大学受験

埼玉大学 2019年度 過去問・解答

数強塾のプロ講師陣

藤原進之介です。このページでは埼玉大学2019年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。

今日の一問
平面上に、中心が点 )で半径 の円 と、 軸上の点 がある。円 上の点 )から引いた接線 軸との交点を とする。点 が点 と点 の間にあるとき、以下の問いに答えよ。
——さて、どこから手をつける?
続きの小問と、答え・考え方は本文で解説します。

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問題

解答

📊 2019年度 埼玉大学 数学 講評マップ(難易度・目標時間・使う型)

この年度の全8問を解説した数強塾のプロ講師陣が、各問題を難易度・目標時間・使う型の3つで整理しました。難易度と目標時間は数強塾の独自の見立てで、目標時間は過去問演習をするときの1問あたりの目安です(実際の試験の時間配分を示すものではありません)。「使う型」の列は解法パターン事典の該当単元につながっています。解けなかった問題は、下の解説で解き方を確認したあと、型のページで同じ型の問題を練習すると定着が速くなります。

2019年度の全8問

大問テーマ難易度目標時間使う型(解法パターン事典)
解説へ円の接線と直角三角形の面積標準約25分図形と方程式(座標)
解説へ三角形の内部および周上の格子点標準約20分数列の和の全型
解説へ場合分けのある関数で定まる数列やや難約25分数列・漸化式
解説へ区別のない箱への玉の分け方やや難約25分場合の数
解説へ円周上の点と対称式のとりうる値の範囲標準約25分複素数と方程式
解説へ正四面体の内分点と三角形の面積標準約25分空間ベクトル
解説へ交代級数の和と区分求積法やや難約25分極限
解説へ関数の増減・凹凸と面積の極限やや難約30分積分法(面積)

💡 どこで差がつくか:経済・教育は、第1問が円の接線公式と点と直線の距離、第2問が座標の一方を固定してΣをとる格子点、第3問が場合分けのある関数の反復で範囲を1項ずつ写す議論、第4問が区別のない箱への分配です。第2問は係数から生じる偶奇の場合分け、第4問は同じ大きさの組ができたときに並べ替えのぶんを割る処理が答案の要になります。理・工は、第1問が対称式の置き換えと実数条件、第2問が内積だけで三角形の面積を出して最小を調べる流れ、第3問が増分をそろえる帰納法とΣから区分求積への移行、第4問が増減・凹凸の把握と部分積分・置換です。答えの形よりも、実数条件や場合分けの前提を書ききることが問われます。 この冊子8問の目標時間の合計は約200分(数強塾の見立て)。

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※ 問題文は埼玉大学が公表した2019年度(平成31年度)前期日程の入学試験問題を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、大学が公表した公式解答ではありません。

2019年度 埼玉大学 前期日程 数学(経済学部・教育学部)の傾向
  • 大問4題・すべて記述式。分野は円の接線と面積・格子点の数え上げ・場合分けのある関数の数列・玉と箱の分け方
  • 目立つのは「数え上げ」の比重です。第2問の格子点、第4問の分割数はいずれも「うまく分類して数える」タイプで、公式の暗記では通りません。
  • 第3問は で式が変わる関数。いま がどちらの側にいるかを毎回確認しながら進めるのがすべてです。全4問8小問を解説します。

第1問 円の接線と直角三角形の面積

分野:図形と方程式(円の接線・点と直線の距離) 難易度:標準 目標時間:25分

【問題】

平面上に、中心が点 )で半径 の円 と、 軸上の点 がある。円 上の点 )から引いた接線 軸との交点を とする。点 が点 と点 の間にあるとき、以下の問いに答えよ。

(1) 接線 の方程式を および を用いて表せ。

(2) 点 から接線 に引いた垂線と との交点を とする。 のとき、 および を用いて表せ。

(3)  のとき、 の面積 を求めよ。

【解答】

(1) 

(2) 

(3) 

