藤原進之介です。このページでは名古屋大学2011年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
※ 問題文は名古屋大学が公表した平成23年度(2011年度)入学試験問題を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、大学が公表した一般的な解答例そのものではありません。作成にあたっては大学公表の解答と全8問を突き合わせて一致を確認し、さらに \(\boxed{1}\) は数式処理で接点を求め、\(p\) を \(19\) 通りに振って 3 次方程式の実数解を重解の判定込みで数え上げ、\(\boxed{2}\) は\(280\) 通りの数字列を全数列挙して \(\dfrac{1}{4}\)、\(\dfrac{69}{70}\)、\(\dfrac{4}{5}\) を確認、\(\boxed{3}\) は\(a\) を \(60\) 通り・\(b\) を \(49\) 通りに刻んだ \(2940\) 点で 2 円の中心間距離と半径を実測して交わりを判定し、導いた条件と全点で一致することを確認して独立に検算しています。
- 大問3題・90分(文・教育・法・経済・情報(文系))。小問は合計 8 問。
- 分野は3 次関数のグラフ・接線・方程式の実数解の個数/取り出した玉の数字の和の確率/アポロニウスの円と 2 円の交わり。
- \(\boxed{1}\) は(1) → (2) → (3) が一本道の誘導。接線の傾きが「解の個数が変わる境目」になる、という関係が全体を貫きます。
- \(\boxed{2}\)(3) は「条件を満たさない並べ方」を言い換えるのが急所。「\(2\) が \(4\) 個の \(0\) より先に来る」だけと見抜ければ、確率は \(\dfrac{1}{5}\) と一瞬で出ます。
- \(\boxed{3}\) はアポロニウスの円そのもの。(2) は「2 円が共有点をもつ ⟺ \(\left|r_{1}-r_{2}\right|\leqq d\leqq r_{1}+r_{2}\)」を使うと、\(\left(a+b\right)^{2}\geqq 2\) かつ \(\left(a-b\right)^{2}\leqq 2\) という驚くほどきれいな条件に落ちます。
- 難易度は \(\boxed{1}\)(1)(2)・\(\boxed{2}\)(1)(2)・\(\boxed{3}\)(1) が標準、\(\boxed{2}\)(3) と \(\boxed{3}\)(2) が勝負どころ。目標は 6 割。
\(\boxed{1}\) 3 次関数のグラフ・接線・実数解の個数
分野:微分(3次関数) 難易度:標準〜やや難 目標時間:30分
(1) 関数 \(y=x^{3}-x^{2}\) のグラフをかけ。
(2) 曲線 \(y=x^{3}-x^{2}\) の接線で、点 \(\left(\dfrac{3}{2},\ 0\right)\) を通るものをすべて求めよ。
(3) \(p\) を定数とする。\(x\) の 3 次方程式 \(x^{3}-x^{2}=p\left(x-\dfrac{3}{2}\right)\) の異なる実数解の個数を求めよ。
(1) 極大 \(\left(0,0\right)\)、極小 \(\left(\dfrac{2}{3},-\dfrac{4}{27}\right)\)(下図)
(2) \(y=0\)、\(y=8x-12\)、\(y=\dfrac{3}{16}x-\dfrac{9}{32}\)
(3) \(0\lt p\lt\dfrac{3}{16}\) または \(p\gt 8\) のとき \(3\) 個/\(p=0,\ \dfrac{3}{16},\ 8\) のとき \(2\) 個/\(p\lt 0\) または \(\dfrac{3}{16}\lt p\lt 8\) のとき \(1\) 個
\(\boxed{1}\)(1) グラフ
関数 \(y=x^{3}-x^{2}\) のグラフをかけ。
【型】微分して増減表。\(x\) 切片も押さえる
【なぜこうするか】
3 次関数のグラフは増減表がすべて。
\[y’=3x^{2}-2x=3x\left(x-\frac{2}{3}\right)\]
よって \(x=0\) で極大、\(x=\dfrac{2}{3}\) で極小。値は \(y\left(0\right)=0\)、\(y\left(\dfrac{2}{3}\right)=\dfrac{8}{27}-\dfrac{4}{9}=-\dfrac{4}{27}\)。
さらに\(x\) 軸との交点:\(x^{2}\left(x-1\right)=0\) より \(x=0\)(重解=接する)と \(x=1\)。\(x=0\) で \(x\) 軸に接するのがこのグラフの特徴です(これが (2) の接線 \(y=0\) につながります)。
\(y’=3x^{2}-2x=3x\left(x-\dfrac{2}{3}\right)\) より増減表は
| \(x\) | \(\cdots\) | \(0\) | \(\cdots\) | \(\dfrac{2}{3}\) | \(\cdots\) |
|---|---|---|---|---|---|
| \(y’\) | \(+\) | \(0\) | \(-\) | \(0\) | \(+\) |
| \(y\) | \(\nearrow\) | \(0\)(極大) | \(\searrow\) | \(-\dfrac{4}{27}\)(極小) | \(\nearrow\) |
また \(y=x^{2}\left(x-1\right)\) だから \(x\) 軸との交点は \(x=0\)(重解、\(x\) 軸に接する)と \(x=1\)。
▲ 青が \(y=x^{3}-x^{2}\)(極大 \(\left(0,0\right)\)、極小 \(\left(\dfrac{2}{3},-\dfrac{4}{27}\right)\))。赤が点 \(\left(\dfrac{3}{2},0\right)\) を通る 3 本の接線。
検算。\(y\left(\dfrac{2}{3}\right)=\dfrac{8}{27}-\dfrac{4}{9}=\dfrac{8-12}{27}=-\dfrac{4}{27}\) ✓ \(y’\left(\dfrac{1}{3}\right)=\dfrac{1}{3}-\dfrac{2}{3}=-\dfrac{1}{3}\lt 0\) で確かに減少区間 ✓
【定石】3 次関数は増減表+極値+\(x\) 切片。\(y=x^{2}\left(x-1\right)\) のように重解の因数があると、そこで \(x\) 軸に接する。
【よくあるミス】極小値を \(-\dfrac{4}{9}\) や \(\dfrac{8}{27}\) とする計算ミス。通分して \(\dfrac{8-12}{27}\) と丁寧に。
\(\boxed{1}\)(2) 点 \(\left(\dfrac{3}{2},0\right)\) を通る接線
曲線 \(y=x^{3}-x^{2}\) の接線で点 \(\left(\dfrac{3}{2},0\right)\) を通るものをすべて求めよ。
【型】接点を \(\left(t,t^{3}-t^{2}\right)\) とおいて接線を書き、通る点を代入して \(t\) の方程式にする
【なぜこうするか】
点 \(\left(\dfrac{3}{2},0\right)\) は曲線上にない(\(\left(\dfrac{3}{2}\right)^{3}-\left(\dfrac{3}{2}\right)^{2}=\dfrac{27}{8}-\dfrac{9}{4}=\dfrac{9}{8}\neq 0\))。だから「その点における接線」ではなく「その点を通る接線」——接点を文字でおくのが鉄則です。
接点を \(\left(t,\ t^{3}-t^{2}\right)\) とすると、接線は
\[y=\left(3t^{2}-2t\right)\left(x-t\right)+t^{3}-t^{2}=\left(3t^{2}-2t\right)x-2t^{3}+t^{2}\]
これが \(\left(\dfrac{3}{2},0\right)\) を通る条件を \(t\) の方程式として解けば、接点の候補がすべて出ます。
出てくる 3 次方程式がきれいに因数分解できる(\(t\left(4t-3\right)\left(t-2\right)=0\))ように問題が作られています。
接点を \(\left(t,\ t^{3}-t^{2}\right)\) とすると、\(y’=3x^{2}-2x\) より接線は
\[y=\left(3t^{2}-2t\right)\left(x-t\right)+t^{3}-t^{2}=\left(3t^{2}-2t\right)x-2t^{3}+t^{2}\]
これが点 \(\left(\dfrac{3}{2},0\right)\) を通るから
\[0=\frac{3}{2}\left(3t^{2}-2t\right)-2t^{3}+t^{2}=-2t^{3}+\frac{11}{2}t^{2}-3t\]
両辺を \(-2\) 倍して
\[4t^{3}-11t^{2}+6t=0\ \Longleftrightarrow\ t\left(4t^{2}-11t+6\right)=0\ \Longleftrightarrow\ t\left(4t-3\right)\left(t-2\right)=0\]
よって \(t=0,\ \dfrac{3}{4},\ 2\)。それぞれの接線は
| \(t\) | 接点 | 傾き \(3t^{2}-2t\) | 接線 |
|---|---|---|---|
| \(0\) | \(\left(0,0\right)\) | \(0\) | \(y=0\) |
| \(\dfrac{3}{4}\) | \(\left(\dfrac{3}{4},-\dfrac{9}{64}\right)\) | \(\dfrac{3}{16}\) | \(y=\dfrac{3}{16}x-\dfrac{9}{32}\) |
| \(2\) | \(\left(2,4\right)\) | \(8\) | \(y=8x-12\) |
検算。数式処理で \(t\) の方程式を解くと \(t=0,\ \dfrac{3}{4},\ 2\) ✓ 各接線が \(\left(\dfrac{3}{2},0\right)\) を通ることも確認:\(\dfrac{3}{16}\cdot\dfrac{3}{2}-\dfrac{9}{32}=\dfrac{9}{32}-\dfrac{9}{32}=0\) ✓、\(8\cdot\dfrac{3}{2}-12=0\) ✓
【定石】「点 A を通る接線」は接点を \(t\) とおいて、A を代入した \(t\) の方程式を解く。接点の個数=\(t\) の方程式の実数解の個数で、3 次関数なら最大 3 本。「点 A における接線」との違いを必ず意識すること。
【よくあるミス】\(\left(\dfrac{3}{2},0\right)\) が曲線上にあると思い込んで \(x=\dfrac{3}{2}\) での接線 1 本だけを答えること。また接線の式を \(y=\left(3t^{2}-2t\right)x+\left(t^{3}-t^{2}\right)\) と、\(-t\) を掛ける部分を落とすこと。
\(\boxed{1}\)(3) \(x^{3}-x^{2}=p\left(x-\dfrac{3}{2}\right)\) の実数解の個数
\(x^{3}-x^{2}=p\left(x-\dfrac{3}{2}\right)\) の異なる実数解の個数を \(p\) で場合分けして求めよ。
【型】「曲線 \(y=x^{3}-x^{2}\) と、点 \(\left(\dfrac{3}{2},0\right)\) を通る傾き \(p\) の直線の共有点の個数」と読み替える
【なぜこうするか】
右辺 \(p\left(x-\dfrac{3}{2}\right)\) は点 \(\left(\dfrac{3}{2},0\right)\) を通る傾き \(p\) の直線。だから方程式の実数解の個数は
(曲線 \(y=x^{3}-x^{2}\))と(その直線)の共有点の個数
直線を \(\left(\dfrac{3}{2},0\right)\) を中心にぐるっと回したときに、共有点の個数がどこで変わるか——変わるのは接するとき、つまり (2) で求めた 3 本の接線の傾き
\[p=0,\qquad p=\frac{3}{16},\qquad p=8\]
が境目です。(2) がそのまま (3) の誘導になっているのがこの問題の構造。
あとはグラフで数えます。傾きを \(-\infty\) から \(+\infty\) へ動かしながら共有点を追うと
| \(p\) | 直線の様子 | 共有点 |
|---|---|---|
| \(p\lt 0\) | 右下がり。曲線とは 1 か所だけ交わる | \(1\) |
| \(p=0\) | \(y=0\)。\(x=0\) で接し、\(x=1\) で交わる | \(2\) |
| \(0\lt p\lt\dfrac{3}{16}\) | 接点が 2 つに割れて交点が増える | \(3\) |
| \(p=\dfrac{3}{16}\) | \(x=\dfrac{3}{4}\) で接する | \(2\) |
| \(\dfrac{3}{16}\lt p\lt 8\) | 接点が消えて交点が減る | \(1\) |
| \(p=8\) | \(x=2\) で接する | \(2\) |
| \(p\gt 8\) | 接点が 2 つに割れる | \(3\) |
右辺は点 \(\left(\dfrac{3}{2},0\right)\) を通る傾き \(p\) の直線を表すから、求める個数は曲線 \(y=x^{3}-x^{2}\) とこの直線の共有点の個数に等しい。共有点の個数が変化するのは直線が曲線に接するときで、(2) よりその傾きは \(p=0,\ \dfrac{3}{16},\ 8\)。グラフより
| \(p\) の範囲 | 異なる実数解の個数 |
