大学受験

同志社大学 2025年度 過去問・解答

数強塾のプロ講師陣

藤原進之介です。このページでは同志社大学2025年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。

今日の一問
次の[ ]に適する数または式を答えよ。
——さて、どこから手をつける?
続きの小問と、答え・考え方は本文で解説します。

問題

解答

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📊 2025年度 同志社大学 数学 講評マップ(難易度・目標時間・使う型)

この年度の全26問を解説した数強塾のプロ講師陣が、各問題を難易度・目標時間・使う型の3つで整理しました。難易度と目標時間は数強塾の独自の見立てで、目標時間は過去問演習をするときの1問あたりの目安です(実際の試験の時間配分を示すものではありません)。「使う型」の列は解法パターン事典の該当単元につながっています。解けなかった問題は、下の解説で解き方を確認したあと、型のページで同じ型の問題を練習すると定着が速くなります。

2025年度の全26問

大問テーマ難易度目標時間使う型(解法パターン事典)
解説へ〔Ⅰ〕玉の取り出しと条件付き確率/空間座標と2球面の接触約35分条件付き確率・独立・反復試行
解説へ〔Ⅱ〕【記述式】3項間漸化式を2項間にまとめる技と、最大項約30分漸化式の全型
解説へ〔Ⅲ〕【記述式】 の積分・最小値・回転体約30分積分法(体積・弧長)
解説へ〔Ⅳ〕【記述式】 とガウス積分(エルミート多項式の入口)約40分極限
解説へ〔Ⅰ〕整数の組・多項式の除法・平均と分散の合成やや難約25分場合の数
解説へ〔Ⅱ〕【記述式】円と内接正三角形の入れ子標準約25分数列・漸化式
解説へ〔Ⅲ〕【記述式】絶対値を含む不等式の領域と、面積の最大最小約35分図形と方程式(座標)
解説へ〔Ⅰ〕【空所補充】放物線の頂点の軌跡・共通接線/階乗を含む数列/さいころ4個やや難約35分条件付き確率・独立・反復試行
解説へ〔Ⅱ〕【記述式】放物線 と直線で挟まれた2つの面積の差標準約20分積分法(数II)
解説へ〔Ⅲ〕【記述式】対数不等式が表す領域は「円の弓形」——真数条件が主役やや難約25分指数・対数
解説へ〔Ⅰ〕【空所補充】3人じゃんけん3回の確率/二項定理の係数標準約30分確率
解説へ〔Ⅱ〕【記述式】三角関数の合成 → 3倍角 → 3次関数に化けるやや難約30分微分法(数II)
解説へ〔Ⅲ〕【記述式】標準化されたデータの合成——共分散・相関係数を文字で操るやや難約25分確率分布と統計的な推測
解説へ〔Ⅰ〕【空所補充】2連勝で優勝する確率と無限級数/複素数平面の楕円と の像やや難約35分条件付き確率・独立・反復試行
解説へ〔Ⅱ〕【記述式】楕円の接線と垂線の交点—— が一定になる仕掛けやや難約30分軌跡
解説へ〔Ⅲ〕【記述式】積を和に直して 三角関数を積分する——誘導が完璧な良問標準約30分積分法(数II)
解説へ〔Ⅳ〕【記述式】分数漸化式が周期6になる数列—— を 一本にまとめるやや難約35分漸化式の全型
解説へ〔Ⅰ〕【空所補充】和と漸化式/カードの確率/内心のベクトル/絶対値付き定積分標準約35分確率漸化式
解説へ〔Ⅱ〕【記述式】戻さずに取り出す玉——対称性と「比で最大を探す」技法やや難約25分条件付き確率・独立・反復試行
解説へ〔Ⅲ〕【記述式】原点から円に引いた2接線——接点を結ぶ直線(極線)と調和平均やや難約30分図形と方程式(座標)
解説へ〔Ⅰ〕【空所補充】直角三角形の内接円/3次関数と接線/3人のカード交換と確率やや難約35分確率漸化式
解説へ〔Ⅱ〕【記述式】絶対値2つの和—— についての対称性に気づけるか標準約20分積分法(数II)
解説へ〔Ⅲ〕【記述式】昇順と降順の「平均」と「差」——分散が直交分解されるやや難約30分確率分布と統計的な推測
解説へ〔Ⅰ〕【空所補充】最大公約数と点と直線の距離/指数を で3次式に/さいころと標準約30分確率
解説へ〔Ⅱ〕【記述式】幅 の区間が動くときの最大値 ——場合分けは5つやや難約30分2次関数
解説へ〔Ⅲ〕【記述式】空間の3ベクトル——内積から面積、座標、そして「なす角の三角やや難約30分空間ベクトル

💡 どこで差がつくか:この年度は全26問で、数強塾の見立てでは標準が7問・やや難が14問・難が5問です。扱う型は16種類にわたり、同じ型が複数の大問で顔を出すため、そこを固めると得点が動きやすくなります。やや難以上が19問あるので、まず標準の問題を確実に取り切る練習から入るほうが結果につながります。目標時間の合計は約780分(過去問演習での目安)。 この冊子26問の目標時間の合計は約780分(数強塾の見立て)。

「型が出てこなかった問題」が2問以上あった人へ。それは演習量の不足ではなく、単元の型の抜けが原因であることがほとんどです。数強塾は数学専門・プロ講師のみ・完全1対1のオンライン個別指導。実際にあなたが解いた過去問の答案を見ながら、どの型が抜けているかを特定し、同志社大学の出題に合わせて埋めていきます。同志社大学の過去問まとめ(全年度+傾向)で他の年度も確認できます。

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※ 問題文は同志社大学が公表した2025年度入学試験問題を、解説のために引用したものです。解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したものです。当解説の答え(全20問)はすべて一般的な解答例と突き合わせて一致を確認しています。加えて、〔Ⅰ〕(1) は200万回のモンテカルロ実験、〔Ⅰ〕(2) は成分による直接計算、〔Ⅱ〕は漸化式から第20項まで分数のまま生成、〔Ⅲ〕(3) は200万分割の数値積分、〔Ⅳ〕は の数式処理による の直接計算でも独立に検算しました。

2025年度 同志社大学 数学(この冊子)の傾向
  • 大問4題。〔Ⅰ〕が空所補充(10か所)、〔Ⅱ〕〔Ⅲ〕〔Ⅳ〕が記述式。全体で20の設問があり、同志社の理系としては最上位クラスの難度です。
  • 分野は玉の取り出しと条件付き確率/空間座標と2球面の接触/2項間漸化式を1つにまとめる技/三角関数の積分と回転体/ とガウス積分
  • 〔Ⅰ〕(1) の最後(オ)が難所。「袋Bより先に袋Aが尽きる」=「Aが6回選ばれるまでにBが選ばれた回数が4回以下」と読み替え、負の二項分布の形で足し上げます。
  • 〔Ⅰ〕(2) は数値が複雑ですが、 に気づけば H は AB の中点——ここを見抜けるかで所要時間が5倍変わります。
  • 〔Ⅱ〕は3項間漸化式を という「うまい組み合わせ」で2項間に落とすという誘導。階乗が出るのが美しく、(4) では の増減が で切り替わることから の2つが答えになります。
  • 〔Ⅳ〕は が主役。 と置くと ガウス関数に化けます。 という答えは、エルミート多項式の直交性そのもの——大学数学の入口が顔を出す問題です。

〔Ⅰ〕玉の取り出しと条件付き確率/空間座標と2球面の接触

分野:確率/空間ベクトル・図形 難易度:難 目標時間:35分

【問題】

次の[ ]に適する数または式を答えよ。

(1) 袋 A には白玉2個、赤玉4個が、袋 B には白玉3個、赤玉2個がそれぞれ入っている。袋 A、B に対して、「1個のさいころを投げて、1か2の目が出れば袋 A を、他の目が出れば袋 B を選び、選んだ袋から玉を1個取り出して、取り出した玉はどちらの袋にも戻さない」という試行を、どちらかの袋の玉がすべてなくなるまで繰り返す。このとき、1回目の試行で袋 A から白玉を取り出す確率は[ア]、1回目の試行で白玉を取り出す確率は[イ]。1回目の試行で取り出した玉が赤玉であるとき、選ばれた袋が A である確率は[ウ]。2回目の試行で取り出した玉が赤玉であるとき、1回目の試行で取り出した玉も赤玉である確率は[エ]。袋 B より先に袋 A の玉がすべてなくなる確率は[オ]。

(2) 原点を O とする座標空間内の2点を とすると、([カ])。2点 A、B を通る直線を とすると、原点 O から直線 に垂線 OH を下ろしたときの点 H の 座標は[キ]。 を正の実数として、中心が点 H、半径が の球面を とし、中心が点 、半径が3の球面を とする。2つの球面 が1点のみを共有するような の値のうち、最大のものを とすると、[ク]。 の共有点を P とすると、点 P の 座標は[ケ]。 平面と交わってできる円の半径は[コ]。

【解答】

ア: イ: ウ: エ: オ: カ: キ: ク: ケ: コ:
(一般的な解答例と全項一致)

〔Ⅰ〕(1)アイ 1回目の確率

【問題(再掲)】

1回目の試行で「袋 A から白玉を取り出す確率」[ア]と「白玉を取り出す確率」[イ]を求めよ。

【型】「袋を選ぶ確率」×「その袋で白が出る確率」を足す(乗法定理+全事象の分割)

【なぜこうするか】
さいころで袋 A が選ばれる確率は 、袋 B は 。ここを最初に確定させます。
袋 A は白2・赤4の計6個、袋 B は白3・赤2の計5個。よって

「白玉を取り出す」はA 経由と B 経由の2通りに分割されるので、足し合わせます。

解答。袋 A が選ばれる確率は 、袋 B は 。よって

[ア]、[イ]

検算。同じ要領で赤玉の確率を出すと と赤 の和が ✓(全事象になる)。分数のまま計算したプログラムでも一致 ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】「原因が複数ある事象」は原因で分割して足す(全確率の公式)。検算は「補事象との和が1」で。さいころの 約分して にしておくと以降が軽くなります。

【よくあるミス】袋 A の玉数を「白2・赤4で合計5個」と数え間違えること(合計6個)。また袋 B が選ばれる確率を としてしまうミス(「他の目」は3,4,5,6 の4通り)。

〔Ⅰ〕(1)ウ 赤玉だったときに袋 A である条件付き確率

【問題(再掲)】

1回目の試行で取り出した玉が赤玉であるとき、選ばれた袋が A である確率[ウ]を求めよ。

【型】ベイズの定理:

【なぜこうするか】
条件付き確率は「(両方起こる確率)÷(条件の確率)」。分子と分母をそれぞれアイと同じ要領で作るだけです。

よって

袋 A は選ばれにくい()が赤が多い(ので、赤が出たという情報で A の可能性が から へ上がる——ベイズ更新の典型例です。

解答。

[ウ]

検算。補として ✓。
方向の妥当性:事前確率 が事後 上がっている——赤の割合が A()の方が B()より大きいので正しい向き ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】条件付き確率は「分子=同時確率、分母=条件の確率」分母はアイで作った値を再利用できます。検算は「A と B の事後確率の和が1」「事前より上がった/下がったの向き」の2点で。

【よくあるミス】分母を にしてしまうこと。条件は「赤玉が出た」なのでその確率 で割る。また と混同するミス(向きが逆)。

〔Ⅰ〕(1)エ 2回目が赤のとき1回目も赤である条件付き確率

【問題(再掲)】

2回目の試行で取り出した玉が赤玉であるとき、1回目の試行で取り出した玉も赤玉である確率[エ]を求めよ。

【型】玉を戻さないので「1回目の(袋・色)」4通りで場合分けし、2回目の赤の確率を計算

【なぜこうするか】
玉を戻さないのがこの問題の核心。1回目に「どの袋から何色を取ったか」で袋の中身が変わるので、4通りすべてを追う必要があります。
2回目に赤が出る確率を、1回目のケースごとに計算します(2回目もさいころで袋を選び直すことに注意)。

1回目確率残り(A / B)2回目が赤同時確率
A・白白1赤4 / 白3赤2
A・赤白2赤3 / 白3赤2
B・白白2赤4 / 白2赤2
B・赤白2赤4 / 白3赤1

「2回目が赤」の確率は4行の合計、「1回目も赤」はそのうちA・赤と B・赤の2行

1回目の赤の確率と同じ になるのが面白いところ——対称性から自然な結果です。)よって

解答。上の表より2回目が赤となる確率は 、そのうち1回目も赤であるのは 。よって

[エ]

検算(分数のまま全ケース計算)。プログラムで4ケースをすべて分数で追い、、条件付き確率 を確認 ✓。
妥当性:1回目が赤だと赤が1個減るので2回目に赤が出にくくなる=負の相関。実際 は無条件の より小さい ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】「戻さない」試行は1回目の結果で状態が変わるので、状態ごとに場合分けした表を作る。分母を揃えて(ここでは )整数の足し算に落とすのがミス防止のコツ。相関の向き(正か負か)で答えの妥当性を確認できます。

【よくあるミス】2回目も「1回目と同じ袋」から取ると思い込むこと。毎回さいころを投げ直して袋を選ぶのがルールです。また B・白の行で袋 B の残りを「白2赤2の4個」と正しく数えられずに のままにするミス。

〔Ⅰ〕(1)オ 袋 B より先に袋 A が尽きる確率

【問題(再掲)】

袋 B より先に袋 A の玉がすべてなくなる確率[オ]を求めよ。

【型】色は無関係。「A が6回選ばれるまでに B が選ばれた回数が4回以下」=負の二項分布

【なぜこうするか】
ここで発想の転換が必要です。どの色が出るかは「袋が尽きるかどうか」に無関係——選ばれた袋から1個減るだけだからです。したがって考えるべきは「A が選ばれる回数」と「B が選ばれる回数」だけ
A は6個、B は5個。A が先に尽きる A が6回目に選ばれた時点で B の選ばれた回数が 以下(B が5回選ばれると B が尽きてしまう)。
B が 回()選ばれた状態で A が6回目に選ばれるという事象は、 回の中で A が5回・B が 回、そして 回目が A」。よって確率は

