中2|一次関数解き方がわからないときは 中2数学|一次関数とは?式・変化の割合・グラフを基礎から解説【中2数学】(無料問題PDF) を先に読むと、この問題で何を問われているかが分かります。
中2数学「一次関数(難問)」18の全4問を、問題文つきで解説します。お茶の水女子大学附属の高校入試で実際に出た、3本の電車がすれ違う問題です。速さの単位を「km/分」にそろえるだけで、驚くほど式が軽くなります。問題PDF
お知らせ この回には解答PDFが用意されていません。このページの解答は、求めた時刻で3本の電車の位置を計算し直し、すべて一致することを確かめたうえで掲載しています。
この回の型:速さを「km/分」に直すと、位置が1次式で書ける
型時刻を 6時00分からの経過分 t でそろえ、各電車のP 駅からの距離を t の式で書く。
すれ違い・追い越しは 位置が等しい、それだけです。
なぜこうするかこの問題は 20 km を 60 km/h で走るので、ちょうど 1 km/分。時速のまま扱うと分数だらけになりますが、km/分に直すと A の位置がただの t になります。
問題の数値が「20 km」「6時12分に出会う」ときれいなのは、km/分で扱うことを想定して作られているからです。単位をそろえた瞬間に難易度が下がる——これがこの問題の設計です。
問題文
20 km 離れた P 駅、Q 駅間を結ぶ電車 A、電車 B および特急電車 C がある。通常、電車 A は6時0分に P 駅を発車して Q 駅まで走り、電車 B は6時4分に Q 駅を発車して P 駅まで走る。このとき、電車 A と電車 B は6時12分に出会う。また、特急電車 C は P 駅から Q 駅まで走る。いずれの電車も速さは一定とし、電車 A、電車 B は同じ速さで、特急電車 C はその2倍の速さで走るものとする。ただし、それぞれの電車の長さは考えないものとする。
(1) 電車 A、電車 B の時速と、電車 A が Q 駅に到着する時刻を求めなさい。
(2) 特急電車 C は、P 駅−Q 駅間で、電車 A を追い越し、その4分後に電車 B に出会う。特急電車 C が P 駅を出発した時刻を求めなさい。
(3) ある日、特急電車 C は、P 駅を2分遅れて発車したため、通常より速度を上げて、一定の速さで Q 駅に向かったところ、Q 駅へは通常と同時刻に到着した。このとき、電車 A を追い越してから電車 B と出会うまでの時間は何分であったか求めなさい。
答え (1) 時速60 km、A の Q 駅到着は 6時20分 (2) 6時3分 (3) 44/21 分(= 2と2/21 分、約2.1分)
(1) A・B の速さと、A の到着時刻
6時12分に出会うまでに、A は12分、B は8分走っています(B は6時4分発)。
2本合わせて 20 km 進んだので、速さを v km/h とすると
v × (12/60) + v × (8/60) = 20 → v × (20/60) = 20 → v = 60
よって 時速60 km(= 1 km/分)。
A が 20 km 走るのは 20分なので、Q 駅到着は 6時20分。
検証6時12分に A は 12 km、B は Q から 8 km(= P から 12 km)。同じ地点なので、たしかに出会います ○
(2) 特急 C が P 駅を出発した時刻
手順1:位置を式にする。 6時00分からの経過分を t、P 駅からの距離を km とすると
A:t(0 ≦ t ≦ 20)
B:Q(20 km) から 1 km/分 で戻るので 20 − (t − 4) = 24 − t(t ≧ 4)
C:出発を c 分、速さは2倍の 2 km/分 なので 2(t − c)
手順2:追い越しと出会いの時刻を c で表す。
A を追い越す:2(t − c) = t → t1 = 2c
B と出会う:2(t − c) = 24 − t → 3t = 24 + 2c → t2 = (2c + 24)/3
手順3:4分差の条件を使う。
t2 − t1 = 4 → (2c + 24)/3 − 2c = 4
両辺3倍して 2c + 24 − 6c = 12 → −4c = −12 → c = 3
