最初に、導関数の符号と極値を確かめましょう。
問題1|三次関数の極大値・極小値を求める
\(a>0\) を定数とします。実数全体で定義された \(f(x)=x^3-3ax\) の極大値と極小値、およびそれぞれを取る \(x\) を求めてください。
\(f^{\prime}(x)=0\) を解いたら、その前後で導関数の符号がどう変わるかも見てください。
ヒント
\(f^{\prime}(x)=3(x^2-a)\) なので、0になる点は \(x=\pm\sqrt a\) です。二つの点で区切って符号を確認します。
全統記述模試などの記述対策に使える、既存オリジナル3題を解説します。極値・接線・面積で、それぞれ何を方程式や不等式にするかを確かめましょう。特定回の頻度・配点・必答範囲や一律の時間配分を断定するものではありません。
問題1の解説|正・負・正の変化を読む
\[f^{\prime}(x)=3(x-\sqrt a)(x+\sqrt a).\]
\(x<-\sqrt a\) で正、\(-\sqrt a<x<\sqrt a\) で負、\(x>\sqrt a\) で正です。増加から減少へ変わる \(x=-\sqrt a\) で極大、減少から増加へ変わる \(x=\sqrt a\) で極小になります。
\[f(-\sqrt a)=2a\sqrt a,\qquad f(\sqrt a)=-2a\sqrt a.\]
したがって極大値は \(2a\sqrt a\)、極小値は \(-2a\sqrt a\)。\(a=1\) なら2と−2、\(a=4\) なら16と−16で、元の式への代入も一致します。奇関数なので両極値は符号が反対になります。
導関数が0なら、必ず極値になりますか
必ずとは限りません。例えば \(a=0\) に変えると \(f(x)=x^3\)。\(f^{\prime}(0)=0\) でも、前後とも増加するため0で極値を取りません。\(a<0\) なら導関数は常に正で、やはり極値はありません。
実数全体で考える三次関数では、導関数の二次方程式が異なる2実根を持つと、それぞれで符号が変わります。三次の係数が0ではないことを前提に、導関数の判別式が正かどうかで極大・極小の存在を判断できます。他の種類の関数へ無条件に広げないでください。
問題2|点を通る接線が3本になる範囲
曲線 \(C:y=x^3-3x\) と点 \(A(2,k)\) を考えます。\(A\) を通る異なる接線が3本あるような実数 \(k\) の範囲を求めてください。
ヒント
接点を \((t,t^3-3t)\) とし、接線が \(A\) を通る条件を作ります。通る点 \(A\) と接点は同じとは限りません。
答えと、接点の方程式
接線の傾きは \(3t^2-3\) なので、
\[y=(3t^2-3)(x-t)+t^3-3t.\]
\(A(2,k)\) を代入すると、
\[k=-2t^3+6t^2-6.\]
右辺を \(g(t)\) とおきます。\(g^{\prime}(t)=-6t(t-2)\) は、\(t<0\) で負、\(0<t<2\) で正、\(t>2\) で負です。極小値は \(g(0)=-6\)、極大値は \(g(2)=2\) です。
両端の振る舞いも合わせると、横線 \(y=k\) とグラフが3点で交わるのは、極小値と極大値の間です。答えは \(-6<k<2\) です。
境界 \(k=-6\) では接点の横座標は0と3、\(k=2\) では−1と2で、異なる接点は2個です。重解を2個の接点として数えないでください。
数値的な検算でも、\(k=0\) の接点の横座標は約−0.879、1.347、2.532の3個。\(k=-3\) では約−0.642、0.832、2.810です。範囲外の \(k=3\) では約−1.054、\(k=-8\) では約3.104の1個だけです。解の個数の根拠は増減と両端の振る舞いで、近似値の列挙だけではありません。
三次関数では、接点の個数を接線の本数にできる理由
三次関数のグラフに、同じ直線が異なる2点で接すると仮定します。関数から直線の式を引いた三次多項式は、二つの異なる接点でそれぞれ重根を持つことになり、次数が少なくとも4必要です。これは三次であることに反します。したがって異なる接点には異なる接線が対応します。
四次以上では同じとは限りません。例えば \(y=x^4-2x^2\) には、\(x=1,-1\) の両方で直線 \(y=-1\) が接します。接点2個に対して接線は1本です。
問題3|放物線と直線で囲まれた面積
\(m>0\) を定数とします。\(y=x^2-2x\) と \(y=mx\) で囲まれた図形の面積が36になる \(m\) を求めてください。
ヒント
交点の横座標を求め、間でどちらが上にあるかを確認します。差は \(x(m+2-x)\) と表せます。
答えと、定積分からの確認
交点は \(x(x-m-2)=0\) より、\(x=0,m+2\) です。\(m>0\) なので \(m+2>0\) で、異なる2点になります。この間では直線が上です。
\[\begin{aligned}S&=\int_0^{m+2}x(m+2-x)\,dx\\&=\frac{(m+2)^3}{6}.\end{aligned}\]
\(S=36\) から \((m+2)^3=216\)。実数の3乗は単調増加なので \(m+2=6\) だけであり、\(m=4\) です。
代入すると、
\[\int_0^6(6x-x^2)\,dx=\left[3x^2-\frac{x^3}3\right]_0^6=36.\]
\(m>0\) も満たしています。積分の前に上下を確認したので、符号付きの積分値をそのまま面積と取り違えていません。
6分の1公式の条件も確認する
2関数の差が、異なる2実根 \(\alpha<\beta\) を持つ二次式 \(A(x-\alpha)(x-\beta)\)、\(A\ne0\) なら、その間の面積は、
\[S=\frac{|A|}{6}(\beta-\alpha)^3.\]
二つの放物線を引く場合は、\(A\) は二次の係数の差です。係数が打ち消されて一次式になった場合や、異なる2交点がない場合には、この形をそのまま使えません。直接積分する方法も正しいので、式の形に応じて選んでください。
2026年9月9日更新。既存オリジナル3題を保持し、導関数・接線条件・実根の個数・面積を独立に検算。3枚のグラフと適用条件の説明を追加しました。編集・作図・数学確認はCodex、今回の講師個別監修は未実施です。特定の模試の問題文を転載したものではありません。