「最後の1回を固定して、それ以前を二項分布で数える」のが負の二項分布の考え方。これを から まで足します。

解答。玉の色は袋が尽きるかどうかに影響しない。袋 B が 回選ばれた時点で袋 A が6回目に選ばれる確率は

袋 B より先に A が尽きるのは のときだから

組合せの値は 。括弧の中を分母 で通分すると

したがって

[オ]

(分子・分母を で1回だけ約分できて で割れないのでこれが既約です。)

検算(200万回のモンテカルロ実験)。 から始めて、確率 で A を、 で B を1個減らし、どちらかが0になったら終了」というシミュレーションを200万回実行すると、A が先に尽きた割合は

一方 小数第3位まで一致(200万回の標準誤差は約 なので誤差の範囲)✓。
また上の和 を分数のまま計算すると厳密に ✓。一般的な解答例と一致 ✓。
妥当性:A は6個で選ばれる確率が 、B は5個で 。B の方が「減りやすい」のでB が先に尽きる方が圧倒的に起こりやすい——A が先に尽きる確率が と小さいのは妥当 ✓。

【定石】「どちらが先に 回起こるか」は負の二項分布 の事象が 回目に起こるまでに の事象が 最後の1回を固定するのがポイント。無関係な情報(ここでは玉の色)を大胆に切り捨てる判断も重要です。

【よくあるミス】玉の色まで考慮して場合分けを爆発させること(色は無関係)。また と組合せの上を間違えること——最後の1回を除いた 回の中で なので です。

〔Ⅰ〕(2)カ 

【問題(再掲)】

について ([カ]) の[カ]を求めよ。

【型】成分を引いてから2乗和。 が共通なので 成分では消える

【なぜこうするか】
一見すると恐ろしい数値ですが、 座標と 座標に共通の が入っているので引き算で消えます。

成分と 成分がきれいに になる——これが設計の妙です。よって

問題文が「」と形を指定してくれているので、 でくくれることが答え合わせになります()。

解答。

よって [カ]

検算(成分計算)。数式処理で を確認 ✓。 ✓。
ここで次への布石も確認しておきます:ぴったり等しい ✓——これがキの決定的な鍵になります。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】座標に共通項があれば引き算で消えるので、恐れず成分を引く。問題文が指定する答えの形( など)は検算のヒント——割り切れなければ計算ミスです。

【よくあるミス】 のように中央項 を忘れること。正しくは

〔Ⅰ〕(2)キ 点 H の 座標

【問題(再掲)】

直線 (A、B を通る)に原点 O から下ろした垂線の足 H の 座標[キ]を求めよ。

【型】 なら は二等辺三角形 → H は AB の中点

【なぜこうするか】
一般には「 と置いて から を出す」——ですが数値が重い。
そこでカの検算で気づいた事実を使います。

両者が完全に一致——つまり は二等辺三角形。二等辺三角形の頂点から底辺への垂線の足は底辺の中点なので

成分:。)この一手で計算量が10分の1になります

解答。 より 。よって は二等辺三角形で、O から直線 AB に下ろした垂線の足 H は線分 AB の中点。したがって

よって H の 座標は [キ]

検算。垂直条件を直接確認します。 を数式処理で計算すると厳密に ✓——たしかに OH は AB に垂直です。
また も数式処理で一致 ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】 なら垂線の足は AB の中点。空間の垂線の足の問題では、まず を比べる癖をつけましょう(等しければ一瞬で終わる)。等しくない場合は と置いて内積0。

【よくあるミス】 に気づかず、 を求める重い計算に突入して時間を失うこと。数値が汚い問題こそ「うまい構造」が仕込まれていると疑うべきです。

〔Ⅰ〕(2)クケ  と接点 P の 座標

【問題(再掲)】

球面 (中心 H、半径 )と (中心 、半径3)が1点のみを共有する の最大値 [ク]と、そのときの共有点 P の 座標[ケ]を求めよ。

【型】2球面が1点だけを共有 外接()または内接()。最大は「 を内包する内接」

【なぜこうするか】
まず中心間距離を出します。

3成分すべてが なので長さは と暗算できます。)
2球面が1点のみを共有するのは接するとき。

  • 外接 より
  • 内接 より は不適)

よって の2つで、最大は (このとき の内部に が入り、内側から接する)。
接点 P はH から見て C の向こう側にあります。、向きは の延長なので

よって P の 座標は と整合しています。

解答。 より 。2球面が1点のみを共有するのは接するときで

外接なら より 、内接なら より

最大は [ク]。このとき の内部にあり、接点 P は H から見て C の先にあるので

よって [ケ]

検算(成分計算)。 を数式処理で確認 ✓。
接点の妥当性: について を計算すると厳密に )✓、 の半径)✓——両球面上の点であることが確認できました ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】2球面(2円)が1点を共有 外接または内接内接の方が半径が大きいので「最大」を問われたら内接。接点は中心を結ぶ直線上にあり、内接なら小さい球の中心を挟んで反対側)。

【よくあるミス】外接の だけを答えること(「1点のみを共有」は内接も含む)。また接点 P を H と C のあいだに取ってしまうミス——内接では の内側にあるので、接点はC の外側です。

〔Ⅰ〕(2)コ  平面の交円の半径

【問題(再掲)】

平面と交わってできる円の半径[コ]を求めよ。

【型】球と平面の交円の半径 は中心から平面までの距離)

【なぜこうするか】
球の中心から平面に垂線を下ろすと、「球の半径・中心から平面までの距離・交円の半径」が直角三角形をなす——ピタゴラスの定理そのものです。

(交円の半径)

平面までの距離は中心の 座標の絶対値。H の 座標はキで求めた なので 。よって

。)キで求めた 座標がここで再利用される——問題全体が 座標を軸に組まれていることが分かります。

解答。 の中心 H の 座標は なので、H と 平面の距離は 。よって交円の半径は

[コ]

検算。 ✓ ピタゴラス成立。
妥当性: なので球は確かに 平面と交わる なら交わらない)✓。数式処理でも ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】球と平面の交円の半径は (円と直線の弦の半分と同じ構造)。座標平面までの距離は該当座標の絶対値 平面なら )。交わる条件は

【よくあるミス】 を H の 座標ではなく (原点からの距離)にしてしまうこと。平面までの距離です。また を簡単にせず放置するのも減点対象になり得ます()。

〔Ⅱ〕【記述式】3項間漸化式を2項間にまとめる技と、最大項

分野:数列 難易度:難 目標時間:30分

【問題】

を自然数とする。数列 を次の関係式で定める。

次の問いに答えよ。ただし、必要であれば、 であることを証明なしに用いてよい。

(1) を求めよ。

(2) を満たす について、 の式で表せ。

(3) 数列 の一般項を求めよ。

(4) すべての自然数 について が成り立つような自然数 を考える。このような の値の組をすべて求めよ。

【解答】

(1)  (2)  (3)  (4)
(一般的な解答例と全項一致)

〔Ⅱ〕(1) 

【問題(再掲)】

を求めよ。

【型】定義に を代入するだけ。ただし には が必要な順序に注意

【なぜこうするか】
素直な代入問題ですが、計算の順序が大事です。 を含むので、先に を出す必要があります。

続いて の定義に代入。

がきれいな整数になるのは偶然ではなく、(3) の から となるためです。

解答。

検算(分数のまま第20項まで生成)。漸化式をプログラムで分数のまま回すと ✓。
(3) の一般項でも ✓、 ✓ と一致。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】複雑な定義の問題は、まず小さい番号で具体値を出す。ここで出した値が後の一般項の検算に使えるのが大きな利点です( は (3) の答え合わせに必須)。

【よくあるミス】 を入れるとき分母を ではなく などと誤ること。また の係数を とするミス(分母は )。

〔Ⅱ〕(2)  を求める

【問題(再掲)】

を満たす の式で表せ。

【型】 を定義通り書き、3項間漸化式で を消して の形に factor する

【なぜこうするか】
を定義に従って書き下します。

ここで を3項間漸化式で置き換えるのが決め手。

の係数をまとめると

が消えて という共通因子が現れる——これがこの問題の設計の核心です。実際 の係数も

同じ でくくれるので

これで3項間漸化式が2項間(等比型)に落ちました

解答。 の定義と3項間漸化式より

よって

検算(実測の比)。プログラムで を分数のまま計算すると

すべて に一致 から まで全一致を確認)✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】3項間漸化式は「うまい1次結合 を作って2項間に落とす」のが王道。本問は 問題文で与えられているので、あとは共通因子でくくるだけ。係数の和が に依らない定数(ここでは になる仕込みを見つけるのが快感です。

【よくあるミス】 の定義で 、分母 の置き換えを誤ること。 に「すべて」置き換えるのを機械的にやること。

〔Ⅱ〕(3)  の一般項

【問題(再掲)】

数列 の一般項を求めよ。

【型】比が で変わる漸化式は「掛け合わせて約分」(階乗が出る)

【なぜこうするか】
比が で変わるので等比数列ではありません。 から まで掛け合わせます。

分母は3から までの積、つまり 。よって

と分母の が掛かって になり、 と合わせて ——恐ろしくきれいに収まります。
でも と成立するので、場合分けは不要です。

解答。(2) より のとき

のときも で成立するので

検算(分数のまま照合)。漸化式から生成した を比べると

第17項まで完全一致 ✓。たとえば ✓。一般的な解答例と一致 ✓。
(面白い性質: 付近で最大になり( まで増加)、その後急減します。これが (4) の と深く関係します。)

【定石】 型は掛け合わせて階乗が出る のように「どこから始まる階乗か」を丁寧に。最後に でも成立するかを確認します。

【よくあるミス】分母の積を としてしまうこと( が抜けているので )。また掛ける個数を 個としてしまうミス( から までは 回掛ける)。

〔Ⅱ〕(4)  が最大となる

【問題(再掲)】

すべての自然数 となる の組をすべて求めよ。

【型】 の符号を漸化式から直接読む → 増減が の符号で決まる

【なぜこうするか】
漸化式そのものが階差の式になっていることに気づくのが第一歩です。

問題文が「 を使ってよい」と言っているので、右辺の符号は だけで決まる

  • より 増加
  • より 横ばい
  • より 減少

から始まるので、大小関係は

つまり最大値をとるのは の2つ——「すべて求めよ」と言われている理由がここにあります。
最後に の値。 の定義に を入れると係数がちょうど0になるのがポイント。

(3) より なので 、したがって

なので も同じ値。 を掛ける」という指定は、答えを というきれいな数にするための演出だったわけです。

解答。漸化式より で、 だから符号は と一致する。よって

したがって がすべての で成り立つのは
また であり、(3) より なので

よって求める組は

検算(第20項まで分数で生成)。プログラムで を分数のまま計算すると

となり、最大を与える の2つであることを確認 ✓( から まで増減の符号も表の通り)。
また ✓ 厳密に一致。 も確認 ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】漸化式が「 の式)」の形なら、それがそのまま階差 が保証されていれば符号は係数だけで決まるので増減表が一瞬で書けます。階差が0になる があれば最大値をとる番号が2つになる——「すべて求めよ」はその合図です。

【よくあるミス】 だけを答えること( なので も最大)。また を求めるのに漸化式を10回回してしまうこと—— という「係数が0になる仕掛け」を使えば一瞬です。

〔Ⅲ〕【記述式】 の積分・最小値・回転体

分野:三角関数/微分積分(数学III) 難易度:難 目標時間:30分

【問題】

を満たす定数とし、 とする。関数 とする。次の問いに答えよ。ただし、必要であれば、次の三角関数の和と積の関係式を用いてよい。

(1) 定積分 を含まない の式で表せ。

(2) において、関数 で最小値 をとるとする。このとき、 の式で表し、 を含まない の式で表せ。

(3) (2) の について、曲線 と3つの直線 で囲まれた2つの部分を とする。 をそれぞれ直線 の周りに1回転させてできる立体の体積を とするとき、 を含まない の式で表せ。

【解答】

(1)  (2)  (3)
(一般的な解答例と全項一致)

〔Ⅲ〕(1) 定積分

【問題(再掲)】

の式で表せ。

【型】2乗は半角公式で1次に落とす(

【なぜこうするか】
2乗のままでは積分できないので半角公式で次数を下げるのが第一手です。

定数部分が にまとまるのが気持ちいいところ。この形は (2)(3) でもそのまま使います。
積分すると

上端では 。下端では 。よって

最後に に翻訳します。 なので 、したがって 符号が正と確定するのがこの条件の役割)。

解答。半角公式より 。よって

より だから

検算(数式処理)。 を数式処理で計算すると で、 との差は恒等的に ✓。
妥当性: なら で積分は 。式でも ✓。 なら ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】三角関数の2乗は半角公式で1次に(中身の係数で割る)。 の符号は の範囲で確定させること——これが「」という条件の存在理由です。

【よくあるミス】 の半角で 中身を2倍し忘れること(正しくは )。また の符号確認を省略すること。

〔Ⅲ〕(2) 最小値をとる と最小値

【問題(再掲)】

が最小となる で、最小値 で表せ。

【型】微分して和を積に直す()→ 因数分解された形で符号を読む

【なぜこうするか】
微分すると

このままでは符号が読めません。そこで問題文が与えてくれた和積の公式を使います。 とすれば なので

よって

積の形になれば符号が一目 より なので、符号は で決まります。
では で、。この範囲で となるのは のみ は範囲外)。よって

前後で が正から負に変わるので は負から正——たしかに極小(最小)
最小値は (1) で作った形に を代入。 なので

解答。 より符号は と一致する。
では なので となるのは のみ。よって

は負から正に変わり最小。 に代入して

検算(数式処理と数値)。 を数式処理で計算し との差が恒等的に であることを確認 ✓。 ✓、 ✓。
数値でも のとき の最小値は ✓、最小点は ✓。 でも一致 ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】 は和積公式で「積」に直すと符号が読める。問題文が公式を与えてくれているのは「これを使え」という指示 の取り方は が目的の形になるよう逆算します。

