高2数学:図形と式|11(無料問題・解説つき)

高2|図形と方程式解き方がわからないときは 図形と方程式|内分・外分、直線・円・軌跡と領域を17問で解説 を先に読むと、この問題で何を問われているかが分かります。


今日の一問
次の問いに答えなさい。
(1) 中心が原点、半径が 5
(2) 中心が点 (3, −2)、半径が 4
(3) 点 (−2, 1) を中心とし、点 (1, −3) を通る
(4) 2点 (4, −2)、(−6, 2) を直径の両端とする
(5) 点 (3, 4) を中心とし、x 軸に接する
——さて、どこから手をつける?
答えと考え方は、この記事の中で順を追って解説します。

高2数学「図形と式」11の全9問を、問題文つきで解説します。テーマは円の方程式。ここから単元の後半、円に入ります。「x2 + y2 + … = 0 が必ず円になるとは限らない」——その3パターンを見分けるのがこの回の核心です。問題PDF

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お知らせ この回には解答PDFが用意されていません。このページの解答は、平方完成の結果を代入や数値走査で確かめたうえで掲載しています(各問に検証を明記)。

この回の型:円は「中心と半径」、判定は「平方完成して右辺の符号」

中心 (a, b)、半径 r の円は (x − a)2 + (y − b)2 = r2
逆に x2 + y2 + ℓx + my + n = 0 を平方完成して (x − a)2 + (y − b)2 = k にしたとき
k > 0 → 半径 √k の円 / k = 0 → 1点だけ / k < 0 → 表す図形はない

なぜこうするか左辺 (x − a)2 + (y − b)22乗の和なので、絶対に 0 以上です。だから右辺が負なら、等号を満たす実数の点は1つも存在しません。右辺がちょうど 0 なら、両方の2乗が同時に 0 になる (a, b) の1点だけ。
この3分岐を「知っているかどうか」で差がつきます。「x2 + y2 が出てきたから円だ」と決めつけると、【2】の (3)(4) を落とします。

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【1】次の円の方程式を求めよ

(1) 中心が原点、半径が 5
(2) 中心が点 (3, −2)、半径が 4
(3) 点 (−2, 1) を中心とし、点 (1, −3) を通る
(4) 2点 (4, −2)、(−6, 2) を直径の両端とする
(5) 点 (3, 4) を中心とし、x 軸に接する

答え
(1) x2 + y2 = 25 (2) (x − 3)2 + (y + 2)2 = 16 (3) (x + 2)2 + (y − 1)2 = 25
(4) (x + 1)2 + y2 = 29 (5) (x − 3)2 + (y − 4)2 = 16

(1)(2) 中心と半径がそのまま与えられているので、公式に入れるだけです。
(2) は中心の y 座標が −2 なので (y − (−2))2 = (y + 2)2符号が反転するのを忘れないでください。

(3) 中心は分かっていて、半径が「通る点」から決まります。
r2 = (1 − (−2))2 + (−3 − 1)2 = 32 + (−4)2 = 9 + 16 = 25
よって (x + 2)2 + (y − 1)2 = 25

なぜこうするかr ではなく r2 のまま扱うのがコツです。円の方程式の右辺は r2 なので、わざわざ r = 5 と √ をとってから2乗し直す必要はありません。1枚目の「長さは2乗のまま比べる」がここでも効いています。

(4) 直径の両端が分かっているので、中心はその中点半径は中心から端までの距離です。
中心 = ((4 + (−6))/2, (−2 + 2)/2) = (−1, 0)
r2 = (4 − (−1))2 + (−2 − 0)2 = 25 + 4 = 29
よって (x + 1)2 + y2 = 29

検証もう一方の端 (−6, 2) からも計算すると (−6 + 1)2 + 22 = 25 + 4 = 29。両端で一致しました ○ 直径の問題は必ず両端で検算してください。中心を取り違えていれば一発で分かります。

(5) 「x 軸に接する」= 中心から x 軸までの距離が半径。中心 (3, 4) から x 軸までの距離は |4| = 4
よって (x − 3)2 + (y − 4)2 = 16

検証y = 0 を代入すると (x − 3)2 + 16 = 16 → (x − 3)2 = 0 → x = 3 の重解。共有点がちょうど1つ=接している

よくあるミス ①右辺を r にしてしまう。右辺は r2 です。(1) を x2 + y2 = 5 と書く誤りが非常に多い。
②中心の符号を間違える。中心 (3, −2) なら (x − 3)2 + (y + 2)2式の中の符号は中心と逆になります。
③(5) で「y 軸に接する」と混同する。x 軸に接するなら半径は y 座標の絶対値、y 軸に接するなら x 座標の絶対値です。図を1つ描けば迷いません。

定石 円は「中心」と「半径の2乗」の2つが分かれば書ける。直径なら中心=中点、接するなら半径=軸までの距離。

【2】次の方程式はどのような図形を表すか

(1) x2 + y2 + 4y − 6y = 0
(2) 3x2 + 3y2 − 6x + 12y + 5 = 0
(3) x2 + y2 − √3 x + y + 1 = 0
(4) x2 + y2 + 6x − 2y + 15 = 0

