です。答えとヒントを読んだら、どの極限が根拠なのか自分の言葉で説明してみてください。

例題・確認28 確認1:反比例

関数 \(y=\frac8x\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\ne0\)

答え:\(x=0,\ y=0\)。

ヒント:0付近と無限遠を分けて調べます。

問28の途中式と理由

\(x\to0+\) で \(+\infty\)、\(x\to0-\) で \(-\infty\) です。一方、\(\lvert8/x\rvert=8/\lvert x\rvert\to0\) より、横は左右とも \(y=0\)。同じ向きの無限遠に斜めの漸近線が追加されることはありません。

例題・確認29 確認2:上への移動

関数 \(y=\frac6x+3\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\ne0\)

答え:\(x=0,\ y=3\)。

ヒント:\(f(x)-3\) に注目します。

問29の途中式と理由

\(f(x)-3=6/x\) なので、無限遠で3との差が0へ近づきます。0付近ではこの分数が発散するため、縦は \(x=0\)。上下に3移動しても、縦の直線の位置は変わりません。

例題・確認30 確認3:分母の零点

関数 \(y=\frac2{x-5}\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\ne5\)

答え:\(x=5,\ y=0\)。

ヒント:\(x-5=0\) を解きます。

問30の途中式と理由

\(x\to5+\) で \(+\infty\)、\(x\to5-\) で \(-\infty\) となるため、縦は \(x=5\)。無限遠では分母の絶対値が限りなく大きくなり、分数は0へ近づきます。例えば \(x=1005\) では \(2/1000=0.002\) です。

例題・確認31 確認4:枝がある位置

関数 \(y=-\frac4{x+1}+2\) の漸近線を調べてください。また、漸近線の交点を基準として枝がどちら側にあるか答えてください。

条件:\(x\ne-1\)

答え:\(x=-1,\ y=2\)。交点 \((-1,2)\) を基準に、枝は左上と右下です。

ヒント:\(y-2\) の符号を \(x+1\) の符号から判断します。

問31の途中式と理由

縦は分母の零点 \(x=-1\)、横は \(f(x)-2=-4/(x+1)\to0\) から \(y=2\) です。\(x>-1\) なら \(y-2<0\) で右下、\(x<-1\) なら \(y-2>0\) で左上になります。漸近線の位置だけでなく、余りの符号まで使った判定です。

例題・確認32 確認5:係数の比と割り算

関数 \(y=\frac{4x+5}{x-1}\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\ne1\)

答え:\(x=1,\ y=4\)。

ヒント:\(4x+5=4(x-1)+9\) を使います。

問32の途中式と理由
\[f(x)=4+\frac9{x-1}.\]

無限遠での差が0より横は \(y=4\)。\(x=1\) では分子が9なので、左右で発散します。右端では \(9/(x-1)>0\) となり、横の直線の上から近づきます。

例題・確認33 確認6:約分しても穴は残る

関数 \(y=\frac{x^2-9}{x-3}\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\ne3\)

答え:縦はありません。差の極限による定義では \(y=x+3\) が斜めの条件を満たします。

ヒント:\(x=3\) の除外を約分後にも残します。

問33の途中式と理由

\(f(x)=x+3\) が成り立つのは \(x\ne3\) の範囲です。\(x\to3\) で値は6に近づき、縦の漸近線ではありません。グラフは直線から \((3,6)\) を除いたものです。無限遠での差は恒等的に0なので、本記事の定義では \(y=x+3\) を含めます。

例題・確認34 確認7:左右とも上へ発散

関数 \(y=\frac3{(x-2)^2}+1\) の漸近線を調べてください。さらに、2の右側と左側から近づけたときの極限を比較してください。

条件:\(x\ne2\)

答え:\(x=2,\ y=1\)。\(x\to2+\) も \(x\to2-\) も \(+\infty\) です。

ヒント:2乗した分母は左右とも正です。

問34の途中式と理由

\((x-2)^2\to0+\) なので、どちら側からも \(3/(x-2)^2\to+\infty\)。無限遠ではこの項が0となり、横は \(y=1\) です。定義域内で常に \(f(x)>1\) なので、曲線は横の漸近線の上にあります。