【よくあるミス】 の解を の両方採用すること。 なので後者は範囲外です。また のまま残して「 の式で」の指定に反すること。

〔Ⅲ〕(3) 回転体の体積

【問題(再掲)】

を直線 の周りに回転させた体積 について で表せ。

【型】 回転なので半径は と1本にまとめる

【なぜこうするか】
は最小値なので がつねに成立、つまり曲線は直線 の上側にあります。)と )は で分かれているだけなので、体積の和は から までの1つの積分にまとめられます。

次に を簡単にします。ここでもう1つの和積公式が効きます。 として

よって

が丸ごとくくり出せる——だから問題文が で割った形を聞いているのです。

展開して を半角で落とすと

原始関数は 。上端 では 、下端 では なので の項が打ち消え

解答。 は最小値なので 。よって

和積公式より なので

したがって より

検算(200万分割の数値積分)。 について を200万分割で数値計算すると

数値
0.30.4455220.445522
0.70.8265100.826510
1.21.6314791.631479

6桁一致 ✓。数式処理でも差が恒等的に ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】直線 回転の半径は が最小値なら符号を気にせず でよい。2つの部分に分かれていても回転軸が同じなら積分区間をつないで1本にできます。和積公式で を丸ごとくくり出すのがこの問題の設計。

【よくあるミス】 を別々に計算して の代入で沈むこと(足すなら1本の積分)。また の展開で の項を落とすミス。

〔Ⅳ〕【記述式】 とガウス積分(エルミート多項式の入口)

分野:微分積分(数学III)/極限 難易度:最難 目標時間:40分

【問題】

を正の実数とし、 以上の整数とする。関数

で定める。次の問いに答えよ。ただし、 であることを証明なしに用いてよい。

(1) を自然数とする。実数 の関数 に対して、 を計算せよ。

(2) を自然数とする。実数 に対して、不等式 が成り立つことを示せ。

(3) とし、 として、合成関数 を考える。 を求めよ。また、 のとき、 次式であることを示し、 における の項の係数を求めよ。

(4) とする。 の値を求めよ。

(5) (4) の について、 の式で表せ。

【解答】

(1)  (2) 下記の通り( の単調減少から従う) (3) の係数は  (4)  (5)
(一般的な解答例と全項一致)

〔Ⅳ〕(1)  の計算

【問題(再掲)】

を計算せよ。

【型】積の微分。 の微分は「添字がずれる」ので、2つの和の差を取ると端だけ残る

【なぜこうするか】
と書けば の項が )。積の微分で

ここで は添字が1つずれた和になるのが要点です。

つまり 最後の項 だけが欠けた和。したがって

ほとんどが打ち消えて末項だけ残る——これが (2) の不等式を生む仕掛けです。

解答。 とおくと

したがって

検算(数式処理)。 について を具体的に書いて微分すると

となり、いずれも 厳密に一致 ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】 を含む関数の微分は「添字のずれ」で処理 のテイラー多項式 という美しい関係をもちます。この とその近似の差」を測る道具です。

【よくあるミス】 として符号を落とすこと。また の約分()でつまずくこと。

〔Ⅳ〕(2) 不等式 の証明

【問題(再掲)】

実数 に対して が成り立つことを示せ。

【型】(1) から が単調減少 → 。最後に と置き換える

【なぜこうするか】
(1) より では なので は単調減少 だから

左辺の和には の項 (正)が入っているので、 では

つまり で成立(不等号が真に強くなるのは を落としたから)。
最後の一手は に置き換えること。実数 に対して なので上の不等式が使えて

でしか言えない不等式を、変数を2乗に置き換えて全実数に拡張する」——このアイデアが (5) で「多項式×」を保証するために使われます。

解答。(1) より では なので で単調減少。 だから 、すなわち

左辺は の項 を含み、 では各項が 以上だから

よって 。実数 に対して なので、この不等式に を代入して

(証明終)

検算(数値)。 を試すと

常に成立し、しかも差が急激に開く ✓(指数が多項式を圧倒する)。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】不等式の証明は「差を関数と見て単調性」が王道。ここでは(1) の微分結果が符号一定なので単調性が即座に出ます。 の不等式を で全実数に広げるのは頻出テクニック。この不等式の意味は は任意の多項式より速く0に減る」ということで、後半の極限計算の土台になります。

【よくあるミス】 を全実数で主張すること( では の符号が の偶奇で変わるので に限る)。また「」を「」で終えてしまうこと—— を落とす段階で真に小さくなると明記しましょう。

〔Ⅳ〕(3)  次式であることと の係数

【問題(再掲)】

)について を求め、 次式であることを示し、 の係数を求めよ。

【型】 と置くと となり、すべてが の世界のガウス関数の微分になる

【なぜこうするか】
この問題の全体を貫く魔法の置き換えがここです。 なら なので

」がただの「」に化ける——だから漸化式 は、 と書けば

そして出発点は

がガウス関数 になる——ここが問題の心臓部です。また なので

具体的に を計算すると

漸化式を作ります。 を微分して と比べると

これで数学的帰納法が回ります。 次で の係数を とすると、 次、 次で最高次係数 。よって 次で より

解答。 とすると より 。また

だから で、。よって

また を微分して だから

帰納法 のとき は0次で の係数は 次で の係数が と仮定すると、 の右辺は「 次式」+「 次式(最高次係数 )」だから 次で の係数は
よってすべての 次式であり、 の係数は

検算(数式処理で を直接計算)。 から を実際に計算し、 を代入すると

となり、最高次の係数は すなわち ✓、次数も 次 ✓。一般的な解答例と一致 ✓。
(参考:これらはエルミート多項式 を用いて と書ける有名な多項式列です。)

【定石】 という演算子は になる(対数微分の言い換え)。 も覚えておく価値があります。次数と最高次係数だけを追う帰納法は、多項式列の問題の標準手法です。

【よくあるミス】 としてしまうこと(指数は )。また の次数を と誤って最高次の判定を間違えるミス(微分で次数は1下がる)。

〔Ⅳ〕(4) 

【問題(再掲)】

について を求めよ。

【型】 で置換すると被積分関数が 、区間が になる

【なぜこうするか】
(3) の置換をそのまま積分に持ち込みます。 なら で、区間は

つまり から まで——「 から 」という一見不思議な区間は、 の世界で対称な区間にするためだったのです。
被積分関数は なので

がきれいに約分されて、残るのは「多項式の2乗 × ガウス関数」。したがって

あとは与えられた (偶関数なので全区間で )を使うだけ。

なので 部分積分

境界項は(2) の不等式から なので消え、。よって

解答。 とおくと に対応し

よって より

より 。部分積分と (2) による境界項の消滅から なので

検算(数式処理)。 から被積分関数を作り に置換すると、それぞれ になることを確認 ✓。全区間で積分すると ✓。一般的な解答例と一致 ✓。
参考に も同じ手順で計算すると被積分関数は で、積分値は ✓——(5) の と一致します。

【定石】 から 」という区間は から の対称区間になるという合図。 は部分積分で に帰着します(一般に も同様)。

【よくあるミス】置換で を忘れること(これがあるおかげで が消える)。また としてしまうミス——与えられているのは から の値なので2倍します。

〔Ⅳ〕(5)  の式で表す

【問題(再掲)】

の式で表せ。

【型】 を示し、部分積分で の漸化式を作る

【なぜこうするか】
まずもう1本の関係式を用意します。(3) の から

が成り立ちます(帰納法 ✓。 を仮定して を微分すると
✓)。
次に 部分積分します。 と見て(

境界項は (多項式 × ガウス関数)なので、(2) の不等式から 。よって を使って

これで漸化式 が得られました。あとは繰り返すだけ。

解答。まず から帰納法で

を得る(。仮定 の下で を微分し、再び を使うと )。
をみたすから、部分積分により

(2) の不等式より「多項式 」は に収束するので境界項は 。よって

だから

検算( を数式処理で直接計算)。被積分関数を実際に作って全区間で積分すると

被積分関数( で)(実測)
0
1
2
3

すべて一致 ✓。漸化式 と成立 ✓。一般的な解答例と一致 ✓。
(この エルミート多項式の直交関係として知られる公式で、量子力学の調和振動子にも現れます。高校範囲の道具だけでここに到達させる、非常に野心的な出題です。)

【定石】定積分の列は「部分積分で を結ぶ」のが定番。境界項の消滅には(2) のような「指数が多項式を圧倒する」不等式が必要——だから (2) が前に置かれています。誘導の各設問が最後の1問のために配置されていることを読み取れると、こういう大問は一気に見通せます。

【よくあるミス】部分積分の境界項を「明らかに0」と書いて済ませること((2) を根拠として引用すべきです)。また を証明せずに使うミス。 となることの確認も忘れずに。

この冊子で身につけたい「型」一覧
  • 原因が複数ある事象は分割して足す/条件付き確率は「同時確率 ÷ 条件の確率」
  • 「戻さない」試行は1回目の結果で状態が変わるので表を作る
  • 「どちらが先に 回起こるか」は負の二項分布(最後の1回を固定)
  • なら垂線の足は AB の中点(数値が汚い問題は構造を疑う)
  • 2球面が1点を共有=外接または内接/球と平面の交円は
  • 3項間漸化式は「うまい1次結合」で2項間に落とす/比が で変わる漸化式は階乗が出る
  • 漸化式が階差の形なら符号だけで増減が決まる(階差が0なら最大の番号が2つ)
  • 三角関数の2乗は半角、 は和積で「積」に
  • になる
  • 定積分の列は部分積分で漸化式を作る/境界項の消滅には不等式による評価を引用

この解説を書いている講師に、直接習うことができます。

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※ 問題文は同志社大学が公表した2025年度入学試験問題を、解説のために引用したものです。解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したものです。当解説の答え(全19問)はすべて一般的な解答例と突き合わせて一致を確認しています。加えて、〔Ⅲ〕は900万点の格子による面積の実測でも独立に検算しました。

2025年度 同志社大学 数学(この冊子)の傾向
  • 大問3題。〔Ⅰ〕が空所補充(10か所)、〔Ⅱ〕〔Ⅲ〕が記述式。全体で19の設問があります。
  • 分野は整数の組の数え上げ・多項式の除法と余りの周期性・平均と分散の合成/円と内接正三角形の入れ子/絶対値を含む不等式の領域と面積
  • 〔Ⅰ〕(2) の後半が良問。 で割った余りは「 に置き換える」だけ(合同式の考え方)なので、 なら ——符号だけが違うという対比が仕込まれています。
  • 〔Ⅰ〕(3) の分散の合成は「偏差平方和を全体平均のまわりに付け替える」のが核心。 という分解を知っていると一撃です。
  • 〔Ⅱ〕は正三角形の内接円の中心が外接円の中心と一致する(重心=内心=外心)ことから、中心が原点に固定されたまま半径が半分になる入れ子。面積を2通りに表して内接円の半径を出すのが一般的な解答例のルートです。
  • 〔Ⅲ〕が最大の山場。絶対値を場合分けすると2つの円板(中心 、半径 )を、中心を結ぶ線分の垂直二等分線で切り分けて張り合わせた領域になります。したがって2円板が重ならなければ面積は で最大——この図形的な読みが決定的です。

〔Ⅰ〕整数の組・多項式の除法・平均と分散の合成

分野:場合の数/式と証明/データの分析 難易度:標準〜やや難 目標時間:25分

【問題】

次の[ ]に適する数または式を答えよ。

(1) は1以上5以下の整数とする。、かつ を満たす の組は[ア]通りである。また、 を満たす の組は[イ]通りある。

(2) で割ったとき、商は[ウ]、余りは[エ]である。 で割ったとき、商は[オ]、余りは[カ]である。 を3以上の自然数とする。 で割った余りは[キ]である。また、 で割った余りは[ク]である。

(3) 10人からなるクラス A のテストの得点の平均値は50であり、15人からなるクラス B のテストの得点の平均値は70であった。このとき、2つのクラス A、B を合わせた25人のテストの得点の平均値は[ケ]である。 を正の数とする。クラス A、B のテストの得点の分散がそれぞれ であるとする。このとき、2つのクラス A、B を合わせた25人の得点の分散は、 を用いて表すと[コ]である。

【解答】

ア: イ: ウ: エ: オ: カ: キ: ク: ケ: コ:
(一般的な解答例と全項一致)

〔Ⅰ〕(1)アイ 整数の組の個数

【問題(再掲)】

の整数で、 かつ の組の個数[ア]と、 の組の個数[イ]を求めよ。

【型】狭義単調()は組合せ 、広義単調()は重複組合せ

【なぜこうするか】
[ア] は固定なので、実質は「」となる の個数。 から2個を選べば、小さい方が 、大きい方が と自動的に決まるので

で並べる」=「選ぶだけ(並べ方は1通り)」という対応が組合せの本質です。
[イ]:今度は等号を許すので同じ数を何度使ってもよい——これが重複組合せ から重複を許して3個選び、小さい順に と並べればよいので

(仕切り法:〇3個と仕切り4本の並べ方 。)

解答。[ア]: は固定で、 となる から2個選べば定まるので

通り。

[イ]: から重複を許して3個選ぶことに対応するので

通り。

検算(全列挙)。[ア]は 6通り ✓。
[イ]は 通りの を全部調べて を数えると35通り ✓。別の数え方でも確認できます:、ちょうど2つが等しいのが 、3つとも等しいのが で、 ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】 で並ぶ組は で並ぶ組は 。後者は「重複組合せ」で、仕切り法(〇と|の並べ方)で導けます。等号の有無で公式が変わるので、不等号を最初に確認すること。

