東北大学 2003年度 過去問・解答

藤原進之介です。このページでは東北大学2003年度の数学過去問の問題資料と学習情報を無料公開しています。掲載している問題・解答・解説の範囲は、ページ内の各見出しでご確認ください。

今日の一問
実数 に対して、集合
は実数
は実数
と定める。共通部分 が空集合でないための の範囲を求めよ。
——さて、どこから手をつける?
答えと考え方は、この記事の中で順を追って解説します。

問題

解答

📑 この年度の大問インデックス(全9問)

解説が長いので、解きたい大問へ直接移動できるようにしています。解けなかった問題は、解説を読んだあとに同じ型の問題で当て直すと定着が速くなります。

型から探したいときは解法パターン事典、他の年度は過去問解説の総索引から。

🧭 東北大学 2003年度|大問ごとに「使う型」を対応させた表

解けなかった大問がどの型に属するのかを一覧にしました。解説を読んだあと、型のページで同じ判断を使う問題を数問当てると定着が速くなります。この年度は難易度と目標時間を掲載していないため、それらは載せていません。

大問出題テーマ使う型(解法パターン事典)
【1】2次不等式の解と共通部分数と式
【2】三角形の内分点とベクトルベクトルの図形への応用
【3】バスの乗り継ぎと確率分布確率
【4】三角関数の置き換えと3次関数三角関数
【6】漸化式と極限極限
【7】線分が掃く曲面と回転体積分法(体積・弧長)
【8】複素数平面と同一円周複素数平面
【9】対数関数の単調性と極限極限

型の全体像は解法パターン事典、他の年度・他大学は過去問解説の総索引から。東北大学の年度一覧は各ページ末尾のナビでも確認できます。

東北大学 2003年度(平成15年度)前期日程 数学の全問解説です。文系が4題、理系が6題で、文系第4問=理系第2問が同一問題。重複を除くと全9題20小問になります。
掲載しているすべての数値は、当塾で独立に解いたうえで Pythonによる検算(区間の重なりの24万点走査・ベクトルの内積の全数確認・確率の分数計算・行列の直接計算・数値積分・複素数平面の16万点走査) を行い、本ページで配布している解答PDFも数強塾が独自に作成したもので、この解説と同じ答え・同じ道筋です。

本ページ文系理系分野答え
【1】第1問2次不等式の解と共通部分 または
【2】第2問三角形の内分点とベクトル または
【3】第3問バスの乗り継ぎと確率分布 ほか
【4】第4問第2問三角関数の置き換えと3次関数最大 /最小
【5】第1問行列と
【6】第3問漸化式と極限
【7】第4問線分が掃く曲面と回転体
【8】第5問複素数平面と同一円周半径
【9】第6問対数関数の単調性と極限

この年度の傾向(3行)

  • 「置き換えて別の世界に持っていく」問題が多いです。【4】は で3次関数に、【5】は をひとかたまりに、【8】は円の方程式の係数に置き換えます。置き換えたら必ず新しい変数の変域を出すのがどの問題でも要になります。
  • 【1】と【8】は「場合を落とさない」ことが勝負。【1】は端点が閉じているか開いているかで答えが変わり、【8】は3つの場合のうち1つが「実数になるので不適」として消えます。丁寧に場合分けを書き切った答案が強い年度です。
  • 【6】と【9】は誘導が非常に親切。どちらも (1)(2) で道具をそろえ、(3) でそれを使うだけ。前の設問の結論をそのまま代入するという意識があれば、最後まで一直線に進みます。

【1】2次不等式の解と共通部分(文系 第1問)

【問題】
実数 に対して、集合
は実数
は実数
と定める。共通部分 が空集合でないための の範囲を求めよ。
【解答】  または

となる の範囲

【問題(再掲)】  が空集合でないための の範囲を求めよ。

【型】2次不等式はまず因数分解して区間の形にする。2つの区間が重なる条件は「左端 < 相手の右端」かつ「右端 > 相手の左端」

【なぜこうするか】集合のままでは扱えません。両方を数直線上の区間として書ければ、あとは端点の大小だけの問題になります。因数分解できるかどうかが最初の関門です。

第1段: を区間にする 定数項は 。ここから、和が 、積が となる2数を探すと が見つかります。実際

なので

2つの数の大小は より 。したがって

(両端を含む)

