中2|一次関数解き方がわからないときは 中2数学|一次関数とは?式・変化の割合・グラフを基礎から解説【中2数学】(無料問題PDF) を先に読むと、この問題で何を問われているかが分かります。
中2数学「一次関数(難問)」28を、問題文つきで解説します。東洋大姫路の入試問題で、給水管2本と排水管2本がついた水そうのグラフを読む問題です。傾きの差から1本ずつの量を取り出す——これが水そうグラフの核心です。問題PDF
お知らせ この回には解答PDFが用意されていません。このページの解答は、求めた4本の管の量から満水250Lと排水量の合計を組み直し、グラフと完全に一致することを確かめたうえで掲載しています。
この回の型:傾きの差が、開け閉めした管の量そのもの
型水そうのグラフで折れ曲がるのは、管を開けたか閉めたかしたとき。
だから折れ目の前後の傾きの差=そのとき開け閉めした管の量になります。
1本ずつ分からなくても、差なら必ず分かる。ここから芋づる式に全部出せます。
【1】4本の管がついた水そう 《東洋大姫路》
給水管A、Bと排水管C、Dがついた水そうがある。水そうが空の状態で給水管A、Bを同時に開いて水を入れ始めた。このとき、排水管Cは開いていたが、排水管Dは閉まっていた。水を入れ始めてから5分後に排水管Cを閉め、さらに4分後に給水管Aを閉め、給水管Bでの給水を続けた。満水になったので給水を止め、排水管C、Dを同時に開けて排水を始めた。排水を始めてから10分後に排水管Cを閉め、排水管Dによる排水を続けた。図は、水を入れ始めてからの時間と水そうの中の水の量との関係を、グラフに表したものである。ただし、どの管も一定の割合で給水、排水をするものとする。
(1) 給水管Aの毎分の給水量を求めなさい。
(2) 排水管Cの毎分の排水量を求めなさい。
(3) 水そうが空になるのは、水を入れ始めてから何分後か求めなさい。
グラフの通る点(問題PDFの図より) (0, 0) → (5, 90) → (9, 190) → (15, 250) → (25, 90) → 空になる点
縦軸は水の量(L)、横軸は水を入れ始めてからの時間(分)
答え (1) 毎分 15 L (2) 毎分 7 L (3) 35分後
手順1:4つの区間の傾きを出す。 文章の「5分後」「さらに4分後」が、グラフの折れ目 5分・9分と一致します。
- 0〜5分(A・B開、C開):(90 − 0)÷(5 − 0) = 毎分18L … A + B − C
- 5〜9分(A・B開、C閉):(190 − 90)÷(9 − 5) = 毎分25L … A + B
- 9〜15分(A閉、B開):(250 − 190)÷(15 − 9) = 毎分10L … B
- 15〜25分(C・D開の排水):(90 − 250)÷(25 − 15) = 毎分−16L … C + D
なぜこうするか1本ずつの量は、どこにも書いてありません。書いてあるのは「まとめて何L入ったか」だけ。
ところがとなり合う区間の差をとると、変えた管1本ぶんだけが残ります。
0〜5分と5〜9分の違いはCを閉めたことだけなので、25 − 18 = 7 がそのままCの量になる。
これが水そうグラフを解く仕掛けです。連立方程式を立てなくても、引き算で1本ずつ取り出せます。
手順2:差をとって1本ずつ出す。
C:(A+B) −(A+B−C) = 25 − 18 = 毎分7L ←(2)の答え
B:9〜15分の傾きそのもの = 毎分10L
A:(A+B) − B = 25 − 10 = 毎分15L ←(1)の答え
D:(C+D) − C = 16 − 7 = 毎分9L
検証4本の量から、グラフを組み直してみます。
0〜5分:18×5 = 90L/5〜9分:25×4 = 100L/9〜15分:10×6 = 60L
合計 90 + 100 + 60 = 250L。グラフの満水250Lと一致 ○
排水も 15〜25分で 16×10 = 160L、残りは 250 − 160 = 90L で、グラフの(25, 90)と一致 ○
(3) 手順3:25分以降はDだけ。 25分の時点で残りは90L、排水はDだけで毎分9L。
90 ÷ 9 = 10分かかるので、空になるのは 25 + 10 = 35分後。
検証排水の合計は 160 + 9×10 = 160 + 90 = 250L。満水の量とぴったり一致 ○
入れた量と出した量が合わなければ、どこかで読み違えています。この確認は必ずやってください。
よくあるミス ①0〜5分の18を「A+B」だと思う。この区間はCが開いています。18 は A+B−C です。文章の「このとき、排水管Cは開いていたが」を読み落とすと全部ずれます。
②「さらに4分後」を「4分の時点」と読む。5分のさらに4分後 = 9分。グラフの折れ目と照らせば確認できます。
③(3) で満水250Lを9で割る。25分までにすでに160L出ています。残りの90Lを割るのが正しい。
④25分以降もC+Dだと思う。25分=「排水を始めてから10分後」でCを閉めています。
定石 水そうグラフは、まず全区間の傾きを書き出す。それからとなりとの差をとる。
差=そのとき開け閉めした管の量。
最後に入れた量の合計と出した量の合計が一致するかで検算する。
この回で身につくこと
この問題が「難問」なのは、管が4本あって、しかも1本ずつの量がどこにも書いていないからです。
けれどやることは引き算だけでした。連立方程式も、複雑な計算も要りません。
大事なのは文章の時刻とグラフの折れ目を対応させる作業です。
「5分後にCを閉め」→ 折れ目 5分、「さらに4分後にAを閉め」→ 折れ目 9分、「排水を始めて10分後にCを閉め」→ 折れ目 25分。
この対応表を先に作ってしまえば、あとは傾きの引き算に落ちます。
グラフを読む問題全般で、文章とグラフを行き来するこの手つきが効きます。
同じくグラフを読む問題は15(秋田・グラフから傾きを読む)、速さのダイヤグラムは27(東京学芸大附)へ。一次関数の基礎は一次関数とは?式・グラフ・変化の割合を解説【中2数学】。

