確率の記述対策|反復試行の終了時刻・状態分け・条件付き確率を1題で解説

最初に、終了する条件を確かめる問題です。

赤が2回続いたら終了|3つの確率を考えよう

袋には赤球2個と白球3個が入っています。よく混ぜて1個を無作為に取り出し、色を見てからその球を戻します。各回の取り出しは独立に行うものとし、赤球が2回続けて出た時点で終了します。

  1. ちょうど3回目で終了する確率を求めてください。
  2. 4回目までに終了しない確率を求めてください。
  3. 4回目までに終了しなかったとき、1回目に赤が出ていた条件付き確率を求めてください。

赤の確率は \(\frac25\)、白の確率は \(\frac35\) です。まず「赤赤で終わった後は、実際の操作を続けない」ところに注意して、枝を分けてみましょう。

3回目までの樹形図。RRとWRRで終了し、その先には枝を伸ばさないRWRWRWRWRWRW終了終了開始R:赤(2/5) W:白(3/5)
上から1回目・2回目・3回目と進みます。RRは2回目、WRRは3回目で終了します。終了した枝には続きを描いていません。
考えるためのヒント

第1問では、最後の2回が赤でも、その前にすでに終了していないか確かめます。第2問では「未終了で、最後が白」「未終了で、最後が赤」を分けると、次の1回を追いやすくなります。

第1問の答え第2問の答え第3問の答え

全統記述模試などの確率対策で、操作を繰り返す問題に取り組むための解説です。既存のオリジナル演習を使い、終了時刻と条件付き確率を分けて整理します。特定回の出題頻度や、今後の設問構成を断定するものではありません。

第1問|ちょうど3回目なら、最初は白

3回目に初めて赤が2回続くには、2回目と3回目が赤です。1回目も赤だと2回目に終了してしまうため、1回目は白に限られます。

\[P(T=3)=\frac35\cdot\frac25\cdot\frac25=\frac{12}{125}.\]

ここで \(T\) は終了する回数です。「3回目で終了」は \(T=3\)、「3回目までに終了」は \(T\leqq3\) を意味し、違う事象です。最も早い終了は2回目なので、後者には2回目に終了する場合も加えます。

\[P(T\leqq3)=\frac4{25}+\frac{12}{125}=\frac{32}{125}.\]

第2問|未終了の二つの状態を追う

\(n\) 回目まで未終了で、最後が白である確率を \(S_n\)、最後が赤である確率を \(A_n\) とおきます。どちらも「未終了であると分かった後」の条件付き確率ではなく、開始前から見た事象の確率です。

開始時を便宜上 \(S_0=1,A_0=0\) とします。開始時に実際に白を取り出したという意味ではありません。次に白ならどちらからも継続でき、次に赤なら \(S_n\) からだけ継続できます。

\[S_{n+1}=\frac35(S_n+A_n),\qquad A_{n+1}=\frac25S_n.\]

\(A_n\) から赤を引いた \(\frac25A_n\) は終了する確率なので、未終了の表には加えません。

未終了の状態を、開始前からの確率で記録
回数 最後が白 S 最後が赤 A
0 \(1\) \(0\)
1 \(\frac{3}{5}\) \(\frac{2}{5}\)
2 \(\frac{3}{5}\) \(\frac{6}{25}\)
3 \(\frac{63}{125}\) \(\frac{6}{25}\)
4 \(\frac{279}{625}\) \(\frac{126}{625}\)

4回目まで未終了である確率は、4回後の二つの状態の和です。

\[P(T>4)=S_4+A_4=\frac{279+126}{625}=\frac{81}{125}.\]

状態の確率の和が1より小さいのは、終了した場合を除いているためです。毎回その和を1に直すと、求めている確率が変わってしまいます。

第3問|分子にも「未終了」を含める

\(B\) を「4回目まで未終了」、\(C\) を「1回目が赤」とします。条件付き確率は、

\[P(C\mid B)=\frac{P(C\cap B)}{P(B)}\qquad(P(B)>0).\]

分母は第2問の \(\frac{405}{625}\) です。分子は「1回目が赤、かつ4回目まで未終了」で、単に赤の確率 \(\frac25\) ではありません。

1回目が赤なら、未終了でいるには2回目は白です。この時点の確率は \(\frac25\cdot\frac35=\frac6{25}\)。3回後は、最後が白の確率が \(\frac{18}{125}\)、赤の確率が \(\frac{12}{125}\) となります。4回後はそれぞれ \(\frac{90}{625}\)、\(\frac{36}{625}\) です。

\[\begin{aligned}P(C\cap B)&=\frac{126}{625},\\P(C\mid B)&=\frac{126}{405}=\frac{14}{45}.\end{aligned}\]

条件を知る前の \(\frac25\) より小さくなりました。1回目が赤だと、2回目にも赤を引いて早く終了する場合があるためです。計算結果が状況と合うかも確かめてください。

8通りあるから8/16?|結果の確率は同じではありません

別の方法でも検算しましょう。実際には終了後に引きませんが、計算上はあらかじめ独立な4回分の色を用意したと考えられます。最初の4色に赤赤がなければ未終了です。赤をR、白をWと書くと、該当する並びは次の8通りです。

赤赤を含まない4色と、その確率
色の並び 確率
RWRW \(\frac{36}{625}\)
RWWR \(\frac{36}{625}\)
RWWW \(\frac{54}{625}\)
WRWR \(\frac{36}{625}\)
WRWW \(\frac{54}{625}\)
WWRW \(\frac{54}{625}\)
WWWR \(\frac{54}{625}\)
WWWW \(\frac{81}{625}\)

赤2個・白3個なので、色の並び16通りは同様に確からしくありません。例えばWWWWの確率は \(\frac{81}{625}\)、RWRWは \(\frac{36}{625}\) で異なります。単に \(\frac8{16}\) とすることはできません。

表の分子の和は405、1文字目がRの行の分子の和は126です。したがって第2問・第3問と一致します。条件付きの標本空間で8通りから3通りを選んで \(\frac38\) とする計算も、同じ理由で使えません。

回数が増えたら、同じ状態分けを漸化式へ

この問題の次の動きは、未終了なら「最後が赤かどうか」で決まります。そのため二つの状態で追えます。別の終了条件、たとえば赤が3回続く問題では、連続した赤の数を0・1・2回に分けるなど、状態を見直す必要があります。

一般に終了が初めて起こる回数を考えると、\(n\geqq1\) について、

\[P(T=n)=P(T>n-1)-P(T>n).\]

今回なら2回目、3回目、4回目で終了する確率を加え、4回目まで未終了の確率と合わせて1になることも確認できます。

\[\frac4{25}+\frac{12}{125}+\frac{12}{125}+\frac{81}{125}=1.\]

「状態を決める」「次の1回でどこへ移るか書く」「求める事象を集める」という順序が、この問題では役立ちます。問題ごとの条件を読んで、同じ分け方が使えるか判断しましょう。

2026年9月9日更新。既存オリジナル演習の3設問と解答を保持し、独立性の条件を明記。図を縦型に描き直し、状態表・重み付き全列挙の表を追加しました。編集・作図・数学確認はCodex、今回の講師個別監修は未実施です。特定の模試の問題文を転載したものではありません。

要点辞典この単元の公式・定石・つまずきやすい所は 数学I・Aの要点辞典:確率 にまとめてあります。

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