例題・確認35 確認8:分母が二次式

関数 \(y=\frac{2x^2+1}{x^2-4}\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\ne\pm2\)

答え:\(x=-2,\ x=2,\ y=2\)。

ヒント:分母を因数分解した後、2点それぞれで分子を確認します。

問35の途中式と理由

\(x=\pm2\) では分子が9で0ではないため、縦が2本あります。また

\[f(x)=2+\frac9{x^2-4}\]

なので横は \(y=2\)。最高次の係数の比 \(2/1\) とも一致しますが、縦の判定はこの比からはできません。

例題・確認36 確認9:平方に分ける

関数 \(y=\frac{x^2+2x+3}{x+1}\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\ne-1\)

答え:\(x=-1,\ y=x+1\)。

ヒント:分子を \((x+1)^2+2\) と見ます。

問36の途中式と理由
\[f(x)=x+1+\frac2{x+1}.\]

無限遠で \(f(x)-(x+1)\to0\) より、斜めは左右とも \(y=x+1\)。\(x=-1\) では元の分子2が残り、左右で発散するため縦の漸近線があります。

例題・確認37 確認10:2本の水平線

関数 \(y=\frac{3\cdot2^x+1}{2^x+1}\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\in\mathbb R\)

答え:右端は \(y=3\)、左端は \(y=1\)。縦はありません。

ヒント:\(3-2/(2^x+1)\) と変形します。

問37の途中式と理由

\(f(x)=3-2/(2^x+1)\) より、右端では3、左端では \(3-2=1\) へ近づきます。分母は常に1より大きく、関数は実数全体で連続です。有限の点で発散するところはありません。左右で異なる横の漸近線を持つ例です。

xyO-33132y=(3·2ˣ+1)/(2ˣ+1)y=3y=1
曲線は1と3の間にあり、左で1、右で3へ近づきます。 座標図の縦横は、それぞれの目盛りに従って読みます。

例題・確認38 確認11:根号の切片の符号

関数 \(y=\sqrt{x^2+4x}\) の漸近線を調べてください。

条件:\(x\leqq-4\ \text{または}\ x\geqq0\)

答え:右端は \(y=x+2\)、左端は \(y=-x-2\)。縦はありません。

ヒント:平方完成と有理化の両方で符号を確認できます。

問38の途中式と理由

右端では

\[f(x)-x=\frac{4x}{\sqrt{x^2+4x}+x}\to2.\]

左端では

\[f(x)+x=\frac{4x}{\sqrt{x^2+4x}-x}\to-2.\]

定義域の端 \(-4,0\) では0へ近づき、縦の漸近線ではありません。\(x^2+4x=(x+2)^2-4\) なので、図は \(x=-2\) に関して対称です。

例題・確認39 確認12:縦の漸近線をなくす条件

関数 \(y=\frac{x^2+ax+2}{x-1}\) の漸近線を調べてください。縦の漸近線を持たないように定数 \(a\) を定め、そのときのグラフを述べてください。

条件:\(a\in\mathbb R,\ x\ne1\)

答え:\(a=-3\)。グラフは \(y=x-2\) から点 \((1,-1)\) を除いたものです。

ヒント:分母の因数 \(x-1\) が分子でも因数になる条件を求めます。

問39の途中式と理由

分子を \(x=1\) で評価すると \(a+3\)。これが0でないと左右で発散するので、必要なのは \(a=-3\) です。このとき \(x^2-3x+2=(x-1)(x-2)\) と約分でき、極限は \(-1\) で有限。条件は十分でもあります。\(x=1\) の除外は残します。差の極限による定義では、無限遠で \(y=x-2\) が斜めの条件を満たします。