|---|---|
| \(0\lt p\lt\dfrac{3}{16}\) または \(p\gt 8\) | \(3\) 個 |
| \(p=0,\ \dfrac{3}{16},\ 8\) | \(2\) 個 |
| \(p\lt 0\) または \(\dfrac{3}{16}\lt p\lt 8\) | \(1\) 個 |
検算(\(p\) を振って重解込みで数え上げ)。3 次方程式 \(x^{3}-x^{2}-px+\dfrac{3}{2}p=0\) の実数解を、重解を 1 個と数えて求めると
| \(p\) | \(-5\) | \(-10^{-6}\) | \(0\) | \(10^{-6}\) | \(0.18\) | \(\dfrac{3}{16}\) | \(0.19\) | \(7.9999\) | \(8\) | \(8.0001\) | \(100\) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 個数 | \(1\) | \(1\) | \(2\) | \(3\) | \(3\) | \(2\) | \(1\) | \(1\) | \(2\) | \(3\) | \(3\) |
境目のすぐ手前・すぐ後まで含めて公式と完全一致 ✓(\(p=\dfrac{3}{16}\) では解が \(x=\dfrac{3}{4}\)(重解)と \(-\dfrac{1}{2}\)、\(p=8\) では \(x=2\)(重解)と \(-3\) と、重解の位置も一致)
【定石】「方程式の実数解の個数」は「2 つのグラフの共有点の個数」に読み替える。右辺が \(p\left(x-k\right)\) の形なら「定点 \(\left(k,0\right)\) を通る傾き \(p\) の直線」——回転させて数える。個数が変わる境目は接するときなので、前問の接線がそのまま使えます。
【よくあるミス】接する場合の個数を 3 個と数えること(「異なる」実数解なので重解は 1 個)。また \(\dfrac{3}{16}\lt p\lt 8\) の範囲で 2 個や 3 個としてしまうこと——この範囲では直線が極大・極小の“谷”を通り抜けてしまい交点は 1 個だけです。
\(\boxed{2}\) 玉を取り出したときの数字の和の確率
分野:確率 難易度:標準〜やや難 目標時間:30分
数字の \(2\) を書いた玉が 1 個、数字の \(1\) を書いた玉が 3 個、数字の \(0\) を書いた玉が 4 個あり、これら合計 8 個の玉が袋に入っている。以下の (1) から (3) のそれぞれにおいて、この状態の袋から 1 度に 1 個ずつ玉を取り出し、取り出した玉は袋に戻さないものとする。
(1) 玉を 2 度取り出すとき、取り出した玉に書かれた数字の合計が \(2\) である確率を求めよ。
(2) 玉を 4 度取り出すとき、取り出した玉に書かれた数字の合計が \(4\) 以下である確率を求めよ。
(3) 玉を 8 度取り出すとき、次の条件が満たされる確率を求めよ。
条件:すべての \(n=1,2,\cdots,8\) に対して、1 個目から \(n\) 個目までの玉に書かれた数字の合計は \(n\) 以下である。
(1) \(\dfrac{1}{4}\) (2) \(\dfrac{69}{70}\) (3) \(\dfrac{4}{5}\)
\(\boxed{2}\)(1) 2 個の和が \(2\)
玉を 2 度取り出したとき、数字の合計が \(2\) である確率を求めよ。
【型】8 個の玉をすべて区別して \({}_{8}\mathrm{C}_{2}\) 通りで考える。和が \(2\) になる組合せを列挙
【なぜこうするか】
確率を考えるときは同じ数字の玉も区別するのが鉄則(そうしないと「同様に確からしい」が崩れます)。
2 個の和が \(2\) になるのは
- \(2\) と \(0\) を 1 個ずつ:\(1\times 4=4\) 通り
- \(1\) を 2 個:\({}_{3}\mathrm{C}_{2}=3\) 通り
合計 \(7\) 通り。全体は \({}_{8}\mathrm{C}_{2}=28\) 通りなので \(\dfrac{7}{28}=\dfrac{1}{4}\)。
「和がいくつになるか」の組合せを漏れなく書き出すだけの問題ですが、\(2+0\) と \(1+1\) の 2 通りを両方拾えるかが分かれ目です。
8 個の玉をすべて区別して考える。2 個の取り出し方は \({}_{8}\mathrm{C}_{2}=28\) 通り。数字の合計が \(2\) となるのは
| 組合せ | 通り数 |
|---|---|
| \(2\) と \(0\) を 1 個ずつ | \(1\times 4=4\) |
| \(1\) を 2 個 | \({}_{3}\mathrm{C}_{2}=3\) |
| 計 | \(7\) |
よって求める確率は
\[\frac{4+{}_{3}\mathrm{C}_{2}}{{}_{8}\mathrm{C}_{2}}=\frac{7}{28}=\frac{1}{4}\]
検算(\(280\) 通り全数列挙)。数字列 \(8!/\left(1!\,3!\,4!\right)=280\) 通りをすべて列挙し、先頭 2 個の和が \(2\) となるものを数えると \(70\) 通りで \(\dfrac{70}{280}=\dfrac{1}{4}\) ✓
【定石】同じ数字の玉も区別して数える(同様に確からしいを保つため)。「和がいくつ」は組合せを列挙——\(2+0\) と \(1+1\) のように複数のパターンを漏らさないこと。
【よくあるミス】\(1\) を 2 個取る場合を \(3\times 3=9\) 通りとすること(同じ玉は 2 度取れないので \({}_{3}\mathrm{C}_{2}=3\))。
\(\boxed{2}\)(2) 4 個の和が \(4\) 以下
玉を 4 度取り出したとき、数字の合計が \(4\) 以下である確率を求めよ。
【型】余事象。和が \(5\) になるのは 1 通りだけだと気づけば一瞬
【なぜこうするか】
8 個の玉の数字の合計は \(2+1\times 3+0\times 4=5\)。つまりどんな取り方をしても和は \(5\) を超えない。
だから「和が \(4\) 以下」の余事象は「和がちょうど \(5\)」。そして 4 個で和 \(5\) になるのは、\(2\) を 1 個と \(1\) を 3 個、つまり \(0\) 以外の玉をすべて取る——これしかありません。1 通り。
よって
\[1-\frac{1}{{}_{8}\mathrm{C}_{4}}=1-\frac{1}{70}=\frac{69}{70}\]
「上限がある」ことに気づけば、余事象が 1 通りだけという美しい問題です。まともに \(4\) 以下を数えると大変。
8 個の玉の数字の合計は \(2+1\cdot 3+0\cdot 4=5\) だから、4 個取り出したときの数字の合計は \(5\) 以下。よって余事象は「合計が \(5\)」であり、それは\(2\) の玉 1 個と \(1\) の玉 3 個の計 4 個をすべて取り出す場合に限り、\(1\) 通り。
4 個の取り出し方は \({}_{8}\mathrm{C}_{4}=70\) 通りだから
\[1-\frac{1}{70}=\frac{69}{70}\]
検算(\(280\) 通り全数列挙)。先頭 4 個の和が \(4\) 以下となる数字列は\(276\) 通りで \(\dfrac{276}{280}=\dfrac{69}{70}\) ✓(残り \(4\) 通りが \(\left(2,1,1,1\right)\) の並べ替え \(\dfrac{4!}{3!}=4\) に対応)
【定石】「〜以下」の確率は、まず最大値を調べる。上限に近い条件なら余事象が数えやすい。「合計の上限=全部の和」という視点は取り出し個数が多いときに効きます。
【よくあるミス】合計が \(4\) 以下のパターン(\(0,1,2,3,4\))を全部数えようとして時間を浪費すること。また余事象を「\(5\) 以上」と書いたのに \(6\) 以上を探してしまうこと(上限が \(5\))。
\(\boxed{2}\)(3) すべての \(n\) で部分和が \(n\) 以下
玉を 8 度取り出すとき、すべての \(n=1,\cdots,8\) について「1 個目から \(n\) 個目までの数字の合計が \(n\) 以下」となる確率を求めよ。
【型】条件を満たさない場合を言い換える。「\(2\) が \(4\) 個の \(0\) すべてより先に出る」ときだけ破れる
【なぜこうするか】
まずいつ条件が破れるかを考えます。部分和 \(S_{n}\) と \(n\) の差 \(S_{n}-n\) を追うと、玉を 1 個引くごとに
- \(2\) を引く:\(S_{n}-n\) は \(+1\)
- \(1\) を引く:変わらない
- \(0\) を引く:\(-1\)
最初 \(S_{0}-0=0\) で、\(2\) の玉は 1 個しかないので \(S_{n}-n\) は最大でも \(1\) までしか上がりません。
つまり条件 \(S_{n}\leqq n\) が破れる(\(S_{n}-n\geqq 1\) になる)のは、\(2\) を引いた直後だけ。そしてその前に \(0\) を 1 個でも引いていれば \(S_{n}-n\) は \(-1\) から始まって \(0\) にしかならず、条件は破れません。
したがって条件が破れる ⟺ \(2\) の玉が 4 個の \(0\) の玉すべてより先に出る。
この確率は? \(2\) の玉と 4 個の \(0\) の玉、合わせて 5 個の相対的な順序だけを見ればよく、どれが先頭になるかは等確率だから \(\dfrac{1}{5}\)。
よって求める確率は \(1-\dfrac{1}{5}=\dfrac{4}{5}\)。「相対順序だけ見る」という一手で計算がほぼ消えるのが鮮やかです。
取り出した順に数字を一列に並べる。並べ方は \(\dfrac{8!}{1!\,3!\,4!}=280\) 通りで、これらは同様に確からしい。
\(S_{n}\) を \(n\) 個目までの合計とし、\(d_{n}=S_{n}-n\) とおく(\(d_{0}=0\))。玉を 1 個引くごとに \(d_{n}\) は、引いた数字が \(2\) なら \(+1\)、\(1\) なら \(\pm 0\)、\(0\) なら \(-1\) だけ変化する。\(2\) の玉は 1 個しかないから \(d_{n}\) が \(1\) 以上になるのは\(2\) を引いた直後で、しかもそれ以前に \(0\) を 1 個も引いていないときに限る。すなわち
条件が破れる \(\Longleftrightarrow\) \(2\) の玉が \(4\) 個の \(0\) の玉すべてより先に出る
\(2\) の玉 1 個と \(0\) の玉 4 個の計 5 個について、どれが最も早く出るかは同様に確からしいから、\(2\) が最初になる確率は \(\dfrac{1}{5}\)。よって求める確率は
\[1-\frac{1}{5}=\frac{4}{5}\]
(並べ方で数えても同じ:条件を満たさない並べ方は「\(0\) と \(2\) を同じものとみなして並べる」と考えて \(\dfrac{8!}{5!\,3!}=56\) 通り、\(\dfrac{56}{280}=\dfrac{1}{5}\)。)
検算(\(280\) 通り全数列挙)。すべての数字列について \(n=1\) から \(8\) まで部分和を実際に計算して条件を判定すると、条件を満たすのは\(224\) 通り。\(\dfrac{224}{280}=\dfrac{4}{5}\) ✓
【定石】「すべての \(n\) で部分和が…」は差 \(d_{n}=S_{n}-n\) の動きを追う(\(+1,0,-1\) の 3 通り)。プラスに動く玉が 1 個しかないなら、条件が破れる状況は極端に限られる。「特定の玉どうしの相対順序」の確率は、その玉だけを見て等確率で計算できる——非常に強力なテクニックです。
【よくあるミス】\(1\) の玉が条件に影響すると考えて場合分けを増やすこと(\(1\) は \(d_{n}\) を変えないので無関係)。また余事象の確率を \(\dfrac{1}{8}\) とすること(比べるのは \(2\) と \(0\) の計 5 個の中での順序)。
\(\boxed{3}\) アポロニウスの円と 2 円の交わり
分野:軌跡・領域 難易度:やや難 目標時間:35分
\(xy\) 平面上に 3 点 \(\mathrm{O}\left(0,0\right)\)、\(\mathrm{A}\left(1,0\right)\)、\(\mathrm{B}\left(0,1\right)\) がある。
(1) \(a\gt 0\) とする。\(\mathrm{OP}:\mathrm{AP}=1:a\) を満たす点 P の軌跡を求めよ。
(2) \(a\gt 1\gt b\gt 0\) とする。\(\mathrm{OP}:\mathrm{AP}:\mathrm{BP}=1:a:b\) を満たす点 P が存在するための \(a,b\) に対する条件を求め、\(ab\) 平面上に図示せよ。
(1) \(a=1\) のとき直線 \(x=\dfrac{1}{2}\)(線分 OA の垂直二等分線)、\(a\neq 1\) のとき中心 \(\left(\dfrac{1}{1-a^{2}},0\right)\)、半径 \(\dfrac{a}{\left|1-a^{2}\right|}\) の円
(2) \(0\lt b\lt 1\lt a\) かつ \(a+b\geqq\sqrt{2}\) かつ \(a-b\leqq\sqrt{2}\)(下図。境界は \(a=1\)、\(b=1\)、\(\left(\sqrt{2},0\right)\) を除く)
\(\boxed{3}\)(1) \(\mathrm{OP}:\mathrm{AP}=1:a\) の軌跡
\(a\gt 0\) のとき、\(\mathrm{OP}:\mathrm{AP}=1:a\) を満たす点 P の軌跡を求めよ。
