東北大学 2011年度 過去問・解答

藤原進之介です。このページでは東北大学2011年度の数学過去問の問題資料と学習情報を無料公開しています。掲載している問題・解答・解説の範囲は、ページ内の各見出しでご確認ください。

今日の一問
以下の問いに答えよ。
(1) 実数 に関する連立不等式 が解をもつような実数 の範囲を求めよ。
(2)  を満たすすべての実数 に対し不等式 が成り立つような実数 の範囲を求めよ。
——さて、どこから手をつける?
答えと考え方は、この記事の中で順を追って解説します。

問題

解答

📑 この年度の大問インデックス(全9問)

解説が長いので、解きたい大問へ直接移動できるようにしています。解けなかった問題は、解説を読んだあとに同じ型の問題で当て直すと定着が速くなります。

型から探したいときは解法パターン事典、他の年度は過去問解説の総索引から。

🧭 東北大学 2011年度|大問ごとに「使う型」を対応させた表

解けなかった大問がどの型に属するのかを一覧にしました。解説を読んだあと、型のページで同じ判断を使う問題を数問当てると定着が速くなります。この年度は難易度と目標時間を掲載していないため、それらは載せていません。

大問出題テーマ使う型(解法パターン事典)
【1】指数を含む不等式指数・対数
【2】三角形の面積比積分法(数II)
【3】玉を取り出す確率確率
【4】放物線の直交2接線接線と法線
【5】直線の族と領域図形と方程式(座標)
【6】円の中心の軌跡軌跡
【7】ベクトルと垂直条件ベクトルの図形への応用
【8】複素数の方程式整数
【9】行列の反復と最短距離空間ベクトル

型の全体像は解法パターン事典、他の年度・他大学は過去問解説の総索引から。東北大学の年度一覧は各ページ末尾のナビでも確認できます。

東北大学 2011年度(平成23年度)前期日程 数学の全問解説です。東北大学は文系(文・教育・法・経済・医保健看護)と理系(理・医・歯・薬・工・農)で問題冊子が分かれており、この年度は1題が両方の冊子に共通でした。重複を1回だけ数えると全9題18小問です。
掲載しているすべての数値は、当塾で独立に解いたうえで Pythonによる検算(2万点の走査で不等式の成立範囲を二分探索・確率を分数のまま全経路展開・3000通りの で領域の上下端を実測・sympyの厳密積分・行列の反復計算) を行い、別の道筋でも解き直して全問突き合わせました。18小問すべてが一致しています(1か所、一般に出回っている解答例に誤りと思われる箇所があり、【2】の解説で指摘しています)。

本ページ冊子分野答え
【1】文系指数を含む不等式
【2】文系三角形の面積比 の最大値
【3】文系・理系(共通)玉を取り出す確率
【4】文系放物線の直交2接線交点 /面積
【5】理系直線の族と領域すべて/いずれか、の2つの領域
【6】理系円の中心の軌跡面積
【7】理系ベクトルと垂直条件
【8】理系複素数の方程式
【9】理系行列の反復と最短距離

この年度の傾向(3行)

  • 「文字を置きかえて2次関数に落とす」問題が並びます。【1】は 、【5】は の2次不等式、【7】は の1次方程式。置きかえたあとの「文字の動く範囲」を毎回きちんと押さえられるかが得点差になります。
  • 【5】の (1) と (2) は「すべての 」と「いずれかの 」の違いです。前者は最大値・後者は最小値の条件になり、答えの領域が大きく変わります。日本語の条件を数式の条件に翻訳する訓練になる良問です。
  • 理系は分野の幅が広く、6題から選ぶ形です。確率・軌跡・ベクトル・複素数・行列と1題ずつ並ぶので、得意分野を2〜3題確実に取る戦略が有効な構成でした。

文系(文・教育・法・経済・医学部保健学科看護学専攻)

【1】指数を含む不等式(文系〔1〕)

