大阪大学 2003年度 過去問・解答

藤原進之介です。このページでは大阪大学2003年度の数学過去問の問題資料と学習情報を無料公開しています。掲載している問題・解答・解説の範囲は、ページ内の各見出しでご確認ください。

今日の一問
平面ベクトル に対して と定める。
(1) 平面ベクトル に対して とするとき が成り立つことを示せ。
——さて、どこから手をつける?
続きの小問と、答え・考え方は本文で解説します。

問題

解答

📑 この年度の大問インデックス(全8問)

解説が長いので、解きたい大問へ直接移動できるようにしています。解けなかった問題は、解説を読んだあとに同じ型の問題で当て直すと定着が速くなります。

型から探したいときは解法パターン事典、他の年度は過去問解説の総索引から。

🧭 大阪大学 2003年度|大問ごとに「使う型」を対応させた表

解けなかった大問がどの型に属するのかを一覧にしました。解説を読んだあと、型のページで同じ判断を使う問題を数問当てると定着が速くなります。この年度は難易度と目標時間を掲載していないため、それらは載せていません。

大問出題テーマ使う型(解法パターン事典)
【1】平面ベクトルの「外積」記号ベクトルの図形への応用
【2】相異なる素因数の積と確率確率
【3】放物線と直線が切り取る2つの面積積分法(数II)
【4】複素数列と直角二等辺三角形数列・漸化式
【5】対数の不等式と2接線の交点指数・対数
【7】をみたす数列数列・漸化式
【8】2軸に接する楕円と面積のグラフ2次曲線

型の全体像は解法パターン事典、他の年度・他大学は過去問解説の総索引から。大阪大学の年度一覧は各ページ末尾のナビでも確認できます。

大阪大学 2003年度(平成15年度)前期日程 数学の全問解説です。文系が3題、理系が5題で重複はなく、全8題16小問になります。
掲載しているすべての数値は、当塾で独立に解いたうえで Pythonによる検算(ベクトルの恒等式を20万組で確認・素因数の積を4万組で確認・面積の走査・複素数列の直接計算・数列の全数確認・楕円の判別式の走査) を行い、本ページで配布している解答PDFも数強塾が独自に作成したもので、この解説と同じ答え・同じ道筋です。

本ページ出題分野答え
【1】文系 第1問平面ベクトルの「外積」記号(証明)
【2】文系 第2問相異なる素因数の積と確率
【3】文系 第3問放物線と直線が切り取る2つの面積
【4】理系 第1問複素数列と直角二等辺三角形
【5】理系 第2問対数の不等式と2接線の交点(証明)
【6】理系 第3問整式が恒等的に0になる条件(証明)
【7】理系 第4問 をみたす数列
【8】理系 第5問2軸に接する楕円と面積のグラフ

この年度の傾向(3行)

  • 「証明せよ」が非常に多い年です。16小問のうち10問が証明で、答えの数値を出す問題は6問だけ。論証の道筋を書き切る力がそのまま点数になります。
  • 【6】と【7】は「大学数学の入口」。【6】は「0でない整式の根は有限個」という一言が主役、【7】は という関数方程式から が出てくる、という有名な流れです。誘導が丁寧なので、意味が分かれば完答できます。
  • 【3】は「共通部分を足す」という一手で劇的に簡単になります。2つの面積を別々に計算するのは大変ですが、両方に同じ図形を足すと、どちらも 公式が使える形になります。差を考えるときの定石です。

【1】平面ベクトルの「外積」記号(文系 第1問)

【問題】
平面ベクトル に対して と定める。
(1) 平面ベクトル に対して とするとき が成り立つことを示せ。
(2) (1) で がすべて正であるとする。このとき任意の平面ベクトル は0以上の実数 を用いて と表すことができることを示せ。
【解答】 (1)(2) いずれも証明(下記)

(1) 

