大学受験

同志社大学 2022年度 過去問・解答

数強塾のプロ講師陣

藤原進之介です。このページでは同志社大学2022年度の数学過去問を解答・解説つきで無料公開しています。

問題

解答

同志社大学2022年度の数学について、解答と解説を掲載します。数値はすべて当塾で独立に検算し、公開している解答PDFと照合済みです。

〔Ⅰ〕(1) 硬貨とカードを組み合わせた試行

1回の試行で硬貨を1枚投げ、表が出たら 1〜4 の番号カードから1枚引いてその数を得点、裏が出たら 0点とします。n 回の試行で得点の合計が2以上の偶数になる確率を pn とします。

ア p₁

1回だけなら「表が出て、かつ 2 か 4 のカードを引く」場合のみ。

p₁ = (1/2) × (2/4) = 1/4

イ p₂

2回とも裏だと合計0点なので条件を満たしません。硬貨の表裏で場合分けします。

[1] ちょうど1回だけ裏

どちらの回が裏かで2通りなので、確率は (1/2)(1/2) × 2 = 1/2

このとき表の回で「2以上の偶数」(2 か 4)を引けば条件を満たします。その確率は 2/4 = 1/2

合わせて (1/2) × (1/2) = 1/4

[2] 2回とも表

確率 (1/2)² = 1/4。2枚のカードの和が2以上の偶数になるのは、2枚とも偶数または2枚とも奇数

各回で偶数(2, 4)を引く確率も奇数(1, 3)を引く確率も 1/2 なので

(1/2)² + (1/2)² = 1/2

合わせて (1/4) × (1/2) = 1/8

合計

1/4 + 1/8 = 3/8

p₂ = 3/8

ウエオ 漸化式と一般項

1回の試行で得点の偶奇がどう変わるかを整理します。

結果確率合計の偶奇
裏(0点)1/2変わらない
表で偶数(2, 4)1/4変わらない
表で奇数(1, 3)1/4反転する

偶奇が変わらない確率は 1/2 + 1/4 = 3/4反転する確率は 1/4 です。

「合計が偶数」の確率 qn を求める

n 回後に合計が偶数である確率を qn とすると、q₀ = 1(0点は偶数)で

qn = (3/4)qn−1 + (1/4)(1 − qn−1) = (1/2)qn−1 + 1/4

特性方程式 x = x/2 + 1/4 の解は x = 1/2。したがって

qn − 1/2 = (1/2)(qn−1 − 1/2)、q₀ − 1/2 = 1/2 より qn = 1/2 + (1/2)n+1

合計0(全部裏)を除く

pn は「2以上の偶数」なので、合計が 0 のまま(n 回とも裏、確率 (1/2)ⁿ)を除きます。

pn = qn − (1/2)ⁿ = 1/2 + (1/2)n+1 − 2·(1/2)n+1 = 1/2 − (1/2)n+1

(1/2)n+1 = (1/4)(1/2)n−1 と書き直して

pn = 1/2 − (1/4)(1/2)^(n−1)

検算:n = 1, 2, 3 について、硬貨 2ⁿ 通り × カード 4ⁿ 通りの全組み合わせを列挙して確率を求めました。
n = 1 → 1/4 ✓ n = 2 → 3/8 ✓ n = 3 → 7/16
一般項の式に代入すると 1/4, 3/8, 7/16, 15/32, 31/64, 63/128 と続き、すべて一致します ✓
n → ∞ で pn1/2。試行を重ねれば偶数・奇数が半々になる、という直感どおりの結果です。

この年の学習ポイント

この問題の核心は「偶奇だけに注目する」ことです。

得点の具体的な値(0, 1, 2, 3, 4)は追わなくてよく、「偶奇が変わるか変わらないか」だけが問題になります。

1回の試行で偶奇が反転するのは「表で奇数カード」のときだけで、確率 1/4。変わらないのは「裏」または「表で偶数カード」で、確率 3/4 …と思いきや、裏の 1/2 と表で偶数の 1/4 を足して 3/4。

反転 1/4 : 不変 3/4 という非対称性が、一般項の (1/2)n+1 という形に現れます。状態を「偶数」「奇数」の2つに圧縮して漸化式を立てるのが正攻法です。

そして「2以上の」という条件が、合計0(全部裏)の場合を除外させます。この一言を見落とすと答えが 1/2 になってしまうので、問題文の細部まで読んでください。

同志社大学2022年度は学部・日程ごとに複数の問題が出題されています。当塾で解答PDFを公開できている範囲から順に解説を掲載しており、裏づけのない問題について推測で解説を作ることはしていません。

※ 問題文は同志社大学が公表した2022年度入学試験問題(理系数学)を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、大学が公表した公式解答そのものではありません。作成にあたっては大学公表の解答と全18問を突き合わせて一致を確認し、さらに〔Ⅰ〕(1) は分数のまま第8項まで全数分布を計算、〔Ⅰ〕(2) は座標によるシューレース公式、〔Ⅱ〕は数式処理による恒等式の係数決定と第7項までの逐次計算、〔Ⅲ〕はコレスキー分解で条件を満たす座標を作り 400 万点の格子で最小値を実測、〔Ⅳ〕は3 通りの と 3 通りの による数値積分で独立に検算しています。

2022年度 同志社大学 理系数学(この冊子)の傾向
  • 大問4題。〔Ⅰ〕が空所補充(10 か所)、〔Ⅱ〕〔Ⅲ〕〔Ⅳ〕が記述式。設問数は全部で18で、同志社理系のなかでも最上位クラスの重量級です。
  • 分野は確率漸化式/複素数平面の回転/双曲線と整数(ペル方程式)/空間ベクトルの最短距離/半角の 置換と周期関数の積分
  • この冊子の核は〔Ⅱ〕です。 という一見バラバラな分数式が、実は双曲線 のパラメータ表示で、 という「双曲線を自分自身に移す変換」が主役。(5) の つき漸化式が整数列になる理由が、そこから一気に見えます。
  • 〔Ⅳ〕は正体がポアソン核。(1)(2)(3) が全部 (4) のための準備で、(定数!)という驚きの結論が を生みます。誘導に素直に乗れるかがすべてです。
  • 〔Ⅰ〕(1) は「0 点も偶数」という落とし穴つき。「合計が 2 以上の偶数」は「偶数」から「合計 0」を除いたものです。
  • 〔Ⅲ〕は で内積がすべて という完全対称な四面体。対称性を使うと (3) の計算量が半分になります。
  • 時間配分の目安は〔Ⅰ〕25 分、〔Ⅱ〕30 分、〔Ⅲ〕25 分、〔Ⅳ〕30 分。〔Ⅰ〕〔Ⅲ〕を確実に取り、〔Ⅱ〕(1)〜(4)・〔Ⅳ〕(1)〜(3) まで押さえるのが現実的な合格ラインです。

〔Ⅰ〕硬貨とカードの確率漸化式/複素数平面の回転と六角形

分野:確率・数列/複素数平面 難易度:標準〜やや難 目標時間:25分

【問題】

次の[ ]に適する数または式を、解答用紙の同じ記号のついた[ ]の中に記入せよ。

(1) 1 枚の硬貨と、1 から 4 までの異なる番号をつけた 4 枚のカードに対して、「硬貨を投げ、裏が出れば 0 点を獲得する。表が出れば、4 枚のカードから無作為に 1 枚を取り出して、取り出したカードの番号と同じ点数を獲得する。取り出したカードはもとに戻す」という試行を 回繰り返す。この 回の試行で獲得した点数の合計が 2 以上の偶数になる確率を とおく。このとき、[ア]、[イ]であり、 で表すと [ウ][エ]となる。 の式で表すと、[オ]である。

(2) を虚数単位とする。複素数平面上の 3 点 を考える。点 D と点 E は、点 A を原点を中心として、それぞれ だけ回転した点とする。点 D を表す複素数の実部は[カ]、点 E を表す複素数の虚部は[キ]である。点 F は、点 C を点 B を中心として だけ回転し、点 B からの距離を 倍した点とする。点 F を表す複素数の実部は[ク]、虚部は[ケ]である。六角形 ABDFEC の面積は[コ]である。

【解答】

ア: イ: ウ: エ: オ:

カ: キ: ク: ケ: コ:
(公式解答と全 10 か所が一致)

〔Ⅰ〕(1)アイ  を直接求める

【問題(再掲)】

硬貨が裏なら 点、表なら引いたカードの番号()の点を得る試行を 回。合計が 2 以上の偶数になる確率を とする。[ア]と [イ]を求めよ。

【型】まず 1 回の得点分布を書き出し、「偶数か奇数か」に潰す

【なぜこうするか】
1 回の試行で得られる点数と確率は次のとおりです。裏(確率 )なら 点、表(確率 )ならカード 4 枚のどれかなので、 点がそれぞれ

得点
確率

聞かれているのは合計の偶奇だけなので、この表を偶奇に潰します。

偶数の点(): / 奇数の点():

