神戸大学 2014年度 過去問・解答

藤原進之介です。このページでは神戸大学2014年度の数学過去問の問題資料と学習情報を無料公開しています。掲載している問題・解答・解説の範囲は、ページ内の各見出しでご確認ください。

今日の一問
2次方程式 の2つの解を とし、 とおく。以下の問に答えよ。
(1)  を2以上の自然数とするとき、 となることを示せ。
(2) 曲線 の極値を求めよ。
(3) 曲線 軸で囲まれた図形の面積を求めよ。
——さて、どこから手をつける?
答えと考え方は、この記事の中で順を追って解説します。

問題

解答

📑 この年度の大問インデックス(全6問)

解説が長いので、解きたい大問へ直接移動できるようにしています。解けなかった問題は、解説を読んだあとに同じ型の問題で当て直すと定着が速くなります。

型から探したいときは解法パターン事典、他の年度は過去問解説の総索引から。

🧭 神戸大学 2014年度|大問ごとに「使う型」を対応させた表

解けなかった大問がどの型に属するのかを一覧にしました。解説を読んだあと、型のページで同じ判断を使う問題を数問当てると定着が速くなります。この年度は難易度と目標時間を掲載していないため、それらは載せていません。

大問出題テーマ使う型(解法パターン事典)
【1】数列と3次関数・面積(文1)数列・漸化式
【2】ピタゴラス数と内接円(文2 = 理2)図形と計量
【3】空間の正方形とベクトル(文3 = 理3)ベクトルの図形への応用
【4】指数関数の増減と共有点(理1)指数・対数
【5】カードの和と確率(理4)確率
【6】三角形の回転と回転体の体積(理5)積分法(体積・弧長)

型の全体像は解法パターン事典、他の年度・他大学は過去問解説の総索引から。神戸大学の年度一覧は各ページ末尾のナビでも確認できます。

神戸大学 2014年度(平成26年度)前期日程 数学の全問解説です。文科系(3題・75点)と理科系(5題・150点)が出題され、そのうち2題は共通です。重複をまとめると全6題18小問になります。
掲載しているすべての数値は、当塾で独立に解いたうえで Pythonによる検算(ピタゴラス数を総当たり・正方形と点Oの位置を200通り・8枚のカードの全70通り・回転体をモンテカルロ法で体積計算・最小値を20万点で走査) を行い、本ページで配布している解答PDFも数強塾が独自に作成したもので、この解説と同じ答え・同じ道筋です。

本ページ冊子分野答え
【1】文1数列と3次関数・面積極大 /極小 /面積
【2】文2 = 理2ピタゴラス数と内接円 または
【3】文3 = 理3空間の正方形とベクトル/垂直の証明
【4】理1指数関数の増減と共有点/極大 、極小 /個数は4通り
【5】理4カードの和と確率証明2問/確率
【6】理5三角形の回転と回転体の体積/最小

この年度の傾向(3行)

  • 前半の小問が後半の道具になる、という作りが徹底しています。【1】は (1) で作った漸化式から から を出し、それを (2)(3) の係数に使います。【2】は (1) の がなければ (2) の内接円の公式が使えません。前の小問の答えは、次で必ず使うと思って進めるのが正解です。
  • 「場合が2通りに分かれる」ところが2か所あり、そこが最大の関門です。【2】(3) は が素数という条件から の2通りが出て、答えも2通りになります。【4】(3) は の値で共有点の個数が4通りに変わります。「答えが1つとは限らない」と気づけるかが分かれ目です。
  • 理科系の最後の1題は、図が描ければ半分は終わりです。【6】は三角形を90°回した通過領域を求める問題で、これが「三角形+扇形」だと分かれば、体積は素直な積分になります。手を動かして図を描く時間を惜しまないことが、そのまま得点になります。

文科系(3題)

【1】数列と3次関数・面積(文1)

【問題】
2次方程式 の2つの解を とし、 とおく。以下の問に答えよ。
(1)  を2以上の自然数とするとき、 となることを示せ。
(2) 曲線 の極値を求めよ。
(3) 曲線 軸で囲まれた図形の面積を求めよ。

(1)