【問題】
以下の問いに答えよ。
(1) 実数 に関する連立不等式 が解をもつような実数 の範囲を求めよ。
(2)  を満たすすべての実数 に対し不等式 が成り立つような実数 の範囲を求めよ。
【解答】 (1)   (2)

(1) 解をもつ の範囲

【問題(再掲)】 連立不等式が解をもつような の範囲を求めよ。

【型】指数の不等式は と置きかえて の問題に。置きかえたら必ず の動く範囲を書きます。

【なぜこうするか】 が両方あるので、 ひとつで書けます。 に翻訳され、 の範囲に解があるか」という2次関数の問題になります。指数のままでは手が出ませんが、置きかえた瞬間に見慣れた形になります。

なので両辺に を掛けて

左辺を とおくと、これは下に凸で軸は 。軸が範囲 の左外にあるので、 はこの範囲で増加します。したがって となる が存在する条件は

(2) 常に成り立つ の範囲

【問題(再掲)】  のすべての が成り立つ の範囲を求めよ。

【型】今度は「常に成り立つ」=「最小値が 以上」。軸の位置で場合分けします。

【なぜこうするか】(1) は「解が存在する」=どこか1点で成り立てばよいので端の値だけ見ればよかったのに対し、(2) は「常に成り立つ」=最小値が条件をみたす必要があります。同じ置きかえでも、見るべきものが「端の値」から「最小値」に変わります。この違いが問題の対比になっています。

同じく とおくと

の軸は

(i) )のとき 範囲内で増加なので端の値。

(ii) )のとき 軸が範囲内なので頂点の値。

(i) から 、(ii) から 。合わせて

よくあるミス (1) で「 が実数解をもてばよい」として判別式だけで済ませること。解は の範囲にないと意味がありません 以上)。置きかえた文字の範囲を書き落とすと、この種の問題は必ず間違えます。

検証: を二分探索しながら、 から まで2万点に区切って不等式の成立を直接判定しました。(1) の上限は )、(2) の範囲は で、 に一致します。

【2】三角形の面積比(文系〔2〕)

【問題】
三角形 の辺 に内分する点を とする。動点 を満たすとし、直線 と直線 の交点を とする。
(1) 実数 で定めるとき、次の等式が成り立つことを示せ。
(2) 三角形 の面積を 、三角形 の面積を とするとき、 の最大値と、そのときの を求めよ。
【解答】 (1) 点 が直線 上にあることから  (2) のとき最大値
OABCDEC は AB を 1 : 2 に内分D は OA の延長上(x ≧ 1)、E は直線 CD と直線 OB の交点。図は x = 4/3 の場合
の延長上()、 は直線 と直線 の交点。図は の場合。

(1) 等式 の証明

【問題(再掲)】  のとき を示せ。

【型】3点が同一直線上にあることは「係数の和が で表せます。

【なぜこうするか】 で書いてから、 の側に書き換えるのがポイント。 が直線 上にあるので、書き換えた式の係数の和が になります。示すべき等式がちょうどその形です。

は直線 上にあるので、係数の和が

(証明終)

(2)  の最大値

【問題(再掲)】  の最大値と、そのときの を求めよ。

【型】共通の角をはさむ2つの三角形の面積比は2辺の積の比

したがって 。(1) から なので

【なぜこうするか】ここで を1つの文字とみると、上に凸の2次関数になります。 に対応し、頂点 はこの範囲内。置きかえてから範囲を確認する手順を踏めば、頂点で最大と即断できます。

のとき最大値

解答PDFの記述について 本ページに掲載している解答PDFでは、この (2) の結論が「 のとき最小値 」と書かれています。しかし 上に凸なので 以下であり、これは最大値です(問題文も最大値を問うています)。実際 では では では となり、 で最大になります。 は一致しており、「最大」「最小」の書き間違いと考えられます

検証: と座標を置いて、 について から直線を引いて を求めました。 はいずれも は順に で、 が最大であることを数値でも確認しています。

【3】玉を取り出す確率(文系〔3〕/理系〔3〕)