ただし「2 以上の偶数」であって「偶数」ではありません も偶数なので、合計が の場合を必ず除く——ここが本問最大の落とし穴です。

解答。 のとき、合計が 2 以上の偶数になるのは 2 点か 4 点のとき。よって

のときは「合計が偶数」から「合計が 」を引きます。合計が偶数になるのは2 回とも偶数の点2 回とも奇数の点のときなので、その確率は

合計が になるのは 2 回とも裏のときで 。よって

検算(分数のままの全数分布)。1 回の得点分布を 回たたみ込み、合計 から までの確率をすべて既約分数で保持して足し上げました。

123456
(全数計算)

一致 ✓ 公式解答とも一致

【定石】問われているのが偶奇だけなら、得点分布を「偶/奇」の 2 値に潰す。5 通りの分岐が 2 通りになり、以降の計算が劇的に軽くなります。

【よくあるミス】 点も偶数だと忘れて と答えること。問題文の「2 以上の」は飾りではありません。逆に では「 点」を除くのを覚えていても、 で忘れる人が非常に多いです。

〔Ⅰ〕(1)ウエ  で表す

【問題(再掲)】

[ウ][エ]の形に表せ。

【型】 回終了時の状態を「2 以上の偶数」「奇数」「」の 3 つに分け、それぞれから 回目で成功する確率を掛ける

【なぜこうするか】
回終了時点の合計は、次の 3 つのいずれかです(排反かつ全体を尽くす)。

回後の状態確率次に何を引けば成功かその確率
2 以上の偶数偶数の点(
奇数奇数の点(
では駄目)

ここで下 2 行の確率が偶然どちらも で一致します。だから「奇数である確率」と「 である確率」を個別に求める必要がない——2 つ合わせて だと分かればよいのです。これが本問の急所です。

なぜ 2 行目が かも確認しておきます。合計が奇数なら少なくとも 1 点は取っているので 。そこに奇数の点( 以上)を足せば合計は 以上かつ偶数になり、条件を自動的に満たします。3 行目は合計が なので、 点を足しても のまま。 を引く必要があり、その確率は です。

解答。3 つの場合に分けて

(合計が奇数の確率)(合計が の確率)

後ろ 2 つの確率の和は だから

すなわち[ウ]、[エ]

検算。 を代入すると となり、(1)アイ で直接求めた値と一致 ✓ さらに全数計算の から まで 7 か所すべてでこの漸化式が成り立つことを確認しました ✓

【定石】場合分けの先で係数が一致したら、まとめて にする。漸化式を作るとき「他の状態の確率も全部求めなきゃ」と身構えがちですが、係数が揃っていれば余事象一発で済みます。

【よくあるミス】合計 の状態から「偶数の点を足せばよい」として を掛けること。 は「2 以上」を満たしません。ここを間違えると の形が崩れます。

〔Ⅰ〕(1)オ 一般項

【問題(再掲)】

の式で表せ([オ])。

【型】 は不動点 を引いて等比数列に

【なぜこうするか】
を解くと 。漸化式から辺々引くと

つまり 公比 の等比数列。初項は です。

解答。

通分すれば とも書けます。

検算(全数分布との照合)。

12345678
全数計算

8 か所すべて一致 ✓ 極限も となり、「試行回数が増えれば合計が の可能性は消え、偶数か奇数かはほぼ半々」という直観と合います ✓

【定石】)は不動点を引く。答えの形が でも でも でも同じですが、 を代入して に戻るかを必ず確認しましょう。

【よくあるミス】初項を と勘違いして指数が 1 つずれること。この問題では しか定義されていないので、 を初項として扱うのが安全です。

〔Ⅰ〕(2)カキ 原点を中心とする回転

【問題(再掲)】

。点 D、E は A を原点を中心にそれぞれ 回転した点。D の実部[カ]と E の虚部[キ]を求めよ。

【型】原点中心の 回転は を掛けるだけ

【なぜこうするか】
複素数の掛け算は「絶対値は掛け算、偏角は足し算」。 なので、これを掛ける操作は大きさを変えずに偏角だけ 増やす、すなわち原点中心の回転そのものです。あとは に注意して展開するだけ。

解答。 だから

同様に だから

よって[カ]、[キ]

検算。回転は大きさを変えないので、D も E も原点からの距離は のはず。実際 ✓ さらに A、D、E は原点中心の半径 2 の円周上を ずつ並ぶので は正三角形になり、 上の 2 点の距離)と、正三角形の 1 辺 が一致します ✓ 数値計算とも一致 ✓

【定石】回転は複素数倍。検算には「絶対値が保たれる」を使うのが最速です。 回転が出てきたら正三角形を疑いましょう。

【よくあるミス】 の符号ミス。純虚数に回転因子を掛けるときは、 で実部と虚部が入れ替わることを意識してください。

〔Ⅰ〕(2)クケ 点 B を中心とする回転+拡大

【問題(再掲)】

。点 F は C を点 B を中心に 回転し、B からの距離を 倍した点。F の実部[ク]と虚部[ケ]を求めよ。

【型】中心が原点でない回転は「 して回して 」。拡大は正の実数倍

【なぜこうするか】
を中心とする回転・拡大は、いったん を原点に移してから行います。倍率 、回転角 なら

本問では 実数 2 になるのが嬉しいところ。虚部が消えるので計算が一気に軽くなります。

解答。。倍率は だから

したがって

実部と虚部をまとめると

実部: / 虚部:

よって[ク]、[ケ]

検算。作り方から のはず。実際

一方 なので一致 ✓ 数値計算でも となり と一致 ✓

【定石】「点 を中心に 回転して 倍」= 。回転と拡大は 1 つの複素数 にまとめられます。

【よくあるミス】反時計回りに取ること(負の角は時計回り)。また最後に を足し戻すのを忘れる人も多いです。

〔Ⅰ〕(2)コ 六角形 ABDFEC の面積

【問題(再掲)】

六角形 ABDFEC の面積[コ]を求めよ。

【型】座標を並べて図を描き、 座標が揃っている点どうしを結ぶ水平線で切り分ける

【なぜこうするか】
まず 6 頂点の座標を書き出します。頂点を結ぶ順番は A→B→D→F→E→C(六角形 ABDFEC)であって、アルファベット順ではありません。

ABDFEC
座標

見ると B と C は 、D と E は と、 座標が 2 組そろっています。だから直線 BC と直線 DE で水平に切れば、三角形+台形+三角形の 3 つに分解できます。

x y A B C D E F 1 2+2√3 (3−√3)/2 −√3 √3

六角形 ABDFEC を、直線 BC()と直線 DE()で 3 つに切り分ける。

解答。3 つの部分の面積を順に求めます。

部分底辺・高さ面積
底辺 、高さ
台形 BDEC上底 、下底 、高さ
底辺 、高さ

合計すると

よって[コ]

検算(シューレース公式)。6 頂点を A→B→D→F→E→C の順に並べ、 を計算すると 。一方 小数第 14 位まで一致 ✓ 公式解答とも一致

【定石】多角形の面積は「同じ (または )をもつ 2 点を結ぶ直線」で切るのが最短。切った先が台形になれば (上底+下底)(高さ)で即終わります。座標がすべて出ている場合はシューレース公式が検算に便利です。

【よくあるミス】頂点の順序を ABCDEF と読み違えること。六角形 ABDFEC は A→B→D→F→E→C の順に一周します。順序を取り違えると自己交差した図形になり、面積が合いません。もう 1 つは の高さ。F の 座標はなので、高さは と引き算の向きに注意します。

〔Ⅱ〕双曲線を自分自身に移す変換とペル型の数列

分野:2次曲線・整数・数学的帰納法 難易度:難 目標時間:30分

【問題】

条件 を満たす実数 に対して、 とする。次の問いに答えよ。

(1) 条件 を満たすすべての に対して、点 が双曲線 上にあるとき、定数 の値を求めよ。

(2) 条件 を満たすすべての に対して、2 つの等式 が同時に成り立つとき、定数 の値を求めよ。

(3) (2) の定数 を用いて、 を 2 つの式 で定める。 のとき、 の値を求めよ。

(4) (1) の双曲線 上にある任意の点 に対して、(3) の 2 つの式で定まる点 上にあることを示せ。

(5) で定められる数列 の各項が正の整数であることを示せ。

【解答】

(1) (すなわち

(2)

(3)

(4) より従う(本文で証明)