【問題(再掲)】  を示せ。

【型】成分がすべて与えられているので素直に成分で計算する

【なぜこうするか】 は成分の式でしか定義されていないので、うまい変形を探すよりそのまま代入して展開したほうが確実です。6項ずつが打ち消し合います。

とすると

成分

成分

よって 。(証明終)

意味: は2つのベクトルが作る平行四辺形の符号つき面積です。平面上のベクトルは3本あれば必ず1次従属なので、 の間には必ず関係式があります。(1) はその関係式を面積で書いたものです。

(2) 任意の が0以上の係数で表せること

【問題(再掲)】  のとき、任意の と表せることを示せ。

【型】まず2本で表しておいて、(1) の関係式で「足りない分を押し上げる」

【なぜこうするか】 なので は平行でなく、この2本だけで平面全体が表せます(ただし係数の符号は自由)。あとは (1) の を足していけば、 の係数をいくらでも大きくできるので、負だった係数を0以上に押し上げられます。

第1段  より は1次独立なので、任意の は実数 を用いて

と一意に表せます。

第2段 (1) より 、すなわち

そこで を後で決めることにして

これが と等しくなるのは

第3段  なので、 を大きくすれば はいくらでも大きくなります。具体的に

ととれば であり、、同様に

よって と表せます。(証明終)

abcdOℓ,m,n がすべて正 = 3本が同じ向きに偏らない
がすべて正というのは、3本のベクトルがぐるりと平面を取り囲むように配置されているということ。だから0以上の係数だけで、どの向きの も作れる。

検証: をランダムに20万組とって を計算し、すべて (誤差 未満)であることを確認。さらに となる組を2万通り作り、ランダムな に対して上の の取り方で実際に かつ になることを確認しました(失敗0件)。

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【2】相異なる素因数の積と確率(文系 第2問)

【問題】
自然数 に対して、 の相異なる素因数をすべてかけあわせたものを で表すことにする。たとえば である。ただし とする。
(1)  を自然数、 の最大公約数とするとき となることを示せ。
(2) 2つの箱A、Bのそれぞれに1番から10番までの番号札が1枚ずつ10枚入っている。箱A、Bから1枚ずつ札を取り出す。箱Aから取り出した札の番号を 、箱Bから取り出した札の番号を とするとき、 となる確率 と、 となる確率 を求めよ。
【解答】 (2)

(1) 

【問題(再掲)】  を示せ。

【型】「どの素数が現れるか」だけで決まる。素因数の集合で考える。

【なぜこうするか】 は指数を無視して素因数を1個ずつ掛けたものです。だから を割り切る素数の集合」を と書けば 。あとは集合の言葉になります。

素数 について

  • または  ( が素数だから)
  • かつ

したがって 。集合の要素を数えるときの基本

を合わせると、 を合わせたものに一致

(和集合には共通部分が1回しか入らず、共通部分をもう1回足すと各集合を別々に足したことになる、ということ)から

(証明終)

(2) 2つの確率

【問題(再掲)】  となる確率 となる確率 を求めよ。

【型】(1) を と読み替えると、条件が だけの条件になる。

【なぜこうするか】(1) が用意されているのはこのためです。 と同じこと。 の最大公約数がどんな数か」だけを数えればよいと分かります。

  • は素因数をもたない ⟺ が互いに素)
  • の素因数が2だけ ⟺ は2の累乗で 、つまり なので)

取り出し方は全部で 通りで、すべて同様に確からしい。

の個数) 各 に対して と互いに素な の個数を数えます。

12345678910
個数10575839574

合計は 通り。

の個数)

  • かつ互いに素。個数は 通り
  • かつ互いに素。 の3通り
  • の1通り

合計 通り。

よくあるミス  を「 が偶数」と読んでしまう。 だと です。「素因数が2だけ」なので は2の累乗に限られます。

検証: を素因数分解から実装し、 の全4万通りで を確認(反例0件)。 の100通りでは 63通り23通りで、上の数え方と一致しました。

【3】放物線と直線が切り取る2つの面積(文系 第3問)

