高1|2次関数解き方がわからないときは 高1数学|二次関数 グラフ・平方完成・最大最小・二次不等式【数学I】(無料問題PDF) を先に読むと、この問題で何を問われているかが分かります。
二次関数の平行移動や対称移動では、「移動後の式を作る」だけでなく、移動後の式から元の係数を逆算する問題も出題されます。本教材では、元のPDFにある2問を題材に、変換を一つずつ式に反映する方法、逆変換で戻る方法、係数比較の考え方を途中計算から詳しく説明します。
学習の目標
- の平行移動・軸対称・原点対称を式で表せる
- 複数の変換を、問題文に書かれた順番どおりに合成できる
- 同じ次数の係数を比べて未知数を決定できる
- 逆変換を使って答えを別の方向から検算できる
問題文
問題1
放物線
を 軸方向に だけ平行移動し、さらに原点に関して対称移動したら、
になった。このとき、 の値を求めなさい。
問題2
放物線
を 軸に関して対称移動すると、
に移り、これを 軸方向に 、 軸方向に だけ平行移動すると、
になった。このとき、 の値を求めなさい。
準備:変換の意味を座標から理解する
関数 のグラフを右へ 、上へ 平行移動すると、
になります。特に縦方向だけの移動なら、上へ のとき です。したがって「 軸方向に 」は下へ8なので、関数値から8を引きます。
対称移動は次の3式で整理できます。
原点対称では横座標と縦座標の両方が反転します。式では、まず を に置き換え、さらに式全体にマイナスを付ける、と考えると混乱しません。
問題1の解説:変換を順番どおりに行う
最初の関数を
とおきます。
第1段階:下へ8だけ平行移動する
軸方向に なので、移動後は
です。この段階では の値は変わらないため、 や の係数は変化しません。
第2段階:原点について対称移動する
第1段階の関数を とすると、原点対称後は です。
ここで得られた式が
と一致します。二つの多項式がすべての で等しいなら、同じ次数の係数は等しくなります。
定数項の式を解くと、
問題1の答え:
問題1の別解:完成形から逆向きに戻る
最後の式から変換を逆順に取り消す方法でも確認できます。原点対称は2回行うと元に戻るので、
をもう一度原点対称すると、第1段階の式に戻ります。
これは元の放物線を下へ8動かした式です。したがって上へ8戻せば、
となり、やはり です。逆変換は、複数の操作がある問題の強力な検算方法です。
問題2の解説:途中の係数cを手がかりにする
この問題では、途中の放物線に という補助的な係数が現れます。最終的に求めるのは ですが、まず を決めると流れが整理できます。
第1段階:y軸対称からaとbの関係を得る
元の関数を とします。 軸対称後は なので、
これが と一致するため、
です。二乗項は符号が戻り、一次項だけが反転します。
第2段階:右へ2、上へ3だけ平行移動する
途中の関数を とします。右へ2、上へ3の平行移動だから、
です。丁寧に展開します。
これが と一致するので、一次の係数から
定数項でも確認すると、
となり、最終式と一致します。先ほどの関係 より、
また、すでに と分かっています。
問題2の答え:
問題2の検算:求めた式を最初から変換する
求めた値を元の式に代入すると、
です。 軸対称にすると、
さらに右へ2、上へ3動かすと、
問題文の最終式と完全に一致するため、答えは正しいと確認できます。
発想の核心:変換は「関数への操作の合成」
複数の変換が並ぶ問題では、各操作を関数に作用させる写像として見ると整理できます。例えば、下へ8の平行移動を 、原点対称を とすれば、問題1は を計算しています。一般に と は同じとは限りません。操作の順序を守る必要があるのはこのためです。
大学数学では、平行移動はアフィン変換、原点対称は行列 による線形変換として扱われます。高校の式変形は、変換の合成や逆写像という考え方へ自然につながっています。
よくある誤答
- 「 軸方向に 」で を変える: 軸方向は縦方向です。式全体から8を引きます。
- 原点対称を とする:これは 軸対称です。原点対称は です。
- 右へ2の移動で とする:右への移動は です。
- 途中の を無視する: は元の一次係数と最終式を結ぶ橋渡しです。まず を求めます。
- 係数比較で定数項を確認しない:一次係数だけで値が出ても、定数項に代入して整合性を検算します。
確認問題
- を下へ5動かしたら になった。 を求めなさい。
- を原点対称にすると になった。 を求めなさい。
- を 軸対称にした後、右へ1動かした式を求めなさい。
- を右へ3、上へ1動かすと になった。 を求め、定数項も一致するか確認しなさい。
確認問題の答え
1.
2.
3.
4. 一次係数から 。定数項は となり3に一致しないため、問題の条件を同時に満たす は存在しません。係数比較では複数の条件をすべて確認することが重要です。
FAQ
係数比較はなぜ使えるのですか
同じ次数の多項式がすべての に対して等しいなら、各次数の係数が一致するからです。特定の一点だけでなく、グラフ全体が同じという条件を使っています。
順方向と逆方向のどちらで解くべきですか
未知係数を含む元の式が単純なら順方向が自然です。完成した式が簡単で、逆変換が分かりやすい場合は逆方向も有効です。試験では一方で解き、もう一方を短い検算に使うと安定します。
変換の順序は入れ替えられますか
一般には入れ替えられません。平行移動後に対称移動すると、移動方向そのものが反転する場合があります。問題文の順番に式を一行ずつ更新してください。
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