(1) 中心が原点でない円の接線公式

【問題(再掲)】

中心 、半径 の円 上の点 における接線 の方程式を で表せ。

【型】円 上の点 での接線は

【なぜこうするか】接線は「接点と中心を結ぶ半径に垂直な直線」。この事実を式にしたのが上の公式で、中心が原点でなくても、 に読み替えるだけで使えます。微分も傾きの場合分けも不要です。

の方程式は 。その上の点 における接線は

展開して整理すると

【定石】接線は接点の座標を代入するだけで書ける( と「半分ずつ置き換える」と覚える)。中心がずれていれば平行移動して同じ形。

(2)  は「点と直線の距離」そのもの

【問題(再掲)】

から に下ろした垂線の足を とする。 のとき、 で表せ。

【型】垂線の長さ=点と直線の距離/接点は円の式で縛られている

【なぜこうするか】 の座標を求める必要はまったくありません。 は点 と直線 の距離だからです。距離の公式の分母 は、 が円上にあることからちょうど になり、式が一気に軽くなります。この「分母が定数になる」仕掛けが本問の急所です。

上なので

点と直線の距離の公式より、 の距離は

(分母は①より 。)これが だから

 すなわち  または

ここで より 、また より なので 。よって

①に戻して だから

のとき なので根号の中は正です。)

【定石】「垂線を下ろした足までの長さ」は点と直線の距離の公式で一発。足の座標を求めるのは遠回り。

(3) 直角三角形なので三平方で残りの辺が出る

【問題(再掲)】

のとき、 の面積 を求めよ。

【型】直角三角形は「斜辺と1辺」から三平方で残りが出る

【なぜこうするか】 は垂線の足なので 上なので に沿った辺です。したがって斜辺 と1辺 が分かれば、残りの は三平方で出る の座標は最後まで不要です。

のとき (2) より

とすると より

よって 。これは なので、確かに の間にある。

面積。 だから三平方の定理より

【定石】垂線の足が絡む面積は直角三角形の三平方で処理。座標を求めるのは最後の手段。

第2問 三角形の内部および周上の格子点

分野:数え上げ・数列 難易度:標準 目標時間:20分

【問題】

3本の直線 は自然数)、、および で囲まれる三角形の周および内部にあるすべての格子点の総数を求めよ。なお、格子点とは 座標および 座標が整数である点のことである。

【解答】

を固定して「その横一列に何個あるか」を数える

【問題(再掲)】

で囲まれる三角形の周および内部の格子点の総数を求めよ。

【型】格子点の数え上げは「一方の座標を固定して直線上で数え、 をとる」型

【なぜこうするか】領域内の格子点は、 という横線ごとに数えて足すのが基本。ここで注意すべきは、 の部分が の偶奇で端数を生むことです( が奇数だと の上限が半整数になる)。そこで を偶数・奇数に分けて数えます。

三角形の頂点は 。求める格子点は

をみたす整数の組 である。 を固定すると の範囲は

(i) (偶数、)のとき。 は整数なので、 から までの

(ii) (奇数、)のとき。 なので、 から までの

したがって総数は

第1の和は初項 、末項 、項数 の等差数列の和で 。第2の和は初項 、末項 、項数 の等差数列の和で 。よって

【検算】:三角形は の4個、 より の2個、 の1個。計 個。公式は ✓。 なら で、公式 ✓。

【よくあるミス】 の偶奇を分けずに「 の個数は 」としてしまう誤り。切り捨てが入るので、必ず偶奇で分けること。

【定石】格子点は「片方を固定 → その直線上で数える → 。係数の分だけ周期が生まれるので、周期に合わせて場合分けする(ここでは なので の偶奇)。

第3問 場合分けのある関数で定まる数列

分野:数列・指数対数 難易度:標準〜やや難 目標時間:25分

【問題】

関数 を、 のとき のとき とおく。また、数列 は実数)、 と定める。このとき、以下の問いに答えよ。

(1)  のとき を求めよ。

(2)  のとき、 であることを証明せよ。

【解答】

(1) 

(2)  から従う。

(1) 定義に従って順に計算する(符号の切り替わりに注意)