追加確認43 多項式には近づくが、直線には近づかない

\(f(x)=(x^3+1)/x\)、x≠0。右端で近づく直線はありますか。\(f(x)-x^2\) の極限も求めてください。

答え:直線はありません。二次曲線との差は0へ近づきます。

ヒント:任意の直線との差をx²で割ります。

追加確認43の途中式と理由

\(f(x)=x^2+1/x\) なので、\(f(x)-x^2=1/x\to0\)。任意の有限のm,nに対し、\([f(x)-(mx+n)]/x^2\to1\)。したがって差自体は+∞となり、直線には近づきません。

追加確認44 縦の漸近線上に、関数の点があってもよい?

x≠0で \(f(x)=1/x\)、x=0でf(0)=2と定めます。x=0は縦の漸近線ですか。

答え:はい。さらにグラフはその直線上の点(0,2)を持ちます。

ヒント:一点の値と、その近くでの極限を分けます。

追加確認44の途中式と理由

x=0の値を変えても、0<xやx<0の式は1/xのままです。右の極限は+∞、左は−∞なので、縦の漸近線はx=0。f(0)=2より(0,2)もグラフ上にあります。「縦の漸近線とは決して交わらない」という一般化への反例です。

追加確認45 どれだけ遠くへ行けば、誤差を小さくできる?

\(f(x)=x+\sin x/x\)、x≠0。ε>0に対して、直線y=xとの高さの差をε未満にする十分なxの条件を示してください。

答え:\(|x|>1/\varepsilon\) なら十分です。

ヒント:|sin x|≦1を使います。

追加確認45の途中式と理由

\(|f(x)-x|=|\sin x|/|x|\leqq1/|x|\)。|x|>1/εなら最後の量がε未満です。これは十分条件で、必要条件ではありません。例えばxが0でないπの整数倍なら差は0です。

11.よくある質問

漸近線はグラフと交わらない直線ですか。

交わる場合もあります。横・斜めは無限遠での差、縦は片側での発散で判定します。途中の交点の有無だけでは決まりません。

分母が0になれば、縦の漸近線ですか。

候補にはなりますが、約分で穴だけが残る場合があります。元の定義域を保持し、片側の関数値が正または負の無限大へ発散するか確認します。

横の漸近線は2本ありますか。

右端と左端で異なる値へ近づけば2本あります。同じ方向の端に、異なる2つの有限な極限値を持つことはありません。

斜めの傾きが求まったら終了ですか。

切片に対応するf(x)−mxも有限値へ収束する必要があります。x+√xは傾きの候補1が出ても、差が発散します。

直線と一致する場合も漸近線ですか。

この記事の差の極限による定義では含めます。一致を除く慣例を採る場合は、追加の除外条件を明示して区別します。

割り算の商が二次式ならどうしますか。

二次曲線との差が0へ近づくことはありますが、本文で調べる直線の漸近線とは区別します。任意の直線との差が0になるかを調べます。

振動する関数にも漸近線がありますか。

振幅が縮めば存在する場合があります。sin x/xは0へ近づきますが、sin x自体は0へ収束しません。

漸近線だけでグラフを完成できますか。

端の振る舞いは分かりますが、途中の増減や極値を決めるには微分などが必要です。両方の情報を組み合わせます。

有限の点の値があっても、縦の漸近線になりますか。

なります。x≠0で1/x、x=0で2という関数では、左右で発散しながら(0,2)もグラフ上にあります。

数値をいくつか代入するだけで証明になりますか。

一般の極限の証明にはなりません。式変形や評価により、どれほど小さい誤差にも対応できる範囲を示します。数値代入は計算の検算として役立ちます。

次の学習と相談

「穴か漸近線か」「左右のどちらの極限か」「差を取った後に何を見るか」など、問題番号と途中式を添えて数学の個別指導について相談できます。

2026年9月13日。全文編集・図と数学の検証:Codex。既存42問と説明図17点を保持し、追加3問と比較図2点を統合しました。今回の人間講師による個別監修完了は確認していません。追加問題と比較図は本稿用の独自制作です。外部の問題集・入試問題の転載はしていません。

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