第2段: を区間にする 定数項は なので

(両端を含まない。つねに

ABa-1a²-a2-a5-aa=2(重なる)ABa-1a²-a2-a5-aa=3.4(重ならない)
(青、両端を含む)と (赤、両端を含まない)。 が大きくなると は右へ広がり、 は左へ動く。図の上段は重なり、下段は重ならない。

第3段:重なる条件  が共通部分をもつ条件は

 かつ 

が開区間なので、等号は入りません。)それぞれ計算すると

または

この2つを同時に満たす

  または 

よくあるミス  が閉区間、 が開区間であることを見落として、条件を にしてしまう。不等号が かは端点が入るかどうかを決めます。ここでは のとき となり、 の左端は含まれないので共通部分は空。 が入らないのはそのためです。

検証: から まで24万点にわたって走査し、区間 が実際に重なるかどうかを直接判定しました。「 または 」という条件と1点の食い違いもなく一致。因数分解(和と積)も全点で確認しています。

【2】三角形の内分点とベクトル(文系 第2問)

【問題】
三角形ABCにおいて、 とする。正の数 に対し、辺BC、CA、ABを の比に内分する点を順にD、E、Fとする。
(1)  が垂直であるときの比 を求めよ。
(2) どのような正の整数 に対しても、 は垂直でないことを示せ。
【解答】 (1) または   (2) 証明(下記)

共通の準備  とおくと

内分点の公式より(Aを始点とします)

ABCDEF1260°AD
の場合。Dは辺BCを、Eは辺CAを、Fは辺ABを、いずれも同じ比 に内分する。青が 、破線が

(1)  となる比

【問題(再掲)】  であるときの を求めよ。

【型】垂直は内積 で表してから展開する。

内積を計算します。 を代入すると

これが0になるのは または は正の数なので

  または 

(2)  は垂直でない

【問題(再掲)】 どのような正の整数 に対しても を示せ。

【型】「どんな整数でも成り立たない」は成り立つと仮定して、比が無理数になることを示す。

【なぜこうするか】内積を0とおくと の2次方程式になります。両辺を で割って についての方程式にすると、その解が無理数 が整数なら は有理数なので、矛盾します。

もし なら 。両辺を で割り とおくと

は無理数なので は無理数です。ところが が正の整数なら は有理数。これは矛盾です。

したがって、どのような正の整数 に対しても は垂直になりません。(証明終)

検証: と具体化して条件(長さ1と2、内積1)を満たすことを確認したうえで、 から まで各300分割して内積を直接計算。 が全点で一致しました。また の全整数組で後者が0になる組は0個でした。

【3】バスの乗り継ぎと確率分布(文系 第3問)

【問題】
ある人がバス停AでA発B行きのバスに乗り、バス停BでB発C行きのバスに乗りかえてバス停Cへ向かうものとする。バスの発車時刻、バス停での待ち時間、バスの乗車時間は次の5つの条件を満たすものとする。
1. A発B行きおよびB発C行きのバスは同時刻に3分おきに発車している。
2. バス停Aでの待ち時間は0分または1分または2分で、それぞれの起こる確率は である。
3. バス停Bに到着後、最初に発車するC行きのバスに乗りかえる。
4. A発B行きのバスの乗車時間は8分または10分で、それぞれの起こる確率は である。
5. B発C行きのバスの乗車時間は6分または7分で、それぞれの起こる確率は である。
ただし、条件2、4、5において、待ち時間、乗車時間の起こり方は独立であるとする。
この人がバス停Aに到着後バス停Cへ到着するまでにかかる時間が 分である確率 を求めよ。
【解答】 、それ以外は