【問題(再掲)】  のとき となることを示せ。

【型】 の漸化式は、解と係数の関係を使って を展開する。

【なぜこうするか】  の具体的な値()を代入しても証明はできますが、根号だらけになります。使うのは「和が1、積が 」の2つだけです。 を展開すると が出てくるので、そこから式が組み立ちます。

【解答】
解と係数の関係より ここで であるから を代入すると
よくあるミス  から導き、 についても同様として足す解き方もあります(こちらも正しい)。ただし は「 が方程式の解だから」であって、その一言を書かないと減点されます

(2) 3次関数の極値

【問題(再掲)】 曲線 の極値を求めよ。

【型】まず係数を数に直す。文字のまま微分しない。

【なぜこうするか】  から は (1) の漸化式で全部計算できます。数に直してから微分するほうが、計算も検算もはるかに楽です。ここで (1) が効いてきます。

【解答】
(1) より 。よって となるのは で、増減表は次のようになる。
増加極大減少極小増加
【解答(続き)】
(極大値 、極小値 。)
よくあるミス  の位置を取り違えて としてしまう形です。問題の式は で、添字の順番が 1, 3, 2, 4 とわざとずらしてあります。写し間違いを誘う作りなので、代入前に指さし確認を。

(3) 放物線と 軸で囲まれた面積

【問題(再掲)】 曲線 軸で囲まれた図形の面積を求めよ。

【型】放物線と 軸で囲む面積は6分の1公式。

【なぜこうするか】  と因数分解できるので、 軸との交点は 。この形なら がそのまま使えます。展開して積分するより速く、計算ミスも減ります

【解答】
軸との交点は では だから、求める面積は
よくあるミス  であることを確認せず、そのまま を計算して と答える形です。面積は正の値なので、符号が合わなければ上下を取り違えている合図です。

【2】ピタゴラス数と内接円(文2 = 理2)

【問題】
を自然数とし、 とおく。三辺の長さが である三角形の内接円の半径を とし、その三角形の面積を とする。このとき、以下の問に答えよ。
(1)  を示せ。
(2)  を用いて表せ。
(3)  が素数のときに、 を用いて表せ。
(4)  が素数のときに、 が6で割り切れることを示せ。
rABCabca²+b²=c² だから ∠C=90°。内接円の半径は r=(a+b−c)/2
直角三角形と内接円

(1)

【問題(再掲)】  を示せ。

【型】素直に展開する。この (1) は「直角三角形である」ことを言うための準備。

【なぜこうするか】 計算自体は展開するだけです。大事なのはこの結果が何を意味するかで、三平方の定理の逆から「 を斜辺とする直角三角形」だと分かります。(2) 以降はすべてこの事実の上に乗ります。

【解答】

三平方の定理の逆より、この三角形は を斜辺とする直角三角形である。

(2) 内接円の半径

【問題(再掲)】  を用いて表せ。

【型】内接円の半径は「面積 = (周の長さ)」から出す。

【なぜこうするか】 内接円の中心と3頂点を結ぶと、三角形が3つに分かれます。それぞれの高さが なので、面積は です。一方 (1) より直角三角形なので、面積は とも書けます。面積を2通りに書いて等号で結ぶのが定番です。

【解答】
(1) より だから、面積は 。また内接円の半径 を用いると面積は と書けるので

別の見方 直角三角形では が成り立ちます(接線の長さを考えると出ます)。これを使うと と、さらに短く求まります。

よくあるミス 分母の を計算するときに が消えることを見落とす形です。 なので、分母は となり、きれいに約分できます。

(3) が素数のときの

【問題(再掲)】  が素数のときに、 を用いて表せ。

【型】「積が素数」なら、かけ算の分け方は2通りしかない。

【なぜこうするか】 (2) より です。 も正の整数なので、これが素数 になるのは の2通りだけです。どちらの場合も答えが必要で、 は2通りの式になります。「答えは1つ」と決めつけないことがこの問題の要です。

