大学受験

大阪大学 2015年度 過去問・解答

数強塾のプロ講師陣

藤原進之介です。このページでは大阪大学2015年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。

問題

解答

※ 問題文は大阪大学が公表した2015年度前期日程の入学試験問題を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、大学が公表した公式解答ではありません。

2015年度 大阪大学 前期 数学(文系)の傾向
  • 大問3題・すべて記述式。配点率は第1問が30%、第2問・第3問が各35%と明示されています。
  • 分野は不等式の証明(三角関数による置換)・共通接線と面積・円と三角形の最大化+ベクトル表示。文系としては「置き換えの発想」を問う色が濃いセットです。
  • 第1問は という条件だけで と置く ことに気づけるかがすべて。気づけば3行、気づかなければ手が止まります。
  • 第2問は円と放物線の共通接線。円は「中心と直線の距離=半径」、放物線は「判別式=0」と条件の立て方を使い分ける典型問題です。
  • 第3問は円周角90°を軸に角度を に集約する誘導。(2)のベクトル表示は座標を設定すれば計算だけで押し切れます
  • 全体として計算量は軽く、方針勝負。標準問題を「型」として持っているかが差になるセットです。

第1問(配点率30%)不等式の証明

分野:三角関数/不等式の証明 難易度:標準 目標時間:20分

【問題】

実数 を満たすとき、次の不等式が成り立つことを示せ。

【解答】

の形に変形できるので

第1問  の証明

【問題(再掲)】

のとき を示せ。

【型】 がセットで出たら と置く

【なぜこうするか】
式の中に が同時に現れています。これは とまったく同じ形の関係で、 と置けば になり、根号が消えるのです。
このとき角の範囲を に取るのがポイントで、こうすると が保証され、絶対値を外すところで場合分けが不要になります。
置き換えたあとは、目標が 、つまり「何かの2乗で、しかも1以下」ですから、 の形に因数分解できないかを狙います。実際、加法定理の を2乗した形がぴったり現れます。

より、

とおくことができる。このとき だから

である。よって

ここで前半3項をまとめる。 を2つに分けて配ると

となるから

すなわち

は実数であり だから、その2乗について

したがって が成り立つ。(証明終)

【定石】置き換えを使わない直接証明も可能です。左側は 右側は 2乗の和に書けることを示せば終わりです。ただしこの分解を「思いつく」のは難しいので、本番では 置換のほうが確実です。

【よくあるミス】無条件に書いてしまうこと。正しくは であり、 と範囲を宣言してはじめて と外せます。範囲を に取るなら と置くこと。置換と角の範囲はセットで書くと減点されません。

第2問(配点率35%)円と放物線の共通接線・面積

分野:図形と方程式/積分 難易度:標準 目標時間:25分

【問題】

直線 が、円 と放物線 のいずれにも接している。

(1) の値を求めよ。

(2) 直線 、放物線 、および 軸で囲まれた図形の面積を求めよ。

【解答】

(1)   (2)

第2問(1) 共通接線を決定する

【問題(再掲)】

直線 が円 と放物線 のいずれにも接するとき、 を求めよ。

【型】円との接触は「中心と直線の距離=半径」、放物線との接触は「判別式=0」

【なぜこうするか】
「接する」という同じ日本語でも、相手が円か放物線かで立てるべき式が変わります
円は「中心からの距離が半径に等しい図形」という定義そのものがあるので、点と直線の距離の公式を使うのが最短です。連立して判別式でもできますが、計算量が増えます。
放物線には「距離=一定」という便利な性質がないので、素直に連立して重解条件(判別式=0)を使います。
この2式を連立すれば未知数2つ が決まる、という設計です。
なお を消去する方向で進めると の2次方程式になり、きれいに解けます。

(i) と接する条件。 を連立して

これが重解をもてばよいから、判別式について

(ii) と接する条件。 と書く。中心 の距離が半径 に等しいので

(2)より だから、これを(3)に代入して

のとき(2)より 、すなわち となり に反する。
のとき(2)より より

このとき(1)は となり、接点の 座標は である。

【定石】共通接線の問題では接点をおく解法( 上の点 における接線を作り、それが円に接する条件を書く)も有効です。どちらでも解けますが、「接線の本数」まで問われたら接点パラメータ で管理するほうが安全です。

【よくあるミス】距離の公式を使うとき、直線を のまま代入して分母を と書き忘れる/分子を ではなく にする符号ミス。必ず と「=0」の形に直してから公式に入れましょう。また の条件を最後に確認せず の両方を答えてしまうミスも頻出です。