【問題(再掲)】

のとき、 で定まる を求めよ。

【型】漸化式の具体計算:毎回「どちらの式を使うか」を判定する

【なぜこうするか】 で式が変わります。だから1項ごとに符号を確認してから式を選ぶ必要があります。 で「 側」に切り替わるのがこの問題の仕掛けです。

ここで なので、次は下の式を使う。

【定石】場合分けのある関数の反復では各項の符号を毎回チェック。表を作って書き並べるのが最も確実。

(2) 範囲を1項ずつ「押していく」

【問題(再掲)】

のとき、 であることを証明せよ。

【型】不等式の伝播(単調性を使って範囲を次々に写す)型

【なぜこうするか】 を直接求めるのは無理ですが、 の範囲 → の範囲 → の範囲 → の範囲と順に写していけば評価できます。使うのは「 も単調増加」という事実だけ。最後に の大小を比べるところが山場です。

の範囲。 なので は単調増加で だから

の範囲。 なので より だから

すなわち 。とくに なので

の範囲。 だから は単調増加なので

左端の評価。 なので、 の大小を比べればよい。

だから分子は正、よって

これと①を合わせて

【数値で確認】 で確かに より大きい。また の極限では となり、範囲の左端に近づきます。

【定石】漸化式の値の評価は「範囲を1項ずつ写す」。単調増加関数なら不等号の向きはそのまま、単調減少なら反転する。最後の大小比較は差をとって符号を見る

第4問 区別のない箱への玉の分け方

分野:場合の数(分割) 難易度:やや難 目標時間:25分

【問題】

個の玉に、1個ずつ順番に から までの番号が書かれているとする。これらの玉を、 個の箱()に入れる場合の数を とする。ただし、箱同士の区別はつかないものとし、どの箱にも1個以上の玉を入れるものとする。 のとき、以下の問いに答えよ。

(1)  を求めよ。

(2)  を求めよ。

【解答】

(1) 

(2) 

(1) 「1番の玉が入る箱」を基準にして区別をなくす

【問題(再掲)】

番号のついた 個の玉を、区別のつかない2個の箱に、どちらも空でないように入れる場合の数 を求めよ。

【型】「箱に区別がない」は特定の玉を基準にして箱に名前をつけると解消する型

【なぜこうするか】箱に区別がないと「2で割る」処理が必要になり面倒です。そこで1番の玉が入っている箱を「箱A」、もう一方を「箱B」と呼ぶことにすれば、箱に自然な名前がつき区別ができます。あとは残り 個をA・Bのどちらに入れるかで 通り。最後に「Bが空」の1通りを除きます。

番号 の玉が入っている箱を「箱A」、もう一方を「箱B」と呼ぶことにすると、箱を区別して考えてよい。

残りの 個の玉は、それぞれA・Bのどちらに入れてもよいので 通り。ただしこのうち「すべてAに入れる(=Bが空)」1通りは条件を満たさない。よって

【検算】。実際 の3通り ✓。

【定石】区別のない箱は「1番の玉のいる箱」を基準に名前をつけると、割り算をせずに数えられる。

(2) 箱が 個=「玉が2個余る」=入り方は2パターンしかない

【問題(再掲)】

番号のついた 個の玉を、区別のつかない 個の箱に、どの箱も空でないように入れる場合の数 を求めよ()。

【型】「箱の個数が玉の個数に近い」ときは箱に入る個数の内訳を分類する型

【なぜこうするか】 個の玉を 個の箱にどれも1個以上入れると、「余り」はちょうど2個です。だから箱の中身は「3個入りが1箱、あとは1個ずつ」か「2個入りが2箱、あとは1個ずつ」の2パターンしかありません。パターンが有限個に絞れるので、あとは選び方を数えるだけです。