【よくあるミス】[イ]を (等号を許さない)や (順序を区別)としてしまうこと。また重複組合せを を忘れるミス。

〔Ⅰ〕(2)ウエ 

【問題(再掲)】

で割ったときの商[ウ]と余り[エ]を求めよ。

【型】 と見れば 。因数分解 を使う

【なぜこうするか】
なので とおけば で割る話。 という差の平方を使えば

よって 。商は 、余りは
余りの次数は割る式より低い(1次以下)必要があり、 は0次なのでOK ✓。

解答。

よって [ウ]、[エ]

検算。右辺を展開すると ✓。一般的な解答例と一致 ✓。
(別の見方: すなわち を代入すると ——剰余の定理の一般化で余りが と即座に分かります。これがキへの布石です。)

【定石】 だけで書ける式は と置いて1次式で割る問題に落とす で商と余りが一発。余りは「割る式 を代入した値」と一致します。

【よくあるミス】余りを と符号を誤ること。 なので 。また商を と割る式と混同するミス。

〔Ⅰ〕(2)オカ 

【問題(再掲)】

で割ったときの商[オ]と余り[カ]を求めよ。

【型】 として (3乗の和)

【なぜこうするか】
とおくと で割る話。3乗の和の因数分解

を使えば に戻して

商は 、余りは 余りが負になるのもあり得ます(余りの条件は「次数が低い」ことだけ)。
簡単な確認: を代入すると ✓——これがクへの布石です。

解答。3乗の和の因数分解 を代入して

よって [オ]、[カ]

検算。展開すると なので、 を足して ✓。
の代入でも余りが ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】 を使えば の商と余りが暗算で出る。余りは「割る式 」を代入した値——これが最速の検算です。

【よくあるミス】3乗の和の因数分解を 中央項の符号を誤ること(正しくは )。また余りを と符号を落とすミス。

〔Ⅰ〕(2)キク  の余り(

【問題(再掲)】

の自然数について、 で割った余り[キ]と、 で割った余り[ク]を求めよ。

【型】 で割った余り」は「 に置き換える」(多項式の合同式)

【なぜこうするか】
ウエ・オカで見た「割る式 を代入する」を一般化します。多項式の世界でも合同式が使えて

したがって

どちらも定数(0次)なので、そのまま余りです(余りの次数は1以下でよい)。
2つの答えの違いは符号だけ—— の側は が偶数なら正、奇数なら負になります。この対比が出題の狙いです。

解答。 を法として だから

は定数なので [キ]。同様に を法として だから

よって [ク]

検算。ウエ・オカと整合するか確認します。 なら で割った余りは ✓(エと一致)。 なら で割った余りは ✓(カと一致)。
さらに を数式処理で確認: で割った余りは ✓、 で割った余りは ✓(偶数乗なので正)。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】多項式の割り算も合同式で扱える で割った余りは、 として を簡約したもの。 で割るなら に置き換えるだけ。実際に割り算を筆算する必要はありません。

【よくあるミス】[ク]を としてしまうこと( なので )。また と書くミス—— が偶数なら正なので括弧が必須です。

〔Ⅰ〕(3)ケ 合わせた25人の平均

【問題(再掲)】

10人平均50のクラス A と15人平均70のクラス B を合わせた25人の平均値[ケ]を求めよ。

【型】平均の合成は「(合計の和)÷(人数の和)」=人数を重みにした加重平均

【なぜこうするか】
平均は「合計÷人数」なので、まず合計に戻すのが基本。

合わせて 点を25人で割って

なお単純平均 ではないのがポイント。人数の多い B(70点)に引っ張られて になります。加重平均は「人数比 で内分」と見ても …ではなく ✓。

解答。

[ケ]

検算。加重平均として ✓。
妥当性: で、人数の多い B 側に寄っている ✓(B が15人と多いため より大きい)。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】平均の合成は必ず「合計に戻して足し、総人数で割る」。人数が違うときに単純平均をとってはいけません。加重平均は人数比での内分点

【よくあるミス】 と答えること。人数が で異なるので加重が必要です。

〔Ⅰ〕(3)コ 合わせた25人の分散

【問題(再掲)】

クラス A の分散を 、B の分散を とするとき、合わせた25人の分散を で表せ[コ]。

【型】偏差平方和の付け替え:

【なぜこうするか】
分散は「偏差平方和 ÷ 個数」。全体の分散を出すには全体平均 のまわりの偏差平方和が必要ですが、与えられているのは各クラスの平均のまわりの平方和です。そこで「付け替え」の公式を使います。
クラス A(、平均 )について、各点 からの偏差を分解すると

2乗して和をとると、交差項 なので消える(これが平均の定義そのもの)。よって

クラス B(、平均 )も同様に

合計して25で割ると

の係数は人数比 、定数 は「平均のばらつき」の寄与——分散が「クラス内のばらつき」+「クラス間のばらつき」に分かれるという、統計学の基本構造そのものです。

解答。全体平均は 。クラス A の各得点について だから、 より

同様にクラス B は より

よって25人の分散は

検算(具体例で確認)。A を「全員50点」()、B を「全員70点」()とすると、25人のデータは50が10個・70が15個。分散を直接計算すると

公式でも ✓。
もう1例:A を「40が5人・60が5人」(平均50、)、B を「60・70・80が各5人」(平均70、)とすると、公式は 。25人の分散を直接計算してもちょうど ✓。
さらに平均50・平均70になる乱数データを2000組作って公式と実測を比べたところ、すべて一致しました ✓。一般的な解答例 と一致 ✓。

【定石】分散の合成は「群内分散の加重平均 + 群平均の分散」(分散分解)。計算の要は により交差項が消えること。定数項(群間のばらつき)を忘れると必ず間違えます

【よくあるミス】分散を平均と同じように と加重平均するだけで済ませること。2つのクラスの平均が違う(50と70)ので、その差による が必ず加わります。また の符号を気にして混乱すること——2乗するので符号は無関係です。

〔Ⅱ〕【記述式】円と内接正三角形の入れ子

分野:図形と計量/数列 難易度:標準 目標時間:25分

【問題】

以上の整数とする。O を原点とする 平面において、 は原点 O を中心とする半径1の円であり、 である。また、点 、点 は円 上の点で、 は正三角形で、点 座標の値は、点 座標の値より大きいとする。円 、および円 に内接する正三角形 をそれぞれ次の条件により定める。

(i) 辺 は、 軸に平行である。
(ii) 点 座標の値は、点 座標の値より大きい。また、点 座標の値は、点 座標の値より大きい。
(iii) が1以上の整数のとき、正三角形 の内接円は、円 である。

このとき、次の問いに答えよ。

(1) の長さと の座標をそれぞれ求めよ。

(2) の中心の座標と半径をそれぞれ求めよ。

(3) の半径を とする。 を用いて表せ。

(4) の中心の座標と半径をそれぞれ を用いて表せ。

【解答】

(1)  (2) 中心 、半径  (3)  (4) 中心 、半径
(一般的な解答例と全項一致)

〔Ⅱ〕(1)  の長さと の座標

【問題(再掲)】

半径1の円に内接する正三角形 座標が より大)について、 の長さと の座標を求めよ。

【型】外接円の半径 と対角から正弦定理 。座標は対称性から

【なぜこうするか】
の対角は (正三角形)、外接円の半径は なので正弦定理から

半径 の円に内接する正三角形の1辺は と覚えてもよい。)
座標は対称性で決めます。 軸上()にあるので、正三角形は 軸について対称。よって 軸に関して線対称で、 から 座標は の方が大きいので正)。
は単位円上なので 座標は 。条件 (ii) より 座標 より大きい= は下側なので

解答。 の外接円は (半径1)で だから、正弦定理より

より正三角形は 軸対称なので 軸に関して対称。 座標は で、 上かつ条件 (ii) より 座標は 。よって

検算。 が単位円上: ✓。 として ✓、 ✓ で3辺すべて ——正三角形が確認できました ✓。
上にあり 軸に平行 ✓(条件 (i))。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】半径 の円に内接する正三角形の1辺は (正弦定理 )。頂点が座標軸上にあるときは対称性で残りの頂点の座標が決まる。円上の条件で 座標の絶対値が出たら、問題の条件で符号を決める

【よくあるミス】1辺を (直径)としてしまうこと。また 座標を とするミス——条件 (ii) の「 座標 座標」から下側と決まります。

〔Ⅱ〕(2) 円 の中心と半径

【問題(再掲)】

の内接円)の中心の座標と半径を求めよ。

【型】正三角形では内心=外心=重心。半径は「面積を2通りに表す」(「 は周の長さ)」)

【なぜこうするか】
中心:正三角形は内心・外心・重心・垂心がすべて一致します。外心は の中心である原点 O なので、内心も O。したがって の中心は
半径:三角形の面積 、内接円の半径 、周の長さ の関係 を使うのが一般的な解答例のルートです。1辺 の正三角形なので

整理すると 、すなわち
正三角形では内接円の半径は外接円の半径の半分——重心が中線を に分けることから直ちに分かります。この見方なら が暗算です。)

解答。正三角形では内心と外心が一致するので、 の中心は の外心すなわち
半径を とし、 の面積を2通りに表すと(1辺

検算。内接円は辺 (直線 )に接するので、中心 O からの距離は ——これが半径 ✓ 一致。
また正三角形の面積は 、周は なので ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】正三角形は内心=外心=重心=垂心。したがって内接円の半径は外接円の半径の 。一般の三角形なら は周)で内接円の半径が出ます。「辺への距離=半径」でも検算できます。

【よくあるミス】内心と重心が一致することを一般の三角形でも成り立つと思うこと(正三角形(や二等辺の一部)だけ)。また を落とすミス。

〔Ⅱ〕(3)  で表す

【問題(再掲)】

の半径を とするとき、 で表せ。

【型】(1)(2) の議論を 番目にそのまま適用(相似な操作の繰り返し)

【なぜこうするか】
外接円 は同じ三角形の内接円です。だから (1)(2) でやったことを一般の に書き換えるだけ。
1辺を とすると正弦定理より

内接円の半径は面積を2通りに表して

これに を代入して

比が に依らない定数 ——「同じ操作の繰り返し」が等比数列を生む、という構造そのものです。

解答。 の1辺を とすると、 はその外接円だから正弦定理より
また はその内接円だから、面積を2通りに表して

したがって

検算。 なら ✓((2) と一致)。
別ルート:正三角形の内接円と外接円の半径比は (重心が中線を に分ける)なので ✓ 一致。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】同じ操作の繰り返しは「 番目と 番目の関係」を1回だけ作れば終わり。正三角形なら内接円:外接円 を覚えていれば即答。一般の三角形でも の2本で結べます。

【よくあるミス】 のように を落とすこと。また を「1辺の 倍」で止めて に直さないミス。

〔Ⅱ〕(4)  の中心と半径を で表す

【問題(再掲)】

の中心の座標と半径を で表せ。

【型】中心は帰納法で「ずっと原点」を示す。半径は等比数列の一般項

【なぜこうするか】
中心:ここは帰納法で丁寧に示すのが記述式の作法です。
の中心が O だと仮定すると、O は の外心。正三角形なので外心=内心だから O は内心でもあり、その内接円 の中心も O。
出発点は (2) で示した「 の中心は O」( の中心も O)。よってすべての で中心は原点に固定されます。
(直感的には、正三角形の向きが (i)(ii) の条件で毎回同じ「頂点が上」の向きに保たれるため、中心がずれる余地がないのです。)
半径:(3) より公比 の等比数列で だから

解答。中心:数学的帰納法で「 の中心は 」を示す。
では の中心は O(仮定)、 では (2) より O。
の中心が O とすると、O は の外心であり、正三角形なので内心とも一致する。 はこの三角形の内接円だから、その中心は内心 O。
よってすべての の中心は
半径:(3) より は公比 の等比数列で だから

検算。 ✓、 ✓((2) と一致)。
を具体的に追うと: は中心 O・半径 で、その内接正三角形は 。その内接円は中心 O・半径 ✓(辺 までの距離が )。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】「中心が動かない」ことは自明に見えても帰納法で書くのが記述式の作法。根拠は正三角形の内心=外心。半径は公比一定の等比数列なので 添字の起点( か)を必ず確認すること。

【よくあるミス】半径を とすること( から始まるので指数は )。また中心が原点であることを無証明で使うミス。

〔Ⅲ〕【記述式】絶対値を含む不等式の領域と、面積の最大最小

分野:図形と方程式/領域 難易度:難 目標時間:35分

【問題】

を正の実数とし、 平面において、不等式

の表す領域 の面積を とする。このとき、次の問いに答えよ。

(1) 不等式 の表す領域を 平面に図示せよ。

(2) 不等式 の表す領域を 平面に図示せよ。

(3) のとき、領域 平面に図示せよ。

(4) の最大値を求め、 が最大となる の値の範囲を求めよ。

(5) が最小となる の値を求めよ。

【解答】

(1) 2直線 で分けられた4つの領域のうち、 軸と負の 軸を含む側(境界を含む) (2) 円 の内部と周 (3) 円 の部分と、円 の部分を合わせた領域 (4) 最大値 または  (5)
(一般的な解答例と全項一致)

〔Ⅲ〕(1)  の領域

【問題(再掲)】

不等式 の表す領域を図示せよ。

【型】絶対値は で場合分けして直線の不等式に

【なぜこうするか】
の符号で表現が変わるので素直に場合分けします。

  • のとき なので (直線 上側
  • のとき なので 、すなわち (直線 下側

この2つを合わせると、2直線 で平面を4分割したうちの「左向きの扇形」—— 軸と負の 軸を含む側になります。
覚え方: は「 の絶対値以下」=原点から見て左側の楔(くさび)。境界(2直線)は等号なので含みます。
(検算: で成立 ✓、 で不成立 ✓、 で成立 ✓。)