第2問(2) 囲まれた図形の面積

【問題(再掲)】

直線 、放物線 、および 軸で囲まれた図形の面積を求めよ。

【型】接する直線と2次曲線の差は必ず の形になる

【なぜこうするか】
面積は「上の関数-下の関数」を積分するだけですが、差の式を展開してから積分してはいけません
で接しているので、差「(直線)-(放物線)」は を重解にもつ2次式、つまり必ず の形になります。
この形のまま を使えば、展開も因数分解も不要で一発です。
積分区間は、左端が接点 、右端が 軸すなわち です。

区間 において の上側にある(接点以外では が上)。求める面積を とすると

被積分関数は(1)の左辺の 倍だから、 を重解にもち

より

【定石】いわゆる「1/3公式」:放物線 とその接線が囲む図形(接点から まで)の面積は は接点の 座標) 本問なら 。検算に使えます。

【よくあるミス】円 も図に描かれているため、円の分を引かなければいけないと勘違いすること。問われているのは「 軸で囲まれた図形」であり、円は無関係です。また としてしまう計算ミスも多いので注意。

第3問(配点率35%)円と三角形の面積の最大・ベクトル表示

分野:図形と計量/ベクトル 難易度:標準〜やや難 目標時間:30分

【問題】

平面上に長さ の線分 AB を直径とする円 がある。2点 A、B とは異なる 上の点 P に対し、 となるように線分 AB 上に点 Q をとる。また、直線 PQ と円 の交点のうち P でないほうを R とする。

(1) とするとき、 の面積を を用いて表せ。

(2) 点 P を動かすとき の面積が最大となるときの を、 を用いて表せ。

【解答】

(1)   (2)

第3問(1)  の面積を で表す

【問題(再掲)】

長さ の線分 AB を直径とする円 上に点 P をとり、 となる点 Q を線分 AB 上にとる。直線 PQ と の P 以外の交点を R とする。 を用いて の面積を表せ。

【型】直径に対する円周角は 。二等辺三角形と組み合わせて角を に集約する

【なぜこうするか】
面積を出すには2辺とその間の角があれば十分()。ここでは で書くのが目標です。
まず AB は直径なので 。よって直角三角形 PAB から 、条件より がすぐ出ます。
残るのは 。ここで効くのが が二等辺三角形だという条件です。頂角が なので底角は
すると となり、円周角の定理(弧 BR に対する角)から
AR も再び直径 AB に対する円周角 を使えば 。これで材料がそろいます。
「直径を見たら 」を2回使うのがこの問題の骨格です。

AB は円 の直径だから 。直角三角形 PAB において

また の二等辺三角形で頂角が だから

よって

弧 BR に対する円周角は等しいから

さらに AB は直径だから であり、直角三角形 RAB において

Q は線分 AB 上にあるので 。したがって の面積

だから

【定石】円の問題で長さを求めるときは、直径に対する円周角= を最優先で探すこと。直角三角形さえ作れれば、長さは 一発で書けます。本問では の2つが直角三角形になっています。

【よくあるミス】 だと思ってしまうこと。R は P と AB について反対側にあるので、 です。図を正確に描き、P と R が直線 AB の反対側にあることを確認してから角度を拾いましょう。

第3問(2) 面積最大時の

【問題(再掲)】

点 P を動かすとき の面積が最大となるときの を用いて表せ。

【型】2倍角で最大値を出す → 具体的な が決まったら座標を設定して成分計算

【なぜこうするか】
(1)の 2倍角の公式で と書けます。 すなわち なので、 が最大となるのは 、つまり のときです。
ここからが後半戦。 が具体的な値に確定したら、無理に幾何的な議論を続けず、座標を入れてしまうのが最短かつ最も安全です。A を原点、AB を 軸にとれば、P も R もただの点になり、連立1次方程式に落ちます。
は平行でない(P は直線 AB 上にない)ので、この表し方はただ一通りに定まります。

最大となる 2倍角の公式より

より であり、。等号は 、すなわち

座標の設定。A を原点、直線 AB を 軸の正の向きにとり、P が 軸の上側にあるとしてよい。すなわち

のとき だから

R の座標。直線 PQ 上の点を、P を始点として の実数倍で表す( は実数):

これが円 上にある条件は

を代入して整理すると

は点 P に対応するから、R に対応するのは

このとき

よって

(実際 で、確かに円 上にある。)

