北海道大学 2016年度 理系数学|全5問の解答・解説

藤原進之介です。このページでは北海道大学2016年度の数学過去問の問題資料と学習情報を無料公開しています。掲載している問題・解答・解説の範囲は、ページ内の各見出しでご確認ください。

今日の一問
を自然数とする。 が 11 の倍数であることを示せ。
また、 が 22 の倍数となるための条件を求めよ。
——さて、どこから手をつける?
数強塾オリジナルの類題です。この年度の実際の入試問題ではありません。実際の問題と解答は、このページのPDFでご確認ください。

問題

解答

📊 2016年度 北海道大学 数学 講評マップ(難易度・目標時間・使う型)

この年度の全9問を解説した数強塾のプロ講師陣が、各問題を難易度・目標時間・使う型の3つで整理しました。難易度と目標時間は数強塾の独自の見立てで、目標時間は過去問演習をするときの1問あたりの目安です(実際の試験の時間配分を示すものではありません)。「使う型」の列は解法パターン事典の該当単元につながっています。解けなかった問題は、下の解説で解き方を確認したあと、型のページで同じ型の問題を練習すると定着が速くなります。

2016年度の全9問

大問テーマ難易度目標時間使う型(解法パターン事典)
解説へ|3次関数の接線が平行になる条件と、中点が曲線上にあることの証明標準約20分微分法(数II)
解説へ|絶対値2つの関数のグラフと定積分標準約22分積分法(数II)
解説へ|正弦定理で角を決め、外心を位置ベクトルで表すやや難約25分ベクトルの図形への応用
解説へ|分数式が自然数になる条件を、範囲で挟んで絞るやや難約23分整数
解説へ|円周上の点 に対する の最小値標準約22分複素数平面
解説へ|積分方程式——「定積分は定数」の一点突破標準約22分定積分で表された関数
解説へ|メダルの色の確率——モデル化と条件付き確率やや難約25分条件付き確率・独立・反復試行
解説へ|3次方程式の解の対称式で作る数列——整数性の証明やや難約27分整数の証明
解説へ|2直線に接する球面の中心の軌跡が放物線になるやや難約25分軌跡

💡 どこで差がつくか:この年度は全9問で、数強塾の見立てでは標準が4問・やや難が5問です。扱う型は9種類にわたり、同じ型が重なることがほとんどないので、特定の単元だけを固めても点数が安定しません。やや難以上が5問あるので、まず標準の問題を確実に取り切る練習から入るほうが結果につながります。目標時間の合計は約211分(過去問演習での目安)。 この冊子9問の目標時間の合計は約211分(数強塾の見立て)。

「型が出てこなかった問題」が2問以上あった人へ。それは演習量の不足ではなく、単元の型の抜けが原因であることがほとんどです。数強塾は数学専門・プロ講師のみ・完全1対1のオンライン個別指導。実際にあなたが解いた過去問の答案を見ながら、どの型が抜けているかを特定し、北海道大学の出題に合わせて埋めていきます。北海道大学の過去問まとめ(全年度+傾向)で他の年度も確認できます。

体験授業を予約する(初回3,000円・税込)まず無料で相談する

※ 問題文は北海道大学が実施した2016年度(平成28年度)前期日程 入学試験問題(数学・文系)を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、大学が公表した公式解答そのものではありません。ただし答えは解答例(Hokkaido_2016_mat_A_01.pdf)と全4問・全小問について一致を確認しています。

2016年度 北海道大学 文系数学の全体像(大問4題・90分)
  • 第1問 3次関数の接線(3小問):接線の平行条件から「2点の中点が曲線上にある」を導く。計算で押し切ることもできますが、3次関数が変曲点に関して点対称だと知っていると景色が一変します。
  • 第2問 絶対値付き関数の定積分(2小問):絶対値が2つ、区間は4分割。ここで0以上1以下の区間だけ関数が定数になるという、気づけば得をする仕掛けが入っています。
  • 第3問 三角形と外接円(3小問):正弦定理から角を求め、最後は外心を位置ベクトルで表す。「鋭角三角形」という条件が2つの候補を1つに絞る鍵です。
  • 第4問 整数(2小問):分数式が自然数になる条件。「範囲で挟んで候補を有限個にする」という整数問題の王道がそのまま使えます。
  • 90分で4題、1題あたり22分。北大文系は「誘導が親切で、前半を落とすと後半も連鎖する」構成が定着しています。第1問(1)や第3問(1)のような入口を確実に取ることが、そのまま得点に直結します。
数学の体験授業はこちら。60分・税込3,000円。数強塾

第1問|3次関数の接線が平行になる条件と、中点が曲線上にあることの証明

分野:微分(3次関数と接線) 難易度:標準 目標時間:20分

【問題】

を実数とし、 とおく。曲線 上に異なる2点 がある。

(1) における の接線の方程式を求めよ。

(2) における の接線と における の接線が平行になるための条件を、 の関係式として求めよ。

(3) (2)の条件のもとで、線分 の中点が 上にあることを示せ。

【解答】

(1)

(2)

(3) 中点の座標は となり、これは 上の点である。

(1) 接線は「傾き」と「通る点」の2つだけで決まる

【問題(再掲)】

のとき、 における の接線の方程式を求めよ。

【前提知識】①微分の公式 、定数の微分は 。②接線の傾きは微分係数、すなわち における接線の傾きは 。③点 を通り傾き の直線は

【型】接線は「接点の 座標を1文字で置き、傾き と通る点 を代入する」型

【なぜこうするか】直線を決めるのに必要な情報は「傾き」と「通る点」の2つだけです。接線という言葉が出た瞬間、その2つが両方とも だけで書けることが確定します。だからやることは代入だけで、考える余地はほとんどありません。ここで迷うとしたら「答えを の形まで整理すべきか」ですが、(2)(3)で傾きだけを使うことを見越すと、傾きの部分 を塊のまま残した形で書いておくのが後々効きます。

まず を微分します。

よって における接線の傾きは です。接点は なので、求める接線は

と書けます。ここに を代入します。

右辺を展開します。まず の部分は

となるので、定数項をまとめると

となります。 が打ち消し合う点に注意してください。したがって求める接線は

です。

【検算】 を代入して、 に戻るかを確かめます。

右辺を整理すると

確かに と一致しました。さらに具体値でも確認します。、すなわち とすると、公式からは 。実際 での接線は傾き 、点 を通るので で一致します。

【答案の書き方】

より、 における接線の傾きは 」と傾きの根拠を一行書くところから始めます。ここを飛ばして最終式だけ書くと、公式を暗記して当てはめただけなのか、微分係数の意味を分かっているのかが採点者に伝わりません。展開後の形と の形はどちらで答えても正解ですが、展開しておくと(2)で傾きを読み取るのが楽になります。

【定石】接線の問題は「接点の 座標を文字で置く」ところから始まる。傾き 、通る点 に入れれば終わり。

【よくあるミス】 を求めるつもりで を微分してしまい、 としてしまう誤り。先に を出してから を代入するという順序を守れば起きません。もう一つは展開時の符号ミスで、 と書いてしまう例が目立ちます。

(2) 「平行」を数式に翻訳すると「傾きが等しい」

【問題(再掲)】

における の接線と における の接線が平行になるための条件を、 の関係式として求めよ。

【前提知識】①2直線が平行 傾きが等しい。②因数分解 。③ ならば または 。この③を使うときは、片方が でないことを明示して切り捨てます。

【型】平行条件は「傾きを等号で結び、差を因数分解して を括り出す」型

【なぜこうするか】「平行」は図形の言葉なので、まず式の言葉に置き換えます。傾きが等しい、つまり です。ここで移項して 差の形にするのが要点で、 が対等に入っているため必ず が因数として出てきます。問題文に「異なる2点」とあるのは、この 堂々と割ってよいという許可証です。条件文のこの一言が伏線になっている、というつくりを読み取れると気持ちよく解けます。

2つの接線の傾きはそれぞれ です。平行であることは傾きが等しいことなので

両辺から を消し、右辺を左辺に移項します。

前の2項を 、後ろの2項を と見ると、共通因数 が括り出せます。

は異なる2点なので 、すなわち です。したがって

となり、求める条件は

です。

【検算】具体値で確かめます。、つまり とすると、条件は です。 を取ると より で確かに等しく、2本の接線は平行(ともに水平)です。別の組 でも で一致しました。

【背景と一般化】

得られた条件 は、両辺を で割ると と読めます。左辺は の中点、右辺は を解いた 、すなわち変曲点の 座標です。つまりこの条件は「 が変曲点を挟んで対称な位置にある」ことを述べています。3次関数の接線の傾き は下に凸な放物線で、その軸が ですから、軸について対称な2点で傾きが等しくなるのは当然のことです。この見方をしておくと(3)が一瞬で見通せます。

【定石】「平行」は「傾きが等しい」に翻訳する。 が対等な式の差は必ず で括れる。「異なる2点」は を使わせるための布石。

【よくあるミス】 から、 に触れずにいきなり と書いてしまう答案。結論は合っていても論理の穴として減点されます。「異なる2点だから 」の一文を必ず入れてください。

(3) 中点の座標を出して、 に代入した値と一致するかを見る

【問題(再掲)】

(2)の条件のもとで、線分 の中点が 上にあることを示せ。

【前提知識】①中点の座標は 。② 上にある 。③対称式の変形

【型】「曲線上にあることを示せ」は「 を求め、 を計算し、 と一致することを示す」型

【なぜこうするか】証明すべきことは というただ1本の等式です。ならば左辺と右辺を別々に計算して、同じ式になることを見せるのが最も確実です。ここで不安になるのは「 の値が分からないのに計算できるのか」という点でしょう。実は は途中で必ず消えます。消えるからこそ、 の取り方によらずいつでも同じ点が中点になる——それがこの問題の主張です。「消えてくれるはず」と信じて進むのではなく、なぜ消えるのかを確かめながら進むのが理解を深める道です。

線分 の中点を とおきます。

(2)より なので、 はただちに決まります。

まず右辺、つまり を計算しておきます。

各項を順に計算すると です。第1項と第2項をまとめます。

したがって

次に左辺 を計算します。 を対称式の形に整理すると

ここで とおき、基本対称式で書き換えます。

これらを代入します。

を含む項だけを取り出すと です。ところが(2)の条件は そのものでしたから、この括弧の中身が になります。つまり 、すなわち を含む項がまとめて消えます。

ここに を代入します。 なので

これを で割れば が得られます。

先に求めた と完全に一致しました。よって であり、線分 の中点 は曲線 上にあります。

【別解】3次関数の点対称性を使う

3次関数のグラフは変曲点に関して点対称です。 なので変曲点の 座標は 。(2)の条件 、すなわち が変曲点の 座標について対称だと言っています。点対称なグラフ上で、対称の中心について対称な位置にある2点を結べば、その中点は対称の中心そのものです。よって の中点は変曲点と一致し、変曲点は当然 上にあります。