【問題】
放物線 軸の共有点を とし、 と直線 の共有点を 、原点をOとする。ただし とする。線分OP、OAと で囲まれた図形の面積と、線分OQ、OBと で囲まれた図形の面積が等しいとき の値を求めよ。
【解答】 

2つの面積が等しくなる

【問題(再掲)】 2つの面積が等しいときの を求めよ。

【型】面積の比較は両方に同じ図形を足して、計算しやすい形にそろえる

【なぜこうするか】2つの面積 を別々に積分するのは大変です。ところが両方に「共通部分」を足すと は「放物線と直線が囲む部分」、 は「放物線と 軸が囲む部分」になり、どちらも 公式一発で書けます。

PQABOS1S2y=4x
のとき。青が (線分OP・OAと で囲まれた部分)、橙が (線分OQ・OBと で囲まれた部分)。この2つがちょうど等しくなる。

第1段:交点の関係  軸の交点は 、すなわち の解なので

と直線 の交点は 、すなわち の解なので

第2段:共通部分を足す 放物線と直線 が囲む部分の面積を 、放物線と 軸が囲む部分の面積を とすると、共通部分を として

が成り立ちます(図で確かめられます)。したがって

第3段: 公式  なので

同様に なので 。よって

第4段: を求める  より

または

なので

はどうなるのか: で、 のときは 。積が同じで和が大きいので となり、Pは線分AOの上、Qは点Bの右外に来ます。このときも上と同じ計算になり、結局 から しか出ません。実際 では のほうが必ず大きくなります。

検証:面積をグリーンの定理から )として計算し、 で数値を確認。 のとき で一致しました。また の符号によらず成り立つこと、 の全域(2万点)で であることも確認しています。

【4】複素数列と直角二等辺三角形(理系 第1問)

【問題】
を正の実数、 とする。ただし は虚数単位である。また、複素数の列 で定める。
(1)  が実数になるための必要十分条件は が6の倍数であることを示せ。
(2) 複素数平面で原点をOとし を表す点を とする。 であるような について、 が直角二等辺三角形となるような を求めよ。
【解答】 (2) または

(1)  が実数 ⟺

【問題(再掲)】  が実数になるための必要十分条件が「 が6の倍数」であることを示せ。

【型】まず一般項を求める。指数の和は等差数列の和になる。

【なぜこうするか】 を繰り返すと、 の指数は という奇数の和。これは有名な です。

✓、 ✓ で帰納的に確かめられます。)ド・モアブルの定理より

なので 。したがって

が実数 は整数)

つまり の倍数であること。

が素数であることを使いました。)よって 。(証明終)

(2) 直角二等辺三角形になる

【問題(再掲)】  が直角二等辺三角形となる を求めよ。

【型】Oを頂点にもつ三角形は2辺の長さの比と、その間の角で決まる。

【なぜこうするか】 なので、 回転して 倍したもの。角と比が一度に分かります。

第1段:角を絞る  です。 より なので

この範囲なので、この値がそのまま三角形の角 になります。直角二等辺三角形の角は なので、

ところが 5の奇数倍なので、一の位が5です。 は5の偶数倍なので にはなりません。したがって

第2段: を決める  なので、直角は にあります。 に注意して

  • 直角が が斜辺なので 、すなわち
  • 直角が が斜辺なので 、すなわち

なので

  または

OP4P545°直角
のとき。 が直角。 になっている。

検証:漸化式から を直接計算して を確認。 で「 が実数」と「」が完全に一致することも確認しました。(2) は の全組で3辺の長さを計算し、直角二等辺になるのが の2通りだけであることを確認しました。

【5】対数の不等式と2接線の交点(理系 第2問)

【問題】
(1)  のとき、不等式 が成り立つことを示せ。
(2)  を正の定数とする。 とし、曲線 上の2点 を考える。このときPにおける の接線とQにおける の接線の交点の 座標は常に正であることを示せ。
【解答】 (1)(2) いずれも証明(下記)