を求める

【問題(再掲)】 Aに到着後Cへ到着するまでの時間が 分である確率 を求めよ。

【型】「乗りかえ待ち」は時刻を数直線にとって、次の発車時刻を読む。基準を1つ決めるのがコツ。

【なぜこうするか】Aでの待ち時間はどれであっても「乗ったバスの発車時刻」を基準にすれば同じ話になります。バスは3分おきに同時刻に出るので、A発の時刻を0分とすればB発の時刻は Bでの待ち時間は乗車時間だけで決まります。

第1段:Bでの待ち時間 A発を0分とすると、Bに着くのは8分後か10分後。次のC行きは3の倍数の時刻に出るので

  • 乗車8分 → Bに8分に到着 → 次の発車は9分(待ち1分)
  • 乗車10分 → Bに10分に到着 → 次の発車は12分(待ち2分)
036912151821発車8分待16〜7分10分待26〜7分8分10分A発を0分とすると、B発の時刻は 9 分か 12 分だけAでの待ち 0/1/2 分はそのまま総時間に足される
上が乗車8分の場合、下が乗車10分の場合。灰色が乗りかえ待ち。B発の時刻は9分か12分の2通りしかない

第2段:総時間 Aでの待ち時間を 、B発C行きの乗車時間を とすると、総時間は

(乗車8分のとき)、(乗車10分のとき)

各「・乗車時間・」の組の確率はいずれも です。 の6通りなので、まとめると

15161718192021
乗車8分から1221
乗車10分から1221

(それ以外の では 。)

よくあるミス Bでの待ち時間を「0分または1分または2分」だと思ってしまう。Bでは待ち時間が自分で選べません。到着時刻(8分か10分)で自動的に1分か2分に決まります。ここが条件3の意味です。

検算のコツ:確率の総和が1になるので、数え落としがないと確かめられます。

検証: 通りをすべて列挙し、分数のまま確率を足し上げました。上の表と完全に一致し、総和もちょうど になっています。

【4】三角関数の置き換えと3次関数(文系 第4問・理系 第2問)

【問題】
2つの関数を
とする。
(1)  の関数で表せ。
(2)  の関数で表せ。
(3)  のとき、 の最大値、最小値とそのときの の値を求めよ。
【解答】 (1)   (2)   (3) で最大値 で最小値

(1)  で表す

【問題(再掲)】  の関数で表せ。

【型】合成して1つの にする。3倍角は3乗と結びつく。

【なぜこうするか】 という3倍角の公式は、「3乗」と「3倍角」を結ぶ橋です。合成して としてしまえば、 を計算するだけで が出てきます。

とおくと で、3倍角の公式 より

ここで なので 。したがって

(2)  で表す

【問題(再掲)】  の関数で表せ。

【型】残りの部分も の多項式に翻訳 を計算すると2倍角がまとめて出る。

【なぜこうするか】 には という2倍角の組が入っています。 を展開すると、まさにこの組み合わせが現れます。

よって 。また なので

(3)  の最大値・最小値

【問題(再掲)】  のとき の最大値・最小値とそのときの を求めよ。

【型】置き換えたら必ず の変域を出す。そのうえで3次関数の増減。

第1段: の変域  で、 のとき 。この範囲で から までのすべての値をとるので

第2段:増減  とおくと

増加減少増加

最大の候補は で、 のほうが大きい。最小の候補は で、 のほうが小さい。

最大 6最小 -1t=-1極大 98/27Ot=2
で見たところ。極大値 より右端 のほうが高いのがポイント。

第3段: に戻す

  • より 、すなわち
  • より 、すなわち

  で最大値 で最小値

検証: の2万点で確認(誤差 台)。 を20万分割して走査すると の範囲はちょうど の最大は )、最小は の両方)でした。

【5】行列と (理系 第1問)

【問題】
実数 に対し、 とおく。
(1)  のとき、 を示せ。
(2)  を満たすならば、 または となることを示せ。
(3)  とする。 および を満たすとき、 の式で表せ。また、このとき が成立するような整数の組 の範囲にあるものをすべて求めよ。
【解答】 (3)

この問題について:行列は現在の高校数学の範囲外ですが、「行列式は積に対して掛け算になる」「ケーリー・ハミルトンで次数を下げる」という考え方は大学以降でそのまま使います。行列の積だけ知っていれば読めるように書きました。