解答。 のとき のとき 。よって求める領域は2直線 で分けられた4つの部分のうち、 軸の正の部分・負の部分および負の 軸を含む側(境界の2直線を含む)。図では かつ の和集合として、原点を頂点に左へ開いた領域を斜線で示します。

検算。代表点で確認: ✓ 含む。 ✗ 含まない。 ✓。 ✓(境界上)。 ✗。
境界が の2直線であることも確認できます ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】絶対値を含む領域は中身の符号で場合分けし、それぞれの領域の「和集合」を取る のように片方の文字だけの絶対値なら 軸で場合分け代表点の代入で図の向きを必ず確認しましょう。

【よくあるミス】場合分けした2つを「共通部分」としてしまうこと(和集合です)。また の場合に 不等号の向きを誤るミス(両辺に を掛けると向きが変わる)。

〔Ⅲ〕(2)  の領域

【問題(再掲)】

不等式 の表す領域を図示せよ。

【型】2次の項を左辺に集めて平方完成 → 円の内部

【なぜこうするか】
移項して平方完成します。

よって

中心 、半径 の円の内部と周
この が (3)(4)(5) でずっと主役になります。 軸との交点は 軸との交点は なので、原点は円の内部)——これも後で効きます。

解答。平方完成して

よって求める領域は中心 、半径 の円の内部および周

検算。展開して戻すと 、すなわち ✓。
原点 ✓ 含む。円の中心からの距離 ✓ 整合。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】 型は平方完成して円に。半径は 原点が内部かどうかを確認しておくと、後で領域を貼り合わせるときの見当がつきます。

【よくあるミス】平方完成で足した分を引き忘れること( の処理)。また半径を としてしまうミス()。

〔Ⅲ〕(3)  のときの領域

【問題(再掲)】

のとき、 の表す領域 を図示せよ。

【型】絶対値の中身の符号で場合分け → 2つの円の内部を、境界線で切り分けて貼り合わせる

【なぜこうするか】
を代入すると なので、不等式は

絶対値の中身 の符号で場合分けします。

  • のとき、すなわち(2) の円
  • のとき、すなわち 原点対称に移した円

(2) がそのまま前半の答えになる——だから (2) が先に置かれているのです。
ここで重要な観察:直線 は2つの円の中心 を結ぶ線分の垂直二等分線です(原点を通り、方向ベクトル に垂直)。つまり

(円1のうち中心1側)(円2のうち中心2側)

という「それぞれの円を、自分の中心がある側だけ残して貼り合わせた」形。中心間距離は で直径 より小さいので2円は重なっており、重なった部分が半分ずつ削られた「ひょうたん型」になります。

解答。 のとき不等式は

  • のとき
  • のとき

したがって は、 の内部で の部分と、 の内部で の部分を合わせた領域(境界を含む)。図では、直線 を挟んで右上に中心 の円の大部分、左下に中心 の円の大部分が並ぶ、原点対称な形になります。

検算(代表点)。(円1の中心): ✓ 含む。
✓ 含む。
原点: ✓ 含む。
なので ✗ 含まない ✓(円1の中心から距離 なので円1の外)。
原点対称性も確認: が条件をみたせば もみたす(すべての項が偶数次または絶対値)✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】 を含む不等式は符号で場合分けし、2つの図形の和集合として描く境界線 が2つの中心を結ぶ線分の垂直二等分線になっていることに気づくと、図の意味(それぞれの円の「自分の側」だけ残す)が一目で分かります。

【よくあるミス】場合分けの条件( の符号)を忘れて2つの円の内部の和集合そのままとしてしまうこと。それでは重なり部分を二重に含んでしまい、面積が過大になります。

〔Ⅲ〕(4)  の最大値と、そのときの の範囲

【問題(再掲)】

の最大値を求め、 が最大となる の値の範囲を求めよ。

【型】一般の でも2円(半径 )の貼り合わせ。2円が重ならなければ「2枚の円板まるごと」で面積最大

【なぜこうするか】
一般の でも (3) と同じ構造です。 なので、 とおけば不等式は

場合分けして

  • 中心 、半径
  • 中心

半径は に依らず always ——動くのは中心の位置だけ。そして直線 は2つの中心を結ぶ線分の垂直二等分線。
したがって2つの円板が交わらなければ、それぞれ「自分の側」に丸ごと収まるので

が最大。逆に交わると重なり部分が半分ずつ削られて面積は減ります
「交わらない(または外接する)」条件は中心間距離 直径。中心間距離は

両辺を2で割って2乗すると を掛けて

よって または 、すなわち より

解答。 とおくと

を合わせた領域。直線 は2つの中心 を結ぶ線分の垂直二等分線だから、2つの円板が共有点をもたない(または外接する)とき はそれぞれ円板全体となり、面積は最大の

となる。その条件は中心間距離が直径 以上、すなわち

より求める範囲は

(最大値は 。)

検算(900万点の格子による実測)。 の格子(計900万点)で の面積を数値計算しました。境界値は

面積(実測)
0.537.00125.58
20.00125.58
1.013.00119.34
12.00117.80
2.018.25124.87
20.00125.58
3.037.00125.58

の範囲()では実測がほぼ (格子の刻み幅による の誤差)✓、その間では明確に小さくなっています ✓。一般的な解答例と一致 ✓。

【定石】絶対値つき不等式は「2つの図形をそれぞれの側で切って貼る」。切る直線が2つの中心の垂直二等分線なら、「2図形が交わらないとき丸ごと2枚分」が面積の最大。 のように の2次式に帰着させるのが計算の要です。

【よくあるミス】「面積最大は円が一致するとき」と誤解すること(重なると削られるので逆)。また を解くとき と置かずに直接扱って場合分けを誤るミス。境界(等号、=外接)を範囲に含めることも忘れずに。

〔Ⅲ〕(5)  が最小となる

【問題(再掲)】

が最小となる の値を求めよ。

【型】削られる量は「中心間距離が小さいほど大きい」→ 中心間距離を最小化(相加平均・相乗平均)

【なぜこうするか】
(4) の構造から、2つの円板が重なるほど削られる量が増え、面積は小さくなる。重なりが最大になるのは中心間距離が最小のとき。中心間距離は

なので、 を最小にすればよい。正の数の和なので相加平均・相乗平均が使えます。

等号は 、すなわち のとき。 より

の相加相乗で が消えるのが気持ちよいところ。なお なのでこのときたしかに2円は重なっており()、最小値を与えます。

解答。 が最小になるのは2つの円板の重なりが最大、すなわち中心間距離 が最小のとき。 だから相加平均・相乗平均の関係より

等号成立は 、すなわち より

検算(900万点の格子)。 を細かく変えて面積を実測すると、最小値 をとり、その前後()はいずれも大きくなります ✓—— で同じ値になるのは が両方 だからで、この関数が について「対称」な形をしていることの現れです ✓。
理論値も確認: として、削られる部分(2つの弓形)を差し引くと

実測 と一致(格子誤差 )✓。一般的な解答例 と一致 ✓。

【定石】 の最小は相加平均・相乗平均で (等号は )。面積の最大最小を「距離の最大最小」に翻訳できると、面倒な弓形の面積計算をせずに答えが出ます——これが本問の最大の教訓です。

【よくあるミス】弓形の面積を実際に計算して を式で表そうとすること( が出て高校範囲を超えます)。「最小になる 」だけを問われているので、単調性の議論で十分です。また相加相乗の等号成立条件を確認せずに答えるミス。

この冊子で身につけたい「型」一覧
  • で並ぶ組は で並ぶ組は重複組合せ
  • だけの式は と置いて1次式で割る問題に落とす
  • 多項式の余りは合同式で「割る式 を代入」 なら に)
  • 平均の合成は合計に戻して総人数で割る(加重平均)
  • 分散の合成=群内分散の加重平均 + 群平均のばらつき(定数項を忘れない)
  • 半径 の円に内接する正三角形の1辺は /内接円の半径は
  • 正三角形は内心=外心=重心/同じ操作の繰り返しは等比数列
  • 絶対値を含む領域は符号で場合分けして「和集合」
  • は平方完成して円
  • 面積の最大最小を「距離の最大最小」に翻訳する

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〔Ⅰ〕【空所補充】放物線の頂点の軌跡・共通接線/階乗を含む数列/さいころ4個と条件付き確率

分野:2次関数・微積分/数列/確率 難易度:標準〜やや難 目標時間:35分

【問題】

(1) を実数とする。座標平面において、放物線

の頂点の座標を を用いて表すと、([ア],[イ])である。 が実数全体を動くとき、頂点の軌跡を表す方程式は [ウ]である。 のときの放物線を のときの放物線を とおく。 に共に接する直線を とする。直線 の方程式は [エ]である。 で囲まれた部分の面積は[オ]である。

(2) を自然数とする。数列

とおく。 の値が整数となる の値の最大値は[カ]、 の値が最大となる の値は[キ]である。

(3) 4人がそれぞれ1つのさいころを投げたとき、4つの出た目の合計が奇数となる確率は[ク]であり、4つの出た目が2種類2つずつである確率は[ケ]である。
次に4人がそれぞれ1つのさいころをお互いに出た目がわからないように投げ、各自がそれぞれ確率 で出た目をそのまま申告し、確率 で出た目以外の5つの目のいずれかを等しい確率で申告する。このとき、4人全員が6の目を申告したときに、4つの出た目がすべて6の目である条件付き確率は[コ]である。

【解答】

 イ  ウ  エ  オ
 キ  ク  ケ  コ
(同志社大学はこの日程の解答を公表していないため、すべて数式処理システムでの再計算と全数列挙で二重検算しています)

〔Ⅰ〕(1) [ア][イ]放物線 の頂点の座標

【問題(再掲)】

を実数とする。放物線 の頂点の座標を を用いて表せ。

【型】平方完成。 の係数が のときは符号に注意して の形に

【なぜこうするか】
頂点を出すのは平方完成だけです。ここで大事なのは の部分は を含まない「ただの定数」だということ。 が4次で出てくると身構えてしまいますが、平方完成に関わるのは の項だけなので、 は最後にそのまま足せばよいのです。

かっこの中を平方完成すると なので、マイナスをかけると が出てくる——ここが符号のヤマです。

解答。平方完成すると

定数部分を整理すると

よって頂点の座標は

すなわち [ア]、[イ]

検算( で代入)。 のとき 。平方完成すると で頂点 。公式に を入れると ✓。
のとき 、平方完成して頂点 。公式では ✓。
さらに の頂点は 、公式では ✓。3つの で一致したので安心です。

【定石】文字定数を含む2次関数の頂点は「 を含む項だけ」で平方完成し、残りは定数としてまとめる の係数が負のときはくくり出したマイナスで符号が反転することを毎回声に出して確認する。検算は具体的な を2〜3個代入——これで符号ミスはほぼ潰せます。

【よくあるミス】 と、マイナスを付けたまま書いてしまうこと。もう一つは を平方完成に巻き込んでしまう( を変数と勘違いする)ミスです。

〔Ⅰ〕(1) [ウ]頂点の軌跡を表す方程式

【問題(再掲)】

が実数全体を動くとき、 の頂点の軌跡を表す方程式を の式)の形で求めよ。

【型】軌跡は「媒介変数の消去」。 の式)を の式)に解いて に代入

【なぜこうするか】
頂点は と、 を媒介変数として動く点です。軌跡を求めるとは を消して だけの関係式にすること。ここでは の1次式なので、逆に解ける——これが軌跡の問題で最も素直な形です。

代入するとき、展開済みの形ではなく元の形 で使うのがコツです。なぜなら 一瞬で置き換わるから。
また より です。
なお は実数全体を動き、 も実数全体を取るので除外点はありません

解答。頂点を とすると より 。また

であるから、 を代入して

展開すると

は実数全体を動くので も実数全体を動き、除外点はない。)

検算(3点通過の確認)。 の頂点 ✓。
の頂点 ✓。
の頂点 ✓。3点すべて通るので係数は正しい ✓。数式処理システムでも同一の4次式が得られました ✓。

【定石】軌跡は から を消去」 の1次式なら迷わず の式)に解く。代入前に「 の形が見えている部分」を探す(今回の )と計算量が激減します。最後に の動く範囲(除外点)を必ず一言添える。

【よくあるミス】 の範囲を考えずに答えて、実際は に制限がある問題で減点されること(今回は制限なしですが、「実数全体を動くので制限なし」と書くのが満点答案)。もう一つは の展開ミス—— の形で止めておくのが安全です。

〔Ⅰ〕(1) [エ] の共通接線

【問題(再掲)】

)と )に共に接する直線 の方程式を求めよ。

【型】共通接線は とおいて「判別式 」を2本連立

【なぜこうするか】
まず2つの放物線を書き出します。 の係数が同じ なので、この2つは合同な(平行移動で重なる)放物線です。合同な2つの放物線には必ず共通接線が1本だけあります。
求め方は「接する=連立して重解」。 とおくと、 と接する条件は 、すなわち

が重解をもつこと、すなわち

同様に と接する条件は
2式の右辺が同じ なので、引き算すれば が消えて ——ここが最短ルートです。 はありえないので 、よって

解答。。求める接線を とする。
と接する条件は が重解をもつことだから

と接する条件は同様に

①より 、すなわち 。①に代入して 。よって

検算(接点を出して微分係数と照合)。 との連立式は 重解 ✓。このとき の接線の傾きは より ✓ 一致。
との連立式は 重解 ✓。 の傾きは より ✓ 一致。
接点の 座標も確認: ✓。

【定石】共通接線は とおいて「判別式 」を2本立て、辺々引いて文字を1つ消す の係数が等しい2つの放物線(合同な放物線)の共通接線はちょうど1本。検算は接点を求めて微分係数と傾きを照合するのが確実です。

【よくあるミス】 から の方だけ見て「解なし」としてしまうこと。2乗が等しいときは の両方を考えます。また接線を ではなく「 の接線」として立ててから と接する条件を課しても解けますが、計算は上のやり方が速いです。