(5) をペアにして数学的帰納法(本文で証明)
(公式解答と全 5 問が一致)

〔Ⅱ〕(1) 双曲線 の決定

【問題(再掲)】

条件 を満たすすべての に対して 上にあるとき、 を求めよ。

【型】「すべての で成り立つ」= の恒等式。分母を払って係数比較

【なぜこうするか】
「すべての 」と書いてあるので、これは方程式ではなく恒等式です。両辺に を掛けて分母を払い、 の多項式として係数を比較します。
このとき、 の分子を先に因数分解しておくと計算量が半分になります。

こうしておけば の分子は で、係数 を外に出したまま扱えます。

解答。 の両辺に を掛けて

それぞれ展開すると

係数を比較して

次数条件整理すると
と同じ
と同じ

に入れると の条件も で満たされます。よって

x y t=0 (−1,2) t=1 t=3 t→±∞ で (1,−2) y=√5 x y=−√5 x

双曲線 と、パラメータ が動くときの点

検算。具体的な を入れて を計算します。

数式処理でも恒等式の係数から が一意に定まることを確認しました ✓ 公式解答と一致

【定石】「すべての で成立」は恒等式 → 分母を払って係数比較。値を 2 つ代入して連立するのは必要条件で絞るやり方で、その後「本当に恒等式になるか」の確認が必須です(本問なら の係数で検証)。

【よくあるミス】 を因数分解せずに をそのまま展開して計算量を 4 倍にすること。共通因数 は先に外へ

〔Ⅱ〕(2)  が誘導する 1 次変換

【問題(再掲)】

すべての に対して かつ が成り立つとき、 を求めよ。

【型】分母 は偶関数なので で変わらない。分子だけを比べればよい

【なぜこうするか】
の分母は 同じ。だから両辺に を掛ければ、比べるのは分子の 2 次式どうしだけで済みます。

解答。まず を求めます。両辺に を掛けて

右辺を整理すると だから

第 1 式と第 3 式は同じ。第 1 式より 、これを第 2 式 に入れて 。同様に

より となり 。よって

検算。 を入れると 。一方 一致 ✓ また 一致 ✓ 数式処理による係数決定とも一致 ✓ 公式解答とも一致

【定石】偶関数・奇関数の性質で「変わらない部分」を先に見抜く。分母が偶関数なら の比較は分子だけ。
なお得られた 4 数を並べた 行列式が 。この「」が (4) (5) の伏線です。

【よくあるミス】マイナスを付け忘れること。 なので、符号を反転させて です。

〔Ⅱ〕(3)  の像

【問題(再掲)】

とする。 のときの を求めよ。

【型】代入するだけ。ただし出た値が 上に乗るかを必ず確かめる

【なぜこうするか】
ここは計算問題ですが、 がわざわざ選ばれていることに気づけるかが大事です。 なので、 はちょうど 上の格子点。この後の (4) (5) で「 上の整数点から整数点が次々作られる」という話につながります。

解答。 だから

検算。 ✓ もとの点も なので、 上の点が 上の点に移っていることが具体的に確認できます。もう 1 回変換すると で、 ✓ 公式解答とも一致

【定石】誘導問題の具体値は「次で示す一般論の実例」。値が出たら必ず条件式に代入して、意味を確認しておきましょう。

〔Ⅱ〕(4) 変換が を保つことの証明

【問題(再掲)】

上の任意の点 に対し、 上にあることを示せ。

【型】 を展開し、 の項が消えることを見る

【なぜこうするか】
示すべきは 。仮定は だけなので、 を展開して にそっくり戻ればよいのです。展開すると の項が で打ち消し合う——ここが仕掛けの中心です。

解答。 上なので 。このとき

よって 上にある。(証明終)

検算。数式処理で を展開させると、 を文字のまま が返りました ✓  と 3 回追跡しても、いずれも

【定石】「変換で不変な量」を見つけるのが 2 次曲線の変換問題の核心 がこの 1 次変換の不変量になっているので、 全体が 全体に移ります。
本質的には と因数分解でき、 の掛け算に対応しています()。

〔Ⅱ〕(5)  を含む漸化式が整数列になる証明

【問題(再掲)】

の各項が正の整数であることを示せ。

【型】 の中身に名前をつけて、2 本立ての漸化式にする(ペアで帰納法)

【なぜこうするか】
が邪魔なので、これを と名づけます。

つまり は双曲線 。しかも与えられた漸化式は 、これは (3) の そのものです。
そこで相棒の数列 を自分で用意してやると、(4) より 上、すなわち なので となり、定義と矛盾なくつながるのです。あとは がともに正の整数であることを帰納法で言えば終わりです。

解答。 とおくと、与えられた漸化式は

さらに と定める(これが と一致することを以下で確かめる)。 がともに正の整数である」 についての数学的帰納法で示す。

[1] のとき。。ともに正の整数。

[2] で成り立つと仮定する。 は正の整数で 、つまり 上の点。よって (4) より

で定まる点 上にあり、。また が正の整数なので 正の整数。さらに だから

となり、 の定義( は非負)と整合する。したがって でも成り立つ。

[1][2] より、すべての正の整数 は正の整数。とくに数列 の各項は正の整数である。(証明終)

検算(第 7 項まで)。漸化式を実際に回すと

1234567

すべて整数になっています ✓ さらに 3 項間漸化式 も満たします( ✓)。これは の 2 解であることの帰結で、 がまったく現れない形なので「整数性」の別証明にもなります ✓

【定石】 つきの漸化式は「相棒の数列」を作る の中身に名前をつけ、 のペアで漸化式を閉じさせるのが常道です。
本問の ペル方程式の仲間で、解が 1 つ見つかれば無限個作れます。 に急速に近づきます。

【よくあるミス】同じものだと確認せずに話を進めること。 を満たす の 2 つあるので、 の断りが必要です。

〔Ⅲ〕正四面体型の四面体と 2 辺を結ぶ最短線分

分野:空間ベクトル 難易度:標準〜やや難 目標時間:25分

【問題】

座標空間内の四面体 OABC は、 を満たしている。この四面体に対して、辺 OA 上の点と辺 BC 上の点を結ぶ線分の長さを とする。2 点がそれぞれ辺 OA、辺 BC 上全体を動いたとき、 を最小にする辺 OA 上の点を P、辺 BC 上の点を Q とする。次の問いに答えよ。

(1) を用いて表せ。

(2) かつ を満たす実数 を求めよ。

(3) 3 点 R、S、T がそれぞれ線分 PQ、辺 OB、辺 OC 上の点全体を動いたとき、 の最小値を求めよ。また、そのときの を用いて表せ。

【解答】

(1) (このとき

(2)

(3) 最小値
(公式解答と全 3 問が一致)

〔Ⅲ〕(1) 最短になる点 P、Q

【問題(再掲)】

辺 OA 上の点と辺 BC 上の点を結ぶ線分の長さ を最小にする点 P、Q について、 を求めよ。

【型】辺上の点は 1 文字でパラメータ表示し、 を 2 変数の 2 次式にして平方完成

【なぜこうするか】
とおくと、条件は次の内積表にまとまります。

辺 OA 上の点は 、辺 BC 上の点は と 1 文字ずつで表せます。あとは を展開して平方完成するだけ。
面白いのは の交差項が消えるところです。 なので、交差項は となり が消える——だから 独立に最小化できます。

解答。)とおくと

平方完成して

はどちらも定義域内にあり、 なので が最小のとき も最小。よって

すなわちQ は辺 BC の中点で、最小値は

O A B C P Q R S T L=√5/3

最短線分 PQ(赤)。P は OA を に内分し、Q は BC の中点。青は (3) の R、S、T。

検算(格子による実測)。コレスキー分解で条件 、内積すべて を満たす具体的な座標を作り、 をそれぞれ から まで 等分した約 400 万点の格子 を全走査しました。最小値 )、そのときの で、 と一致 ✓ 公式解答とも一致

【定石】「2 辺の上を動く 2 点の最短距離」は 2 変数 2 次式の最小問題。交差項が消えれば独立に平方完成できます。
消えなかった場合は片方の文字について先に平方完成(本問の (3) がその形)。

【よくあるミス】平方完成後に定義域 の確認を省くこと。今回は頂点が内部にあるので問題ありませんが、端点が答えになる問題も多くあります。

〔Ⅲ〕(2)  の両方に垂直なベクトル

【問題(再掲)】

にも にも垂直となる を求めよ。

【型】内積表さえ作ってあれば、あとは展開して連立するだけ

【なぜこうするか】
(1) より

これと の内積を先に計算しておくと見通しが立ちます。

——これは「P で最短になっている」ことの言い換えで、当然の結果です。一方

は対称なので も同じ。

解答。 とおくと、上の計算から

これが より 。次に

を代入して 、すなわち

検算。コレスキー分解で作った具体座標に を代入すると、(丸め誤差の範囲でゼロ)✓ 公式解答とも一致

【定石】空間ベクトルの問題は、まず内積表を書く のように途中でゼロが出ると一気に軽くなります。「最短の線分は両方の辺に垂直」という幾何的意味も押さえておきましょう。