【型】\(\mathrm{AP}=a\,\mathrm{OP}\) を 2 乗して座標で書く。\(a=1\) だけ直線、それ以外は円(アポロニウスの円)
【なぜこうするか】
比の条件は「距離の 2 乗」にして根号を消すのが基本:
\[a^{2}\mathrm{OP}^{2}=\mathrm{AP}^{2}\ \Longrightarrow\ a^{2}\left(x^{2}+y^{2}\right)=\left(x-1\right)^{2}+y^{2}\]
整理すると \(\left(1-a^{2}\right)\left(x^{2}+y^{2}\right)-2x+1=0\)。ここで\(x^{2}+y^{2}\) の係数 \(1-a^{2}\) が \(0\) になるかどうかで決定的に変わります:
- \(a=1\):2 次の項が消えて \(-2x+1=0\)、すなわち直線 \(x=\dfrac{1}{2}\)(O と A から等距離=垂直二等分線)
- \(a\neq 1\):両辺を \(1-a^{2}\) で割って平方完成し、円
「係数が \(0\) になる場合を別扱いする」——これが軌跡の問題の定番の分かれ道です。
\(\mathrm{P}\left(x,y\right)\) とおく。\(\mathrm{OP}:\mathrm{AP}=1:a\) より \(\mathrm{AP}=a\,\mathrm{OP}\)、すなわち \(a^{2}\mathrm{OP}^{2}=\mathrm{AP}^{2}\) だから
\[a^{2}\left(x^{2}+y^{2}\right)=\left(x-1\right)^{2}+y^{2}\ \Longleftrightarrow\ \left(1-a^{2}\right)\left(x^{2}+y^{2}\right)-2x+1=0\]
(i) \(a=1\) のとき。\(-2x+1=0\)、すなわち
\(x=\dfrac{1}{2}\) (線分 OA の垂直二等分線)
(ii) \(a\neq 1\) のとき。両辺を \(1-a^{2}\) で割って
\[x^{2}+y^{2}-\frac{2}{1-a^{2}}x+\frac{1}{1-a^{2}}=0\ \Longleftrightarrow\ \left(x-\frac{1}{1-a^{2}}\right)^{2}+y^{2}=\frac{1}{\left(1-a^{2}\right)^{2}}-\frac{1}{1-a^{2}}\]
右辺 \(=\dfrac{1-\left(1-a^{2}\right)}{\left(1-a^{2}\right)^{2}}=\dfrac{a^{2}}{\left(1-a^{2}\right)^{2}}\) だから
\[\left(x-\frac{1}{1-a^{2}}\right)^{2}+y^{2}=\left(\frac{a}{1-a^{2}}\right)^{2}\]
すなわち中心 \(\left(\dfrac{1}{1-a^{2}},\ 0\right)\)、半径 \(\dfrac{a}{\left|1-a^{2}\right|}\) の円(アポロニウスの円)。
検算。\(a=2\) のとき中心 \(\left(-\dfrac{1}{3},0\right)\)、半径 \(\dfrac{2}{3}\)。この円上の点 \(\left(\dfrac{1}{3},0\right)\) について \(\mathrm{OP}=\dfrac{1}{3}\)、\(\mathrm{AP}=\dfrac{2}{3}\) で比は \(1:2\) ✓ もう一方の端 \(\left(-1,0\right)\) でも \(\mathrm{OP}=1\)、\(\mathrm{AP}=2\) ✓
【定石】2 定点からの距離の比が一定の点の軌跡=アポロニウスの円(比が \(1:1\) のときだけ垂直二等分線)。比の条件は 2 乗して座標に落とし、\(x^{2}+y^{2}\) の係数が \(0\) になる場合を分ける。
【よくあるミス】\(\mathrm{OP}:\mathrm{AP}=1:a\) を \(\mathrm{OP}=a\,\mathrm{AP}\) と逆にすること(\(\mathrm{AP}=a\,\mathrm{OP}\))。また半径を \(\dfrac{a}{1-a^{2}}\) と絶対値なしで書くこと(\(a\gt 1\) では負になります)。
\(\boxed{3}\)(2) \(\mathrm{OP}:\mathrm{AP}:\mathrm{BP}=1:a:b\) となる P の存在条件
\(a\gt 1\gt b\gt 0\) のとき、\(\mathrm{OP}:\mathrm{AP}:\mathrm{BP}=1:a:b\) を満たす点 P が存在するための \(a,b\) の条件を求め、\(ab\) 平面上に図示せよ。
【型】条件を 2 つのアポロニウスの円に分解 → 2 円が共有点をもつ ⟺ \(\left|r_{1}-r_{2}\right|\leqq d\leqq r_{1}+r_{2}\)
【なぜこうするか】
条件は「\(\mathrm{OP}:\mathrm{AP}=1:a\)」かつ「\(\mathrm{OP}:\mathrm{BP}=1:b\)」の 2 つ。(1) よりそれぞれ円になります:
| 条件 | 中心 | 半径 |
|---|---|---|
| \(\mathrm{OP}:\mathrm{AP}=1:a\)(\(a\gt 1\)) | \(\mathrm{C}\left(\dfrac{1}{1-a^{2}},\ 0\right)\) | \(r_{1}=\dfrac{a}{a^{2}-1}\) |
| \(\mathrm{OP}:\mathrm{BP}=1:b\)(\(0\lt b\lt 1\)) | \(\mathrm{C}’\left(0,\ \dfrac{1}{1-b^{2}}\right)\) | \(r_{2}=\dfrac{b}{1-b^{2}}\) |
P が存在する ⟺ この 2 円が共有点をもつ。円どうしの共有点条件は
\[\left|r_{1}-r_{2}\right|\leqq\mathrm{CC}’\leqq r_{1}+r_{2}\]
\(\mathrm{CC}’^{2}=\dfrac{1}{\left(1-a^{2}\right)^{2}}+\dfrac{1}{\left(1-b^{2}\right)^{2}}\) なので、2 乗して整理していきます。\(\alpha=a^{2}-1\gt 0\)、\(\beta=1-b^{2}\gt 0\) とおくと \(\mathrm{CC}’^{2}=\dfrac{1}{\alpha^{2}}+\dfrac{1}{\beta^{2}}\)、\(r_{1}=\dfrac{a}{\alpha}\)、\(r_{2}=\dfrac{b}{\beta}\) で
\[\mathrm{CC}’^{2}-r_{1}^{2}-r_{2}^{2}=\frac{1-a^{2}}{\alpha^{2}}+\frac{1-b^{2}}{\beta^{2}}=-\frac{1}{\alpha}+\frac{1}{\beta}\]
この「差」が驚くほど簡単になるのが本問のからくり。共有点条件は \(\mathrm{CC}’^{2}-r_{1}^{2}-r_{2}^{2}\) を \(\pm 2r_{1}r_{2}\) と比べる形になり
\[\left|\frac{1}{\beta}-\frac{1}{\alpha}\right|\leqq\frac{2ab}{\alpha\beta}\ \Longleftrightarrow\ \left|\alpha-\beta\right|\leqq 2ab\ \Longleftrightarrow\ \left|a^{2}+b^{2}-2\right|\leqq 2ab\]
最後に絶対値をはずすと \(\left(a+b\right)^{2}\geqq 2\) かつ \(\left(a-b\right)^{2}\leqq 2\)。\(a\gt b\gt 0\) だから
\(a+b\geqq\sqrt{2}\) かつ \(a-b\leqq\sqrt{2}\)
(1) より、条件を満たす P は次の 2 円の共有点である。
\(C_{1}\):中心 \(\mathrm{C}\left(\dfrac{1}{1-a^{2}},0\right)\)、半径 \(r_{1}=\dfrac{a}{a^{2}-1}\) / \(C_{2}\):中心 \(\mathrm{C}^{\prime}\left(0,\dfrac{1}{1-b^{2}}\right)\)、半径 \(r_{2}=\dfrac{b}{1-b^{2}}\)
(\(a\gt 1\) より \(1-a^{2}\lt 0\)、\(0\lt b\lt 1\) より \(1-b^{2}\gt 0\)。)P が存在する条件は 2 円が共有点をもつこと、すなわち
\[\left|r_{1}-r_{2}\right|\leqq\mathrm{CC}’\leqq r_{1}+r_{2}\]
\(\alpha=a^{2}-1\gt 0\)、\(\beta=1-b^{2}\gt 0\) とおくと \(r_{1}=\dfrac{a}{\alpha}\)、\(r_{2}=\dfrac{b}{\beta}\)、\(\mathrm{CC}’^{2}=\dfrac{1}{\alpha^{2}}+\dfrac{1}{\beta^{2}}\)。したがって
\[\mathrm{CC}’^{2}-r_{1}^{2}-r_{2}^{2}=\frac{1-a^{2}}{\alpha^{2}}+\frac{1-b^{2}}{\beta^{2}}=-\frac{1}{\alpha}+\frac{1}{\beta}\]
共有点条件を 2 乗した形 \(\left(r_{1}-r_{2}\right)^{2}\leqq\mathrm{CC}’^{2}\leqq\left(r_{1}+r_{2}\right)^{2}\) は
\[-2r_{1}r_{2}\leqq\mathrm{CC}’^{2}-r_{1}^{2}-r_{2}^{2}\leqq 2r_{1}r_{2}\ \Longleftrightarrow\ \left|\frac{1}{\beta}-\frac{1}{\alpha}\right|\leqq\frac{2ab}{\alpha\beta}\]
両辺に \(\alpha\beta\ \left(\gt 0\right)\) を掛けて
\[\left|\alpha-\beta\right|\leqq 2ab\ \Longleftrightarrow\ \left|\left(a^{2}-1\right)-\left(1-b^{2}\right)\right|\leqq 2ab\ \Longleftrightarrow\ \left|a^{2}+b^{2}-2\right|\leqq 2ab\]
絶対値をはずすと
\(-2ab\leqq a^{2}+b^{2}-2\leqq 2ab\) \(\Longleftrightarrow\) \(\left(a+b\right)^{2}\geqq 2\) かつ \(\left(a-b\right)^{2}\leqq 2\)
\(a\gt 1\gt b\gt 0\) より \(a+b\gt 0\)、\(a-b\gt 0\) だから求める条件は
\[0\lt b\lt 1\lt a,\qquad a+b\geqq\sqrt{2},\qquad a-b\leqq\sqrt{2}\]
▲ 求める領域(緑)。4 頂点は \(\left(1,\sqrt{2}-1\right)\)、\(\left(1,1\right)\)、\(\left(\sqrt{2}+1,1\right)\)、\(\left(\sqrt{2},0\right)\)。境界のうち \(a=1\)、\(b=1\) と点 \(\left(\sqrt{2},0\right)\) は除く(\(0\lt b\lt 1\lt a\) の条件による)。
検算(\(2940\) 点での直接判定)。\(a\) を \(1.02\) から \(3.0\) まで \(60\) 通り、\(b\) を \(0.02\) から \(0.98\) まで \(49\) 通りに刻んだ \(2940\) 点それぞれについて、2 円の中心間距離 \(\mathrm{CC}’\) と半径 \(r_{1},r_{2}\) を実際に計算して \(\left|r_{1}-r_{2}\right|\leqq\mathrm{CC}’\leqq r_{1}+r_{2}\) を判定したところ、「\(a+b\geqq\sqrt{2}\) かつ \(a-b\leqq\sqrt{2}\)」との不一致は 0 件 ✓ 個別に見ても
| \(\left(a,b\right)\) | \(\left|r_{1}-r_{2}\right|\) | \(\mathrm{CC}’\) | \(r_{1}+r_{2}\) | 交わる | 条件 |
|---|---|---|---|---|---|
| \(\left(1.20,0.30\right)\) | \(2.398\) | \(2.525\) | \(3.057\) | ○ | 両方満たす |
| \(\left(1.10,0.20\right)\) | \(5.030\) | \(4.875\) | \(5.446\) | × | \(a+b\lt\sqrt{2}\) |
| \(\left(2.00,0.50\right)\) | \(0.000\) | \(1.374\) | \(1.333\) | × | \(a-b\gt\sqrt{2}\) |
| \(\left(1.05,0.40\right)\) | \(9.768\) | \(9.829\) | \(10.720\) | ○ | 両方満たす |
と、判定と条件が完全に対応 ✓
【定石】「複数の比の条件を満たす点の存在」=「複数のアポロニウスの円の共有点」。2 円が共有点をもつ ⟺ \(\left|r_{1}-r_{2}\right|\leqq d\leqq r_{1}+r_{2}\)。2 乗して \(d^{2}-r_{1}^{2}-r_{2}^{2}\) をひとまとまりで扱うと計算が激減します。