【解答】
である。
が素数で、 はともに正の整数だから [i] のとき [ii] のとき

検証  の範囲で が素数になる組を総当たりし(20組)、いずれの も上の2つの式のどちらかに一致することを確認しました。

よくあるミス  の場合だけ答えて終わる形です。 が素数 本体になる場合()も条件をみたします。たとえば なら の両方があり、 はそれぞれ になります。

(4) が6で割り切れること

【問題(再掲)】  が素数のときに、 が6で割り切れることを示せ。

【型】連続する3整数の積は必ず6の倍数。その形を作る。

【なぜこうするか】 連続3整数の中には必ず2の倍数と3の倍数があるので、積は6で割り切れます。[i] の はまさにその形です。問題は [ii] の で、これをどう連続3整数に持ち込むか と分けると、2つの連続3整数の和になります。

【解答】
[i] のとき
連続する3つの整数の積だから、2の倍数と3の倍数を必ず含み、6で割り切れる。
[ii] のとき
だから 右辺の2つの項はどちらも連続する3つの整数の積だから、それぞれ6で割り切れる。よって も6で割り切れる。
以上より、いずれの場合も は6で割り切れる。

もう一つの見方  です(2乗の和の公式)。右辺は6の倍数なので、これでも示せます。

よくあるミス 「 が素数だから は奇数」として議論を進める形です。素数には があります。実際 のときも で、どちらも6の倍数です。素数=奇数ではありません

【3】空間の正方形とベクトル(文3 = 理3)

【問題】
空間において、原点 O を通らない平面 上に一辺の長さ1の正方形があり、その頂点を順に A, B, C, D とする。このとき、以下の問に答えよ。
(1) ベクトル を用いて表せ。
(2)  のとき、ベクトル が、平面 と垂直であることを示せ。
αABCDMOOA=OB=OC のとき、O から平面 α に下ろした垂線の足は正方形の中心 M(対角線の交点)になる
平面 上の正方形 ABCD と、平面外の点 O

(1) を表す

【問題(再掲)】  を用いて表せ。

【型】平行四辺形なら「2本の対角線の中点が一致する」。

【なぜこうするか】 正方形 ABCD は平行四辺形でもあるので、対角線 AC と BD の中点が同じです。これを位置ベクトルで書けば、 が残りの3本で表せます。「頂点を順に A, B, C, D」という書き方から、AC と BD が対角線だと読み取るのがポイントです。

【解答】
正方形 ABCD において、対角線 AC と BD の中点は一致するから
よくあるミス  から出す方法も同じ結果になりますが、 などと辺の対応を間違えると別の式になります。四角形の頂点は「順に」並んでいるので、隣り合うのは AB, BC, CD, DA、向かい合うのは AC, BD です。

(2) 和が平面 と垂直

【問題(再掲)】  のとき、 が平面 と垂直であることを示せ。

【型】平面と垂直=平面上の交わる2方向のどちらとも内積が0。

【なぜこうするか】 平面と垂直であることを示すには、平面上の平行でない2つのベクトル(ここでは )との内積がどちらも0だと言えば十分です。
まず (1) を代入すると、和は というきれいな形になります。 が打ち消し合うのがこの問題の仕掛けです。

【解答】
(1) より とおく。正方形の一辺は1、対角線は だから ここで 同様に 一方、(正方形の隣り合う辺は垂直)を展開すると これと を上の2式に使うと、どちらも となる。すなわち は平面 上の平行でない2つのベクトルだから、 は平面 と垂直である。

図で見ると (M は正方形の中心)なので、示したベクトルは です。 のとき、O から平面 に下ろした垂線の足 H は A, B, C から等距離、つまり三角形 ABC の外心です。正方形では なので外接円の中心は AC の中点、すなわち正方形の中心 M。したがって となり、同じ結論が図形的にも見えます。

検証 平面と正方形の向きをランダムに200通り取り、O を「正方形の中心の真上」に置いて、 と、4本の和が平面の2方向と直交すること(さらに に等しいこと)を確認しました。

よくあるミス 「 は対角線 AC の方向だから平面上のベクトル」と誤解する形です。であって差ではありません。差 が平面上のベクトルです。

理科系(さらに3題)

【4】指数関数の増減と共有点(理1)