【よくあるミス】 を計算するときに ではない)を取り違えること。同じベクトルどうしの内積だけ です。

〔Ⅲ〕(3)  の最小値

【問題(再掲)】

R は線分 PQ 上、S は辺 OB 上、T は辺 OC 上を動く。 の最小値と、そのときの を求めよ。

【型】対称性で片方に帰着 → 2 変数 2 次式を「交差項を含む文字」から平方完成

【なぜこうするか】
Q は辺 BC の中点なので、 の式で の係数は必ず等しくなります。つまり を入れ替えても状況が変わらない。したがって の式で を入れ替えただけで、最小値も同じ
しかも S と T は独立に動かせるので、 の最小値を求めて 2 倍すれば答えです(同じ R で両方が最小になることも、対称性から保証されます)。計算量が半分になるのがこの見抜きの価値です。

解答。)、)とおくと

よって となり、内積表を使って展開すると

交差項をもつ から平方完成します。

の範囲に は含まれるので、 の最小値は 。対称性より も同じ で最小値 を取るので

の最小値は

このとき だから 。よって

検算(走査による実測と記号計算)。 から まで 等分し、各 について S、T を最適に取った値 を実測すると、最小値 )、そのとき ✓ 得られた を基底 で解き直すと係数は で、上の答えと一致 ✓ さらに記号計算で を展開させると が返り、平方完成形との差が厳密に ✓ 公式解答とも一致

【定石】2 変数 2 次式は「交差項を含む文字」から先に平方完成する。ここでは の形にまとめると、残りが だけの 2 次式になります。
また対称性は最強の計算削減。「Q が中点だから は対等」と一言添えれば、 の計算は不要です。

【よくあるミス】R が線分 PQ 上に限られていることを忘れ、空間全体で最小化してしまうこと。また S と T が独立に動けることを見落として、S と T を連動させてしまうミスもあります。

〔Ⅳ〕半角の 置換と周期関数の積分(ポアソン核)

分野:微分積分(置換積分・周期関数) 難易度:難 目標時間:30分

【問題】

定数 とする。 を実数とし、関数 とする。次の問いに答えよ。

(1) とおいて、 の式で表す。この の式を とすると、 の関数 はある定数 を用いて、 と表せる。 の式で表せ。

(2) は連続で を周期とする周期関数とする。 を実数とするとき、等式 が成り立つことを示せ。

(3) のとき、実数 は (1) の を用いて を満たすとする。このとき、 で表した式を とし、式 の値を とする。 を求めよ。

(4) を実数とする。定積分 で表せ。ただし、必要ならば、(3) の に対して、等式 が成り立つことを証明なしで用いてよい。

【解答】

(1)

(2) 区間を分割し と置換して示す(本文で証明)

(3)

(4)
(公式解答と全 4 問が一致)

〔Ⅳ〕(1) 半角の 置換

【問題(再掲)】

とおくと と書ける。 で表せ。

【型】 なら 。代入して を通分する

【なぜこうするか】
半角の 置換の基本公式です。 について解けば

これを分母に入れて で通分すると、 に対応する 2 つの値 が分離して現れるのが美しいところ。実際

解答。上の変形より

分母を でくくると

したがって与えられた形と比べて

なので です。

検算。 の 9 通りで を計算したところ、小数第 10 位まですべて一致しました(例:)✓ 公式解答とも一致

【定石】 の 1 次式が分母にある積分は 置換 は置換後に になる、と覚えておくと速いです。

【よくあるミス】逆にすること。分母の の係数 でくくるので、残る定数項は です。

〔Ⅳ〕(2) 周期関数の 1 周期積分は始点に依らない

【問題(再掲)】

が連続で周期 のとき、 を示せ。

【型】区間を で切り、はみ出た部分を で先頭に戻す

【なぜこうするか】
の位置で 2 つに割ります。すると後半 は「1 周期ぶんずれた区間」なので、周期性で に戻せる。前半と合わせるとちょうど が復元されます。
図で言えば「はみ出た右端を切って左端に貼り直す」操作です。

解答。積分区間を分割すると

第 2 項で と置換する。 であり、 のとき は周期 だから

したがって

(証明終)

別解(微分する)。 とおくと、 は連続なので微分積分学の基本定理より

よって は定数関数で

検算。 について の 3 通りで数値積分すると、いずれも となり 一致 ✓  が負でも を超えても同じ値になることが確認できます ✓

【定石】周期関数の 1 周期ぶんの積分は、どこから始めても同じ。証明は「区間分割+周期ずらしの置換」か「」の 2 通り。後者は の連続性を使うので、仮定にきちんと触れましょう。

【よくあるミス】 を暗黙に仮定すること。上の式変形は がどんな実数でもそのまま通用します(区間の向きが逆になっても定積分の定義から成立)。

〔Ⅳ〕(3)  が定数になる

【問題(再掲)】

のとき、 で表した について を求めよ。

【型】 に代入。 を両辺 で微分して出す

【なぜこうするか】
まず を (1) の式に入れると、分母の と分子の から が 1 つずつ約分されます。

次に を微分してもよいのですが、 の両辺をそのまま で微分するほうが速いです。

この 2 つを掛けると、きれいに全部打ち消し合って定数になるのです。

解答。

ここで なので 。また より 。よって

したがって にも にも依らない定数)。

−π 0 π 0 a=0.8 a=0.5 f(θ)

の範囲でつねに正で、 に近づくほど で鋭くとがる。どちらも

検算。 について を数値計算すると、いずれも 。一方 小数第 12 位まで一致 ✓ さらに を数値積分すると 3 通りの すべてで となり、一致 ✓ 公式解答とも一致

【定石】 が定数 = 置換後の積分が「 について一様」になるということ。だから

つまり 上の確率密度関数。この ポアソン核と呼ばれる有名な関数で、 で 1 点に集中していきます(上図で のとがり方に注目)。

【よくあるミス】 を求めるのに を無理に微分して形が崩れること。陰関数のまま両辺微分が最短です。

〔Ⅳ〕(4) 定積分

【問題(再掲)】

で表せ。 は証明なしで用いてよい)

【型】 で平行移動 →(2) で区間を に戻す → 加法定理で分解

【なぜこうするか】
が邪魔なので、 とおいて の引数を素直にします。すると となり、加法定理で に分解できます。
このとき積分区間は になりますが、被積分関数は連続で周期 なので、(2) を使って に戻せる——これが (2) を先に証明させた理由です。
残るのは 2 つの積分。分子が分母の微分の定数倍なので対数の形で消え、 を分母の形で書き直すのが定石です。

こう書けば が「 の定数倍」と「ただの定数」の和になり、与えられた だけで計算が終わります

解答。 とおくと のとき だから

は連続で周期 の関数だから、(2) より積分区間を に取り替えられる。加法定理で展開して

第 2 項。分母 の微分が なので

で中身が等しいため。)

第 1 項。 と書き直すと

(3) と (2) より だから

以上より

検算(9 通りの数値積分)。 の全 9 組で左辺を数値積分し、 と比べました。

数値積分

9 組すべてで小数第 10 位まで一致 ✓ 公式解答とも一致

【定石】分子を分母の形で書き直す——これは分数関数の積分の最重要テクニックです。 型は、まず として「定数」+「もとの積分の定数倍」に分けます。
また分母を と書いたときの の形を見抜けば、 の側は計算せずに と分かります。

【よくあるミス】置換後の区間 のまま計算しようとして詰まること。(2) はここで使うための道具です。もう 1 つは に (3) の値 を代入し忘れて、答えに が残ってしまうミスです。