ベクトルで表す。 は平行でないから、 と一意に表せる。成分を比べて

第2成分より 。第1成分に代入して

したがって

【定石】座標を使わない純ベクトル解法も知っておくと強いです。 のとき は直角二等辺三角形で、AB に関する P の対称点を とすると四角形 は正方形。 で R は の二等分線上にあるので と書け、、および すなわち から が定まります。「角の二等分線=単位ベクトルの和の実数倍」は頻出の型です。

【よくあるミス】(1)の答えを に直さず、 のまま微分して混乱すること。積の形を見たら2倍角で1つの にまとめるのが定石です。もう一つは、R の 座標をとしてしまうミス。R は P と AB の反対側なので 、したがって の係数はになります。

この年で身につけたい「型」一覧
  • がセット → と置く。範囲を宣言して絶対値を外す。
  • 「与式が0以上1以下」を示せ → 「何かの2乗」に因数分解できないかを疑う。加法定理の2乗形は最有力候補。
  • 円と接する条件は「中心と直線の距離=半径」/放物線と接する条件は「判別式=0」。相手によって道具を替える。
  • 接する直線と2次曲線の差は 。展開せずそのまま積分(1/3公式)。
  • 直径を見たら円周角 。直角三角形を作って長さを で表す。
  • 二等辺三角形の底角 → 円周角の定理で、離れた場所の角を の式に翻訳する。
  • 。積の形は2倍角で1つにまとめてから最大値を論じる。
  • 角度が具体値に確定したら座標を入れる。ベクトルの分解は連立1次方程式に落ちる。
  • 角の二等分線上の点 → 単位ベクトルの和の実数倍。係数は長さや内積の条件で決める。

この解説を書いている講師に、直接習うことができます。

初回体験授業(3,000円・税込)を申し込む / 無料相談はこちら

※ 問題文は大阪大学が公表した2015年度前期日程の入学試験問題を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、大学が公表した公式解答ではありません。

2015年度 大阪大学 前期 数学(理系)の傾向
  • 大問5題・配点率はすべて20%で完全に均等。どれか1題を捨てる戦略が取りにくいセットです。
  • 分野は定積分と数列の極限・不等式の証明・無理数の証明・空間図形の体積と最大値・格子への数字の入れ方(論証+数え上げ)
  • 「示せ」と書かれた設問が5つ(第1問(1)(2)・第2問・第3問(1)(2)・第5問(1))と非常に多く、「答えが合う」より「論理が通る」ことを問う阪大らしい構成です。
  • 第2問は文系第1問とまったく同じ問題。文理共通問題で、 の置換に気づけば数行で終わります。
  • 第4問は球の合併と半空間の共通部分。立体を想像しようとすると詰まりますが、 軸に垂直な断面(円)で切ると一瞬で片づきます。
  • 第5問が最難。「隣り合う2行は完全に一致するか、完全に反転するか」という構造補題に気づけるかがすべてです。

第1問(配点率20%)定積分で表された数列の極限

分野:積分法/数列の極限 難易度:標準 目標時間:25分

【問題】

自然数 に対して関数

で定める。以下の問いに答えよ。

(1) を示せ。

(2) 数列 で定める。 のとき であることを用いて数列 が収束することを示し、その極限値を求めよ。ただし であることは用いてよい。

【解答】

(1) 置換 により差を と表せる。 (2)

第1問(1) 積分の大小を示す

【問題(再掲)】

について を示せ。

【型】積分区間が でずれているときは、まず と置換して区間をそろえる

【なぜこうするか】
2つの積分を比べたいのに、片方は 、もう片方は 区間が違います。この状態では「被積分関数の大小」を比べても何も言えません。
そこで区間をそろえるのが第一手。 の中に という形が見えているので、 と置換すれば になり、しかも というきれいな形に化けます。
区間がそろえば、あとは「差をとって、その符号を見る」だけ。差の被積分関数が であることさえ言えれば証明完了です。
なおここで得られる差の式は(2)でそのまま使うので、(1)は(2)の下準備だと見抜いておくと見通しがよくなります。

と置換すると のとき

そこで

とおく。 において かつ だから、被積分関数は 以上。よって 、すなわち

(証明終)

【定石】置換のあと を直接使って と言ってもよいのですが、 を式(1)の形で残しておくほうが(2)で圧倒的に得をします。証明問題では「その後どう使うか」を意識して形を選びましょう。

【よくあるミス】置換のとき を掛け忘れること。また、積分変数を にしたのに上端をそのまま と書いてしまうミスも多いです。置換したら「区間・微分・被積分関数」の3点セットを必ず書き換える習慣を。