【よくあるミス】外接・内接の一方(\(d\leqq r_{1}+r_{2}\) だけ)しか考えず、「一方の円がもう一方の内部に完全に入る」場合(\(d\lt\left|r_{1}-r_{2}\right|\))を除外し忘れること。また境界の除外(\(a=1\)、\(b=1\)、\(\left(\sqrt{2},0\right)\))を書かないこと。
- 3 次関数は増減表+極値+\(x\) 切片/重解の因数があるところで \(x\) 軸に接する
- 「点 A を通る接線」は接点を \(t\) とおいて A を代入(「A における接線」との違い)
- 「方程式の実数解の個数」は「2 つのグラフの共有点の個数」/個数が変わる境目は接するとき
- 確率では同じ数字の玉も区別する/和の条件は組合せを漏れなく列挙
- 「〜以下」は最大値を調べて余事象——上限に近いほど数えやすい
- 「すべての \(n\) で部分和が…」は差 \(d_{n}=S_{n}-n\) の \(+1,0,-1\) の動きを追う
- 特定の玉どうしの相対順序の確率は、その玉だけ見て等確率
- 2 定点からの距離の比が一定=アポロニウスの円(比 \(1:1\) だけ垂直二等分線)
- 2 円が共有点をもつ ⟺ \(\left|r_{1}-r_{2}\right|\leqq d\leqq r_{1}+r_{2}\)(内包の場合も忘れない)
この解説を書いている講師に、直接習うことができます。
※ 問題文は名古屋大学が公表した平成23年度(2011年度)入学試験問題を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、大学が公表した一般的な解答例そのものではありません。作成にあたっては一般的な解答例と全9問を突き合わせて一致を確認し、さらに \(\boxed{1}\) は\(V\left(s\right)\) を \(60\) 万点で走査して最大が \(s=0\)、\(V=3\pi\) であることと、体積を数値積分(\(67.02064327658225\))と 3000 万点のモンテカルロ積分(\(67.025\))の 2 通り、\(\boxed{2}\) は\(4^{n}\) 通りの試行列(\(n=8\) なら \(65536\) 通り)を有理数のまま全数列挙して \(p_{n}\)、\(q_{n-1}\) を \(n=8\) まで確認、\(\boxed{3}\) は\(a,b\) を \(80\times 80=6400\) 点に刻んで 2 円(または直線)の交わりを実測して条件と全点一致、\(\boxed{4}\) は\(a,b\) を \(4000\) まで総当たりして \(\left(6,5\right)\) だけであることを確認して独立に検算しています。
※ \(\boxed{2}\) は行列を扱う旧課程の問題ですが、実質は「\(4\) 種類のマスに \(1\) を足していく確率」で、現行課程の知識だけで完全に理解できます。
- 大問4題・150分(理・医・工・農・情報(自然))。小問は合計 9 問。
- 分野は2 段階の回転体の体積/行列と確率(実質は 4 マスへの加算)/アポロニウスの円と 2 円の交わり/2 つの 2 次方程式がともに整数解をもつ条件。
- \(\boxed{3}\) は文科系 \(\boxed{3}\) と同じ問題ですが、(2) の条件が \(a\gt 0,\ b\gt 0\) とより一般で、\(a=1\) や \(b=1\)(円ではなく直線になる)の場合分けが増えます。
- \(\boxed{1}\)(2) は「回転体をさらに回転させる」——名大理系が好むタイプ。断面積が \(\left|y\right|\leqq 1\) で \(6\pi\) と一定になるのが気持ちいいところ。
- \(\boxed{2}\) は「行列式が \(0\) のまま進む状態」がごく少数に限られることを見抜くのが急所。答えは \(p_{n}=\dfrac{2^{n}-3}{4^{n-1}}\) と簡潔。
- \(\boxed{4}\) は整数解をもつ条件を「解と係数の関係」で書き換えるのが本筋。答えは \(\left(a,b\right)=\left(6,5\right)\) ただ 1 組。
- 戦略は\(\boxed{1}\)(1)・\(\boxed{2}\)(1)(2)・\(\boxed{3}\)(1)・\(\boxed{4}\)(1) を確実に。ここまでで 5 割、\(\boxed{1}\)(2) が取れれば合格圏です。
\(\boxed{1}\) 長方形の回転体を、さらに回転させる
分野:微分・回転体の体積 難易度:やや難 目標時間:40分
\(-\dfrac{1}{4}\lt s\lt\dfrac{1}{3}\) とする。\(xyz\) 空間内の平面 \(z=0\) の上に長方形
\[R_{s}=\left\{\left(x,y,0\right)\ \middle|\ 1\leqq x\leqq 2+4s,\ 1\leqq y\leqq 2-3s\right\}\]
がある。長方形 \(R_{s}\) を \(x\) 軸のまわりに 1 回転してできる立体を \(K_{s}\) とする。
(1) 立体 \(K_{s}\) の体積 \(V\left(s\right)\) が最大となるときの \(s\) の値、およびそのときの \(V\left(s\right)\) の値を求めよ。
(2) \(s\) を (1) で求めた値とする。このときの立体 \(K_{s}\) を \(y\) 軸のまわりに 1 回転してできる立体 \(L\) の体積を求めよ。
(1) \(s=0\) のとき最大値 \(V\left(0\right)=3\pi\) (2) \(\dfrac{64}{3}\pi\)
\(\boxed{1}\)(1) \(V\left(s\right)\) の最大
長方形 \(R_{s}\)(\(1\leqq x\leqq 2+4s,\ 1\leqq y\leqq 2-3s\))を \(x\) 軸のまわりに回した立体の体積 \(V\left(s\right)\) が最大となる \(s\) と \(V\left(s\right)\) を求めよ。
【型】回転体は「外側の円柱 − 内側の円柱」=円環を底面とする筒。体積は \(\pi\left(R^{2}-r^{2}\right)\times\)(長さ)
【なぜこうするか】
長方形は \(x\) 軸から離れた位置にあります(\(y\geqq 1\))。だから \(x\) 軸のまわりに回すと中に穴のあいた筒になります。
- 外半径 \(R=2-3s\)、内半径 \(r=1\)
- 長さ(\(x\) 方向)\(=\left(2+4s\right)-1=1+4s\)
よって
\[V\left(s\right)=\pi\left\{\left(2-3s\right)^{2}-1^{2}\right\}\left(1+4s\right)\]
問題文の範囲 \(-\dfrac{1}{4}\lt s\lt\dfrac{1}{3}\) の意味も見えます:\(1+4s\gt 0\)(長方形の横幅が正)かつ \(2-3s\gt 1\)(縦幅が正)。
あとは 3 次関数の最大なので微分して増減表。展開すると \(V\left(s\right)=3\pi\left(12s^{3}-13s^{2}+1\right)\) で
\[V’\left(s\right)=3\pi\left(36s^{2}-26s\right)=6\pi s\left(18s-13\right)\]
零点は \(s=0\) と \(s=\dfrac{13}{18}=0.722\cdots\)。後者は範囲外なので、範囲内の候補は \(s=0\) だけ。符号を調べると \(s\lt 0\) で \(V’\gt 0\)、\(s\gt 0\) で \(V’\lt 0\) なので\(s=0\) で最大。
長方形 \(R_{s}\) は \(x\) 軸から離れているから、\(x\) 軸のまわりに回すと外半径 \(2-3s\)、内半径 \(1\)、長さ \(\left(2+4s\right)-1=1+4s\) の筒になる。よって
\[V\left(s\right)=\pi\left\{\left(2-3s\right)^{2}-1\right\}\left(1+4s\right)=\pi\left(9s^{2}-12s+3\right)\left(4s+1\right)\]
展開して
\[V\left(s\right)=\pi\left(36s^{3}-39s^{2}+3\right)=3\pi\left(12s^{3}-13s^{2}+1\right)\]
微分すると
\[V’\left(s\right)=3\pi\left(36s^{2}-26s\right)=6\pi s\left(18s-13\right)\]
\(-\dfrac{1}{4}\lt s\lt\dfrac{1}{3}\) では \(18s-13\lt 18\cdot\dfrac{1}{3}-13=-7\lt 0\) だから、\(V’\) の符号は \(s\) の符号と逆。増減表は
| \(s\) | \(\left(-\dfrac{1}{4}\right)\) | \(\cdots\) | \(0\) | \(\cdots\) | \(\left(\dfrac{1}{3}\right)\) |
|---|---|---|---|---|---|
| \(V’\left(s\right)\) | \(+\) | \(0\) | \(-\) | ||
| \(V\left(s\right)\) | \(\nearrow\) | 最大 | \(\searrow\) |
したがって \(s=0\) のとき最大で
\[V\left(0\right)=\pi\left(4-1\right)\cdot 1=3\pi\]
▲ \(s=0\) のときの長方形 \(R_{0}\)(緑)。\(x\) 軸のまわりに回すと、外半径 \(2\)・内半径 \(1\)・長さ \(1\) の穴のあいた筒になり、体積は \(\pi\left(2^{2}-1^{2}\right)\times 1=3\pi\)。
検算(\(60\) 万点の走査)。\(s\) を \(-0.2499\) から \(0.3332\) まで \(600001\) 点に刻んで \(V\left(s\right)\) を計算すると、最大は \(s=0.000000\) で \(V=9.424777961\)。\(3\pi=9.424777961\) と一致 ✓ 展開式 \(3\pi\left(12s^{3}-13s^{2}+1\right)\) が元の式と \(s=-0.2,0,0.1,0.3\) で完全に一致することも確認 ✓
【定石】回転軸から離れた図形を回すと「穴のあいた筒」。体積は \(\pi\left(R^{2}-r^{2}\right)\times\)(軸方向の長さ)。変数の範囲は「図形が存在する条件」から来ている——問題文の範囲の意味を確認すると検算になります。
【よくあるミス】内側の穴を忘れて \(V=\pi\left(2-3s\right)^{2}\left(1+4s\right)\) とすること。また長さを \(2+4s\) とすること(\(x\) は \(1\) から始まるので \(1+4s\))。
\(\boxed{1}\)(2) \(K_{0}\) を \(y\) 軸のまわりに回した体積
\(s=0\) のときの \(K_{0}\) を \(y\) 軸のまわりに 1 回転してできる立体 \(L\) の体積を求めよ。
【型】\(K_{0}\) を不等式で書く → 平面 \(y=t\) で切る → 切り口を \(y\) 軸(原点)のまわりに回した円環の面積
【なぜこうするか】
まず \(K_{0}\) を不等式で書きます。\(x\) 軸のまわりの回転体なので、\(y,z\) は\(\sqrt{y^{2}+z^{2}}\) の形でしか効きません:
\[K_{0}=\left\{\left(x,y,z\right)\ \middle|\ 1\leqq x\leqq 2,\ 1\leqq y^{2}+z^{2}\leqq 4\right\}\]
次に回転軸(\(y\) 軸)に垂直な平面 \(y=t\) で切る。切り口は \(xz\) 平面上の
\[1\leqq x\leqq 2,\qquad 1-t^{2}\leqq z^{2}\leqq 4-t^{2}\]
これを原点(\(y\) 軸との交点)のまわりに回すと円環になるので、必要なのは原点からの距離の最小 \(\rho_{\min}\) と最大 \(\rho_{\max}\)。\(\rho^{2}=x^{2}+z^{2}\) なので
| \(\left|t\right|\) の範囲 | \(z^{2}\) の範囲 | \(\rho_{\min}^{2}\) | \(\rho_{\max}^{2}\) | 断面積 |
|---|---|---|---|---|
| \(\left|t\right|\leqq 1\) | \(\left[1-t^{2},\ 4-t^{2}\right]\) | \(1+\left(1-t^{2}\right)=2-t^{2}\) | \(4+\left(4-t^{2}\right)=8-t^{2}\) | \(\pi\left(6\right)=6\pi\) |
| \(1\lt\left|t\right|\leqq 2\) | \(\left[0,\ 4-t^{2}\right]\) | \(1+0=1\) | \(8-t^{2}\) | \(\pi\left(7-t^{2}\right)\) |
\(\left|t\right|\leqq 1\) では断面積が \(6\pi\) で一定になるのが本問の美しいところ(\(t^{2}\) が引き算で消えます)。
なぜ場合分けが要るかというと、\(\left|t\right|\gt 1\) では \(z=0\) が許されるので、原点に最も近い点が \(\left(1,0\right)\) になるから。