この大問は文系・理系の両方の冊子に出ています(理系版は小問が1つ多く、本ページは理系版の3小問で掲載しています)。

【問題】
先生と3人の生徒 がおり、玉の入った箱がある。箱の中には最初、赤玉3個、白玉7個、全部で10個の玉が入っている。先生がサイコロをふって、1の目が出たら が、2または3の目が出たら が、その他の目が出たら が箱の中から1つだけ玉を取り出す操作を行う。取り出した玉は箱の中に戻さず、取り出した生徒のものとする。この操作を続けて行うものとして以下の問いに答えよ。ただし、サイコロの1から6の目の出る確率は等しいものとし、また、箱の中のそれぞれの玉の取り出される確率は等しいものとする。
(1) 2回目の操作が終わったとき、 が2個の赤玉を手に入れている確率を求めよ。
(2) 2回目の操作が終わったとき、 が少なくとも1個の赤玉を手に入れている確率を求めよ。
(3) 3回目の操作で、 が赤玉を取り出す確率を求めよ。
【解答】 (1)   (2)   (3)

(1)  が2個の赤玉を手に入れる確率

【問題(再掲)】 2回目の操作後、 が2個の赤玉を手に入れている確率を求めよ。

【型】「誰が引くか」と「何色が出るか」を掛け算で分ける

2回とも が引き(各回 )、2回とも赤( のあと )。

(2)  が少なくとも1個の赤玉を手に入れる確率

【問題(再掲)】 2回目の操作後、 が少なくとも1個の赤玉を手に入れている確率を求めよ。

【型】「少なくとも1個」は和事象 を使います。

【なぜこうするか】余事象(1個も手に入れない)で計算しようとすると、「 が引かない」「引いたが白」の場合を全部数える必要があり、玉の減り方も絡んで場合分けが増えます。一方、「1回目に が赤を取る」、「2回目に が赤を取る」と置けば、それぞれは単純な確率で、重なりも1通りだけです。

は、1回目に誰かが赤を取る場合と白を取る場合に分けて

になる理由:結局「2回目に が引き、その玉が赤」という確率で、何回目でも「赤を引く確率」は のままです(玉に区別をつけて考えると、どの玉が何番目に出るかは同様に確からしい)。この対称性に気づくと と一瞬で出ます。

(3) 3回目に が赤玉を取り出す確率

【問題(再掲)】 3回目の操作で、 が赤玉を取り出す確率を求めよ。

【型】上の対称性を使えば が引く確率」×「3回目が赤である確率」で終わります。

よくあるミス (3) を「1回目・2回目に何色が出たか」で4通りに場合分けして計算し、途中で足し忘れること(正面から計算しても になりますが、項が4つに増えます)。「何番目に取り出しても赤である確率は という事実を一言添えれば、場合分けなしで済みます。

検証:「誰が引くか()」と「赤・白どちらが出るか(残数に比例)」の全経路を分数のまま3回分展開するプログラムを書きました。(1) 、(2) 、(3) がいずれも厳密に一致しています。

【4】放物線の直交2接線(文系〔4〕)

【問題】
放物線 の2本の接線 は垂直であるとする。
(1)  の接点の座標が で与えられるとき、 の交点の座標を を用いて表せ。
(2)  軸に関して対称なとき、 および放物線 で囲まれる部分の面積を求めよ。
【解答】 (1)   (2)

(1) 2接線の交点

【問題(再掲)】  の接点が のとき、 の交点の座標を で表せ。

【型】接線は 垂直条件で2つ目の接点を決めるのが要点です。

の接点を とすると、傾きの積が

2式 を連立すると なので

座標が定数:交点の 座標は によらず です。これは 準線で、「直交する2接線の交点は準線上にある」という有名な性質。結果が を含まないこと自体が答えの正しさの手がかりになります。