第1問(2)  の収束と極限値

【問題(再掲)】

とする。 を用いて が収束することを示し、極限値を求めよ。 は用いてよい。

【型】極限が直接出せない積分は「はさみうち」。上からの評価は被積分関数の最大値で置き換える

【なぜこうするか】
をそのまま計算して とするのは無理です。そこで(1)で作った差 に収束することを示す方針をとります。これが言えれば となり、右辺はただの定積分なので計算できます。
を上から押さえるには、被積分関数 の分子を最大値 で置き換えるのが定石(問題文がわざわざ と教えてくれているのはこのためです)。
残った と計算でき、ここでもう一つのヒント が効いて に収束します。
与えられたヒントは「使え」という指示書です。2つのヒントがどこで刺さるかを先に見抜くのがコツ。

(1)の式(1)より 。一方、 だから

よって

ここで

に適用した。)はさみうちの原理より 。したがって

すなわち は収束する。右辺を部分積分で計算すると

【定石】 の積分は を覚えておくと速いです。部分積分で の原始関数を ではなく と選ぶのがコツ(そうすると と約分されます)。

【よくあるミス】「 だから 、よって 」と、極限を積分の中に入れてしまうこと。これは高校範囲では正当化できません。必ず差を評価してはさみうちの形にしましょう。

第2問(配点率20%)不等式の証明【文理共通】

分野:三角関数/不等式の証明 難易度:標準 目標時間:20分

【問題】

実数 を満たすとき、不等式

が成り立つことを示せ。

【解答】

と置くと与式は に等しい。

第2問  の証明

【問題(再掲)】

のとき を示せ。

【型】 がセットで出たら と置く

【なぜこうするか】
式の中に が同時に現れています。これは と同じ形なので、 と置けば根号が消えます
角の範囲を にとれば が保証され、場合分けなしで絶対値が外せます
目標が「0以上1以下」なので、与式を の形に因数分解できないかを狙います。加法定理の2乗形がそのまま現れます。

より とおける。このとき より 。よって

前半3項について を2つに配ると

となるから

より 。したがって (証明終)

【定石】置換を使わない直接証明もあります。 2乗の和に書ければ終わりですが、本番でこの分解を思いつくのは困難。置換のほうが確実です。

【よくあるミス】範囲を書かずに断定すること。正しくは で、 を宣言してはじめて外せます。置換と角の範囲はセットで書きましょう。

第3問(配点率20%)無理数であることの証明

分野:整数/論証 難易度:標準〜やや難 目標時間:25分

【問題】

以下の問いに答えよ。

(1) が無理数であることを示せ。

(2) がすべて有理数であるとする。そのとき であることを示せ。

【解答】

(1) 背理法(既約分数と素因数の偶奇・3の倍数性) (2) 3乗して を単独で残し、係数が であることから 、続いて

第3問(1)  の無理性

【問題(再掲)】

が無理数であることを示せ。

【型】無理数の証明は背理法。「既約分数とおく → 両辺の素因数を比べる → 互いに素に矛盾」

【なぜこうするか】
「無理数である」は否定文(有理数として書けない)なので、直接示すのは難しく、背理法が定番です。
有理数と仮定して既約分数(互いに素な自然数の比)で表すのがポイント。「互いに素」という強い条件を最初に確保しておくことで、最後に「両方とも同じ数の倍数になった」という矛盾を作れます。
では「2の倍数(偶数)」、 では「3の倍数」で議論します。3乗の場合も は素数だから が使えるので、構造はまったく同じです。

(i) について。 が有理数と仮定すると、互いに素な自然数 を用いて と表せる。両辺に を掛けて2乗すると

左辺は偶数だから は偶数、よって は偶数。 は自然数)とおくと 、すなわち 。同様に も偶数となる。これは が互いに素であることに矛盾する。よって は無理数。

(ii) について。有理数と仮定すると、互いに素な自然数 を用いて と表せる。両辺を3乗して

よって は3の倍数。 は素数だから も3の倍数である。 とおくと 、すなわち となり は3の倍数、よって も3の倍数。これは が互いに素であることに矛盾する。よって は無理数。(証明終)

【定石】 が素数のとき は素因数分解の一意性から従う基本事実。これがあるから、2乗でも3乗でも同じ流れで書けます。逆に 成り立たない)ので、必ず素数で議論すること。

【よくあるミス】「互いに素な自然数で表せる」と書かずに とだけ置くこと。それでは最後の矛盾が作れません。背理法の仮定は「既約であること」まで含めて書くのが必須です。