あとは \(t\) について積分するだけ。\(K_{0}\) は \(xy\) 平面(および \(zx\) 平面)に関して対称なので \(t\geqq 0\) を 2 倍します。
(1) より \(s=0\) で、\(K_{0}\) は \(1\leqq x\leqq 2\)、\(1\leqq y^{2}+z^{2}\leqq 4\) をみたす点の全体(外半径 \(2\)・内半径 \(1\)・長さ \(1\) の筒)。
平面 \(y=t\) で切ると、切り口は \(xz\) 平面上の
\[1\leqq x\leqq 2,\qquad 1-t^{2}\leqq z^{2}\leqq 4-t^{2}\]
(\(\left|t\right|\leqq 2\) のとき空でない。)これを原点のまわりに回したときの通過領域は、原点からの距離 \(\rho=\sqrt{x^{2}+z^{2}}\) の最小値と最大値を \(\rho_{\min},\rho_{\max}\) として円環になる(切り口は連結だから \(\rho\) は連続的にすべての値をとる)。断面積を \(S\left(t\right)\) とすると
(i) \(0\leqq t\leqq 1\) のとき。\(z^{2}\geqq 1-t^{2}\gt 0\) だから \(\rho_{\min}^{2}=1^{2}+\left(1-t^{2}\right)=2-t^{2}\)、\(\rho_{\max}^{2}=2^{2}+\left(4-t^{2}\right)=8-t^{2}\)。よって
\[S\left(t\right)=\pi\left\{\left(8-t^{2}\right)-\left(2-t^{2}\right)\right\}=6\pi\]
(ii) \(1\leqq t\leqq 2\) のとき。\(1-t^{2}\leqq 0\) だから \(z=0\) も許され、\(\rho_{\min}^{2}=1^{2}+0=1\)、\(\rho_{\max}^{2}=8-t^{2}\)。よって
\[S\left(t\right)=\pi\left\{\left(8-t^{2}\right)-1\right\}=\pi\left(7-t^{2}\right)\]
\(S\left(t\right)\) は偶関数だから
\[V\left(L\right)=2\int_{0}^{2}S\left(t\right)dt=2\left\{\int_{0}^{1}6\pi\,dt+\int_{1}^{2}\pi\left(7-t^{2}\right)dt\right\}\]
\[=2\left\{6\pi+\pi\left[7t-\frac{t^{3}}{3}\right]_{1}^{2}\right\}=2\left\{6\pi+\pi\left(\left(14-\frac{8}{3}\right)-\left(7-\frac{1}{3}\right)\right)\right\}=2\left\{6\pi+\frac{14}{3}\pi\right\}=\frac{64}{3}\pi\]
▲ \(t=0\) のときの \(xz\) 断面。緑が \(K_{0}\) の切り口(\(1\leqq x\leqq 2,\ 1\leqq\left|z\right|\leqq 2\))。原点から最も近いのは \(\left(1,1\right)\) で \(\rho=\sqrt{2}\)、最も遠いのは \(\left(2,2\right)\) で \(\rho=2\sqrt{2}\)。回すと面積 \(\pi\left(8-2\right)=6\pi\) の円環になる。
検算(2 通りの独立な数値計算)。断面積 \(S\left(t\right)\) を数値積分すると \(67.02064327658225\)、理論値 \(\dfrac{64}{3}\pi=67.02064327658225\) で小数第 14 位まで一致 ✓ さらに (\(t\), 軸からの距離) 平面に 3000 万点をばらまき \(2\pi\rho\) を重みとするモンテカルロ積分でも \(67.025\)(相対誤差 \(0.007\%\))✓
【定石】2 段階の回転は「1 段目を不等式で書く → 2 段目の軸に垂直な平面で切る」。円環の面積 \(\pi\left(\rho_{\max}^{2}-\rho_{\min}^{2}\right)\) なので、距離の 2 乗だけ 求めればよい。切り口が連結なら距離は最小から最大まで連続的にとる——この一言を添えて論証を閉じます。
【よくあるミス】\(\left|t\right|\gt 1\) で内側の穴が消えることに気づかず、全区間で \(6\pi\) としてしまうこと(答えが \(24\pi\) になります)。また \(\rho_{\min}\) を \(1\) と決めつけること(\(\left|t\right|\leqq 1\) では \(z\neq 0\) が強制されるので \(\sqrt{2-t^{2}}\))。
\(\boxed{2}\) 4 つのマスに 1 を足していく確率(行列式が 0 でなくなるまで)
分野:確率・行列 難易度:やや難 目標時間:40分
\(A_{0}=\begin{pmatrix}0&0\\0&0\end{pmatrix}\) とする。整数 \(n\geqq 1\) に対して、次の試行により行列 \(A_{n-1}\) から行列 \(A_{n}\) を定める。
「数字の組 \(\left(1,1\right),\left(1,2\right),\left(2,1\right),\left(2,2\right)\) を 1 つずつ書いた 4 枚の札が入っている袋から 1 枚を取り出し、その札に書かれている数字の組が \(\left(i,j\right)\) のとき、\(A_{n-1}\) の \(\left(i,j\right)\) 成分に 1 を加えた行列を \(A_{n}\) とする。」
この試行を \(n\) 回(\(n=2,3,4,\cdots\))くり返した後に、\(A_{0},A_{1},\cdots,A_{n-1}\) が逆行列をもたず \(A_{n}\) は逆行列をもつ確率を \(p_{n}\) とする。
(1) \(p_{2},\ p_{3}\) を求めよ。
(2) \(\left(n-1\right)\) 回(\(n=2,3,4,\cdots\))の試行をくり返した後に、\(A_{n-1}\) の第 1 行の成分がいずれも正で第 2 行の成分はいずれも \(0\) である確率 \(q_{n-1}\) を求めよ。
(3) \(p_{n}\)(\(n=2,3,4,\cdots\))を求めよ。
(1) \(p_{2}=\dfrac{1}{4}\)、\(p_{3}=\dfrac{5}{16}\) (2) \(q_{n-1}=\dfrac{2^{n-1}-2}{4^{n-1}}\) (3) \(p_{n}=\dfrac{2^{n}-3}{4^{n-1}}\)
\(\boxed{2}\)(1) \(p_{2},p_{3}\)
\(p_{2}\)(2 回でちょうど逆行列をもつようになる確率)と \(p_{3}\) を求めよ。
【型】\(A=\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix}\) が逆行列をもつ \(\Longleftrightarrow\ ad-bc\neq 0\)。成分は非負整数で、和が試行回数
【なぜこうするか】
\(A_{0}\) は零行列で \(ad-bc=0\)、\(A_{1}\) は 1 つの成分だけ \(1\) で他は \(0\) だからやはり \(ad-bc=0\)。最初の 2 回は必ず逆行列をもたないので、\(p_{2}\) は「\(A_{2}\) が逆行列をもつ確率」そのもの。
2 回で \(ad-bc\neq 0\) となるのは「対角の 2 マスを 1 つずつ」のとき:
\[\begin{pmatrix}1&0\\0&1\end{pmatrix}\ \left(ad-bc=1\right),\qquad\begin{pmatrix}0&1\\1&0\end{pmatrix}\ \left(ad-bc=-1\right)\]
札を引く順序も区別すると \(2\times 2=4\) 通り。全体は \(4^{2}=16\) 通りなので \(p_{2}=\dfrac{4}{16}=\dfrac{1}{4}\)。
\(p_{3}\) は「\(A_{2}\) までは特異、\(A_{3}\) で非特異」。\(A_{2}\) が特異になるのは
- 同じマスを 2 回(\(4\) 通り):たとえば \(\begin{pmatrix}2&0\\0&0\end{pmatrix}\)。次に対角のマスを引けば非特異(\(1\) 通り)
- 同じ行または同じ列の 2 マスを 1 つずつ(\(4\) 組 \(\times 2\) 通りの順序 \(=8\) 通り):たとえば \(\begin{pmatrix}1&0\\1&0\end{pmatrix}\)。次にどちらかの対角マスを引けば非特異(\(2\) 通り)
よって \(p_{3}=\dfrac{4\times 1+8\times 2}{4^{3}}=\dfrac{20}{64}\)…と思いきや、\(8\) 通りの数え方を確認:同じ行の組は \(\left\{\left(1,1\right),\left(1,2\right)\right\}\)、\(\left\{\left(2,1\right),\left(2,2\right)\right\}\)、同じ列の組は \(\left\{\left(1,1\right),\left(2,1\right)\right\}\)、\(\left\{\left(1,2\right),\left(2,2\right)\right\}\) の 4 組、順序込みで \(4\times 2=8\) 通り。各 \(2\) 通りの当たりで \(16\) 通り。合わせて \(4+16=20\)、\(p_{3}=\dfrac{20}{64}=\dfrac{5}{16}\) ✓
\(A_{0}\) は零行列、\(A_{1}\) は成分が 1 つだけ \(1\) の行列だから、どちらも \(ad-bc=0\) で逆行列をもたない。よって \(p_{2}\) は「\(A_{2}\) が逆行列をもつ確率」。2 回の試行で \(ad-bc\neq 0\) となるのは
\[\begin{pmatrix}1&0\\0&1\end{pmatrix},\qquad\begin{pmatrix}0&1\\1&0\end{pmatrix}\]
の 2 通りで、札を引く順序を考えると \(2\times 2=4\) 通り。よって
\[p_{2}=\frac{4}{4^{2}}=\frac{1}{4}\]
\(p_{3}\)。\(A_{2}\) が逆行列をもたないのは次の 2 通り。
| \(A_{2}\) の形 | 2 回の引き方 | 3 回目に非特異にする札 | 通り数 |
|---|---|---|---|
| 同じ成分が \(2\)(例 \(\begin{pmatrix}2&0\\0&0\end{pmatrix}\)) | \(4\) 通り | 対角の成分(\(1\) 通り) | \(4\times 1=4\) |
| 同じ行または同じ列の 2 成分が \(1\)(例 \(\begin{pmatrix}1&0\\1&0\end{pmatrix}\)) | \(4\times 2=8\) 通り | \(2\) 通り | \(8\times 2=16\) |
よって
\[p_{3}=\frac{4+16}{4^{3}}=\frac{20}{64}=\frac{5}{16}\]
検算(\(4^{n}\) 通り全数列挙)。札の引き方をすべて列挙し、途中の行列式を毎回計算して条件を判定すると
| \(n\) | \(2\) | \(3\) | \(4\) | \(5\) | \(6\) |
|---|---|---|---|---|---|
| \(p_{n}\) | \(\dfrac{1}{4}\) | \(\dfrac{5}{16}\) | \(\dfrac{13}{64}\) | \(\dfrac{29}{256}\) | \(\dfrac{61}{1024}\) |
\(p_{2}=\dfrac{1}{4}\)、\(p_{3}=\dfrac{5}{16}\) と一致 ✓
【定石】\(2\times 2\) 行列が逆行列をもつ \(\Longleftrightarrow\ ad-bc\neq 0\)。成分が非負整数で「1 ずつ足す」なら、状態は限られるので小さい \(n\) は全列挙が速い。札を引く順序も区別して分母を \(4^{n}\) にそろえること。
【よくあるミス】順序を区別せずに数えて \(p_{2}=\dfrac{2}{10}\) などとすること。また \(A_{0},A_{1}\) が必ず特異であることを確認せずに進むこと。
\(\boxed{2}\)(2) \(q_{n-1}\)
\(n-1\) 回の試行後に、\(A_{n-1}\) の第 1 行の成分がいずれも正で第 2 行の成分がいずれも \(0\) である確率 \(q_{n-1}\) を求めよ。
【型】「2 種類の札だけを引き、しかも両方とも 1 回以上出る」=\(2^{m}\) から「片方だけ」の \(2\) 通りを引く
【なぜこうするか】
条件は「引いた札が \(\left(1,1\right)\) と \(\left(1,2\right)\) のみで、どちらも 1 回以上出た」。
\(m=n-1\) 回として、
- この 2 種類だけを引く引き方:\(2^{m}\) 通り
- そのうち片方だけ(すべて \(\left(1,1\right)\)、またはすべて \(\left(1,2\right)\)):\(2\) 通り
よって「両方出る」引き方は \(2^{m}-2\) 通り。全体は \(4^{m}\) 通りだから
\[q_{m}=\frac{2^{m}-2}{4^{m}}\]
「少なくとも 1 回ずつ」は全体から片方だけを引く——包除原理の最も単純な形です。