とする( は後で確認)。各箱に1個以上入れるので、 個の箱に 個を入れると2個ぶんの余りが生じる。したがって内訳は次の2通りに限られる。

[1] 1つの箱に3個、残りの 箱に1個ずつ。3個入る玉の選び方だけで決まるので

通り

[2] 2つの箱に2個ずつ、残りの 箱に1個ずつ。2個組を2つ作る。まず 個から2個、次に残り 個から2個を選ぶが、2つの組の順序は区別しないので2で割って

通り

したがって

通分すると

のときは箱が1個なので入れ方は1通りだが、この式に を代入すると となり一致する。よって をみたすすべての整数で

【検算】 のとき にあたるので、(1) の式から 。公式は ✓。 なら (実際に )。

【よくあるミス】[2] で で割るのを忘れる誤り。同じ大きさのグループが複数あるときは、その並べ替えの分だけ割る(ここでは2組なので で割る)。

【定石】区別のない箱への分配は「箱に入る個数の内訳(分割)」で分類する。同じ大きさの組が 個あれば で割る。

この冊子で問われた「型」の一覧
  • 第1問:円上の点での接線公式/垂線の長さ=点と直線の距離/直角三角形の三平方
  • 第2問:格子点は片方を固定して /係数から生じる周期で場合分け
  • 第3問:場合分けのある関数の反復は毎回符号を確認/範囲を1項ずつ写す
  • 第4問:区別のない箱は基準の玉で名前をつける/内訳(分割)で分類し、同じ大きさの組は割る

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2019年度 埼玉大学 前期日程 数学(理学部・工学部)の傾向
  • 大問4題・すべて記述式。分野は対称式と実数条件・正四面体のベクトルと面積・交代級数と区分求積・分数対数関数の増減凹凸と面積
  • 共通するのは「1つの型を最後まで使い切る」構成です。第1問は「和と積の置き換え+判別式」、第2問は「内積だけで面積を出す公式」、第3問は「帰納法→区分求積」、第4問は「増減凹凸→面積→極限」。
  • とくに第3問は、交代級数 に収束することを高校範囲で導く有名問題です。全4問12小問を解説します。

第1問 円周上の点に対する の範囲

分野:2次方程式・対称式 難易度:標準 目標時間:25分

【問題】

次の問いに答えよ。

(1) 実数 を満たすとき、 のとりうる値の範囲をそれぞれ求めよ。

(2)  かつ を満たす実数とする。また、 は2次方程式 の2つの解であるとする。このとき を求めよ。

【解答】

(1) 

(2) 

(1)  に置き換え、実数条件は判別式

【問題(再掲)】

実数 を満たすとき、 のとりうる値の範囲を求めよ。

【型】対称式は に置き換え、「実数 が存在する条件」は

【なぜこうするか】与式は 対称式なので、 で書き換えられます。ただし を勝手に動かしてよいわけではなく、 が実数として存在するためには、 を解にもつ2次方程式 が実数解をもつ必要があります。これが 。この「実数条件」を落とすと範囲が広くなりすぎます。

とおくと、 は2次方程式 の2解。 が実数である条件は

 すなわち  ……①

一方、与式を展開すると

②を①に代入して

次に②を平方完成すると の範囲で のとき最小 のとき最大 をとるので

したがって

【検算】 に対応し、 ✓。 ✓。どちらも円周上の点(中心 、半径 の円と直線 の交点)です。

【よくあるミス】実数条件 を書かずに②だけから の範囲を出す誤り。それだと が自由に動けることになり、範囲が広くなってしまいます。

【定石】対称式は に置き換え、必ず「実数条件 」をセットで書く。これが の範囲を決める。

(2) 解と係数の関係を (1) の関係式に代入する

【問題(再掲)】

、かつ の2解であるとき、 を求めよ。

【型】解と係数の関係で を与え、(1) の関係式に代入する

【なぜこうするか】(1) で導いた は「円周上にある」という条件そのもの。解と係数の関係から と分かるので、代入するだけで の方程式になります。最後に「異なる2実数解をもつ」条件で候補をふるいにかけるのを忘れないこと。