(1) 

【問題(再掲)】  の行列式が0以上であることを示せ。

【型】行列式は積に対して掛け算

の行列式そのものです。行列式の性質より

は実数なので も実数。実数の2乗は0以上なので

(証明終)

(2)  ならば

【問題(再掲)】  ならば または を示せ。

【型】 を1つの行列 とみて、 からケーリー・ハミルトンで絞る

【なぜこうするか】 を満たす行列は のほかにもあります(たとえば )。それらを排除するのが (1) の役目です。 は2乗の形をしているので行列式が0以上」という情報が決め手になります。

とおくと 。ケーリー・ハミルトンの定理より

は対角成分の和。) を代入すると

(i) のとき  は実数)と書けます。 より 、すなわち です。

(ii) のとき 左辺が なので 、すなわち 。ところが なので、(1) より 。これは矛盾です。

したがって (i) のみが起こり、 または です。(証明終)

(3)  と、 を満たす

【問題(再掲)】  かつ のとき で表し、 となる )をすべて求めよ。

【型】まず2つの条件を成分で書き下す。次に を使って を左右に通り抜けさせる

第1段:  にケーリー・ハミルトンを当てると

もし なら となり、 から 。実数 では不可能です。よって

次に を成分で書くと

成分を比べて (および )。これを に入れると 、すなわち

第2段: を求める  を繰り返し使うと

の右へ1つ通すたびに符号が変わります。)よって

これが と等しい条件は、 が逆行列をもつ()ので を消して

より なので、 を4で割った余りで決まります。 の各場合を調べると

条件 成立する
2 より不可)なし
3 が奇数
4(不可)なし
5 が偶数
6不可なし

なので であることを使いました。) の範囲で残るのは

検証: と符号の の各場合について を満たすことを確認。さらに の9通りすべてについて を行列として直接計算したところ、一致するのは 2通りだけでした(複数の で確認)。

【6】漸化式と極限(理系 第3問)

【問題】
関数 に対し、数列 で与える。ただし を満たす定数である。
(1)  を示せ。
(2)  を示せ。
(3)  を求めよ。
【解答】 (3)

(1)  かつ

【問題(再掲)】  を示せ。

【型】数列の性質は数学的帰納法。ルートを含むときは2乗して比べる

【なぜこうするか】 のままでは大小が見えません。両方とも正なので、2乗して比べれば十分です。

を帰納法で示します。 で仮定どおり。 と仮定すると

なので は定義でき、正です。さらに

より)なので 、すなわち 。これで が言え、帰納法が回ります。

次に増加であること。

両方とも正なので 。(証明終)

(2) 差の評価

【問題(再掲)】  を示せ。

【型】ルートを含む差は分子を有理化する。

【なぜこうするか】 を評価したいので、 を掛けて根号を消します。すると (1) で使った がそのまま現れます。

ここで (1) より は増加なので 、したがって 。また より 。よって

(証明終)

(3) 極限

【問題(再掲)】  を求めよ。

【型】(2) の形は「等比数列で押さえる」ためのもの。はさみうちで終わる。

とおくと、 より 。(2) を繰り返し使うと

(左側の は (1) の から。) なので 。はさみうちの原理より 、すなわち

検証: の各場合に数列を実際に生成し、・単調増加・(2) の不等式がすべての項で成り立つことを確認しました(数値誤差で差が0になる直前まで)。極限はいずれも に収束しています。収束は非常に速く、 では6項で倍精度の限界に達しました。

【7】線分が掃く曲面と回転体(理系 第4問)

【問題】
空間内に2点 を考える。 が0から1まで動くとき、線分PQが通過してできる曲面を とする。
(1) 点 と線分PQの距離を求めよ。
(2) 曲面 軸のまわりに1回転させて得られる立体の体積を求めよ。
【解答】 (1)   (2)

(1) 点と線分の距離

【問題(再掲)】 点 と線分PQの距離を求めよ。

【型】3点の 座標が同じなら平面 の中の平面図形の問題に落ちる。

【なぜこうするか】P、Q、そして点 はすべて 座標が です。この平面の中で を座標だと思えば、ただの2次元の問題になります。しかも が直角の頂点になっているので、直角三角形の公式がそのまま使えます。