【問題】
を実数とし、 とする。曲線 上の点 における接線の傾きを とする。このとき、以下の問に答えよ。
(1)  の値を求めよ。
(2) 関数 の極値を求めよ。
(3)  を実数とするとき、2つの曲線 の範囲での共有点の個数を調べよ。

(1) の値

【問題(再掲)】  の値を求めよ。

【型】接線の傾き=その点での微分係数

【なぜこうするか】 条件は「 での接線の傾きが 」なので、 を解くだけです。積の微分を落ち着いて使います。

【解答】

(2) 極値

【問題(再掲)】 関数 の極値を求めよ。

【型】 を因数分解する。 の項と多項式の項に共通因数を探す。

【なぜこうするか】  を入れると となります。後ろの なので、 でくくれます。指数関数が混じった導関数は、たいてい因数分解できるように作られています。

【解答】
より となるのは すなわち に注意して増減表を書くと、 で極大、 で極小である。 (極大値 、極小値 。)
よくあるミス  の計算で を使い忘れる形です。 を入れると です。ここが計算できれば、あとは と気持ちよく消えます。

(3) 共有点の個数

【問題(再掲)】 2つの曲線 での共有点の個数を調べよ。

【型】 を分離して の形にし、「グラフと水平線の交点」に読み替える。

【なぜこうするか】 共有点の方程式は 、つまり です。左辺はちょうど (2) で調べた 動く文字 を右辺に集めれば、「固定されたグラフ」と「上下する水平線」の交点の話になり、(2) の増減表がそのまま使えます。

xyO1 − 1/ee − 3−(log2)²−11log2−1 ≦ x ≦ 1 での y=f(x)。水平線 y=b との交点の個数を読む
と水平線
【解答】
共有点の 座標は をみたす。よって、 における のグラフと直線 の共有点の個数を調べればよい。
(2) より、この区間で から まで減少し、 から まで増加する。区間の端と極値の値は だから、共有点の個数は次のようになる。
の範囲共有点の個数
0 個
1 個
2 個
1 個
0 個

検証 区間を40万分割して の符号変化を数え、上の表と一致することを確認しました(区間の端が解になる のときは、端点も1個として数えます)。

よくあるミス 減少部分と増加部分の値域が違うことを見落とす形です。減少部分の値域は 、増加部分は で、増加部分のほうが上端が低い。だから より大きいところでは、交点は減少部分の1個だけになります。

【5】カードの和と確率(理4)

【問題】
を自然数とする。1から までの番号をつけた 枚のカードを袋に入れ、よくかき混ぜて 枚を取り出し、取り出した 枚のカードの数字の合計を 、残された 枚のカードの数字の合計を とする。このとき、以下の問に答えよ。
(1)  が奇数のとき、 が等しくないことを示せ。
(2)  が偶数のとき、 の差は偶数であることを示せ。
(3)  のとき、 が等しい確率を求めよ。

(1) が奇数のとき

【問題(再掲)】  が奇数のとき、 が等しくないことを示せ。

【型】 は取り出し方によらず一定。まずそれを押さえる。

【なぜこうするか】  を別々に調べるのは大変ですが、 は必ず で一定です。もし なら はその半分。半分が整数にならなければ矛盾、という筋道になります。

【解答】
いま と仮定すると が奇数のとき、 も奇数だから 奇数である。奇数を2で割った値は整数にならないが、 はカードの数字の和なので整数でなければならない。これは矛盾。
よって が奇数のとき
よくあるミス 「 の作り方が違うから等しくない」といった説明で済ませる形です。示すべきはどんな取り出し方をしても等しくならないことなので、和の偶奇という「取り出し方によらない性質」を使う必要があります。

(2) が偶数のとき は偶数

【問題(再掲)】  が偶数のとき、 の差は偶数であることを示せ。

【型】差は「和」から作る。

【なぜこうするか】  を直接調べるより、すでに分かっている を使うほうが早いです。 と書けば、 は必ず偶数なので、あとは の偶奇だけで決まります。

【解答】
が偶数のとき、 は偶数である。ここで であり、 は偶数、 も偶数だから、その差である は偶数である。

(3) のとき となる確率

【問題(再掲)】  のとき、 が等しい確率を求めよ。

【型】和が決まった値になる組を、大きい数から順に樹形図で数え上げる。

【なぜこうするか】  なら1から8のカードから4枚。合計は36なので、 です。あとは「4枚選んで和が18」の組を数えるだけですが、行き当たりばったりに書くと必ず重複か漏れが出ます。「8を含むか含まないか」で場合分けし、各場合で小さい順に並べると確実です。