(2) 囲まれる部分の面積

【問題(再掲)】  軸に関して対称なとき、囲まれる部分の面積を求めよ。

【型】放物線と2接線で囲まれた面積は の係数が のとき)。

軸対称なので 。垂直条件 と合わせると 、すなわち とする)。接点は です。

xyO1/2−1/2−1/4l : y = x − 1/4m : y = −x − 1/4交点は必ず y = −1/4(準線)の上。y 軸対称になるのは接点が ±1/2 のとき
交点は必ず (準線)の上にある。 軸対称になるのは接点が のとき。

公式を使わない場合:対称性から右半分を2倍して 被積分関数が完全平方になるのは、放物線と接線の差が「接点で2重の零点をもつ」からです。

よくあるミス (2) で の両方を答えてしまうこと。 を入れ替えても同じ図形なので、面積は1通りです。また 軸対称という条件を使わずに (1) の交点の 座標を とおいても から同じ結論に至ります。どちらの道でも に行き着くことを確認しておくと安心です。

検証:sympy で として交点を計算すると となり、 と同じ式です。面積も と直接積分の両方で を確認しました。

理系(理・医・歯・薬・工・農)

【5】直線の族と領域(理系〔1〕)

【問題】
実数 に対し、不等式 の表す座標平面上の領域を とおく。
(1)  を満たすすべての に対し の点となるような点 の範囲を図示せよ。
(2)  を満たすいずれかの に対し の点となるような点 の範囲を図示せよ。
【解答】 (1) かつ   (2) では では では

(1) すべての に対して

【問題(再掲)】 すべての となる範囲を図示せよ。

【型】「すべての で成り立つ」は の関数とみて最小値(または最大値)を調べる。ここでは について整理するのが第一歩です。

【なぜこうするか】 の式として整理すると 主役の文字を に切り替えると、下に凸の2次関数が で常に 以下という条件になり、両端の値だけを見ればよいことが分かります(下に凸なら区間の最大値は端で取るため)。

のすべてで)

は下に凸なので、区間での最大値は端点の大きいほう。したがって条件は かつ

pqOq = −2p−1q = 4p+2q = (p+1)²+2水色が (1) の領域(2直線の下側の共通部分)(2) は上の境界がオレンジの放物線に変わり、−2 ≦ p ≦ 1 でふくらむ
水色が (1) の領域(2直線の下側の共通部分)。(2) では上の境界がオレンジの放物線に変わる。

かつ (境界を含む)

(2) いずれかの に対して

【問題(再掲)】 いずれかの となる範囲を図示せよ。

【型】「いずれかの で成り立つ」は最小値が 以下。今度は軸の位置で場合分けします。

【なぜこうするか】(1) は「区間全体で 」=最大値の話でしたが、(2) は「区間のどこか1点で 」=最小値の話です。下に凸の関数の最小値は軸の位置で決まるので、軸 が区間の中か外かで3つに分かれます。同じ不等式でも「すべて」と「いずれか」で見る場所が正反対になるのが、この問題の主題です。

軸は

軸の位置 の範囲最小値をとる 条件
区間の左外
区間内
区間の右外

(区間内のときは から。)上の表がそのまま答えで、境界は放物線と2直線が滑らかにつながります。

図の意味: は放物線 の接線の族です(接点の 座標が )。だから (2) の境界に放物線 が現れます。「直線の族の包絡線」という見方をすると、答えの形が納得できます。

よくあるミス (1) と (2) で同じ計算をしてしまうこと。「すべての」なら両端、「いずれかの」なら軸を含めた3通りと、確認すべき点が違います。答えの領域も (1) は2直線で囲まれた狭い領域、(2) は放物線の下側という広い領域になり、包含関係 が成り立ちます。

検証: について、 から まで3001点に区切って の最小値・最大値を実測しました。最小値は順に 、最大値は で、上の場合分けの式と完全に一致しています。

【6】円の中心の軌跡(理系〔2〕)

【問題】
を実数とする。円 は点 で直線 を接線にもち、点 を通るものとする。 の中心を として、以下の問いに答えよ。
(1)  を用いて表せ。
(2)  が動くときの点 の軌跡と直線 で囲まれる図形の面積を求めよ。
【解答】 (1)   (2)