〔Ⅰ〕(1) [オ] で囲まれた部分の面積

【問題(再掲)】

で囲まれた部分の面積を求めよ。

【型】「放物線と接線」の差は完全平方 。2つの放物線の交点で積分区間を分ける

【なぜこうするか】
まず位置関係を掴みます。2つの放物線の交点は より (1点だけ、)。接点は 側が 側が
上に凸の放物線と接線では接線が上にあります。だから囲まれた部分は上が直線 、下が2つの放物線の「上側」 の符号から

  • では が上(こちらが下の境界)
  • では が上(こちらが下の境界)

つまり区間 を積分すればよい。
そしてここが一番おいしいところ:接線との差は必ず完全平方になります。

を使えば展開不要——接線がらみの面積は展開してはいけないのです。

解答。 の交点は より 。また の接点は )。上に凸だから が上側にあり、求める面積は

検算(別ルートと数値積分)。2つの積分はどちらも「完全平方を、その頂点から幅 だけ積分したもの」なので と即座に一致します ✓。左右で同じ値になるのは、合同な放物線で、接点が交点から左右に等距離 にあるからです。
数式処理システムで を計算しても ✓()。
オーダー確認:区間の幅は全体で 、高さは最大でも での値 程度なので、面積が というのは細長い曲線三角形として妥当 ✓。

【定石】放物線と接線の差は (係数) は接点の 座標)——覚えておくと展開せずに積分できます。共通接線と2放物線で囲む図形は2放物線の交点で左右に分割 は即答できるようにしておく。

【よくあるミス】上下の判定を間違えて で積分し、負の値を出してしまうこと(上に凸なら接線が上)。もう一つは区間を分けずに から まで片方の放物線で積分してしまうミスです。

〔Ⅰ〕(2) [カ] が整数となる の最大値

【問題(再掲)】

の値が整数となる自然数 の最大値を求めよ。

【型】分子は3次式、分母は階乗。「 が大きいと になる」ことを示して有限個に絞る

【なぜこうするか】
「整数となる の最大値」と聞かれたら、まず「大きい では絶対に整数にならない」理由を作ります。整数でない正の数のうち最も分かりやすいのは の間には整数がない)。
の3次式より圧倒的に速く増えるので、ある 以降は 。あとは小さい を順に調べるだけです。

となりました。あとは が続くことを確認します。比を見ると

なら なので、 以降は単調に減り続けて を超えない——つまり では整数になりえません。
残るのは ですが はともに整数でない。よって整数になる最大の

解答。 はいずれも整数。一方

は整数でない。さらに

であり、 のとき より だから、 では となり整数になりえない。
よって が整数となる の最大値は

[カ]

【よくあるミス】 が整数でないのを見て「 では整数でない」と理由なしに結論すること。記述式なら を示す一文が必要です。

検算( から まで全て計算)。 と、 以降は急激に へ近づきます ✓。整数は の3つだけ ✓。
なぜ までかは約分の構造でも見えます: のように では分母 が分子の3連続整数に必ず含まれる形で割り切れますが、 では分母 に対し分子 で割れず失敗します ✓。

【定石】「整数になる の最大値」は (式) を作って有限個に絞る。階乗を含む数列は隣接項の比 を計算するのが基本(階乗が一気に約分できる)。

〔Ⅰ〕(2) [キ] が最大となる

【問題(再掲)】

の値が最大となる自然数 を求めよ。

【型】積の形の数列の最大は「比 を下回る直前」

【なぜこうするか】
から までの積なので

というこの上なくきれいな関係が成り立ちます。すべての なので 。したがって

  • のとき 増える
  • のとき 減る

つまり「掛ける数が1を下回った瞬間から減り始める」。前問で と分かっているので、 と増え、 から減少に転じます。しかも では が続くのでその後ずっと減り続ける——最大は

解答。すべての だから であり

である。前問より はいずれも より大きく、、さらに では が続く。したがって

よって が最大となるのは

[キ]

検算( の値を実際に並べる)。

1234567
247201440012600035280024696035280

が最大 ✓。 ✓ と、比の関係も確かめられます。

【定石】積で定義された数列の最大・最小は「隣接項の比と の大小」。和で定義されていれば「差と の大小」。今回は の比がそのまま なので、前問の結果がそのまま使えるという親切な作りです。

【よくあるミス】 の最大()と の最大を混同すること。もう一つは を見て「 が答え」としてしまうミス—— を下回る項を掛ける前が最大です。

〔Ⅰ〕(3) [ク]4つの出た目の合計が奇数となる確率

【問題(再掲)】

4人がそれぞれ1つのさいころを投げたとき、4つの出た目の合計が奇数となる確率を求めよ。

【型】和の偶奇は「奇数が何個あるか」だけで決まる。さいころは奇・偶が なので確率 の二項分布

【なぜこうするか】
出た目そのものは から の6通りですが、合計の偶奇に効くのは「奇数か偶数か」だけ。しかもさいころには奇数()が3つ、偶数()が3つ——つまり1個のさいころが奇数になる確率はちょうど 。これは「表裏が等確率のコイン4枚」と全く同じ状況に化けます。
合計が奇数 奇数の目が奇数個(1個または3個)。よって

もっと速い見方:4人のうち3人の目を先に決めてしまうと、残り1人の目が奇数か偶数かで合計の偶奇が決まります。その1人は奇・偶が等確率なので、どんな場合でも合計が奇数になる確率は 。この「最後の1個で決まる」論法は10秒で答えが出るのでぜひ体に入れてください。

解答。1個のさいころの目が奇数である確率は 、偶数である確率も 。合計が奇数となるのは、奇数の目が出た人数が奇数(1人または3人)のときだから

よって [ク]

検算( 通りの全数列挙)。4つの目のすべての組( 通り)を数え上げると、合計が奇数になるのはちょうど 通り ✓。
別の確認: を偶数、 を奇数の印と見て を展開すると の奇数乗の係数の和は ✓。

【定石】和の偶奇の問題は各項を「奇・偶」の2値に潰す。さいころは奇偶が なので実質コイン。「最後の1個を残して考える」と個数に依らず が即座に言えます(人数が何人でも答えは )。

【よくあるミス】「合計が奇数」を「奇数の目が1個」だけと考えて としてしまうこと。3個のときも合計は奇数です。

〔Ⅰ〕(3) [ケ]4つの出た目が2種類2つずつである確率

【問題(再掲)】

4人がそれぞれ1つのさいころを投げたとき、4つの出た目が2種類2つずつである確率を求めよ。

【型】「どの目を使うか」「4人への並べ方」。同数の組は組合せ で重複を回避

【なぜこうするか】
「2種類2つずつ」とは、たとえば のような形( 型)です。数え方は2段階

  • 使う2つの目を選ぶ つとも同じ個数(2個ずつ)なので順番の区別は不要。よって 通り。
  • その2種類を4人に割り振る:同じものを含む順列で 通り。

ここで最大の落とし穴が「使う目の選び方を 通りとしてしまう」ミス。「3が2個・5が2個」と「5が2個・3が2個」は同じ事象なので、 では2重に数えています。「個数が等しいグループが2つあるときは (=組合せ)」が合言葉です。
分母は

解答。全事象は 通り。
出る2種類の目の選び方は 通り。その2種類を2個ずつ4人に対応させる方法は 通り。よって条件をみたすのは

通り。したがって求める確率は

よって [ケ]

検算(全数列挙と、他の型との合計)。 通りを実際に分類すると 型は 通り ✓()。
さらにすべての型の確率を足して になるかを確認します。

場合の数計算
4個同じ(6
120
90
720
全て異なる360
合計1296

合計がぴったり になったので、 通りという数え方に漏れも重複もありません ✓。

【定石】「何個ずつ何種類」型は〈使う数字の選び方〉〈並べ方〉に分解同じ個数のグループが 個あるときは で割る(=順列 ではなく組合せ )。検算は全ての型を足して になるか——これは分割型の問題で最強のチェックです。

【よくあるミス】 を使って 2倍にしてしまうこと。逆に 型( 個の目が1種類、残り2人が別々)では 個ずつのグループが2つあるので が必要——どちらの型でも「個数が等しいグループ」に注目します。

〔Ⅰ〕(3) [コ]全員が6を申告したときに全員が実際に6である条件付き確率

【問題(再掲)】

4人がそれぞれ1つのさいころをお互いに出た目がわからないように投げ、各自がそれぞれ確率 で出た目をそのまま申告し、確率 で出た目以外の5つの目のいずれかを等しい確率で申告する。このとき、4人全員が6の目を申告したときに、4つの出た目がすべて6の目である条件付き確率を求めよ。

【型】条件付き確率 。1人あたりで計算して4乗する

【なぜこうするか】
4人は独立なので、まず1人分の確率を出して4乗するのが最短です。1人について

  • 「実際に6が出て、6と申告する」確率
  • 「6以外が出て、6と申告する」確率

よって1人が6を申告する確率は

ここが美しいところ:申告値が6になる確率は、ウソが混じってもぴったり です。これは偶然ではなく、「本当の目を確率 、他の5つの目を各 」というルールがどの目についても対称だから。元の目が一様分布なら申告値も一様分布になるのです。
あとは条件付き確率の定義どおり。求めるのは 「全員の目が6」、「全員が6と申告」として ではない( かつ が必要)ので

解答。各人について、出た目が6であるのは確率 、そのとき6と申告するのは確率 だから

また出た目が6以外(確率 )のとき6と申告するのは確率 だから 。よって1人が6と申告する確率は

4人は独立だから、「全員が6と申告」、「4つの目がすべて6」とすると

したがって

よって [コ])。

検算(3通りの確認)。
1人分で計算して4乗:1人について「6と申告したとき本当に6」の条件付き確率は 。4人は独立なので ✓ 一致。
約分の確認 は分子・分母を で割って ✓( なので と最初から見えます)。
値の妥当性 は事前確率 の約 倍。「全員が6と申告した」という情報で6ぞろの可能性が大きく上がるが、それでも 程度——4人ともウソをつく確率も無視できないためです ✓。

【定石】「申告・検査・診断」型の条件付き確率は を機械的に。独立な 人( 回)なら1人分の条件付き確率を求めて してよい(分子・分母が同じ形で 乗されるため)。「本当の値を 、他を等確率」のルールでは申告値の分布は元と同じ一様分布になる、という構造にも気づけると計算が一気に軽くなります。

【よくあるミス】 を「全員が正しく申告する確率 」としてしまうこと(ウソで6になる場合も に含まれる)。もう一つは を「5つの目の合計」と勘違いすること——問題文は「5つの目のいずれかを等しい確率で」=各 、合計 です。

〔Ⅱ〕【記述式】放物線 と直線で挟まれた2つの面積の差

分野:微分・積分(面積) 難易度:標準 目標時間:20分

【問題】

O を原点とする座標平面上において、 で表される曲線を とし、 上に点 をとる。 を満たす実数とし、点 P を とする。直線 AP と曲線 の共有点のうち、点 A と異なる点を Q とおく。このとき、次の問いに答えよ。

(1) 直線 AP の方程式を求めよ。

(2) 線分 OP、線分 AP、および曲線 で囲まれた部分の面積を とおく。 を用いて表せ。

(3) 曲線 と直線 OQ で囲まれた部分の面積を とおく。(2) で定めた を用いて、 において、関数 とおくとき、関数 の最大値と最小値をそれぞれ求めよ。

【解答】

(1)  (2)  (3) 最大値 )、最小値
(数式処理システムで積分・微分ともに再計算し一致を確認)

〔Ⅱ〕(1) 直線 AP の方程式

【問題(再掲)】

を通る直線 AP の方程式を求めよ。

【型】 軸上の点を通る直線は が傾き、 切片) で即書ける

【なぜこうするか】
P は 軸上の点 なので、 切片がそのまま 。あとは傾きだけです。2点を通る直線の傾きは

分母が になるのは A の 座標が だから——この問題設定は「傾きを綺麗にするため」に を選んでいるのです。
なお なので傾き の範囲を動きます( のとき水平)。

解答。2点 を通る直線の傾きは

で、 切片は 。よって

検算(2点の代入)。 ✓(A を通る)。 ✓(P を通る)。
のときは ——A と P がともに高さ にあるので水平な直線になり、図と合っています ✓。

【定石】 軸上の点を含む2点なら、切片は読むだけ・傾きは差の比。文字を含む点でも同じで、最後に必ず両方の点を代入して検算する(1秒で済みます)。

【よくあるミス】傾きを 符号を逆にすること。分母は「(後の点の (前の点の )」と、分子と同じ順序で引きます。

〔Ⅱ〕(2) 面積 で表す

【問題(再掲)】

線分 OP、線分 AP、および曲線 で囲まれた部分の面積を とおく。 を用いて表せ。

【型】「上の曲線 下の曲線」を、図の左端から右端まで積分。境界が3つあっても積分区間は1つで済むことが多い

【なぜこうするか】
まず3つの境界がどこにあるかを確認します。

  • 線分 OP 軸上の の部分(つまり の縦線)
  • 線分 AP から まで(
  • 曲線 :O から A までの弧(

つまりこの図形は の帯の中にあり、上が直線 AP、下が放物線 。右端の では上が 、下が で、その間を線分 OP が閉じています。だから区間 で「直線 放物線」を積分すればそれだけで終わりです。
ここで「上が直線」であることの確認: と因数分解でき、 では だから正 ✓。

解答。 において直線 AP が曲線 の上側にあるから

検算( の具体計算と、 微分の意味)。 のとき直線は なので

公式では ✓ 一致。
のとき直線は 、公式では ✓。
が意味をもつのも良い検算です: 増やすと直線が「P だけ 上がる」形で傾き、増える面積は底辺 ・高さ の三角形 ——ぴったり合います ✓。

【定石】「線分・線分・曲線で囲まれた」と書かれても、まず の範囲を1つに絞る。今回のように縦の境界( 軸上の線分)は積分区間の端になるだけで、積分は1本で済みます。上下判定は差を因数分解して符号を見る。