(1) 不等式の証明

【問題(再掲)】  のとき を示せ。

【型】差を関数にして微分。 で値が0になるように作る

とおくと

では なので は増加。よって 、すなわち

(証明終)

(2) 2接線の交点の 座標が正

【問題(再掲)】 PとQにおける接線の交点の 座標が常に正であることを示せ。

【型】接線を2本立てて交点を文字で出す。その符号を (1) に帰着させる。

【なぜこうするか】交点の 座標は指数関数の入り混じった式になります。指数のままでは符号が見えないので、対数をとって「 と分数式の比較」に持ち込む。そこで (1) がぴったり効きます。

なので、接線は

を消去して について解くと( とおきます)

かつ より なので、分母は正。したがって

(i) のとき 右辺は 以下、左辺は正なので成り立ちます。

(ii) のとき 両辺とも正なので対数をとってよく

ここで とおくと、 より 。また逆に解くと です。よって示すべき式は

これは (1) そのものなので成り立ちます。

以上より、どちらの場合も交点の 座標は正です。(証明終)

図形的な意味: は下に凸なので、2接線の交点は必ず曲線の下側にあります。P と Q は と原点対称の位置ですが、右側のほうが傾きが急なので、交点は右へ寄る——これが「 座標が正」の直感です。

検証:(1) を の20万点で確認( にごく近い箇所での桁落ちを除き反例0件)。(2) は から から まで各300分割した9万通りで交点の 座標を計算し、すべて正でした(例:)。

【6】整式が恒等的に0になる条件(理系 第3問)

【問題】
(1)  の整式とし、 および をみたす数列とする。このとき ならば は整式として0であることを示せ。
(2)  の整式とし はすべての実数 に対して0であるとする。このとき はいずれも整式として0であることを示せ。
【解答】 (1)(2) いずれも証明(下記)

(1) 無限個の根をもつ整式は0

【問題(再掲)】  がすべての で成り立つならば は0であることを示せ。

【型】背理法。「0でない 次式の根は高々 個」を使う。

【なぜこうするか】示したいのは「 が0」。直接は言いにくいので0でないと仮定します。すると次数 が決まり、根の個数が 個以下に制限されます。一方 は狭義単調増加なので互いに相異なる無限個の値で、すべて根。ここで矛盾します。

が整式として0でないと仮定します。

(i) が0でない定数のとき  となり仮定に反します。

(ii) 次式()のとき 方程式 の相異なる実数解は高々 個です。ところが より すべて相異なり、しかも無限個あります。これらがすべて の解なので、解が 個以上あることになり矛盾します。

よって は整式として0です。(証明終)

(2) 3つの整式がすべて0

【問題(再掲)】  ならば がいずれも0であることを示せ。

【型】三角関数の値が都合よくなる を無限個選んで、(1) に持ち込む

【なぜこうするか】 はすべての で成り立つので、好きな を代入してよいのです。しかも (1) が使える形にするには「無限に大きくなる増加列」を選ぶ必要があります。 のように を動かせば自動的にそうなります。3つの整式を1つずつ順に消していくのが方針です。

第1段:  を代入します。このとき なので

数列 は狭義単調増加で に発散するので、(1) より は整式として0です。

第2段: これで 。ここに を代入すると なので

この数列も狭義単調増加で発散するので、(1) より は整式として0です。

第3段: 残るのは を代入すると なので

やはり (1) より は整式として0です。(証明終)

よくあるミス 「 は独立だから係数を比べて0」と書いてしまう。整式と三角関数が混ざった式には「係数比較」は使えません。具体的な を無限個代入して (1) に落とす、というのがこの問題の唯一の道です。

検証:代入する3つの数列で三角関数の値が意図どおりになることを数値で確認しました( がともに 台、)。

【7】 をみたす数列(理系 第4問)

【問題】
数列 および をみたすとする。
(1)  を2以上の自然数とする。自然数 が与えられたとき をみたす自然数 が存在することを示せ。
(2)  を2以上の自然数とするとき が成り立つことを示せ。
(3)  とするとき、数列 の一般項を求めよ。
【解答】 (3)