(1) 中心 の座標

【問題(再掲)】  で表せ。

【型】接する条件は「中心と接点を結ぶ線が接線に垂直」、通る条件は「中心からの距離が半径に等しい」。この2本で決まります。

接線 の傾きは なので、 と接点 を結ぶ直線の傾きは

また から接点までの距離と までの距離が等しいので

を代入して整理すると

(2) 軌跡と で囲まれる面積

【問題(再掲)】  が動くときの の軌跡と直線 で囲まれる図形の面積を求めよ。

【型】媒介変数表示のままで面積を出すときは の積分に書き換える)。

【なぜこうするか】 を消去すると という回転した放物線になり、そのまま積分するのは大変です。ところが媒介変数のままなら どちらも の多項式なので、積分は easy です。「消去してから」ではなく「消去せずに」が速い場面です。

xyOQ(0, 1)y = 1y = −x(準線)中心 P は「点 Q を焦点、直線 y = −x を準線とする放物線」を描く
中心 は「点 を焦点、直線 を準線とする放物線」を描く。水色が求める面積。

となるのは 、すなわち 。この間で です。

被積分関数を展開すると 。奇数次の項は対称区間で消えるので

軌跡の正体: から直線 までの距離と、 から点 までの距離はどちらも円の半径なので等しい。つまり は「点 を焦点、直線 を準線とする放物線」を描きます。式を立てる前にこれに気づけば、軌跡が放物線であることは即座に分かります。

よくあるミス  と書き間違えること。積分するのは横方向の微小量 です。また を掛け忘れると答えが変わります。数値では で、図から見ても妥当な大きさです。

検証: について、得られた中心 から接点 までの距離と点 までの距離を計算し、いずれも一致することを確認しました(円が両方の条件をみたす)。面積も sympy の厳密積分で となりました。

【7】ベクトルと垂直条件(理系〔4〕)

【問題】
平面上に長さ3の線分 を考え、ベクトル で表す。 を満たす実数 に対して、 となるように点 を定める。大きさ2のベクトル と角 をなすようにとり、点 で定める。線分 の中点を とし、線分 と線分 の交点を とする。
このとき、どのように をとっても が垂直にならないような の値の範囲を求めよ。
【解答】 
OABPQRθR は線分 AQ と線分 BP の交点。OR と AB が垂直になる θ があるかを調べる
は線分 と線分 の交点。 が垂直になる があるかを調べる。

(1) 垂直にならない の範囲

【問題(再掲)】 どのように をとっても とならない の範囲を求めよ。

【型】2直線の交点は2通りに表して係数を比較。そのあと垂直条件を内積で書き、 について解いて値域と比べます

【なぜこうするか】「どんな でも垂直にならない」は、 についての方程式が の範囲に解をもたないと言いかえられます( では を取りません)。つまり最後は「 の式)」の右辺の絶対値が 以上、という条件に帰着します。

は線分 上なので 、線分 上でもあるので係数を比較すると

より

(i) のとき 左辺は 、右辺は なので①は成り立ちません(=垂直にならない)。

(ii) のとき ①は 。これが に入らない条件は

では なので

(i)(ii) を合わせて( に含まれます)

よくあるミス  の場合を調べずに、①の両辺を で割ってしまうこと。 で割れないので必ず別扱いが要ります。今回はその場合も「垂直にならない」側に入るので答えは変わりませんが、書き落とすと減点対象です。また境界 では となり、これは では実現しないので「垂直にならない」側に含まれます(等号が入る理由)。

検証: について を3600分割して①が成り立つ があるかを調べました。 以下では存在し、 以上では存在しません。境界 にあたり、 が範囲外なので「垂直にならない」に含まれます。

【8】複素数の方程式(理系〔5〕)

【問題】
を実数、 でない複素数とする。 と共役な複素数を で表す。
(1) 次を満たす を求めよ。
(2) 次を満たす が存在するような の範囲を求めよ。
(3) 次を満たす が存在するような の範囲を求めよ。
【解答】 (1) のとき のとき   (2)   (3)