平面 の中で を座標とすると

はRが直角の直角三角形で、、斜辺は

斜辺の長さがつねに1になるのがこの問題の仕掛けです。面積を2通りに表すと

(距離)

RPQu√(1-u²)u√(1-u²)zy
平面 で切った断面。Rが直角、斜辺PQの長さはつねに1。赤い線分がRから線分PQへの距離

(2) 回転体の体積

【問題(再掲)】 曲面 軸のまわりに1回転させた立体の体積を求めよ。

【型】回転体は軸に垂直な平面で切る。線分を回すと断面はドーナツ(円環)になる。

【なぜこうするか】平面 での断面は、線分PQ上の点の「軸からの距離」がとる値の範囲で決まります。いちばん近いのが (1) で求めた垂線の足、いちばん遠いのが端点PかQのどちらか。この2つが円環の内半径と外半径です。

内半径は (1) より 。外半径は の大きいほうで

したがって断面積は

範囲外半径断面積

よって

のとき なので、第1項は

第2項は

合わせて

よくあるミス 断面を「半径 の円」や「半径 の円」だと思って穴を忘れる。回すのは線分であって三角形の面ではないので、軸のまわりに必ず穴が空きます。(1) がその穴の半径を求めさせる誘導になっています。

検証:点と線分の距離を(垂線の足が線分上にあるかの判定も込みで)2万点で数値計算し、 と一致することを確認(誤差 )。体積は円環の面積を について数値積分して と一致しました。

【8】複素数平面と同一円周(理系 第5問)

【問題】
複素数平面上で、相異なる3点 は実軸上に中心をもつ同一円周上にある。このような の存在する範囲を複素数平面上に図示せよ。さらに、この円の半径を を用いて表せ。
【解答】  の範囲は虚軸(原点を除く)と単位円周( を除く)/半径は

の存在範囲と円の半径

【問題(再掲)】  の存在範囲を図示し、円の半径を で表せ。

【型】「実軸上に中心 をもつ半径 の円」は は実数)。3点を代入して を消去する。

【なぜこうするか】未知数は です。3つの式から を消せば だけの条件が残ります。まず「1と 」「1と 」の2組から を2通りに表して等しいとおくのが早道です。

第1段: は実数ではない もし が実数なら3点はすべて実軸上にあります。実軸上に中心をもつ円と実軸の交点は高々2個なので、相異なる3点が同一円周上にあることはできません。よって は虚数です。

第2段:条件を書き下す 中心を実数 、半径を とすると

を使うと、最初の2つから

1つめと3つめから

第3段: を消去する  とおき、 を代入して を消すと、整理して

という形にまとまります。 を意味し、3点が相異なることに反します。したがって

は純虚数)

ただし、この変形は途中で で割っています。 の場合は別に調べる必要があります

第4段: の場合 このとき なので、3点はすべて原点中心・半径1の円周上にあります。中心 は実軸上なので条件を満たします。相異なる条件から だと と重なります)。

第5段:純虚数の場合の円  のとき は実数。3点は です。 より で、半径は

も同じ値になることが確かめられます。)

まとめ  の場合は なので、どちらの場合も同じ式で書けます。

O1-1虚軸(O を除く)単位円周(±1 を除く)白丸は除く点
の存在範囲(赤)。虚軸と単位円周の合併で、白丸の3点()は除く。

の範囲は虚軸(原点を除く)と単位円周( を除く)、半径は

よくあるミス  の場合を落とす。式変形の途中で で割った瞬間に、 は考察の外に出ています。割り算をしたら「割った量が0のとき」を必ず別扱いする、という基本がそのまま問われています。

検証:複素数平面の の格子で走査し、各 について「実軸上に中心をもつ円が3点を通るか」を最小二乗で解いて判定しました。該当した点はすべて虚軸上または単位円周上で、それ以外は0個。半径も と誤差 で一致しました。たとえば なら3点は で、中心 、半径 です。