条件は「\(n-1\) 回引いた札がすべて \(\left(1,1\right)\) か \(\left(1,2\right)\) であり、かつどちらも少なくとも 1 回は出る」ことと同値。\(m=n-1\) とおくと、この 2 種類だけを引く引き方は \(2^{m}\) 通りで、そのうち一方だけになるのは \(2\) 通り。よって条件を満たす引き方は \(2^{m}-2\) 通り、全体は \(4^{m}\) 通りだから
\[q_{n-1}=\frac{2^{n-1}-2}{4^{n-1}}\]
検算(全数列挙)。
| \(m=n-1\) | \(1\) | \(2\) | \(3\) | \(4\) | \(5\) | \(6\) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| \(q_{m}\)(列挙) | \(0\) | \(\dfrac{1}{8}\) | \(\dfrac{3}{32}\) | \(\dfrac{7}{128}\) | \(\dfrac{15}{512}\) | \(\dfrac{31}{2048}\) |
| \(\dfrac{2^{m}-2}{4^{m}}\) | \(0\) | \(\dfrac{1}{8}\) | \(\dfrac{3}{32}\) | \(\dfrac{7}{128}\) | \(\dfrac{15}{512}\) | \(\dfrac{31}{2048}\) |
すべて一致 ✓(\(m=1\) では両方出るのは不可能なので \(0\)、という点も整合)
【定石】「\(k\) 種類だけを使い、どれも 1 回以上」は \(k^{m}\) から使わない場合を包除で引く。\(k=2\) なら \(2^{m}-2\)。
【よくあるミス】「どちらも 1 回以上」の条件を落として \(\dfrac{2^{n-1}}{4^{n-1}}\) とすること(「いずれも正」=両方 \(\geqq 1\))。
\(\boxed{2}\)(3) \(p_{n}\) の一般式
\(p_{n}\)(\(n=2,3,4,\cdots\))を求めよ。
【型】「ずっと特異でいられる状態」を突き止める。非零成分は 1 つの行か 1 つの列に収まるしかない
【なぜこうするか】
\(A=\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix}\) で \(ad-bc=0\) のとき、次に 1 を足すと行列式は
| 足す成分 | \(a\) | \(b\) | \(c\) | \(d\) |
|---|---|---|---|---|
| 新しい行列式 | \(d\) | \(-c\) | \(-b\) | \(a\) |
「足したマスの対角にあるマスの値」がそのまま新しい行列式になる——これが本問の核心です。したがって
\(A_{n}\) が逆行列をもつ \(\Longleftrightarrow\) 足したマスの対角のマスが \(0\) でない
逆に特異のまま進むには、対角のマスが \(0\) であるマスにしか足せない。つまり\(\left(1,1\right)\) と \(\left(2,2\right)\) が同時に正になることはなく、\(\left(1,2\right)\) と \(\left(2,1\right)\) も同時に正にならない。
この条件をみたす「正の成分の位置の集合」は、1 つの行に入るか 1 つの列に入るかのどちらかしかありません(対角の組を含まない位置の集合は最大 2 個で、それは必ず同じ行か同じ列)。
そこで \(A_{n-1}\) の状態を 2 つに分けます。
- 正の成分が 1 つ:\(n-1\) 回すべて同じ札。\(4\) 通り。次にその対角の 1 枚を引けば非特異 → \(4\times 1\) 通り
- 正の成分が 2 つ(同じ行か同じ列):そのペアは \(4\) 組(第 1 行・第 2 行・第 1 列・第 2 列)。各組について (2) と同じ数え方で \(2^{n-1}-2\) 通り。次に2 枚のうちどちらかを引けば非特異 → \(4\left(2^{n-1}-2\right)\times 2\) 通り
よって
\[p_{n}=\frac{4\cdot 1+4\left(2^{n-1}-2\right)\cdot 2}{4^{n}}=\frac{4+8\left(2^{n-1}-2\right)}{4^{n}}=\frac{4\cdot 2^{n}-12}{4^{n}}=\frac{2^{n}-3}{4^{n-1}}\]
行列式が \(0\) の状態から \(\left(i,j\right)\) 成分に \(1\) を足すと、新しい行列式はその対角の成分の値(符号つき)になる。実際 \(ad-bc=0\) のとき
\[\left(a+1\right)d-bc=d,\quad a\left(d+1\right)-bc=a,\quad ad-\left(b+1\right)c=-c,\quad ad-b\left(c+1\right)=-b\]
したがって\(A_{k}\) が逆行列をもたないまま進むには、値が \(0\) の成分の対角にあたる成分にしか足せない。すなわち \(A_{k}\) の正の成分の位置は、\(\left(1,1\right)\) と \(\left(2,2\right)\) を同時に含まず、\(\left(1,2\right)\) と \(\left(2,1\right)\) も同時に含まない。これをみたす位置の集合は同じ行の 2 つ、または同じ列の 2 つ(あるいはその部分集合)に限られる。
そこで \(A_{n-1}\) の状態で場合分けする(\(n-1\) 回の引き方は全部で \(4^{n-1}\) 通り)。
| \(A_{n-1}\) の状態 | \(n-1\) 回の引き方 | \(n\) 回目の当たり | 合計 |
|---|---|---|---|
| 正の成分が \(1\) つ | \(4\) 通り | \(1\) 通り | \(4\) |
| 正の成分が \(2\) つ(同じ行か同じ列) | \(4\left(2^{n-1}-2\right)\) 通り | \(2\) 通り | \(8\left(2^{n-1}-2\right)\) |
よって全体 \(4^{n}\) 通りに対して
\[p_{n}=\frac{4+8\left(2^{n-1}-2\right)}{4^{n}}=\frac{4+4\cdot 2^{n}-16}{4^{n}}=\frac{4\left(2^{n}-3\right)}{4^{n}}=\frac{2^{n}-3}{4^{n-1}}\]
検算(\(4^{n}\) 通り全数列挙、\(n=8\) なら \(65536\) 通り)。
| \(n\) | \(2\) | \(3\) | \(4\) | \(5\) | \(6\) | \(7\) | \(8\) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 列挙した \(p_{n}\) | \(\dfrac{1}{4}\) | \(\dfrac{5}{16}\) | \(\dfrac{13}{64}\) | \(\dfrac{29}{256}\) | \(\dfrac{61}{1024}\) | \(\dfrac{125}{4096}\) | \(\dfrac{253}{16384}\) |
| \(\dfrac{2^{n}-3}{4^{n-1}}\) | \(\dfrac{1}{4}\) | \(\dfrac{5}{16}\) | \(\dfrac{13}{64}\) | \(\dfrac{29}{256}\) | \(\dfrac{61}{1024}\) | \(\dfrac{125}{4096}\) | \(\dfrac{253}{16384}\) |
\(n=8\) まで完全一致(有理数演算で厳密に)✓
【定石】「条件が破れるまでの確率」は、まず破れる瞬間の条件を式にする。本問なら「足したマスの対角が \(0\) でない」。逆に「破れずに進める状態」を突き止めると、状態が驚くほど少ないことが多い。(2) が (3) の部品になっている構造も読み取ること。
【よくあるミス】\(\left(1,1\right)\) と \(\left(2,2\right)\) と \(\left(1,2\right)\) の 3 つが正になる状態を数に入れてしまうこと(そこに至る前に必ず非特異になっています)。また分母を \(4^{n-1}\) にして \(n\) 回目の \(\dfrac{1}{4}\) を掛け忘れること。
\(\boxed{3}\) アポロニウスの円と 2 円(または直線)の交わり
分野:軌跡・領域 難易度:やや難 目標時間:35分
\(xy\) 平面上に 3 点 \(\mathrm{O}\left(0,0\right)\)、\(\mathrm{A}\left(1,0\right)\)、\(\mathrm{B}\left(0,1\right)\) がある。
(1) \(a\gt 0\) とする。\(\mathrm{OP}:\mathrm{AP}=1:a\) を満たす点 P の軌跡を求めよ。
(2) \(a\gt 0,\ b\gt 0\) とする。\(\mathrm{OP}:\mathrm{AP}:\mathrm{BP}=1:a:b\) を満たす点 P が存在するための \(a,b\) に対する条件を求め、\(ab\) 平面上に図示せよ。
(1) \(a=1\) のとき直線 \(x=\dfrac{1}{2}\)、\(a\neq 1\) のとき中心 \(\left(\dfrac{1}{1-a^{2}},0\right)\)、半径 \(\dfrac{a}{\left|1-a^{2}\right|}\) の円
(2) \(a\gt 0,\ b\gt 0\) かつ \(a+b\geqq\sqrt{2}\) かつ \(-\sqrt{2}\leqq b-a\leqq\sqrt{2}\)(下図。境界のうち \(\left(0,\sqrt{2}\right)\) と \(\left(\sqrt{2},0\right)\) は除く)
\(\boxed{3}\)(1) \(\mathrm{OP}:\mathrm{AP}=1:a\) の軌跡
\(a\gt 0\) のとき、\(\mathrm{OP}:\mathrm{AP}=1:a\) を満たす点 P の軌跡を求めよ。
【型】\(a^{2}\mathrm{OP}^{2}=\mathrm{AP}^{2}\) を座標で書く。\(x^{2}+y^{2}\) の係数 \(1-a^{2}\) が \(0\) かどうかで場合分け
【なぜこうするか】
比の条件は2 乗して根号を消す:
\[a^{2}\left(x^{2}+y^{2}\right)=\left(x-1\right)^{2}+y^{2}\ \Longleftrightarrow\ \left(1-a^{2}\right)\left(x^{2}+y^{2}\right)-2x+1=0\]
\(a=1\) のときだけ 2 次の項が消えて直線(O と A から等距離=垂直二等分線 \(x=\dfrac{1}{2}\))、それ以外は円(アポロニウスの円)。
円の場合は両辺を \(1-a^{2}\) で割って平方完成するだけです。半径には絶対値をつけるのを忘れずに(\(a\gt 1\) では \(1-a^{2}\lt 0\))。
\(\mathrm{P}\left(x,y\right)\) とおくと \(a^{2}\mathrm{OP}^{2}=\mathrm{AP}^{2}\) より
\[a^{2}\left(x^{2}+y^{2}\right)=\left(x-1\right)^{2}+y^{2}\ \Longleftrightarrow\ \left(1-a^{2}\right)\left(x^{2}+y^{2}\right)-2x+1=0\]
(i) \(a=1\) のとき:\(-2x+1=0\)、すなわち直線 \(x=\dfrac{1}{2}\)(線分 OA の垂直二等分線)。
(ii) \(a\neq 1\) のとき:両辺を \(1-a^{2}\) で割って平方完成すると
\[\left(x-\frac{1}{1-a^{2}}\right)^{2}+y^{2}=\frac{a^{2}}{\left(1-a^{2}\right)^{2}}\]
すなわち中心 \(\left(\dfrac{1}{1-a^{2}},\ 0\right)\)、半径 \(\dfrac{a}{\left|1-a^{2}\right|}\) の円。
検算。\(a=2\) のとき中心 \(\left(-\dfrac{1}{3},0\right)\)、半径 \(\dfrac{2}{3}\)。この円上の点 \(\left(\dfrac{1}{3},0\right)\) で \(\mathrm{OP}:\mathrm{AP}=\dfrac{1}{3}:\dfrac{2}{3}=1:2\) ✓ \(a=\dfrac{1}{2}\) なら中心 \(\left(\dfrac{4}{3},0\right)\)、半径 \(\dfrac{2}{3}\)。点 \(\left(\dfrac{2}{3},0\right)\) で \(\mathrm{OP}:\mathrm{AP}=\dfrac{2}{3}:\dfrac{1}{3}=1:\dfrac{1}{2}\) ✓
【定石】2 定点からの距離の比が一定=アポロニウスの円(比 \(1:1\) のときだけ垂直二等分線)。係数が \(0\) になる場合を必ず別扱い。
【よくあるミス】半径を \(\dfrac{a}{1-a^{2}}\) と絶対値なしで書くこと。また \(a=1\) の場合を落とすこと。
\(\boxed{3}\)(2) \(\mathrm{OP}:\mathrm{AP}:\mathrm{BP}=1:a:b\) となる P の存在条件
\(a\gt 0,\ b\gt 0\) のとき、\(\mathrm{OP}:\mathrm{AP}:\mathrm{BP}=1:a:b\) となる点 P が存在する条件を求め、\(ab\) 平面上に図示せよ。
【型】2 つの図形(円または直線)が共有点をもつ条件。円どうしなら \(\left|r_{1}-r_{2}\right|\leqq d\leqq r_{1}+r_{2}\)
【なぜこうするか】