第3問(2)  の証明

【問題(再掲)】

がすべて有理数であるとする。このとき であることを示せ。

【型】無理数を1つだけ残して「(有理数)×(無理数)=(有理数)」の形を作り、係数=0 を導く

【なぜこうするか】
という2種類の無理数が混ざっているのが厄介です。そこで片方を消すことを考えます。
は有理数)と移項して両辺を3乗すれば、左辺は という有理数になり、右辺には だけが残ります。
整理すると×(有理数)=(有理数)」の形になり、もし係数が でなければ が有理数になってしまう——これが(1)と矛盾します。
つまり「係数=0」を強制的に導くのがこの型の核心です。 が単独で残るように移項するのがポイントで、逆向き( を2乗)だと が同時に出てきて収拾がつきません。

は有理数)とおく。移項して

両辺を3乗すると、左辺は 、右辺は

したがって

ここで と仮定すると

となり、右辺は有理数(有理数の四則)なのに左辺は(1)より無理数だから矛盾。よって

であり、このとき(2)の右辺も 、すなわち

であること。もし なら(3)より なので左辺は正となり不合理。よって

であること。 を(4)に代入して 、すなわち 。もし なら となり、左辺は無理数、右辺は有理数で矛盾。よって

以上より である。(証明終)

【定石】 は有理数)ならば 。これは「無理数と有理数の一次独立性」と呼ばれる型で、 を含む等式を扱うときの最強の道具です。本問はこれを、3乗という一手間を挟んで使わせる問題でした。

【よくあるミス】(3)から即座に「 または 」で止めてしまい、後者が起こり得ないことの吟味を書かないこと。また を示した時点で満足して の証明を忘れるミスも頻出です。問われているのは の両方

第4問(配点率20%)2つの球の合併の体積と最大値

分野:積分法(体積)/微分法 難易度:標準 目標時間:25分

【問題】

座標空間の 軸上に動点 P、Q がある。P、Q は時刻 において原点を出発する。P は 軸の正の方向に、Q は 軸の負の方向に、ともに速さ で動く。その後、ともに時刻 で停止する。点 P、Q を中心とする半径 の球をそれぞれ とし、空間で の部分を とする。このとき、以下の問いに答えよ。

(1) 時刻 における立体 の体積 を求めよ。

(2) の最大値を求めよ。

【解答】

(1)   (2) のとき最大値

第4問(1) 体積 を求める

【問題(再掲)】

P、Q を中心とする半径 の球を の部分を とするとき、 の体積 を求めよ。

【型】空間の立体の体積は 軸に垂直な平面で切る。断面積 を積分する

【なぜこうするか】
「2つの球の合併から半空間を切り取った立体」をそのまま立体として想像しようとすると詰みます。空間図形の体積は、原則「切って断面を見る」
本問は登場するものがすべて 軸に関して回転対称(球の中心が 軸上、切断面 軸に垂直)なので、 軸に垂直な平面 は定数)で切るのが必然です。
断面は「 の断面(円)」と「 の断面(円)」の合併ですが、2つの円はどちらも 軸上に中心をもつ同心円なので、合併=半径の大きいほうの円。ここが最大のポイントです。
球の中心までの距離が近いほど断面の円は大きいので、 では が勝ち、 では が勝つ。よって で積分を2つに分ければよいことになります。
これは結局、 平面上の領域を 軸のまわりに1回転させた回転体の体積と同じ計算です。

時刻 において だから

平面 による断面を考える。 の断面は中心 、半径 の円板( のとき)、 の断面は同じ中心で半径 の円板( のとき)である。2つは同心円板だから、合併は半径の大きいほうに一致する。

より、 のとき だから の断面のほうが大きく、 のとき の断面のほうが大きい。また より

で、 だから、 との共通部分は の範囲に収まる。よって

それぞれ計算すると

を代入して和をとると

(検算: では で半径1の球1個分、 では で球2個 から半球 を引いた値と一致する。)

【定石】「同心円の合併=大きいほう」という一言で場合分けが済むのが本問の急所。中心がずれた2円の合併なら断面積の計算はずっと面倒になります。回転対称性を確認したら軸に垂直に切る——これが空間図形の基本方針です。

【よくあるミス】球 の共通部分(レンズ形)を「重なっているから引かなければ」と考えて余計な計算を始めること。断面で考えれば「大きいほうを採用」で自動的に重複が処理されるので、引き算は不要です。また の条件を忘れて の左端 まで積分してしまうミスも頻出。

第4問(2)  の最大値

【問題(再掲)】

の最大値を求めよ。

【型】3次関数の最大は微分して増減表。定義域の端も必ず確認する

【なぜこうするか】
(1)で の3次関数として求まったので、あとは普通の最大値問題です。微分して の解を求め、定義域 に入るものだけを拾います。
となり、解は なので が定義域内、もう一方は負で範囲外です。
は上に凸の2次関数( 倍)なので、 の前後で正から負に変わる——つまりそこが極大かつ最大。端点 の値より大きいことも増減から確定します。