【解答】
1から8までの8枚から4枚を取り出す方法は (これらは同様に確からしい。)
だから、 となるのは のとき。和が18になる4枚の組を、小さい順に並べて数える。
8を含むとき 残り3枚の和は10で、1から7から選ぶ: の4通り。 8を含まず7を含むとき 残り3枚の和は11で、1から6から選ぶ: の3通り。 7も8も含まないとき 4枚の最大の和は なので の1通り。 合計 通り。よって求める確率は

検証 70通りをすべて列挙して和が18になるものを数え、8通りであることを確認しました。

よくあるミス 「取り出した4枚」と「残りの4枚」を別のものとして2倍に数えてしまう形です。ここでは となる取り出し方を数えており、その1つ1つに対して残りも18になります。数えているのは「取り出し方」であって「組の分け方」ではありません

【6】三角形の回転と回転体の体積(理5)

【問題】
を正の実数とし、 平面上に3点 をとる。三角形 OAB を、原点 O を中心に 回転するとき、三角形 OAB が通過してできる図形を とする。このとき、以下の問に答えよ。
(1)  平面上に図示せよ。
(2)  軸のまわりに1回転してできる回転体の体積 を求めよ。
(3)  のとき、(2) で求めた の最小値と、そのときの の値を求めよ。

(1) の図示

【問題(再掲)】  平面上に図示せよ。

【型】回転の通過領域は「原点からの距離ごと」に考える。距離が同じ点は同じ円周上を動く。

【なぜこうするか】 回転しても原点からの距離は変わりません。だから通過領域は、「もとの図形の各点を、原点中心の円弧に沿って ぶん引き伸ばしたもの」です。三角形の最も遠い点は B(距離 )なので、その分だけ外側に扇形が伸びます。結果として は「もとの三角形」と「B を回してできる扇形」を合わせた形になります。

【解答】
とし、 軸のなす角を )とする。
三角形 OAB の点を極座標 で見ると、 かつ の範囲にある。これを から まで回すと、通過領域は となる。ここで の部分では が自動的に成り立つので、その部分の条件は だけである。
したがって は、三角形 OAB と、半径 ・中心角 の扇形 を合わせた図形である。ここで は B を 回転した点である。
xyOABB’B’ は B を 90° 回した点(−b, a)。D は三角形 OAB と扇形 OBB’ を合わせた形
通過領域 。三角形 OAB に扇形 OBB’ がつながった形
よくあるミス  を「半径 、中心角 の扇形」全体としてしまう形です。もとの三角形は扇形ではなく、辺 AB(直線 )で切られています。回転の初めのほう( の部分)ではその切り口がそのまま残るので、右側は円弧ではなく直線です。

(2) 回転体の体積

【問題(再掲)】  軸のまわりに1回転してできる回転体の体積 を求めよ。

【型】外側の立体から、内側の空洞ぶんを引く。空洞が円すいなら公式で引ける。

【なぜこうするか】  の外側の境界は、 の全体にわたって円弧 です。だから外側だけ見れば、半径 の球を で切った立体になります。
一方 の側では、 は線分 より上にしかありません。この線分を回すと円すいができ、その内側は空洞です。したがって「球の一部から円すいを引く」で求まります。

xyB’Ax<0 では中心に穴x<0 の側では、内側に円すい(赤い線の回転)ぶんの穴があく
回転体の断面。x<0 の側には円すいの空洞ができる
【解答】
の範囲にあり、外側の境界は円 である。したがって、外側の立体の体積は 一方 では、線分 の回転による円すい(底面の半径 、高さ )が空洞になる。その体積は よって