(1) 方程式を満たす

【問題(再掲)】  を満たす を求めよ。

【型】分母を払って2次方程式に。 の確認も忘れずに。

のときは より

のとき のとき

では根号の中が負になり、 は虚数()になります。 は複素数でよいので、この場合も解です。

(2)  を含む方程式

【問題(再掲)】  を満たす が存在する の範囲を求めよ。

【型】 が入ったら両辺に を掛けて を作る。実数と虚数の部分に分けます。

【なぜこうするか】 が混ざった式は、そのままでは2次方程式として扱えません。しかし 必ず実数なので、 を掛けると「実数 」という形になり、 自身が実数でなければならないと分かります。これで一気に実数の問題になります。

両辺に を掛けると

は実数なので も実数。そこで は実数 とおくと

この式をみたす実数 が存在する条件は、左辺の値域が 以上であることから

の確認: が解になるのは のときですが、そのときもう1つの解 が使えるので、 も範囲に含まれます。除外が必要かどうかを1つずつ確かめるのが安全です。

(3) 4次の形の方程式

【問題(再掲)】  を満たす が存在する の範囲を求めよ。

【型】同じく両辺に を掛けて の式にする。今度は だけの式になります。

より)とおくと

この方程式が正の解をもつ条件を求めます。 は下に凸で軸 なので、正の解をもつのは のとき。

よくあるミス (3) で としてしまうこと。 が条件にあるので です。 を許すと が答えに入ってしまい、範囲が変わります。問題文の「 でない複素数」がここで効きます

検証:(1) の解の公式は sympy で確認。(2) は について の符号を調べ、 でのみ実数解をもつことを確認しました。(3) も が正の解をもつ条件が であることを、判別式と解の符号の両面から確かめています。

【9】行列の反復と最短距離(理系〔6〕)

【問題】
行列 の表す1次変換を とする。 による点 の像を とする。正の整数 に対し、 による像を とする。 が点 に最も近くなるときの の値を求めよ。
【解答】 

(1) 最も近くなる

【問題(再掲)】  に最も近くなる を求めよ。

【型】 を求めるときは と分けて になるか試す。固有値が重解のときの定石です。

【なぜこうするか】 の固有方程式は で、固有値が の重解。この場合 をみたすことが多く、実際

となります。すると二項展開で 以降がすべて消えるので、 が一瞬で求まります。

との距離の2乗は

に最も近い整数を選びます。 なので のほうが近い。

実際の距離: のとき で距離の2乗は のとき わずかな差なので、頂点 から両側の整数までの距離を比べる作業が必要です。

よくあるミス  を四捨五入して と即答すること。結果は合っていますが、「5.4 の左右どちらが近いか」を と示すのが答案です。頂点が ちょうどなら両方が答えになるので、この比較は形式的なものではありません。

検証: から まで sympy の行列累乗で直接計算し、 の距離の2乗を出しました。 で最小になり、 も全 で一致しています。

型の一覧(この年度で使った考え方)

使った型どの問題でひとことで言うと
と置きかえる【1】置きかえたら の範囲を必ず書く
「解が存在」と「常に成立」の違い【1】【5】前者は端の値、後者は最小値・最大値
係数の和が1で同一直線上【2】 側に書き換えるのがコツ
面積比は2辺の積の比【2】共通の角があるとき
和事象の公式【3】「少なくとも1個」は余事象だけではない
何番目に引いても確率は同じ【3】玉に区別をつけて考える
直交2接線の交点は準線上【4】 座標が によらない
主役の文字を入れ替える【5】 ではなく の2次式とみる
媒介変数のまま積分する【6】消去せずに
焦点と準線からの距離が等しい【6】放物線の定義そのもの
の形にして値域と比べる【7】「どんな でも」は解の非存在
を掛けて を作る【8】 が混ざった式の常套手段
【9】固有値が重解のときの