を微分して

では だから、 の符号は の符号に一致する。すなわち

は定義域内。)よって で極大かつ最大となる。 を代入すると、 より

したがって最大値は

【定石】3次関数の最大・最小は「微分=0の解を定義域でふるいにかける → 増減表 → 端点と比較」の3手順。因数分解できない2次方程式の解が出たときは、 のような概算値で定義域に入るかを必ず確かめましょう。

【よくあるミス】 も候補として残してしまうこと(定義域外)。また代入計算で のまま展開しようとして符号を落とすミスが多いので、 を先に出してから と計算すると安全です。

第5問(配点率20%)2×2ブロック条件を満たす0/1の入れ方

分野:論証/場合の数 難易度:難 目標時間:35分

【問題】

以上の整数とする。正方形の形に並んだ のマスに または のいずれかの数字を入れる。マスは上から第1行、第2行、…、左から第1列、第2列、… と数える。数字の入れ方についての次の条件 を考える。

条件 から までのどの整数 についても、第 行、第 行と第 列、第 列とが作る の4個のマスには が2つずつ入る。

0100
1011
0100
1011

の場合の入れ方の例)

(1) 条件 を満たすとき、第 行と第 列の少なくとも一方には が交互に現れることを示せ。

(2) 条件 を満たすような数字の入れ方の総数 を求めよ。

【解答】

(1) 隣り合う2行は「完全に一致」か「完全に反転」のいずれかであることを示して分類する。 (2)

第5問(1) 第 行・第 列の少なくとも一方が交互

【問題(再掲)】

条件 を満たすとき、第 行と第 列の少なくとも一方には が交互に現れることを示せ。

【型】局所条件(2×2)から「隣り合う2行の関係」という大域的な構造補題を取り出す

【なぜこうするか】
条件 「隣り合う2行2列の4マス」というごく狭い範囲の条件です。これを 全体の性質に翻訳するのが本問の勝負どころ。
そこで隣り合う2行だけを取り出して眺めます。2つの行の同じ列を比べて「一致しているか/違っているか」を追いかけると、 の条件から「ある列で一致 隣の列でも一致」が出てきます。
これは一致・不一致の状況が列によらず一定ということ。つまり隣り合う2行は「全部同じ」か「全部逆」のどちらかしかありません。この二択に絞れたら、あとは各場合を追うだけです。
そして「全部同じ」が起きるときは、その行自体が交互に並んでいなければならないことも同時に出ます。これが(1)の答えに直結します。
局所条件を「隣接2行の関係」という1本の情報に圧縮する——これがこの手の格子問題の王道です。

行第 列のマスの数字を と書く。

補題1: を固定する。任意の について

(証明) の4マス の和は条件 より である。 とすると なら和は だから両方 なら和は だから両方 。いずれの場合も 。逆向きも同様に示せる。(補題1の証明終)

補題2:隣り合う2行について、次のいずれか一方だけが成り立つ。

  • (a) 完全一致型:すべての 。このとき第 行(および第 行)は が交互に並ぶ。
  • (b) 完全反転型:すべての

(証明)補題1より「第 列で一致するか否か」は によらず一定だから、全列一致か全列不一致かの二択である。(a) の場合、補題1の証明中に得た がすべての で成り立つので、第 行は交互に並ぶ。(補題2の証明終)

本題の証明。 列に が交互に現れない場合を考える。このときある となる。補題2よりこの2行は完全一致型であり、第 行は交互に並ぶ。

さらに補題2より、第 行の隣の行は第 行と一致するか反転するかのどちらかであるが、交互に並ぶ行を反転しても交互に並ぶから、どちらの場合も交互に並ぶ。これを下向きに繰り返せば、第 行、第 行、…、第 行のすべてが交互に並ぶ。

したがって第 行は が交互に現れる。以上より、第 行と第 列の少なくとも一方には が交互に現れる。(証明終)

【定石】上の議論から、条件 を満たす入れ方は次の2種類に完全に分類されます。 (I) すべての行が交互に並ぶ/(II) すべての列が交互に並ぶ。 ( に読み替えて「4マスの積が 」と見る、あるいは で考えると、補題1はもっと機械的に出ます。)

【よくあるミス】 など小さい場合で実験して「なんとなくそうなる」で済ませてしまうこと。「示せ」と書かれている以上、一般の で通用する論証が必要です。逆に、実験で構造(行が交互/列が交互の2種類しかない)を掴んでから証明を書く、という順序は非常に有効です。