検証  について、400万点のモンテカルロ法で回転体の体積を数値的に求め、上の式の値(順に )と小数第2位まで一致することを確認しました。

よくあるミス  の側にも空洞があると思ってしまう形です。 の側では 軸に接しています(線分 OA があるため)。 の点が領域に含まれていれば、回転しても中心まで詰まっているので空洞はできません。

(3) のときの の最小値

【問題(再掲)】  のとき、 の最小値と、そのときの の値を求めよ。

【型】条件式で1文字にしてから微分。定義域()を必ず書く。

【なぜこうするか】  を代入すれば だけの3次関数になります。 がともに正という条件から が出るので、その範囲で増減を調べます。

【解答】
で、 より 。(2) の式に代入すると を解くと にあるのは のみで、 は下に凸だから、この前後で符号が から に変わる。よって はここで最小になる。
すなわち をみたすので を代入して

検証  を20万分割して を計算し、最小値 で得られることを確認しました。 と一致します(区間の端の値は )。

よくあるミス  をそのまま3次式に代入して展開しようとして、計算が破綻する形です。 の解なので、次数を下げてから代入すると一気に軽くなります。無理数を代入するときの常套手段です。

この年度で身につく「型」の一覧

【1】(1) の漸化式は の展開から
【1】(2)文字の係数は先に数に直してから微分する
【1】(3)放物線と 軸で囲む面積は6分の1公式
【2】(2)内接円の半径は「面積を2通りに書く」から出す
【2】(3)「積が素数」なら分け方は2通り。両方答える
【2】(4)連続3整数の積は6の倍数。その形を作れないか探す
【3】(1)平行四辺形は「対角線の中点が一致」
【3】(2)平面と垂直=平面上の交わる2方向と内積が0
【4】(2)指数の入った導関数は、共通因数でくくれるように作られている
【4】(3)動く文字を分離して「グラフと水平線の交点」に読み替える
【5】(1)(2)取り出し方によらない量()を先に押さえる
【5】(3)数え上げは「一番大きい数を含むか」で場合分けする
【6】(1)回転の通過領域は、原点からの距離ごとに考える
【6】(2)空洞が円すいなら、公式でまとめて引ける
【6】(3)無理数を代入するときは、満たす方程式で次数を下げる

検証について

この記事の数値は、次の3段階で確かめています。

  1. 当塾で独立に解く(解答を見ずに、まず自分で最後まで解く)
  2. Python による独立検算 【1】は まで計算して漸化式を確認。【2】は を総当たりし、 が素数になる20組すべてで の式と6の倍数であることを確認。【3】は平面と正方形の向きを200通り。【4】は区間を40万分割して交点の個数を数える。【5】は70通りを全列挙。【6】は400万点のモンテカルロ法で体積を求め、さらに最小値を20万点で走査。
  3. 別解での全問確認(18小問すべて一致)

なお【2】(3) は答えが2通りになります。当塾でも最初は の場合だけを書きかけましたが、 が素数という条件からは の両方が出ます。総当たりの検算は、この見落としがないかを確かめるために行いました。

解けなかった問題を、そのままにしない。

過去問で手が止まる場所は人によって違います。方針が立たないのか、方針は立つのに計算で崩れるのか——原因が違えば、次にやるべきことも変わります。

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問題PDFをテキストでも確認

神戸大学 2014年度 数学入試問題の文字起こし・出題分析

公開中の問題PDFを検索・復習しやすいよう文字データ化し、読み取れた語句から出題分野を整理しました。

  • 図形・三角関数
  • 整数
  • 微分・積分
  • ベクトル
  • 空間図形
  • 確率・場合の数
  • 関数・グラフ
  • 方程式・不等式

この年度の出題範囲と傾向

2014年度の問題PDFでは、図形・三角関数、整数、微分・積分、ベクトル、空間図形に関する語句や設問を確認できました。神戸大学の公開PDFを年度横断で調べると、微分・積分は24年度、整数は22年度、図形・三角関数は21年度で検出されており、複数年を比較して対策したい分野です。