この冊子で身につけたい「型」一覧
  • 偶奇だけが問われる確率は、得点分布を「偶/奇」の 2 値に潰す
  • 「2 以上の偶数」は「偶数」から「合計 」を除いたもの も偶数)
  • 場合分けの先で係数が一致したら、まとめて にする
  • は不動点 を引いて等比数列
  • 原点中心の回転は 倍/点 中心なら
  • 回転の検算は「絶対値が保たれる」 回転なら正三角形を疑う
  • 多角形の面積は 座標が等しい 2 点を結ぶ直線で切る(三角形+台形に分解)
  • 「すべての で成立」は恒等式 → 分母を払って係数比較
  • 共通因数は先に外へ出してから展開する(計算量が 4 分の 1 に)
  • 分母が偶関数なら の比較は分子だけでよい
  • 1 次変換で保たれる量(不変量)を見つけるのが 2 次曲線の変換問題の核心
  • つきの漸化式は「相棒の数列」を作ってペアで帰納法
  • 空間ベクトルはまず内積表を書く/同じベクトルどうしの内積だけ
  • 2 辺上を動く 2 点の最短距離は 2 変数 2 次式の平方完成(交差項が消えれば独立に最小化)
  • 2 変数 2 次式は「交差項を含む文字」から先に平方完成
  • 対称性を宣言すれば計算量が半分になる(中点なら が対等)
  • の 1 次式が分母なら 置換
  • 周期関数の 1 周期積分は始点に依らない(区間分割+周期ずらし、または
  • 分数関数の積分は「分子を分母の形で書き直す」
  • は分母)を見抜けば計算せずに と分かる

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※ 問題文は同志社大学が公表した2022年度入学試験問題(文系選択科目としての数学)を、解説のために引用したものです。解答・解説はオンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したもので、大学が公表した公式解答そのものではありません。作成にあたっては大学公表の解答と全13問を突き合わせて一致を確認し、さらに〔Ⅰ〕(1) は4 桁の整数 720 通りをすべて列挙して条件判定、〔Ⅰ〕(2) は境界付近の数値評価、〔Ⅰ〕(3)(4) は数式処理による定積分、〔Ⅱ〕は与えられた条件から第 8 項まで分数のまま逐次計算、〔Ⅲ〕は5 通りの について 3 次方程式の実数解を数式処理で厳密に求めて本数を確認することで独立に検算しています。

2022年度 同志社大学 数学(文系選択科目・この冊子)の傾向
  • 大問3題。〔Ⅰ〕が空所補充(10 か所)、〔Ⅱ〕〔Ⅲ〕が記述式。設問数は全部で13で、理系冊子に比べると分量は穏やかですが、1 問あたりの精度が問われる構成です。
  • 分野は場合の数/対数不等式/放物線と直線の面積/積分方程式/和 と一般項の関係/3 次曲線の接線の本数。文系数学の頻出テーマがほぼ一巡します。
  • 最大の山場は〔Ⅰ〕(1)イ「隣り合う位の数の和が 3 とならない」。和が になる数字の組は 2 種類だけと見抜き、余事象+包除原理で処理します。ここだけで 10 分は覚悟したい問題です。
  • 〔Ⅱ〕は の関係式。「 を 1 つずらして差を取る」という定番手順ですが、ずらせるのは からなので を別に確かめる必要があります。
  • 〔Ⅲ〕は「接線がちょうど 2 本/3 本」。3 次関数では接点と接線が 1 対 1に対応するので、 の 3 次方程式の実数解の個数を数えれば済みます。(3) の 解と係数の関係と組み合わせるのが最短です。
  • 時間配分の目安は〔Ⅰ〕30 分、〔Ⅱ〕20 分、〔Ⅲ〕25 分。〔Ⅰ〕のア・ウ・エ・オ・カ・キ・ク・ケ・コと〔Ⅱ〕を確実に取るだけで合格圏に届きます。イと〔Ⅲ〕(3) は最後に回すのが賢明です。

〔Ⅰ〕場合の数・対数不等式・放物線と直線・積分方程式

分野:場合の数/対数/図形と方程式・積分 難易度:標準〜やや難 目標時間:30分

【問題】

次の[ ]に適する数または式を、解答用紙の同じ記号の付いた[ ]の中に記入せよ。

(1) 7 個の数字 を重複なく使って 4 桁の整数をつくる。千の位の数と百の位の数の和が となる整数は[ア]通りある。隣り合う位の数の和が とならない整数は[イ]通りある。また、 の倍数となる整数は[ウ]通りある。

(2) の真数条件が同時に成り立つ の範囲は[エ]である。また、不等式 を満たす の範囲は[オ]である。

(3) O を原点とする座標平面上で、2 点 を通る直線 の方程式は [カ]である。 と放物線 との交点を P、Q とおく。ただし、P の 座標は Q の 座標より小さいとする。このとき、 の面積は[キ]であり、 で囲まれた部分の面積は[ク]である。

(4) 関数 は、 を満たすとする。このとき、 とおくと、 の値が [ケ]と求まり、 も求まる。また、この を用いた定積分 の値は、[コ]と求まる。

【解答】

ア: イ: ウ:

エ: オ:

カ: キ: ク:

ケ: コ:
(公式解答と全 10 か所が一致)

〔Ⅰ〕(1)ア 千の位と百の位の和が

【問題(再掲)】

から までの 7 個の数字を重複なく使って 4 桁の整数をつくる。千の位と百の位の数の和が となる整数は何通りか([ア])。

【型】条件のついた位を先に確定させ、残りは「残った数字の順列」で数える

【なぜこうするか】
まず全体の個数を押さえておきます。千の位は 以外の 6 通り、以下は残りから選ぶので 通り。
さて、和が になる 2 つの数字の組は、 から の相異なる数字では の 2 種類しかありません 以外に を作る方法はなく、 も同様)。これを最初に確定させるのが本問全体(イも含めて)の急所です。

解答。千の位と百の位に入る数字を並べる方法は、組 から 、組 から の 4 通り。このうち千の位が になる は不適なので3 通り
残る十の位と一の位には、使っていない 5 個の数字から 2 個を選んで並べるので 通り。よって

[ア]

検算(全数列挙)。 から の 7 個から 4 個を選ぶ順列のうち先頭が でないものをすべて列挙すると 通りで、上の 一致 ✓ そのうち千の位と百の位の和が のものを数えると 通りで一致 ✓ 公式解答とも一致

【定石】「和がいくつ」という条件は、まず該当する数字の組をすべて書き出す。組が少なければ、あとは順序と残りの順列を掛けるだけです。先頭が にならないという制約は必ず最初に処理しましょう。

【よくあるミス】 を除き忘れて としてしまうこと。4 桁の整数なので千の位は 以外です。

〔Ⅰ〕(1)イ 隣り合う位の数の和が とならない

【問題(再掲)】

隣り合う位の数の和が とならない整数は何通りか([イ])。

【型】「ならない」は余事象。「隣り合う 3 か所のどこかで和が 」を包除原理で数える

【なぜこうするか】
「どの隣接ペアも和が でない」を直接数えるのは大変です。そこで余事象——「少なくとも 1 か所で和が 」を数えて から引きます。
隣り合う位は(千,百)(百,十)(十,一)の 3 か所。それぞれで「和が 」となる事象を とおいて包除原理を使います。
ここで効いてくるのが「和が の組は の 2 つだけ、しかも互いに共通の数字をもたない」という事実です。

解答。まず個々の を求めます。

事象数え方個数
(千,百)ア と同じ。
(百,十) を使う 2 通り → 残り 5 個に がなく を使う 2 通り → 残りに があり千の位は 通りで
(十,一) とまったく同じ計算

次に重なりです。

は空。たとえば(千,百)と(百,十)の両方で和が なら、百の位を共有する 3 つの数字がすべて同じ組に属することになります。しかし各組は 個の数字しかもたないので、相異なる 3 数は取れません。よって 通り。

通り。(千,百)と(十,一)は数字を共有しないので、一方が 、他方が となります。

前が 千の位が は不可なので 通り 後ろ 通り
前が 通り 後ろ 通り

4 つの位がすべて埋まるので、残りの選び方はありません。合計 通り。3 つすべての共通部分も空です。よって

求める個数は

[イ]

検算(全数列挙)。 通りをすべて調べ、3 か所の隣接ペアのいずれかで和が になるものを数えると 通り、ならないものは 通り。包除原理の結果と完全に一致しました ✓ 公式解答とも一致

【定石】「〜でない」は余事象、「〜が少なくとも 1 か所」は包除原理。隣接条件は重なりが端どうし()しか生き残らないことが多く、そこだけ丁寧に数えれば終わります。

【よくあるミス】 と同じ 通りとしてしまうこと。千の位に が来ない制約の効き方が違うので、 通りです。もう 1 つは を確かめずに と決めつけること。理由(同じ組から 3 つの相異なる数字は取れない)を書きましょう。

〔Ⅰ〕(1)ウ  の倍数

【問題(再掲)】

の倍数となる整数は何通りか([ウ])。

【型】 の倍数の判定は下 2 桁。下 2 桁の候補を全部書き出してから、上 2 桁を数える

【なぜこうするか】
の倍数かどうかは下 2 桁だけで決まります の倍数だから)。だから十の位を 、一の位を として の倍数になる組を列挙します。
計算を軽くするには を使うのが手早いです。 から まで動かし、条件を満たす と異なるもの)を拾います。
十の位は でもよい(たとえば )ことに注意してください。