答え
(1) 中心 (0, 1)、半径 1 の円
(2) 中心 (1, −2)、半径 √30/3 の円
(3) 点 (√3/2, −1/2) のみ(円にならない)
(4) 表す図形はない(実数の点が存在しない)

手順は毎回同じです。
① x2 と y2 の係数を 1 にする(両辺を割る)
② x どうし・y どうしを集めて平方完成する
③ 右辺の符号で3分岐する

(1) まず同類項をまとめます。4y − 6y = −2y なので
 x2 + y2 − 2y = 0 → x2 + (y − 1)2 − 1 = 0 → x2 + (y − 1)2 = 1
右辺 1 > 0 なので、中心 (0, 1)、半径 1 の円

プリントの表記について この (1) は印刷が 「4y − 6y」 となっており、x の項がありません。上の解答は印刷どおりに計算したものです。
もしお手元のプリントや教科書が 「4x − 6y」 であれば、x2 + y2 + 4x − 6y = 0 → (x + 2)2 + (y − 3)2 = 13、すなわち中心 (−2, 3)、半径 √13 の円になります。どちらの式でもやることは平方完成で同じなので、両方たどっておくとよい練習になります。

(2) x2 と y2 の係数が 3 なので、まず両辺を 3 で割るのが第一歩。
 x2 + y2 − 2x + 4y + 5/3 = 0
 (x − 1)2 − 1 + (y + 2)2 − 4 + 5/3 = 0
 (x − 1)2 + (y + 2)2 = 5 − 5/3 = 10/3
右辺 10/3 > 0 なので円。半径は √(10/3) = √30/3(≒ 1.8257)。
よって 中心 (1, −2)、半径 √30/3 の円

なぜこうするか係数を 1 にせずに平方完成しようとすると必ず破綻します。3(x2 − 2x) と括り出す方法もありますが、最初に割ってしまうほうが計算が単純です。
半径の有理化も忘れずに。√(10/3) = √10/√3 = √30/3 です。

(3) √3 が入っていても手順は同じです。x の係数は −√3、y の係数は +1。
 中心は (√3/2, −1/2)(それぞれ係数の −1/2 倍)
 右辺 = (√3/2)2 + (−1/2)2 − 1 = 3/4 + 1/4 − 1 = 0
右辺が 0 なので、円ではなく点 (√3/2, −1/2) のみを表します。

検証点 (√3/2, −1/2) を式に代入すると値は 0(計算誤差 10−16 のオーダー)○
そのすぐ隣の点、たとえば (0.8760, −0.5000) や (0.8660, −0.4900) では値が 0.0001正になり、式を満たしません ○ たしかに1点だけです。

(4) 中心は (−3, 1)。
 右辺 = (−3)2 + 12 − 15 = 9 + 1 − 15 = −5
右辺が負なので、この方程式を満たす実数の点は存在しません。表す図形はありません。

検証左辺 x2 + y2 + 6x − 2y + 15 の値を、x を −6〜1、y を −1〜4 の範囲で 0.01 刻みに全て計算したところ、最小値は 5 でした。つねに正なので 0 になることはありません ○(最小値 5 は「右辺 −5」の符号を反転したものです。平方完成した式 (x+3)2 + (y−1)2 + 5 の最小値がちょうど 5 になっている、ということです)

よくあるミス ①右辺が 0 や負でも「円」と答えてしまう。この4問はわざと3パターンを混ぜてあります。「どのような図形を表すか」と聞かれている時点で、円以外の答えを疑ってください。
②(2) で係数 3 を割り忘れる。x2 の係数が 1 でないと平方完成の形が合いません。
③平方完成で引く数を足し忘れる。(x − 1)2 は x2 − 2x + 1 なので、x2 − 2x を (x − 1)2 に書き換えたら −1 を補います。ここを落とすと右辺の値がずれ、3分岐の判定まで変わってしまいます。

定石 x2 + y2 + ℓx + my + n = 0 は、平方完成した右辺の符号で「円/1点/なし」。中心は (−ℓ/2, −m/2)、右辺は (ℓ/2)2 + (m/2)2 − n

この回で身につくこと

円の方程式で押さえるべきことは2つです。
①作るときは「中心」と「半径の2乗」。直径なら中心は中点、軸に接するなら半径は座標の絶対値。
②与えられた式を読むときは平方完成して右辺の符号を見る。正なら円、0 なら1点、負なら図形なし。
とくに②は、この先「円と直線の位置関係」「2円の位置関係」「軌跡」でずっと使います。たとえば軌跡の問題では、条件から出た式を平方完成して「これは中心 ◯、半径 ◯ の円である」と結論づけるのが定番の締めくくり方です。
また、右辺が負になったときに「解なし」と正しく言い切れることも大切な力です。すべての方程式が図形を表すわけではない——この当たり前を、計算で確かめられるようにしておいてください。
単元の全体像は図形と方程式|直線・円・軌跡と領域を基礎から解説【数学II】、これまでの回は8(点と直線の距離・面積)9(対称点と最短経路)10(文字入りの直線・平行四辺形・定点)へ。

高2数学 図形と式 図形と式11

次に解く問題・この単元の解説

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