共通の準備  とすると より 。数列は増加なので では 。また を繰り返し用いると

(1)  となる の存在

【問題(再掲)】  をみたす自然数 が存在することを示せ。

【型】「〜となる最小の 」をとる。存在は「集合が空でない」+「自然数の最小値がある」で言える。

【なぜこうするか】 なので はいくらでも大きくなります。だから となる 」は必ず存在。そのうち最小のものをとれば、1つ手前は条件を満たさない、つまり が言えます。

より なので、集合 は空ではありません。自然数の空でない集合には最小元があるので、その最小元を とします。

  • より
  • のとき、最小性から 、すなわち
  • のとき、 より)

いずれの場合も が成り立ちます。(証明終)

(2)  が近いこと

【問題(再掲)】  を示せ。

【型】(1) の不等式に を当てる」と「 を当てる」の2通りを行い、同じ幅 の区間に両方を閉じ込める

【なぜこうするか】2つの量の差を直接評価するのは難しいのですが、両方が同じ区間 に入っていれば、差はその幅 より小さい——これが (1) を用意した理由です。

を当てる  は増加なので、 の各辺を添字とみて

で割ると

を当てる  は増加関数なので、同じ不等式から

より です。)

2つの量がともに幅 の区間 に入っているので、その差の絶対値は より小さくなります。

(証明終)

(3) 一般項

【問題(再掲)】  とするとき の一般項を求めよ。

【型】(2) は「すべての について成り立つ」 として等式にする。

【なぜこうするか】 を含まない定数です。それがすべての について より小さいのだから、0でなければなりません。

(2) の左辺は によらない定数で、右辺は で0に収束します。したがって

ここで とすると なので

のときも より と一致します。

この問題の正体: は「掛け算を足し算に変える」という関係で、これは対数の定義そのものです。単調増加という条件を付けると、対数関数の定数倍しかない——という有名な事実を、高校の道具だけで証明させています。

検証: として を作り、 の全組で が成り立つこと、 であること、 で単調増加であることを確認。また (1)(2) の不等式を の全組で確認しました(反例0件)。

【8】2軸に接する楕円と面積のグラフ(理系 第5問)

【問題】
(1) 平面上において座標軸に平行な主軸(長軸、短軸)をもち、 軸、 軸の両方に接する楕円を考える。その中心の 座標を とする。このような楕円のうち点 を通るものが存在するための の範囲を求めよ。ただし円は楕円の特別な場合とみなすものとする。
(2) (1) の楕円がちょうど2つ存在するような に対して、その2つの楕円の中心をB、Cとする。 の面積を で表すときこの関数のグラフをかけ。
【解答】 (1)   (2) )。グラフは下記

(1) 楕円が存在する の範囲

【問題(再掲)】 A を通る楕円が存在するための の範囲を求めよ。

【型】「2軸に接する」を半径と中心座標の関係に翻訳する。

【なぜこうするか】中心 の楕円が 軸に接するには、横半径がちょうど 軸に接するには縦半径が 半径が中心座標で決まってしまうので、未知数は の2つだけになります。

第1段: 楕円の方程式は

この楕円は 方向に の間、 方向に の間にあります。A を通るには がその範囲に入らねばならないので かつ です。

第2段: の方程式 A を代入すると

とおくと 、すなわち

第3段:解が存在する条件  とおくと、判別式は

のもとで 、すなわち と同値です。

このとき解は で、 より なのでどちらも0以上。 になるのは (すなわち )で符号が のときだけで、これは が定まらないので不適です。それ以外は となり、楕円が実際に作れます。

楕円の個数
0個
1個(重解)
または 2個
1個( が不適)