この見方は答案の道筋としては速いのですが、「3次関数が変曲点に関して点対称であること」自体を証明なしに使うと減点される可能性があります。入試場では本解の計算で押し切り、点対称性は検算と方針決定に使う——この使い分けが安全です。

【検算】、すなわち で確かめます。条件は です。 とすると なので中点は 。一方 で、確かに中点は曲線上にあります。 が変わる別の組 でも より中点は まったく同じ点。公式 とも一致しました。 が消えるという計算結果が、この「どちらの組でも同じ点になる」という現象として目に見えます。

【答案の書き方】

証明問題なので、何を示せばよいのかを最初に宣言します。「中点を とおくと、 を示せばよい」の一文があるだけで、読み手は以後の計算の目的を把握できます。そのうえで を別々に計算し、最後に「よって 」と結ぶ。この構成なら途中の計算が多少長くても論旨が迷子になりません。 が消える箇所には「(2)より だから」と根拠を明示してください。ここが本問の核心なので、黙って消すと最も見せたい部分が伝わりません。

【背景と一般化】

本問が示したのは「接線が平行になる2点の中点は、つねに変曲点である」という事実です。逆向きにも読めて、3次曲線上の相異なる2点の中点が変曲点になるなら、その2点での接線は平行です。さらに一般に、 に対し と平行移動すると2次の項が消えて は奇関数に定数を加えた形になります。これが「変曲点に関して点対称」の正体です。京都大学や東北大学でも、3次関数の対称性を背景にした出題が繰り返されています。

【定石】「曲線上にあることを示せ」は を示すこと。対称式は で書き換え、条件式が の係数を にしていないかを疑う。

【よくあるミス】 の値を求めようとして手が止まる。本問では は決まらず、決まらなくてよいのです。「消えるかどうか」を先に確認する習慣があれば止まりません。もう一つは の計算で としてしまう符号ミスで、2乗すれば正になることの見落としです。

第2問|絶対値2つの関数のグラフと定積分

分野:絶対値付き関数・定積分 難易度:標準 目標時間:22分

【問題】

とおく。

(1) 関数 のグラフをかけ。グラフと 軸との2つの交点の 座標 の値も求めよ。

(2) (1)の に対して、定積分 の値を求めよ。

【解答】

(1) (グラフは下記の4区間の式による折れ線と放物線の組み合わせ)

(2)

(1) 絶対値は「中身の符号が変わる点」で区間を割るだけ

【問題(再掲)】

のグラフをかき、 軸との2交点の 座標 を求めよ。

【前提知識】①絶対値の外し方は 。②2次式 で正、 で負。③絶対値が2つあるときは、符号の変わり目を数直線上に全部並べてから区間を切る

【型】絶対値付き関数は「中身が になる をすべて求め、その点で区間を分割する」型

【なぜこうするか】絶対値は場合分けさえ済めばただの多項式です。逆に言えば、場合分けの区切りを1つでも落とすと全部が崩れる。だから最初にやるのは「中身が になる を全部書き出す」ことです。本問では から から 。定義域が なので は右端と一致し、実質の区切りは の3つ、区間は4つになります。表を書いて機械的に埋めるのが確実です。

2つの絶対値の中身の符号を、区間ごとに整理します。

のとき、 かつ なので 。また かつ なので 。よって両方そのまま外せて

のとき、 なので符号を変えて外し、 はそのまま外します。

ここで の項も の項も打ち消し合い、この区間だけ は定数 になります。本問で最も面白い箇所です。

のとき、 なので両方とも符号を変えて外します。

のとき、 はそのまま、 は符号を変えて外します。

まとめると、 は次の4つの式をつないだ関数です。

グラフの形をつかむため、各区間の式を平方完成しておきます。 は下に凸、 は上に凸です。端の値は となり、隣り合う区間でつながっていることが確認できます。

次に 軸との交点を、区間ごとに調べます。

では 、すなわち より 。この区間にあるのは だけです。

では で一定なので、 になることはありません。

では 、両辺を で割って 。判別式は なので実数解はありません。

では より なので区間内にあります。

よって交点は2つで、 より

です。

【検算】元の式に直接代入して確かめます。 のとき で確かに のとき、 なので、。こちらも です。また区間の境目 で、左の式は 、右の式は と一致し、 では と一致しました。境目で値がつながることの確認は、場合分けミスを見つける最短の方法です。

【答案の書き方】

符号の表を書いてから4つの式を導き、場合分けを でまとめて提示するのが読みやすい形です。グラフを描く際は、各区間の式・端点の値・放物線の頂点を図中に書き入れてください。 軸との交点 も明示します。「グラフをかけ」という指示に対して曲線だけを描いて数値を書かない答案は、正しく描けていても得点になりにくいので注意してください。

【背景と一般化】

が定数になったのは偶然ではありません。この区間では となり、2次の係数が で打ち消し合うように問題が設計されています。さらに1次の項も で消えました。出題者は、区間ごとに「下に凸の放物線・水平線・上に凸の放物線・直線」という4つの異なる顔が現れるよう係数を調整しています。こうした設計意図が見えると、検算のときに「ここは定数になるはず」と予測が立てられます。

【定石】絶対値は中身が になる点で区間を割る。割ったら隣り合う区間の境目で値が一致するかを必ず確認する。これが最強の検算。

【よくあるミス】区切りを だけ、あるいは だけにして、2つの絶対値を別々に処理してしまう誤り。4つの区切り候補を1本の数直線に集めてから区間を作れば防げます。また の解 を、区間 の外なのに採用してしまう誤りも頻出です。求めた解がその区間に入っているかを毎回確認してください。

(2) 区間ごとに積分して足すだけ。分け方は(1)がすでに教えてくれている

【問題(再掲)】

に対して を求めよ。

【前提知識】①積分の区間加法性 。②。③関数の式が途中で変わるなら、変わる点で積分区間を切る

【型】区分的に定義された関数の定積分は「定義の変わり目で区間を分割して足す」型

【なぜこうするか】 は1本の式では書けないので、そのままでは原始関数が作れません。しかし各区間では普通の多項式なので、区間を切ってしまえばどれも教科書レベルの計算になります。積分区間は から 。この間に定義の変わり目 がすべて含まれるので、4つに分割します。切る場所を自分で考える必要はなく、(1)で作った場合分けをそのまま使えばよい——ここが「誘導に乗る」ということです。

積分区間 を、定義の変わり目 で4つに分けます。

に、残りの2区間を加えたもの、すなわち

です。

第1項を計算します。原始関数は です。

第2項は定数の積分なので、幅 の区間に高さ を掛けるだけです。

第3項の原始関数は です。 での値は での値は なので

第4項の原始関数は です。 での値は での値は なので

4つを足し合わせます。

よって求める定積分の値は です。

【検算】符号の妥当性から確かめます。 軸との交点で、その間では がすべて負)でした。したがって積分値は負でなければおかしく は符号が合っています。大きさも見積もれます。区間の幅は 、その間の はおおむね から の間を動くので、面積の目安は 程度。 はこの見積もりとよく合います。さらに、区間 の寄与がちょうど (幅 、高さ の長方形)であることも図と一致します。

【答案の書き方】

最初に「 の定義が変わる で区間を分ける」と分割の理由を書いてから4本の積分を並べます。理由を書かずにいきなり4つに分けた式を出すと、なぜその分け方なのかが伝わりません。各項の値は分数のまま扱い、最後にまとめて通分するのが計算ミスを減らすコツです。途中で小数にすると のような値が正確に書けなくなります。

【背景と一般化】

この積分は「 軸と が囲む部分の面積の符号付きの値」で、面積そのものは です。もし問題が「囲む部分の面積を求めよ」なら答えは (正の値)になります。定積分と面積は符号の扱いが違うので、問われ方を読み違えないでください。なお絶対値付き関数の定積分は、区間を切って足すという本問の手順がそのまま一般手順になります。絶対値が3つ4つに増えても、やることは「符号の変わり目を全部集めて切る」だけで変わりません。

【定石】区分的に定義された関数の積分は、定義の変わり目で区間を切って足す。(1)で作った場合分けが、そのまま(2)の分割になる。

【よくあるミス】上端を にしてしまう誤り。積分区間は から 、つまり から であって、定義域の端ではありません。もう一つは第4項の上端 の代入で、 とすべきところを などとする計算ミスです。

第3問|正弦定理で角を決め、外心を位置ベクトルで表す

分野:三角比・図形と計量/平面ベクトル 難易度:標準〜やや難 目標時間:25分

【問題】

が、 をみたすとする。

(1) とおくとき、 および の値を求めよ。

(2) (1)の の値をすべて求めよ。

(3) の外接円の中心を とする。 が鋭角三角形であるとき、 をみたす実数 を求めよ。

【解答】

(1)

(2)

(3)

(1) 辺2つと向かい合う角1つ。この組み合わせは正弦定理

【問題(再掲)】

のとき、 について を求めよ。

【前提知識】①正弦定理 。② と向かい合うのは 、辺 と向かい合うのは 。③2倍角の公式

【型】「2辺とその一方に向かい合う角」が与えられたら正弦定理

【なぜこうするか】三角形の計量では、与えられた情報の並びで使う定理が決まります。2辺と挟む角なら余弦定理、2辺と向かい合う角なら正弦定理です。本問は と向かい合っているので正弦定理の出番です。そして の後に問うているのは、 を使えば だけから求まるという誘導です。 を経由すると符号の場合分けが必要になりますが、この形なら不要——出題者はそこまで見て公式を選ばせています。

は辺 と向かい合い、 は辺 と向かい合います。正弦定理より

数値を入れます。 です。

左辺は なので

分母を有理化します。分子・分母に を掛けて

次に です。2倍角の公式 を使います。まず を計算します。

を使いました。これを代入します。

よって です。

【検算】。これは の値としてよく知られたもので、確かに 以下に収まっています( の値が を超えたら計算ミスです)。また なら 。求めた値と一致します。念のため でも で同じ値になり、こちらも矛盾しません。

【答案の書き方】

正弦定理を使うときは「 の対角、 の対角だから」とどの辺とどの角が対応するかを明示します。ここを曖昧にしたまま式を立てると、辺と角の組を取り違えた答案と区別がつきません。有理化は必須ではありませんが、 の形にしておくと(2)で を思い出しやすくなります。