分野判定はPDFから読み取れた語句に基づく集計です。数式・記号・図表は文字変換で崩れる場合があるため、正確な条件は必ず原本PDFで確認してください。

問題文の文字起こし

問1画像OCR

検出分野: 図形・三角関数、整数、微分・積分、ベクトル、空間図形

(1) n を 2 以上の自然数とするとき,
Cnt1 = Cn + Cp-1
となることを示せ.
(2) 曲線ター gz9 一caz2 — cor + cy の極値を求めよ.
(3) 曲線 ター crz2ー caz十の と, 2 軸で囲まれた図形の面積を求
めよ.
— 1 OM2(031—l4)

ク。 m, n(m<n) を自然数とし,
a=n—m?, b=2mn, c=n? +m?
とおく. 三辺の長さが a, b, cである三角形の内接円の半径をヶ
とし, その三角形の面積を 9 とする. COLE, 以下の問に答
えよ.
(配点25 点)
(1) @+ぴジニの〆 を示せ.
Q)r&#m, を用いて表せ.
(3) 7 が素数のときに, 9 を7 を用いて表せ.
(4) 7 が素数のときに, SAG で割り切れることを示せ.
i
|
ー 2 一 のNM2(091一15)

づ. 空間において, 原点 O を通らない平面 e 上に一辺の長さ 1 OE
方形があり, その頂点を順に A,B, C, D とする. このとき, 以
下の間に答えよ. (配点25 点)
(1) ベクトル OD を, OA, OB, OO を用いて表せ.
(2) 0A = OB = OC のとき, ベクトル
OA+ OB + 064 OD
が, Fila と垂直であることを示せ.
— 3 <一 OM2(031—16)

原本の問題PDFを確認する

問2画像OCR

検出分野: 図形・三角関数、整数、微分・積分、確率・場合の数、空間図形

(1) a の値を求めよ.
(2) 関数 y = f(x) の極値を求めよ.
(3) b を実数とするとき, 2つの曲線 = ae? とりー=z2二gz二5
の -1Sァく1の範囲での共有点の個数を調べよ.
2 = ©M3 (031-18)

2. m,n (の この) を自然数とし,
a=n2—m, b=2mn, c=n? +m?
とおく. 三辺の長さが a, 5, c である三角形の内接円の半径をァ
LL, その三角形の面積を 9 とする. COLE, 以下の問に答
RE.
(配点30 点)
(1) のの + アーの を示せ.
(2) 7 を mr を用いて表せ.
] (3) 7 が素数のときに, 9 を7 を用いて表せ.
| (4) 7 が素数のときに, 9 が6 で割り切れることを示せ.
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i
— Zo ぐM3(031一19)

3. 空間において, 原点 O を通らない平面 w 上に一辺の長さ 1 OE
方形だがあり, その頂点を順に A, B,C, D とする. このとき, 以
下の問に答えよ. (配点30点)
(1) ベクトル OD を, OA, OB, OC を用いて表せ.
(2) 0A = OB = OOC のとき, ベクトル
OA + OB + OC+ OD
が, 平面 と垂直であることを示せ.
= Bes M3 (031—20)

A. n を自然数とする. 1 から In までの番号をつけた In 枚のカー

ドを袋に入れ, よくかき混ぜて ヵ 枚を取り出し, 取り出したヵ
枚のカードの数字の合計を A, 残された n 枚のカードの数字の
合計を BETS. このとき、以下の問に答えよ. (配点30点)
(1) が奇数のとき, AL BUSES BOLL EME.
(2) n が偶数のとき, AL の差は偶数であることを示せ.
(3) ヵ=ニ4 のとき, 4と及が等しい確率を求めよ.

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i

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i

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一 OM3(031—21)

5. 5 を正の実数とし, cy 平面上に3点 O(0.0), Ala, 0), Bla,d)
をとる. 三角形 OAB を, 原点 O を中心に 90° 回転するとき, =
角形 OAB が通過してできる図形を り とする. COLE, 以下
の問に答えよ. (配点 30 点)

(1) の を cy 平面上に図示せよ.
(2) D& 軸のまわりに 1 回転してできる回転体の体積 " EX
めよ.
(3) %?+5= 1 のとき, (2) で求めた の最小値と, そのときの
a の値を求めよ.
a han M3 (031—22)

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