解答。下 2 桁の候補は次の 12 通りです。

十の位
下 2 桁

このうち を含むのは の 4 通り。このときは残り 5 個の数字に がないので、千の位・百の位は 通り。
残りの8 通り(では残り 5 個に が含まれるので、千の位は を除く 通り、百の位は 通りで 通り。よって

[ウ]

検算(全数列挙)。 通りのうち下 2 桁が の倍数のものを数えると 通り ✓ 下 2 桁の候補も列挙で 12 通りと一致 ✓ 公式解答とも一致

【定石】倍数条件は「どの桁で決まるか」を先に確定 の倍数は一の位、 の倍数は下 2 桁、 の倍数は下 3 桁、 の倍数は各位の和、 の倍数は一の位です。
下 2 桁を場合分けするときは を使ったか使わなかったか」で残りの数え方が変わるので、そこで分類するのが定石です。

【よくあるミス】十の位に が入る を候補から外してしまうこと。 が禁止なのは千の位だけです。逆に のように同じ数字を 2 回使うものを入れてしまうミスもあります(重複なしの条件)。

〔Ⅰ〕(2)エオ 対数の真数条件と不等式

【問題(再掲)】

の真数条件[エ]と、 の解[オ]を求めよ。

【型】真数条件を先に確定 → 対数を 1 つにまとめて指数の形へ → 最後に真数条件との共通部分

【なぜこうするか】
対数不等式の失点の 9 割は真数条件の扱いです。だから先に を確定させ、「最後に必ず共通部分を取る」と決めておきます。
でまとめ、右辺の と見れば、底 で対数は単調増加なので真数どうしの不等式に直せます。

解答。真数条件は かつ 、すなわち

(これが[エ])

この範囲で不等式を変形します。 だから

底が より

の解は なので または 。真数条件 との共通部分を取ります。 を満たさず、 なので

(これが[オ])

検算(境界の数値評価)。 の前後で左辺を計算すると

××

境界が のあいだにあり、一致 ✓ 公式解答とも一致

【定石】対数方程式・不等式は「真数条件 → 変形 → 共通部分」の 3 段階を機械的に。
のように の係数が偶数のときは を使って とするのが速いです。

【よくあるミス】真数条件を忘れて も答えに含めてしまうこと。この範囲では がそもそも定義されません。また と勘違いして としてしまうミスも頻出です。

〔Ⅰ〕(3)カ 直線 の方程式

【問題(再掲)】

2 点 を通る直線 の方程式を求めよ([カ])。

【型】傾きを先に計算し、通る 1 点で

【なぜこうするか】
2 点を通る直線は、まず傾き を出してしまうのが最短です。 とおいて連立するより計算量が少なくて済みます。

解答。傾きは

を通るので

[カ]

検算。もう一方の点 を代入すると ✓ 傾きの計算も で確認しました ✓ 公式解答とも一致

【定石】直線の式が出たら「使わなかった方の点」を代入して検算。1 秒で済み、符号ミスをほぼ確実に潰せます。

〔Ⅰ〕(3)キク  の面積と囲まれた面積

【問題(再掲)】

の交点を P、Q(P の 座標が小さい)とする。 の面積[キ]と、 で囲まれた部分の面積[ク]を求めよ。

【型】原点を頂点とする三角形は 、放物線と直線で囲む面積は 公式

【なぜこうするか】
まず交点を出します。 より 、つまり 。よって
三角形の面積は原点が頂点なので、公式 を使えば底辺も高さも求めずに済みます。
囲まれた面積は 公式——放物線 と直線が で交わるとき、囲む面積は 。ここでは です。

解答。 より

囲まれた部分の面積は 公式より

[キ]、[ク]

x y O P Q A B C: y=x² l: y=2x+8

放物線 と直線 。淡い青が囲まれた部分(面積 )、赤線が (面積 )。

検算(積分と別解)。囲まれた面積を定積分で直接計算すると

公式の値と一致 ✓ 三角形も別解で確認します。、原点と直線 の距離は なので ✓ 公式解答とも一致

【定石】原点を 1 頂点とする三角形は ——底辺と高さを求める必要がありません。
放物線と直線で囲む面積は 。交点の 座標の差さえ分かれば、 座標は不要です。

【よくあるミス】 公式で と書くこと(3 乗です)。また の係数 を掛け忘れるミスも多いので、 などの場合は要注意です。

〔Ⅰ〕(4)ケコ 積分方程式と定積分

【問題(再掲)】

の値[ケ]と、 の値[コ]を求めよ。

【型】定数の定積分は文字でおく。 の式に戻して代入し、その文字の方程式を作る

【なぜこうするか】
積分区間が数字で固定されているので、ただの定数です。これを とおけば となり、 の形が決まります。
あとは の定義式に を代入すれば、 についての 1 次方程式が立ちます。これが積分方程式の唯一の型です。

解答。 だから

では 。)これを解いて 、すなわち

[ケ]、このとき

次に 偶関数なので

[コ]

x y −2 2 −3 3 −2 面積 4 0.5 0.5

のグラフ。赤い部分( 軸の下・面積 )が負、緑の 2 つ(合わせて面積 )が正で、

検算(面積による確認と記号計算)。グラフから直接読むと、 では でこの部分は底辺 ・高さ の三角形なので面積 では で底辺 ・高さ の三角形が 2 つ、合わせて面積 。よって となり一致 ✓ 数式処理でも ✓ 公式解答とも一致

【定石】積分区間が定数の定積分は「ただの数」。文字でおいて方程式を立てる。上端に が入っているタイプ()は両辺を微分——この 2 つを使い分けます。
偶関数なら 、奇関数なら というのも必ず使いましょう。

【よくあるミス】 の方程式で としてしまうこと(正しくは、区間の長さを掛けます)。また を「面積」と思って絶対値を付け、 と答えてしまうミス。定積分は符号つきです。

〔Ⅱ〕和 と一般項 の関係式

分野:数列 難易度:標準 目標時間:20分

【問題】

数列 の初項から第 項までの和を とおくとき、数列 は条件

を満たす。このとき、次の問いに答えよ。

(1) を用いて表すことで の漸化式を求めよ。

(2) 数列 で定める。このとき、 の一般項を求めよ。

(3) の一般項を求めよ。また、 の一般項を求めよ。

【解答】

(1)

(2)

(3)
(公式解答と全 3 問が一致)

〔Ⅱ〕(1)  を消去して漸化式にする

【問題(再掲)】

で表せ。

【型】 について解いた式を の 2 通り作り、差を取って を消す

【なぜこうするか】
与えられた条件には が入っていて、このままでは だけの漸化式になりません。そこで について解く

①の に置き換えれば で書けます。あとは という定義そのものを使えば、 が消えて だけの関係式になります。
ただし①で に置き換えるには 、つまり が必要 は別に確かめます。

解答。与式より①が成り立つ()。①の を代入して

に①②を代入すると

両辺を で割って( より

の確認。与式から 。一方、上の式に を入れると 一致。よって

検算。与えられた条件()だけを使って第 8 項まで分数のまま計算すると

12345678

この数列が から まですべて満たすことを確認しました ✓ 公式解答とも一致

【定石】 が混じった条件式は「 をずらして差を取る」 を使えば必ず が消えます。
このときずらせる範囲( など)を必ず明記し、外れる は直接代入して確認する——これを書き忘れると減点対象です。

【よくあるミス】 の断りなく①の にすること( だと が現れて意味を失います)。また の通分ミスも頻出です。

〔Ⅱ〕(2)  の一般項

【問題(再掲)】

と定める。 の一般項を求めよ。

【型】置き換えの式が与えられたら、漸化式を「その形になるように」割る

【なぜこうするか】
にしたいので、(1) の漸化式の両辺を で割ります

右辺の は、 の定義で にしたものそのもの(分母が )。つまり という単純な等比の漸化式に化けます。「係数 依存部分がきれいに消える」ように が設計されているわけです。

解答。(1) の漸化式の両辺を で割ると

初項は 。よって は初項 、公比 の等比数列で

検算。先ほどの表の から を計算すると

12345678

きれいに になっており一致 ✓ 公式解答とも一致

【定石】 の形は で等比になる。本問は です。
置き換えが問題文で与えられているときは、「その形が出るように割る(または掛ける)」だけで必ず解けます。

【よくあるミス】 と書いてしまうこと。定義は なので、 の分母は です。

〔Ⅱ〕(3)  の一般項

【問題(再掲)】

の一般項と の一般項を求めよ。

【型】 を戻すだけ。 は①をそのまま使うのが最短

【なぜこうするか】
は定義の裏返しなので即座に出ます。
は「 を計算する」と考えると面倒ですが、(1) で作った①を使えば一発です。

この右辺に を入れると が約分され、。つまり添え字を 1 つ戻すだけ が読み取れます。

解答。(2) より だから

次に 。①に を代入すると、 のとき

ここで を改めて と書き直せば )。 のときも で正しい。よって

検算(2 通り)。まず先ほどの表と比べると、 も同じ値。すべて一致
さらに和を直接計算しても確認できます。 だから

一致 ✓ 公式解答とも一致

【定石】 を聞かれたら、まず「もとの関係式に を代入できないか」を疑う を計算するより圧倒的に速いことがよくあります。
型(等差×等比)は を作るのが基本ですが、本問では不要です。