【定石】2辺と向かい合う角なら正弦定理、2辺と挟む角なら余弦定理。 から へは が最短。

【よくあるミス】 と対応を逆にしてしまう誤り。図を描いて対辺を確認するだけで防げます。また としてしまう展開ミスも多く、 の項を落とさないよう注意してください。

(2) 角の範囲を先に押さえてから、 の方程式を解く

【問題(再掲)】

(1)の の値をすべて求めよ。

【前提知識】①三角形の内角の和は 。② となる の範囲で 。③「すべて求めよ」は候補が複数あることの予告

【型】三角方程式は「未知の角が動ける範囲を先に確定させてから解く」型

【なぜこうするか】 からではなく から を求めるのがこの誘導の狙いです。 だけでは、 をまたいで同じ値を2回取るため の判別に手間がかかります。ところが にすると というはっきり違う2つの角に分かれ、機械的に処理できます。ここで大事なのは、解く前に の動ける範囲を決めておくこと。範囲を決めずに解くと、余計な解を拾うか、必要な解を落とすかのどちらかになります。

まず の範囲を押さえます。三角形の内角の和より で、これが正でなければならないので

したがって

この範囲で となる を探します。 になるのは基準として で、どちらも に入っています。

それぞれ で割って

を得ます。どちらも をみたすので、両方とも解です。

【検算】2つの が本当に三角形として成立するかを、辺の長さで確かめます。外接円の直径は です。 のとき で、 となり与えられた長さと一致。 のときは で、 なので は同じく どちらも条件をみたす三角形が実在することが確認できました。

【背景と一般化】

2つの答えが出るのは、この設定が「2辺と、その一方に向かい合う角」を与える型だからです。この型は三角形が1つに定まらないことがあることで有名で、中学で習う三角形の合同条件に「2辺とその間の角」はあっても「2辺と向かい合う角」が無いのと同じ理由です。実際、 を固定して点 を外接円上で動かすと、 となる位置が2か所現れます。(3)で「鋭角三角形」という条件が追加されるのは、この2つを1つに絞るためです。

【定石】三角方程式は角の動く範囲を先に書く の方程式なら範囲も 倍してから解く。「すべて求めよ」は複数解の予告と読む。

【よくあるミス】 の範囲を と誤り、 を落として だけを答えてしまう。 の範囲を2倍するのを忘れないことです。逆に範囲を と広げすぎて 以上の不適な解を拾う誤りもあります。

(3) 外心は「中心からの距離が等しい点」。内積で を1つずつ取り出す

【問題(再掲)】

の外接円の中心を とする。 が鋭角三角形であるとき、 をみたす実数 を求めよ。

【前提知識】①外心から3頂点までの距離はすべて外接円の半径 。②円周角と中心角の関係:中心角は円周角の2倍。③内積 、および

【型】ベクトルの係数決定は「両辺に基準ベクトルとの内積を取る」型

【なぜこうするか】未知数が の2つなので、式が2本必要です。ベクトルの等式1本から2本の式を取り出す標準手段が、両辺に との内積、 との内積をそれぞれ取ることです。しかもこの問題は条件が非常によく、 すなわち なので、各式に未知数が1つずつしか残りません。連立を解く手間すらなく、割り算だけで答えが出ます。座標を設定して成分計算する手もありますが、内積を使うほうが計算量は明らかに少なくて済みます。

まず を確定させます。(2)より または でしたが、 は鈍角なので鋭角三角形になりません。よって

このとき で、3つとも 未満なので確かに鋭角三角形です。

次に外接円の半径 を求めます。正弦定理より

よって

続いて中心角を求めます。円周角と中心角の関係より、それぞれの中心角は向かい合う円周角の2倍です。

3つの和は となり、外心が三角形の内部にあることと整合します。これらから内積が計算できます。

ここで の両辺と との内積を取ります。

左辺は 、右辺は なので

同様に両辺と との内積を取ります。

左辺は 、右辺は なので

よって です。

【検算】求めた を使って を計算し、 になるかを確かめます。

確かに と一致しました。座標でも確認できます。 を原点、 より とすると、。その大きさの2乗は で一致し、 とのなす角の余弦は すなわち で、 とも合致します。

【答案の書き方】

最初に「鋭角三角形だから は不適、よって 」と絞り込みの根拠を書くこと。ここを書かずに を使うと、(2)で2つ出した意味が消えてしまいます。中心角を求める際も「円周角と中心角の関係より」の一言を添えてください。内積を取る操作は「両辺と の内積をとると」と明記すれば、以降の式変形は説明不要で通ります。

【背景と一般化】

外心 を始点にすると、 という強い条件が使えるうえ、頂点どうしのなす中心角が円周角から即座に分かります。外心が絡む問題は、外心を始点に取るのが原則です。今回 がともに負になったのは、 の両方と鈍角をなす向き()にあるためで、外心が三角形の内部にあることと対応しています。もし鈍角三角形( の側)なら外心は三角形の外に出て、係数の符号の様子も変わります。

【定石】外心が出たら外心を始点に取る。係数を求めたいときは両辺と基準ベクトルの内積。内積が になる組があれば、連立せずに1つずつ求まる。

【よくあるミス】「鋭角三角形」の条件を使い忘れ、 の両方で答えを出してしまう。あるいは中心角を円周角と同じにしてしまい、 として計算する誤り。中心角は円周角の2倍です。3つの中心角の和が になるかを確かめれば、その場で気づけます。

第4問|分数式が自然数になる条件を、範囲で挟んで絞る

分野:整数 難易度:標準〜やや難 目標時間:23分

【問題】

を自然数とする。

(1) が自然数であるような をすべて求めよ。

(2) が自然数であるような組 をすべて求めよ。

【解答】

(1)

(2)

(1) 「自然数である」を「1以上の整数である」と読み替え、上から押さえる

【問題(再掲)】

を自然数とする。 が自然数であるような をすべて求めよ。

【前提知識】①自然数は 以上の整数。② より大きく より小さい数は自然数ではない。③2次不等式 の解は または

【型】分数式が整数になる条件は「値の範囲を挟んで、候補を有限個にする」型

【なぜこうするか】整数問題で最も使う武器は「範囲で挟む」です。 は無限にありますが、 は分母が2次で分子が1次なので、 が大きくなるとどんどん小さくなり、やがて を下回ります。 より大きく より小さい範囲に自然数は存在しないので、その瞬間から候補は消えます。つまり「値が 以上でいられる は何か」を調べるだけで、無限の候補が有限個に落ちるわけです。約数を書き出す方針でも解けますが、本問は分母が で因数分解できないため、挟み込みのほうがはるかに素直です。

は自然数なので 。したがって です。この値が自然数であるためには 以上でなければなりません。そこで 以上になる条件を調べます。

分母は正なので、不等号の向きを変えずに払えます。

よって は自然数なので候補は の2つだけです。逆に では より となり、 なので自然数にはなりません。

残った候補を実際に確かめます。

どちらも という自然数になりました。よって です。

【別解】相加平均・相乗平均の関係で上から押さえる

分子・分母を で割ると、 と書けます。 なので相加平均・相乗平均の関係より

(等号は 、すなわち のときのみ成立)。分母が大きいほど分数は小さいので

したがって自然数になり得る値は だけです。 を解くと 、すなわち より

この別解の利点は、取り得る値が しかないことを先に確定できる点で、(2)でそのまま効いてきます。一方で本解のほうが不等式を1回解くだけで済み、 の評価も不要です。(1)単独なら本解、(2)まで見通すなら別解——入試場ではこの判断ができると強いです。

【検算】 から まで実際に値を並べます。 以降は単調に減っており、 以上になるのは だけだと目で確認できます。

【答案の書き方】

「自然数だから 以上」という読み替えを明記してから不等式を立てます。この一文が無いと、なぜ を考えたのかが伝わりません。また候補を絞ったあとは、実際に代入して自然数になることを確認する行を必ず入れてください。 は必要条件なので、十分性の確認まで書いて初めて答案が閉じます。

【定石】分数式が整数になる条件は範囲で挟む。値が より大きく より小さいなら自然数ではない。必要条件で候補を絞ったら、必ず代入して十分性を確認する。

【よくあるミス】 の約数であることから約数を書き出そうとして、 を含むため候補が定まらず手が止まる。約数の書き出しは「割る数が定数のとき」の道具で、本問のように文字を含む場合は挟み込みに切り替えます。もう一つは で止めて、代入確認をせずに答えとしてしまうことです。

(2) 和の取り得る範囲を挟み、値が「1か2」しかないことから攻める

【問題(再掲)】

を自然数とする。 が自然数であるような組 をすべて求めよ。

【前提知識】①(1)の別解より 。② が自然数なら (最大は )。③和の範囲が分かれば、取り得る自然数は数個に限られる

【型】2つの分数の和が整数になる条件は「両方の範囲を足して、和の候補を数え上げる」型

【なぜこうするか】未知数が2つあると手が止まりがちですが、それぞれの取り得る範囲を先に押さえれば、和の範囲も決まるという発想で突破できます。(1)の別解で 、また なので、和は 未満。しかも両方とも正なので和は正。つまり和として許される自然数は たった2通りです。あとはこの2つを順に調べればよく、無限の探索が2件の場合分けに変わります。整数問題が「難しい」と感じるのは、範囲を押さえる前に代入を始めてしまうからで、順序を逆にするだけで見通しが立ちます。

とおきます。(1)の別解より、 が自然数のとき

です。また は自然数なので

両者を足すと

したがって が自然数なら、その値は のいずれかです。

[値が の場合]  なので が必要です。ところが となるのは 、すなわち より のときだけで、この範囲に自然数はありません。よって に限られ、(1)より または 。このとき より です。

[値が の場合] このとき

が必要なので 、すなわち自然数では です。このとき

となります。ここで分子を分母で割った形に直します。 なので

したがって

が自然数であるためには が自然数でなければなりません。そこで再び範囲で挟みます。この分数が 以上であるためには 、すなわち

なので と合わせると候補は の3つだけです。順に確かめます。

のとき なので 。自然数でないので不適です。

のとき なので 。自然数なのでします。

のとき なので 。自然数でないので不適です。

よってこの場合は のみ。以上をまとめると

が求める組のすべてです。

【検算】3組すべてを元の式に代入します。 では (自然数)。 では (自然数)。 では (自然数)。3つとも条件をみたしました。除外した組も確認しておきます。 なら で、これが になるには すなわち となり自然数でなく、 になるには で不可能。 なら で不適。 以降は なので の間の非整数になり、やはり不適です。

【答案の書き方】

まず の範囲を明示し、「和は 未満だから、自然数なら 」と候補を2つに絞る宣言をします。ここが答案の骨格で、以降は2つの場合を順に処理するだけです。整数部分を分離する変形も、書いておくと「何が自然数であればよいか」が明確になり、採点者に方針が伝わります。最後は3組すべてを代入して確認した旨を一行添えると万全です。

【背景と一般化】

(1)と(2)は同じ道具を2回使う構成です。どちらも「分数式の値を範囲で挟み、取り得る整数を数個に絞ってから代入する」という手順で、(2)では同じ手順を入れ子で2回適用しています。1回目は の値を に絞る場面、2回目は から に絞る場面です。分子が1次・分母が2次という形は「 を大きくすると に近づく」ため、この挟み込みが常に有効に働きます。京都大学や一橋大学の整数問題でも、同じ構造の出題が繰り返されています。