第5問(2) 入れ方の総数

【問題(再掲)】

条件 を満たすような数字の入れ方の総数 を求めよ。

【型】2つの集合の合併は「和-共通部分」(包除原理)

【なぜこうするか】
(1)の議論で、条件 を満たす入れ方は(I)「全部の行が交互」または (II)「全部の列が交互」の2タイプしかないことが分かりました。
逆に、この2タイプがどちらも本当に条件 を満たすことも確認しておきます(十分性の確認は必須)。
あとは数えるだけですが、(I) と (II) は重なりがある(行も列も交互というものが存在する)ので、単純に足すと二重に数えてしまいます。そこで包除原理 という形にします。
(I) は「各行がどちらの交互パターンか」を行ごとに独立に選べるので 通り。(II) も同様に 通り。共通部分は左上のマスを決めれば全体が決まるので 通り。

(I)、(II) の十分性。すべての行が交互に並ぶとき、 の4マスは の形なので和は 。よって条件 を満たす。すべての列が交互の場合も同様。

(I) の個数。各行は「 から始まる交互列」か「 から始まる交互列」の2通り。行ごとに独立に選べるから

(II) の個数。同様に

共通部分の個数。行も列も交互に並ぶとき、 かつ だから、 を決めれば全マスが決まる(実際 の偶奇のみで定まる)。よって

以上より

(検算: のとき 。実際 の4マスに を2つずつ入れる方法は 通りで一致する。)

【定石】「AまたはB」を数えるときは必ず共通部分を疑う。本問のように「行が交互」と「列が交互」は排反ではありません。 が小さい場合()で検算できる形になっているので、答えを出したら必ず を代入して確かめましょう。

【よくあるミス】 と足しただけで終わり、共通部分の を引き忘れること。もう一つは「各行が交互」の交互パターンを1通りだと思い込むこと(2通りあります)。

この冊子で問われた「型」の一覧
  • 第1問:積分区間がずれていたら置換でそろえる/極限が直接出せない積分は差をはさみうち
  • 第2問: のセットは (角の範囲とセットで宣言)/「0以上1以下」は2乗の形を狙う
  • 第3問:無理数の証明は既約分数+素数の倍数性で背理法/無理数を1つだけ残して「係数=0」を強制する
  • 第4問:空間の体積は軸に垂直に切って断面積を積分/同心円の合併は大きいほう/3次関数の最大は増減表と定義域
  • 第5問:局所条件から「隣接2行は一致か反転」という構造補題を作る/「AまたはB」は包除原理で数える

この解説を書いている講師に、直接習うことができます。

初回体験授業(3,000円・税込)を申し込む / 無料相談はこちら

オンライン数学専門塾 数強塾|プロ講師のみ・完全1対1指導・中高一貫校対応

問題PDFをテキストでも確認

大阪大学 2015年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析

公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。

  • 指数・対数
  • 方程式・不等式

この年度の出題範囲と傾向

2015年度の問題PDFでは、指数・対数、方程式・不等式に関する語句や設問を確認できました。大阪大学の公開PDFを年度横断で調べると、整数は22年度、微分・積分は22年度、図形・三角関数は21年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。

分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。

問題文の文字起こし

問1画像OCR

検出分野: 方程式・不等式

平成27 年度
前 期日
ーー に]
数 学 問 題
(まほ 競)
1 . 問題周子および解答用后子は, 試験開始の合図があるまで開いてはいけない.
2. 受験番号は, 解答用紙の受験番号欄 Gt 6 か所) に右詰めで正確に記入すること.
(※記入例参照)
3. 問題本文は。3 ページと、5 ページと, 7 ページにある、 脱落している場合は直
ちに申し出ること. ・
4. 解答用冊子には表紙 1 AL SARE 3 枚と白紙 2 枚が一緒に折り込まれている.
解答用紙をミシン目に従って切り離すこと.
5. 解答 (途中の計算, 推論等を含む) は. 指定された解答用紙の指定された場所に
記入すること. 指定された解答用紙の指定された場所以外に記入した解答は無
効とする.
6. 問題冊子の余白は下書きに使用してもよい.
| 7. 解答用紙は持ち帰ってはいけない.
8. 問題明子および表紙・白紙は持ち帰ること.
※受験番号記入例 (受験番号 10 番の場合)
|
Zk Eee
|
i M3 (376—27)

(下書き用紙)
sa fy OM3 (37628)