よって特急 C は 6時3分に P 駅を出発しました。
検証t1 = 6分(6時6分):C は 2(6−3) = 6 km、A も 6 km ○
t2 = 10分(6時10分):C は 2(10−3) = 14 km、B は 24−10 = 14 km ○
差はちょうど 4分 ○ また C が Q 駅(20 km)に着くのは 2(t−3) = 20 より 13分(6時13分)です。
よくあるミス ①B の位置の式を間違える。B は Q(20 km 地点)から P へ戻ってくるので距離は減ります。しかも4分遅れなので経過時間は t − 4。合わせて 20 − (t − 4) = 24 − t。
②「追い越す」と「出会う」を同じ式にする。どちらも「位置が等しい」ですが、相手が A か B かで式が変わります。
③C の速さを「2倍の時間」と取り違える。速さが2倍なので 2 km/分です。
(3) 2分遅れで出発した日
手順1:この日の C の速さを出す。 通常の出発は6時3分、この日は2分遅れで 6時5分。
到着は通常どおり 6時13分 なので、8分で 20 km。
速さ = 20 ÷ 8 = 2.5 km/分(= 時速150 km)
C の位置:2.5(t − 5)
手順2:A を追い越す時刻。
2.5(t − 5) = t → 2.5t − 12.5 = t → 1.5t = 12.5 → t = 25/3(約8.33分)
手順3:B と出会う時刻。
2.5(t − 5) = 24 − t → 2.5t − 12.5 = 24 − t → 3.5t = 36.5 → t = 73/7(約10.43分)
手順4:差を出す。
73/7 − 25/3 = (219 − 175)/21 = 44/21 分(= 2と2/21 分、約2.1分)
検証追い越しの瞬間(t = 25/3):C は 2.5 × (25/3 − 5) = 25/3 km、A も 25/3 km ○
出会いの瞬間(t = 73/7):C は 2.5 × (73/7 − 5) = 95/7 km、B は 24 − 73/7 = 95/7 km ○
どちらもぴったり一致しました。
なぜこうするか通常は4分だった間隔が、速度を上げると 約2.1分 に縮まります。C が速くなったぶん、A を追い越してから B に出会うまでが短くなる——答えの向きが直感と合っているかを最後に確認してください。数字がきれいでなくても、大小関係が合っていれば安心できます。
よくあるミス ①答えが分数になったので計算ミスだと思う。44/21 は約分できません。この設定ではきれいな数にならないのが正しい答えです。不安なら解き直すより、両方の瞬間で位置が一致するかを確かめるのが確実です。
②A と B の式を「この日」用に変えてしまう。変わったのは C だけ。A(6時0分発)と B(6時4分発)は通常どおりです。
③「2分遅れ」を到着にも適用する。到着は通常と同時刻(6時13分)です。だからこそ速さが上がります。
定石 複数の乗り物の問題は「共通の時計」+「km/分」で統一する。
すれ違い・追い越しは位置が等しいの一言。向かい合う相手の位置は減る向きで書く。
この回で身につくこと
この問題の急所は単位の選び方です。時速60 km を 1 km/分 と読み替えた瞬間に、A の位置がただの t になり、B が 24 − t、C が 2(t − c) という、すべて1次式の世界に入ります。
問題の数値がきれいなときは、作り手が想定している単位がある——20 km、12分、4分という数字はすべて「km/分」で扱うためのものでした。
もう1つは向かい合う相手の書き方。B は Q から来るので 20 − (経過時間)、しかも4分遅れなので経過時間は t − 4。ここを丁寧に書けるかどうかが、すれ違い問題全体の分かれ目です。
そして (3) の答え 44/21 のように、きれいでない数が正解のこともある。答えの形で正誤を判断せず、位置が一致するかで検算する習慣をつけてください。
一次関数の基礎は一次関数とは?式・グラフ・変化の割合を解説【中2数学】、同じ型は9(歩きとバスと自転車)/11(列車のダイヤグラム)/13(3人の速さ)へ。