検証について

本ページの解答は、次の3段階で確認しています。

  1. 当塾で独立に解く(解答PDFを見る前に解いています)
  2. Pythonによる検算(2万点の走査と二分探索で不等式の成立範囲を特定、確率を分数のまま全経路展開、3001通りの で領域の上下端を実測、3600分割の で垂直条件を判定、sympy の厳密積分と行列累乗)
  3. 別解による検算

18小問すべてで、値が一致しました。ただし【2】(2) について、解答PDFは結論を「最小値」と記していますが、式の形から最大値が正しく、問題文も最大値を問うています(値 は一致)。

問題文は東北大学が公表している入試問題によります。本ページに掲載しているのは当塾が作成した解答・解説で、問題の全文をそのまま転載しているものではありません。誤りにお気づきの場合はご連絡ください。

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東北大学 2011年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析

公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。

  • 確率・場合の数
  • 整数
  • 微分・積分
  • 方程式・不等式
  • 図形・三角関数
  • 複素数

この年度の出題範囲と傾向

2011年度の問題PDFでは、確率・場合の数、整数、微分・積分、方程式・不等式、図形・三角関数に関する語句や設問を確認できました。東北大学の公開PDFを年度横断で調べると、図形・三角関数は24年度、確率・場合の数は23年度、微分・積分は23年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。

分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。

問題文の文字起こし

問1画像OCR

検出分野: 確率・場合の数、方程式・不等式、微分・積分、図形・三角関数

(1) 実数*に関する連立不等式
はきー1
12・3:ト68でミュ
が解をもつような実数 の範囲を求めよ。
(7 *テミー 1を満たすすべての実数* に対し不等式
Bi +a3*2a
が成り立つような実数 の範囲を求めよ
三角形OABの辺ABを1 : 2に内分する点をCとする。 動点DはOD =
xOA 1)を満たすとし, 直線 CD と直線 OB の交点をE LTS.
(1) 実数>を OEーッOBで定めるとき, 次の等式が成り立つことを示せ
4+y=3
(の SAR OAR OME S, =m ODE OME TETELe, の最大仁
&, そのときの* を求めよ。
一 ま 一 ©M2(858—21)

前期 : 文学部・教育学部・法学部・経済学部
| 医学部保健学科看護学専攻
先生と 3 人の生徒 A, B, Cがおり, 玉の入った箱がある。箱の中には最初,
RES, TET, SHC 10 個のが入っている。先生がサイコロをふっ
て, 1 の目が出たらA が, 2 または 3 の目が出たらBが, その他の目が出たら
Cが箱の中から 1 つだけ玉を取り出す操作を行う。取り出した玉は箱の中に戻さ
FT, 取り出した生徒のものとする。この操作を 2 回続けて行うものとして以下の
問いに符えよ。
ただし, サイコロの 1 から 6 の目の出る確率は等しいものとし, KK, 箱の中
のそれぞれの玉の取り出される答率は等しいものとする。
() Aが2 個の赤玉を考に入れる確率を求めよ。
2) Bが少なくとも 1 個の赤玉を手に入れる確率を求めよ
放物線ゞーィの 2 本の接線7。 は垂直であるとする。
(1) の接点の座標が(g. のうで与えられるとき, |, mOLAOBRE a EAL
て表せ。
(2 1, maty WEBI THERES, 1, みおよび放物線ゞー で囲まれる部
分の面積を求めよ。
= hor M2 (858—22)