(2)  とそのグラフ

【問題(再掲)】 楕円がちょうど2つ存在する に対し、 の面積 のグラフをかけ。

【型】B、Cは 座標が同じなので、BCを底辺、Aからの水平距離を高さとみる。

楕円がちょうど2つ存在するのは または 。中心は で、 から

Aから直線BC()までの距離は なので

ここで より なので

BCA(1,2)Oaa=5 の場合(Cを中心とする方は円)
の場合。2軸に接し A を通る楕円は2つあり、中心はどちらも 上。この例では一方(Cを中心とする方)がちょうど円になっている。

増減を調べる  とおくと です。商の微分から

の解は なので、定義域に入るのは だけです。

増加減少最小増加

各区間での様子は次のとおりです。

  • (単調増加)
  • で最小、その後

最小値は を代入して

1/21(3+√5)/2(1+√5)√(2+√5)S(a)a
のグラフ。 が漸近線。 は楕円が1つしかないので定義域に入らず、白丸で示した。
よくあるミス  を定義域に入れてしまう。どちらも楕円が「ちょうど2つ」ではなく1つなので、(2) の対象外です。特に が解に混ざる( が定まらない)ケースで、見落としやすいところです。

検証: から まで5000点にわたって、楕円の個数と中心の 座標を判別式から求め、 の面積を直接計算しました。閉じた式 と相対誤差 で一致( のごく近傍を除く)。 を30万点で走査した最小値は での で、 と一致しました。

解法の「型」の一覧

場面使った問題
成分でしか定義されていない記号素直に成分で展開する【1】(1)
0以上の係数で表す2本で表しておき、関係式で係数を押し上げる【1】(2)
素因数だけで決まる関数素因数の集合で考える【2】(1)
2つの面積の比較両方に同じ図形を足して形をそろえる【3】
放物線と直線が囲む面積 公式。 だけ出せばよい【3】
指数の和は奇数の和 【4】(1)
Oを頂点にもつ三角形 が「回転角」と「比」を同時に与える【4】(2)
指数の入った式の符号対数をとって と分数式の比較に落とす【5】(2)
「整式として0」の証明背理法。0でない 次式の根は高々 【6】(1)
恒等式に整式と三角関数都合のよい を無限個代入して1つずつ消す【6】(2)
「〜となる が存在」条件をみたす最小の自然数をとる【7】(1)
2つの量が近いことの証明同じ幅の区間に両方を閉じ込める【7】(2)
すべての 【7】(3)
2軸に接する楕円半径が中心座標で決まる(【8】(1)

検証について

本ページの数値は、次の3段階を通したものだけを掲載しています。

  1. 当塾で独立に解く。解答を見る前に、まず自分で最後まで解きます。
  2. Python で別方法から検算する。今回は、【1】をランダム20万組の恒等式確認と2万通りの構成、【2】を4万組の全数確認、【3】をグリーンの定理による面積計算と走査、【4】を漸化式の直接計算と3辺の長さの比較、【5】を9万通りの交点計算、【6】を代入値の確認、【7】を全数確認、【8】を判別式と面積の5000点比較・30万点の最小値走査で確かめました。
  3. 解答PDFと本文をそろえる。本ページで配布している解答PDFは数強塾が独自に作成したもので、この解説と答え・道筋が一致しています。

【3】について、一般的な解答例も「共通部分を足して 公式に持ち込む」という同じ道筋です。本ページでは の場合の様子を補足として添えました。【8】(2) の最小値 は一般的な解答例の表記にそろえています( と書いても同じ値です)。

もし誤りを見つけられた場合は、お手数ですがご連絡ください。確認のうえ訂正し、訂正の記録もこのページに残します。

大阪大学は数学だけでは決まりません。他科目の対策ページも用意しています。

大阪大学 数学 過去問|他の年度を見る

大阪大学の数学の過去問は26年度ぶんを公開しています。そのうち8年度は全問の解答解説つきです(「解説」の印がついた年度)。志望校の傾向は1年だけでは見えないので、最低でも3年ぶんを続けて解くことをおすすめします。