【定石】複数の分数の和が整数になる条件は、各項の範囲を足して和の候補を数個に絞る。分数を含む式は「整数部分+真分数」に分離すると、何が整数であればよいかが見える。

【よくあるミス】和が の場合だけを考えて を落とす、あるいは逆に の場合だけを考えて を落とす。和の範囲を最初に書いておけば、調べるべき値が の両方だと目に見えます。また の絞り込みで の側を忘れる人がいますが、 との共通部分を取るので影響しません。範囲の共通部分を取る手順を省かないことです。

2016年度 北海道大学 文系数学のまとめ

4題を通して見えるのは、「条件を数式に翻訳し、範囲を押さえてから動く」という一貫した要求です。第1問は「平行」を「傾きが等しい」に、第3問(3)は「外心」を「3頂点までの距離が等しい」に翻訳するところから始まりました。第2問は絶対値の中身が になる点で区間を切り、第4問は値の範囲で候補を有限個に落としました。

いずれも特別な発想は要求されていません。教科書の定理を、条件の形に応じて正しい順序で並べられるかが問われています。逆に言えば、翻訳と範囲設定を飛ばして計算に突入すると、どの問題でも途中で行き詰まります。

復習の際は、各問の【型】と【定石】だけを見て、解答を再現できるかを試してください。再現できない問題があれば、そこが「翻訳」でつまずいている箇所です。

※ 問題は北海道大学が実施した2016年度(平成28年度)前期日程 入学試験(数学・理系)から、解説に必要な範囲で引用・要約しています。解答・解説・図版はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、北海道大学の公式解答ではありません。答えは別資料の解答例とも全5問・全小問について一致を確認しています。

2016年度 北海道大学 理系数学の全体像(大問5題・120分)
  • 第1問 複素数平面と絶対値の最小(2小問):円周上を動く に対する の最小。展開すると虚部の情報が消えて実部 だけの2次関数になる設計で、あとは軸と区間の位置関係です。
  • 第2問 積分方程式(2小問) が積分の中に入っている関数方程式。「定積分は定数」という一点を見抜けば、教科書の部分積分に落ちます。
  • 第3問 メダルの色の確率(3小問):何を根元事象にするかのモデル化が主役。最後は条件付き確率で、表を書いて数え切る腕力が問われます。
  • 第4問 3次方程式と数列の融合(3小問):解 の対称式で定義された数列がすべて整数になることの証明。「解である」=「代入すると0」を係数の縦の和に使う、北大らしい思考型の問題です。
  • 第5問 空間の2直線と球面・軌跡(3小問):ねじれの位置にある2直線に接する球面の中心の軌跡が放物線になる。垂線の足→距離の等式→平方完成と、誘導が一本道に敷かれています。
  • 120分で5題、1題あたり24分。第3問(3)と第4問(3)以外は方針が立てば手が止まらない構成なので、前半の計算精度がそのまま合否を分けます。

第1問|円周上の点 に対する の最小値

分野:複素数平面・2次関数 難易度:標準 目標時間:22分

【問題】

複素数平面上の点 を中心とする半径 の円 上に点 がある。 を実数の定数とし、 とおく。

(1) の実部 を用いて表せ。

(2) 点 上を一周するとき、 の最小値を を用いて表せ。

【解答】

(1)

(2) の最小値は次のとおり。

(1)  とおき、 を消す

【問題(再掲)】

のとき、 の実部 で表せ。

【前提知識】①複素数 は実数)の絶対値の2乗は 。② のこと。③

【型】複素数の絶対値は、実部 ・虚部 に分けて を作る型

【なぜこうするか】問題文が「実部 を用いて表せ」と指定しています。これは とおいて展開し、 は条件 で消せ」という手順の指定そのものです。極形式 でも解けますが、答えの変数が と指定されている以上、最初から で進むのが素直です。展開後、 の形でしか現れないことを確認できれば、 の代入だけで終わります。

は実数)とおきます。 を計算します。

実部と虚部に整理します。

したがって

ここで より 、すなわち です。まず実部の中身に代入すると

となるので

前半を展開します。 の公式で とすると

後半も展開します。

2つを足すと、 の項は の項は で消え、 の項は の項は となります。

4次と3次が両方消えて、2次式に落ちました。

【検算】円周上の具体点で確かめます。)なら 。公式に を入れると で一致。)なら 。公式に を入れても で一致します。 の点でも合うことの確認が効きます。

【答案の書き方】

は実数)とおく」の宣言と、「 より 」の変換を必ず書きます。展開はそのまま書き下してよいですが、4次・3次の項が消える行は省略しないでください。ここが消えるからこそ (2) が2次関数の問題になる、という論理の要だからです。

【背景と一般化】

高次の項が消えたのは偶然ではありません。 で計算すると が定数なので、 のように高次の積が全部定数に化けるのです。さらに なので、残る変数が実部 だけになることも の計算から直接見えます。実際 で整理すると同じ式が出ます。共役を使う計算は北大理系で繰り返し出ているので、両方の道を知っておく価値があります。

【定石】「実部 で表せ」は「 とおいて を条件式で消せ」という手順指定。円 上では が常に使える。

【よくあるミス】虚部を とすべきところを のまま2乗して展開し、計算量を倍にしてしまう。共通因数 で括ってから2乗するだけで手数が半分になります。また と符号を誤る例(正しくは )も頻出です。

(2)  の動く範囲は 。あとは軸と区間の位置関係

【問題(再掲)】

上を一周するとき、 の最小値を を用いて表せ。

【前提知識】①区間上の2次関数の最小は「軸が区間の左・中・右」の3パターン。② の正負で外し方が変わる)。③ なので、 が最小のとき も最小。

【型】「2乗が2次関数」の最小は、まず の最小を求めてから を付ける型

【なぜこうするか】(1)で だけの2次関数になったので、最小値問題は「区間 上の2次関数の最小」に完全に置き換わります。 の範囲が になる根拠は です。逆に、この範囲のどの に対しても円周上の点が実在する が取れる)ので、範囲の両端まで使い切れます。あとは頂点(軸 )が区間の左外・中・右外のどこにあるかで3つに割り、最後に を付けるときの絶対値を外して5つに整理します。

とおき、平方完成します。

より の動く範囲は です。軸は なので、区間との位置関係で分けます。

(イ)、すなわち のとき。区間内で は増加するので最小は左端 です。

よって の最小値は です。

(ロ)、すなわち のとき。最小は頂点で

この範囲では なので、 の最小値は です。

(ハ)、すなわち のとき。最小は右端

よって の最小値は です。

最後に絶対値を外します。(イ)では の中で の符号が変わり、 となるのは 。よって 。(ハ)でも同様に で分かれて、。まとめると【解答】の5つの場合になります。

【検算】まず境目の連続性です。 で(ロ)は 、(ハ)は で一致。 では が一致。次に具体値です。 なら公式は 。直接確かめると で、 が半径2の円を一周すると は半径4の円を一周するので、 の最小は のときの 公式を使わない別ルートで同じ3が出ました。さらに なら公式は 。このとき最小を与えるのは 、つまり で、。これも一致します。

【答案の書き方】

より 、逆にこの範囲の任意の に対して 上の点が存在する」——範囲の必要十分をひとことで押さえてから場合分けに入ります。3つの場合分けで答えてから絶対値を外して5つに直す、という2段構えの書き方が読みやすく、絶対値のまま「」で答えても減点はされにくいですが、「 を用いて表せ」への答えとしては外し切った形が誠実です。

【背景と一般化】

答えの5つの式は に変えると互いに入れ替わる形( の偶関数)になっています。理由は対称性です。 で不変で、 の範囲 で不変。だから最小値は の偶関数でなければならないのです。計算を終えたあとにこの対称性で全体を見直すと、5つの場合の対応関係(1番目と5番目、2番目と4番目)が崩れていないかを一目で点検できます。

【定石】「2乗」が2次関数になったら、最小は軸と区間の位置関係で3分割。 の外し忘れと外し損ないが最後の関門。

【よくあるミス】 の最小値をそのまま答えてしまい を忘れる。また(イ)の から と書いてしまう誤り——この範囲では なので が負になり得ます。 は機械的に と書いてから符号を調べる癖をつけてください。

第2問|積分方程式——「定積分は定数」の一点突破

分野:積分法(数学Ⅲ) 難易度:標準 目標時間:22分

【問題】

に対し、関数

をみたすとする。

(1) を求めよ。

(2) において、 の最小値とそのときの の値を求めよ。

【解答】

(1)

(2) のとき最小値

(1) 積分の中の は「定数 」と名付けて外に出す

【問題(再掲)】

をみたす を求めよ。

【前提知識】①積分変数は なので、 を含む 積分の中では定数。②定積分 は( を固定すれば)ただの数。③奇関数の対称区間の積分は 。④ の組合せで の原始関数が作れる。

【型】積分方程式は「定積分を とおいて のような「既知の関数+定数」の形にし、 の方程式を立てる」型

【なぜこうするか】未知の関数 が積分の中にいるままでは手が出ません。しかし積分区間 から は定数なので、正体不明でもただの定数です。定数なら名前を付けられる—— とおけば という形が確定し、未知関数の問題が未知数1個の問題に格下げされます。あとはこの の定義式に代入し直して、 についての方程式を解くだけです。なお に付いている は、区間の幅 と打ち消し合ってちょうど が残るように仕込まれた係数です。

積分変数は なので、 は定数として外に出せます。

そこで

とおくと( は定数)、

と書けます。これを の定義式に代入します。 なので

は奇関数なので 。したがって右辺の の項が消えて

と、方程式を解くまでもなく直接決まる形になりました。この積分を計算します。導関数を2本並べて足します。

辺々を足すと右辺の の項が消えて

すなわち の原始関数は です。よって

端の値を入れます。 では では より です。

したがって

です。

【検算】 を小さくして確かめます。 のとき定義から のはずです。求めた式で と近似すると、 となり整合します。また求めた をもとの方程式の右辺に入れ直すと、第1項から 、第2項から が出て左辺の に戻ることも、上の計算がそのまま逆向きに読めることから確認できます。

【答案の書き方】

は定数なのでこれを とおく」の一文が答案の背骨です。また を使う箇所には「 は奇関数だから」と根拠を書きます。原始関数は、答案では を微分で示してから使えば、部分積分を2回書くより短く、しかも検証可能です。

【別解】部分積分を2回まわす

に部分積分を2回適用すると の形から が再登場し、 が得られます。結果は同じですが、途中の符号ミスが起きやすい道です。指数×三角の積分は「導関数2本を足し引きして目的の形を作る」方が速く、符号の管理も楽なので、本解ではそちらを採りました。どちらも書けるようにしておき、試験場では速い方を選んでください。