解と係数の関係より 。(1) の②に代入して

よって または 。ここで 相異なる実数なので、判別式について

をみたさないので不適。したがって 。このとき

より

【定石】「2解が◯◯をみたす」型は解と係数の関係で対称式に翻訳。最後に判別式で実数性を確認して候補をふるう。

第2問 正四面体の内分点と三角形の面積

分野:空間ベクトル 難易度:標準 目標時間:25分

【問題】

一辺の長さが の正四面体 において、 とおく。辺 に内分する点を とし、線分 に内分する点を とする()。次の問いに答えよ。

(1)  を用いて表せ。

(2) ベクトルの大きさ と内積 を用いて表せ。

(3) 三角形 の面積を とする。 を求めよ。

(4) 面積 を最小にする の値 と、最小の面積 を求めよ。

【解答】

(1) 

(2) 

(3) 

(4) 

(1) 内分点は「係数の和が1」の形で書く

【問題(再掲)】

に内分、 に内分する点。 で表せ。

【型】内分点の位置ベクトル( に内分すると

【なぜこうするか】 に内分するとは、 から出発して の方へ の割合だけ進むということ。よって と書けます(係数の和が )。

に内分するので に内分するので

【定石】内分点は「係数の和が の内分なら (始点)(終点)。

(2) 正四面体の内積はすべて

【問題(再掲)】

で表せ。

【型】正四面体では

【なぜこうするか】正四面体ではどの2辺のなす角も なので、内積はすべて 。この3つの値を最初に書いておけば、あとは展開して代入するだけの機械作業になります。

正四面体なので

整理すると

内積は

【定石】正多面体のベクトル問題は「基本の3つの内積」を最初に書き出す。以後の計算はすべて代入で済む。

(3) 面積は「長さと内積」だけで出る

【問題(再掲)】

三角形 の面積 を求めよ。

【型】

【なぜこうするか】面積は ですが、 を代入して整理すると上の公式になります。角度を求めずに済むのが最大の利点で、(2) の結果をそのまま入れるだけです。

根号の中を計算すると

したがって

【定石】ベクトルで三角形の面積を出すなら。空間でも平面でも同じ式が使える。

(4) 根号の中の2次関数を平方完成

【問題(再掲)】

を最小にする と最小値 を求めよ()。

【型】根号つき関数の最小は「中身の最小」(単調変換の外側は無視)

【なぜこうするか】 は単調増加なので、中身の2次関数が最小になるところで も最小。頂点が定義域 の中にあるかどうかだけ確認します。

頂点 に含まれるので、ここで最小値 をとる。したがって

【定石】根号・指数・対数など単調な変換の外側は最大最小に影響しない。中身だけを最適化する。

第3問 交代級数と

分野:数列・極限(区分求積法) 難易度:やや難 目標時間:25分

【問題】

数列

により定める。次の問いに答えよ。

(1)  を求めよ。

(2) )を示せ。

(3)  を求めよ。

【解答】

(1) 

(2) 数学的帰納法(差をとると両者とも 増える)

(3) 

(1) 定義どおり書き出す

【問題(再掲)】

について を求めよ。

【型】 の意味を具体化する(上端・下端に が入る和)

【なぜこうするか】 は「 から までの和」です。 が分母にも項数にも入っているので、具体的に書き出して形をつかむのが (2)(3) への準備になります。

【定石】 の添字が に依存する和は「最初の項と最後の項」を書いて範囲をつかむ。ここでは から まで。

(2) 帰納法:増え方が一致することを示す

【問題(再掲)】

)を示せ。

【型】数学的帰納法(「初項が一致」+「増分が一致」)

【なぜこうするか】2つの数列が等しいことを示すには、①出発点が同じ ②1つ進むときの増え方が同じを言えば十分です。 の増分は明らかに 先頭が1つ落ちて末尾が2つ増えるので、その差を計算すると同じ式になります——ここが本問の見どころです。

[1] のとき。 より成立。

[2] を仮定する。 の定義から

一方 なので

増分が一致し、仮定 と合わせて

[1][2] より、すべての自然数 。∎

【別解の考え方】 とおくと、「偶数番の項を2回引く」という見方でも一発です。

【定石】2つの数列の一致は「初項+増分」で示す。交代和は「全部足して、偶数番を2倍引く」と普通の和に直せる。

(3)  の形は区分求積そのもの

【問題(再掲)】

を求めよ。

【型】区分求積法

【なぜこうするか】 のままでは極限が見えませんが、(2) で と分かっています。 は分母を でくくると の形になり、区分求積で定積分に化けます。 を作る」のが区分求積の合図です。