【よくあるミス】 から に直すとき、指数の を書き換え忘れること( は誤り)。 の置き換えはすべての に対して行います。

〔Ⅲ〕3 次曲線に引ける接線の本数

分野:微分(3次関数) 難易度:やや難 目標時間:25分

【問題】

正の実数 に対して とおき、座標平面上の曲線 とする。このとき、次の問いに答えよ。

(1) 上の点 における の接線の方程式を求めよ。

(2) 点 を通る の接線が、ちょうど 2 本であるとする。この条件を満たすような の値をすべて求めよ。

(3) 点 を通る の接線が、ちょうど 3 本であるとする。それらの 3 本の接線と との接点をそれぞれ とおく。ただし、 を満たすように を選ぶとする。さらに、 であるとする。これらの条件をすべて満たすような の値を求めよ。また、そのときの の値を求めよ。

【解答】

(1)

(2)

(3)
(公式解答と全 3 問が一致)

〔Ⅲ〕(1) 接線の方程式

【問題(再掲)】

上の点 における接線の方程式を求めよ。

【型】 に入れて整理する

【なぜこうするか】
接線の公式そのものですが、整理した形にしておくと (2)(3) が格段に楽になります。とくに定数項が というシンプルな形にまとまるのがポイント。ここを整理せずに進むと、以降の 3 次方程式が汚くなります。

解答。 だから、点 における接線は

よって

検算。数式処理で を展開させると が返り一致 ✓  を入れると となり、原点における接線(傾き )と合っています ✓ 公式解答とも一致

【定石】3 次関数の接線は のように「 の 3 次式の定数項」が残る形に整理する。この形にしておけば、通る点を代入したとき の 3 次方程式が直ちに得られます。

〔Ⅲ〕(2) 接線がちょうど 2 本になる

【問題(再掲)】

を通る の接線がちょうど 2 本となる )をすべて求めよ。

【型】「通る点を代入 → の 3 次方程式 → 実数解の個数」。3 次関数では接点と接線が 1 対 1

【なぜこうするか】
接線の本数を数えるとき、いきなり「本数」を考えるのではなく接点の を数えます。3 次関数では、1 本の直線が 2 か所で接することはできません(接する点があれば差が で割り切れ、3 次式では 2 重解を 2 組もてないため)。よって接点の個数=接線の本数です。
あとは の 3 次方程式の実数解の個数を、極大値・極小値の符号で判定します。「ちょうど 2 個」は極値のどちらかがちょうど のとき(重解+単解)です。

解答。接線が を通るので

とおくと なので、増減は次のとおり。

増加極大減少極小増加

極大値と極小値は

①の異なる実数解がちょうど 2 個になるのは、極大値または極小値が のときです。

条件もう一方の極値解の個数
2 個
2 個

どちらも を満たすので

検算(数式処理による解の個数)。いくつかの について①の実数解を厳密に求めました。

①の異なる実数解個数
1 個(無理数)1
2
3
2
1 個(無理数)1

2 個になるのは だけで一致 ✓  のときは が重解( が極小値)、 のときは が重解になっており、増減表の判定とも整合します ✓ 公式解答とも一致

【定石】「点 から 3 次曲線に引ける接線の本数」=「 の 3 次方程式の異なる実数解の個数」。判定は(極大値)×(極小値)の符号で

(極大値)×(極小値)
異なる実数解3 個2 個1 個

【よくあるミス】「接点の個数=接線の本数」の根拠を書かずに進むこと。3 次関数だから成り立つ性質で、たとえば 4 次関数では 2 か所で接する直線(複接線)が存在し得るため成り立ちません。

〔Ⅲ〕(3) 接線が 3 本で の中点

【問題(再掲)】

接線がちょうど 3 本で、接点の 座標 を満たすとする。 を求めよ。

【型】3 解の条件は「解と係数の関係」。中点条件は「和」の式と組み合わせる

【なぜこうするか】
まず 3 本になる条件は、(2) の増減表から(極大値) かつ(極小値)、すなわち かつ
次が本題です。 は① の 3 解なので、解と係数の関係が 3 本立ちます。

条件 と同値。これを第 1 式に入れると が即座に決まります。あとは第 2 式で 、第 3 式で が芋づる式に出ます。 を個別に求めなくても にたどり着けるのがこの解法の強みです。

解答。接線が 3 本である条件は、(2) の増減表より

かつ 、すなわち

このとき は①の 3 解だから、解と係数の関係より上の 3 式が成り立つ。 すなわち を第 1 式に代入すると

第 2 式は と書けるので

第 3 式に代入して

なので条件を満たす。 は和 、積 をもつので 2 次方程式

の 2 解。 より

x y (−1,3) α γ β C

のとき、点 から 3 本の接線が引ける。接点の 座標は で、真ん中がちょうど中点になっている。

検算(数式処理)。 として①を厳密に解くと、実数解は

のちょうど 3 個。中点条件も満たす ✓  も一致 ✓
別ルートでも確認しました。 を①に直接代入すると から となり、解と係数の関係を使った結果と一致 ✓ 公式解答とも一致

【定石】「3 解のあいだの関係」が条件なら解と係数の関係。とくに「等差」(=中点)の条件は 3 解の和と相性が抜群で、真ん中の解が (和)で一瞬で決まります。
本問では の係数が の係数が なので、和 、2 つずつの積の和 と数値が軽く、計算が短くて済みます。

【よくあるミス】(3 本である条件)の確認を省くこと。得られた 本当に 3 本の場合に属するかを最後に必ず書きます。また の指定を無視して と答えるミスも起こりがちです。

この冊子で身につけたい「型」一覧
  • 「和がいくつ」の条件は、該当する数字の組をまず全部書き出す(本問は の 2 つだけ)
  • 4 桁の整数は「先頭が でない」を最初に処理
  • 「〜でない」は余事象、「少なくとも 1 か所」は包除原理
  • 隣接条件の重なりは端どうしだけ生き残ることが多い
  • 倍数条件は「どの桁で決まるか」を確定 の倍数は下 2 桁)
  • 対数不等式は「真数条件 → 変形 → 共通部分」の 3 段階
  • のように定数を対数に直してから真数を比較する
  • 2 点を通る直線は傾きを先に出す/使わなかった点で検算
  • 原点を頂点とする三角形は
  • 放物線と直線で囲む面積は
  • 積分区間が定数の定積分は「ただの数」。文字でおいて方程式を立てる
  • 偶関数は /定積分は符号つきで面積ではない
  • が混じった条件式は「 をずらして差を取る」/ずらせる範囲を明記し外れる は直接確認
  • で等比になる
  • はもとの関係式に を代入するほうが より速いことがある
  • 3 次関数では接点と接線が 1 対 1(複接線が存在しない)
  • 接線の本数は「(極大値)×(極小値)」の符号で判定(負なら 3 本、 なら 2 本、正なら 1 本)
  • 3 解のあいだの関係が条件なら解と係数の関係/等差(中点)条件は和の式で真ん中が即決まる

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問題PDFをテキストでも確認

同志社大学 2022年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析

公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。

  • 整数
  • 微分・積分
  • 図形・三角関数
  • 確率・場合の数
  • 数列
  • 関数・グラフ
  • 複素数
  • 空間図形

この年度の出題範囲と傾向

2022年度の問題PDFでは、整数、微分・積分、図形・三角関数、確率・場合の数、数列に関する語句や設問を確認できました。同志社大学の公開PDFを年度横断で調べると、図形・三角関数は31年度、微分・積分は31年度、関数・グラフは31年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。

分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。

重点的に準備したい分野

  • 整数約数・余り・偶奇の条件を整理し、具体例から規則を予想した後に一般の場合を証明します。
  • 微分・積分増減・極値・接線・面積を別々に暗記せず、式の意味から途中式を説明できるようにします。計算時間も記録してください。
  • 図形・三角関数条件を図へ書き込み、相似・円・三角比・座標化のうち短く処理できる方針を選ぶ練習が有効です。
  • 確率・場合の数重複や数え漏れを防ぐため、標本空間と場合分けの基準を先に書いてから計算します。

問題文の文字起こし

問8画像OCR

検出分野: 図形・三角関数、確率・場合の数、関数・グラフ、複素数、整数

問題 1 ]の解答は解答用紙(一)の〔 ]の憶に記入。
問題LT]の解答は解答用紙(一)の(TL〕の欄に記入。
問題(ル〕の解答は解答用紙(一)の〔Tル]の欄に記入。
問題LIW]の解答は解答用紙(二)の[WV]〕の欄に記入。
(5) 問題紙の本文は 2ページである。
(6) 問題紙の余白は計算に使用してもよい。
(7) 問題紙を切り離して使用してはならない。
(8) 試験開始後, 問題紙に落丁損傷がないか確認すること。
(9) 試験終了後. 問題紙は各自持ち帰ること。

|

C1) 次の | ] に適する数または式を, 解答用紙の同じ記号のつい
た| ] の中に記入せよ.