【9】対数関数の単調性と極限(理系 第6問)

【問題】
対数は自然対数であり、 はその底とする。関数 に対して、次の問いに答えよ。
(1)  で単調減少関数であることを示せ。
(2)  および を求めよ。
(3)  を満たす の範囲に存在することを示せ。
【解答】 (2)   (1)(3) 証明(下記)

(1) 単調減少であること

【問題(再掲)】  で単調減少であることを示せ。

【型】微分して符号を見る。 という基本不等式に帰着させる。

を積の微分で計算すると

【なぜこうするか】 とおくと という非常に見慣れた形になります。 なので

したがって で、 で単調減少です。(証明終)

(2) 2つの極限

【問題(再掲)】  を求めよ。

【型】 と置き換えて に持ち込む

のとき  であり、 なので 。したがって

のとき  とおくと

(これは 微分係数の定義そのもの)なので

(3)  の解が にあること

【問題(再掲)】  を満たす にあることを示せ。

【型】中間値の定理。両端での値が2をまたぐことを示す。

【なぜこうするか】(1) で が連続かつ単調減少と分かっているので、両端の値を調べるだけで「ちょうど1つある」まで言えます。あとは での値を、計算機を使わずに評価するのがポイントです。

右端

より なので

左端

ここで より 、また なので

で連続なので、中間値の定理より となる の間に存在します。さらに (1) より は単調減少なので、その はただ1つです。(証明終)

検証: から まで6万点で調べて単調減少を確認。 で発散)、 で1に収束)。また で、 の解は 。確かに の間にあります。

解法の「型」の一覧

場面使った問題
2次不等式の解因数分解して区間にする。開区間か閉区間かを明記【1】
2区間が重なる条件「左端 < 相手の右端」かつ「右端 > 相手の左端」【1】
垂直の条件内積 。基準ベクトル2本で表してから展開【2】
「整数では成り立たない」成り立つとして比を求め、無理数になることを示す【2】(2)
乗りかえの待ち時間時刻を数直線にとり、基準を1つ決める【3】
合成して1つの に。3倍角は3乗と結びつく【4】(1)
置き換えたあと新しい変数の変域を必ず求める【4】(3)
行列式積に対して掛け算 【5】(1)
2次正方行列の2乗ケーリー・ハミルトンで次数を下げる【5】(2)(3)
の扱い を通り抜けさせる【5】(3)
ルートを含む差の評価分子を有理化する【6】(2)
漸化式の極限差を等比数列で押さえてはさみうち【6】(3)
空間で 座標が同じ3点平面 の中の2次元問題に落とす【7】(1)
線分の回転体断面は円環。内半径=垂線の足、外半径=端点【7】(2)
「実軸上に中心」 実数)とおいて を消去【8】
式変形で割り算をしたら割った量が0の場合を必ず別扱いする【8】
解の存在の証明単調性+中間値の定理。端点の値は粗い評価で足りる【9】(3)

検証について

本ページの数値は、次の3段階を通したものだけを掲載しています。

  1. 当塾で独立に解く。解答を見る前に、まず自分で最後まで解きます。
  2. Python で別方法から検算する。今回は、【1】を24万点の区間走査、【2】をベクトルの内積の全数確認(整数組は 通り)、【3】を12通りの分数計算、【4】を20万分割の走査、【5】を行列の直接計算、【6】を数列の実生成、【7】を数値積分、【8】を複素数平面の16万点走査、【9】を6万点の単調性確認と数値解法で確かめました。
  3. 解答PDFと本文をそろえる。本ページで配布している解答PDFは数強塾が独自に作成したもので、この解説と答え・道筋が一致しています。

【7】(2) の答えは、一般的な解答例では の形で書かれています。本ページの と同じ値です。【8】について、一般的な解答例は円の方程式の係数を文字でおいて3つの場合に分ける形をとっており、本ページは と成分で書く形にしました(結論は同じです)。

もし誤りを見つけられた場合は、お手数ですがご連絡ください。確認のうえ訂正し、訂正の記録もこのページに残します。

東北大学は数学だけでは決まりません。他科目の対策ページも用意しています。

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東北大学 2003年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析