(2) より 。ここで

右辺は についての区分求積の形だから

【意味】これは有名な等式 の証明になっています。(1) で計算した は、確かに に近づき始めています。

【定石】 がくくり出せて の関数の和になったら区分求積。積分区間は の動く範囲(ここでは から )。

第4問  の増減・凹凸と面積

分野:微分積分(増減凹凸・面積・極限) 難易度:やや難 目標時間:30分

【問題】

を満たすとする。 において、関数 を考える。次の問いに答えよ。必要ならば を用いてよい。

(1) 関数 の増減、凹凸を調べ、 のグラフの概形を 平面に描け。

(2) 曲線 と曲線 で囲まれた部分の面積を とする。 を求めよ。

(3)  を求めよ。

【解答】

(1)  で極大値 が変曲点。

(2) 

(3) 

(1)  を計算して増減表をつくる

【問題(再掲)】

)の増減・凹凸を調べ、グラフの概形を述べよ。

【型】商の微分+2階微分で凹凸/端の挙動(漸近)も必ず調べる

【なぜこうするか】グラフの概形には①増減 ②凹凸 ③端での挙動の3つが必要です。とくに に近づくこと( 軸が漸近線)は、与えられたヒント を使って示します。

となるのは 、すなわち なので の符号は で決まり、 で増加、 で減少。極大値は

次に

、すなわち で上に凸、 で下に凸となり、 が変曲点。

端の挙動は

また 。以上より、グラフは で下に落ち込み、 軸を横切り、 で最大値 をとったあと、 軸に上から近づきながら減少していく形になる。

【定石】グラフの概形は増減表+凹凸+漸近の3点セット。)は頻出なので、与えられたヒントの形に合わせて分解する。

(2) 交点を出し、部分積分で面積を計算する

【問題(再掲)】

)で囲まれた部分の面積 を求めよ。

【型】交点は共通因数でくくる/ を含む積分は部分積分

【なぜこうするか】両辺に が共通なので、移項してくくると「」と「残りの因数 」に分かれ、交点が一瞬で出ます。面積の積分では の形にまとめてから部分積分するのが最短です。

交点。

より または なので

上下関係。 では かつ なので 。よって

部分積分。 とすると だから

第1項について、 では なので値は では なので 。第2項は

したがって

【独立検算】 のとき公式は 。一方 をシンプソン法(4分割)で数値計算すると となり一致します。

【定石】 を含む積分は を「微分する側」に回す部分積分 が消えて有理関数になる。

(3)  を示す

【問題(再掲)】

を求めよ。

【型】 の不定形は置換して の形に持ち込む

【なぜこうするか】 なので の不定形。 と置換すると、問題文で与えられた がそのまま使える形になります。

とおくと、 のとき 。また だから

したがって

【意味】 では直線 軸に近づき、囲む領域はどんどん右に広がりますが、 に収束するのが速いため面積は に収束します。無限に広がっても面積が有限、という反例のような例になっています。

【定石】置換して既知の極限の形へ。 は覚えておく。

この冊子で問われた「型」の一覧
  • 第1問:対称式は に置き換え、実数条件 をセットで/解と係数の関係+判別式でふるう
  • 第2問:内分点は係数の和が /正四面体の内積は全部 /面積は長さと内積だけで出る
  • 第3問:数列の一致は「初項+増分」/交代和は「全部足して偶数番を2倍引く」/ が出たら区分求積
  • 第4問:増減・凹凸・漸近の3点セット/ の積分は部分積分/ は置換して既知の極限へ

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埼玉大学の数学の過去問は24年度ぶんを公開しています。そのうち2年度は全問の解答解説つきです(「解説」の印がついた年度)。志望校の傾向は1年だけでは見えないので、最低でも3年ぶんを続けて解くことをおすすめします。