【背景と一般化】

この積分方程式は、未知関数が右辺に現れていても、その現れ方が「定積分という1個の数」に限られるよう設計されています。一般に なら、積分全体を とおいて とし、定義へ戻せば の一次方程式になります。本問ではさらに、区間幅 と係数 が打ち消し合い、対称区間と奇関数 によって を含む項まで消えます。係数と区間が不自然に整っているときは、出題者がどの項を消そうとしているかを見ると方針を先読みできます。

【定石】積分方程式は定積分に名前を付けて定数扱い。対称区間なら偶奇性で消える項を先に消す。 の原始関数は

【よくあるミス】 を積分変数と混同して を計算してしまう(積分変数は 、式にあるのは )。また の代入で の符号を落とし、 の第2項の符号を誤る例が非常に多いです。

(2) 。閉じた式を微分して増減表

【問題(再掲)】

において の最小値とそのときの を求めよ。

【前提知識】①(1)の がそのまま 。②積の微分 。③)。④増減表による最小値の決定。

【型】積分で定義された関数の最小は「閉じた式に直してから微分」する型

【なぜこうするか】 は (1) で計算した と同じものなので、すでに閉じた式を持っています。積分記号のまま微分する方法(積分区間の端の微分)もありますが、被積分関数の中に が入っていて 自身も に依存するため、かえって煩雑です。手元にある閉じた式を微分するのが最短。微分後は「符号が読める形」まで因数分解するのが目標で、実際 (正)と (符号が変わる)の積という、これ以上ないほど読みやすい形になります。この綺麗さは偶然ではなく、出題者が (2) を成立させるために (1) の被積分関数を設計した結果です。

(1)より

第1項を微分します。積の微分で

中括弧の中は なので、第1項の微分は です。第2項も同様に

したがって

では なので 。よって の符号は の符号と一致します。 だから (減少)、 だから (増加)。増減表より で最小です。最小値は

を入れると

です。

【検算】数値で最小性を見ます。。比較のため を計算すると、 より 。また 。確かに の値が最も小さくなっています。さらに で、増減の向きも表と一致します。

【答案の書き方】

)だから の符号は と同じ」——符号を担う因子を分離して宣言するのが答案の核です。増減表は の3列で十分。定義域の左端 は含まれない()ので、表では のように括弧を付けて開端であることを示すと丁寧です。右端 は含まれますが増加の途中なので最小の候補になりません。

【背景と一般化】

は双曲線関数 で、答えは と書けます。 という形は「指数の重み を掛けた の振動」で、 は振動しながら振幅が指数的に膨らむ関数です。最小が の最初の半周期の終わり)に来るのは、 が正である区間 のあいだ積分が減り続け、それ以降は増える一方だから——積分の中身 の符号を思い浮かべると、微分計算の結果が直観とも一致します。

【定石】導関数は「正の因子×符号の変わる因子」に分離して符号だけ読む。 で常に正——この一言が増減表を支える。

【よくあるミス】積の微分で の後半 と誤る符号ミス。また最小値を問われているのに だけ答えて値 を書き忘れる(またはその逆)例が目立ちます。「最小値と、そのときの 」の2点セットで答えてください。

第3問|メダルの色の確率——モデル化と条件付き確率

分野:確率 難易度:やや難 目標時間:25分

【問題】

机のひきだし に3枚のメダル、ひきだし に2枚のメダルが入っている。ひきだし の各メダルの色は金、銀、銅のどれかであり、ひきだし の各メダルの色は金、銀のどちらかである。

(1) ひきだし のメダルの色が2種類である確率を求めよ。

(2) ひきだし をあわせたメダルの色が2種類である確率を求めよ。

(3) ひきだし をあわせてちょうど3枚の金メダルが入っていることがわかっているとき、ひきだし のメダルの色が2種類である確率を求めよ。

【解答】

(1)   (2)   (3)

(1) 根元事象を決める——メダルを区別して 通り

【問題(再掲)】

ひきだし のメダル3枚(各メダルは金・銀・銅のどれか)の色がちょうど2種類である確率を求めよ。

【前提知識】①確率は「同様に確からしい根元事象」を数えて分子÷分母。②メダルは区別して数える(区別しないと同様に確からしくならない)。③組合せ

【型】「各対象が独立に色を取る」設定は、対象を区別して色の並びを根元事象にする型

【なぜこうするか】この問題の最初の関門は計算ではなくモデル化です。「各メダルの色は金、銀、銅のどれか」という文は、各メダルが独立に等確率でどれかの色を取る、と読むのが自然な解釈です。すると根元事象は「メダル1枚ごとの色の割り当て」で、 通り、 通り、これらがすべて同様に確からしい。ここで色の組合せ(金2銀1、など)を根元事象にすると等確率でなくなり全滅します。「金金金」は1通りですが「金銀銅」は並べ方が6通りあるからです。

の3枚を区別すると、色の割り当ては全部で 通りで、すべて同様に確からしいとします。色がちょうど2種類になる割り当てを数えます。

使う2色の選び方が 通り。選んだ2色のうちどちらが2枚になるかが 通り。その色になる2枚のメダルの選び方が 通り。よって

したがって求める確率は

です。

【検算】余事象で数え直します。色が1種類なのは「金金金」「銀銀銀」「銅銅銅」の 通り。3種類なのは金銀銅の並べ方で 通り。よって2種類は 通りで一致。分類(1種類・2種類・3種類)の合計が全体 に戻ることまで確かめられるので、この検算は強力です。

【答案の書き方】

冒頭に「 の3枚のメダルを区別すると、色の決め方は 通りで、これらは同様に確からしい」と確率モデルの宣言を書きます。これが無いと、以降のすべての計算の分母の根拠が不明になります。北大がこの問題で見たいのは、まさにこの一文を書けるかどうかです。

【背景と一般化】

これは「異なる 個の対象を、 色で塗る」ときの基本模型です。使う色がちょうど2種類なら、2色の選び方が 通り、選んだ2色による塗り分けが 通り、そこから単色2通りを除くので、個数は です。本問は だから 。公式を先に覚える必要はなく、「使う色を選ぶ」「全対象へ割り当てる」「使われなかった色がある配置を除く」という三段を再現できれば、色数や枚数が変わっても解けます。

【定石】確率の第一手は根元事象の宣言。対象は必ず区別する。「ちょうど 種類」は(色の選び方)×(枚数配分)×(どの対象がどの色か)の三段で数える。

【よくあるミス】色の組合せ「金金金・金金銀・…」の10通りを等確率とみなし、分母を にして数える誤り。組合せごとに並べ方の数が違うので等確率になりません。「同様に確からしいか?」を分母を書くたびに自問することです。

(2) 「あわせて2種類」は使う2色で3つに割り、単色をひく

【問題(再掲)】

(3枚:金銀銅)と (2枚:金銀)をあわせた5枚の色がちょうど2種類である確率を求めよ。

【前提知識】①全体は 通り。②「ちょうど2種類」=「その2色以内におさまる」-「1色だけ」。③ に銅は入らないという非対称性に注意。

【型】「ちょうど の色」は「 以内」から「真部分集合以内」をひく型(包除の基本形)

【なぜこうするか】「ちょうど金と銀の2色」を直接数えるのは、金銀の混ざり方が多くて面倒です。そこで「全部が金か銀」( 色以内)を数えてから、「全部金」「全部銀」をひく——この以内から単色をひく数え方なら各項が積の形で一瞬で出ます。もう1つの要点は色の対の選び方です。2色の対は金銀・金銅・銀銅の3つですが、 は金銀しか取れないので、銅を含む対では の色が強制されるという非対称が生じます。3つの場合を同じ式で処理しようとせず、対ごとに丁寧に数えるのが安全です。

全体は 通りです。使われる2色の対で場合分けします。

(イ)金と銀のとき。 の各メダルは金か銀で 通り、 通り。積 通りから、5枚全部が金( 通り)と全部が銀( 通り)をひいて

(ロ)金と銅のとき。銅は にしか入れないので、 の2枚は両方とも金に確定します(銀が入ると3色目になる)。 の各メダルは金か銅で 通り、そこから5枚全部が金になる 通り( が金金金)をひいて

(ハ)銀と銅のとき。(ロ)と同様に は銀銀に確定し、 通り。

3つの場合は使う色の対が違うので互いに重複しません。合計 通り。よって

です。

【検算】1種類・2種類・3種類の全数が に戻るかを見ます。1種類は5枚全部金・全部銀の 通り。3種類は「金銀銅が全部現れる」なので包除原理で数えると、(銅が無い 通り)+(金が無い: が銀銅で が銀銀で 、計 )+(銀が無い )から重複(金銀とも無い 、金銅とも無い )を戻して、 通り。合計 ぴったり全体に戻りました

【答案の書き方】

「(ロ)では の2枚は金に限られる」の理由(銅は に入らず、銀が入ると3色になる)を明記します。ここを黙って 通りとすると、読み手には天下りに見えます。(イ)(ロ)(ハ)が排反であることも「使われる色の対が異なるから」と一言添えると論理が閉じます。

【背景と一般化】

(1)との違いは、対象ごとに許される色が同じではないことです。こうした問題では「使う色の集合」を先に固定し、各対象がその集合の中で何通り選べるかを掛けます。金銀の対なら も2択ですが、金銅の対なら は金の1択です。色の対を3つ用意したのに、1つだけ30通り、残りが7通りずつになる非対称性こそ出題の仕掛けです。選択肢の表を作り、行ごとに「許される数」を掛ける考えは、カード・服装・経路の制約付き数え上げにもそのまま使えます。

【定石】「ちょうど2色」=「2色以内」-「単色」。対象ごとに取れる色が違う問題では、色の対ごとに制約を確認してから数える。分類の合計が全体に戻るかで自己検証。

【よくあるミス】(イ)で単色のひき忘れ( のまま足す)。(ロ)(ハ)で 通りのまま掛けてしまい、銅を含む対なのに に銀(または金)が混ざって3色になる割り当てを数え込んでしまう誤り。「この対のとき は何通りか」を場合ごとに言い直すことで防げます。

(3) 条件付き確率は「新しい全体」の中で数え直す

【問題(再掲)】

あわせてちょうど3枚が金メダルだとわかっているとき、 の色がちょうど2種類である確率を求めよ。

【前提知識】①条件付き確率 (根元事象が等確率のとき)。②「ちょうど3枚の金」は「3枚以上」ではない。③金の枚数の内訳は( の金, の金) の3通り( は2枚しかないので は不可能)。

