藤原進之介です。このページでは関西学院大学2024年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。
問題
解答
関西学院大学 2024年度 数学 全問解説【数強塾オリジナル】
〔1〕(1) 空間図形 ── 外心と垂線
AB=3、AC=5、cos∠BAC=1/3 の△ABCと、OA=OB=OC=3 の四面体を考えます。
sin∠BAC = √(1−1/9) = 2√2/3 なので
△ABC = (1/2)·3·5·(2√2/3) = 5√2
余弦定理より BC² = 9+25−2·3·5·(1/3) = 24、BC = 2√6。正弦定理で外接円の直径は
2R = BC/sin∠BAC = 2√6 · (3/(2√2)) = 3√3
ここが本問の核心です。点Oから平面ABCに下ろした垂線の足をHとすると、OA=OB=OC かつ OH共通、∠OHA=∠OHB=∠OHC=90° より
△OHA ≡ △OHB ≡ △OHC → HA=HB=HC
つまりHは△ABCの外心です。よって DA = R = 3√3/2 となり
OD = √(OA²−DA²) = √(9 − 27/4) = 3/2
四面体OABCの体積は (1/3)·5√2·(3/2) = 5√2/2
「頂点から底面への垂線の足が外心になる」のは側稜の長さが等しいとき。この一言を知っているかで解答時間が大きく変わります。
〔1〕(2) 条件付き確率
1が3枚、2が2枚、3が1枚の計6枚から3枚取り出し、その最大値と最小値の差を X とします。
- X=0 は「1を3枚」のみ。₃C₃/₆C₃ = 1/20
- X=2 は「1,1,3」または「1,2,3」。(₃C₂·₁C₁ + ₃C₁·₂C₁·₁C₁)/₆C₃ = (3+6)/20 = 9/20
X は0,1,2しか取らないので P(X=1) = 1 − (1/20 + 9/20) = 1/2。
「X=1 かつ1を取り出さない」のは「2,2,3」の1通りで ₂C₂·₁C₁/₆C₃ = 1/20。したがって
P(X=1 かつ 1を含む) = 1/2 − 1/20 = 9/20
求める条件付き確率は (9/20)/(1/2) = 9/10
余事象(1を含まない)を経由するのが速い。「かつ」を直接数えるより、全体から引く方が場合分けが減ります。
〔2〕(1) 3次方程式と虚数解
(−x²−2x+3)a + (x³+3x²+x+3) = 0 を考えます。
a について整理してから因数分解するのが定石です。
(1−x)(x+3)a + (x+3)(x²+1) = 0 → (x+3)(x²−ax+a+1) = 0
両項に共通因数 (x+3) が現れるので、a の値によらず x = −3 を解に持ちます。
虚数解を持つ条件は x²−ax+a+1 = 0 の判別式が負:a²−4a−4 < 0、すなわち
2−2√2 < a < 2+2√2
解と係数の関係から α+β = a、αβ = a+1 なので
α²+β² = a² − 2(a+1) = (a−1)² − 3
2−2√2 < 1 < 2+2√2 より a=1 が範囲内にあり、最小値は −3。
〔2〕(2) 等差数列と「一の位が5」
a₁ = −3、2a₂+a₄ = 6 より公差 d を求めます。2(−3+d) + (−3+3d) = 6 から d = 3。
an = −3 + (n−1)·3 = 3n−6
{an} はすべて3の倍数。一の位が5になる項どうしの差は10の倍数で、同時に3の倍数でもあるため、差は30。最初に一の位が5となるのは15なので
bn = 15 + (n−1)·30 = 30n−15
偶数番目だけを足すと
Σk=120 b2k = Σ(60k−15) = 15Σ(4k−1) = 15(4·210 − 20) = 12300
〔3〕絶対値つき2次関数と面積
f(x) = |x|(x−1) を考えます。
(1) 極値
場合分けして平方完成します。
- x ≦ 0:−x²−x = −(x+1/2)² + 1/4 → 最大 1/4
- x ≧ 0:x²−x = (x−1/2)² − 1/4 → 最小 −1/4
(2) 接線と交点
x < 0 で f′(x) = −2x−1。A(−1, 0) での傾きは 1 なので接線は y = x+1。
x ≧ 0 側との交点は x+1 = x²−x、すなわち x²−2x−1 = 0 を解いて x = 1+√2。
(3) 面積 ── 次数下げが決め手
S は −1 ≦ x ≦ 0 の部分。被積分関数が (x+1)² とまとまるので
S = ∫−10(x+1)² dx = [(x+1)³/3]−10 = 1/3
T は 0 ≦ x ≦ α(α = 1+√2)の部分。ここでα を代入して展開すると計算が煩雑になります。α が x²−2x−1 = 0 の解であることを使い
α² = 2α + 1 (次数下げ)
T = ∫0α(−x²+2x+1)dx = −α³/3 + α² + α
α² = 2α+1 を繰り返し使って整理すると
T = −(1/3)α(2α+1) + (2α+1) + α = −(2/3)α² + (8/3)α + 1 = −(2/3)(2α+1) + (8/3)α + 1 = (4α+1)/3
α = 1+√2 を代入して T = (5+4√2)/3
√2 を含む値をそのまま3乗すると計算量が跳ね上がります。「解であること=関係式が使えること」と捉えて次数を下げるのが定石です。
この年度の総評と対策
4つの設問すべてに「構造を見抜けば計算が激減する」仕掛けがあります。
- 〔1〕(1) 側稜が等しい → 垂線の足は外心
- 〔1〕(2) 「かつ」を直接数えず余事象で引く
- 〔2〕(1) a について整理 → 共通因数 (x+3) が見える
- 〔3〕(3) α が方程式の解 → 次数下げで3乗を回避
関西学院大学の数学は計算量そのものは標準的ですが、この「見抜き」を要求する設計が一貫しています。手を動かす前に式の形を眺める習慣が、そのまま得点差になります。
※本記事の解答・解説は数強塾が独自に作成したものです。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。掲載内容について権利者の方からご連絡がある場合は、お問い合わせより速やかに対応いたします。
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