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問題PDFをテキストでも確認

埼玉大学 2019年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析

公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。

  • 微分・積分
  • 関数・グラフ
  • 図形・三角関数
  • ベクトル
  • 確率・場合の数
  • 空間図形
  • 指数・対数
  • 数列

この年度の出題範囲と傾向

2019年度の問題PDFでは、微分・積分、関数・グラフ、図形・三角関数、ベクトル、確率・場合の数に関する語句や設問を確認できました。埼玉大学の公開PDFを年度横断で調べると、微分・積分は24年度、関数・グラフは24年度、図形・三角関数は23年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。

分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。

問題文の文字起こし

問1画像OCR

検出分野: 微分・積分、確率・場合の数、関数・グラフ、空間図形、図形・三角関数

(1) HOR COLBRE a, およびを用いて表せ。
(2 点Qから接線7に引いた垂線と2との交点をR とする。QR 2のとき,

4 および?をsを用いて表せ。

(3) QR=2, s三3のとき, へQRTの面積 ERBDE.

[2] 3本の直線2ヶ+3yニ6 (gは自殺数)、*ー0. およびヵ =0で囲まれる
三角形の周および内部にあるすべての格子点の総数を求めよ。なお. 格子点とは
ヶ座標およびヶ 座標が整外である点のことである。

ーーュー M3 (609—36)

関数/*) を,
1ogz* (x > 0のとき)
fQ@)=
- 2-27) (S0Dk&)
EBL. KE, 数列(g を,
(a (a は実数)
の+ュニア(9)
と定める。このとき, 以下の問いに答えよ。
(1) a= DEX a を求めよ。
人17 <ミー1のとき, づく<。ミー1であることを証明せよ。
| 4 | *個のに, 」個ずつ原番に 1からぇまでの番号が理かれているとする。これ
らの玉を. ぁ個の箱 (0 く#ミヵ)に入れる場合の数を $。()) とする。ただし.
箱同士の区別はつかないものとし, どの箱にも 1 個以上の玉を入れるものとす
B. n> 2 のとき, 以下の問いに答えよ。
(1) S。(2)を求めよ。
2 S。ゆ2) を求めよ。
ー 2一 M3 (609—37)

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問3画像OCR

検出分野: 微分・積分、関数・グラフ、ベクトル、指数・対数、図形・三角関数

(1) RB a, y B (w—-3)? + (y-3)? =8 を満たすとき,ァ+y と ayo
とりうる値の結囲をそれぞれ求めよ。
。 (2) a, BE (a3)? + (6-3) =8 かつ < を満たす実数とする。
ER, of は 2 HBR oP kgユー0 の 2 つの解であるとす
る。このとき ka, BERL,
es ポー

一辺の長さが 1 の正四面体 OABC において, OX=で, OB= 78,
00C=で LX, MOB を2:1 に内分する点を PEL, 線分 OP を
む1ー! に内分する点を Q とする (0<ち<1)。・次の問いに符えよ。
2 H
(1) O08 40,2 を用いて表せ。
(2) ペクトルの大きき [OG] と内積 04.0Q をを用いて表せ。
(3) 三角形 0AQ の面積を 9ぐ() ETS. Si) を求めよ。
‘ (4) HERE S(t) BRANT TS t OIE ty と, AO TARE 5(G) を求めよ。
f .
っ ee

© BE {an}, {on} を
2n fini
Bn
m= De 3 Tr i ir aa
a 人 n 1
。 クー
により定める。次の問いに符えよ。
(0 dy, be, bg を求めよ。
(2) ぬ = (n= 1, 2,3, ++) を示せ。
(3) Ja gs を求めよ。

F :
ali0<a<1 を満たすとする。ァヶ> 0 において, 関数
. i@)= 82, 9(2) =aloge
、 を考える。次の問いに符えよ。必要なちば tim BF =0 を用いてよい。 。 ・ ‘

(G) BA fo) ON, EM AMS, y= fle) のグラフの概形を 」
oy 平面に描け。 。

(2) 曲線 ゅ=/(z) と曲線 =g(Z) で囲まれた部分の面積を 9(o) と
する。 S(a) を求めよ。 -

- 8) ip, (6) BRE.

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