中1数学:平面図形 / 数学単元ガイド

中1数学|図形の移動 平行移動・回転移動・対称移動を解説【中1数学】(無料問題PDF)

中1|平面図形解き方がわからないときは 中1数学|基本の作図 垂直二等分線・角の二等分線・垂線【中1数学】(無料問題PDF) を先に読むと、この問題で何を問われているかが分かります。

今日の一問
  1. 点A(−1, 4)を右へ3、下へ6だけ平行移動した点A′を求めてください。
  2. 点P(2, 5)を原点のまわりに180°回転した点P′を求めてください。
  3. 点Q(−4, 3)をx軸について対称移動した点Q′を求めてください。
  4. 点R(−4, 3)をy軸について対称移動した点R′を求めてください。
  5. 対称移動で点PがP′へ移るとき、対称の軸と線分PP′にはどのような関係がありますか。
——さて、どこから手をつける?
答えと考え方は、この記事の中で順を追って解説します。

図形の移動は、形や大きさを変えずに位置だけを変える操作です。中学1年では、平行移動・回転移動・対称移動を学びます。どの移動でも、対応する線分の長さ、角の大きさ、周の長さ、面積は変わりません。

図形の移動で変わるもの・変わらないもの

図形Fを移動して図形F′になったとき、移動前の点Aに重なる点A′を対応する点といいます。同じように、対応する線分、対応する角を考えます。

変わらないもの 変わることがあるもの
対応する線分の長さ 図形の位置
対応する角の大きさ 辺や線分の向き
周の長さ、面積 頂点をたどる向き(対称移動では反転)
直線・円など図形の種類 座標
共通する中心:どの移動でも図形を伸ばしたり縮めたりしません。移動前後の図形は合同です。

平行移動

図形を一定の方向へ、一定の距離だけ動かす移動を平行移動といいます。すべての点が同じ方向へ同じ距離だけ動きます。

平行移動ではAA′、BB′、CC′が互いに平行で長さが等しくなります。

平行移動の性質

  • AA′=BB′=CC′。
  • AA′、BB′、CC′は互いに平行。ただし一直線上に重なる場合もあります。
  • 対応する線分ABとA′B′は平行(または同一直線上)で、長さが等しい。
  • 図形の向きは反転しない。

平行移動を作図する手順

  1. 移動の方向と距離を表す線分を確認する。
  2. 各頂点から、その線分と平行で同じ長さの線分を引く。
  3. 移動後の頂点A′、B′、C′を順に結ぶ。

例1:座標上の平行移動

問題:点A(−2, 3)を、右へ5、下へ4だけ平行移動した点A′の座標を求めましょう。

右へ5なのでx座標に5を足し、下へ4なのでy座標から4を引きます。

x:−2+5=3
y:3−4=−1

答え:A′(3, −1)。

回転移動

一つの点Oを中心として、一定の角度だけ回す移動を回転移動といいます。点Oを回転の中心、回した角を回転角といいます。

回転移動ではOP=OP′で、∠POP′が回転角になります。

回転移動の性質

  • 中心Oから対応する点までの距離が等しい。OP=OP′。
  • ∠POP′が回転角になる。
  • 回転の中心Oは動かない。
  • 時計回りか反時計回りかを区別する。

回転移動を作図する手順

  1. 中心Oと頂点Aを結ぶ。
  2. Oを中心に、半径OAの円弧をかく。
  3. OAから指定された向き・角度の半直線を引き、円弧との交点をA′とする。
  4. ほかの頂点も同じ角度だけ回し、移動後の頂点を結ぶ。
点対称:180°の回転移動で重なる二図形は、回転の中心について点対称です。対応する二点を結ぶ線分は中心を通り、中心で二等分されます。

例2:180°回転

問題:点P(4, −3)を原点Oのまわりに180°回転した点P′を求めましょう。

原点がPP′の中点になるため、二つの座標の符号が変わります。

答え:P′(−4, 3)。

確かめ:(4+(−4))/2=0、(−3+3)/2=0で、中点は原点です。

対称移動

一つの直線ℓを折り目として折り返すような移動を対称移動といいます。直線ℓを対称の軸といいます。

対称の軸ℓは、対応する二点を結ぶ線分PP′、QQ′の垂直二等分線です。

対称移動の性質

  • 対称の軸ℓは、対応する二点を結ぶ線分PP′の垂直二等分線になる。
  • P、P′から軸までの距離は等しい。
  • 軸上の点は移動しない。
  • 図形の表裏や、頂点をたどる向きが反転する。