公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。

  • 図形・三角関数
  • 関数・グラフ
  • 空間図形
  • 整数
  • 確率・場合の数
  • 指数・対数
  • 複素数
  • 数列

この年度の出題範囲と傾向

2003年度の問題PDFでは、図形・三角関数、関数・グラフ、空間図形、整数、確率・場合の数に関する語句や設問を確認できました。東北大学の公開PDFを年度横断で調べると、図形・三角関数は24年度、確率・場合の数は23年度、微分・積分は23年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。

分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。

問題文の文字起こし

問1画像OCR

検出分野: 図形・三角関数、関数・グラフ、確率・場合の数、整数

(1) DE と が垂直であるときの比 : ヵ を求めよ。
2) どのような正の整数に対しても, ADとEFは垂直でないことを示
せ。
デュ1ー やM2(640一16)

ある人がバス停AでA発B行きのパスに乗り, バス停BでB発C行きのバ
スに乗りかえてバス停Cへ向かうものとする。バスの発車時刻、 バス停での待
SHE, パスの乗車時間は次の 5 つの条件を満たすものとする。

1. A発B行きおよびB発C行きのバスは同時刻に 3 分おきで発車している。

2. パス停A での待ち時間は 0 分または 1 分または 2 分で、 それぞれの起こる
WHA CHS,

3. パス停 B に到着後, 最初に発車する C行きのバスに乗りかえる。

4. A発B行きのバスの乗車時間は 8 分または 10 分で. それぞれの起こる確率
a> である。

5. B発C行きのバスの乗車時間は 6 分または 7 分で、 それぞれの起こる確率
a である。

REL, 条件2 4, 5 において, 待ち時間, 乗車時間の起こり方は独立である

とする。

この人がバス停Aに到着後バス停C へ到着するまでにかかる時間がヵ分である

確率P(ヵ) を求めよ。

[4] 2:20pm
t=cosd + ¥3 sinの.
y =— 4 cos 39 + cos 29 — V3 sin 26 + 2cos@ + 2/3 sin9
とする。 :
(1) cos 36 を# の関数で表せ。
(2) ゞを#の関数で表せ。
(3) 0*ミ9ミ180* のとき, ヵ の最大値. 最小値とそのときの6@ の値を求めよ。
= fe OM2(640—17)

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問2画像OCR

検出分野: 図形・三角関数、関数・グラフ、空間図形、指数・対数、整数

(1) cos 39 をの関数で表せ。
(2) yを7の関数で表せ。
(3) 0"人ミの会180"のとき, ヶの最大値. 最小値とそのときの9 の値を求めよ。
=> M3 (640—19)

関数6)ニ4xー に対し。数列 (a,) を
ai = 6, Ges1 =VF Gy) (=1, 2, 3, >)
で与える。ただし, c は 0ぐcぐ2 を満たす定数である。
(0 g。く2 g。くgi (W=1, 2, 8。...) を示せ。
(の 2くそテと(2ーg) Wl, 2, 38....) を示せ。
(3) Jim g。を求めよ。

sz空間内に 2 点 Plu, wm 0), Qlu, 0, VI we) を考える。wが0から
1 まで動くとき, 線分 PQ が通過してできる曲面を $ とする。
Q) 点 Ge 0, 0)(0 1)と線分 PQ の距離を求めよ。
(2) 曲面さを軸のまわりに 1回転させて得られる立体の体積を求めよ。
= 2 記 M3 (640-20)

複素数平面上で, HRS IAL, の は実軸上に中心をもつ同一円周上
にある。このような a の存在する範囲を複素数平面上に図示せよ。さらに, こ
DMO#RE lal を用いて表せ。

[6] 対数は自然対数であり, REOKETS, WM fx) =(e + 1)log 221
に対して, 次の問いに答えよ。
(0) f(x) はェン0 で単調湖関数であることを示せ。
(2) Him f(x) および lm £2) を求めよ。
(3) fe) ニタ Me xO -語くく1 の範胃に存在することを示せ。
= = M3 (640—21)

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