(下書き用紙)
ー 2 一 oM3G79-29

| weoy a el Se yl ミ1を満たすとき, 不等式
0ミィャゲー2z2の十2ryV1ユーg2ソ1ユーの ミュ
が成り立つことを示せ.
(配点率 30 %)
;
if
a gore BP ae M3 (878-30)

(Fee A
|
|
|
| ami’ Real のMS3G76一31)

に 1
EM Ey = ko tm (h > 0) DI Cy: 2? +(y— 1)? = 1 LARC:
ター の の両方に接している. とのとき。 MKOMWICERE.
(1) ke と m を求めよ。
(2) 直線 7 LAR C。 BAC y ME CHEN ROMMEL.
(配点率 35 %)
moe キー M3 (376-32)

(下書き用紙)
| ー6 一 OM3 (376-33)

原本の問題PDFを確認する

問2画像OCR

検出分野: 指数・対数

: 平成27 年度
前 期日 程
にデコ I
7 数 学問 題
B
1, 問題圭子および解答用冊子は, 試験開始の合図があるまで開いてはいけない.
2. 受験番号は。 解答必紙の受験番号搬 (H 10 か所) に右詰めで正確に記入する
ze.
3. MMI, 3 ページと, 5 ページと, 7 ページと, 9 ページにある. 脱落して
いる場合は直ちに申し出るとと.
! 4. 解容用冊子には表紙 1 枚と解答用紙 5 枚と白紙 2 枚が一緒に折り込まれている-
! RSME SY YAicto THD RTT.
| 5. RS CROWD, HBSLAS) は, 指定された解答用紙の指定された場所に
記入すること. 指定された解答用紙の指定された場所以外に記入した解答は無
METS.
| 6. 問題和子の余白は下書きに使用してもよい.
7 . 解答用紙は持ち帰ってはいけない.
8. 問題冊子および表紙・白紙は持ち帰ること-
MG4(376一35)

(下書き用紙)
ー1 一 のM4G76一36)
|

| (下書き用紙)
|
ー2一 iM4(376一97

[1 GPR m UTNE fale) を
fala) = te lgd+つや esO
で定める. 以下の科いに答えよ.

see Sf 示せ.
Q / な<) gs S / og(l +2) de を示
(2) BB (Ty) を
tne F(z) da
few
で定める. 0S > S1 OLE logit +a) < Iog2 CHET LEA THA
(Un } AMOS SC LERL, SOBIMRMALK. TEL, Jim BF =
であることなは用いてよい-
(配点率 20 %)
| ome Bi mm: OM4 (376-38)

(下書き用紙)
ーー一 OMA (376-39)

RR oy Biol ミ 1 と ミ1を満たすとき, Ra
0 ミアダキの ー2z22よ2oyツ1ニーユー <ュ
が成り立つことを示せ.
(号点率 20 %)
以下の問いに答えよ.
(1) v2 と V3 が無理数であることを示せ.
2) な. の V2p+ 84 がすべて有理数であるとする. そのとき, ゎニッニ0 で
あることを示せ.
| (配点率 20 %)
|
|
(
ー5ー MG76一40)
|

(下書き用紙)
= Go OM4(376—41)

原本の問題PDFを確認する

SUCCESS STORY

この過去問で合格した先輩がいます

数強塾のプロ講師
答案を見ながら考え方を整理する、数強塾のプロ講師

【詳細掲載準備中】大阪大学の合格者事例は、イニシャル・出身高校・指導開始時期・成績の変化を個人情報に配慮して整理のうえ掲載します。

過去問は「解く」だけでは伸びません。どこで落としたか、なぜ落としたかをプロ講師が一対一で分析し、あなた専用の対策に変えます。

※成績の伸びは個人の学習状況により異なります。指導事例をもっと見る

数強塾オンラインのご案内

体験授業に申し込む入塾受け入れ状況(残席)数学つまずき診断(無料)体験授業の事前案内保護者の方へ高1・高2の方へ医学部志望の方へ保護者様からの声料金・指導システム指導事例・合格実績大学受験 合格実績(集計ルール開示)数強塾グループの理念学校別の数学対策数学の勉強法(記事一覧)数強塾プレミアム(映像授業)獣医学部専門コース鉄緑会・SAPIX等との併用サポート過去問解説・数学問題集情報Ⅰ・情報Ⅱ専門「情報ラボ」情報の過去問アーカイブ(無料PDF)解法テクニック事典(公式・裏ワザ)入試数学の定石(解き方の型・全27章)2026年 夏期講習会2026年 冬期講習会代表・藤原進之介について
過去問対策を1対1で体験授業 税込3,000円
申し込む