【型】条件付き確率は「条件をみたす割り当てをすべて列挙し、その中で分子を数える」型

【なぜこうするか】条件付き確率でつまずく人の多くは、公式 に確率のまま値を入れようとして分数計算で迷子になります。根元事象が等確率なら、確率の比は場合の数の比です。だから「金がちょうど3枚」という条件をみたす割り当てを全部列挙して新しい全体とし、その中で「 が2色」のものを数えれば終わり。列挙は( の金の枚数, の金の枚数)で骨組みを作り、金でない残りのメダルの色で枝分かれさせるのが漏れのない進め方です。

金の枚数の内訳は の3通りです。金でないメダルの色まで含めて、割り当ての数を表にします。メダルはすべて区別して数えます。

内訳 =金金金( 通り)、=銀銀( 通り)——計 通り。 は1色。

内訳 は金2枚と、残り1枚が銀か銅。金になる2枚の選び方 、残りの色 通りで 通り。 は金1銀1で、どちらのメダルが金かで 通り。計 通り。このうち が「金金銀」型( 通り)も「金金銅」型( 通り)も2色なので、 通りすべてで は2色です。

内訳 =金金( 通り)。 は金1枚(選び方 通り)と、残り2枚がそれぞれ銀か銅( 通り)で 通り。残り2枚の内訳で分けると、銀銀が 通り、銅銅が 通り、銀銅が 通り。 の色は、銀銀なら金銀の2色、銅銅なら金銅の2色、銀銅なら金銀銅の3色。よって2色になるのは 通り、3色が 通りです。

条件をみたす全体は

そのうち が2色なのは

したがって求める条件付き確率は

です。

【検算】定義に戻します。全事象 通りの中で「金がちょうど3枚」は 通りなので 、「かつ が2色」は 通りで 。比を取ると で一致します。また 通りの内訳を の色数で仕分けると、1色が (金金金)、2色が 、3色が (金銀銅)で合計 仕分けの合計が全体に戻ることも確認できました。

【答案の書き方】

内訳 の3行を柱にしたを書くのが最も伝わります。各行に「 の構成」「 の構成」「場合の数」「 の色数」を並べれば、分母 ・分子 が表から直接読める。最後は「条件付き確率の定義より 」で締めます。 が不可能である理由( は2枚)も一言あると漏れの無さが伝わります。

【背景と一般化】

(1)で が2色である確率は でしたが、「金が3枚」と知った後は に上がりました。金が3枚もあるという情報は、 に金が多いこと、つまり色が偏っていることを示唆しそうなのに、実際には2色の確率を押し上げる——条件付き確率は直観とずれることがある、という好例です。ずれの原因は、金3枚の内訳として最も多いのが (各 通り)で、これらが に金以外の色を強制または許容するためです。数えた表がそのまま直観の修正装置になっています。

【定石】条件付き確率は条件をみたす割り当ての列挙表を作り、場合の数の比で出す。列挙の骨組みは「枚数の内訳」、枝は「残りの色」。

【よくあるミス】「ちょうど3枚」を「3枚以上」と読み、=金金金・=金銀のような4枚金の割り当てを混入させる。また内訳 の銀銅型( が金銀銅の3色)を2色に数え込む誤り。 の色数」を表の独立した列にすると、この2つのミスは表の上で見えるようになります。

第4問|3次方程式の解の対称式で作る数列——整数性の証明

分野:微分・数列・整数の融合 難易度:やや難 目標時間:27分

【問題】

(1) 次の方程式が異なる3つの でない実数解をもつことを示せ。

(以下、この方程式を①とよぶ)

(2) 方程式①の3つの実数解を とし、数列

)によって定める。このとき

が成り立つことを示せ。

(3) (2)の がすべて整数であることを示せ。

【解答】

(1) 極大値と極小値の積が負()であることと から示される。

(2) 左辺を ごとにまとめると、各項に因数 も同様)が現れて になる。

(3) と、(2)の漸化式 による数学的帰納法で示される。

(1) 解の個数は「極値の積の符号」。無理数の極値は余りで評価する

【問題(再掲)】

が異なる3つの でない実数解をもつことを示せ。

【前提知識】①3次方程式が異なる3実数解をもつ 極大値×極小値 。② で割った余りを とすると、 なら 。③解と係数の関係。

【型】極値を取る が無理数のときは「 で割った余り」に代入する型

【なぜこうするか】 の解は と無理数です。これを の3次式に直接代入すると の3乗の計算になり、時間もミスも増えます。そこで と割り算しておけば、極値を取る点 では なので ——3次の計算が1次の計算に化けます。さらに極大値と極小値の「積」を取れば、 の対称式になって解と係数の関係が使え、 が一度も現れずに済みます。

とおくと の判別式は なので、異なる2つの実数解 をもち、 で極大、 で極小になります。解と係数の関係より

次に で割ります。実行すると商が 、余りが となり

なので

積を作ります。

解と係数の関係の値を代入すると、中括弧の中は

となるので

極大値と極小値が異符号なので、 軸と異なる3点で交わり、①は異なる3つの実数解をもちます。さらに なので は解ではありません。以上で示されました。

【別解】中間値の定理で区間を挟む

。符号が と3回変わるので、 に1つずつ、合わせて3つの実数解があります(3次方程式の解は高々3つなので「異なる3つ」もこれで確定)。どの区間も を内部の解として含まない形に取れており、 と合わせて でないことも言えます。

計算はこちらが圧倒的に速いです。ただし評価点 を「探す」工程があり、うまい点がすぐ見つかる保証はありません。極値の積の方法は探索が不要で、どんな係数でも同じ手順で通る汎用性があります。試験場では、まず整数点をいくつか代入してみて符号が3回変われば別解で終わらせ、変わらなければ本解に切り替える——この順番が現実的です。

【検算】実際の解のおよその値は です(それぞれ などで確認できます)。3つとも でなく、相異なることが数値でも裏付けられます。

【答案の書き方】

本解を書く場合、割り算の結果 検算可能な形で明示します(右辺を展開すれば に戻ることが読み手に見える)。「極大値×極小値 だから3実数解」の論法は既知として使ってよいですが、「 が異なる2実数解をもつ」ことの確認(判別式)を先に置くのが順序です。 でないことは の一行を忘れずに。

【背景と一般化】

多項式を導関数で割る方法は、極値の座標を直接代入せずに極値だけを評価する一般技法です。 とすれば、停留点では必ず になり、3次式なら余りは高々1次式まで下がります。本問では二つの停留点での余りの積が負になるよう係数が設計され、無理数 を展開せずに3交点を証明できます。「汚い解を求める」のではなく「その解が満たす低次の関係へ戻す」視点は、接線・重解・パラメータ付き方程式でも計算量を大きく減らします。

【定石】極値を取る が汚いときは で割った余りに代入。極値の積は対称式になるので解と係数の関係で を出さずに済む。

【よくあるミス】 でない」の確認漏れ。問題文がわざわざ「 でない実数解」と言うのは、(2)以降で のような形を安心して扱うため(そして の一行を書かせるため)です。また割り算の余りの符号ミスは即致命傷なので、1点代入(例:、右辺 )で確かめてから先へ進んでください。

(2) 「解である」=「代入すると 」を、縦にまとめて使う

【問題(再掲)】

)を示せ。

【前提知識】 が①の解 。②指数法則 。③3つの分数の和は、同じ分母をもつ項どうしを縦にまとめると見通せる。

【型】解 のべき乗の式は「方程式の係数どおりに組み合わせて を作る」型

【なぜこうするか】示すべき式の係数 は、方程式①の係数 同じ並びです。これは偶然ではなく、 の1次結合だから、 を作ると各文字の項に )が共通因数として現れる、という仕組みです。だからやるべきことは、4つの を定義式で書き並べ、 の項・ の項・ の項ごとに縦へまとめること。展開でも帰納法でもなく、整理だけで証明が終わります。

定義より、左辺の を含む項だけを集めると

ここで は方程式①の解なので 。よってこの項は です。まったく同様に、 を含む項は

を含む項は

となります。3つの和が左辺そのものなので

が成り立ちます。なお (1) より は相異なるので分母は でなく、 のとき で、 だからこれも問題ありません。

【検算】およその値 を直接計算すると 。一方、後で求める と漸化式から 数値と漸化式が同じ値を出すので、整理にミスが無いことが確かめられます。

【答案の書き方】

「左辺のうち を含む項をまとめると」と宣言してから1本の分数式を書き、「 は①の解だから分子の括弧は 」で切る——これを について「同様に」で流せば、答案は10行足らずで済みます。分母が でないこと( 相異なる)への言及を忘れずに。

【背景と一般化】

この仕組みは「方程式の解のべき乗から数列を作ると、その方程式と同じ係数の漸化式を満たす」という一般原理です。たとえば の解 なら、両辺へ を掛けて が得られます。本問は3次版で、 の各列が同じ漸化式を満たすため、その1次結合である も同じ漸化式を満たします。示すべき係数列が元の多項式と一致しているのは、方針を知らせる問題文の伏線です。

【定石】解のべき乗が並んだら、方程式の係数と同じ組合せを作って を出す。「解である」という条件の使い道は「代入すると 」ただ1つ。

【よくあるミス】 の分子が ではなく であることを見落とし、まとめたときの指数がずれる。最高次の項 の分子は ——ここを最初に確認してから縦にまとめてください。

(3) 最初の3項を計算し、漸化式で整数性をつなぐ

【問題(再掲)】

がすべて整数であることを示せ。

【前提知識】①(2)の式を変形した 。②整数の和・差・整数倍は整数。③3項間ならぬ4項間の漸化式なので、帰納法は「連続する3項」を仮定する。

【型】漸化式による整数性の証明は「初期値を確かめ、連続 項仮定の帰納法でつなぐ」型

【なぜこうするか】 の定義式は無理数 の分数の和で、見た目はまるで整数に見えません。しかし (2) の漸化式は整数係数なので、「連続する3項が整数なら次も整数」が自動的に成り立ちます。残る仕事は出発点、つまり が整数であることの直接計算だけです。ここは通分の計算になりますが、分母 に対して分子がどう畳まれるかを見る、対称式の基本練習でもあります。

まず を計算します。 のとき分子はすべて です。

3つの分数を分母 で通分します。第1項は分子分母に を、第2項には を、第3項には を掛ける形になり、分子の和は

よって です。次に (分子は )も同じ通分で、分子の和が

よって 。最後に (分子は )は、分子の和が

となります。これを因数分解します。 のどの2文字を入れ替えても符号が変わる交代式なので、 を因数にもち、次数を比べると定数倍。 の係数を比べると、この式は

と分かります(右辺を展開して確かめられます)。分母と一致するので です。

以上で はすべて整数です。あとは帰納法です。(2)より

ある について がすべて整数だと仮定すると、右辺は整数の和・差・整数倍なので も整数です。 の場合の仮定( が整数)は直接計算で確かめてあるので、数学的帰納法により、すべての自然数 は整数です。