対称移動を作図する手順

  1. 頂点Aから対称の軸ℓへ垂線を引き、交点をHとする。
  2. 垂線上で、軸の反対側にHA′=HAとなる点A′を取る。
  3. ほかの頂点も同じように移す。
  4. 移した頂点を対応する順に結ぶ。

例3:座標軸についての対称移動

点P(3, −2)を移動します。

  • x軸について対称:P′(3, 2)
  • y軸について対称:P′(−3, −2)
  • 原点について点対称:P′(−3, 2)

x軸ではy座標、y軸ではx座標、原点では両方の符号が変わります。

三つの移動の見分け方

移動 基準 対応点の特徴 向きの反転
平行移動 方向と距離 対応点を結ぶ線分が平行で等しい しない
回転移動 中心・向き・角度 中心からの距離が等しく、中心角が一定 しない
対称移動 対称の軸 軸が対応点を結ぶ線分の垂直二等分線 する

複数の移動を組み合わせる

一回の移動で重ならない場合でも、平行移動の後に回転移動をするなど、複数の移動を組み合わせると重なることがあります。次の順で調べます。

  1. 対応する頂点を一組決める。
  2. 向きが反転しているか確認する。反転していれば対称移動を含む。
  3. 対応点を結ぶ線分が平行・等長なら平行移動を疑う。
  4. 一点から対応点までの距離が等しいなら回転の中心を調べる。
  5. 一回で一致しなければ、移動を二回に分けて考える。

よくある間違い

1. 平行移動で点ごとに違う距離を動かす

平行移動では、すべての点を同じ方向へ同じ距離だけ動かします。

2. 回転の中心からの距離を変える

点Pの移動先P′は、中心Oを中心とする半径OPの円上にあります。OP=OP′を保ちます。

3. 時計回りと反時計回りを逆にする

回転角だけでなく、回す向きも図に矢印で書いて確認します。180°回転では、どちら向きでも移動先は同じです。

4. 対称の軸とPP′が平行だと考える

対称の軸はPP′に垂直で、PP′を二等分します。

確認問題

  1. 点A(−1, 4)を右へ3、下へ6だけ平行移動した点A′を求めてください。
  2. 点P(2, 5)を原点のまわりに180°回転した点P′を求めてください。
  3. 点Q(−4, 3)をx軸について対称移動した点Q′を求めてください。
  4. 点R(−4, 3)をy軸について対称移動した点R′を求めてください。
  5. 対称移動で点PがP′へ移るとき、対称の軸と線分PP′にはどのような関係がありますか。
解答と解説を開く
  1. (−1+3, 4−6)=(2, −2)。
  2. 両方の座標の符号を変えて(−2, −5)。
  3. x軸についての対称移動ではy座標の符号が変わるので(−4, −3)。
  4. y軸についての対称移動ではx座標の符号が変わるので(4, 3)。
  5. 対称の軸は線分PP′の垂直二等分線です。

まとめ

  • 図形の移動では、長さ・角度・周の長さ・面積が変わらない。
  • 平行移動は、すべての点を同じ方向へ同じ距離だけ動かす。
  • 回転移動は、中心からの距離を保って一定角度だけ回す。
  • 対称移動では、対称の軸が対応点を結ぶ線分の垂直二等分線になる。
  • 対応する点を正しく決め、移動の基準と不変量を確認する。

学習範囲の根拠

この記事は、文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」の第1学年「平行移動、対称移動及び回転移動」を基準に構成しています。正式な内容は、文部科学省の解説PDFで確認できます。

前後の単元

前に学ぶ基本の作図で、垂直二等分線・垂線とコンパスの使い方を確認できます。

次に学ぶ空間図形で、直線・平面の位置関係、展開図、投影図を学べます。

次に解く問題・この単元の解説

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