【よくあるミス】線分 OP を「面積に足すべき何か」と思って余分に足すこと( なので面積は )。もう一つは積分区間を としてしまうミス——囲まれているのは A から P までの左側だけです。

〔Ⅱ〕(3)  の最大値・最小値

【問題(再掲)】

曲線 と直線 OQ で囲まれた部分の面積を とおく。 において の最大値と最小値をそれぞれ求めよ。

【型】まず Q の座標を「もう一方の解」として求める。放物線と直線の面積は 。あとは3次関数の最大最小(端点を必ず見る)

【なぜこうするか】
第1段:Q を求める。直線 AP と の交点は 、すなわち

が A なので、。ここで「 が Q の 座標そのもの」と分かるのが本問の核心です。
第2段: を求める。直線 OQ は原点と を通るので 。放物線と直線の交点は だから、面積公式 の係数の差が )で

第3段:3次関数の最大最小。

微分すると では が唯一の極値点で、 で増加、 で減少。よって最大は
最小は区間の端を見ます。ここで大事な注意含まれていない)ので の値 は「最小値」になれません。一方 は含まれ、 なので最小値は ——端点が閉じている側にあって助かりました。

解答。直線 AP と の共有点の 座標は より 。A と異なる点だから

直線 OQ は で、 との交点の 座標は では直線が上だから

よって

微分すると

では だから、(増加)、(減少)。

12

では だが は範囲に含まれないので値をとらない。 だから

最大値 、 最小値

検算(値の表と、 の図形的な確認)。

0.010.511.52
0.17170.39580.50.3542

で最大 で最小 ✓。
図形的にも確認できます。 なので ✓。
なので ✓。 が大きいと で急激に膨らむので が負になる——3次関数の形と整合しています ✓。
数式処理システムでも 、極値点 が確認できました ✓。

【定石】放物線と直線の交点は「片方の解が分かっている」なら因数分解で残りを即決(今回 が既知)。放物線と直線で囲む面積は 。そして3次関数の最大最小は「極値」と「端点」の両方を必ず比較し、端点が開いている()ときはその値を最大最小に採用しない——ここは減点の最頻出ポイントです。

【よくあるミス】 を「最小値」と書いてしまうこと( なのでとれない値)。もう一つは の積分区間を としてしまうミス——OQ と が囲むのは です。

〔Ⅲ〕【記述式】対数不等式が表す領域は「円の弓形」——真数条件が主役

分野:対数関数/図形と方程式/三角比 難易度:やや難 目標時間:25分

【問題】

平面において、不等式

の表す領域を とする。このとき、次の問いに答えよ。

(1) 領域 を図示せよ。

(2) が領域 を動くとき、 の最大値を求めよ。

(3) の値を求めよ。

(4) 領域 とその境界線を含めた図形を とする。 の面積を求めよ。

【解答】

(1) 円 の内部のうち の部分(弓形。境界の弧は含み、線分 は含まない)
(2) 最大値 ) (3)  (4)
(数式処理システムでの再計算+900万点の格子による面積実測で二重検算)

〔Ⅲ〕(1) 領域 の図示

【問題(再掲)】

不等式 の表す領域 を図示せよ。

【型】対数不等式は「①真数条件を先に書く ②底を揃える ③真数の比較に落とす」。今回は真数条件が答えの形を決める

【なぜこうするか】
手順①:真数条件(これが本問の主役)。

  • かつ なので厳しい方が残る)
  • かつ

手順②:底を に揃える。 なので 、したがって

——3乗と底 がちょうど打ち消し合うという仕掛けです。同様に
手順③:真数の比較へ。両辺を1つの にまとめると、底 は単調増加なので

展開して整理すると( が見事に消えます)

平方完成すると

中心 、半径 の円の内部です(定数項がないので原点を通る円)。
そしてここが本問の一番の見どころ。中心の 座標は で、真数条件の境界 より小さい。つまり は円をバッサリ切ります。この直線と円の交点を求めると

より なので 、すなわち

交点の 座標が、もう一方の真数条件の境界 にぴったり一致する——つまり の側では 自動的にみたされるのです。だから条件 追加で図を削らない。よく設計された問題です。

解答。真数条件より かつ 、すなわち 。また かつ 、すなわち
だから、与式は

より

この円と直線 との交点は であり、 の部分では自動的に がみたされる。
よって 中心 、半径 の円の内部および周のうち、 をみたす部分(弓形)。図では円弧( から右回りに までの右側の弧)を実線(含む)、直線 上の線分を破線(含まない)で描く。

検算(代表点の判定)。円の右端 ✓、 ✓、円上なので等号成立 ✓ 含む。
:真数条件 ✓、 ✓ 含む。
原点 :円周上だが をみたさない ✗ 含まない(真数 で対数が定義されない)✓。
✗ 含まない(円の外)✓。

【定石】対数不等式は「真数条件を最初に書く」——これを忘れると領域が広がって全滅 の打ち消しに気づけば計算は一気に軽くなる。 は平方完成して円(定数項なしなら原点を通る)。最後に真数条件の境界が円とどこで交わるかを必ず調べる。

【よくあるミス】 と直して止まってしまい、底 のままで比較しようとすること。もう一つは真数条件を だけにして領域を広く取りすぎるミス—— が正しく、これが (4) の答えを決めます。

〔Ⅲ〕(2)  の最大値

【問題(再掲)】

が領域 を動くとき、 の最大値を求めよ。

【型】 の直線を平行移動して、円に接する瞬間」。線形の最大最小は円の中心からの距離で処理

【なぜこうするか】
は傾き の直線群。 を大きくすると直線は右上に平行移動します。領域と共有点をもつ最後の瞬間が最大——円の場合は右上で接するときです。
中心 から直線 までの距離が半径 に等しい、として

中心での値が なので、大きい方の が最大候補。ここで必ず確認すべきこと:接点が の側にあるか。接点は中心から 方向に半径 進んだ点、すなわち

✓、 ✓ なのでちゃんと の中(弓形側)にある。もし接点が切り落とされた側にあったら、最大は弦の端点で起きるので答えが変わります——この確認を書くかどうかで記述式の点が変わります
なお は円周(等号)を含むので、最大値は実際にとれる値です。

解答。 とおくと、これは傾き の直線。 は円 の部分だから、 が最大となるのは直線が円に右上で接するとき。中心と直線 の距離が半径に等しいことから

このとき接点は

であり、 をみたすので に属する。よって

の最大値は

検算(接点の円周上判定と格子探索)。接点が円周上にあるか: ✓ ぴったり半径の2乗。
接点で元の不等式が等号か: として左辺の真数 、右辺の真数 ✓ 一致(等号成立)。
さらに900万点の格子で 内の の最大を数値探索すると ——理論値 と格子の刻み幅の範囲で一致 ✓。

【定石】領域上の の最大最小は「直線を平行移動して接するまで」。円なら点と直線の距離 半径で一撃。接点が「切り落とした側」に入っていないかの確認を必ず添える——領域が円の一部のときは特に。

【よくあるミス】 から だけ書いて を落とすのは(最大値だけ問われているので)問題ありませんが、接点が領域内かの確認を省くのは大きな減点。もう一つは中心の座標を 座標の符号を逆にするミスです(正しくは )。

〔Ⅲ〕(3)  の値

【問題(再掲)】

の値を求めよ。

【型】。加法定理で分解

【なぜこうするか】
分の 単位の角は の和・差」で作れます()。だから加法定理を使うだけ。
そしてこの (3) は次の (4) への伏線です。あとで出てくる「円の中心から弦を見る角の半分」がちょうど になり、 の値がその確認に使われます。誘導の意図が見えると (4) が一瞬で解けます

解答。 であるから、加法定理より

検算(数値と半角公式)。。電卓の ✓ 一致。
半角公式でも:。一方 ✓ 一致。
おまけ:符号だけ違う)——(4) で使います ✓。

【定石】 の倍数は で作る暗記推奨(分母 の差と和)。誘導問題の途中に突然現れる三角比は次の設問の伏線と疑う。

【よくあるミス】加法定理の符号( の加法定理はマイナス)を間違えて と答えること。 より大きいので より小さい——値の大きさで検算できます。

〔Ⅲ〕(4)  の面積

【問題(再掲)】

領域 とその境界線を含めた図形を とする。 の面積を求めよ。

【型】弓形の面積 扇形 三角形 。中心角は「中心から弦までの距離 半径 」で求める

【なぜこうするか】
円を弦 で切った右側の弓形(境界を含めたので、弦の線分も含みます。面積は変わりません)。弓形の面積は扇形から三角形を引くのが基本形。必要なのは中心角 だけです。
中心 から弦 までの距離は

中心から弦に下ろした垂線は弦を二等分し、中心角も二等分するので

ここで (3) が効きます! この値はまさに 。よって 、すなわち

中心角が分かれば、あとは公式どおり。

  • 扇形(中心角 ):
  • 三角形(2辺が半径、その間の角が ):

弓形は扇形から三角形を引いたものなので

解答。 は円 、半径 を弦 で切った、右側の弓形(境界を含む)。中心から弦までの距離は

弦の両端 を見込む中心角を とすると

より 、よって 。したがって

の面積は

検算(弦の長さ・三角形の面積・900万点の格子実測)。
弦の長さから中心角を再確認:弦の長さは 。よって ✓((3) のおまけと一致)。 ✓。
三角形の面積を座標で直接計算:頂点 の三角形は、底辺(弦)、高さ なので ✓ 公式 と一致。
格子による実測 万点の格子で の面積を数値計算すると 。理論値 ✓(誤差 )。
オーダー確認:円全体の面積は 。弓形は中心角 分(円の )から三角形を除いた分なので、 ✓ 妥当。

【定石】弓形の面積 (扇形 三角形)。中心角は は中心から弦までの距離)または は弦の長さの半分)から。直前の小問で出た三角比の値は「中心角を特定するための鍵」——誘導は素直に使う。

【よくあるミス】大きい方の弓形(中心を含む側)の面積を答えてしまうこと。中心の 座標 より小さいので、求めるのは中心を含まない小さい側です(もし逆なら )。もう一つは扇形の面積を 半径の2乗を忘れるミス。

この冊子で身につけたい「型」一覧
  • 文字定数入りの2次関数の頂点は「 の項だけ」で平方完成(残りは定数扱い)
  • 軌跡は媒介変数の消去/代入前に「 の形が見えている部分」を探す
  • 共通接線は と判別式 を2本立てて辺々引く
  • 放物線と接線の差は完全平方——展開せずに で積分
  • 「整数になる の最大値」は (式) を作って有限個に絞る
  • 積で定義された数列の最大は「比と の大小」(和なら「差と 」)
  • 和の偶奇は奇・偶の2値に潰す/さいころは実質コイン
  • 「何個ずつ何種類」は〈選ぶ〉〈並べる〉、同数グループは
  • 条件付き確率は 、独立な 人なら1人分を
  • 放物線と直線で囲む面積は
  • 3次関数の最大最小は極値と端点の両方を比較(開いた端点は採用しない)
  • 対数不等式は真数条件が主役
  • 領域上の の最大は「直線を平行移動して接するまで」+接点が領域内かの確認
  • 弓形の面積 、中心角は から

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〔Ⅰ〕【空所補充】3人じゃんけん3回の確率/二項定理の係数

分野:確率/二項定理 難易度:標準 目標時間:30分

【問題】

(1) A, B, C の3人がじゃんけんを3回行う。ただし、各人はグー、チョキ、パーの手をどれも確率 で出すものとする。出された手がちょうど2種類である場合は1人または2人が勝ち、出された手がちょうど2種類でない場合はあいことする。

1回目があいこになる確率は[ア]である。
3回ともあいこになる確率は[イ]である。
A が1回だけ勝ち、かつ B と C は1回も勝たない確率は[ウ]である。A が2回以上勝ち、かつ B と C は1回も勝たない確率は[エ]である。
B と C が1回も勝たなかったとき、A が1回以上勝つ条件付き確率は[オ]である。
3人がちょうど1回ずつ勝つ確率は[カ]である。

(2) の展開式において の項の係数は[キ]である。
の展開式において の項の係数は[ク]である。
の展開式において の項の係数は[ケ]である。
の展開式において の項の係数は[コ]である。

【解答】

 イ  ウ  エ  オ  カ
 ク  ケ  コ
(同志社大学はこの日程の解答を公表していないため、 通りの全数列挙と数式処理システムで二重検算しています)

〔Ⅰ〕(1) [ア]1回目があいこになる確率

【問題(再掲)】

A, B, C の3人がじゃんけんをする。各人はグー、チョキ、パーを確率 ずつで出し、出された手がちょうど2種類のときだけ1人または2人が勝ち、そうでないときはあいことする。1回目があいこになる確率を求めよ。

【型】3人の手は 通り。あいこ=「1種類」+「3種類」を直接数える

【なぜこうするか】
じゃんけんの確率は「手の出方を全部書き出す」のが最速です。3人がそれぞれ3通りなので全事象は 通り。
問題の定義どおり、あいこは「ちょうど2種類でない」=「1種類」または「3種類」

  • 1種類(全員同じ手):グー・チョキ・パーの3通り
  • 3種類(3人がバラバラ):3人に3種類を割り当てる順列で 通り

合わせて 通り。よって
「3人じゃんけんのあいこは は覚えておくと一瞬で答えられます。

解答。1回のじゃんけんで3人の手の出方は 通り。あいこになるのは

  • 3人とも同じ手: 通り
  • 3人の手がすべて異なる: 通り

の計 通りだから

[ア]

検算( 通りの内訳)。 通りを勝者で分類すると

勝者場合の数確率
なし(あいこ)9
1人だけ(A / B / C)
2人(AB / BC / CA)

合計 ✓、確率の和は ✓。この表が (1) のすべての設問の土台になります——「特定の1人だけが勝つ確率 」「特定の2人が勝つ確率 」「あいこ 」の3つを押さえてください。