条件は「\(\mathrm{OP}:\mathrm{AP}=1:a\)」かつ「\(\mathrm{OP}:\mathrm{BP}=1:b\)」の 2 つ。(1) よりそれぞれ図形が定まり、P が存在する ⟺ 2 図形が共有点をもつ。
| 場合 | 2 つの図形 |
|---|---|
| \(a=b=1\) | 直線 \(x=\dfrac{1}{2}\) と直線 \(y=\dfrac{1}{2}\)(垂直だから必ず交わる) |
| \(a=1,\ b\neq 1\) | 直線 \(x=\dfrac{1}{2}\) と円(中心と直線の距離 \(\leqq\) 半径) |
| \(a\neq 1,\ b=1\) | 円と直線 \(y=\dfrac{1}{2}\) |
| \(a\neq 1,\ b\neq 1\) | 2 円(\(\left|r_{1}-r_{2}\right|\leqq d\leqq r_{1}+r_{2}\)) |
驚くべきことに、4 つの場合すべてが同じ 1 本の不等式になります。円どうしの場合で計算してみましょう。\(A=1-a^{2}\)、\(B=1-b^{2}\) とおくと中心は \(\left(\dfrac{1}{A},0\right)\)、\(\left(0,\dfrac{1}{B}\right)\)、半径は \(\dfrac{a}{\left|A\right|}\)、\(\dfrac{b}{\left|B\right|}\) で
\[d^{2}-r_{1}^{2}-r_{2}^{2}=\frac{1-a^{2}}{A^{2}}+\frac{1-b^{2}}{B^{2}}=\frac{1}{A}+\frac{1}{B}=\frac{A+B}{AB}\]
共有点条件 \(\left(r_{1}-r_{2}\right)^{2}\leqq d^{2}\leqq\left(r_{1}+r_{2}\right)^{2}\) は \(\left|d^{2}-r_{1}^{2}-r_{2}^{2}\right|\leqq 2r_{1}r_{2}\)、すなわち
\[\frac{\left|A+B\right|}{\left|A\right|\left|B\right|}\leqq\frac{2ab}{\left|A\right|\left|B\right|}\ \Longleftrightarrow\ \left|A+B\right|\leqq 2ab\ \Longleftrightarrow\ \left|2-a^{2}-b^{2}\right|\leqq 2ab\]
これを開くと
\(\left(a+b\right)^{2}\geqq 2\) かつ \(\left(a-b\right)^{2}\leqq 2\)
\(a,b\gt 0\) なので \(a+b\geqq\sqrt{2}\) かつ \(-\sqrt{2}\leqq b-a\leqq\sqrt{2}\)。\(a=1\) の場合(直線と円)も同じ式に一致します:直線 \(x=\dfrac{1}{2}\) と円の中心 \(\left(0,\dfrac{1}{B}\right)\) の距離は \(\dfrac{1}{2}\) で、条件 \(\dfrac{1}{2}\leqq\dfrac{b}{\left|B\right|}\) は \(\left|1-b^{2}\right|\leqq 2b\)、これは \(a=1\) を代入した \(\left|2-1-b^{2}\right|\leqq 2b\) と同じ ✓
(1) より、条件を満たす P は次の 2 つの図形の共有点である。
| \(\mathrm{OP}:\mathrm{AP}=1:a\) | \(\mathrm{OP}:\mathrm{BP}=1:b\) | |
|---|---|---|
| \(=1\) のとき | 直線 \(x=\dfrac{1}{2}\) | 直線 \(y=\dfrac{1}{2}\) |
| \(\neq 1\) のとき | 中心 \(\left(\dfrac{1}{1-a^{2}},0\right)\)、半径 \(\dfrac{a}{\left|1-a^{2}\right|}\) | 中心 \(\left(0,\dfrac{1}{1-b^{2}}\right)\)、半径 \(\dfrac{b}{\left|1-b^{2}\right|}\) |
(i) \(a=b=1\):直線 \(x=\dfrac{1}{2}\) と \(y=\dfrac{1}{2}\) は垂直だから必ず交わる(交点 \(\left(\dfrac{1}{2},\dfrac{1}{2}\right)\))。
(ii) \(a=1,\ b\neq 1\):円の中心 \(\left(0,\dfrac{1}{1-b^{2}}\right)\) と直線 \(x=\dfrac{1}{2}\) の距離は \(\dfrac{1}{2}\) だから、共有点をもつ条件は
\[\frac{1}{2}\leqq\frac{b}{\left|1-b^{2}\right|}\ \Longleftrightarrow\ \left|1-b^{2}\right|\leqq 2b\ \Longleftrightarrow\ \left|2-a^{2}-b^{2}\right|\leqq 2ab\quad\left(a=1\right)\]
\(b=1,\ a\neq 1\) の場合も同様。
(iii) \(a\neq 1,\ b\neq 1\):\(A=1-a^{2}\)、\(B=1-b^{2}\) とおくと \(d^{2}=\dfrac{1}{A^{2}}+\dfrac{1}{B^{2}}\)、\(r_{1}=\dfrac{a}{\left|A\right|}\)、\(r_{2}=\dfrac{b}{\left|B\right|}\) で
\[d^{2}-r_{1}^{2}-r_{2}^{2}=\frac{1-a^{2}}{A^{2}}+\frac{1-b^{2}}{B^{2}}=\frac{1}{A}+\frac{1}{B}\]
共有点条件 \(\left|d^{2}-r_{1}^{2}-r_{2}^{2}\right|\leqq 2r_{1}r_{2}\) より
\[\left|\frac{1}{A}+\frac{1}{B}\right|\leqq\frac{2ab}{\left|A\right|\left|B\right|}\ \Longleftrightarrow\ \left|A+B\right|\leqq 2ab\ \Longleftrightarrow\ \left|a^{2}+b^{2}-2\right|\leqq 2ab\]
いずれの場合も同じ条件になる。これを開くと
\(-2ab\leqq a^{2}+b^{2}-2\leqq 2ab\) \(\Longleftrightarrow\) \(\left(a+b\right)^{2}\geqq 2\) かつ \(\left(a-b\right)^{2}\leqq 2\)
\(a\gt 0,\ b\gt 0\) より \(a+b\gt 0\) だから、求める条件は
\[a\gt 0,\quad b\gt 0,\quad a+b\geqq\sqrt{2},\quad-\sqrt{2}\leqq b-a\leqq\sqrt{2}\]
▲ 求める領域(緑、無限に伸びる帯)。2 本の平行線 \(b=a\pm\sqrt{2}\) にはさまれ、直線 \(a+b=\sqrt{2}\) より上側。境界のうち \(\left(0,\sqrt{2}\right)\) と \(\left(\sqrt{2},0\right)\) は除く(\(a\gt 0,\ b\gt 0\) による)。
検算(\(6400\) 点での直接判定)。\(a,b\) をそれぞれ \(0.05\) から \(4.0\) まで \(80\) 通りに刻んだ \(6400\) 点について、\(a=1\) や \(b=1\) の場合(直線)も含めて共有点の有無を実際に判定したところ、「\(a+b\geqq\sqrt{2}\) かつ \(\left|a-b\right|\leqq\sqrt{2}\)」との不一致は 0 件 ✓
【定石】複数の比の条件=複数のアポロニウスの円(直線)の共有点。2 円が共有点をもつ ⟺ \(\left|r_{1}-r_{2}\right|\leqq d\leqq r_{1}+r_{2}\)、直線と円 ⟺ 中心と直線の距離 \(\leqq\) 半径。\(d^{2}-r_{1}^{2}-r_{2}^{2}\) をひとまとまりで計算すると劇的に簡単になります。
【よくあるミス】\(a=1\) や \(b=1\) のとき図形が直線になることを見落とすこと(文科系版は \(a\gt 1\gt b\) なのでこの場合が起きませんが、理科系版では必要)。また内包の場合(\(d\lt\left|r_{1}-r_{2}\right|\))の除外を忘れること。
\(\boxed{4}\) 2 つの 2 次方程式がともに整数解をもつ条件
分野:整数・2次方程式 難易度:やや難 目標時間:35分
\(a,b\) は \(a\geqq b\gt 0\) を満たす整数とし、\(x\) と \(y\) の 2 次方程式
\[x^{2}+ax+b=0,\qquad y^{2}+by+a=0\]
がそれぞれ整数解をもつとする。
(1) \(a=b\) とするとき、条件を満たす整数 \(a\) をすべて求めよ。
(2) \(a\gt b\) とするとき、条件を満たす整数の組 \(\left(a,b\right)\) をすべて求めよ。
(1) \(a=4\) (2) \(\left(a,b\right)=\left(6,5\right)\)
\(\boxed{4}\)(1) \(a=b\) の場合
\(a=b\) のとき、\(x^{2}+ax+a=0\) が整数解をもつような整数 \(a\ \left(\gt 0\right)\) をすべて求めよ。
【型】整数解 \(m\) を代入して \(a\) について解く。\(a=\dfrac{-m^{2}}{m+1}\) を「整数 \(+\) 分数」に分ける
【なぜこうするか】
\(a=b\) なら 2 つの方程式は同じ。整数解を \(m\) とすると \(m^{2}+am+a=0\)、すなわち \(a\left(m+1\right)=-m^{2}\) だから
\[a=\frac{-m^{2}}{m+1}\]
これが整数になる条件を出したい。分子を分母で割って「整式 \(+\) 分数」に直すのが定石:
\[\frac{-m^{2}}{m+1}=-m+1+\frac{-1}{m+1}\]
(\(-m^{2}=-\left(m+1\right)\left(m-1\right)-1\) より。)よって\(m+1\) が \(-1\) の約数、すなわち \(m+1=\pm 1\)。
\(m=0\) なら \(a=0\)、\(m=-2\) なら \(a=4\)。\(a\gt 0\) より \(a=4\)。
判別式 \(a^{2}-4a\) が平方数という筋でも解けますが、「解を文字でおいて未知の係数について解く」ほうが場合分けが少なくて速い。
\(a=b\) のとき、2 つの方程式は同じ \(x^{2}+ax+a=0\)。その整数解を \(m\) とすると
\[m^{2}+am+a=0\ \Longleftrightarrow\ a\left(m+1\right)=-m^{2}\]
\(m=-1\) は代入すると \(1=0\) となり不適だから \(m+1\neq 0\) で
\[a=\frac{-m^{2}}{m+1}=-m+1+\frac{-1}{m+1}\]
\(a,m\) は整数だから \(m+1\) は \(-1\) の約数、すなわち \(m+1=\pm 1\)。
| \(m+1\) | \(m\) | \(a\) |
|---|---|---|
| \(1\) | \(0\) | \(0\)(\(a\gt 0\) に反する) |
| \(-1\) | \(-2\) | \(4\) |
よって \(a=4\)。(実際 \(x^{2}+4x+4=\left(x+2\right)^{2}=0\) は整数解 \(x=-2\) をもつ。)
検算(総当たり)。\(a=1\) から \(99999\) まで \(a^{2}-4a\) が平方数になる \(a\) を探すと\(a=4\) のみ(\(a^{2}-4a=0=0^{2}\))✓
【定石】「整数解をもつ」は解を文字でおいて未知の係数について解く。(整式)÷(整式) の形になったら「整式 \(+\) 分数」に分けて、分母が分子(定数)の約数と読む。
【よくあるミス】\(m=-1\) の吟味を落とすこと。また \(a=0\) を答えに含めること(\(b\gt 0\) かつ \(a=b\) なので \(a\gt 0\))。
\(\boxed{4}\)(2) \(a\gt b\) の場合
\(a\gt b\gt 0\) のとき、\(x^{2}+ax+b=0\) と \(y^{2}+by+a=0\) がともに整数解をもつ整数の組 \(\left(a,b\right)\) をすべて求めよ。
【型】解と係数の関係で \(a,b\) を解で書き換える。解はすべて負の整数という強い制約を使う
【なぜこうするか】
\(x^{2}+ax+b=0\) の 2 解を \(p,q\) とすると解と係数の関係から
\[p+q=-a,\qquad pq=b\]
1 つが整数なら \(p+q=-a\) が整数なのでもう 1 つも整数。さらに \(a\gt 0,\ b\gt 0\) より \(p+q\lt 0\)、\(pq\gt 0\) なので\(p,q\) はともに負の整数。同様に \(y^{2}+by+a=0\) の 2 解 \(m,n\) もともに負の整数。
そこで \(a=-\left(p+q\right)\)、\(b=pq\) を第 2 の方程式に代入すると
\[x^{2}+pq\,x-\left(p+q\right)=0\]
この左辺を \(f\left(x\right)\) とおくと \(f\left(0\right)=-\left(p+q\right)\gt 0\)。2 解がともに負の整数なら \(-1\lt x\lt 0\) に解はないので\(f\left(-1\right)\geqq 0\) が必要:
