中1|空間図形解き方がわからないときは 空間図形|ねじれ・展開図・投影図を図と問題で解説 を先に読むと、この問題で何を問われているかが分かります。
このページは中学1年「空間図形」の無料プリント(比10)の解説です。円柱にちょうど入る球——この関係には、2200年前にアルキメデスが発見した美しい比が隠れています。中1で出会える、数学史上もっとも有名な結果のひとつです。
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下のリンクから PDF が開きます。空間図形は図に書き込みながら解くのが最短です。印刷して使ってください。
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円柱にちょうど入る球
半径 r の球がちょうど入る円柱。底面の半径は r、高さは 2r
「ちょうど入る」とは、球が円柱の側面と上下の面すべてに接している状態です。このとき円柱の寸法は自動的に決まります。
円柱の底面の半径 = r 円柱の高さ = 2r(球の直径)
アルキメデスの発見
この球と円柱を比べると、驚くほどきれいな関係になります。
球の体積 = 4/3πr³ 円柱の体積 = πr² × 2r = 2πr³
比を取ると——
球 : 円柱 = 4/3πr³ : 2πr³ = 4/3 : 2 = 2 : 3
アルキメデスの墓碑
球の体積は円柱のちょうど 2/3。アルキメデスはこの発見を最も誇りに思い、自分の墓に「球と円柱」の図を刻むよう遺言しました。r がどんな値でも成り立つ——それが美しさの理由です。
表面積も一致する
さらに驚くことに、球の表面積と円柱の側面積は等しくなります。
球の表面積 = 4πr² 円柱の側面積 = 2πr × 2r = 4πr²
比は 1 : 1。缶詰にぴったり入ったボールの表面と、缶のラベルの面積が同じ——直感に反しますが、計算すると一致します。
つまずくのはここ
つまずき1|円柱の高さを r としてしまう
球がちょうど入るなら、高さは直径の 2r です。半径と取り違えると比が全部ずれます。図に 2r を書き込むのが確実です。
つまずき2|比を約分し切らない
4/3 : 2 は、両方に3を掛けて 4 : 6、さらに2で割って 2 : 3。「最も簡単な整数の比」と言われたら、必ず整数まで直します。
つまずき3|側面積と表面積を混同する
球の表面積と等しいのは、円柱の側面積(4πr²)です。円柱の表面積(側面+底面2つ=6πr²)ではありません。
数強塾オリジナルの練習問題
プリントと同じ判断を、数値を変えて出題しています。
基礎練習1
半径 6cm の球と、その球がちょうど入る円柱がある。
(1)球の表面積と体積を求めなさい。
(2)円柱の側面積を求め、球の表面積との比を答えなさい。
(3)球の体積は円柱の体積の何倍か求めなさい。
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解答
円柱は底面の半径6cm、高さ12cm。
(1)表面積 = 4π×6² = 144π cm²、体積 = 4/3π×216 = 288π cm³
(2)円柱の側面積 = 2π×6 × 12 = 144π cm²。比は 1 : 1
(3)円柱の体積 = π×36 × 12 = 432π。288π ÷ 432π = 2/3 倍
検算:どちらも r によらない比(1:1 と 2:3)になっています ○
標準練習2
底面の直径と高さがどちらも a cm の円柱に、ちょうど入る球と円錐がある。この円柱・球・円錐の体積比を最も簡単な整数の比で表しなさい。
同じ円柱に入る球(青)と円錐(赤)。半径 r、高さ 2r
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解答
半径を r(=a/2)とすると、高さは 2r。
円柱 = πr² × 2r = 2πr³
球 = 4/3πr³
円錐 = 1/3 × πr² × 2r = 2/3πr³
比:2 : 4/3 : 2/3 → すべて3倍して 6 : 4 : 2 → 2で割って
円柱 : 球 : 円錐 = 3 : 2 : 1
検算:円錐 + 球 = 1 + 2 = 3 = 円柱 ○
円錐と球を合わせると、ちょうど円柱になります。これもアルキメデスが見つけた関係で、3 : 2 : 1 という覚えやすい形にまとまります。
体積比 1 : 2 : 3。円錐と球を足すと円柱になる
応用練習3
底面の半径 5cm、高さ 10cm の円柱と、底面の半径 5cm、高さ 10cm の円錐がある。
(1)円柱の体積は円錐の体積の何倍か。
(2)この円柱にちょうど入る球の体積を求め、(1)の円錐との体積比を答えなさい。
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解答
(1)同じ底面・同じ高さなので、円柱は円錐の 3倍
(2)高さ10cm = 直径 なので、入る球の半径は 5cm。
球 = 4/3π×125 = 500π/3 cm³
円錐 = 1/3 × π×25 × 10 = 250π/3 cm³
比:500π/3 : 250π/3 = 2 : 1
検算:円柱 = π×25×10 = 250π = 750π/3。
円錐 : 球 : 円柱 = 250 : 500 : 750 = 1 : 2 : 3 ○(練習2と一致)
数値が変わっても比は 1 : 2 : 3 のまま。これが「r によらない」ということの意味です。
定着チェック
いまの理解段階を自分で選んでみてください。
- 未習——用語の意味がまだ言えない。
- 用語理解——定義は言えるが、手が止まる。
- 典型を解ける——同じ形なら解ける。
- 初見へ転用——形が変わっても方針を立てられる。
- 入試水準——制限時間内に、根拠を書いて解ける。
この先の学習経路
- 中1 空間図形 特訓道場(30題)——開いて起こす30題で通し演習。
- 平面図形(基本1)——おうぎ形の弧と面積はここで。
- 中1数学の要点辞典——中1全範囲の要点。
- 図形(幾何)学習ロードマップ——小学算数から最難関大までの地図。
数強塾について
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ここまで読んでも「どの前提に戻ればよいか決められない」「解説は追えるのに自分では方針が立たない」という場合、足りないのは演習量ではなく学習経路の整理かもしれません。数強塾では現在地と目標から逆算して、次に取り組む内容を講師が一緒に決めます。
次に解く問題・この単元の解説
📄 同じ単元のプリント(全32枚のうち、この前後24枚)
同じ単元を続けて解くと、どの手を使うかの判断が安定します。手が止まったところがあれば、その単元の要点に戻ってから次の1枚に進んでください。
- 作図・おうぎ形・回転体を型で攻略
- 基本1
- 基本2
- 回転3
- 展開図4
- 表面積5
- 体積6
- 回転7
- 表面積8
- 円すい9
- 比10
- No.11
- 体積12
- 球13
- No.14
- No.15
- No.16
- No.17
- No.18
- 開いて起こす30題と全解説
- 5パターン別の解き方と練習問題15問
- 半径になるのは「軸までの距離」
- 空間の三平方の定理で対角線と距離を出す4手順
- 立方体の切断面は「同じ面の2点」だけで描ける
一覧に無いものも含め、空間図形のプリントは中1数学:空間図形 全32枚、学年全体の単元一覧は中1数学のページから確認できます。