【定石】3人じゃんけんは「全 通りを勝者で分類した表」を作れば全問解ける。あいこ 、特定の1人勝ち 、特定の2人勝ち

【よくあるミス】あいこを「全員同じ手」だけと考えて としてしまうこと。3人がバラバラの 通りもあいこです(グー・チョキ・パーが揃うと勝負がつかない)。

〔Ⅰ〕(1) [イ]3回ともあいこになる確率

【問題(再掲)】

3回のじゃんけんで、3回ともあいこになる確率を求めよ。

【型】独立な試行の繰り返しは確率の積——1回分を求めて累乗する

【なぜこうするか】
各回のじゃんけんは互いに独立(前の回の結果が次の回の手に影響しない)。独立な事象が続けて起こる確率は掛け算なので、[ア]で求めた1回分の を3乗するだけです。
「独立だから掛ける」という一言を答案に書けるかどうかが、記述式では差になります。

解答。各回は独立で、1回のじゃんけんがあいこになる確率は[ア]より 。よって

[イ]

検算( 通りの全数列挙)。3回分の手の出方すべて( 通り)を数え上げると、3回ともあいこなのは 通り。 ✓ 一致。
値の妥当性:。3回続けて決着がつかないのはおよそ27回に1回——じゃんけんの体感とも合います ✓。

【定石】 回とも 」は1回分の確率の 。逆に「少なくとも1回は決着がつく」なら 余事象で処理します。

【よくあるミス】 と足し算・掛け算を混同すること。また「3回とも」を「ちょうど3回のうち何回か」と読み違えないように。

〔Ⅰ〕(1) [ウ]A が1回だけ勝ち、B と C は1回も勝たない確率

【問題(再掲)】

3回のじゃんけんで、A が1回だけ勝ち、かつ B と C は1回も勝たない確率を求めよ。

【型】各回に許される「型」を特定してから、順番の選び方を掛ける

【なぜこうするか】
条件を1回ごとの条件に翻訳するのがコツです。「B も C も1回も勝たない」ということは、各回で起こってよいのは

  • あいこ(誰も勝たない):確率
  • A が1人だけ勝つ:確率

この2種類だけ。「A と B の2人が勝つ」は B が勝ってしまうので不可——ここを見落とすと答えが合いません。
そのうえで「A が勝つのはちょうど1回」だから、3回のうちどの回で A が勝つかを選んで

解答。B も C も勝たない回は「あいこ(確率 )」か「A が単独で勝つ(確率 )」のいずれか。A が勝つ回がちょうど1回だから、その回の選び方 通りを考えて

[ウ]

検算( 通りの全数列挙)。3回分すべての手の出方 通りを機械的に数え上げると、条件をみたすのは 通り ✓。
手計算でも:(A 単独勝ちの 通り あいこ 通り あいこ 通り、それを3か所に配置)✓ 一致。

【定石】「誰々は1回も勝たない」型は、各回で許される勝者パターンを列挙して確率を足す。今回は が「B, C が勝たない1回分の確率」——次の設問でそのまま使えます。回の選び方は

【よくあるミス】「A が勝つ」を「A を含む2人が勝つ」場合まで含めてしまうこと。B と C は勝ってはいけないので、A は単独勝ちでなければなりません(確率は ではなく )。

〔Ⅰ〕(1) [エ]A が2回以上勝ち、B と C は1回も勝たない確率

【問題(再掲)】

3回のじゃんけんで、A が2回以上勝ち、かつ B と C は1回も勝たない確率を求めよ。

【型】「2回以上」は「ちょうど2回」+「ちょうど3回」に分けて足す

【なぜこうするか】
前問と同じ枠組みで、A の単独勝ちが2回3回かに分けるだけです。

  • ちょうど2回
  • 3回とも

分母を に揃えて足すと
別ルート(余事象):「B, C が勝たない」の全体は 。そこから「A が0回」 と「A が1回」 を引いて ✓ 同じ。

解答。B, C が勝たない回は「あいこ 」か「A 単独勝ち 」。A が単独で勝つ回数が2回または3回だから

[エ]

検算(全数列挙と余事象の2通り)。 通りの列挙で条件をみたすのは 通り ✓。
余事象ルート: ✓ 一致。2つの独立なルートで同じ値になったので安心です。

【定石】 回以上」は場合分けして足すか、全体から引く。どちらでも解けるときは両方やって照合すると検算になります。分母を最小公倍数(今回は )に揃えてから足すとミスが減る。

【よくあるミス】「2回以上」を「ちょうど2回」だけで答えて としてしまうこと。3回とも勝つ場合を忘れない

〔Ⅰ〕(1) [オ]B と C が1回も勝たなかったときに A が1回以上勝つ条件付き確率

【問題(再掲)】

B と C が1回も勝たなかったとき、A が1回以上勝つ条件付き確率を求めよ。

【型】。分母は前問までの部品を組み合わせて作る

【なぜこうするか】
条件(分母)は「B も C も3回とも勝たない」。1回分の確率は

(あいこ、または A の単独勝ち)。3回独立だから
分子は「その条件のもとで A が1回以上勝つ」=[ウ][エ]
よって

分母が で揃うので、実質「」の比を読むだけ
別ルート:余事象で「A も1回も勝たない」=3回ともあいこ を使って ✓。こちらのほうが速いです。

解答。「B, C がともにその回に勝たない」確率は だから、事象 「B と C が3回とも勝たない」の確率は

また が起こって A も1回も勝たないのは3回ともあいこのときだけで、その確率は 。よって求める条件付き確率は

[オ]

検算(前問の和との一致・全数列挙)。[ウ][エ] で割ると ✓ 一致。
通りの列挙では にあたるのが 通り()、うち A が1回以上勝つのが 通りで ✓。
値の妥当性:。B・C が3回とも勝てなかったなら「あいこ続き」より「A が何度か勝った」ほうがやや起こりやすい——直感とも合っています ✓。

【定石】条件付き確率は「分母=条件の確率」を独立試行の積で作る。分子は余事象(1回も勝たない)を引くほうがたいてい速い。前問の答えを部品として再利用できるよう、途中の確率(今回の )に名前をつけて残しておくこと。

【よくあるミス】分母を「全事象」にして と答えてしまうこと(条件付き確率は分母が条件の確率)。もう一つは と誤って計算するミスです。

〔Ⅰ〕(1) [カ]3人がちょうど1回ずつ勝つ確率

【問題(再掲)】

3回のじゃんけんで、3人がちょうど1回ずつ勝つ確率を求めよ。

【型】「1回に2人勝つこともある」ので、勝者人数の内訳 で場合分け

【なぜこうするか】
この設問の落とし穴は、1回のじゃんけんで2人同時に勝つことがあるという点です。3回で「延べ勝ち数」は 。各回の勝者人数は のいずれかなので、3回の内訳は

  • :毎回ちょうど1人が勝ち、その3人が A, B, C を1回ずつ
  • :ある回は2人が勝ち、別の回は残る1人が勝ち、残りの回はあいこ

の2通り( は「3人同時勝ち」がありえないので不可)。それぞれ数えます。
:3回に A, B, C を1回ずつ割り当てる順列 通り。各回「特定の1人が単独勝ち」の確率は だから

:あいこの回の選び方 通り、残り2回のうち「2人勝ちの回」の選び方 通り、単独で勝つ人の選び方 通り(残る2人がペア)で 通り。各パターンの確率は だから

合計

解答。3人が1回ずつ勝つとき、延べ勝ち数は 。各回の勝者は 人のいずれかだから、3回の勝者人数の組合せは のみ。

(i) 毎回1人ずつ勝つ場合:勝者の並びは A, B, C の順列で 通り、各回の確率は だから

(ii) 2人勝ち・1人勝ち・あいこが1回ずつの場合:あいこの回 通り、2人勝ちの回 通り、単独で勝つ人 通りで 通り。各確率は だから

よって

[カ]

検算( 通りの全数列挙)。3回分すべてを列挙して「A, B, C それぞれの勝ち数がちょうど 」を数えると 通り ✓()。
内訳も一致: 型は 通り、 型は 通り、合計 ✓。
もし「2人勝ちの回」を見落として と答えると、正解の の値にしかなりません——この差が本問の勝負どころです。

【定石】「各人ちょうど1回ずつ」型は、まず延べ回数を数えて内訳のパターンを列挙する。じゃんけんでは1回に2人が勝つケースを必ず考慮(3人じゃんけんの勝者は 0人・1人・2人)。場合分けしたら各型の場合の数 確率を足す。

【よくあるミス】「毎回1人ずつ勝つ」だけを数えること。もう一つは (ii) でペアの選び方を と単独者の選び方 を二重に数えるミス——ペアと単独者は互いに決まり合うので、選ぶのはどちらか一方だけです。

〔Ⅰ〕(2) [キ] の係数

【問題(再掲)】

の展開式において の項の係数を求めよ。

【型】二項定理の一般項 を1本書いて を決める

【なぜこうするか】
二項定理は

この一般項1本を書いて、欲しい項になるように を決める——これがすべてです。
では なので一般項は の累乗は消えるので、 の指数がそのまま になります。 なので

解答。 の一般項は の項は のときだから

[キ]

検算(実際に展開・パスカルの三角形)。 の係数は
パスカルの三角形の第6段は ——左右対称で真ん中が ✓。
係数の和: とすると 、実際 ✓。

【定石】 の係数は (そのまま)。 の対称性を使うと計算が軽くなることも多い。検算は を代入して係数の総和 と比べるのが手軽です。

【よくあるミス】 と計算してしまうこと。分母は です。

〔Ⅰ〕(2) [ク] の係数

【問題(再掲)】

の展開式において の項の係数を求めよ。

【型】係数つきの二項展開は係数も一緒に累乗する:

【なぜこうするか】
「かたまりごと」見るのがコツです。一般項は

が欲しいので 、すなわち 。このとき

を掛け忘れない——ここが最大のミスポイントです。 だけ書いて終わりにしないこと。

解答。 の一般項は の項は のときだから、その係数は

[ク]

検算(全展開と係数の総和)。 を実際に展開すると

の係数は
係数の和による検算 とすると 。展開式の係数の和は ✓ ぴったり一致——6項すべての係数が正しいことが一度に確認できました。

【定石】 の一般項は ——係数の累乗を必ず掛ける。 を代入して総和 と比べるのが最強の検算です。

【よくあるミス】 から と読み違えること—— は「後ろの文字 の指数」です。もう一つは と、係数まで累乗し忘れるミス(正しくは )。

〔Ⅰ〕(2) [ケ] の係数

【問題(再掲)】

の展開式において の項の係数を求めよ。

【型】中身が のときは「一般項の の指数 目標」という方程式を立てる

【なぜこうするか】
一般項は の指数は ではなく です。だから

方程式を立てて を求めるのが正しい手順。指数が ずつ飛ぶので、 の奇数乗は最初から存在しないことも見えます( は必ず偶数)。

解答。 の一般項は より だから

[ケ]

検算(展開して確認)。 の係数は 偶数乗しか現れないことも確認できます ✓。
別の見方: と置けば の係数を聞かれているのと同じで、 ✓。
係数の和:)で 、実際 ✓。

【定石】中身が なら と置き換えて普通の二項展開に戻す——これが一番安全。 の指数が の倍数しか現れないことも同時に分かります。

【よくあるミス】 としてしまうこと( となり誤り)。 の指数は なので、必ず方程式 を書いてから を出しましょう。

〔Ⅰ〕(2) [コ] の係数

【問題(再掲)】

の展開式において の項の係数を求めよ。

【型】 と直して指数を足し算。指数は等差に並ぶ

【なぜこうするか】
分数が出てきたら負の指数に直すのが鉄則です。 として一般項を作ると

指数は —— 増えるごとに ずつ減ります()。目標の は4番目、つまり

この「 ずつ飛ぶ」構造に気づくと、たとえば の項を聞かれたら「 は整数解をもたない=そんな項は存在しない」と即答できます。

解答。 の一般項は

より だから

[コ]

検算(全展開と係数の総和)。展開すると

の係数は 指数が ずつ下がることも確認できます ✓。
係数の和: とすると 、実際 ✓。
係数の並びが パスカルの三角形の第7段そのままになっているのも、 が係数だという構造と整合しています ✓。

【定石】分数は負の指数に直してから一般項を作る の指数は 等差に並ぶので、目標の指数が現れるかどうか( 以上 以下の整数になるか)まで判定できます。

【よくあるミス】 の指数を として 、範囲外で破綻)と立式すること。もう一つは指数を と書いたあと の計算を と誤るミスです。

〔Ⅱ〕【記述式】三角関数の合成 → 3倍角 → 3次関数に化ける

分野:三角関数/微分 難易度:やや難 目標時間:30分

【問題】

として、2つの関数を次のように定める。

このとき、次の問いに答えよ。

(1) の最大値、最小値とそのときの の値を求めよ。

(2) かつ を満たす定数 を求めよ。

(3) の関数で表せ。

(4) の関数で表せ。

(5) の最大値、最小値とそのときの の値を求めよ。

【解答】

(1) 最大値 )、最小値 ) (2)  (3)
(4)  (5) 最大値 )、最小値
(数式処理システムによる恒等式チェックと、 万分割の数値探索で二重検算)

〔Ⅱ〕(1)  の最大値・最小値

【問題(再掲)】

のとき、 の最大値、最小値とそのときの の値を求めよ。

【型】三角関数の合成 。角の動く範囲を必ず書き出す

【なぜこうするか】
が混ざったら合成して1つの三角関数にする——これで最大最小が見えます。振幅は

と書いても同じです。以降の (3)(4) では の形のほうが圧倒的に有利なので、こちらを採用します——3倍角の 公式に直結するからです。)
次が肝心。 より

この範囲で で最大 、端点では 小さいほうは なので最小は のとき。
よって の範囲を動きます。この「 の範囲」が (5) で決定的な役割を果たします。

解答。三角関数の合成により