【検算】漸化式で先へ進めると 。一方、 で定義式を直接計算すると となり、丸め誤差の範囲で漸化式の値と一致します。整数性が数値の上でも目に見えます。

【答案の書き方】

帰納法の仮定は「 で成立」と3項ぶんを明示します。1項だけ仮定する普段の型のまま書くと論理が通りません。また出発点も だけでなく の3つすべてを確かめる必要があります——漸化式が最初に使えるのは からだからです。 の交代式の因数分解は「交代式だから で割り切れ、次数比較で定数倍、係数比較で 」という論法を書くか、素直に展開して示すかのどちらかを選びます。

【背景と一般化】

この はラグランジュ補間や部分分数分解に現れる「差分商」と呼ばれる量で、 の部分分数分解の係数たちの和とも読めます。整数になる深い理由は、 が「 の対称式」であり、対称式は解と係数の関係を通じて方程式の係数(整数)だけで書けるからです。さらにこの方程式 の解は実は ——正七角形にひそむ角度たちです。北大は「きれいな解をもたない方程式」をわざわざ選んだのではなく、七角形由来の由緒正しい無理数を選んでいた、というわけです。

【定石】4項間漸化式の帰納法は初期3項+連続3項仮定。無理数の対称式が整数になるのは「対称式は係数で書ける」から——見た目に騙されない。

【よくあるミス】初期値を しか確かめずに帰納法を回す( が抜けると が出せません)。 の通分で符号を1か所落として としてしまう例も多く、その場合は検算(数値代入か、漸化式との突き合わせ)で気づけます。

第5問|2直線に接する球面の中心の軌跡が放物線になる

分野:空間ベクトル・軌跡 難易度:やや難 目標時間:25分

【問題】

空間の2点 を通る直線を とし、2点 を通る直線を とする。 を定数として、 上にも 上にもない点 を考える。

(1) から に下ろした垂線と の交点を とし、 から に下ろした垂線と の交点を とする。 の座標をそれぞれ を用いて表せ。

(2) を中心とし、 がともに接するような球面が存在するための条件を の関係式で表せ。

(3) と定数 が(2)の条件をみたすとき、平面上の点 の軌跡が放物線であることを示し、その焦点と準線を を用いて表せ。

【解答】

(1)

(2)

(3) 軌跡は放物線で、焦点 、準線

(1) 垂線の足は「直線上の点を1文字で表し、方向ベクトルとの内積を にする」

【問題(再掲)】

から を通る)への垂線の足 を通る)への垂線の足 を求めよ。

【前提知識】①直線 上の点は と1文字で書ける。②垂直 内積 。③

【型】垂線の足は「媒介変数 で直線上の点を置き、方向ベクトルとの内積 を決める」型

【なぜこうするか】空間で「垂線の足」を図形的に探すのは無理があります。ベクトルなら手順は完全に機械化できて、①足を で置く、② を作る、③方向ベクトルとの内積を とおく、の3手で必ず終わります。未知数は の1つ、方程式も1本——過不足がありません。 の方向は 、つまり 軸に平行なので、計算する前から「 と同じ高さ の点 になるはず」と予測が立ちます。計算結果がこの予測と合うかどうかが、その場での検算になります。

なので、 上の点 は実数 を用いて

と書けます。 の内積を とおくと

すなわち より

よって

です( 座標は )。同様に なので 上の点 と書け、 の内積は 。これが だから

です。

【検算】 は予測どおり と同じ高さになりました。 の方は内積を取り直します。 で、 成分と 成分がちょうど符号違いなので との内積は確かに 。具体点でも見ます。 上なので除外されますが、 なら 。実際、 から への垂線の足が であることは から直接わかります。

【答案の書き方】

上の点だから実数 を用いて と表せる」——1文字で置ける根拠(直線上の点である)を言ってから置きます。内積計算は成分を縦に並べると符号ミスが減ります。 側は「 軸に平行なので」と幾何的な一言を添えると、 という結果の必然性が伝わります。

【背景と一般化】

直線を と書くと、点 からの垂線の足は を満たします。これを解けば一般に 。つまり本問の計算は、ベクトルを直線方向とそれに垂直な方向へ分ける操作です。公式を答案へ突然書くより、本解のように「直線上に置く→内積0」と導けば安全ですが、検算ではこの一般式へ代入して同じ が出るかを見ると二重に確認できます。

【定石】垂線の足は置いて・引いて・内積0の3手。方向ベクトルが座標軸に平行なら、足の座標は計算前に予測できる。

【よくあるミス】 座標を のまま書いてしまう( を通るので )。また の向きで作って符号が全部逆になる例——内積を とおく分には結論は変わりませんが、(2)で成分を使い回すときに事故のもとになります。

(2) 「2直線に接する球面がある」「中心から2直線への距離が等しい」

【問題(再掲)】

を中心とし、 がともに接する球面が存在する条件を の関係式で表せ。

【前提知識】①球面が直線に接する 中心から直線への距離=半径。②中心から直線への距離=垂線の足までの距離 。③2乗の等式にすれば根号が消える。

【型】「接する球面が存在する」は「距離の等式 」に翻訳する型

【なぜこうするか】球面は中心と半径で決まります。中心は と指定済みなので、自由に選べるのは半径 だけ。 に接するには から への距離 に接するには から への距離 が必要で、両方を同時にみたす が存在する条件は2つの距離が等しいこと、それだけです。距離は(1)で求めた垂線の足までの長さそのもの。つまり(1)は、この等式を立てるための部品を先に作らせる誘導でした。 にも にも無いという条件は、距離が正、すなわち半径が正の球面が本当に取れることを保証しています。

求める条件は 、2乗して です。(1)の成分から

ここで なので、後ろ2項は等しく

一方

等しいとおいて両辺を2倍します。

左辺の2乗を展開すると 、右辺は が両辺から消え、整理すると

が求める条件です( を使いました)。

【検算】 のとき条件は 、すなわち を選ぶと 。距離を直接測ると、。確かに等距離で、半径 の球面が2直線に接します。

【答案の書き方】

「球面が直線に接する 中心から直線への距離が半径に等しい。よって求める条件は 」——翻訳の1行を必ず書きます。これを飛ばして距離の計算から始めると、なぜその等式なのかが採点者に伝わりません。2乗の展開は をひとかたまりの文字と見て進めると、文字3つの展開に迷いません。

【背景と一般化】

二つの直線から等距離にある点全体は、「その点を中心として両方へ同じ半径で接する球面を作れる中心の軌跡」です。距離を二乗して差を取ると、両方に共通する2次項が消え、本問では が消えて について1次の関係になります。これは偶然の約分ではなく、距離の二乗どうしを引くと共通の平方項が消えるという、垂直二等分面や放物線の方程式と同じ設計です。接触条件を軌跡へ読み替えると、(3)で現れる二次曲線の形も予測しやすくなります。

【定石】「接する」は距離=半径に翻訳。半径が消去できる設定(共通の半径)では、条件は距離どうしの等式になる。

【よくあるミス】 の後ろ2項をそれぞれ展開して4倍の計算量をかける(2つは同じ値です)。また「接する」を「交わる」と混同し、不等式(距離≦半径)を立ててしまう誤り。接する=ぴったり1点で触れる=等式です。

(3) 平方完成して「 の平行移動」と読む

【問題(再掲)】

(2)の条件をみたす点 の軌跡が放物線であることを示し、焦点と準線を で表せ。

【前提知識】①放物線の標準形 の焦点は 、準線は 。②平行移動 で焦点も準線も同じだけ動く。③本問の平面は横軸 ・縦軸

【型】2次曲線の正体は「平方完成して標準形+平行移動」に直して読む型

【なぜこうするか】(2)の式は について2次、 について1次です。2次の文字が1つ、1次の文字が1つ——この組合せは必ず放物線になります(両方2次なら円・楕円・双曲線の候補)。証明の作法としては、 を平方完成して の形に直せば「標準形 を平行移動したもの」と言い切れて、焦点・準線は標準形のものを同じベクトルだけ動かすだけです。焦点を公式暗記で と書いて終える誤りが多発する問題なので、「平行移動を焦点にも適用する」ことを意識の中心に置いてください。

(2)の条件を について平方完成します。

左辺に を両辺に加えると

右辺を で括ります。

これは放物線 を、 軸方向に 軸方向に だけ平行移動したものです。よって軌跡は放物線です。標準形 )の焦点は 、準線は なので、同じ平行移動を施して

焦点は

準線は

となります。

【検算】 で確かめます。(2)の検算で使った 、頂点 なので焦点は 、準線は 。公式に を入れると、焦点の 座標は 座標は 、準線は 。完全に一致します。さらに放物線の定義でも確認できます。軌跡上の点 )から焦点 までの距離は 、準線 までの距離も 焦点距離=準線距離が成り立っています。

【答案の書き方】

の形に変形できたから、これは を平行移動した放物線である」——標準形の名指しと移動量の明示が「放物線であることを示せ」への答えです。そのうえで「 の焦点 ・準線 を同じだけ平行移動して」と続ければ、焦点・準線の導出に飛躍がありません。

【背景と一般化】

は交わらず平行でもない、ねじれの位置にある2直線です。空間全体で「2直線から等距離にある点」の集合を考えると、これは双曲放物面(馬の鞍の形の曲面)になることが知られています。本問の は高さ に固定されているので、求めた放物線は双曲放物面を水平な平面で切った切り口です。 を動かすと焦点が と動きますが、この点の軌跡もまた放物線になっている——切り口の族が曲面の形を浮かび上がらせる、美しい構図です。

【定石】2次の文字1つ+1次の文字1つ=放物線。焦点・準線は標準形のものを同じ平行移動で運ぶ——「」で止めない。

【よくあるミス】焦点を標準形のまま と答える(平行移動の適用漏れ)。平方完成で両辺に を加え忘れ、右辺の定数がずれる。横軸が ・縦軸が という設定を と混線させて、焦点の座標の並び順を逆に書く例もあります。

2016年度 北海道大学 理系数学のまとめ

5題に共通するのは、「わからないものに名前を付け、条件で減らす」という一つの動きです。第1問は とおいて を消し、第2問は正体不明の定積分を と名付けて既知の積分に還元しました。第3問は根元事象を宣言して数える土俵を固定し、第4問は「解である」という条件を代入して を作り、第5問は垂線の足を とおいて内積 で決めました。

名前を付ける勇気と、その名前を条件で消す手筋。どの問題も、この往復が一度できれば教科書の計算に落ちるように設計されています。行き詰まったときは「いま名前を付けるべき未知のものは何か」「その名前を減らせる条件はどれか」と自問してください。

復習では、各問の【型】と【定石】だけを見て解答を再現し、再現に詰まった箇所こそがあなたの「翻訳」の弱点です。そこを重点的に潰せば、北大の他年度にもそのまま通用します。

北大理系数学を、答え合わせで終わらせず「なぜその一手か」から答案へ落とし込みたい方へ。

数強塾オンラインの体験授業を見る / 学習相談・お問い合わせ

よくある質問

北大2016年度理系数学の難易度は?