(1) 1枚の硬貨と, 1から4までの異なる番号をつけた 4枚のカードに対
UC, WELLS, WAHUTO 点を獲得する. 表が出れば, 4枚の
カードから無作為に1 枚を取り出して, 取り出したカードの番号と
同じ点数を獲得する. 取り出したカードはもとに戻す」 という試行を
回繰り返す. このヵ回の試行で獲得した点数の合計が2 以上の偶数
になる確率を p。 EBS. このとき, =しアラ =
CHD, Patt をp。 で表すと Par =F | pn + とな
る. Pn をの式で表すと。p。 = である.

(2) ? を虚数単位とする. 複素数平面上の3点A(23), B(—1+i), C(1二9
CHAS. 点Dと点Bは, 点Aを原点を中心として, それぞれそィと
Sn だけ還転した点とする. RD を表す要数の実部は[カート
点E を表す複素数の虚部は [| キ |である. AF, 点Cを点B
を中心として一 だけ回転し。点おからの距離を JH 倍した
点とする. 点F を表す複素数の実部は | ク |,虚部は
CHS. 六角形 ABDFEC の面積は | コ |である.

CIT) 条件 Ns を満たす実数とに対して, 7() = as,
at) = Tes Mate EFS. 次の問いに答えよ。

(1) 条件 GH) を満たすすべての+に対して, 点 (/(1720, g(t) が双曲線
万: oz2一297ー 1 上にあるとき, ERa, の値を求めよ.

(2) 条件 *) を満たすすべての#に対して, 2 つの等式

f(-t) =af(t) +b9(t), —9(-t) = cf(t) +49)
が同時に成り立つとき, 定数o,ちcdの値を求めよ.

(3) (2) の定数 g, 6 eg を用いて, p,q! を 2つの式 p = apt ba,
の = ep十dg で定める. p=1, 9 2 のとき, pl, の値を求めよ.

(4) (1) の双曲線 HW ECS SALMO (p, g) に対して, (3) の 2つの式で
定まる点 (p,q) も戸上にあることを示せ.

(5) nm ニ1, tae =9m +47 572ー1 (z 1, 2, 3,...) で定めら
れる数列 7。) OS HDIED MCC HS TL EAE.

os ox
am

CH 〕 座標補間内の四面体 OABC は, [OA] = [Bl = IOG| = 1,
cos AOB = cos ZAOC = cosZBOO = 4 を満たしている. この四面
体に対して, WOA 上の点と辺 BC 上の点を結ぶ線分の長さをんとする.
2 点がそれぞれ辺 OA, 辺 BC 上の点全体を動いたとき, とを最小にする
辺 OA 上の点をP, WBC LORE Q とする. 次の問いに答えよ.
(1) 08, 06 をOA, OB, 0G を用いて表せ.
(2) (OA+20B+y0G)-PO =0 かつ (OK+2OB+yOC)-OB = 0
を満たす実数 。 を求めよ。
(3) 3点R。 8, がそれぞれ線分PQ, WOB, 辺 OO上の点全体を動い
HLS, ISRIP ITRI の最小値を求めよ、また, そのときの SR
TR を OA, OB, OG を用いて表せ.
CIV) 定数々は0 <c<1 とする. 9 を実数とし, 関数
6) = 1-a?
7の= Spa? —dac0s8)
とする. 次の問いに答えよ。
0 tmを (—1 <0 <7) とおいて, FO) をょの式で表す. こ
DtORe fit) とすると, 4の関数 Ait) はある定数ちを用いて,

Or と表せる. 5を。の式で表せ.
(2) (6) は連続で 2r を周期とする周期関数とする. cを実数とすると
2r c+2n
き, ext [ (0) 49 = / 9(0)d0 が成り立つととを示せ.
。 し
(3) -r <9 < のとき, 実数 ( - <* < ) BW の1を用い
て btanw = tan を満たすとする. このとき, げ(の) をvで表した
KE p とし。 式 Aw ote nese. んを求めま。
Qn
(4) r を実数とする- een / fOr) cos049 をるとヶの式で表せ.

ただし, BERS, (3) のぁに対して, at [ f(0)d0= ah が
成り立つことを証明なしで用いてよい. i
Bien


以下余白

原本の問題PDFを確認する

問9画像OCR

検出分野: 微分・積分、整数、数列、指数・対数、方程式・不等式

(1) 日本史、世界更、政洛・経済、数学から 1 科目を選択し解答する
こと。
(2) 解答用紙は各科目別になっている。
選択しない科目の解答用紙は、試験開始30分後に回収する。
なお、回収後は科日の変更はできない。
(3) 解答用紙には受験番号の記入欄がそれぞれ次のようにある。
日本更............ 3 か所
数 掌............表面に2 OH, BMI 1 か所、計3か所
各箇所とも正確、明腔に記入すること。
(4) 解答用紙には氏名の記入欄が 1 か所ある。 正確、明瞭に記入する
こと。
(5) 解答はすべて解答用紙の所定欄に記入すること。
(6) 題紙の余白は計算に使用してもよい。
(?) 問題紙を解体して使用してはならない。
(8) 試験開始後、問題紙に落丁・損傷がないか確認すること。
(9) 試験終了後、問題紙は各自持ち帰ること。

数 =

C1) 次の | ] に適する数または式を, 解答用紙の同じ記号の付い

た | | の中に記入せよ。

(1) 7 個の数字0, 1, 2, 3, 4, 5, 6を重複なく使って 4桁の整数をつく
る。和干の位の数と百の位の数の和が 3 となる整数は 通りあ
Bo 隣り合う位の数の和が3 とならない整数は 通りある。
また, 4 の倍数となる整数は 通りある。

(2) logs(« +1) と logs (a — 3) の真数条件が同時に成り立つょの範囲は
CHS. KK, 不等式ogs(と1) + loge(e —3) =2を満
たすヶの範囲は である。

(3) O を原点とする座標平面上で, 2 点 A(—3,2), B(5, 18) を通る直線
7 の方程式はリー である。7 と放物線 の : ッー z? との交点
をP, Q とおく。ただし, P の座標はQ のヶ座標より小さいとす
る。このとき, AOPQ の面積は であり, 7とひで囲まれ
た部分の面積は である。

(4) BER f(x), f(x) = iel+ f JO dt を満たすとする。このとき,

a=[ fat EBLE, 4の値がオー ERED, fle)

も求まる。また, この f(a) を用いた定積分 f F(x) の値は,
ol
I= と求まる。

[IT ] 数列 {an} の初項から第p項までの和を 5。 = Sra, とおくとき,。
BOI {5p} と {an} は条件 -
もう
を満たす。このとき, 次の問いに答えよ。
(1) an を eg。-ュとゃを用いて表すことで {an} の滞化式を求めよ。
(2) BB {bn} Eby = Fob (n= 152.3...)で定める。 このとき, {on}
の一般項を求めよ。
(8) {an} の一般項を求めよ。また, {Sp} の一般項を求めよ。
(IL) 正の実数ゎに対して f(c) = ? 一 3pz とおき, 座標平面上の曲線
ターニナ(c) を とする。このとき, 次の問いに答えよ。
(1) の上の点 (ぉ7(0) における の接線の方程式を求めよ。
(2) 点(-1.3) を通る Cの接線が, ちょうど 2本であるとする。この条
件を満たすようなゎの値をすべて求めよ。
(3) 点 (-1,3) を通るの接線が,。 ちょうど3本であるとする。それらの
3 本の接線とのとの接点をそれぞれ(e,7(@), (Vf), BL())
とおく。ただし, e こッ<おを満たすようにo。, を選ぶとす
る。さらに ッー ーエどであるとする。これらの条件をすべて講た
すようなゎヵの値を求めよ。また, そのときのoの値を求めよ。
- ー52 一

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