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問2画像OCR

検出分野: 確率・場合の数、整数、複素数、図形・三角関数、微分・積分

平成 23 年度前期日程入学試験学力検査問題
平成 23年2月26日
数 Fa ww
[sam Fam | RENO | RWAM [REWER
理 学 部 !
& 学 hf 医 学 科
BEF AB AR ARF be ay
科学専攻 I~ ページの © © oo
RPG TRNAS |] GL GL | 10: 00~12: 20 27 ORE
回 財を解答す (150 分)
i + 部 | ること。 (各表・理)
薬 学 部
学 部
3 学 部
= 82 事項
1 BRMBOASRMHSET, COMBAT, BEAREMUTIZNIA,
2 この問題章子は. $ ページである。 MMHTORMON—YORBORAIRE
のために使用してよい。なお. ページの脱落. MNO HA LABOR BS
には申し出ること。
3 MSS, 必ず黒館筆(シャープペンシルも本)で記入し. ボールペン・万年筐など
を使用してはいけない。
4. 解答用紙の受験記号番号拉(1 枚につき 2 か所)には. SHFCSRRBLAL SY
記号番号をはっきりと判続できるように記入するこよと。
fe | TRE ABOIET ARK SRL sero
6. MBA EIS mo TUT
7, 試験終了後. この問題朋子は持ち帰ること。
ー 1一 の43(835一23)

ーーーこのページは特紙一一一
= 2 M2 (658—:9)

ーーこのページは百紙一一一
ー 3一 Ni2 858一20)

前期 : 理学部・医学部(医学科. 保健学科放射線技術科学専攻・
検査技術科学専攻) ・歯学部・薬学部・工学部・農学部
[1] 私し, 5a
yS2avr—a'+2at+2
ORT MMTH LOMBRE D(a) とおく。
(i ~lS@S2eRartTT toa KHL D(IORERSEDEA(D, 9)
OME MTEL.
Q -lS@S2eRhktTvoFnaAOeklH lL DaORetnescaus
(p, DOME BRE.
[2] oe RM eT S. 円Cは点@。 a) CH= ERB CES, A
(0, 1)を通るものとする, COMPEP(X, Y)として, 以下の問いに答え
よ。
(l) X¥, Yea を用いて表せ。
2) gが動くときの点の軸跡と直線 y =1 で囲まれる図形の面積を求めよ。
ー4 一 のMI3(858一26)

(mm ‘age ese ery SEHR ANARR AH POA RRIF A)
[3] sees .08Wa, 8 Cがおり、玉の入った細がある。導の中には最初.
赤玉3個、自玉?個、全部で1!0個の玉が入っている。 先生がサイコロをふっ
て, 1 の目が出たらA が, 2 または3の目が出たらBが. その他の目が出たら
C が描の中から 1 つだけ玉を取り出す捧作を行う. 取り出した玉は規の中に戻さ
ず. 取り出した生徒のものとする。 この操作を続けて行うもゃのとして以下の問い
に答えよ。
KEL, サイコロの 】 から 6の日の出る確率は等しいものとし. EX, POH
のそれぞれの玉の取り出される硫許は等しいものとする。
(1! 2 回目の操作ポ終わったとき, A が2 介の赤玉を手に入れている確率を求め
よ。
(2) 2H OMEARDIRES, Bが少なくとも1 飼の赤玉を手に入れている
MRE,
3) 3回目の操作で, CARREMDMTERERD SE,
[4] 馬上に長き som OA を考え。ペクトル 0A ED TRY. 0 くく1を商 .
たす実数7に対して. OP =7。となるように点『を定紹る。大きさ 2 のペクト
ル5をと旬9(0ぐりぐ=)をなすようにとり. HBS OB =』で定める。 線
分 0B の中点を Q とし, AHAQERG BPORAER とする。
ー5 一 OM3 (858-27)

4 を実数、z を 0 でない複素数とする。z と共役な複素数をで表す。
(1) 次を満たすヶ を求めよ。
zt1- テ =0
2) 次を満たすヶが存在するような。の範囲を求めよ。
zZ+1- テ =0
(8) 次を満たすz が存在するような。の範囲を求めよ。
2(Z)2+2- = =0
[6] 行列
a
as
4 -1
の表す 1 次変換を7 とする。 による点 P(1, 1)の像を Pi とする。正の整数
に対し, P。 の/による像を P。r, とする。P。 が点 Q10, 10)に最も近くなると
きのヵの値を求めよ。
= i = M3 (858—28)

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