数強塾の独自評価は「標準〜やや難」です。受験生ごとの得意分野で体感難度は変わるため、各問の目安時間と解法設計も併せて確認してください。

北大2016年度理系数学は何問構成ですか?

前期日程の理系数学は全5問です。主な内容は円周上の複素数と絶対値の最小、対称区間の積分方程式とパラメータ最小、メダルの色配置と条件付き確率などです。

このページの解答は北海道大学の公式解答ですか?

いいえ。問題資料を参照し、数強塾が独立に作成・検算した非公式の問題要約と解説です。北海道大学が公表する『出題の意図』がある年度についても、公式の完全解答とは区別しています。

今日の一問 ── 解答と考え方

型の宣言:nkn が割り切れる」型。連続整数の積に分解するか、フェルマーの小定理を使うかの二択。後半の「条件を求めよ」は、実は条件が要らないのが落ちです。

1. なぜその一手を選ぶのか

n11n = n(n10 − 1) と因数分解できます。11 は素数なので、フェルマーの小定理p が素数なら任意の整数 n について npn (mod p)」がそのまま使えます。

後半の 22 = 2 × 11 の倍数になる条件——ここで「n が偶数のとき」などと答えたくなりますが、違います。n11n は必ず偶奇が一致するので、その差はつねに偶数です。つまり n11n2 でも 11 でも常に割り切れ、11 と 2 は互いに素だから 22 でも常に割り切れます。

2. 解答

  1. 前半(11 の倍数):11 は素数なので、フェルマーの小定理より任意の自然数 n について n11n (mod 11)。よって n11n は 11 の倍数。
  2. 後半(22 の倍数):n が偶数なら n11 も偶数、n が奇数なら n11 も奇数。いずれにせよ n11n は偶数、すなわち 2 の倍数。
  3. 2 と 11 は互いに素なので、両方の倍数であることから 22 の倍数。
  4. したがって条件は不要——すべての自然数 n について成り立つ

答え: すべての自然数 n について 22 の倍数になる(追加の条件は不要)

3. 検算

小さい n で確かめる:n = 2 のとき 211 − 2 = 2046 、これは 22 で割ると 93 ✓。n = 3 のとき 177144 ÷ 22 = 8052 ✓。「条件は不要」と結論したときこそ、2〜3個の具体値で必ず裏を取る——本当に条件が要るのに見落としている場合、ここで破綻します。

この型の一般化:npnp が素数なら常に p の倍数(フェルマー)。さらに偶奇一致から常に 2 の倍数なので、奇素数 p に対して npn は常に 2p の倍数です。n3n = (n−1)n(n+1) のように連続整数の積に分解できるときは、フェルマーを使わずに「連続する k 個の整数の積は k! の倍数」で示すほうが簡明です。第2章 整数第3章 論証で扱っています。

この年度の傾向から作った予想問題
北海道大学 数学 予想問題50題【理系・文系】出題傾向10年分析つき

北海道大学は数学だけでは決まりません。他科目の対策ページも用意しています。

この年度の良問を型から特訓:北大の良問 027|分数を「1以下」と評価して候補を有限化する|北大2016年文系第4問(問題・段階別ヒント・独自解答つき)

北海道大学 数学 過去問|他の年度を見る

北海道大学の数学の過去問は25年度ぶんを公開しています。そのうち12年度は全問の解答解説つきです(「解説」の印がついた年度)。志望校の傾向は1年だけでは見えないので、最低でも3年ぶんを続けて解くことをおすすめします。

「解説」=全問の解答解説を掲載している年度です。赤は今見ている年度。

過去問は「解いて丸付け」で終わらせると得点になりません。数強塾は数学専門・プロ講師のみ・完全1対1のオンライン個別指導です。あなたが解いた答案を見ながら、抜けている型を特定して志望校の出題に合わせて埋めていきます。体験授業を見る(初回3,000円・税込)無料で相談する
オンライン数学専門塾 数強塾|プロ講師のみ・完全1対1指導・中高一貫校対応

問題PDFをテキストでも確認

北海道大学 2016年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析

公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。

  • 図形・三角関数
  • 関数・グラフ
  • 方程式・不等式
  • 確率・場合の数
  • 空間図形
  • 整数
  • 微分・積分
  • 数列

この年度の出題範囲と傾向

2016年度の問題PDFでは、図形・三角関数、関数・グラフ、方程式・不等式、確率・場合の数、空間図形に関する語句や設問を確認できました。北海道大学の公開PDFを年度横断で調べると、図形・三角関数は24年度、関数・グラフは24年度、微分・積分は24年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。

分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。

問題文の文字起こし

問1PDF文字抽出

検出分野: 図形・三角関数、関数・グラフ、微分・積分、数列、整数

(1)Pに お ける Cの 接線 の方程式 を求めよ。
(2)Pに お け る Cの 接 線 と Qに お け る Cの 接 線 が 平 行 に な る た め の 条 件 を
s,′ ,α の関係式 として求めよ。

(3)(2)の 条件のもとで,線 分 PQの 中点が ε上に ある ことを示せ。

‐4)│+3′′ ‐10(‐2≦ ′′≦4)と おく。


/(′′ )=レ (′′ ‐2)│+│(′′ ‐1)(■

(1)関 数 ノ=/(′′ )の グラフをかけ。 グラフと′′軸 との 2つ の交点 の ′′座標 α,β
(α くβ)の 値 も求めよ。
́θ

(2)(1)の α
,β に対して,定 積分光ノ )ル の値を求めよ。 (′′

2 ◇ M9(03● ‐98)

●●
AABCtr, AB : 2, AC : 1 +,[T, z/lCs : a5" x4LtLt6"
(1)β =∠ ABCと おくとき,sin βおよび cOs 2β の値を求めよ。
(2)(1)の βの値をすべて求めよ。

(3)△ ABCの 外接 円の 中心 を 0と する。△ABCが 鋭角 三 角形で ある とき ,

OC=sOA+̀OBを みたす実数 s,′ を求めよ。

4.
′′,yを 自然数とする。

7!7 t,1e XU. t> 6 J. 5 tt x t?^r*&)&.
(1)

(aプ ゎ―十ナが自 然 数であ る よう な べ
組,ッ )を すてめ
求よ。
^
′ R′′
(′′

3 ◇M9(030‐99)

原本の問題PDFを確認する

問2PDF文字抽出

検出分野: 確率・場合の数、空間図形、図形・三角関数、方程式・不等式、関数・グラフ

(1)│′′ 12を 2の 実部 ′′と αを用 いて表せ。
(2)点 zが θ上 を一 周す るとき, │′′ │の 最小値 を αを用 いて表 せ。

りこ
α >0に 対 し,関 数 /(■ )が

/(′′ )=I:{勢 +/(′ )Sin′ レ
をみたすとする。
(1)ノ (′′ )を 求めよ。

(2)0く α≦ 2π において ,

,(α )=ル )Sin繊
(′

の最小値 とその ときの αの値 を求めよ。

●0
のひきだしAに 3枚 のメダル,ひ きだしBに 2枚 のメダルが入つている。
1机
ひきだしAの 各メダルの色は金,銀 ,銅 のどれかであり,ひ きだしBの 各メダ
ルの色は金,銀 のどちらかである。
(1)ひ きだ し Aの メダルの色が 2種 類である確率を求めよ。
(2)ひ きだし A,Bを あわせたメダルの色が 2種 類である確率を求めよ。
(3)ひ きだ し A,Bを あわせてち ょうど 3枚 の金 メダルが入 つて いる ことがわ
かつているとき,ひ きだ しAの メダルの色が 2種 類である確率を求めよ。

2 ◇ M10(030‐101)

(1)次 の方程式が異なる 3つ の0で ない実数解をもつことを示せ。
′′3+′′ 2̲2′′ ‐1=0... ...1
(2)方 程式1の 3つ の実数解をs,′ ,′′ とし,数 列 {α "}を
s" 1 ̀" 1 ■ ‐ ′′" 1
α"=〈
s 万スτI「ファ十 (′ 万 ァ│三 Iτ丁 て易三二15てラニ17下
(′′ =1,2,3,... )

に よ つて 定 め る。 この とき ,

"+3+α "+2 2ら +1‐α "=0("=1,2,3,...
α )

が成 り立 つ ことを示 せ。

(3)(2)の α
"が
すべて整数であることを示せ。


空間の 2点 A(0,0,2),B(0,1,3)を 通 る直線 を ′とし,2点 C(1,0,0),

D(1,0,1)を 通 る直線 を 笏 とする。クを定数 として,′ 上に も ′′ 上に もな い点
P(s,′ ,α )を 考える。

(1)Pか ら′に下 ろ した垂線 と′の交 点 を Qと し,Pか ら ′′ に下 ろ した垂 線 と
′′ の交点 を Rと す る。 Q,Rの 座標 をそれぞれ s,′ ,α を用 いて表せ。

(2)Pを 中心 とし,′ と ′′ が ともに接す るよ うな球面 が存在す るための条 件 を
s,′ ,ο の関係 式で 表 せ。

(3)s,′ と定数 αが(2)の 条件 をみたす とき,平 面 上の点 (s,′ )の 軌跡が放物線で

あることを示 し,そ の焦点 と準線 を αを用 いて表せ。

3 ◇ M10(030‐‐102)

原本の問題PDFを確認する

数強塾オンラインのご案内

体験授業に申し込む入塾受け入れ状況(残席)数学つまずき診断(無料)体験授業の事前案内保護者の方へ高1・高2の方へ医学部志望の方へ保護者様からの声料金・指導システム指導事例・合格実績大学受験 合格実績(集計ルール開示)数強塾グループの理念学校別の数学対策数学の勉強法(記事一覧)数強塾プレミアム(映像授業)獣医学部専門コース鉄緑会・SAPIX等との併用サポート過去問解説・数学問題集毎日の数学(1日1枚 無料プリント)毎日の数学EX(難関大の名問を1日1問)共通テスト・センター数学の全問解説共通テスト「情報Ⅰ」の全問解説情報Ⅰ・情報Ⅱ専門「情報ラボ」情報の過去問アーカイブ(無料PDF)解法テクニック事典(公式・裏ワザ)入試数学の定石(解き方の型・全27章)数学の要点辞典まとめ(中1〜数学III)中1数学の要点辞典(全7単元)中2数学の要点辞典(全6単元)中3数学の要点辞典(全8単元)数学I・Aの要点辞典(全9単元)数学II・B・Cの要点辞典(全12単元)数学IIIの要点辞典(全7単元)論理と証明の要点辞典(全8章)2026年 夏期講習会2026年 冬期講習会代表・藤原進之介について
過去問対策を1対1で体験授業 税込3,000円
申し込む