\[1-pq-\left(p+q\right)\geqq 0\ \Longleftrightarrow\ pq+p+q-1\leqq 0\ \Longleftrightarrow\ \left(p+1\right)\left(q+1\right)\leqq 2\]
\(p,q\) は負の整数なので \(p+1,q+1\) は \(0\) 以下の整数。積が \(2\) 以下という条件から候補が一気に絞れます(\(p\leqq q\) としてよい):
\(\left(p+1,\ q+1\right)=\left(0,0\right),\ \left(r,0\right),\ \left(-1,-1\right),\ \left(-2,-1\right)\) (\(r\) は任意の負の整数)
あとは順に調べるだけ。「解がすべて負」+「\(f\left(-1\right)\geqq 0\)」で候補を潰すのがこの問題の骨格です。
\(x^{2}+ax+b=0\) の 2 解を \(p,q\)、\(y^{2}+by+a=0\) の 2 解を \(m,n\) とする。解と係数の関係より
\[p+q=-a,\qquad pq=b\]
1 つの解が整数なら \(p+q=-a\) が整数だからもう 1 つも整数。\(a\gt 0,\ b\gt 0\) より \(p+q\lt 0\)、\(pq\gt 0\) だから\(p,q\) はともに負の整数。同様に \(m,n\) もともに負の整数。以下 \(p\leqq q\)、\(m\leqq n\) としてよい。
\(a=-\left(p+q\right)\)、\(b=pq\) を第 2 の方程式に代入すると
\[f\left(x\right)=x^{2}+pq\,x-\left(p+q\right)=0\]
\(f\left(0\right)=-\left(p+q\right)\gt 0\) で 2 解がともに負の整数だから \(-1\lt x\lt 0\) に解はなく、\(f\left(-1\right)\geqq 0\) が必要。すなわち
\[1-pq-\left(p+q\right)\geqq 0\ \Longleftrightarrow\ pq+p+q+1\leqq 2\ \Longleftrightarrow\ \left(p+1\right)\left(q+1\right)\leqq 2\]
\(p\leqq q\leqq-1\) より \(p+1\leqq q+1\leqq 0\)。積が \(2\) 以下となる組は
| \(\left(p+1,q+1\right)\) | \(\left(p,q\right)\) | \(\left(a,b\right)\) | 判定 |
|---|---|---|---|
| \(\left(-1,-1\right)\) | \(\left(-2,-2\right)\) | \(\left(4,4\right)\) | \(a\gt b\) に反する |
| \(\left(-2,-1\right)\) | \(\left(-3,-2\right)\) | \(\left(5,6\right)\) | \(a\gt b\) に反する |
| \(\left(0,0\right)\) | \(\left(-1,-1\right)\) | \(\left(2,1\right)\) | \(y^{2}+y+2=0\) は整数解なし |
| \(\left(r,0\right)\)(\(r\) は負の整数) | \(\left(r-1,-1\right)\) | 下で調べる |
最後の場合。\(p=r-1\)、\(q=-1\) とすると \(f\left(x\right)=x^{2}+\left(1-r\right)x+\left(2-r\right)=0\)。解と係数の関係より
\[m+n=-1+r,\qquad mn=2-r\]
辺々加えると \(mn+m+n=1\)、すなわち
\[\left(m+1\right)\left(n+1\right)=2\]
\(m,n\) は負の整数で \(m\leqq n\) だから \(m+1\leqq n+1\leqq 0\)、積が \(2\) となるのは \(\left(m+1,n+1\right)=\left(-2,-1\right)\) のみ。よって \(\left(m,n\right)=\left(-3,-2\right)\)、\(r=-4\)、\(\left(p,q\right)=\left(-5,-1\right)\)、したがって
\[a=-\left(p+q\right)=6,\qquad b=pq=5\]
逆に \(\left(a,b\right)=\left(6,5\right)\) のとき \(x^{2}+6x+5=\left(x+1\right)\left(x+5\right)=0\)、\(y^{2}+5y+6=\left(y+2\right)\left(y+3\right)=0\) でともに整数解をもち、\(a\gt b\gt 0\) も満たす。以上より
\[\left(a,b\right)=\left(6,5\right)\]
検算(総当たり)。\(1\leqq b\lt a\leqq 4000\) の範囲で \(a^{2}-4b\) と \(b^{2}-4a\) がともに平方数となる組を全探索したところ、\(\left(a,b\right)=\left(6,5\right)\) の 1 組だけ ✓
【定石】「2 次方程式が整数解をもつ」は解と係数の関係で係数を解で書き換える。係数の符号から解の符号が決まる(\(p+q\lt 0,\ pq\gt 0\ \Rightarrow\ p,q\lt 0\))。「解が \(-1\) より小さい」なら \(f\left(-1\right)\geqq 0\)——グラフの位置関係を不等式にすると強力に絞れます。\(\left(p+1\right)\left(q+1\right)\leqq 2\) のような積の形に持ち込むのが整数問題の王道。
【よくあるミス】「一方の解だけ整数」の可能性を考えてしまうこと(和が整数なので両方整数)。また最後に得た \(\left(a,b\right)\) が元の 2 式を実際に満たすかの逆の確認を省くこと。
- 回転軸から離れた図形を回すと「穴のあいた筒」/体積は \(\pi\left(R^{2}-r^{2}\right)\times\)(長さ)
- 2 段階の回転は「1 段目を不等式で書く → 2 段目の軸に垂直な平面で切る」
- 円環の面積は距離の 2 乗だけで決まる/切り口が連結なら距離は連続的に変化
- 行列式 \(0\) の状態から \(\left(i,j\right)\) に \(1\) を足すと、新しい行列式は対角の成分
- 「条件が破れずに進める状態」を突き止めると、状態は驚くほど少ない
- 「\(k\) 種類だけ使い、どれも 1 回以上」は \(k^{m}\) から包除で引く
- 2 定点からの距離の比が一定=アポロニウスの円(比 \(1:1\) だけ直線)
- 2 円が共有点をもつ ⟺ \(\left|r_{1}-r_{2}\right|\leqq d\leqq r_{1}+r_{2}\)/直線と円は「中心との距離 \(\leqq\) 半径」
- 「整数解をもつ」は解と係数の関係で係数を解で書き換える/\(f\left(-1\right)\geqq 0\) のようなグラフの条件で絞る
この解説を書いている講師に、直接習うことができます。
問題PDFをテキストでも確認
名古屋大学 2011年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析
公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。
- 空間図形
- 図形・三角関数
- 確率・場合の数
- 微分・積分
- 整数
- ベクトル
- 関数・グラフ
- 方程式・不等式
この年度の出題範囲と傾向
2011年度の問題PDFでは、空間図形、図形・三角関数、確率・場合の数、微分・積分、整数に関する語句や設問を確認できました。名古屋大学の公開PDFを年度横断で調べると、図形・三角関数は23年度、微分・積分は23年度、確率・場合の数は22年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。
分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。
問題文の文字起こし
問1画像OCR
検出分野: 図形・三角関数、確率・場合の数、ベクトル、関数・グラフ、空間図形
2) 曲線ッーゼーヶ2の接線で, 点(-う。 0 ]を通るものをすべて求めよ。
(9) PERRET. の3次方程式デ9 ーーヵ(ー の異なる実数錠の個数を求めよ。
[2] 02 eBU REMI, MOL EROREMSM, BFOOSEDREMI HISD, これら合計8 個の玉が袋に入っている。以
の(1]) から139 のそれぞれにおいて, との状態の袋から 1 度に 1 個ずつ玉を取り出し, 取り出した玉は袋に戻さないものとする。
(1) 玉を2 度取り出すとき, 取り出した玉に書かれた数字の合計が 2 である確率を求めよ。
Q) 玉を4席取り出すとき, 取り出した玉に書がれた数字の合計が4 以下である確率を求めよ。
(3) 玉を8度取り出すとき, 次の条件が満たされる確率を求めよ。
条件 : すべてのヵー1, 2, 8に対して, 1 個目からぁ個目までの玉に書かれた数字の合填はヵ 以下である。
ay 平面上に3点0(0, 0), ACL, 0), B(0, 1)がある。
(1) g>0 とする。OP : AP=1 :gを満たす点Pの軌中を求めよ。
©) 1ン5> 0とする。OP : AP : BPニ1:g:5を満たす応Pが存在するためのg, 5 に対する条件を求め 平面上に図示せよ。
a i
—3-— M6 (450—139)
1 | | |
数 学
TT
ak
[1] esi
—4— M6 (450—140)
= —
| |
oR A
lee ht'〔トホキト【ぴ!{.+t.1t.1007101))0)0 050 1
= 一 ぐM6 (450一141)
mm |
文科 PTET |
31 数 学
ーー
答案 細
EE
crm)
ー6 一 M6 (450一142)
| | | |
J に2 AN -
数 学 公 式 集
との公式集は問題と無関係に作成されたものであるが, 答案作成にあたって
利用してよい。この公式集は持ち帰ってよい。
A = xX
1 SFP aya, 2434! 3 vate, Co, 0, cは正または0)
2. (a? +b? + 0?) (x? + y? + 27) 2 (ax + by + cz)?
CG A ®
a@o__b _ et
3. Gna ~ sinB smc ~2*
4 at=b? +c? 2becosA
5 9=すsin4ームでーのでーのでーの, で= 65の)
(図形 と x)
6. MARLO Rx, *。を娘 :みに内分および外分する点 :
my + ny がo一1
mtn" m—n
7. Ria, yi) CBR ax + by +o = 0 との距離. および点(rj。 yi, 21) と平面gg by + cz+d=0 CORR:
lax: + by tel Jax: + by: tcz1 + dl
date? fate +e?
2 2
8 RAT +S RH 1 LOR, か)における接線: キャブーニュ
2 2
9, Rue FP HL EOR(, yi) BU SBM: A A =I
(ベクトルと行列)
10, 2 つのベクトルのなす角 : cos9 =テーンー
lal[ol
aby 1 d 一5
wt | ante (_, ad ee
=ルー M6 (450一143)
問2画像OCR
検出分野: 空間図形、整数、微分・積分、確率・場合の数、図形・三角関数
Q 。を(1) で求めた値とする。このときの立体 をヶ 軸のまわりに1 回転してできる立体の体積を求めよ。
0 0
4-[ とする。 整数 1 に対して, 次の試行により行列4。-」から行列 4。 を定める。
[数字の組(1 1), A, 2), (2, 1, 2, 2)を1つずつ番いた4枚の札が入っている袋から 1 枚を取り出し。その札
に書かれている数字の組が(?』 POE, Ay. OG, の成分に 1 を加えた行列を A, とする。」
この試行をヶ 回(ヵ三2。 3, 4, ...うくり返した後に, Ay Ar, ...。 Ani MBS GET A, は逆行列をもつ確率を py とする。
(1) pa, がを求めよ。
(220 ゆー1)回(ゅ2, 8, 4, ...)の試行をくり返した後に。 A, の第 1 行の成分がいずれや正で第 2行の成分はいずれも 0 CH SME
率g』-」 を求めよ。 :
8) pe (n=2, 8, 4, を求めよ。 ;
wy VHLIC3.0(0, 0), ACL, 0), BOO, 1)がある。
1 Wa 0とする。OP:APー1 :gを満たす点Pの軌跡を求めよ。
9 2) a>0, 5>0とする。OP : AP: BP=1 :g:ちを満たす点Pが存在するための a, 5 に対する条件を求め ob 平面上に図示せよ。
a, bikaZb>VEWRTBMEL, «by OVER
x? +axt+b=0, ytbyta=0
BENENERMRE SETS,
(1) c=bESSER, 条件を満たす整数<をすべて求めよ。
2) cンとするとき, 条件を満たす整数の組(Z, 5) をすべて求めよ。
— 3am OM7 (450-151)
BAR LTTTT
32 数 学
sl
BR wt
ー4 一 ぐやM7 (450一152)
| | |
HE PLEO
32 数 学
ey eee ee Ld
OR 押
fe] em
—5— M7 (450-153)
m7 |
理科系 LLIIII
32 数 学
i in
a.
[i] ese
ー5 一 ぐM7(450一54)
| | | |
理科系 LILITI
32 数 学
aOR it
i_—-— Sh
ーーs eo - M7 (450—155)
| | |