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問題PDFをテキストでも確認

大阪大学 2003年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析

公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。

  • 図形・三角関数
  • 整数
  • 微分・積分
  • ベクトル
  • 確率・場合の数
  • 関数・グラフ
  • 数列
  • 複素数

この年度の出題範囲と傾向

2003年度の問題PDFでは、図形・三角関数、整数、微分・積分、ベクトル、確率・場合の数に関する語句や設問を確認できました。大阪大学の公開PDFを年度横断で調べると、整数は22年度、微分・積分は22年度、図形・三角関数は21年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。

分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。

問題文の文字起こし

問1画像OCR

検出分野: 図形・三角関数、ベクトル、確率・場合の数、整数、微分・積分

(1) m, ne BRR dem, ヵの最大公約数とするとき

f(a) f (mn) ニア(7(み)
となることを示せ.

(2) 2つの箱4. BOTHER 1番から 10番までの番号札が1枚ずつ10枚
入っている. BA, から1枚ずつ札を取り出す. 箱4から取り出した札の
番号を, 箱おから取り出した札の番号を ヵ とするとき

f (mn) = f(m)f(n)
となる確率 と
2f (mn) = f(m)f (n)
となる確率 ヵ。 を求めよ.
(配点率 35 %)
me hoe やM3(428一32)

放物線C:ッニーz*十2ヶ十1とx軸の共有点をA(2, 0), B(5.0)とし, C
と直線ッー mz OKA WE Pla, ma), Q(B, mB), 原点をO とする. ただし
a<b, m#0, a BESS, 線分OP, 0A とCで囲まれた図形の面積と線分
0Q, OB とCで時まれた図形の面積が等しいとき m の値を求めよ.

(配点率 35 %)
= = ぐM3(428一34)

原本の問題PDFを確認する

問2画像OCR

検出分野: 図形・三角関数、整数、関数・グラフ、数列、微分・積分

(1) <。が実数になるための必要十分条件は ヵが 6 の倍数であることを示せ.
(2) 複素数平面で原点を O としz。 を表す点を P,。 とする. 1Sn517 であるよ
うなヶについて, AOP。P。i が直角二等辺三角形となるようなヵとのを求め
よ.
(配点素 20%)

[2] 0 o<r<imee, wast
が成り立つことを示せ.
(2) #を正の定数とする. g> 0 とし. 曲線C:ッニッ上の2点PCe, のり,
Q(-a, ce) を考える. このとき P におけるCの接線と Q におけるCの接
線の交点のァ座標は常に正であることを示せ.
(配点率 20%)

[3] QQ) fe) Bx OBR EU, lah は arCami(k=1, 2.07) および
jim, gk = 0 をみたす数列とする. このとき
プ(2)モ0, R=1, 2 ......
BOSS (xe) は整式として 0 であることを示せ.
(2) A), Alx), Ale) ex の整式とし
F(x) =filx) + fa(x)sinx + fo(x) sin 2x
はすべての実数*に対して 0 であるとする. CDLAA(x), Ax), AIL
いずれも整式として 0 であることを示せ.
(配点率 20%)
ーー でM4 (428一40)

[4] Botan tan <an: はニュ 2.うおよび
Gye = Agtay, R=1, 2.0, L=1, 2
をみたすとする.
0) 2を2 以上の自然数とする. 自然数#が与えられたとき
にん

をみたす自然数 が存在することを示せ.
2) /を2 以上の自然数とするとき

が成り立つととを示せ.
(3) g:ー< とするとき, Bla) の一般項を求めよ.

(RH 20%)
ー7ー M4 (428—42)

OQ) 平面上において座標軸に平行な主軸(長軸, 短軸)をもち, «Hh, y HOR
FIST SHALEAS. その中心の座標を。 とする. COLIBAAO
うち点 A(1, 2 )を通るものが存在するための。の範囲を求めよ. ただし円
は椿円の特別な場合とみなすものとする.

(2) (1) の椿円がちょうど2つ存在するようなに対して, その 2 つの本円の
BEB, Cとする. AABC の面積を S(。)で表すときこの関数のグラフを
かけ.

(配点率 20%)
9 = M4 (428-44)

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